1: 2013/02/17(日) 12:21:51.67 ID:EvX0R0AP0
P(どうも、プロデューサーです。今、ユニットを担当しています)

P(全員非常に実力が高く、苦労はしていないです。でも……)


のあ「………」

雪美「………」

蘭子「ク、ククク……」


P(アイドル達が怖いです)
アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場(10) (電撃コミックスEX)
9: 2013/02/17(日) 12:27:02.56 ID:EvX0R0AP0
P「あ、あの」

のあ「………どうしたの?」

雪美「……何……?」

蘭子「ククク、如何した?」

P「次の撮影があるので移動を……しようと思うんですけれど……」

のあ「そう………移ろう場所は、まるで心のようね……」

雪美「………わかった……」

蘭子「フッ……よかろう。この私を導いてみせるがいい」

P「……は、はい」

10: 2013/02/17(日) 12:33:33.38 ID:EvX0R0AP0
のあ「………」

P「ど、どうしたんですか?」

のあ「……場所は移ろう。心もそうでしょうね……でも、変わらないものもあるかもしれない」

P「は、はぁ」

のあ「…………確かなものなど、ないかもしれないけれど。あなたはそれを感じさせるわ」

P「……えっと、ありがとうございます……?」

雪美「…………」

P「ど、どうしたのかな?」

雪美「………大丈夫……変わらない………ずっと……」

P「う、うん……そっかぁ、そうだね……?」

11: 2013/02/17(日) 12:37:55.95 ID:EvX0R0AP0
蘭子「ククク……」

P「神崎さんも、いきましょう……ね?」

蘭子「フフ、いいだろう。導き手よ、我が手を取りたまえ!」

P「手をって……そういわれても……こうですか?」スッ

蘭子「お、愚か者めっ! ほ、ほんとに……もうっ」

P「え、あ……ちょっと」

のあ「…………」

雪美「…………」

P「あの、2人とも……?」

のあ「………伝わる熱は、本当に体のものだけなのかしら」

雪美「………繋がる………1人じゃない……」

P「な、なんで両手を……?」

のあ「…………いきましょう」

雪美「……うん………」


P(わ、わからない……よくわからない次元で会話してて怖い……)

14: 2013/02/17(日) 12:49:47.73 ID:EvX0R0AP0
P(でも本当に、3人とも実力も人気も高いんだよなぁ……持ってきた仕事は完璧にこなしてくれるし……)


蘭子『フフ……導き手の求めるものが即ち私たちの目指すものとなるのよ……』

のあ『私の空白は………貴方が埋める……貴方に足りぬ力は………私が授ける……私たちの関係はそういうもの………覚えておいて』

雪美『…………魂……繋がってる………知ってる……信じてる……』


P(………決意表明の時はこんな感じのことを言われた気がする。わからないです、怖いです)


雪美「………どうしたの………?」

P「あ、いや。少し考え事を……」

のあ「……あなたの悩みは私の悩み………そうでしょう?」

P「そ、そうなんですか……?」

雪美「…………そう……」

P「そうなんですか……」

18: 2013/02/17(日) 13:09:57.26 ID:EvX0R0AP0
P「えっと……些細な悩みなので特に問題は……」

のあ「……それを決めるのはあなたではない。他者の視点でこそ見える真実もある」

P「は?」

雪美「………教えて……」

P「ま、まぁ悩みって言っても……その……」

蘭子「……永劫たる空虚……」

P「あ、神崎さん。すみません待たせちゃいましたよ……ね……?」

雪美「…………ダメ……」

P「あ、あの……?」

のあ「消えないものは……絆で十分。そうでしょう?」

蘭子「……?」

P「え、えっと……ちょっと悩み相談をしててですね……」

蘭子「……導きたる光よ! 我が元へと捧げるがいい!」

P「……?」

19: 2013/02/17(日) 13:17:32.22 ID:EvX0R0AP0
雪美「………相談……して……?」

P「……あ、相談しろって言ってくれてるんです……か」

蘭子「如何にも。ククッ……児戯にも等しい」

のあ「…………言いなさい。さぁ……」

P(……流石にあなたたちが怖いです。なんていうのも……だけど……)

蘭子「さぁ……」

雪美「……………」ジー

のあ「……語らなければ伝わらないものもあるわ」

P(ごまかせる雰囲気でもない……どうしよう……)

23: 2013/02/17(日) 13:33:43.12 ID:EvX0R0AP0
P「え、えーっと……」

雪美「…………」

P「その、みなさんときちんとしたコミュニケーションがとれてないなぁ、と思ってですね……」

のあ「…………」

P「もっと仲良くなれるようになりたいなぁ、なんて……はは……」

蘭子「……禁断の園へと踏み込むか……!」

P「は、はい?」

雪美「………わかった……」

P「………うん……?」

のあ「そうね……いいわ」

P「……?」

26: 2013/02/17(日) 13:47:22.39 ID:EvX0R0AP0
――――

――

P(どうも、プロデューサーです)

P(本日はオフです。オフなんですけど……)


雪美「………遊園地……」

蘭子「あぁ、魂の調べが高鳴る!」

のあ「………どうしたの?」


P(なぜか担当アイドルと一緒に遊園地に来てます)

29: 2013/02/17(日) 14:06:07.13 ID:EvX0R0AP0
P「……なんで?」

のあ「あなたが望んだことよ」

P「そうでしたっけ……」

雪美「………メリーゴーランド……」

蘭子「ククク……」

P「……そうでしたっけ?」

のあ「お互いを深く知ることはこれから先も生きるでしょう?」

P「そうですけれど……」

雪美「………いこう……」

蘭子「フハハハ! 白馬すら黒く染めてくれよう!」

P「あっ、こら2人とも!」

32: 2013/02/17(日) 14:13:37.19 ID:EvX0R0AP0
P「……流石に、いい年した男がメリーゴーランドに乗るのはちょっと……」

蘭子「むぅ……それでも王たる器か!」

雪美「………王子様……?」

P「ははは……ほら、こっちで見てますから。ね?」

蘭子「……仕方なし。往くぞ、寡黙たる幻想者よ!」

雪美「………うん……」


P「……はは、結構子供らしいところもあるんだなぁ」

のあ「そうね」

P「うわぁっ!?」

35: 2013/02/17(日) 14:20:39.39 ID:EvX0R0AP0
P「あ、あの……?」

のあ「………あなたが、私たちを知ることを望むように。私もあなたのことを知りたいと思う」

P「はい?」

のあ「……あの2人は、いい子よ。雪美も蘭子も照れているだけ」

P「……照れてるだけで、あんな……」

のあ「それも若さでしょう……フッ、らしくないわ。私がこんなに他人を気に掛けるなんてね」

P「……そうなんですか?」

のあ「………でも、起こりうることしか起こらない。この世には必然しか存在しないでしょう」

P「はい?」

のあ「つまりは、そういうこと………あとは考えなさい」

P「………わかり、ました……」

37: 2013/02/17(日) 14:28:53.41 ID:EvX0R0AP0
雪美「…………」フリフリ

蘭子「フハハハ、さぁ、我が姿を焼き付けよ!」


P(……あの2人、楽しそうだな……そうだよな、まだあの2人は子供なんだし……)

P「……って高峯さんは……あれ? いない?」

P「探しに……ってあの2人をほうっておくわけには……」

P「……すぐに戻ってくる、かな……?」


雪美「………たのしい……」

蘭子「中々の余興だったわ」

P「うん、おかえりなさい……楽しかった?」

雪美「………次は……あなたも……」

蘭子「さぁ、ともに舞おう。宴よ……!」

P「へ? ちょ、ちょっと高峯さんがまだ……」

のあ「私が、何?」

P「ひゃぁっ!?」

39: 2013/02/17(日) 14:33:30.52 ID:EvX0R0AP0
のあ「………滑稽ね。それほどまでに驚くこと?」

P「い、いつ戻ってきたんですか……?」

のあ「2人とも、ドリンクよ……少し買ってきただけ。これもまた私……」

P「は、はぁ……」

雪美「………ありがとう……」

蘭子「フフッ、恩に着るぞ……」

P「って、言ってくれれば俺が買ってきたのに。1人でいかなくてもよかったんじゃないですか?」

のあ「……そうね。でも、1人でできることは1人で……それでいい。あなたが必要なのはそこじゃない」

P「は、はぁ……」

のあ「次は……あれね……」

雪美「………じぇっと……こーすたー……?」

蘭子「……ふ、ははは……たやすいことよ……」

43: 2013/02/17(日) 14:41:43.89 ID:EvX0R0AP0
P「でも身長制限は……130センチか」

雪美「………乗れる……」

蘭子「……た、たやすい……」

P(……神崎さん、さっきから顔がひきつってるけど……大丈夫かな……?)

のあ「………雪美。乗るのなら、隣にしなさい……傍なら、届くでしょう」

雪美「………うん……」

P「え? ちょっと、高峯さんは……」

のあ「蘭子と話があるわ。2人でいきなさい」

蘭子「ぇ? あっ……フッ、致し方なし。導かれよう、聖邪の魔眼の持ち主よ!」

のあ「…………」

蘭子「……う、はい……」

P「わ、わかりました。それじゃあいきましょうか……・」

雪美「………うん……」

45: 2013/02/17(日) 14:48:34.30 ID:EvX0R0AP0
P(……ジェットコースターなんていつぶりかな……)

雪美「………手……」

P「え? あぁ、はい」

雪美「………あたたかい……繋がり……」

P「……」

雪美「……障害………超えられる……きっと……」

   ぎゅっ…

P「……怖いなら、やめておいたほうがいいんじゃないかな……?」

雪美「………平気……一緒だから………」

P(……ひょっとして、この子は……ただ、口下手なだけだったんじゃないか……?)

47: 2013/02/17(日) 14:56:02.85 ID:EvX0R0AP0
P「……佐城さん」

雪美「…………違う……呼ぶなら………名前……」

P「雪美さん?」

雪美「………呼び捨て。名前は……つながり……のあが言ってた……」

P「……じゃあ、雪美。大丈夫?」

雪美「…………怖くない……いっしょ……」

P「そっか。うん……そろそろ動くよ」

雪美「……うん………」


P(はは、そうか……だってまだ10歳だもんな。なんで怖がっちゃって……)

  ガタン  ガタン   ガタン   ガタン     ガタン

P「……あ、よく考えたら絶叫マシンにがてぇぇええええああああああああっ!」

雪美「……きゃぁー……………」

48: 2013/02/17(日) 15:01:13.29 ID:EvX0R0AP0
P「………」

雪美「……楽しかった……」キラキラ

P「よ、よかったです……」

雪美「………もういっかい……」

P「え? そ、それはその……」

のあ「………無数の中から1つを選ぶ。それだけに夢中になるのも悪くないわ」

P「あ、高峯さん」

のあ「でも、それだけじゃ……退屈でしょう?」

雪美「………そう……」

のあ「……いい子ね」

P「……え、えーっと……?」

蘭子「次に向かうは納涼たる暗黒の館! さぁ、蹴散らそうぞ!」

P「か、神崎さん……?」

51: 2013/02/17(日) 15:11:02.06 ID:EvX0R0AP0
P(暗黒の館って……お化け屋敷か……あれ?)

蘭子「フハハハ、交霊の術もまた我が手中よ……」

P「あの、震えてますけど」

蘭子「これは、魔のモノへと対抗する結界。ククク、解すことは容易くないか」

P「……そうなんですか……」

蘭子「そうだ。フッ、瞳の持ち主ではないそなたには不可能か?」

P「……えーっと、大丈夫ですよ。怖くないです」

蘭子「ならばよしだ……さぁ、往くぞ!」

雪美「………おばけ……ひゅー、どろどろ………」

P「あぁ、雪美もほら……」

雪美「……うん………」

53: 2013/02/17(日) 15:21:30.35 ID:EvX0R0AP0
P(お化け屋敷か……結構凝ってるけど……)

   ガタンッ!

蘭子「ひゃぁっ……あ、ふ、ふはは。このていどか、ふ、ふはははー」

雪美「……………」キュッ

P(この2人が結構怖がってるのを見たら、平気だなぁ)


蘭子「フッ……ハハハ、たやすっ」

    ガタガタガタッ

蘭子「はっ、あぅぅぅ………」

雪美「………蘭子…………大丈夫………私がいる………」

蘭子「……お、おぉ……恩に着る……!」

P(……神崎さんも、かわいらしいなぁ……)

57: 2013/02/17(日) 15:33:43.18 ID:EvX0R0AP0
P「……ん?」

蘭子「ど、如何したというのだ!」

P「いや、そういえば高峰さんは………」

のあ「ばあ」

蘭子「きゃぁぁっ!?」

雪美「……!」

P「な、何をしてるんですか……びっくりしたぁ……

のあ「………ほんの戯れ。霊がいたとしてもそれは思う人の心の中……私はそう思うわ」

P「は、はい?」

蘭子「……うぅぅ……いじわる……」

P「え?」

蘭子「はっ!? あ……フン、この程度で我が瞳を欺けると思わぬことだな!」

のあ「腰が抜けているでしょう? 手を借りなさい」

蘭子「………はい……」

P「え? た、高峯さんちょっと……!」

61: 2013/02/17(日) 15:40:33.78 ID:EvX0R0AP0
P「……神崎さん、立てる?」

蘭子「……我が翼は折れ、堕天した……」

P「……えっと……?」

雪美「………立てない……」

P「……そういう意味なのかな?」

蘭子「………い、如何にも」

P「どうしようかな……高峯さん、先にいっちゃったから両側を支えることもできないし……」

雪美「………ひらめいた……」

P「どうしたんだ? 雪美……」

雪美「………めいあん……」

64: 2013/02/17(日) 15:46:19.28 ID:EvX0R0AP0
P「………」

蘭子「……」

雪美「……おんぶ………」

P「あの、神崎さん? 嫌ならほら、係員の人とか呼ぶから……」

蘭子「よ、よい……我が身を預けるは信ずるに値するもののみよ……」

P「……今のはなんとなくわかった。ありがとう」

蘭子「………」

P「まぁ、ゆっくりいこう。大丈夫そうだったら言ってね」

蘭子「……うむ」

雪美「……おばけ………」

66: 2013/02/17(日) 15:52:13.09 ID:EvX0R0AP0
P「……雪美は大丈夫か?」

雪美「………平気……あなたがいる………」

蘭子「あ……」

P「あ、神崎さん? どうしたの……?」

蘭子「そ、そなたに……我が真名を呼ぶことを………」

P「……しんめ……?」

蘭子「……わ、わたしも、なまえで、いいです……」

P「え?」

蘭子「………」

P「……えっと、蘭子……?」

蘭子「……フフ。それでよいのだ。さぁ進め、下僕よ!」

P「し、しもべってひどいなぁ」

雪美「………すすめ……しもべ……」

P「ゆ、雪美まで?」

73: 2013/02/17(日) 16:00:55.92 ID:EvX0R0AP0
   ヒュルルルル……

蘭子「ひゃぁっ!?」


    ザプンッ  ザバーッ!

蘭子「ひぅぅぅ……」


   ドロドロドロドロ……ヌゥッ

蘭子「やぁぁ……も、やだ……グスッ……」


P(さ、さっきから背中の蘭子がどんどん泣きそうに……というか、泣いてないか……!?)

P「あぁ、やっと出口が見えた……!」

蘭子「ほ、ほんと……?」

P「あぁ、ほら……」

蘭子「……グスッ……ふ、ふはは! この程度の道で我が覇道はやまぬ!」

雪美「………楽しかった……」

P「あはは、そうだ――」

のあ「ばぁっ」

76: 2013/02/17(日) 16:07:58.17 ID:EvX0R0AP0
P「う、わぁっ!?」

のあ「遅かったのね。楽しめたかしら」

P「た、高峯さん……驚かせないでくださいよ……」

のあ「これは待った分。期待というのは、時間と共に膨らむものよ」

P「いや、でも……あ、そうだ蘭子……」

蘭子「……もう、やだぁ……グスッ……」

P「ら、蘭子?」

のあ「…………」

雪美「……よしよし………」

蘭子「うっ……ん……」ポロポロ

81: 2013/02/17(日) 16:21:58.45 ID:EvX0R0AP0
のあ「………迂闊ね」

P「ちょっと、高峯さん! 何を――」

のあ「ごめんなさい。距離というものは近いようで、遠いものだったわ」

蘭子「……ふぇ?」

のあ「あなたの涙は私のせいよ。好きにしなさい」

P「え? な、なにしてるんですか」

のあ「ケジメよ……私が泣かせてしまった。ここまでするつもりではなかったのだけれど」

蘭子「……ふ、ふん……この、ていど……なんともないわ……」

のあ「感情を出すときは小出しよりも一気によ……ごめんなさい」

蘭子「……恐れは、わが……ううん」

蘭子「……こわ、かった……です。おこりました……」

のあ「……えぇ、少し世話がすぎたようね……」

蘭子「………でも、このまま……ちょっと、いれば……へいき……かも」

     ギュッ    むにっ

P(……いかん、立ち止まった状態でこんな強くもたれかかられたら……! というか、普通にしゃべって……!?)

85: 2013/02/17(日) 16:32:17.64 ID:EvX0R0AP0
蘭子「フハハハ! さぁ、我が魔力は既に満ちた!」

雪美「………ふっかつ……」

のあ「……あなたにも世話をかけたわ。楽しむというのは難しいわね」

P「え? いや、まぁ……おんぶしただけだし、蘭子が嫌がっていないなら別にかまいませんけれど……」

蘭子「さぁ、往くぞ下僕よ!」

P「……いいのかな?」

のあ「望まぬことを強いるのは、容易くない……当然のことよ」

P「は、はい」

蘭子「次なる運命はいずこへ揺蕩う!」

雪美「………あっち……」

P「あ、あぁひっぱらないで! 2人とも落ち着いて……」

88: 2013/02/17(日) 16:45:09.24 ID:EvX0R0AP0
P「コーヒーカップ……」

雪美「……ぐるぐる………たのしい……」

蘭子「ふ、ははは……」

P「蘭子、大丈夫か?」

のあ「………」

蘭子「……すまぬぅ……」

P「……瞳の持ち主でも目が回るんだなぁ」

雪美「……へーき………」

P「雪美はすごいんだなぁ」

雪美「………ぶい」

91: 2013/02/17(日) 16:52:33.30 ID:EvX0R0AP0
P(蘭子も、雪美も……こっちが勝手に怖がってただけで……いい子だったな)

P(……だけど……)

のあ「…………」

P(高峯さんだけは読めない……気を使ってくれているのはわかるけど、距離が近いようで遠い……)


雪美「………観覧車……」

蘭子「遊覧たる回転塔……フハハ、よかろう! 往くぞ!」

P「あ……2人とも、ちょっといいかな」

雪美「………なに……?」

蘭子「フッ、如何なる出来事も我が前には些事に等しい!」

P「……実は……」

93: 2013/02/17(日) 17:01:40.45 ID:EvX0R0AP0
のあ「………観覧車ね。回る世界は……まるで縮図のよう。堂々巡り……」

雪美「………」

蘭子「………」

P「さ、乗りましょうか」

のあ「えぇ、じゃあ私は……」

P「……」

   ガチャンッ

のあ「………? あなた、何をしているの……あの子たちは」

P「1週目は2人ずつに分かれよう、って相談をしたんです」

のあ「………どういう意味かしら」

P「高峯さんと、話がしたくて。こうしないと逃げられてしまいそうだったから」

95: 2013/02/17(日) 17:18:15.80 ID:EvX0R0AP0
のあ「………そう」

P「高峯さん。今日はいろいろと助かりました」

のあ「私は何もしていないわ。ただの偶然……いえ、あなたのための必然よ」

P「いいえ。助けてくれてたことぐらいわかりますよ……神崎さんのフォローについても」

のあ「あの子は……まるで月ね。見せているのは常に同じ面………本質は裏にあるのに」

P「話してみると、結構ふつうな女の子で驚きました」

のあ「………そう」

P「まぁ、その……何を話しているかはだいたいしかわかりませんけど」

のあ「人と人が本当に分かり合う……たやすくはないでしょうね。あなたも、私を知らない」

P「でも、知りたいです。助けてくれた……のあさんのこと」

のあ「………」

98: 2013/02/17(日) 17:28:10.78 ID:EvX0R0AP0
のあ「……自分を語る術なんて知らないわ」

P「……それでも知りたいです」

のあ「そう……私すら知らない私を、あなたが見つけるというの?」

P「……はい。見つけます。のあさんは、素敵な人だと思うから」

のあ「面白いわ………ふふっ、ならば証明しなさい。私たちの隣に立つにふさわしいのは自分だと」

P「はいっ。これからはもっと、3人それぞれに合った仕事をとってきて見せます」

のあ「そう………なら、待つわ。あなたが照らすその面が美しいと信じて、ね」

P「どんな仕事だってのあさんなら、こなしちゃいそうですけれど……」

のあ「……起こりうることしか、起こらないわ。私ができるのは、私にできることだけよ」

P「……?」

のあ「フッ……いいわ。あなたはそんなところも含めてあなたなんでしょう」

99: 2013/02/17(日) 17:35:05.56 ID:EvX0R0AP0
P「……」

のあ「……悪くない気分ね。空へ近づくというのは………星に手が届くよう」

P「観覧車は、真上が見えませんけどね……」

のあ「見えるもの……そうね。見えるものだけが真実とは限らないかもしれない」

P「え?」

のあ「…………」

P「あ、あの……近い……」

のあ「……がおっ」

P「わぁっ!?」

のあ「冗談よ………こういう趣向もありでしょう?」

P(……キ、キスされるかと思った)

のあ「……そういう方がお好み?」

P「え?」

101: 2013/02/17(日) 17:38:42.48 ID:EvX0R0AP0
   ゴウン  ゴウン  ゴウン……

P「あ、もう下につきますよ」

のあ「……」

P「のあさん……?」

のあ「……あなたから、名前を呼んだ……そのご褒美よ」

   チュッ

P「は?」

のあ「……耳。意味は調べなさい」

P「……え、いや、えっと……」

のあ「……次は4人ね。それもまた、悪くない……」

P「の、のあさんちょっと!?」

109: 2013/02/17(日) 17:46:26.67 ID:EvX0R0AP0
P(結局、そのあとはのあさんが目を合わせてくれなくなって……)

P(……遊園地、楽しかったな。久しぶりだったけど……3人とも、仲良くなれたし……)


雪美「………」

P「あ、どうしたの?」

雪美「…………ずるい……」

P「え?」

蘭子「わ、我が瞳を誤魔化すことはできぬ!」

P「な、なんのこと……?」

雪美「……ちゅー……」

P「な……い、いやあれは……」

のあ「…………」

P「の、のあさん!」

のあ「………導くのなら、すべての上に立つ器も必要ね」

P「は、はいっ?」

蘭子「おのれ……! 時の流れがこうも残酷とはな……!」

110: 2013/02/17(日) 17:53:25.55 ID:EvX0R0AP0
P「ら、蘭子……?」

蘭子「我が仮のヨリシロがこのような呪縛になろうとは……ぐぅぅ……」

雪美「………ちゅー」

  チュッ

P「ちょ、ちょっと雪美! やめなさい!」

雪美「………ぶい」

P「ぶいじゃなくて……」

蘭子「……むぅ……」

P「のあさんも何か言ってください、ね?」

のあ「………あなたにはあるかしら……? 清濁併せのむだけの、器が」

P「うつわって……」

のあ「ふふっ、今日は帰りましょう」

蘭子「………いいもんっ」

のあ「……瞳を名乗るなら、もっと思慮深くなるべきね」

蘭子「……あぅぅ」

123: 2013/02/17(日) 18:00:52.73 ID:EvX0R0AP0
P(拝啓、父上様。私は元気です)

P(担当アイドルが怖いと相談をしましたね。今ではすっかり仲良くなりました)

P(彼女たちに合う仕事を、話し合って決めて。プロデュース業はとても楽しいです。ですが――)





蘭子「フハハハ! さぁ、今こそ契約の時!」

P「け、契約ってどうやるのかな?」

蘭子「……せ、接触により互いのアルマの波動を同調させ……」

P「同調って……手を握るとかでいいのかな」

蘭子「……えへへ」

P「あ、あはは……」

125: 2013/02/17(日) 18:02:58.99 ID:EvX0R0AP0

P「………えっと、雪美?」

雪美「………?」

P「なんで、膝の上に座るのかな……?」

雪美「………気持ちいい……から……?」

P「そっかぁ……うん、もう少しあとでやってあげるから……」

雪美「…………座るの、気持ちいい………あなたも……する……?」

P「え?」

雪美「………かむひあー……」ポンポン

P「……」

129: 2013/02/17(日) 18:09:55.19 ID:EvX0R0AP0

P「……その、のあさん。確かに仕事は持ってきましたけれど、私服にすることは……」

のあ「……………にゃん」

P「にゃ、にゃん?」

のあ「……服は外観を印象付け………私を社会の一部として位置づける」

P「は、はぁ……」

のあ「つまり、望む姿になれば望む心へと周りが変えるものよ」

P「そ、そうなんですか……」

のあ「………感じなさい。私の熱を」

P「ちょっ、だから近いですってば!」



P(拝啓、母上様)

P(アイドルたちは可愛いですが、可愛いが故につらいです)

P(……耐えられる子に産んでくださってありがとうございます。それでも――)

P(担当アイドルたちのアピールが怖いです)

132: 2013/02/17(日) 18:12:35.91 ID:EvX0R0AP0
おわり

のあさん結構デレデレで可愛い人
そしてそんなのあさんがリミテッドガチャで入手可能です!
今なら10回に限定アイドル確定チケット1回、スタミナドリンク13個付きで3000モバコイン!

保守支援ありがとうございました

145: 2013/02/17(日) 18:21:57.44 ID:lvys/Duf0
乙ー

引用元: モバP「担当アイドルが怖いです」