1: 2023/02/03(金) 22:37:13.95 ID:AGG/+mQj.net
しずく「お姉ちゃん、お姉ちゃんってばっ」

侑「ん~…」ゴロンッ

しずく「お姉ちゃん…」

しずく「…」

しずく「えいっ!」グイッ

ズルッ…

ドサッ

侑「んぎゃっ!?」

しずく「お・は・よ・う」ニコッ

侑「し、しずく…?」

しずく「ソファで寝ちゃダメって何回も言ってるよね?」

侑「うぅ…だってさぁ…」

しずく「だっても何もないよっ! 風邪引いたらどうするの? もうっ」

侑「ごめんってば…次は気を付けるから」

しずく「それ、つい最近も聞いた気がするんだけど」

侑「次こそ! 次こそ…ねっ?」

しずく「はぁ…」

4: 2023/02/03(金) 22:47:06.39 ID:AGG/+mQj.net
しずく「お姉ちゃんなんだからしっかりしてよ…」

しずく「私、同好会にお姉ちゃんと同じ学年の先輩いるし…」

しずく「…それに」

侑「…今、歩夢を見習って欲しいとか思ってるでしょ?」

しずく「…仕方がないじゃん」

しずく「歩夢ちゃんの方がしっかりしてるんだもんっ」

侑「あーっ! 言っちゃったー」

侑「もう歩夢と大喧嘩するからね。しずくのせいで大喧嘩だ」

しずく「そう言ってもしないくせに」

しずく「…負けるから」

侑「くぅっ…!」

しずく「とにかく、しっかりしてね? お姉ちゃん」

5: 2023/02/03(金) 22:53:38.12 ID:AGG/+mQj.net
―――

侑「お姉ちゃん? お姉さんじゃなくて?」

しずく「だって侑先輩と小さいころから一緒だったら、お姉さんよりお姉ちゃん呼びになる気がしませんか?」

しずく「わんぱくなお姉ちゃんに色々と連れ回されて、その背中を見てきて」

しずく「だから、お姉さんではなくお姉ちゃんで、ちょっぴり当たりが強い」

しずく「…でも、ちゃんと好き」

しずく「なんて感じです」

侑「ほー…」

侑「確かに、しずくちゃんが生れてからずっと妹だったら…」

侑「私のこと、ダメなお姉ちゃんって思ってそう」

しずく「そんなことないですよ。たぶん…」

侑「でもさ。実際のところ色々連れ回されたしずくちゃんの性格ってどっちになるんだろうね」

侑「私に引っ張られるのか、それとも、そのせいで引っ込み思案になるのか」

しずく「なんとなく前者かなぁって思います」

しずく「後者もあり得ないとは言い切れませんけど」

しずく「大好きだからこそ、しっかりして欲しいなって思うと思いますし」

しずく「お姉ちゃんっ子になると思います。私」

7: 2023/02/03(金) 23:00:44.83 ID:AGG/+mQj.net
しずく「エマお姉ちゃん…本当に日本に行っちゃうの…?」

エマ「うん…ずっと夢だったんだぁ…」

エマ「…それにわたしがいなくてもしずくちゃんがいる」

エマ「だから、お姉ちゃんは安心して夢を追いかけられる」

エマ「…しずくちゃん」ナデナデ

エマ「妹達のことよろしくね?」

しずく「っ…」

しずく「…やだっ」ギュッ

しずく「…私だって…」

しずく「…私だって妹だもんっ」

しずく「私のお姉ちゃんはエマお姉ちゃんだけだもんっ」

8: 2023/02/03(金) 23:05:51.96 ID:AGG/+mQj.net
しずく「だから…」

しずく「…」

しずく「…」グスグス

しずく「…ごめんね」

しずく「エマお姉ちゃん、今までずっと私達のこと優先してくれてたのに…」

エマ「…しずくちゃん」

しずく「…任せて」ニコッ

しずく「私のお姉ちゃんはエマお姉ちゃんだから」

しずく「私にとってのお姉ちゃんを、妹達に見せてあげることが出来ると思うから…」

しずく「…だから、お姉ちゃんは安心して楽しんできて」

しずく「スクールアイドル…私、ステージで踊るエマお姉ちゃんのこと、見てみたいな」

エマ「…うん。お姉ちゃん、頑張るね?」ギュッ

しずく「…頑張らなくて良いよ。楽しんできて」ギュッ

9: 2023/02/03(金) 23:14:30.05 ID:AGG/+mQj.net
――――

エマ「エマお姉ちゃんかぁ」

しずく「エマさんってご兄弟多いじゃないですか」

しずく「そう考えると、ただ姉っていうより名前に付けてお姉ちゃんって呼ぶかなと思いまして」

エマ「確かに~」

エマ「あと次女設定? だからお姉ちゃ…私には甘えるけど」

エマ「妹達の前ではしっかりしようってところ~」

エマ「しずくちゃんらしいかも」

しずく「えへへ…」

エマ「かわいい」ナデナデ

しずく「お姉ちゃんは先輩がいれば擬似的に感じることが出来ますけど」

しずく「妹がいる気持ちは感じられないので、上手く出来てたなら良かったです」

11: 2023/02/03(金) 23:24:29.07 ID:AGG/+mQj.net
しずく「姉さん、高校生なのにかすみんはちょっと…」

かすみ「ちょっとって何ちょっとって…」

かすみ「かすみん可愛いじゃんっ」

かすみ「それにアイドル足るもの、このくらい普通だってば」

しずく「それは個性売りだよね…それいる?」

かすみ「いる!」

しずく「姉さんは普通にしてる方が良いって思う…」

しずく「…」

しずく「…確かに没個性かもしれないけど」

かすみ「お姉ちゃんに喧嘩売ってる?」

しずく「売ってないよ」

13: 2023/02/03(金) 23:28:13.84 ID:AGG/+mQj.net
しずく「喧嘩って言えば姉さんこそ」

しずく「この前、赤点とってお母さんに喧嘩売ってたよね?」

かすみ「売ってない売ってない…あれはたまたま!」

かすみ「そう、たまたま調子悪かっただけだからっ」

しずく「…姉さん。私、心配だよ」

しずく「スクールアイドルよりまず勉強した方が良いんじゃない?」

かすみ「…それはおいおいね。おいおい」

16: 2023/02/03(金) 23:32:38.86 ID:AGG/+mQj.net
――――

かすみ「なんでかすみんはお姉ちゃんじゃないの?」

しずく「えー…」

しずく「だって、かすみさんの妹だったら、人一倍しっかりしようってなると思わない?」

かすみ「なんで」

しずく「だって、色々とやらかしそうだし…」

しずく「反面教師になりそう」

かすみ「くっ…」

かすみ「そこまで酷くないでしょ…」

しずく「…」

しずく「…赤点は酷いよ?」

かすみ「ぐぅ」

20: 2023/02/03(金) 23:43:14.13 ID:AGG/+mQj.net
しずく「…ねぇ、姉さん」

しずく「机の下にカーテン付けただけの秘密基地…そろそろ限界じゃないかな…」

菜々「うーん…そうは言っても家の中ではせいぜいがこのくらいですし…」

しずく「…そもそも、もう秘密基地はいいんじゃないかな…」

しずく「ほら、私たちもう高校生だし…」

菜々「…でも」

しずく「じゃぁ、外で秘密基地とかどうかな」

しずく「学校の空き教室とか使って…」

菜々「生徒会長の職権乱用はちょっと…」

しずく「…」

しずく「…そういえば、生徒会長の後任者、栞子さんにするんだって?」

菜々「ええ…そのつもりですよ」

22: 2023/02/03(金) 23:56:31.99 ID:AGG/+mQj.net
菜々「栞子さんのこと、気に入らない?」

しずく「そんなことはないよ」

しずく「…真面目だし、勉強出来るし…良い子だと思う」

菜々「その割には、気に入らなそうですけど…」

しずく「…だって」

しずく「…」

しずく「小学校の時も中学校の時も、姉さんの後釜は私だったのに…」

しずく「なのに、今回は私じゃなくて栞子さん…」

しずく「そんなの…なんか…」

菜々「それは、貴女が演劇部と同好会を掛け持ちし」

菜々「その上で学業まで成り立たせているからですよ」

菜々「…背負う必要のない重荷を背負う必要はないんです」

しずく「…」

しずく「分かってる…分かってるよ…姉さんの優しさだって」

しずく「…でも、それでも。一番信頼されるのは私じゃなきゃやだ…」

24: 2023/02/04(土) 00:05:39.56 ID:QJd0jbpV.net
――――

せつ菜「ちょっとヤンデレ入ってません?」

しずく「そうですか?」

せつ菜「栞子さんに陰湿な嫌がらせして追い出しかねない雰囲気でしたけど…」

しずく「そんなことしませんよっ」

しずく「せつ菜さん…姉さんのことが好きで尊敬しているから」

しずく「常にその足跡を辿っていたいってだけで…」

せつ菜「その障害は?」

しずく「…」

しずく「排じ…乗り越えます」ニコッ

26: 2023/02/04(土) 07:16:33.75 ID:QJd0jbpV.net
しずく「お姉ちゃんっ私も手伝うよ」

彼方「大丈夫だから座ってて~」

しずく「やだ…お姉ちゃんのお手伝いする」

しずく「…ダメなら邪魔しちゃうよ?」ギュッ

彼方「彼方ちゃん専用の燃料のくせに~」ギュッ

遥(しずく)「お姉ちゃん達だけに任せて私だけなにもしないのは…やだよ?」

彼方「遥ちゃん…」

彼方「ん~…」

彼方「分かった。じゃぁ、お当番表作ろう」

彼方「お料理は基本的に彼方ちゃん。with誰か一人」

彼方「お洗濯、お掃除、ゴミ出し…その辺りを分担」

しずく「じゃぁ、私がお料理のお手伝いする!」

遥(しずく)「えっ…しずくお姉ちゃんは部活掛け持ちしてて忙しいでしょ?」

遥(しずく)「私がやるから座ってて良いよ」グイッ

彼方「おぉ…」

しずく「そのくらい全然なんともないよっ」グイッ

彼方「わぁ…」

遥(しずく)「むぅ…」

しずく「むぅ…」

27: 2023/02/04(土) 07:43:03.55 ID:QJd0jbpV.net
彼方「待って待って~」

彼方「彼方ちゃんちぎれちゃうよ~」

彼方「お料理は交代制、ね?」

しずく「…じゃぁ夜は私」

遥(しずく)「ううん、夜は私がやる」

彼方「あれぇ~?」

彼方「…」

彼方「朝はゆっくりしたいもんね~」

しずく「夜からだから1回多いもん」

遥(しずく)「しずくお姉ちゃんは学校で一緒なんだから譲ってよっ」

しずく「それはそれ、これはこれっ」グイッ

彼方「おぉう…」

遥(しずく)「ずるいよっ」グイッ

彼方「わぁぁぁっ」

遥(しずく)「むーっ!」

しずく「むーっ!」

28: 2023/02/04(土) 07:54:02.60 ID:QJd0jbpV.net
――――

彼方「…喧嘩するの?」

しずく「彼方さんの取り合いは確実ですね」

しずく「譲れませんよこれは…」

彼方「え~」

しずく「まぁ仲は良いと思いますよ。普通に…お姉ちゃん…彼方さんのこととなると蹴落としあうだけで」

彼方「やだなぁ…」

しずく「冗談です」

しずく「彼方さんと一緒にいたいって取り合いは避けられないと思いますけど」

しずく「そんな、険悪になることはないかと」

しずく「だって…彼方さんの妹ですから」ギュッ

彼方「そっか~」

バァンッ!

遥「お姉ちゃんの妹は私だけだよ!」

彼方「は、遥ちゃん!?」

30: 2023/02/04(土) 08:27:08.26 ID:QJd0jbpV.net
しずく「お姉ちゃんまた侑ちゃんのところに行くの?」

歩夢「え? うん…」

しずく「たまには侑ちゃん置いて私と2人で行こうよ…」

しずく「小学校も中学校も高校も…ずぅっと侑ちゃんがいるよね?」

しずく「私、お姉ちゃんの妹なのに…」

しずく「…私より長く一緒にいるみたい」

しずく「…」

しずく「侑ちゃんの方が大事なの!?」

歩夢「えっ!?」

しずく「いやぁ!」ドンッ

歩夢「!?」ドサッ

しずく「…私だけのお姉ちゃんでいて…」

歩夢「いたた…」

歩夢「…そんなことないよ」ナデナデ

31: 2023/02/04(土) 08:36:30.38 ID:QJd0jbpV.net
歩夢「侑ちゃんは確かに大事だけど…」

歩夢「でも、しずくちゃんとは別」

歩夢「だって…しずくちゃんは大事な妹だもん」

歩夢「侑ちゃんとは比べられないよ…」

しずく「お姉ちゃん…」ギュッ

しずく「じゃぁ、私と侑ちゃんどっちが好き?」

歩夢「えっ…」

歩夢「…しずくちゃんかな」

しずく「…ほんと?」

歩夢「うん」

しずく「じゃぁ…たまには侑ちゃん放っておこうよ」

しずく「…ほら」

しずく「侑ちゃんにとってはお姉ちゃんがいて当たり前だから」

しずく「そんなことないんだって…焦らせてみよう?」

歩夢「うーん…」

歩夢「…大丈夫かな?」

しずく「大丈夫大丈夫」

しずく「…ね?」

歩夢「…うん」

33: 2023/02/04(土) 09:06:43.31 ID:QJd0jbpV.net
――――

歩夢「このしずくちゃんって侑ちゃんのことどう思ってるの?」

しずく「うーん…」

しずく「嫌いではないけど好きでもない…ですね」

しずく「この私って、ずっと歩夢さんと一緒にいたわけですから」

しずく「歩夢さんが侑先輩にどんな風なのかちゃんと分かってて」

しずく「それに対する侑先輩の態度も見てきてるわけですから」

歩夢「…///」

しずく「…」

しずく「でも、こういう関係の時って大体、妹の私が侑先輩から告白されるんですけどね」

歩夢「!?」ガタッ

35: 2023/02/04(土) 09:40:09.82 ID:QJd0jbpV.net
しずく「…姉さん。また徹夜したの?」

璃奈「うん…」

しずく「もう…ちゃんと寝ないとダメだよ」

しずく「…良く寝てしっかりとリフレッシュしないとイージーミスしちゃうよ」

しずく「…」

しずく「ほらここのselect文、外部結合になってない?」

しずく「システム的にデータ一致してるべきなのに…」

しずく「あとここも…この処理で占有してるのに」

しずく「ここの分岐で外部処理呼んだときにこれやったらデッドロックおきるじゃん…」

璃奈「…あ」スッ

しずく「だーめっ」ギュッ

しずく「コーディングはあと!」

しずく「まずは私と一緒に寝ようよ」

36: 2023/02/04(土) 09:45:49.91 ID:QJd0jbpV.net
璃奈「抱きつかれてると寝にくい…」

しずく「でも、そうしないと姉さんってば、すぐに起きてまたコーディング始めるでしょ?」

しずく「…私心配だよ」

しずく「姉さんが体壊しちゃったりするんじゃないかって…」

璃奈「しずくちゃん…」

しずく「お父さんもお母さんほとんど居てくれない…」

しずく「でも、姉さんが居てくれるから平気…」

しずく「…姉さんが居てくれるから…なんだよ?」

璃奈「…」

璃奈「…うん。ごめん」ナデナデ

璃奈「ちゃんと休む」

しずく「うん…」

37: 2023/02/04(土) 09:54:57.45 ID:QJd0jbpV.net
――――

璃奈「お姉ちゃんじゃないんだ」

しずく「うん。尊敬してるから姉さんって呼ぶかなって…」

しずく「たぶん、璃奈さんがITの道に進んでるなら、私も進むと思うし」

しずく「…違うかな?」

璃奈「どうだろう…」

璃奈「私にしずくちゃんみたいな妹が居たら、私は私じゃなかったと思う」

璃奈「きっと、しずくちゃんと一緒に…」

璃奈「もしかしたら彼方さんみたいに暖かくて穏やかで仲の良い姉妹になってたかもしれない」

璃奈「…」

璃奈「100%キャラ崩壊してる」

しずく「…た、確かに」

41: 2023/02/04(土) 11:21:08.63 ID:QJd0jbpV.net
しずく「私ね? お姉ちゃんの曲を歌いたいってずっと思ってた」

しずく「お姉ちゃんの曲を踊ってみたいって思ってた」

しずく「でもお姉ちゃんに無理させたくなくて…」

しずく「…ごめんね」

ミア「…」

ミア「…いや、良いんだ」

ミア「しずくがアイドルになりたがってたのは知ってたさ」

ミア「小さい頃から…お姉ちゃんお姉ちゃん私ね…って…」

ミア「だから…ボクの曲でデビューさせてやるって言って」

ミア「…させてやれなかったのはボク自身の落ち度だ」

ミア「…だから」

ミア「ボクの曲なんて待つなよ」

ミア「…もう」

しずく「やだ!」

42: 2023/02/04(土) 11:28:40.12 ID:QJd0jbpV.net
しずく「言ってるじゃん…」

しずく「お姉ちゃんの曲を歌いたい、踊りたいって…」

しずく「デビューなんてどうだって良い…」

しずく「私はスクールアイドルとして、お姉ちゃんの曲を見せつけたいだけ」

しずく「お姉ちゃんの…アイドルになりたいだけ…」

しずく「…だから」

ミア「…しずく」

しずく「…お姉ちゃんの曲を私に頂戴」

しずく「上の才能に折れる必要なんてないってことを」

しずく「私が証明してあげるから!」

ミア「…ふっ」

ミア「…そうだな」

ミア「しずくはそういうやつだった」

ミア「いっつもボクを持ち上げて…いや…」

ミア「必ず、ボクのファンで居てくれたんだったな」

ミア「…」

ミア「いいさ…やってやる。だけど」

ミア「…」バキッ

しずく「!」

ミア「こんなクソみたいな曲はダメだ。今すぐに、しずくのためだけの曲を作ってやる!」

43: 2023/02/04(土) 11:59:06.67 ID:QJd0jbpV.net
――――

ミア「末っ子のしずくは嫌だな」

しずく「えっ…」

ミア「なんか、全肯定してくるうえに期待を押し付けてきそうでさ」

しずく「そう…?」

ミア「本人は無自覚なんだろうな…たぶん」

ミア「ただ姉が好きってだけで」

ミア「盲目なんだよ…でも、それがプレッシャーになる」

しずく「あー…」

しずく「…」

しずく「意外と設定作り込んで来ますね…演劇部とかどうですか?」

ミア「やだよ!」

45: 2023/02/04(土) 13:00:08.34 ID:QJd0jbpV.net
しずく「…姉ちゃん。また部活の助っ人してたでしょ」

愛「んー?」

愛「あー、バスケ部の? してたしてた」

愛「もしかして見てた?」

しずく「…ああいうのやめてよ」

愛「え…?」

愛「何? 何かあった?」

しずく「別にないけど」

しずく「やめて欲しいの!」

しずく「うち、お店の手伝いだってあるじゃん」

しずく「部活の助っ人やってる余裕あるならこっち手伝ってよ」

愛「しずく…?」

愛「…」

愛「…何? お姉ちゃんが何か悪いことした?」

愛「あっ…しずくのパンツ履いてたことまだ怒ってる?」

しずく「違うっ」

47: 2023/02/04(土) 13:29:37.41 ID:QJd0jbpV.net
しずく「いっつもお姉ちゃんのこと言われるの…」

しずく「凄いねってかっこいいねって」

しずく「いっつも…いっつもいっつもいっつも…」

しずく「なのに、私は…」

しずく「…」

愛「しずく…」

しずく「少しくらい…ダメなところあったって良いじゃん…」

しずく「少しくらい…欠点作ってよ…」

しずく「少しくらい…」

愛「…」

愛「…ごめん」ギュッ

愛「でもさ…あたしはお姉ちゃんだから」

愛「…しずくの、お姉ちゃんだから」

愛「あたしは、常に誇られるお姉ちゃんになりたかったんだ」

しずく「姉ちゃん…」

愛「…あたしの欠点は、しずくに弱いってところだよ」ナデナデ

48: 2023/02/04(土) 13:39:48.92 ID:QJd0jbpV.net
――――

愛「えー…なんか違くない?」

しずく「いえ、愛さんがお姉ちゃんだったら絶対にコンプレックス抱えますよ」

しずく「なんでも完璧にこなすお姉ちゃん…」

しずく「その一方で凡才な私…」

しずく「比べられて…傷ついて…」

しずく「いつしかかっこいいお姉ちゃんの姿に苛立ちを覚えて…」

しずく「でも…そのかっこいい姿は、私が小さい頃にお姉ちゃんに求めたことなんですよ…」

愛「あーなるほどね…」

愛「確かに、妹が居たら愛さん余計に張り切るね」

愛「…」

愛「しずくみたいな妹、欲しいなー」ギュッ

しずく「きゃっ」

50: 2023/02/04(土) 16:26:08.97 ID:QJd0jbpV.net
しずく「しお姉さんはバイク乗らないんですか?」

栞子「乗りませんよ…あんなの…」

栞子「…姉さんのようにはなりたくありませんし」

栞子「しずくも、ああはなってはいけません」

栞子「清く正しく生きるべきです」

しずく「…でも、薫子姉さんかっこ良くないですか?」

栞子「なっ…」

しずく「バイクに乗ってるときなんて…///」

栞子「し、しずく!」ユサユサ

栞子「目を覚ましなさい!」ユサユサ

栞子「あれはダメです! あんな…」

栞子「…しずくがブイブイ言わせてる姿なんて見てしまったら…」

栞子「私…」

栞子「氏にます」

しずく「そこまで嫌わなくても良いじゃないですか…」

55: 2023/02/04(土) 23:29:47.68 ID:kyb9bAR2.net
栞子「いいえ!」

栞子「断じて…」

しずく「でも、薫子姉さんのスクールアイドル姿は格好良かったよね」

しずく「憧れたよね」

栞子「…それは」

しずく「…」

しずく「…しお姉さん。本当は薫子姉さんのこと好きだよね」

しずく「色々…ちょっと、タイプが違ってて付いていけてない部分もあるけど」

しずく「…でも、好きだよね?」

栞子「…」

栞子「…しずくは、いつも見抜いたように言いますね…」

栞子「…賛否両論みたいなものですが、好き嫌いどちらでもあります」

しずく「私も?」

栞子「しずくは…」

栞子「…」クスッ

栞子「…少し、怖いですね」

しずく「えっ」

栞子「冗談です」ナデナデ

57: 2023/02/04(土) 23:43:26.28 ID:kyb9bAR2.net
――――

栞子「…しお姉さん?」

しずく「薫子さんと栞子さんだから、姉さん単品はダメかなぁって思ったの」

しずく「…しーちゃんとかも考えたんだけど」

栞子「しーちゃんはしずくさんもでは?」

しずく「…」

しずく「確かに…」

栞子「…それはそうと、年齢的にはしずくさんの方が上なんですよね」

栞子「…しず姉さん」

しずく「!」

しずく「どうしたの? 栞子」

しずく「いや…栞子ちゃんかな?」

栞子「<お>や<ず>を抜いたら、しn――」

しずく「しーっ!」

59: 2023/02/05(日) 14:19:12.03 ID:0nev2kfN.net
しずく「姉さん!」

ランジュ「あら…しず――」

パシンッ

ランジュ「!?」

しずく「また勝手なことして!」

しずく「みんな心配したんだよ?」

しずく「前にも言ったはずだよ…朝帰りは止めてって!」

ランジュ「しずく…」

しずく「なのに…」

しずく「自由が好きなのは分かる。やりたいことやりたいのも分かる…」

しずく「でも…心配かけるようなことしないでよっ」

しずく「…姉さんのバカッ」

パシンッ

ランジュ「!?」

61: 2023/02/05(日) 14:27:54.44 ID:0nev2kfN.net
ランジュ「しずく…」

ランジュ「…」ギュッ

しずく「っ…放してっ」

ランジュ「…ごめんなさいしずく」

ランジュ「しずくが心配してるのは分かってたわ…」

ランジュ「…でも」

ランジュ「…ランジュはやりたいことがあるの」

ランジュ「やらなくちゃいけないことがあるの」

ランジュ「…だから」

しずく「ダメ!」

パシンッ

ランジュ「うっ」

しずく「ダメだよっ」

パシンッ

ランジュ「っ」

しずく「そんなのダメ…姉さんは私と居てくれなきゃやだ…」

しずく「姉さんだけは…」

しずく「…」

しずく「どうしてもっていうなら…私も連れていって」

ランジュ「しず――」

しずく「…お願い」

しずく「姉さんの力になりたいのっ!」

ランジュ「しずく…」

ランジュ「…辛いわよ」

しずく「うん」

ランジュ「苦しむわよ」

しずく「分かってる」

ランジュ「…そう…」

ランジュ「…なら。まずはEutopiaを歌えるようになって頂戴」

しずく「えっ!?」

63: 2023/02/05(日) 14:41:56.87 ID:0nev2kfN.net
――――

ランジュ「…ランジュって叩かれる必要あった?」

しずく「臨場感です!」

しずく「姉妹喧嘩だから、多少はね?」

ランジュ「…そう」

しずく「それより、姉さんってどうでした? お姉ちゃんの方が良かったですか?」

ランジュ「そうねぇ…ランジュでも良かったって思うけど」

しずく「…」

しずく「ラン姉ちゃんとか?」

ランジュ「ランジュ!」

ランジュ「姉だからって必ずしも名前を呼んじゃいけないわけではないでしょ?」

しずく「…確かに盲点でした」

しずく「かすみs…こほんっ」

しずく「でも、ランジュさんは呼び捨て出来ないですよ」

しずく「やっぱり、姉さんって感じです」

ランジュ「ふふっ、そうかしら」ニコッ

67: 2023/02/05(日) 20:24:23.28 ID:eQZH4weJ.net
しずく「もー! 姉ちゃん!」

しずく「脱いだら脱ぎっぱなしはやめてっていつも言ってるじゃない!」

しずく「お母さん達いないんだから!」

果林「はいはい」

しずく「はいは一回!」

しずく「もー…」

しずく「彼方先輩達の前では常識人っぽいのに…」

しずく「姉ちゃんさ。私…妹なんだからね?」

しずく「姉ちゃんの方が年上だし…それに、ここ島じゃなくて東京の寮なんだよ? 分かってる?」

果林「分かってるってば…もう…お母さんみたい…」

しずく「姉ちゃんがてきとーだから、私がお母さんにお願いされるんだよっ」

しずく「姉ちゃん、しっかりしてるときは格好良いし綺麗なのに…もったいないよ」

果林「ふふっ外面だけは良いのよ」

しずく「…あんまり褒められてないよ。それ」

68: 2023/02/05(日) 20:31:58.96 ID:eQZH4weJ.net
果林「外面って言ったら貴女だって相当じゃない」

果林「向こうでは散々男勝りな物言いしてたくせに」

果林「こっちに来て早々…」

果林「朝香果林の妹で、しずくです。お姉ちゃんがいつもお世話になっているみたいで…って」

果林「なによお姉ちゃんって…鳥肌が立っちゃった」

しずく「姉ちゃんと違って、私はちゃんとするの!」

しずく「中も外もね。エマ先輩に甘えてだらけきった姉ちゃんには失望だよ」

果林「エマは関係ないでしょ」

しずく「あるよ絶対に! あの人が喜んでお世話するからいけないんだから!」

しずく「言っておくけど、私がニジガク来たからには、全部私がやるし、姉ちゃんにもやらせるからね!」

果林「えぇ…」

しずく「Noはなしですよ? お姉ちゃんっ」ニコッ

果林「ひっ」ゾワッ

69: 2023/02/05(日) 20:44:51.66 ID:eQZH4weJ.net
――――

果林「なんか…凄かったわね…しずくちゃん」

果林「キャラ崩壊…って言うんだったかしら」

果林「相当よ?」

しずく「島育ちでやんちゃしてたってなるとこのくらいかなーって」

しずく「結構粗暴な感じで、でもちゃんとお姉ちゃんが大好きで」

しずく「実は内心、私がいないとダメなんだから。とか思ってます」

果林「…そこまで酷くはないつもりなんだけど」

果林「…というより、その設定ならエマのこと…」

しずく「そうですね。エマさんのこと嫌いです」

ガラッ

エマ「そう…なんだ…」

しずく「あっ」

エマ「…グスッ」

エマ「…わたし…そんな…っ」ガタッ

エマ「ごめんねっ」タタタタタッ

しずく「まっ…」

しずく「…」チラッ

果林「…」フイッ

しずく「…」ガタッ

しずく「誤解っ…っ…誤解ですからぁぁぁぁぁぁっ」ダダダダダッ

70: 2023/02/05(日) 20:50:52.11 ID:eQZH4weJ.net
しずくちゃんの妹遊び
終わり

71: 2023/02/05(日) 20:52:37.69 ID:M2ve8y00.net

良かった

引用元: しずく「妹遊び」