241: 2018/06/27(水) 21:00:56.47 ID:vYkDWwCOo

242: 2018/06/27(水) 21:02:45.58 ID:vYkDWwCOo
加蓮「はーい、お疲れ様」

奈緒「はー、疲れた疲れた!」

武内P「渋谷さんも、お疲れ様です」

凛「……」

武内P「? 渋谷さん?」


凛「ねえ、おかしくない?」


武内P「えっ?」

加蓮・奈緒「ん?」

243: 2018/06/27(水) 21:05:52.56 ID:vYkDWwCOo
武内P「何が、でしょうか?」

加蓮「どうしたの? 何かあった?」

奈緒「不機嫌そうな顔して、どうしたんだよ?」

凛「もしかして、わからないの?」

武内P・加蓮・奈緒「?」


凛「……北条さん、神谷さん、お疲れ様でした」


加蓮「うん、お疲れ様」

奈緒「お疲れ様ー、って、急に名字で呼ぶなんて、どうした?」

凛「違う。そうじゃなくて」

武内P・加蓮・奈緒「……?」

244: 2018/06/27(水) 21:08:01.12 ID:vYkDWwCOo
凛「アンタ、私のプロデューサーでしょ?」

武内P「? はい、その通りです」

凛「トライアドでの収録に、付き添いで来たんだよね?」

武内P「はい」


凛「最初に声をかけるのって、私じゃない?」


武内P「えっ?」

加蓮・奈緒「はあ?」

245: 2018/06/27(水) 21:12:26.50 ID:vYkDWwCOo
加蓮「えっ、何? もしかして、拗ねてるの……?」

奈緒「最初に、お疲れ様でした、って言われなかったから……?」

凛「別に、拗ねてるとかそんなんじゃないから」


凛「普通は、担当してる私に、最初にお疲れ様って言うものじゃない?」

凛「違う? 私、変なこと言ってるかな」


武内P「も、申し訳ありません」

武内P「こちらに来られた順で……特に意識せずに、言っていました」

凛「なんだ、そうなんだ」


凛「じゃあ、やり直すから。次は、ちゃんとしてよね」


武内P「えっ?」

246: 2018/06/27(水) 21:16:05.17 ID:vYkDWwCOo
  ・  ・  ・

武内P「――渋谷産、神谷さん、北条さん、お疲れ様でした」

凛「うん、お疲れ様」ニコッ!

奈緒「お、お疲れ様ー……って、凄く機嫌良さそうになってるし」

加蓮「……」

武内P「? あの……北条さん?」


加蓮「今、変じゃなかった?」


武内P「えっ?」

奈緒「はあっ?」

凛「そう? 私は、変だとは思わなかったけど」

249: 2018/06/27(水) 21:21:45.02 ID:vYkDWwCOo
奈緒「おいおい、加蓮まで何を言い出すんだよ!?」

凛「うん。私が最初で、合ってるし」

武内P「あの……北条さん?」

加蓮「呼ぶのは、来た順番、って言ったよね?」

武内P・凛・奈緒「?」


加蓮「アタシの方が、奈緒より前に居たんだけどな」


武内P「……はあ」

奈緒「……そうだったか?」

凛「ごめん、見てなかった」

252: 2018/06/27(水) 21:26:16.19 ID:vYkDWwCOo
加蓮「ねえ、アタシよりも、奈緒の方が良いって事?」

武内P「いっ、いえ! 決して、そういう訳では!」

加蓮「じゃあさ、どうして?」

武内P「それは、その……特に、意味は」


加蓮「……あー、ホント、やる気なくすなぁ」


武内P「えっ!?」

奈緒「はあっ!?」

凛「ふーん、そういうもの?」

253: 2018/06/27(水) 21:30:38.35 ID:vYkDWwCOo
奈緒「おいおい! どうしてそうなるんだよ!?」

凛「別に、担当じゃないんだし、どっちが先でも良いと思うけど」

加蓮「そういうんじゃなくてさ」


加蓮「順番で、っていう話でやり直したのに、コレだよ?」

加蓮「ちょっと、何て言うか……はー、やる気無くす」


武内P「も、申し訳、ありません!」

武内P「渋谷さんを最初に呼ぶ事を意識しすぎて、気が回らず……!」

加蓮「へえ、そうだったんだ」


加蓮「じゃあ、もう一回やりなおそ? ねっ、良いでしょ?」


武内P「えっ?」

254: 2018/06/27(水) 21:33:24.20 ID:vYkDWwCOo
  ・  ・  ・

武内P「――渋谷さん、お疲れ様でした」

凛「うん、お疲れ様」ニコッ!

武内P「――北条さん、お疲れ様でした」

加蓮「はー、お疲れ様」ニコッ!

武内P「――神谷さん、お疲れ様でした」

奈緒「……」

武内P「神谷さん?」


奈緒「ずるくないか?」


武内P「えっ?」

凛・加蓮「何が?」

255: 2018/06/27(水) 21:38:20.10 ID:vYkDWwCOo
凛「別に、ずるく無いと思うけど」

加蓮「そうだよね、アタシもそう思う」

武内P「か……神谷さん?」

奈緒「あたしだけ、明らかに扱いが悪い」

武内P・凛・加蓮「?」


奈緒「あたしだけ、最初に呼ばれてない」


武内P「……はい?」

凛「別に、もう順番なんて良くない?」

加蓮「うん。今、スッといったし」

256: 2018/06/27(水) 21:42:26.26 ID:vYkDWwCOo
奈緒「いや、そりゃお前らは良いよ? 一回ずつやり直してるし」

武内P「かっ、神谷さん? あのっ……!?」

奈緒「だったらさ、あたしもやり直さないと、不公平だよな? なっ?」

武内P「そう、なのでしょうか……?」


奈緒「そうだろ。でないと、ずるいだろ」


武内P「……」

凛「そう?」

加蓮「どうだろ」

257: 2018/06/27(水) 21:47:35.96 ID:vYkDWwCOo
凛「とりあえず、そろそろ着替えようか」

加蓮「いつまでも、この格好じゃいられないしね」

奈緒「そうだよな! あたしが最初の番も――」


奈緒「――って、いやいやいやいや! 待て待て!」

奈緒「普通、もう一回はやり直すだろ!?」

奈緒「そういう流れって言うか、空気だろ!? なあ、おい!」


武内P「……し、渋谷さん、北条さん……!」

武内P「申し訳ありませんが、協力していただけますか?」

奈緒「ほら! こう言ってる事だし、やるぞ! もう一回!」


凛・加蓮「絶対にやらない」


奈緒「なんでだよ!?」

258: 2018/06/27(水) 21:55:53.93 ID:vYkDWwCOo
凛「奈緒、聞いて」

奈緒「聞いてるから、早くやらない理由を言えよ!」

凛「最初は、三番目で……その次とさっきは、一番目に呼ばれたでしょ?」

奈緒「……だから?」

凛「今が、私にとってはかなりベストな終わり方だから」

奈緒「ああ、そうだよな! 凛にとってはな!」


凛「だからさ……もう、ワガママ言うのやめなって」


奈緒「凛、お前が言うな!?」

259: 2018/06/27(水) 21:57:46.95 ID:vYkDWwCOo
加蓮「奈緒、聞いて」

奈緒「さっきから聞いてるよ! 何だよ!?」

加蓮「最初は、一番目で、次が三番……で、最後はまあ、二番だよね?」

奈緒「……だから?」

加蓮「次にやり直したら、アタシ、三番目で終わっちゃうじゃん。それは嫌」

奈緒「あたしなんて、ニ、ニ、三だぞ!? 甘えんな!」


加蓮「ねえ、帰りどこか寄る?」

凛「そうだね、どこにしようか」


奈緒「終わってない! 話、まだ終わってないぞ!?」

260: 2018/06/27(水) 22:06:35.44 ID:vYkDWwCOo
凛「……もう、奈緒。あんまりワガママ言って、困らせないで」

加蓮「そうだよ、奈緒。帰りにシェイク奢ってあげるから、行こ? ねっ?」

奈緒「お前らなぁ!?」

武内P「……」

奈緒「なっ、なあ! あたし、間違ったこと言ってるか!?」

武内P「すみません……私には、よく……」

奈緒「……!?」


凛「最後でも良いでしょ、団体戦の、大将って感じで」

加蓮「何その例え? まあでも、そう考えれば、最後が三番目でも……」

凛「悪くないでしょ?」

加蓮「うん。むしろ、最後のトリって感じがして……」

凛・加蓮「……」


凛・加蓮「!?」

261: 2018/06/27(水) 22:12:52.31 ID:vYkDWwCOo
奈緒「あたしがトリ……かぁ」

奈緒「まっ、まあ? そう思えば、悪くない……な?」

奈緒「最後の最後に呼んだのが、あたし……」

奈緒「……おおっ! これ実は、最高に良い終わり方なんじゃないか!?」


凛・加蓮「ずるくない?」


奈緒「はあっ!?」

凛「納得できない」

加蓮「同感」

奈緒「……!?」

262: 2018/06/27(水) 22:20:08.82 ID:vYkDWwCOo
奈緒「お前ら、またやり直すつもりか!?」

凛「ううん、それは流石に面倒でしょ」

加蓮「最後に、アタシだけに、お疲れ様、って言って欲しいな」

武内P「……えっ?」

凛「その後に、私にも言ってよ。お疲れ様、ってさ」

武内P「……えっ!?」

奈緒「もう終わりだろ!? なあ、そうだよな!? なっ!?」

武内P「ま、待ってください!」


凛・加蓮・奈緒「……」…ジッ


武内P「……」

武内P「っ!? 言うか、終わるかを待っているのですか!?」

264: 2018/06/27(水) 22:29:44.29 ID:vYkDWwCOo
武内P「……皆さんの、仰る事は、わかりました」

武内P「ですが、その……」

凛・加蓮・奈緒「……」

武内P「呼ぶ順番を、今すぐに決定するのは……難しいと、そう、思います」

凛・加蓮・奈緒「何で?」


凛「アンタ、私のプロデューサーでしょ!? 最後は、私でしょ!?」

加蓮「あ、もう無理……最後じゃないと、倒れるかも……」

奈緒「あたしだけやり直ししてないんだから、最後はあたしで終わりで良いだろ!?」


武内P「ですので……その」

武内P「この件は、持ち帰って上司と相談した後に……」

武内P「また、改めて……という事で、どうでしょうか?」


凛・加蓮・奈緒「……」

265: 2018/06/27(水) 22:39:43.98 ID:vYkDWwCOo
  ・  ・  ・

武内P「――と、こういった話なのですが」

専務「ふむ、成る程」

武内P「私は……誰に、最後に声を掛ければ良いのでしょうか?」

専務「その前に、一つだけ良いか?」

武内P「? はい、何でしょうか?」


専務「何故、私にその話を持ってきた」


武内P「……最初は、部長に相談したのですが」

武内P「気づいた時には……その、居なくなっていて」

専務「……」

266: 2018/06/27(水) 22:49:56.92 ID:vYkDWwCOo
武内P「お答えください、専務!」

専務「最後に声をかけるのは誰か……か」

武内P「……」

専務「……」


凛・加蓮・奈緒「……」ジィィッ


専務「……トライアドプリムスの諸君、ご苦労だった」

武内P「それでは……納得、して貰えませんでした」

専務「……」


凛・加蓮・奈緒「……」ジィィッ!


専務「何故、彼女達も連れてきた……!?」

武内P「……申し訳、ありません」

268: 2018/06/27(水) 23:03:20.47 ID:vYkDWwCOo
専務「もう、ジャンケンでも何でもして決めればいいでしょう」

武内P「全員、何かと言い訳をして……勝負がつきませんでした」

専務「……何とかして、決めなさい」

武内P「専務……彼女達は、全員クローネのメンバーです」

専務「……」


凛・加蓮・奈緒「……」ジィィッ!


専務「……ああ、そうだな」

武内P「決めるのに、時間がかかりそうでしょうか?」

専務「……ああ、そうだな」

武内P「では……私は別室で待機していますので」


武内P「……決まりましたら、お声がけください」

ガチャッ…バタンッ


専務「……」


凛・加蓮・奈緒「……」ジィィィッ!

269: 2018/06/27(水) 23:15:32.06 ID:vYkDWwCOo
専務「誰に、最後に声をかけるか……か」

専務「私には理解出来ないが、君たちにとっては重要なようだな」


凛・加蓮・奈緒「はいっ!」


専務「……さすがは、私が見込んだシンデレラ達だ」

専務「誰もが、自分が選ばれると、自信に満ち溢れた表情をしている」

prrrr!prrrr!

専務「少し待ち給え、電話だ」


凛・加蓮・奈緒「……」コクリ


専務「……彼から? 何故、別室で待機していると言った、彼が……」

専務「っ!? まさか!?」

pi!


武内P『――電話で、申し訳ありません』

武内P『ですが、最後に声をかけるのが誰か決まったので、報告も兼ねて』


専務「待ちなさい! せめて、彼女達を連れt」


武内P『お先に失礼します、専務』



おわり

270: 2018/06/27(水) 23:18:58.96 ID:s/NGWMSJ0
上手いこと言った上で逃げやがったw

引用元: 武内P「今日はぁ、ハピハピするにぃ☆」