加賀美「ほら、最近巷でも流行ってたろ？」

天道「知らん」

加賀美「あー…と、とにかくっ！ 俺もつい最近田所さんから教えてもらってだな！」

加賀美「BDも貸してもらって1期は徹夜して全て視聴した！」

天道「ああ…」

加賀美「現在絶賛放送中の二期もしっかり見てるんだ！ ほら、CDも俺買っちゃってさぁ」ﾁﾗ

天道「……」

加賀美「いいよなぁ…あ、ちなみに俺が好きな子はー…って、お前、何引いてんだよ」

天道「いや…別に」

天道「加賀美。お前がそのけいおんとやらが好きな事はよくわかった。だがお前は俺に何が言いたいんだ？ 意味が分からない」

加賀美「けいおんの良さを分かち合おうと思ってたんだよ！」

加賀美「ていうか俺はてっきりお前もけいおんのことを知っているかと思ってた」

天道「…お前には俺がアニオタニートにでも見えるというのか」

加賀美「いや、そういうわけじゃなくて…ていうかお前…二―ト…」

天道「うるさい。続けろ」

加賀美「あ、ああ…だからだな、お前は…ほら、天の道を行く男…なんだろ？」

加賀美「だったらけいおんの一つや二つ知ってて当然かと」

天道「加賀美。お前は天の道の意味を履き違えている。帰れ。失せろ」

加賀美「お、おい天道！ そりゃないだろ！」

天道「くだらない…。アニメなんぞ時間の無駄だ」

ひより「…二人でなに騒いでるんだ？」

加賀美「あぁ！ ひよりっ、聞いてくれよ…天道が」

ｐｒｒｒｒ…

加賀美「ん？ あ、岬さん！ え、すぐに…？ はい、わかりました！」

加賀美「悪い。用ができたから俺はこれで！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ…ｶﾞﾁｬﾘ

天道「まったく、騒々しい奴だ」

ひより「うん…ん？ あいつ何か忘れ物していってる…BD？」

ひより「…けいおん？」

天道「……」

ひより「あ、けいおんか…あー」

天道「？…なんだ、ひより。お前知っているのか？」

ひより「あの、夜中にやってるアニメのことだろ？ ほら、女子高生がバンドってやつ」

天道「だから軽音（けいおん）か…」

ひより「僕はまだ見たことはないけど…なんだ、加賀美はもう見てたのか」

天道「あ、ああ…」

天道「その、なんだ…ひより。お前はこういう物に対して…何も思わないのか？」

ひより「？…別に。ただのアニメだろ？ …そうだ、この機会に私も見てみようかな」

天道「！」

>>8の下から二番目のひよりの口調が私になってた。正しくは僕

ﾊﾞｯ

ひより「あ」

天道「こ、これは俺が預かっておく。…あとで加賀美に返すためにな」

ひより「そっか、わかった」

天道（こんなものを見せてはひよりに悪影響だ…）

天道「今日のところはもう帰る。じゃあな」

ひより「ああ」

ｶﾞﾁｬﾘ

天道「とりあえずこれは俺の部屋に保管しておくか」ｽﾀｽﾀ…

「ねぇ、あれって…」「やだー天の道を行き全てを司る男がアニメもって歩いてるわぁ…」

天道「なんだ…まだ樹花は帰っていないのか」

天道「それならまだ早いが夕飯の支度を…」

『ほら、最近巷でも流行ってたろ？』

『？…別に。ただのアニメだろ？ …そうだ、この機会に私も見てみようかな』

天道「……」

天道「２話入っているのか」

天道「１時間ぐらい…暇を潰すのも悪くはないか」

ｽ…ｳｨｰﾝ

天道「別に見たいわけじゃない。仕方がなく見てやろうと言うだけの話だ」

『Chatting Now ガチでかしまし Never Ending…』

天道（主人公の遅刻から始まってこのオープニング……）

天道「……」

『こうやって二ートは生まれるのね…』

『部活してないだけで二ートぉ！？』

天道「っ……」

『びりっ』

『あー！何するんだよ律！？』

天道「こいつらが軽音部を立て直すのか。おもしろい、やってみせろ」

『なんだか楽しそうですね。キーボードぐらいしかできないけど、私でよければ…』

天道「こいつの眉毛…おばあちゃん…！」

『やめるのやめようかなぁ』

天道「意思が弱すぎる！ これではゼクターから逃げられてしまうぞ」

『ジェフベック！？』

『ジミーヘンドリックス！？』

天道「やっとそれらしい感じだな」

天道「それにしてもなんだ…全体的にグダグダと…これが面白いのか？」

『なんて謝ったらいいかぁ～…』

天道「泣くな。おばあちゃんが言っていた…泣けば幸運が逃げていくと」

『せめて私たちの演奏聞いていってよ！』

『演奏してくれるの！？』

天道「やっとか…やっと演奏が始まるのか」

『あんまり上手くないですね！』

天道「ああ、同意だ」

『バッサリだー！』

『Please don`t say You are lazy だって本当はcrazy…』

天道「……」

天道「…加賀美はこれを見てニヤニヤとしているわけだ」

天道「馬鹿らしい。だが、次の展開は気にならなくもない。試聴を続けてやる」

ｶﾞﾁｬﾘ

加賀美「天道ぉー！！ いるかー！！」

天道「っ！？」ﾋﾞｸｯ

加賀美「ひよりに言われてお前がけいおんのBDを…って」

加賀美「なんだよ天道。お前、けいおん見てるじゃないかぁ」ﾆﾔﾆﾔ

天道「……」ﾋﾟｯ

加賀美「あぁ！ 別に消さなくてもいいだろ！」

天道「…うるさい」

ﾋﾟｯ

加賀美「見たいなら見たいって素直に言えばいいのに…ほら、二話見るぞ」

天道「いい。夕飯を作る」

加賀美「いいから、いいから」ｸﾞｲｸﾞｲ

天道「お前っ……少しだけだぞ」

加賀美「はいはい。たしかこの回は唯ちゃんの為にみんなでバイトする話だったな」

天道「ふっ、健気なことだな」

加賀美「まぁ、そんなに肩に力入れるなよ。けいおんはリラックスしてのんびりゆったり見るものなんだぞ？」

天道「……」

加賀美「で、天道。気にいった子はいるか？」

天道「何？」

加賀美「好きなキャラだよ！ あ、ちなみに俺は」

『あ、お姉ちゃん。お弁当』

『うっ、こんなに！？』

『軽音部の皆さんの分も用意しておいたの』

天道「……」ﾋﾟｸｯ

加賀美「？…どうかしたか、天道」

天道「いや、別に…」

天道「おい、あんな方法でギターを手に入れていいのか？ あれでいいのか？」

加賀美「ま、まぁそこはアニメだし…」

天道「それにしてもギブソンレスポールか。初心者がいきなりあんな代物を手にするとはいい度胸だな」

加賀美「後々それ相応の腕身につけるからそこは…な？」

天道「仕方がない。今回は目をつぶってやるとしよう」

加賀美（アニメがあーだこーだ言ってたくせに一々うるさいな…）

『Please don`t say You are lazy だって本当はcrazy…』

加賀美「ふぅ、ほら、面白かったろ！」

天道「…さきは気になるな」

加賀美「素直に見たいって言えばいいだろ！」

加賀美「さて、と。それじゃあそろそろ帰るか。天道、けいおん返してくれ」

天道「待て」

加賀美「…なんだよ？」

天道「こいつは暫く俺が預かる」

加賀美「はぁ！？ 待てよ！ それは困る！ そいつは田所さんのなんだぞ！」

天道「知らん。お前から何か言っておいてくれ」

加賀美「お、おい！」

天道「実を言うと…樹花がこれを見たがっていたんだ。だから」

加賀美「そ、そうだったのか。樹花ちゃんが…よし、わかった！ 田所さんには俺が説明しておくよ。そのBDはお前がしばらく預かっていてくれ」

天道「ああ」

天道（なんてことを…樹花を…樹花を言い訳に使ってしまった…すまんっ、樹花…！）

加賀美「それじゃあな！ うんたん！」ｶﾞﾁｬﾘ

天道「……」

天道「行ったか」

ｽ…ｳｨｰﾝ

『お姉ちゃーん。そろそろ起きないと…』

『なんで急ぐの？』

『お母さんにお小遣いの前借り頼んでみたら？ 私も一緒にお願いしてあげる』

『お姉ちゃんうるさいー…』

『あ、添い寝…』

天道「ほぉ…なるほど…」

ｶﾞﾁｬﾘ

樹花「ただいまお兄ちゃん！ あ、今日は肉じゃが！」

天道「おかえり、樹花。ほら、手を洗ってきなさい」

樹花「大丈夫！ 実はもう洗ってきてたの！」

天道「ほぉ、さすがは樹花だ。それじゃあ食べるとしようか」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

樹花「えへへ！ いっただきまーす！ …ん～！ この肉じゃが、グゥー！」

天道「今回は少し変わった物で作ってみた。樹花にはわかるかな？」

樹花「ん～？ …あ！ コーラ！ コーラでしょ！？」

天道「すごいな樹花。正解だ。肉じゃがのコーラ煮…ほら、じゃがいもだけじゃなく、豚肉も柔らかいだろ」

樹花「うん！ すっご～い…コーラなんて入れたら甘くなっちゃうだけかと思ってたのに」

天道「冷蔵庫の中に気が抜けたコーラがあったりしたときにでも試してみるといい。コーラの処理にも助かるし、手軽に作れるぞ」

樹花「お兄ちゃん、誰に話しかけてるの？」

天道「さぁな」

天道「ほら、樹花。そろそろ寝なさい」

樹花「えー！ やだよーもっとテレビ見てたいぃ」

天道「はぁ…樹花」

天道「おばあちゃんが言っていた…寝る子はすくすく育つ…と」

天道「遅くまで起きていては立派に成長できないぞ？ それに明日も学校はある…授業中に居眠りをしては大変だ」

樹花「うー…わかった。もう寝るよぉ…おやすみ、お兄ちゃん」ﾄｺﾄｺ

天道「ああ、おやすみ」

天道「……」

天道「さて」

ﾋﾟｯ

『お姉ちゃん』

『お姉ちゃん！？』

『お姉ちゃーん』

天道「……」

天道「やはり、二話だけでは物足りない」

天道「たしか…加賀美は田所から借りたと言っていたな」

天道「来い、カブトゼクター」

ﾌﾞｩｰﾝ…ﾊﾟｼｯ

天道「変身…！」

田所宅

田所「ったく、加賀美のやつ…勝手に俺のけいおんを…」

田所「せっかく１話から見なおそうと思っていたところだったのに」

田所「…まぁ、いい。途中からでも構わないか…確か３話は試験勉強回だったな」

田所「ビールと摘みも用意したことだ。どれ、２巻を…」ｽ

ｸﾛｯｸｱｯﾌﾟ！

ｼｭｯ…

田所「！？ な、ない…俺のけいおんがない！」

田所「全巻ないだと！？ なぜだっ！ 馬鹿な…おい！ 加賀美っ、加賀美ぃっ！」prrr…

ｽﾀｽﾀｽﾀ…

天道「悪いな。少しの間借りるぞ。田所」

ﾄﾞﾝ

天道「おっと、すまな…」

？「ん…何だ、貴様か。天道」

天道「…剣か」

神代「こんな夜更けに何をしている？」

天道「お前には関係ない。じゃあな」

神代「待て！ …その手に持っている物は何だ」

天道「……」ｽﾀｽﾀ

神代「待てと言っている！ 俺を無視するな！」ｶﾞｼｯ

神代「…ん？」

神代「けいおん…だと？」

天道「……」

神代「おい」

天道「…何だ」

神代「天道。貴様は誰が好みだ」

天道「何だと？」

神代「誰が好みのタイプだと聞いている！」

天道（まさか…）

神代「ユ～イ～か？ ミ・オーか？ リッチャ～ンか？ ツムーギか？」

天道「おい、剣…」

神代「アズ・ニャーンではないだろうな！？」

天道「お前…」

神代「アズ・ニャーンは俺の嫁だ。俺はアズ・ニャーンを愛することにおいても頂点に立つ男だ！」

神代「アズ・ニャーンは渡さん！」

天道「落ち着け。そもそもそのアズ・ニャーンとやらは何だ？」

神代「…何？ お前、知らないのか」

天道「まだ１、２話を視聴しただけだ」

神代「何だと。…ふっ、お前ともいう男がなぁ」

天道「そういうことだ。俺はもう帰るぞ」

神代「まぁ、待て」

天道「今度は何だ」

神代「ウチに来い。特別に一般庶民であるお前に我が家自慢のシアタールームを開放してくれる」

天道「…何だと？」

神代「そこで思う存分けいおんを見ろと言っているのだ。天道」ｸﾞｯ

天道「剣…」

ﾁｭﾝﾁｭﾝ…ﾁﾁﾁﾁ…

天道（結局、梓が登場する回まで試聴させられてしまった…）

ｶﾞﾁｬﾘ

天道「急いで朝食を用意しなければ…」

樹花「あ、お兄ちゃん！」

樹花「もう！ こんな朝まで外で何してたわけ！？ 心配したんだよ！」

天道「す、すまん。樹花」

樹花「まさか…恋人に会いに行ってたとか！？」

天道「いや……そういうわけじゃないんだ」

天道（…俺の…俺の妹に会いに行っていたんだ…）

樹花「ふーん？ とにかく、私、朝練あるからもう行くね～」ｶﾞﾁｬﾘ

天道「ああ！ 樹花！ 朝食を……行ってしまったか」

天道「それじゃあ、続きを見なければな」ﾋﾟｯ

ｶﾞﾁｬﾘ

ひより「…いらっしゃいませ」

風間「やぁ、お美しいお嬢さん。貴女は見るたびに…その…まるで…そう、生物が脱皮するかの如く…美しくなっていき…」

ゴン「ねー…疲れたよ大介ー」

風間「…しばらくはここでゆっくりしていろ。ゴン」

加賀美「あ、お前…」

風間「ん？ なんだお前か。珍しいな。あの男は一緒じゃないのか」

加賀美「天道か？ それが天道の奴…最近すっかり顔見せなくなってなぁ。なにしてるんだか」

風間「ついに奴も隠居生活か。ふふっ」

加賀美「どうだろうな…ん？ お前、そのストラップ…」

風間「ん？ ああ…俺の女神、紬さんだ」

加賀美「お前もけいおんを！ あ、ちなみに俺はだなぁー！」

田所「くそ…りっちゃん…りっちゃん…」

岬「田所さんまだ言ってるんですか。いい加減、仕事に集中してください」

田所「無理だぁ…」

岬「ちょっと！！ …もぉ」

ｶﾞﾁｬﾘ

天道「邪魔するぞ」

岬・田所「！！」

岬「な、なんであなたが…」

天道「おい、落し物だ。道端に落ちていたぞ。お前の物だろう？」ｽ

田所「！！ お、俺のけいおんBD！」

天道「じゃあな。用は済んだ」

田所「うおおぉぉぉ！！」

岬（やだこの上司こわい…）

ｽﾀｽﾀ…

天道「一期は１４話まで試聴を終えた。今は二期を追いかけている…」

天道「二期からはぐーんと俺の妹の活躍が増えてきたな」

天道「おばあちゃんが言っていた…妹は愛でるものだと…」

ｼｭｯ

天道「……」

？「天道…なにブツブツ言ってんだぁ？」

？「気持ち悪いなぁ。一人でニヤニヤしててさ…」

天道「…馬鹿兄弟か」

矢車・影山「あ゛ぁあ…？」

天道「そこをどけ。邪魔をするな…時間が惜しい」

矢車「何を…急いでるのか、俺たちに教えてくれよ。…なぁ？」

影山「しっかり邪魔してあげるからさぁ。へへへ」

天道（ちっ…こんなところでぐずぐずしている暇は…注文しておいたfigmaの妹が届いてしまう…）

ﾋﾟｮｰﾝ､ﾋﾟｮｰﾝ…ﾊﾟｼｯ

矢車「いくぜ…天道ぉ」

影山「あはは」

天道「面倒な…」ﾎﾟﾛ…ｶｼｬﾝ

影山「ん？」

影山「何だ…？ CD？」ﾋｮｲ

天道（しまった…！）

影山「TVアニメ「けいおん！」イメージソング　平沢憂…」

矢車「！」

影山「…ぷっ、あははははは！！ 見てよ兄貴ぃっ、天道の奴、こんなアニメのキャラのCD持ってやがったぜ！？ あっははははは！」

天道「……」

矢車（こいつ…瞳の奥に闇が見える…！）

影山「あはははは！！ だっせぇ！ そこらへんで言いふらしてやるかなぁ！ あっはははは――――」

ﾊﾞｷｨｨｯｯ！！

影山「うげぇ！？」

天道「！」

矢車「おい、ぎゃーぎゃー騒いでるんじゃねぇ…」

影山「あ、あ、兄貴ぃ…？」ﾎﾟﾀ…ﾎﾟﾀ…

矢車「おい、天道」

天道「…何だ」

矢車「今日のところは見逃してやる…運が良かったなぁ？」

天道「どういうつもりだ。お前…まさか…？」

矢車「勘違いするな！」

矢車「俺は…澪ちゃん一筋だ」

天道「！」

影山「あ、兄貴？ な、なに言ってるの…？」

矢車「…行くぞ」ｽﾀｽﾀ…

影山「ま、待ってくれよ兄貴ぃ～…」ﾖﾀﾖﾀ…

天道「……」

天道「！ こうしている暇はない…早く家に帰らなければ…」

影山「くっそ…うぅ…酷いよ、酷いよ兄貴ぃ…」ｸﾞｽﾝ

ｽﾀｽﾀ…ｽ

影山「！　兄貴…どこに行ってたの…？ ぐすっ」

矢車「こいつを、調達してきた」ｽ

影山「DVD…プレーヤー…？ な、なんで…」

ｶﾁｯ

『遅刻遅刻～！』

影山「こ、これは…！？ 兄貴！？」

矢車「……」

『Chatting Now ガチでかしまし Never Ending…』

矢車「…俺と一緒に、地獄に堕ちよう。相棒」ﾎﾟﾝ…

影山「あ…あ……あ…」

神代「ミサキーヌ！」ｶﾞﾁｬﾘ

ひより「いらっしゃ…また変な奴が」

加賀美「お、剣」

風間（こいつはいつかの…）

神代「おぉ！ そこにいるのは我が友カ・ガーミン！」

加賀美「だからそれやめてくれないか。岬さんならここにはいないぞ？」

神代「なに…！ 期待してこんなところにまで来たというのに…ガッデム！」

ひより「…こんなところで悪かったな」

ゴン「ねぇねぇ、早く続き見ようよー」

加賀美「ん、ああ。そうだな…」

神代「見る？ 何を見ていた？」

加賀美「けいおんだよ。ほら」

『ティーセットは撤去すべきです！』

神代「おぉ、アズ・ニャーン！！！！」

「！？」

神代「アズ・ニャーン…」ｽﾘｽﾘ

ゴン「大介！ この人、テレビの液晶に頬擦りしてるよ！」

風間「…離れていろ。ゴン」

加賀美「お、おい！ こらこら！」ｶﾞｼｯ、ｽﾞﾘｽﾞﾘ…

神代「うわぁ～…アズ・ニャーン…」

加賀美「まったく…ていうか剣。お前、けいおん知ってたのか！」

神代「ああ、大好きだ」

ひより「……」

神代「俺は誰よりもアズ・ニャーンを愛でている。違いない」

風間「中野 梓さんのことか」

加賀美「あずにゃん…てっきり剣のことだから澪あたりにいくかと思ってたんだがなぁ」

神代「うむ、嫌いではない。だがカ・ガーミン。アズ・ニャーンをよく見てみろ…あの愛くるしい容姿…ちっぱい、顔つき…頬擦りせずにはいられない！」

ひより「…僕、台所で片付けしてくる」ｽﾀｽﾀ…

影山「唯ちゃん…唯ちゃん…すー…すー…ぐぅ」

矢車「…ふっ、すっかり地獄色に染まっちまったみたいだなぁ。相棒」

影山「ん…あ、兄貴ぃ…」ﾊﾟﾁ…

矢車「どうした？」

影山「夢の中で…唯ちゃんが俺に微笑んでくれたよぉ…俺、闇の中に一筋の光ってやつを見つけた気がする…」

影山「…唯ちゃんにぎゅーって抱きしめてもらいたいなぁ」

矢車「…ああ、そうだなぁ」

矢車「こいつ（けいおん）はどんな奴にだろうと分け隔てなく微笑んでくれる…地獄のオアシスってやつだ」

矢車「二次元は俺たちを裏切らないなぁ…なぁ、相棒」

影山「へへ…そうだね…へへへ…」

天道「隅々まで稼働する…さすがはfigmaか」

天道「…俺の妹、憂」

天道「おばあちゃんが言っていた…フィギュアまで買ってはもう引き返せないと…」

天道「引き返すつもりはない。俺は天の道を突き進むだけだ。依然、変わりなく」

樹花「お兄ちゃーん」

天道「！」ﾊﾞｯ

天道「どうした？ 樹花」

樹花「数学教えてもらおうかと思って！」

天道「あ、ああ…わかった。こっちに来なさい」

天道（まずいな。憂を手に掴んだままだ…どこかに隠さなければ）

樹花「えーっと…ここで、こうして…」ｶｷｶｷ

天道「そう。そこで代入するんだ」

樹花「…あ、解けた！ 解けたよ。お兄ちゃん！」

天道「ああ、よく解けたな。その調子だぞ。樹花」

天道（さて、憂をどうするか…）

ｶｷｶｷ

樹花「…ねぇ、お兄ちゃーん」

天道「ん？ 何だ？」

樹花「けいおんって知ってるー？」

天道「！！」ｶﾞﾀｯ…

樹花「お兄ちゃん？」

天道「あ、ああ。けいおん？ 知らないな。なんだそれは？」

樹花「えー知らないのぉ？ 結構有名だよ。けいおんってのは女子高生が軽音部で…」

天道（ま、まさかここでその名前がでるとは思ってもみなかった…）

樹花「…って感じの話で。アニメで流れた曲とかも結構売れてるみたいなんだぁ。んで、それが今ウチのクラスで大人気なの」

天道「…けいおんが？」

樹花「うん！ それでねー…お願いがあるんだけど」

天道「ああ、なんだ？」

樹花「今日の夜、そのけいおんが放送するの！ お願いお兄ちゃん！ 私もけいおん生で見てみたい！ 今日だけ遅くまで起きさせてて？！」

天道「なん…だと…」

遅くなった。保守ありがうございました。書きます。


天道（これは…なんていうことだ…樹花が…本当にけいおんに興味を…）

樹花「ねーねーおーねーがーいー」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

天道「…録画すればいいことじゃないか」

樹花「一度でいいから生で見てみたいの！ ねぇ、おねがい～」

天道（大切な樹花の頼みだ…できれば叶えてやりたい…だが…しかし…）

樹花「このままじゃ私…みんなの話題についていけないよぉ…」

天道「！！ わ、わかった…今日だけだぞ。ただし、絶対寝坊はするな？ 守れるな？」

樹花「わぁ…ありがとう！ お兄ちゃん大好き！！」ｷﾞｭ

天道「はは…これでいい。これで…」

樹花「お兄ちゃんも一緒に見ようね！」

天道「お、俺もか…！？」

樹花「早く始まんないかなぁ…ふふふ」　

天道（まさか一緒に見ようと言われるとは思ってもなかった…こんなにも喜んでいる樹花の頼みを断るわけにもいかないし…）

天道（しかし、俺はけいおんは一人でゆっくりじっくり視聴したい…もし画面に憂が映ったとき…俺は俺を止められなくなってしまう…！ そんな醜態…樹花に見せるわけには…）

天道「兄としての威厳をここで失うわけにはいかない…」

樹花「ん、どうかしたの？」

天道「樹花…少し出てくる。すぐに戻るよ」

樹花「えー？ もう、早く戻ってきてねー？」

天道「…ああ」ｶﾞﾁｬﾘ

天道「へんしん…！」ﾍﾝｼﾝ！

カブト（天道）「きゃすおふ！」ｷｬｽﾄｵﾌ！ﾁｪﾝｼﾞﾋﾞｰﾄﾙ

カブト「くろあぷ！」ｸﾛｯｸｱｯﾌﾟ！

ｶﾞﾁｬﾘ

天道「……」

ひより「天道？」

風間・ゴン「ん？」

神代「お～！ 天道！ お前もけいおん上映会にさんｋ…ぐふっ」ﾊﾞｷｯ

天道「邪魔をするな…」

加賀美「て、天道…どうしたんだ？」

天道「加賀美。お前に折り入って頼みがある」

加賀美「え！？ お、お前が俺に頼み…？」

ひより「お前どうしたんだ？」

天道「時間がない。手短に言うぞ。今日のけいおん…１３話をBDに録画してもらいたい…」

ひより「！！」

加賀美「なに？ 聞こえなかった？」

天道「今日のけいおんを…俺の憂を録画してくれと言っている…！！」

加賀美「ぷはっｗ」

風間「天道…貴様もだったか」

神代「おぉ、今日はあずにゃん回だったな！」

天道「そいつはどうでもいい。重要なのは憂だ」

ゴン「危ない男しか集まんないね」

ひより「…お前…どうしたんだ……？」

天道「加賀美っ」

加賀美「あ、ああ。分かってるって…今日のやつを録画しときゃいいんだろ？ …くぷぷぷぷｗｗｗ」

加賀美「ま、まさか…本当にお前がけいおんにハマっちまったとはなぁ…ｗ」

加賀美「好きなのは憂ちゃんか…あっははははｗｗｗ」

天道「……それじゃあ任せたぞ。ほら、BDだ。これにしっかり録ってくれ。かならずだ。いいな？」

加賀美「はいはい」

ｶﾞﾁｬﾝ

ゴン「大介。あれがシスコン？」

風間「いや、アニオタニートだな…」

ｸﾛｯｸｵｰﾊﾞｰ！

ｶﾞﾁｬﾘ

天道「今、戻った」

樹花「あ、お兄ちゃん。おかえりー」

天道「…その、もう少しで始まるのか…？ けいおんとやらは」

樹花「うん！ もうすぐだよー」

天道「そうか…悪いが樹花。俺はもう寝るとするよ」

樹花「えー！？ なんでぇ！ 一緒に見てくれるって言ったじゃん！」

天道「そうだな。だが、俺はもうそんなアニメなんてものを見るような歳じゃないだろう？」

樹花「えー…」

天道「明日も早い…悪いが俺はもう休ませてもらうよ。樹花に美味い朝食を作ってあげる為にもな」

樹花「うー…」

樹花「…そこまで言うのなら…わかった。寂しいけど私一人で見るよー」

天道「そうか。それじゃあ、おやすみ」ｽﾀｽﾀ…

樹花「はーい」

・・・

天道「…今日の憂を生で見ずに寝るのか…無念だ…」

天道「憂…俺の妹……」

天道「大切な妹だ…」

天道「憂…うい…すー…すー…」

カブトゼクター（…こいつが心配になってきた）ﾌﾞｰﾝ

樹花「ふぁ～…おはよぉ…」

天道「おはよう樹花。けいおんはどうだった？」

樹花「んー、面白かったけど…ちょっと…想像してたのとは違ったよ」

天道「…そうか。さぁ、はやく朝食を食べて。はやく学校に行こうな」

樹花「ん～」

天道（樹花が家を出たらすぐに加賀美のところへ行こう。あいつ…しっかり録画できているといいが…）

樹花「それじゃあ、行ってくるね」

天道「ああ、行ってらっしゃい」

ｶﾞﾁｬ…ﾊﾞﾀﾝ

天道「よし憂」

ｽﾀｽﾀ…

影山「兄貴…俺、ギー太に首ったけ聞いてると幸せな気分になるんだぁ」ｼｬｶｼｬｶｼｬｶ

矢車「……」

影山「兄貴？」

矢車「よぉ…天道ぉ。何を急いでるんだぁ…？」

天道「そこをどけ。邪魔をするな」

矢車「この前見逃したからって…今回もそうだと思ってるわけじゃないだろうな」

天道「もう一度言う。そこをどけ、矢車」

影山「…ふんふーんふふふふふふーん♪」ｽﾞﾁｬｽﾞﾁｬ

天道「俺の妹が待っている…」

矢車「お前はいいよなぁ…天道。いつまでもそんなこと言ってられて…」

矢車「澪は俺に微笑んでいてくれる…だが、それも所詮…あと少しで終わっちまうことなんだよ…」

天道「なにを…」

矢車「わかったんだよ、天道ぉ…」

矢車「けいおんもいつかは終わりを迎える…２クールだ。９月に終わる…」

天道「…やめろ…言うな…」

矢車「けいおんはいずれ終わる…その後も…お前は憂を愛することができるかぁ？ あ゛？」

天道「っ…」

影山「あ、兄貴！ ごーまにのカップリングのGenius…！？って曲の唯ちゃんがやばい可愛いよ！ 胸がキュンキュンする！」

天道・矢車「へんしん…！」ﾍﾝｼﾝ！

カブト（天道）「そのねじ曲がった根性…修正してやる！」ｷｬｽﾄｵﾌ！ﾁｪﾝｼﾞﾋﾞｰﾄﾙ

キックホッパー（矢車）「天道ぉ…俺がお前をげんじつ！に引き戻してやる…はっ！」ﾁｪﾝｼﾞｷｯｸﾎｯﾊﾟｰ

ﾄﾞｶ､ﾊﾞｷｯ､ﾄﾞｰﾝ

加賀美「ったく、あいつ朝一で取りに来るって言ったくせに全然…ん？ か、カブト…！ 天道！？ それに矢車さんまで…か、影山さん！ これは一体…！？」

影山「やばいって…可愛すぎだって…マジ唯ちゃんって地上に舞い降りた天使ちゃん…あー、たまんねぇな…もうザビーゼクターとかどうでもいい…」

加賀美「だ、だめだ。この人聞いちゃいない…くそ、こうなったら…」

加賀美「こい！ ガタックゼクター！」

ﾌﾞｰﾝ、ﾊﾟｼｯ

加賀美「力尽くでも止める！ 変身！」

ガタック（加賀美）「キャストオフ！」ｷｬｽﾄｵﾌ！ﾁｪｰﾝｼﾞ！ｽﾀｯｸﾞﾋﾞｰﾄﾙ！

カブト（天道）「……！」1、2、3…

キックホッパー（矢車）「ライダージャンプ…！」ﾗｲﾀﾞｰｼﾞｬﾝﾌﾟ！

ガタック（加賀美）「うおー！！ 二人とも！ ワームはまだ出現していない！ 無駄に争うんじゃねぇ！！」

カブト・キックホッパー「ライダーキック…！」ﾗｲﾀﾞｰｷｯｸ！

カブト・キックホッパー「はあぁっっ！！！」ｼｭｯ…

ガタック「え―――」

カブト・キックホッパー（あ…）

ガタック「うわああああああ！？」ﾄﾞｶｰﾝ ｳﾝﾒｲﾉｰ

ｼｭｩｩ…

矢車「ちっ、邪魔が入ったな。行くぞ…相棒」

影山「キュンキュン」

ｽﾀｽﾀ…

天道「なんてことだ。加賀美が氏んだ…ん？」

ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ…ﾊﾟﾘｰﾝ

天道「こ、このBDは…まさか…ば、ばかなっ」

天道「さっきのライダーキックの衝撃で壊れたというのか…！」

天道「くっ…へんしんっ」

カブト（天道）「きゃすおふ！」ｷｬｽﾄｵﾌ！ﾁｪﾝｼﾞﾋﾞｰﾄﾙ

ｳﾞｨｨﾝ…ﾊﾟｼｯ

カブト「ハイパーきゃすおふ！！」ﾊｲﾊﾟｰｷｬｽﾄｵﾌ！ﾁｪﾝｼﾞ！ﾊｲﾊﾟｰﾋﾞｰﾄﾙ！

ハイパーカブト「待ってろ…憂！」

・・・

ガタック（加賀美）「うわああああああ！？」ﾄﾞｶｰﾝ ｳﾝﾒｲﾉｰ

ﾊｲﾊﾟｰｸﾛｯｸｱｯﾌﾟ！

ﾝｶｰﾄﾞ「？！ああああああわう」クッタガ

…ｯｭｼ「！！！っっぁあは」ーパッホクッキ・トブカ

ﾊｲﾊﾟｰｸﾛｯｸｵｰﾊﾞｰ！

ガタック「え―――」

ﾊﾟｼｯ…ｸﾞｲｯ

ガタック「！」…ｹﾞｰﾄﾄｲｶｹﾃｲﾙｰ

ハイパーカブト（天道）「これで危機は免れたか」

カブト「……！」

キックホッパー「なに…？」

ガタック「て、天道！？ いつのまに…」

ハイパーカブト「面倒だ。このままこの場をやり過ごすぞ」

ﾊｲﾊﾟｰｸﾛｯｸｱｯﾌﾟ！

ｼｭｯ…

矢車「ちっ…行くぞ…」

影山「キュンキュン」

天道「無事か」

加賀美「あ、あれ…俺、氏ななかったか…？」

天道「よくあることだ、気にするな。それよりも例の物を早く渡せ」

加賀美「あ、ああ…ほら」ｽ

天道「お前にしては上出来だ」

天道「いや、待て…もしかすると中身がしっかり録れていないということが…」

加賀美「か、確認した！ ちゃんと確認した！」

天道「…まぁ、いい。それならお前を信じて早くこれを見なければな」

加賀美「天道」

天道「何だ」

加賀美「お前…変わったな…」

天道「…おばあちゃんは言っていた…俺は日々進化し続けると…」ｽﾀｽﾀ…

天道「やっとか。我慢していた分、嬉しさが込み上げてくるな」ｽ…ｳｨｰﾝ

天道「おっと…figma憂を片手に…と」ｷﾞｭ

天道「よし、スタートだ。…くそ…相変わらずこのOPには憂分が足りていない」

天道「梓がやけに出しゃばっているのが気に食わん…が、憂の活躍が多い…多少のことには目をつぶってやろう」

天道「ああ…憂…俺の妹……この気持ちはいったい何だ…胸が…キュンキュンする…」

天道「憂………憂…………憂っ…憂ぃぃぃ…憂ぃっ！！」ｸﾞｸﾞｸﾞ

ｶﾞﾁｬﾘ

樹花「お兄ちゃーん！ ただいまー！ さっきそこでひよりさんに会ったからうちにあが…って……」

ひより「……」

樹花・ひより「…………」

天道「あ…あ…」

天道「い、いや…違う…違うんだ…よく見ろ…これは……ま、待て！ 行かないでくれ！ 樹花、ひよりっ！ これは俺の妹の憂で…ち、違う…ちが…」

樹花「…変態」ﾎﾞｿ…ｶﾞﾁｬﾝ

天道「　　　」

・・・

『部活してないだけで二ートぉ！？』

天道「っ……」

ﾊｲﾊﾟｰｸﾛｯｸｱｯﾌﾟ！

「……っ」道天

『？！ぉトーニでけだいなてし活部』

『…ねのるれま生はトーニってやうこ』

「んふ…」道天

ﾊｲﾊﾟｰｸﾛｯｸｵｰﾊﾞｰ！

ハイパーカブト（天道）「はぁっ！！」ｼｭｯ…ﾄﾞｶｰﾝ

天道「！？ BDプレーヤーが…！」

天道「貴様、未来の俺か…！」

ハイパーカブト（これで俺が憂に出会うことは…ない。俺には樹花、ひより…リアル妹たちが…大切な妹たちがいる…！ これで良かったんだ。これで…）

天道「おい、今度は何だというんだ」

ハイパーカブト（天道）「……さよならだ。憂…けいおん…！」

ﾊｲﾊﾟｰｸﾛｯｸｱｯﾌﾟ！

天道「おい！ …行ったか」

天道「…何だったんだ。いったい…？」

加賀美「天道ぉー！！ いるかー！！」ｶﾞﾁｬﾘ

加賀美「ひよりに言われてお前がけいおんのBDを…って」

加賀美「これは…何があった！？ ワームか！」

天道「いや、何でもない。それで何の用だ？」

加賀美「だからけいおんのBDを…」

天道「あぁ、悪いな加賀美…それなんだが、どうやらプレーヤーごと壊れてしまったようだ」

加賀美「こ、壊れたぁ！？ はぁ！？ 待てよ！ それは困る！ そいつは田所さんのなんだぞ！」

天道「そうか。なら、仕方がないな。お前から田所にすまなかったと言っておいてくれ。俺はこれから夕食を作らなければならないからな」

加賀美「ふっざけんな！！ どうするんだよ本当に…田所さん…本当にけいおんが好きなんだぞ？ それを壊しただなんて…」

天道「買い直せばいいだけだろ」

加賀美「だったらお前が買って返せ！！」

天道「…ふん、仕方がない」

「いらっしゃーせー」

天道「おい、店員。ここにけいおんの第1巻は置いているか？」

「あー、少々お待ち下さい……」

「おい、天の道を行き全てを司る男がけいおんを求めに来たぞ」「それは一大事だ」

天道「…ああ、忘れていた。BDのを頼む」

「えっとですね…申し訳ありません。今、在庫の方にはDVD版しかないみたいなんですよぉ」

天道「構わん。出せ」

「はい。えー…一点でー…」

天道（BDだろうとDVDだろうと変わりないだろう）

天道「あぁ、それから…」

ｶﾞﾁｬﾘ

天道「…まだ樹花は帰ってなかったか」

天道「けいおんは明日田所のところへ持っていくとして…まだ時間があるな…」

天道「…目的の物ついでにプレーヤーも買い直したことだ」

天道「さっきは中途半端に終わってしまったことだし、どれ…プレーヤーの調子も確かめるために…」ｽ…ｳｨｰﾝ

・・・

『うっ、こんなに！？』

『軽音部の皆さんの分も用意しておいたの』

天道「……」ﾋﾟｸｯ

おわり…？

・・・

ﾊｲﾊﾟｰｸﾛｯｸｵｰﾊﾞｰ！

ｼｭｯ…

？「え！？ な…なんですか！ あなた！？」

ハイパーカブト（天道）「お前がけいおん原作者…かきふ○い先生だな」

かき○らい「え…あ、いや…ていうか何なんですか！？ いったいいつここに！」

ハイパーカブト「今すぐ平沢唯の妹…平沢憂を登場させることを止めろ」

か○ふらい「な、なんでそれを！ まだきらら（まんがタイムきらら）さんの方にけいおん！は…」

ハイパーカブト「そのキャラクターが現れたことによって苦しむ男がいる…」

○きふらい「いや、何言ってるんですか！」

ハイパーカブト「やかましいっ！ …いいか、頼んだぞ。これ以上犠牲を出すわけにはいかないんだ…」ﾊｲﾊﾟｰｸﾛｯｸｱｯﾌﾟ！

ｼｭｯ…

かきふら○「な…なんだったんだ……」



おわり！

おいｗｗｗ

乙ｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
ここまで来るのに何回も時間を書き換えたんだろうなｗｗｗｗｗ

乙ｗｗ
天道はダメキャラも似合うよねｗ