1: 2010/10/29(金) 11:08:55.70 ID:vqnqRkqe0
先生「じゃあ今日はここまで」

和「起立」

唯「っ!」

和「礼」

澪(……唯?)

けいおん! 1巻 (まんがタイムKRコミックス)
6: 2010/10/29(金) 11:17:23.16 ID:vqnqRkqe0

ハートに漬けたシブガキは甘い甘いケーキよりも

7: 2010/10/29(金) 11:18:47.23 ID:vqnqRkqe0
なんだろう。
授業の終わり際から唯の様子がおかしい。
それが分かるくらい授業中にチラチラ見てた私も私だけど……。

あ、和もおかしい事に気付いたみたい。立花さんも。
話し掛ける二人に対して唯が必氏に取り繕っているように見える。
……もしかして唯困ってる?
助けてあげたいけど話し掛けられて困るなら私が行っても余計に……。
でも様子がおかしいし……やっぱりほっとけない。
よし、二人の気を逸らすような話を振りに行こう。

そう思って唯の元へ向かおうとした時、不意に唯の机の下に目が行った。
……ん? なんだあれ?

12: 2010/10/29(金) 11:30:27.43 ID:vqnqRkqe0
唯のスカートがなんていうか、こう……。
っと、それより唯を助けに行かないと!
早くしないと律達がお弁当持って集まって来ちゃう。

澪「和、午後の授業の事なんだけど……」

和に話を振りつつ唯の様子を伺う。
やっぱり私が来て余計困ってるかも……。

和「ちょっと待って。なんだか唯の様子が変なのよ」

うあ、駄目な方向に話が……唯ゴメン!

唯「あ、わ、私は大丈夫だから……」

和「でも唯変よ?」

唯「へ、変ってひどいよー和ちゃん」

和「熱でもあるの?」

熱……そうだ。

澪「確かに調子悪そうだな。唯、保健室に行く?」

13: 2010/10/29(金) 11:35:02.38 ID:vqnqRkqe0
唯「いやっ、それは……」

多分さっき見たスカートと関係があるはず。
そしてそれを見られたくない……とかかな?
……よし。

澪「なんならおぶるけど」

唯「ぅえっ!?」

……おぶるのはやり過ぎかも……は、恥ずかしくなってきた……。

澪(さっき私の席から見えたんだけど、唯のスカートが……)

唯「っ!?」

ヒソヒソ声で唯に打診すると唯の顔が青ざめていって……うわああっ今にも泣きそうじゃないか! 私の馬鹿ぁ!
と、とにかく誰にも知られたくない事があるみたいだ。

澪(なあ、よく分からないけど隠したい事があるんだろ? もし私でよければ協力するから)

15: 2010/10/29(金) 11:42:48.46 ID:vqnqRkqe0
唯「…………澪ちゃん、お願い」

俯いたまま唯が頼んできた。

澪「わかった、ほら」

腰を降ろすと唯が背中にもたれかかってきた。
これは想像以上に恥ずかしいかもしれない……。

澪「じゃ、じゃあ保健室に行くぞ」

和「それなら私も――」

澪「い、いや! 大丈夫だから!」

和の返事を待たずに教室を抜け出す。
その間唯は無言で、私の肩に置かれた手が震えていた。
本当に調子が悪そうだけど……大丈夫かな?

20: 2010/10/29(金) 11:49:35.02 ID:vqnqRkqe0
他の生徒の視線に必氏で耐えつつ廊下を歩く。
保健室に向かうため一階へと降りてきたところで漸く唯が口を開いた。

唯「澪ちゃん……保健室じゃなくてトイレにつれてって欲しい」

澪「わかった。じゃあそこの――」

唯「あ、そこじゃなくてもっと人が来ないところがいい……」

澪「? わかった」

唯がいつになく落ち込んでる。
本当にどうしたんだろう。
それに……私の腰の辺りに何かが当たってるんだけどなんだろう?
いや、とにかく今はトイレに急ごう。

21: 2010/10/29(金) 11:56:52.71 ID:vqnqRkqe0
澪「――ここのトイレでいいかな?」

普段使われてないトイレって言ったらここだけど……。

唯「あ、うん、ありがと……」

弱々しく受け答えする唯。
いつもの明るい唯は何処に行ったんだ。
最初は唯と秘密を共有できるかもなんて邪な気持ちもあったけどそんなこと言ってられないな。
唯は私から降りると急いでトイレへと入って行った。
少し迷ったけど私もトイレに入ることにした。
嫌がられたら大人しく追い出されよう。
そう思ってトイレの扉を開けると、

唯「ぐすっ……ぅ……」

唯のすすり泣く音が一番奥の個室から聞こえる。
個室の戸は閉められていなかった。

澪「ゆ、唯? 大丈夫か? 私教室に戻った方がいい……?」

そう言いながら私は個室を覗いた。

24: 2010/10/29(金) 12:04:03.74 ID:vqnqRkqe0
背中を向けた唯が掠れた声で呟く。

唯「ふぐっ……澪ちゃん、こっち来て戸閉めて……」

澪「わ、わかった」

狭い個室に入り、鍵を閉めた。
重苦しい雰囲気が個室を支配する。
唯は私に何かを伝えようとしてるみたいだ。
よ、よし……何を言われても驚かないぞ。

唯「あの、ね……私……」

そう言いながら唯がこちらに身体を向ける。
目に入ってくるのは唯の泣き顔。
それと不自然に浮いているスカート。
これは……何?

澪「えっと……どういうこと?」

唯「えっと、私、あ、あるの……」

言葉に詰まりまくって要領を得ない応答。
何が、と聞こうとしたところで唯が自らのスカートをたくし上げた。

25: 2010/10/29(金) 12:11:18.22 ID:vqnqRkqe0
澪「……へっ?」

スローモーションでたくし上げられたスカートの中には……。
……………………。
そこにあるのは……なんだ?
唯は黒の短いスパッツ? を穿いていて、その中心から何かが生えている。
……あぇ?
なんだ、なんだこれは。
私が硬直していると再び唯の泣き声が。
な、何か言わないと!

澪「ぁ、え、と、うん? ええと、その……これはいったい……?」

しどろもどろになりながらも言葉を紬ぐ。
何故か言い終えてから頭が回り出してきた。
これはどう見てもあれじゃないか。でもどうして唯に……? 唯は男? いや、え?

唯「うぐっ……ぐす……嫌いになった?」

27: 2010/10/29(金) 12:26:33.14 ID:vqnqRkqe0
澪「へ? な、何でそうなる?」

唯「だって私……こんなのがあるんだよ?」

澪「いや、そう言われても何が何だか……」

唯「……」

唯の涙がポロポロと止まらない。
も、もっと何か言わないと!

澪「う、ああ、えっとだな……まず質問してもいい?」

唯「……うん」

澪「唯は……男じゃないよな?」

唯「うん。女だけど昔からこれがついてるの……」

澪「そっ、そうなのか……」

そういうことか。
どういうことだ?
落ち着けー……落ち着けー……。
今はとにかく唯を泣かせないようにしないと。

29: 2010/10/29(金) 12:33:40.75 ID:vqnqRkqe0
澪「と、とりあえず嫌いにならないからさ、唯も泣き止んで?」

唯「っ……うん」

洋式トイレで沈黙する女二人。
唯の鼻をすする音だけが響くこの時間がもの凄く気まずい。
これからどうしよう……。

澪「……落ち着いた?」

唯「うん……」

こんなに弱ってる唯初めて見たけど……進んで見たいとは思えないな。
とにかく元気になってもらいたいって思う。
でもまずはこの状況をなんとかしないと。
そのためにはこれについて聞くしかないか。

澪「なあ唯、今までずっと隠してきたって事は……」

唯「知ってるのは家族だけ。和ちゃんにも話してないんだ」

澪「そっか……そういえば合宿の時とかプールでも唯の水着姿見たことない……」

唯「うん。体育の時はスカートつけながら着替えてたから大丈夫だったけど水着はちょっと……」

31: 2010/10/29(金) 12:40:53.12 ID:vqnqRkqe0
澪「全然気が付かなかった。でもどうして今日はこんなことに?」

唯「私いつもこういう男物の……ボクサーパンツ? っていうの穿いて隠してきたんだけど、今日穿いて来たのは新しく買ったパンツで……」

唯「今日初めて穿いたんだけどさっきパンツのボタンが勝手に外れちゃって、夏服だからタイツも穿いてないし……」

澪「それでこうなった、と」

唯「うん……こんなことなら学校来る前に確かめればよかった。不良品だよ……はは」

笑えない……。

唯「みんなにはばれなかったけど澪ちゃんにばれちゃった」

澪「……」

唯「あの、この事はみんなには……」

澪「言わないから、大丈夫だから」

唯「うん、でも……澪ちゃんには知られたくなかったなぁ……」

実物を見るまで全然分からなかったけど、ここに来るまで私の腰に当たってたから。
それで私にばれたかもしれないって思って。
黙ってたら口止めも出来ないし、唯は私に話すしかなかったんだ。
クラスのみんなに知られるよりは私一人にってとこか……。

32: 2010/10/29(金) 12:50:43.72 ID:vqnqRkqe0
視線を唯の顔に戻す。
唯は静かに涙を流していた。

唯「や、やっぱり気持ち悪いよね?」

澪「そ、そんな――」

唯「こんなの見ちゃったら嫌いになるよ。わた、私だって気持ち悪いって思ってるし。あは、最悪だよね、こ、こんなの見せられ……あ、はは……」

ポロポロポロポロと、どれだけ出るんだってくらい流れてきて。
それにヤケになってるように見える。
唯の涙と乾いた笑いが痛々しくて私まで泣きたくなってきた。
でも。

澪「さっきも言っただろ? 嫌いにならないよ」

唯「無理だよ……気持ち悪いもん」

私が泣いてる場合じゃないだろ。
こんな悲しそうな唯見ていたくないよ。

澪「気持ち悪くない」

唯「嘘だよ……」

33: 2010/10/29(金) 13:01:12.33 ID:vqnqRkqe0
唯「もうやだよこんなの……もう、やだぁ」

再び唯が泣きじゃくる。
私の言葉なんて届いてない、信じてもらえてない。
ああ……何やってるんだよ私は。
私が唯を助けようとして招いた結果で唯を泣かせるなんて。
最低だ。駄目すぎる。
こんな……自分の好きな人を目の前にして何も出来ない……。
これで今までの関係が崩れたら……そんなのやだ!
これじゃあ駄目だ。
私が何とかするんだ。
唯に笑ってもらうんだ。
でもどうしたら……。
…………。
ああああーーーーもおーーーー!!

澪「ゆいっ!!」

唯「えっ……んむっ!?」

こちらを向いた唯の顔を引っ掴んで唇をぶつけた。
身体中がぶわーっと熱くなって、アドレナリンが出まくって、なんだかよくわからないけど今なら何でも出来そうだ。

澪「わ、わた私は唯のこと好きだからっ! 嫌いにならないから! これでわかったか!?」

34: 2010/10/29(金) 13:08:11.40 ID:vqnqRkqe0
あれっ? 好きって言っちゃったぞ!?
でも思ったより恥ずかしくない。
ていうか何故だか全然恥ずかしくないぞ。
もっと色々言えそうだ。
唯は呆けているだけだし言っておきたい事を吐き出そう。

澪「こんなことで仲悪くなるのはやだからな! 何度も言うけど気持ち悪くないし嫌いにならない、ていうか好きだから!」

澪「いつも唯といると楽しくて、お前だって部活楽しいだろ? 唯だって私と仲悪くなるのいやだろ? 私と一緒にいて楽しくなかった?」

思ったことを片っ端から言ってみた。
よくわからない。

唯「あ……私も楽しかった」

澪「だろ? だからもっと私のこと信じてよ! これからも楽しく過ごそうよ!」

唯「澪ちゃん……」

言い終わってみると私何言ってるのかわからないな。
唯の涙も止まらないしあーもー。
後は何が出来る?
今の私なら何でも出来るはず。

澪「さっきのはあれだ、唯が好きだからキスしたんだからな!? だから――」

36: 2010/10/29(金) 13:16:42.43 ID:vqnqRkqe0
唯「えっ……?」

私はしゃがみ込んだ。
そして目の前にあるもうひとつの唯に向かってキスをかました。

唯「っ!?」

やってやったぞ!

澪「こっちにもキスできるから! だから――」

だから……だからなんだっけ?
あたまがもうまわらない。

澪「だから……その、あー、とにかく好きだから! どんな唯でも私は好きだから! 唯のこれも好きだっ!!」

……やりきった。
思いの丈を未整理のままぶちまけたぞ。
これで駄目ならもっと……。

38: 2010/10/29(金) 13:23:28.60 ID:vqnqRkqe0
唯「……ありがとう澪ちゃん」

見上げると唯の涙が止まっていた。
やった……やったよ私!

唯「……ふふ、なんだか初めて見る澪ちゃんだ」

笑ってる。
やっぱり唯はこうでなくちゃな。

唯「顔真っ赤だし、何言ってるかわかんないし……くふ、ふふふ……」

澪「あはははっ」

何だかこっちまでおかしくなってきた。
何がそんなにおかしいんだろう。
そう考えていると段々頭が冷えて冷静になってきた。

澪「はは……は……」

私は……私は今何をしていたんだ?

39: 2010/10/29(金) 13:32:02.97 ID:vqnqRkqe0
考えたらやばい。けどもう遅い。
今までの痴態が脳内でリピートを始めてしまった。

澪「う……あ……」

唯「澪ちゃん?」

澪「あ……ああ……あーーーー! いやああああーー!」

唯「ふえっ!?」

ぎゃあああああやめてやめて何してるの何言ってるの私!?
氏ぬぅぅぅううう恥ずか氏ぬうううううう!

澪「あ゛ー! あ゛ー!」

唯「み、澪ちゃん落ち着いて!」

澪「だめだー! もうしぬー!」

唯「ええっ!? ちょっと澪ちゃん!」

うわぁあああああああぁあああああああぁあああああぁ……

40: 2010/10/29(金) 13:38:34.52 ID:vqnqRkqe0
あああああ……。
あああ……。
あ……。

澪「ぁぁぁ……」

唯「落ち着いた? あの、ゴメンね。私の為にそこまでしてくれて……」

澪「……ぁぁ……あ?」

そうだった。
唯に元気になってもらいたくて、私を信じてもらいたくてああしたんだった。
したっていうかなってしまったというか……。
氏ぬほど恥ずかしいけどそれで落ち込んでたら唯に悪い。
気合だ私……。

澪「あ……ごめん、取り乱した」

唯「よかった。澪ちゃんが私の為に身体を張ってくれて嬉しかったよ。ちょっと……びっくりしたけど」

そう言って頬を赤らめる唯。
それはやっぱりあのキ、キスの事を言ってるのか?
う、ああ、あぁあああああ。

唯「うわぁごめん! ……それでね、澪ちゃんの気持ち伝わったから。だからこれからも仲良くしようね」

42: 2010/10/29(金) 13:45:06.76 ID:vqnqRkqe0
澪「あ……うん。こちらこそ」

唯の笑顔に見惚れて一瞬痴態なんてどうでもよくなった。

唯「澪ちゃんがあんな大声出すとは思わなくてびっくりしちゃったけど」

澪「うっ……」

唯「わあぁ! でもでもおかげでちょっと気が楽になったかも。そんなこと言ってもらえたの初めてだし、キスされたのも初めてだったし」

……そういえば半ば無理やりキスしちゃったけどこれってまずいんじゃ……?

澪「あ、あ、ごめ……」

唯「だから大丈夫だってば。嬉しかったんだから。二回目のキスも……」

ギャーーーー!!

唯「と、とにかくありがとうねっ! 私もう大丈夫だから!」

44: 2010/10/29(金) 13:52:01.41 ID:vqnqRkqe0
唯「そりゃあまた嫌な思いする時もあるかもだけど、でも私の事を受け入れてくれる人もいるんだって思えるようになったからさ」

澪「唯……」

唯「だから澪ちゃんも元気出してっ」

澪「あはは、唯に励まされちゃったらだめだよな」

唯「そうだよー。……ん?」

澪「ふう、それじゃあ教室に戻るか。私達まだご飯食べてないしな」

唯「そうだったね、じゃあ……あ、澪ちゃん先に戻ってて」

澪「そうか? じゃあ……」

私は唯のソレのことは詳しくないからな。
色々あるんだろう。
そう思ってトイレを出て待つことにした。

45: 2010/10/29(金) 13:59:43.24 ID:vqnqRkqe0
っていうか私唯に好きって言っちゃってるぞ……!?
いやいや、きっと唯も友達としてって意味で捉えてるよな。……そうだよな?
おまけにあんな所にキスしちゃっ……うああ恥かしい……。
あれ、そういえば唇がちょっとじんじんする。一回目に勢い余って……後で唯に謝っておこう。
そうして気が付けばトイレ前の廊下で5分は待っているような。
流石に遅過ぎやしないか?
もしかしてまだ泣いてたり……?
不安になったのでもう一度トイレへ。
唯の入っている個室の戸は閉まっていたからノックしながら声をかけた。

澪「唯ー? 大丈夫……?」

唯「あっダメ――」

ノックで戸が少し開いた。
私が出てから鍵を掛けてなかったみたい。
だから制止の声も虚しく便座に座る唯と目が合ってしまった。

澪「あ、ごめん……」

唯「――っ!」

ごめんと言いつつも唯から目を逸らせなかった。

46: 2010/10/29(金) 14:05:26.32 ID:vqnqRkqe0
唯は便座に内股で座っていた。
スカートを捲ってボクサーパンツを膝まで降ろし、先程見せてくれた唯を右手で握っている。
上気した表情で、息も荒くて、普段の唯と全然違って……。
私がいつまでも唯の唯を見ていたからか、唯の顔が歪んだかと思うとうずくまって泣き出してしまった。

唯「うっ……うううぅぅ……ぁああ……うぐっ……」

澪「あっあっ……」

やばい。
これは私のせいだ。
鍵を掛けてなかったからとかそんなこと言ってる場合じゃない。
今私が唯を泣かせた……あぁぁああぁぁ。

澪「ゴメン! 外で待ってたんだけど中々戻ってこなくてそれで……うわぁあごめん、本当にごめん!」

唯「ひぐっ……う、うぇぇん」

どうしようどうしようどうしよう。
ええと、唯が唯を握ってて、唯が泣いてるって事は……。
よくわからないけど、なんとなく分かっちゃったかも……?

47: 2010/10/29(金) 14:13:57.13 ID:vqnqRkqe0
唯「うあぁん……今度こそ嫌われたぁぁぁ……!」

澪「だからそんなことないってば!」

唯「だって……だって澪ちゃんがキスしてくれて……こっちにもキスしてくれて……それから全然収まらなくて……だから」

やっぱり私の所為……だよな?
……うん。
私が唯を泣かせるなんて自分で自分が許せない。
もう恥かしいとか言っていたくない。
私の所為で唯がそんな顔してるなんて他の何よりも耐えられないよ。

澪「唯、顔上げて?」

唯「……いやぁ」

澪「お願いだ」

唯「……」

唯の肩に手を置く。
そしたらゆっくりと顔を上げてくれた。
……どのタイミングで目を瞑ればいいんだ?
どうでもいいか。

49: 2010/10/29(金) 14:22:51.50 ID:vqnqRkqe0
澪「唯、好きだよ」

今度は優しく、相手を労るようにふれる。

唯「ん……」

一瞬ビクッとなった唯だけど今回も私を受け入れてくれた。
キスってこれでいいのかな?
わからないけど今はこれで良かったと思おう。
たっぷり十秒ほど重なり合い、私から唇を離す。
それから個室の戸を閉めて鍵を閉めた。
さっきと同じで個室に二人。

唯「澪ちゃん……?」


50: 2010/10/29(金) 14:30:13.03 ID:vqnqRkqe0
私は唯の肩に置いていた手を今度は太ももに添えた。

唯「あっ」

唯が息を吐いて身体をぶるっと震わせた。
うわ、こんな反応されるとこっちまで変な気分になりそう。
っていうか緊張してきた。その所為で息が震える。

私は心を落ち着けながらしゃがみ込んだ。
うん、間近で見るとなんだかすごい。
赤くなってて先端にはぷっくりと水滴のようなものがついている。
つまり私がトイレを出てから唯はこれを弄ってたんだ。

さっき唯にしたような優しいキスをもう一度。
唯の先端に口唇でふれた。

79: 2010/10/29(金) 16:22:11.03 ID:Kr3haHhRP

『私の恋はボッキキス』


(澪パート)

なんでなんだろ
気になる夜 キミへの
この思い 妄想して
カイてみるよ

もしかして
気まぐれかもしれない
それなのに 回数だけ
増えてゆくよ

好きの確率わりだす計算式
あればいいのに

キラキラひかる 白い液も
グチャグチャへたる マラドーナも
そーだボッキキスで とじちゃおー
はじまりだけは 軽いノリで
しらないうちに 口に含んで
もう喉がなんだか通らない
ララ☆また明日


81: 2010/10/29(金) 16:26:12.61 ID:n0s4katZ0
なにこれwwww

86: 2010/10/29(金) 16:33:05.85 ID:Kr3haHhRP
澪「こんにちは」

唯「澪ちゃーん! どうぞどうぞ入って入って!」

澪「お邪魔します」

唯「お昼食べてきてないよね?」

澪「ああ、唯に言われた通り食べてないよ。どこかに食べに行くのか?」

唯「違うよ~お昼作ってあるの」

澪「へえ……憂ちゃんが?」

唯「もうっ、わたしだよ!」

澪「そ、そうなのか」

唯「ちゃんと美味しいんだから」

澪「そうだといいな……」

唯「大丈夫っ!」

88: 2010/10/29(金) 16:40:41.47 ID:Kr3haHhRP
唯「なんてったって私の料理には愛情が詰まっているからね!」

澪「あぅ……」

唯「ほらーそんなところで照れてるとご飯が冷めちゃうよ」

澪「うぐ、わかってるよっ……唯っ!」

唯「ほえ?」

澪「しゅ、しゅきだぞっ!」

唯「……あぅ」


89: 2010/10/29(金) 16:46:42.35 ID:Kr3haHhRP
澪「くあ……ど、どうだ」

唯「自分で言って顔赤くしてるよ……」

澪「お前だってさっきから……」

  「…………ふふっ」

  「……ごはん、たべよっか」

  「……そうだな」



ハートに漬けたシブガキは甘い甘いケーキよりも……





END

90: 2010/10/29(金) 16:48:07.27 ID:0z7OgIPEO
おわたwwwwww

引用元: 澪「私の恋はボッキキス」