花陽「嫌い、すき！きらーい、すきっ！嫌い好き嫌い好き！…あっ、最後の一枚になっちゃった」

花陽「…」ぐすん


花陽「凛ちゃんは花陽のことが嫌いなんだ」ぐすん

花陽「凛ちゃん…」ぐすんぐすん

じゅるわん

花陽「あれ？なんの音だろう」

じゅるるるうわあん

花陽「ん？地面に落ちた花びらが宙に浮かんでる」

たらららららーん

花陽「そして…」

ガシィィィン！！！

花陽「またお花にくっついた！！」


お花「カヨチン ウラナイ モウイチドヤリナオシテ」


花陽「お花が喋った！けど春だしそんなこともあるよね。うんっ」

花陽「ありがとうお花さん！じゃあもう一度！」

お花「オヤスイゴヨーダヨ！」


花陽「凛ちゃんは花陽のことが…好き！きらーい、すき！きらいすき！きらーいすき！きらーい…すき…」

花陽「うぅ…」

お花「…」

花陽「やっぱり結果は同じだった…凛ちゃんは花陽のことが嫌いなんだ」

お花「！！」


花陽「やり直しても嫌いが出るってことはただの嫌いじゃない。凛ちゃんは花陽のことが大嫌いなんだ…」ぐすんぐすん


お花「！！！」

花陽「うぅ…ぐすんぐすぐす」

じゅるるるうわあんーちらちらー


花陽「あれ？花びらが一枚だけ宙を舞って…」

お花「ハァァッ！」

ガシィィィン！！！

花陽「またくっついた！」


お花「ゴメンネカヨチン。ゼンブ モトドオリニシテモ ケッカハ オナジ オハナサン ミステイク テヘッ」ペロッ

花陽「お花さんが自分の間違いを認め謝ってくれてる…春だもんね。よくあるよくある！うん！」


お花「サァ カヨチン ツヅキヲヤッチャッテ！」

花陽「続きからでいいの？」

お花「モチロン！」

花陽「はい！ではもう一度！」

花陽「さっきは嫌いで終わってたからー…ふふっ、残りは一枚！ってことは凛ちゃんは花陽のことが…」

お花「コトガァァ！」

ビュュュュュン

お花「？」

花陽「あっ…風が！」

ピューン

ビュュュュュュン！！！！！

花陽「あっ！最後の花びらが風でとんでいっちゃった！」

お花「！！！」

花陽「花びらがなくなっちゃった…ってことは…うぅっ」

お花「…」

花陽「凛ちゃんは花陽のことが…ううっ、ぐすぐす」

お花「ソンナコト サセナイ！！ ハァァァァァ！！！」


ビュュュュュュン！！！！！

花陽「あれ？風が吹いてる…えぇ！今の風で花びらがまた戻ってきた！」

ガシィィィン！！！

花陽「またくっついた！！」

お花「テイヤー！！」


花陽「春だからこういうことはよくあるんだろうけど…ん？何か聴こえてくるよ」

だだすたっただん、だだすだっただん

花陽「今度は何の音？」

だだすだっただん、だだすだっただん、だだすだっただん

ジャーン

？？「…」ビシ！！

花陽「あなたは…？」

お花「キョウリョクボンドサンダヨ！」

強力ボンドさん「…」ぺこり

花陽「強力ボンドさん？ふふっ、春の風物詩ですね」

強力ボンドさん「…」テヘテヘ

お花「コノボンドサン テレチャッテルヨ！プププー」

花陽「あれ？けど強力ボンドさんがどうしてここに？」

強力ボンドさん「…」ちゅゅー

花陽「えっ…花びらをボンドでくっつけてくれるの？」

強力ボンドさん「…」コクン

お花「マタマタゴメンネカヨチン。ボンドデクッツケタヨ。カゼナンカジャトバナイヨ」

花陽「えっ…」

お花「サァ、モウイチドヤリナオシテ」

強力ボンドさん「…」コクン


花陽「お花さん…強力ボンドさん…うん！」

花陽「じゃあもう一度！嫌い…かーらーのー？」

お花「カーラーノォォォ！！」
強力ボンドさん「！！」


花陽「んっ！んんーっ！と、とれない…」

強力ボンドさん「！！」
お花「！！！」

花陽「ボンドが強力すぎて花びらがとれない…」

強力ボンドさん「！！！」
お花「！！！」

花陽「うぅ…凛ちゃんの私に対する嫌いが強すぎてしっかりくっついちゃった」

強力ボンドさん「！！！！！」
お花「チョ！！！！！」

花陽「凛ちゃんは花陽のことが大大の大嫌いなんだ…」

強力ボンドさん「！！」アセアセ、アセアセ

お花「チガウ！カヨチンソレチガウ！」

花陽「ぐすぐすっ…凛ちゃんに嫌われちゃった」ぐすぐすっ

お花「！！」
強力ボンドさん「！！！」


お花「カヨチンヲ…タクサン ナカセテシマッタ」
強力ボンドさん「…」しゅん


お花「モウコレハ サイシュウシュダンシカナイ！」

強力ボンドさん「！！」コクン！


花陽「ううっ…ぐすんぐすん」

お花「ツイテキテ！ボンドサン！」
強力ボンドさん「！！」コクン！

トテトテトテ


花陽「あれ？お花さん…？強力ボンドさん？うぅ、みんないなくなっちゃった」


花陽「凛ちゃんにも嫌われてるし…お花さんと強力ボンドさんにも嫌われちゃった」


花陽「うぅっ…うぅ」ぐすんぐすん


ダッダッダッダッァッ！！！

花陽「あれ？なんの音だろ」

ババッ！

凛「助けにきたにゃ！！」ガバッ


花陽「凛ちゃん？」ぐすん


凛「だれ！かよちんをいじめてたのは誰にゃ！」キョロキョロ

凛「ぐるぅぅぅ」ギリギリ


凛「凛、許さないにゃ！！がるぅぅぅ…」


花陽「違うよ凛ちゃん。いじめられて泣いてたんじゃないの」

凛「えっ…そうなの？じゃあなんで泣いてるの？」

花陽「うん…あのね」ぐすん

凛「はい。もう泣かないでかよちん。ほらハンカチだよー」

花陽「ありがとう…凛ちゃん」

凛「お礼なんていいにゃ！どうして泣いてるの？かよちんを泣かすなんて許さない…凛が一言いってやる！」

凛「かよちんをいじめてたのは誰にゃ！」
花陽「だから違うよぉ…」

凛「本当に違うの？」

花陽「うん。本当にそんなんじゃないよ」にこっ

凛「じゃあ答えてよ！どうしてかよちんは泣いてたの？」

花陽「それは…」
凛「それは？」


花陽「ねぇ…あのね、凛ちゃんは私のこと…好き？」


凛「うん。大好きだよー」

凛「ただの大好きじゃないよ！だいだいだいだいだーいすきにゃー」

花陽「ぴゃあ！」
凛「んー？」

花陽「むむっ！」ごしごし
凛「あれ？」

花陽「うん！もう大丈夫！ありがとう、凛ちゃんっ」

凛「本当に？無理してない？」

花陽「してないよ！凛ちゃんとお話ししたら元気出ちゃった！えへっ」にこー

凛「そう？なら良かったにゃー」

凛「かよちんが元気なら凛とーって嬉しいにゃー」ぎゅー

花陽「ふふっ、もうりんちゃーん」


花陽「…ってあれ？凛ちゃん、手に何持ってるの？」

凛「これ？これは強力ボンドと花びらが一枚だけついてるお花だよ」

花陽「えっ…」

凛「この２つが空から降ってきたんだけど…なんかね、お花とボンドにかよちんが泣いてるから助けてあげてって言われてる気がして…そんなわけないのにね。」


花陽「お花さん…強力ボンドさん」

凛「にゃ？」

花陽「凛ちゃんを呼んできてくれたんだね？どうもありが…」

マッテカヨチン

花陽「へっ？」

オレイナンテケッコウ

花陽「どうして？」

花陽「どうしてなの？」

ソレハネ、カヨチン
ワタシタチハタダノ

花陽「ただの？」
凛「にゃー？」

タダノシガナイ リンパナオシデス

花陽「へ？りんぱ…なんの話だろう」

凛「そんなことより！ほら、今日中に部活決めるんでしょ？凛も付き合うから一緒に行こう！」

花陽「う、うん…まって凛ちゃん！」

凛「待てないにゃー」

花陽「ま、まってぇぇぇ」

サァイッテ コノサキ イロンナコトガマッテルヨ

花陽「えっ、いろんなこと？」

ガンバッテネ、カヨチン

花陽「はい！頑張りますっ」にこっ

おしまい

ありがとうございました

こんなんでもなぜか泣きそうになってしまった
なんかせつない…