158: 2018/06/24(日) 21:22:28.78 ID:mieQ6Z1Uo

159: 2018/06/24(日) 21:24:54.85 ID:mieQ6Z1Uo
凛「うん。どうしたら良いか、わからなくて」

武内P「本田さんや、島村さん……他にも、多くの友人の方が……」

凛「違う、そうじゃなくて」

武内P「? では、一体……?」


凛「学校での、友達の作り方」


武内P「……」

武内P「……はあ」

160: 2018/06/24(日) 21:27:29.67 ID:mieQ6Z1Uo
武内P「渋谷さんは……学校に友人が、その……」

凛「ねえ、言わせたいの?」

武内P「し、渋谷さん?」

凛「ねえ、学校で友達が居るか、言わせたいの?」

武内P「……申し訳、ありません」


凛「居ないから聞いてるんでしょ!? 何なの!?」


武内P「すみません! 渋谷さん、申し訳ありませんでした!」

161: 2018/06/24(日) 21:31:11.64 ID:mieQ6Z1Uo
凛「居たら、相談なんかするわけない!」

武内P「はい……はい、その通りです」

凛「だよね? プロデューサーの今の確認、おかしかったから」

武内P「そう……ですね、はい」

凛「それで、早速なんだけど、どうすれば学校で友達が作れるかな」

武内P「……」


武内P「……頑張ってください」


凛「……」

凛「は?」

162: 2018/06/24(日) 21:33:57.72 ID:mieQ6Z1Uo
凛「プロデューサー? ねえ、プロデューサー?」

武内P「し、しかし……それ以外に、言い様が……!」

凛「アンタ、私のプロデューサーでしょ?」

武内P「ですが、その……学校生活の方までは……」

凛「あのね、プロデューサーが原因でもあるんだけど?」

武内P「えっ?」


凛「入学早々、スカウトしに何度も来てたでしょ」


武内P「……」

武内P「えっ?」

163: 2018/06/24(日) 21:36:47.57 ID:mieQ6Z1Uo
武内P「あの、まさか……」

凛「プロデューサーってさ、見た目が怖いでしょ」

武内P「……」

凛「私達はもう慣れたけど、普通の女子高生は怖いと思うの」

武内P「……」


凛「学校では……プロデューサーと、うちの事務所」

凛「――裏社会に通じてるって思われてるから」


武内P「……!?」

164: 2018/06/24(日) 21:42:51.74 ID:mieQ6Z1Uo
武内P「待ってください! その話は本当ですか!?」

凛「嘘ついてどうするの」

武内P「私のせいで、渋谷さんにご迷惑を……!?」

凛「ねえ、学校で、どうやって友達作ったら良いかな」

武内P「ご、誤解を解くことは……出来ないのでしょうか!?」


凛「話しかけたら、怯えられるんだよね」


武内P「……!?」

165: 2018/06/24(日) 21:45:49.39 ID:mieQ6Z1Uo
凛「まあ、私自身、未央や卯月みたいなタイプじゃないし」

武内P「ですが……」

凛「この前、教室から出る時に、クラスメイトとちょっとぶつかったんだよね」

武内P「……はい?」

凛「ねえ、何て言われたと思う?」

武内P「それは……ごめんなさい、と、そう言われたのでは?」


凛「ひっ!……って、言われた」


武内P「そこまで怯えられているのですか!?」

167: 2018/06/24(日) 21:49:50.86 ID:mieQ6Z1Uo
凛「そうだよ。しかも、未央と似たタイプの明るい子に」

武内P「渋谷さんは……どう、反応されたのでしょうか?」

凛「私? 別に、いつも通りだけど」

武内P「お願いします、詳しく、教えて頂けますか?」

凛「だから、普通だってば」


凛「……ふーん、って言って終わり」


武内P「待ってください!」

武内P「その……それは、かなりの威圧感があります!」

168: 2018/06/24(日) 21:53:59.16 ID:mieQ6Z1Uo
凛「威圧感って……何それ?」

武内P「何故、そう言ってしまわれたのですか!?」

凛「だって、出入り口でふざけてたのは、向こうだし」

武内P「それで、ぶつかって来た……と」

凛「うん。なのに、悲鳴をあげたりするんだ、って思って」

武内P「……」


凛「まあ、大人な対応でしょ?」


武内P「……」

169: 2018/06/24(日) 22:00:22.05 ID:mieQ6Z1Uo
凛「文句を言ったら、こじれるかと思ってさ」

武内P「それで……どうされたのですか?」

凛「なんか、教室中が静かになったんだよね」

武内P「……成る程」

凛「おかしいなと思って見ても、全員目を逸らすの」

武内P「……」


凛「だから、そのまま教室を出て、終わり」


武内P「……」

170: 2018/06/24(日) 22:05:35.66 ID:mieQ6Z1Uo
凛「似たようなことが、何度もあってさ」

武内P「……渋谷さん」

凛「学校で友達、全然出来ないんだよね」

武内P「渋谷さんっ!」

凛「ねえ、どうすれば、友達作れるかな?」

武内P「っ! それ……は……!」


凛「一緒に、考えてくれるよね?」


武内P「っ……!」

武内P「……はい、勿論です」

171: 2018/06/24(日) 22:08:57.18 ID:mieQ6Z1Uo
武内P「その……まずは、誤解を解く事から、始めましょう」

凛「裏社会に通じてるって、誤解?」

武内P「はい」

凛「どうやって?」

武内P「そうですね……渋谷さんも、怖がられているようですし……」

凛「待って」

武内P「? はい、どうか、されましたか?」


凛「別に、私は怖がられてないでしょ」


武内P「えっ?」

173: 2018/06/24(日) 22:13:50.56 ID:mieQ6Z1Uo
凛「私自身は怖がられてないでしょ、って言ってるの」

武内P「あ、あの……渋谷さん?」

凛「何?」

武内P「……いえ、何でも……ありません」

凛「怖がられてるのは、プロデューサーと、事務所だから」

武内P「……」


凛「私には、問題なんて無い。そうだよね?」


武内P「……」

武内P「…………」

武内P「はい、その通りです」

174: 2018/06/24(日) 22:19:05.80 ID:mieQ6Z1Uo
武内P「では、まず、私が裏社会の人間だと言う誤解を解きましょう」

凛「だから、具体的にどうすれば良いの」

武内P「愚痴です」

凛「……愚痴?」

武内P「はい。私に対する愚痴をクラスメイトの方に、言ってください」

凛「どうして?」

武内P「そうすれば、愚痴を言っても大丈夫な人間なのだと、自然に――」


凛「ねえ、どうしてそういう事言うわけ?」


武内P「……」

武内P「えっ?」

175: 2018/06/24(日) 22:23:54.21 ID:mieQ6Z1Uo
武内P「あの……渋谷さん?」

凛「私に、よく知りもしないクラスメイトに、プロデューサーの愚痴を言えって?」

武内P「は、はい……その、色々と、あるでしょうし」

凛「絶対言わない」

武内P「えっ?」

凛「私、文句があったら直接言うから。だから、それは無し」

武内P「……はあ」


凛「もっと真面目に考えて」


武内P「……」

176: 2018/06/24(日) 22:33:04.06 ID:mieQ6Z1Uo
武内P「あの……一つ、気になったのですが」

凛「何?」

武内P「クラスメイトの方は、私がプロデューサーだと、ご存知なのですか?」

凛「知ってるよ。前に聞かれて、答えたから」

武内P「! その時は、会話が成り立っていたのですね!?」

凛「そういえば……そうかも」

凛「うん……凛ちゃんのプロデューサーさん、顔怖いねー……って、皆笑ってた」

武内P「それで、渋谷さんは……何と?」


凛「何が面白くて笑ってるのか教えて、って」


武内P「……」

177: 2018/06/24(日) 22:40:26.80 ID:mieQ6Z1Uo
武内P「渋谷さんは……そう、仰ったのですね」

凛「うん。だって、疑問に思って」

武内P「……疑問、ですか?」

凛「アンタ、私のプロデューサーでしょ?」

武内P「……」

凛「まあ、顔は怖いのは確かだけど……でも、笑う必要は無いよね?」

武内P「そのお心遣いは有り難いのですが……その、怒って、しまわれたのですか?」

凛「まさか。その位じゃ、怒ったりしないってば」


凛「皆に合わせて、笑顔で聞いたから」

凛「……こんな感じで」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「……」

武内P「……良い、笑顔でですか」

178: 2018/06/24(日) 22:52:02.79 ID:mieQ6Z1Uo
凛「そう言えば……その時から、渋谷さん、って呼ばれるようになった」

武内P「……はい、当然の結果です」

凛「おかしくない? 怒り顔ならともかく、笑顔だよ?」

武内P「それは……パワー過多スマイルと言いますか……」

凛「納得できない。ちゃんと説明して」

武内P「クラスメイトの方は、怖い顔のプロデューサーで……ですね」

凛「うん」


武内P「渋谷さんが苦労しているのではないか、と」

武内P「……それで、愚痴を聞いてあげようと、そう、考えたのだと思われます」


凛「……」

凛「……成る程、そういう事ね」

179: 2018/06/24(日) 23:01:34.04 ID:mieQ6Z1Uo
凛「つまり、皆は私の心配をしてくれてたんだ」

武内P「! そうです! 渋谷さん、その通りです!」

凛「うん、確かにそれで苦労したのは、何度かあるね」

武内P「はい、職務質問を受ける等です!」

凛「ふふっ、なんで少し元気になってるの? 変なの、急に」

武内P「……ですので、笑っていたのは面白くてではなく、ですね」

凛「私を気遣って、笑ってたんだよね。クラスメイトの皆は」

武内P「はい! その通りです、渋谷さん!」


凛「でも、私も楽しそうな雰囲気に合わせて……気遣って、笑ったんだけど」


武内P「……」

武内P「……はい、そうですね」

180: 2018/06/24(日) 23:21:46.73 ID:mieQ6Z1Uo
凛「そうしたら、皆静まり返っちゃってさ……何なの?」

武内P「それは……」

凛「そんな雰囲気の中、一人で笑ってるの、馬鹿みたいでしょ」

武内P「……」

凛「笑顔になんてなれないから、合わせて表情を消してさ」

武内P「……」

凛「……でも、このままじゃいけないと思って、友達を作ろうと思ったんだ」

武内P「……はい。私も、可能な限り、協力しようと思います」

凛「プロデューサー……うん、ありがとう」ニコッ!

武内P「……良い、笑顔です」


武内P「まず、学校で笑顔はやめましょう」



おわり

181: 2018/06/25(月) 00:33:04.47 ID:VPDSjn9SO
こわい

182: 2018/06/25(月) 01:06:02.39 ID:7izr8HDAo
不器用だなぁ

183: 2018/06/25(月) 02:21:43.77 ID:KUYfAI/6o
笑顔とは本来なんとか

引用元: 武内P「今日はぁ、ハピハピするにぃ☆」