1: 2011/06/22(水) 00:09:46.23 ID:pe5fEMsH0
古泉「貴方はどなたを選ばれますか?」

キョン「いきなり何だお前……風邪でも引いたか?それともあの灰色空間で何かに取り憑かれちまったか?」

古泉「いえ、本気ですよ。今日は女性陣は買い物で不在ですし、たまにはこの様なお話も良いかと思いまして」

キョン「まあ……たまには、な」

古泉「ええ、ではどうぞ」


6: 2011/06/22(水) 00:14:06.72 ID:pe5fEMsH0
キョン「どうぞって言われてもな。お前はどうなんだよ?」

古泉「僕ですか?そうですね……」

古泉「橘京子、ですかね」

キョン「本気かお前」

古泉「んっふ、冗談ですよ。本気ととられました?」

キョン「少しだけだぞ、少しだけ。で、本当は誰だ?もったいぶらんでさっさと言え」

8: 2011/06/22(水) 00:16:15.14 ID:pe5fEMsH0
古泉「まあ彼女はSOS団ではありませんから。ひたむきな所は良いですが」

キョン「そうだな、はいどうぞ」

古泉「……正直に申し上げますと」

キョン「ますと?」

古泉「朝比奈みくるです」

12: 2011/06/22(水) 00:20:01.34 ID:pe5fEMsH0
キョン「ほう……いい度胸だ」

古泉「落ち着いて下さい、目が本気ですよ」

キョン「スゥ~……ヨッシャ!!よし、いいぞ理由を言ってくれ」

古泉「ええ……僕は何より、彼女の付加価値に魅力を感じています」

キョン「付加価値?」

古泉「TPDD、です」

キョン「最悪だなお前見損なったわ、ほんと見損なったわ」

17: 2011/06/22(水) 00:25:35.47 ID:pe5fEMsH0
古泉「罵倒されるのは覚悟の上です。それ程までに、僕にとって彼女の特性は魅力的ですから」

キョン「……他に無いのか?今のままだとお前は金のみで男を見る女と同等だぞ」

古泉「仰る通りですね。ご安心下さい、勿論他にもありますよ」

キョン「言ってくれ。なるべく早く」

古泉「彼女の献身的で素直な性格も魅力ですね。演技かと疑う事もありますが、あれがありのままの彼女であると仮定して、ですよ」



19: 2011/06/22(水) 00:32:51.08 ID:pe5fEMsH0
キョン「朝比奈さんが演技なんぞされる訳が無い。もしも演技なら、お前のありとあらゆる毛を剃り落としてやるさ」

古泉「何故僕が標的に……絶対やめて下さいよ」

キョン「まあ、反省と謝罪はその時に聞かせて貰おう。楽しみにしておく」

古泉「聞く耳を持たれませんね……。僕の話はひとまず置いて、結局貴方が選ばれるのは?」

キョン「それはまた後日で良いか?」

古泉「いえ、ダメです」

23: 2011/06/22(水) 00:36:32.07 ID:pe5fEMsH0
キョン「仕方ないな……ならば言わせて貰おう」

古泉「よっ、待ってました」

キョン「コホン……SOS団名誉顧問、鶴屋さんだ」

古泉「何とまあ氏角から」

キョン「驚いたか?」

古泉「それなりに、いやかなり」

25: 2011/06/22(水) 00:41:25.54 ID:pe5fEMsH0
古泉「どのような理由で?」

キョン「理由か……まずは髪だな。あれほど長いのに手入れが行き届いているのが凄いよな。正直思う存分触ったり嗅いだりしたい」

ガタッ

スタスタ

ガチャ

古泉「なるほど」

キョン「凄い心と体の距離が空いたんだけど」

26: 2011/06/22(水) 00:45:37.45 ID:pe5fEMsH0
古泉「ええ、まあ」

キョン「まあじゃねーよ。何故あの髪を思う存分撫で回したり嗅ぎ回したりしたくならんのか理解できん」

古泉「ですね、僕が悪いです」

キョン「うん、とりあえず距離を元に戻そうか」

古泉「……」ガタッ

キョン「よし、また席離されても面倒だから次の理由だ」

28: 2011/06/22(水) 00:50:33.59 ID:pe5fEMsH0
キョン「絶やさぬ笑顔、覗く八重歯、顔……おでこを隠さない前髪」

キョン「そして天真爛漫で、盛り上げ上手で、作法もなっていてさらに賢いと来たもんだ」

古泉「熱く語られますね」

キョン「冷めてられるかよ。いくら挙げても足りないさ」

古泉「流石の彼女もこれを聞けば赤面されますよ」

29: 2011/06/22(水) 00:54:08.22 ID:pe5fEMsH0
キョン「毎週、いや毎日だって一緒に居たいと思う」

古泉「涼宮さんが居なくてよかった」

キョン「ん?何でだ?」

古泉「いえ……何でもありません」

キョン「そうか」

古泉(あの時命をかけて彼女を守った彼はいずこへ)

34: 2011/06/22(水) 00:58:11.73 ID:pe5fEMsH0
古泉「涼宮さんや長門さんはどうなんですか?」

キョン「ん?あー……そうだなあ」

キョン「ハルヒか……うん……でも付き合ったら毎回何でも俺の奢りになりそうだしな」

古泉「ああ~……」


キョン「長門は……無口だしなあ……そこが良かったりもするが……」

38: 2011/06/22(水) 01:03:55.08 ID:pe5fEMsH0
>>31
鶴屋さんはフローラルな香りが漂ってる


キョン「そりゃ魅力も沢山あるんだが」

古泉「その心は?」

キョン「ハルヒは何だかんだ言って仲間思いで、実は世話好きで、人の心配はする癖に自分の感情は表に出そうとしない。あいつには合わない言葉だが、守りたいと思わせる事もある」

キョン「長門が天蓋なんたらの攻撃を受けた時も、雪山の時も誰より甲斐甲斐しく世話したのはハルヒだしな」



43: 2011/06/22(水) 01:11:19.00 ID:pe5fEMsH0
古泉「ええ、確かに」

キョン「長門は……あいつはさ、やっぱり俺達とは全く違う思考回路だ。俺達に対して理解出来ない事が多いと思う」

キョン「でも徐々に知って行くんだ、色んな事を。あの時は気付け無かった物、今になってやっと解る事」

古泉「……」

キョン「そうだからこそ、成長……と言うとなんだが、一緒に歩いて行ける喜びも普通とは段違いだろうな」

キョン「……なんか凄い上目線だな俺」

古泉「いえ、そんなことはありませんよ」

古泉「それにしても、ここまで貴方が真剣に話されることも中々ありませんね」

46: 2011/06/22(水) 01:17:01.41 ID:pe5fEMsH0
キョン「お前が聞き上手なだけだ」

古泉「光栄です。……そういえば」

キョン「ん?何だ」

古泉「12月に貴方が行かれた世界の長門さんは、どのような方だったんですか?」

キョン「ああ、あの時か……そうだな」

キョン「あれはとんでもないぞ」

古泉「と、言いますと」

キョン「長門であって長門ではない」

48: 2011/06/22(水) 01:21:13.55 ID:pe5fEMsH0

古泉「?」

キョン「なんか凄い可愛い生き物だ」

古泉「な、なるほど……」

キョン「頬を赤らめたり、眉毛を八の字にして不安な顔をしたり、はにかむ長門を想像してみてくれ」

古泉「すみません、できません」

49: 2011/06/22(水) 01:25:46.73 ID:pe5fEMsH0
キョン「まあ、仕方ない。俺も多分そうなる」

キョン「でそんな感じの長門にだ、袖を引っ張られて振り返ると泣きそうな顔をしながら、耳まで真っ赤な長門がそこにいる」

古泉「ほう……」

キョン「あれにはストレスとか悪いもん全部浄化された」

古泉「それ程ですか……一目見たいですね」

キョン「いやもう見れんよ」

古泉「知ってますよ」

51: 2011/06/22(水) 01:28:09.26 ID:pe5fEMsH0
キョン「あ、因みに」

古泉「なんでしょう?」

キョン「鶴屋さんには腕を捻り上げられた」

古泉「なんとまあ」

キョン「で凄い睨まれながら怒られた」

古泉「堪え難いですね」

キョン「ああ」

古泉「色んな意味で」

キョン「その通り」

52: 2011/06/22(水) 01:36:32.26 ID:pe5fEMsH0
古泉「SOS団以外ではどうです?」

キョン「えらく広くなるな……」

古泉「まだ皆さん帰ってきそうにありませんし……」

キョン「確かにな、どこまで行ってんだか」

古泉「気長に待ちましょう。女性の買い物は長いですから」

キョン「そうだな」

古泉「では、続きをどうぞ」

55: 2011/06/22(水) 01:44:32.32 ID:pe5fEMsH0
キョン「……SOS団以外となると、また悩むが……」

キョン「阪中みたいな子も良いかもしれんな」

古泉「おやおや、また以外な所に」

キョン「お淑やかでどこか少し天然っぽいのも良い。ルソーへの溺愛っぷりからも愛情深い所が伺える」

古泉「確かに……溺愛と言う言葉がぴったりでしたね」


56: 2011/06/22(水) 01:51:55.02 ID:pe5fEMsH0
キョン「ああ、何か俺ばかり喋らされてるな。古泉、そろそろお前の番だろ」

古泉「ふふ、バレましたか。そろそろ言われそうな気がして居ましたが」

キョン「良いからほら、お前も言ってくれ」

古泉「では、お言葉に甘えて」

古泉「……やっぱり森さんですかね」

キョン「やっぱりになるのか」

古泉「ええまあ……はい」

キョン「では森さんの理由をどうぞ」

57: 2011/06/22(水) 01:57:37.41 ID:pe5fEMsH0
古泉「ああ見えて頼りになるんですよ、何かこう……ええ、安心して背中を預けられると言いますか、奥さんにもらっても何でも卒なくこなしてくれそうですし」

キョン「それは分かるな。心配なんぞ全く必要なさそうだ。あ……一つ質問していいか?」

古泉「はい、どうぞ」

キョン「森さんって結局何歳なんだ?」

古泉「……」

キョン「……」

古泉「……今日は酸素が美味しいですね……」


58: 2011/06/22(水) 02:01:09.39 ID:pe5fEMsH0
キョン「おい」

古泉「まだまだ生きて居たいので」

キョン「なら仕方ないな」

古泉「ですよね」

キョン「……年齢不詳か」

古泉「諦めて下さい。どうか」

キョン「わかったわかった。もう聞かん」

古泉「助かります……」

60: 2011/06/22(水) 02:10:06.58 ID:pe5fEMsH0
キョン「ん?ちょっと待て電話だ」

古泉「はい」

キョン「ハルヒか……。もしもし?」

ハルヒ『あんた達まだ部室?』

キョン「そりゃそうだろ。待ってろって言われたんだからよ」

ハルヒ『一言多いわね……。ちょっと色々買い過ぎたから、こっち来て持ってくの手伝ってもらえない?てか来なさい。駅前に10秒以内!遅れたら罰金だから!』

キョン「ちょっと待て罰金は……!切りやがったあいつ」

古泉「おやおや……男の出番って所ですか?」

キョン「ああ、行くか。早くしねえとお姫様が憤慨しちまう」

61: 2011/06/22(水) 02:14:09.37 ID:pe5fEMsH0
古泉「やれやれ、ですね」

キョン「人のセリフを盗むな」

古泉「これは失礼しました」

キョン「ったく……なあ、古泉」

古泉「何でしょう?」

キョン「次またこういった機会があれば」

キョン「"結婚するなら誰か"でも話すか」

古泉「良いですね。楽しみにしておきますよ」

キョン「決定だな。んじゃ行くか」

古泉「ええ、お供しますよ」



終わり

62: 2011/06/22(水) 02:14:24.32 ID:++ARucFP0
乙乙

65: 2011/06/22(水) 02:21:23.15 ID:pe5fEMsH0
読んで頂き有難うございました!
多分バレてると思いますが一番好きなのは鶴屋さんです
では、またどこかで!

引用元: 古泉「もしも、SOS団の女性どなたかと恋仲になるとすれば」