1: 2016/11/08(火) 20:30:15.99 ID:vHIY4VJf0
にこ「って凛、アンタ真面目に聞く気あんの?」
凛「もちろんばっちりあるにゃ。とーっても楽しみだよ」
にこ「…ならなんで花陽を膝に乗せてんのよ」
凛「この抱き心地は病みつきになるんだもん。かよちんすっごく可愛いにゃー!」
花陽「凛ちゃん恥ずかしいよ~。それに可愛いだなんてそんなことないもん……」
にこ「…………。そしてアンタも!」
真姫「え、私? もちろんあるわけないじゃない。今は英単語の暗記してるとこだし」
花陽「は、花陽は…!」
にこ「……あーもういいわよ! 他のメンバーが揃うまでにこが研究したアイドルについていろいろ教えてあげようと思ってたのに! もう教えてって頼んでも無理なんだから!」プイッ
2: 2016/11/08(火) 20:31:06.20 ID:vHIY4VJf0
真姫・凛・花陽「…………」
にこ「…………」カタカタカタ カチッ カタカタカタカタカタ カチカチカチ
凛(あーあ。真姫ちゃんがにこちゃんを怒らせちゃったにゃ)
真姫(私じゃなくて凛のせいでしょ。呑気に花陽とイチャイチャしてるから)
花陽(ごめんね、花陽のせいで……)
真姫(花陽は悪くないわよ)
凛(差別にゃー)
真姫(大体いきなり妙なこと言いだしたにこちゃんだって……)
凛(真姫ちゃん、真姫ちゃん)ツンツン
真姫(なに?)
凛(え、私? もちろんあるわけないじゃない。今は円周率の暗記してるとこだし)カミノケクルー
真姫「な、それ私の真似!? 全然似てないし! っていうか若干セリフ違うわよ!」
凛(わわっ、真姫ちゃん声大きいよ!)シーッ
3: 2016/11/08(火) 20:31:35.69 ID:vHIY4VJf0
にこ「………」チラッ
真姫・凛・花陽「…………」
にこ「…………」フイッ
にこ「…………」チラッチラッ
真姫・凛・花陽「…………」
にこ「…………」フイッ!
凛(にこちゃんがこっちをちらちら見てる……)
真姫(ねえ、あれってもしかして……)
凛(凛たちに聞いてもらいたいだけだよね……)
真姫(どうするのよ、これ)
凛(やっぱり聞くしかないのかな?)
真姫(だったら凛がお願いしてきなさいよ)
凛(にこちゃんと仲良しの真姫ちゃんが行くべきだと思うにゃ。ねー、かよちん?)
真姫(うえ!? 誰が仲良しよ!)
凛(真姫ちゃん照れてるにゃー)
花陽(あ、あの……。やっぱり花陽が言ってくる)
4: 2016/11/08(火) 20:32:12.73 ID:vHIY4VJf0
真姫(責任感じてるの? だったらさっきも言ったけど花陽は――)
花陽(ううん、そうじゃなくて。私、にこちゃんのアイドル講座聞きたいんだ。だから……)
真姫(……そう。ならお願いするわ)
凛(かよちん二等兵、幸運を祈るにゃ)ビシッ
花陽(ありがと凛ちゃん。行ってくるね)
真姫(……指三本での敬礼ってボーイスカウトじゃない)
凛(じゃあこれはー?)チーッス
真姫(ポーランド軍式の敬礼ね。ってよく知ってたわね、凛)
凛(凛ボケただけだよ!? そんなの知らないにゃ!)
5: 2016/11/08(火) 20:32:41.80 ID:vHIY4VJf0
花陽「え、えと……にこちゃん、さっきはにこちゃんの話を邪魔しちゃってごめんね」
にこ「アイドル講座なら頼んでももうやんないわよ」
花陽「で、でも、どうしてもにこちゃんのアイドル講座聞きたいなって……」
にこ「……どうしても?」
花陽「どうしてもどうしても!」
にこ「へ、へ―……。ど~~~しても?」
花陽「ど~~~~~~しても!」
にこ「しょうがないわねえ。宇宙ナンバーワンアイドルのこのニコニーがアイドルについて語りに語ってあげるわ!」パアアアッ
凛(すっごい笑顔! 眩しいにゃ!)
真姫(どんだけ話したかったのよ……)
にこ「アンタたちがどうしてもって言うからしょうがなくやってあげるんだから」
花陽「わ、わー」パチパチパチ
真姫(私は言ってないわよ)
凛(聞こえたらどうするにゃ!)
にこ「そこの二人、やる気あんの?」
凛「ありますにゃ、にこちゃん!」
真姫「聞いてあげなくもないけど」
6: 2016/11/08(火) 20:33:40.68 ID:vHIY4VJf0
にこ「こほん。なら気合入れていくわよ」
にこ「にっこにっこにー。あなたのハートににこにこにー。笑顔届ける矢澤にこにこ~。にこ先生との個人レッスン、いろいろお勉強しよっ?」
花陽「わああっ、アイドルよりアイドルしてる……!」
真姫「意味わ――むぐっ」
凛「さっすがにこちゃん! 凛はそんなの思いつかないにゃ! ね、真姫ちゃん? ほら、にこちゃん、真姫ちゃんもそう言ってるにゃ!」
にこ「そ、そう……? やっぱり美容の天敵である睡眠を削ってまで考えた甲斐があったわ……!」
真姫「ぷはっ! ちょっと凛、いつまで口塞いでんのよ!」
凛「真姫ちゃんが余計なこと言いそうになるからにゃー」ゴシゴシ
真姫「ってなに人の制服で手の平拭いてるのよ!」
にこ「いーい? さっきのセリフなんだけどね……」
花陽「はいっ」
にこ「こう、ファンの想像を掻き立てるようなことを言って……」
花陽「確かに『個人レッスン』は憧れのシチュエーション……!」メモメモ
にこ「でね、こっちは『アイドルに求めることは?』っていうアンケートで~」
花陽「なるほど…!」
7: 2016/11/08(火) 20:34:24.07 ID:vHIY4VJf0
にこ「トップから順に可愛さ、容姿、元気、笑顔、歌唱力ってなってるの。他にも癒しだったり、ひたむきさだったり……」
凛「にこちゃんとかよちん楽しそうだね」
真姫「そうね。……なんて言うか、ううん、やっぱりなんでもないわ」
凛「えーっ、凛気になるー。真姫ちゃんなにを言おうとしたのー?」
真姫「……別に、初めは乗り気じゃなかったけど、あの二人がああやって話すの見てるのは嫌いじゃないって……そんだけよ」カミノケクルー
凛「素直に好きって言えない真姫ちゃん可愛いにゃー」
真姫「なによそれ、意味わかんない」
凛「意味わかるにゃー」
にこ「基本過ぎて忘れがちだけどやっぱりアイドルってのは可愛いってことを全面にアピールする必要があるわけ! 歌やダンスはそのための手段。手段と目的とが入れ替わったりしないように心掛けること!」
花陽「『可愛さ』……」
にこ「そうよ、当然でしょ。可愛くないアイドルだなんてアイドルじゃないわ」
花陽「ねえ、にこちゃん……」
にこ「なによ」
花陽「でも『可愛さ』とか『容姿』とかってアイドルで凄く大切なことなのに、花陽は……。 にこちゃん、やっぱり花陽は……アイドル向いてないんじゃないかって……」
8: 2016/11/08(火) 20:35:10.19 ID:vHIY4VJf0
凛「かよちん……」
真姫「花陽……」
凛「そんなこと――かよちんは可愛いよ! 凛なんかよりずっとずっと!」
真姫「花陽は自分を過小評価しすぎ」
にこ「甘いのよ!」
真姫・凛・花陽「……!」
にこ「アイドル馬鹿にしてるの?」
にこ「最初話そうとしたときもアンタ言ってたわよね。凛に可愛いって言われて『そんなことない』って。あの時から言いたかったのよ」
にこ「アイドルってのはね、普通の女の子みたいに自分を否定しちゃ駄目」
にこ「『自分は可愛いくない』なんか言ったら――自分を否定したら、ファンに失礼なの」
にこ「『可愛くない』とか逃げて、自分は楽になって、それでファンを笑顔じゃなくならせる気?」
にこ「ファンが『可愛い』って言ってくれる限り、嘘でも自分のことは『可愛い』って信じるの」
にこ「『可愛い』って言われたら『そんなことないです……』じゃなくて『ありがとうございます!』」
にこ「アイドルは夢を見させるものなの」
にこ「ファンはいつか夢が醒めて、夢を見てた頃の自分を恥ずかしがったりするかもしれない」
にこ「それでも――それでも醒めるまでは、アイドルは最後まで夢を見させなきゃいけないの」
にこ「あと、花陽。アンタは間違いなく可愛いわよ。私はお世辞なんか言わないから信じてもらっていいわ」
にこ「それとも、この宇宙ナンバーワンアイドルニコニーの言葉をないがしろにする気かしら?」
9: 2016/11/08(火) 20:35:52.91 ID:vHIY4VJf0
花陽「う、ううっ、にこ、ちゃん…!」ギュッ
にこ「って、ええ!? なななななんで泣いてんのよ! 泣き止んでよ! ね? ね? ちょっと強く言い過ぎたかもしれないけど、悪気はっ、ま、真姫ちゃん、ちょっとこれ!」ヨーシヨシヨシ
凛「さっきは格好良かったのにねー」
真姫「……にこちゃんったら、台無し」
にこ「そ、そうだ、花陽。アメ舐める? のど飴だけど、ほら」
花陽「にこちゃあん!」ギュウー
凛「なんだかかよちんを取られた気分……」
真姫「凛の花陽離れに丁度いいんじゃないの?」
凛「じゃあ真姫ちゃんに浮気するにゃー!」ガバッ
真姫「ちょっと凛、はーなーしてー」
凛「いやにゃー」
真姫「ひゃんっ、ちょっと耳たぶ甘噛みは……! 誰か助けてー!」
.end
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