1: 2016/01/26(火) 11:04:38.464 ID:h6H+04OjK.net
俺(…京の都も久しいものだ)

俺(眼前に咲き誇らん桜の美しさたるや)

???「だ…誰かぁ助けてー」

俺「ふむ…空耳か」

???「いやあああー」

俺「真のことであったか…」
江戸前エルフ(1) (少年マガジンエッジコミックス)
5: 2016/01/26(火) 11:08:20.062 ID:h6H+04OjK.net
盗賊A「ぐへへ…女だぜ」

盗賊B「へっへっへっへっいい生足だぜ人魚みてえだ」

女「どうか御慈悲を…お願いしますお願いしま」

俺「お主ら何をしておる」ザッ

盗賊A「なんだあてめえは…」

盗賊B「小僧はすっこんでな」

俺「ふう…やれやれ」

6: 2016/01/26(火) 11:12:38.123 ID:h6H+04OjK.net
盗賊A「なんだぁ小僧俺達とやろうってのかい」

俺「その通りだ…刀は抜いたぞ覚悟するのだ」チャキ

盗賊B「へへっ兄貴下がっててくだせえ俺がやりますぜ」ブルン

盗賊A「しっかりなぶり頃すのだぞ」

俺「舐められたものだ…」

盗賊は右手に携えた鎖鎌を力いっぱい投げつけた

鎌の刃は若者の端正な顔に今にも当たらんとしている

グイグイ…グイグイと刃が迫る…

7: 2016/01/26(火) 11:17:15.561 ID:h6H+04OjK.net
チュイイイン…

盗賊達は唖然とした…

投げられた鎌はその柄ごと真二つに切り裂かれたのだ…

俺「柳生新陰流・断破」

盗賊B「今の妙技…貴様何奴だ!!」

俺「ただの旅人ですぜ…さあ覚悟しなされお兄さん方や」

盗賊A「くっ二人がかりで一気に襲うぞ」

盗賊B「へえ!」

8: 2016/01/26(火) 11:24:21.664 ID:h6H+04OjK.net
盗賊達は前後で取り囲みジリジリと迫る

若者が刀を地に向け逆さにしたと同時に盗賊達は同時に襲いかかった

盗賊AB「必殺・鎖鎌乱舞」

若者の周囲を空中交差する鎖がぐるぐると回り逃げ場を塞いで
同時に二つの刃をその中心部へと滑らせていく

俺「ふっ甘いよの…」

俺「柳生新陰流・荒風」

若者は風のごとく回り流れ踊り刀で鎖を緩め
迫り来る刃を弾き流した…

9: 2016/01/26(火) 11:27:28.688 ID:h6H+04OjK.net
俺「お兄さん方やまだやるかね…」

盗賊AB「くそっ覚えてやがれ」

苦虫を潰したような顔で盗賊達は足早にその場を去っていった

俺「お嬢さん大丈夫かい」

女「は…はい!ありがとうございました///」

俺「そりゃよかった…そんじゃ俺もそろそろ行くぜい」

女「待って…待っておくんなんし!」

俺「なんだい」

10: 2016/01/26(火) 11:31:42.143 ID:h6H+04OjK.net
まち「あたしは俵屋のまちと申します」

俺「へえ俵屋のお嬢さんかい」

まち「実は将軍様の貢ぎものの途中でして一つお願いが」

俺「乗り掛かった船だい言ってみい」

まち「京の城まで…その用心棒をお願いしたいのですが」

俺「…しゃーねえ女に野道を一人で歩かせるわけにはいかねえ」

俺「いいせこの俺が引き受けた安心して任せな」

まち「ありがとうございます///」ウルウル

11: 2016/01/26(火) 11:36:15.049 ID:h6H+04OjK.net
・京へと続く道

俺「安心しなせえ京は目と鼻の先だぜ」

まち「はい…あのもっと寄って歩いても構いませんか」ドキドキ

俺「好きにしなまあ草木の周りにも目光らせてねえとな」

まち「では…失礼します///」ピトッ

俺「おやおやまちの嬢寄りすぎですぜえ」

まち「このくらいでいいのです」ムネグイー

俺「はっはっはっ」

その辺の足軽「チッいちゃつきやがってなんでえアイツラ」

12: 2016/01/26(火) 11:40:30.896 ID:h6H+04OjK.net
・京の城下町

俺「まちの嬢着きやしたぜ」

まち「はい…出来ればお城まで付いて来て欲しいのですが」

俺「…しゃーねえいいぜ」

まち「我が儘ばかりでご免なさい嫌いにならないでね///」

俺「へっ気にすんなあ」

俺「しかし浮浪者の俺が城に入れんのかい」

まち「親戚と偽れば分かりませんよ」フフッ

俺「まちの嬢アンタ以外に強かだねえ…」ククク

13: 2016/01/26(火) 11:44:45.568 ID:h6H+04OjK.net
・城の門

門番「止まれ!お主ら何奴よ」

まち「まちと申します上納品の米を持って参りました」

門番「隣の男は何者だぁ」

俺「従兄の俺と申しますまちの付き人でせえ」

門番「よし!ならば入れ」

まち俺「「へへえ」」ペコリ

まち(ね…上手く行きましたでしょ)ヒソヒソ

俺(まちの嬢の人徳にあやかっただけですぜえ)ヒソヒソ

14: 2016/01/26(火) 11:49:00.155 ID:h6H+04OjK.net
大奥の女「米の貢ぎものかい」

まち「はいそうですが」

大奥の女「将軍様が呼んでるよ早く行きな」

まち「ええっ将軍様が直々にですってえ」

大奥の女「」スタスタ

俺「行ってしまったな…」

まち「あの…俺さん…」

俺「呼んでるってんだから行かねえと失礼ですぜ」

まち「はい…でも…」

俺「なあに俺がついてるから安心しな」

まち「はい!」パアァ

15: 2016/01/26(火) 11:52:34.740 ID:h6H+04OjK.net
大奥の女B「クスクス見てたわAアンタまたやったのね」

大奥の女A「騙されるほうが悪いのよ」シロヌリパフパフ

大奥の女C「どうなるのかしらねえ打ち首かしらあん」プクク

大奥の女A「まさかせいぜい島流しってとこね」アハハ

大奥の女B「アンタたち悪女ねえ」

大奥の女ABC「「「アッーハッハッハッハッ」」」

16: 2016/01/26(火) 11:57:43.793 ID:h6H+04OjK.net
・将軍の部屋の前

秘書「貴様ら何奴よ下がれ下がらんかあ」

まち「えっあの米の貢ぎものを…」

秘書「貢ぎものでなぜ将軍様の部屋に入る必要があるのだ」

まち「えっ…あっすみません」

俺「どうやら一杯食わされたねえ」

???「一体何じゃ騒々しい」

秘書「はっすみませんすぐに済ませますので…」

???「部屋に入れんか余も退屈しておった所じゃ」

秘書「えっいやしかし…」

???「はよせんか」

秘書「ははぁ…お前ら!早く入れ」

17: 2016/01/26(火) 12:03:37.386 ID:h6H+04OjK.net
部屋に入ると部屋の奥に金の衣を纏う屈強な男が座していた

俺まち「「お初にお目にかかります将軍様」」

将軍「ふむ…お主らは米を貢ぎに来たようじゃの」

俺「はっ」

将軍「にしては……俺と言ったか中々いい刀を持っておるな」

俺「はっ父より譲り受けた護身刀でございます」

将軍「部屋に入る時の足さばきやまるで武士のようじゃったの」

俺「はっ剣道を少々かじっておるのでおそらくはその賜物かと」

将軍「農工の者が剣道とな…フフフ風変わりな趣味じゃの」

秘書「貴様…!」

俺「ははあ…」アセダラー

18: 2016/01/26(火) 12:08:12.514 ID:h6H+04OjK.net
将軍「暇じゃのお…うんお主この場限りの我の友となれ」

俺「えっ…はあ」

将軍「では将軍様ではなく名前で呼べ正日とな」

俺「あっはいでは正日様」

将軍「馬鹿者!友に様を付ける者がいるか」

俺「はいでは正日」

言い終えた直後、虎の咆哮にも似た怒声が城に響きわたった

将軍「この無礼者がああああああああああああああああああああああああ」

秘書「貴様ら…やはり!」

まち「あわわわわ…」

19: 2016/01/26(火) 12:14:06.036 ID:h6H+04OjK.net
将軍「出会え出会ええ」

将軍様の拍手と共に屈強な侍達が男女を取り囲んだ

俺「なんの余興ですかいこれは」ギロッ

将軍「貴様が正体を明かせばその娘は見逃してやる!」

俺「…」

まち「俺さん…あたしに構わず逃げておくんなんせえ…」

俺「俺は暗殺者だアンタの首を取りに来た」

将軍「ほう…」

俺「さあ煮るなり焼くなり好きにしろただしまちには手を出すなよ」

将軍「……」

俺「なんだってんでえ……」

将軍「ククク」

俺「…?」

将軍「アッーハッハッハッハッ」

20: 2016/01/26(火) 12:17:41.568 ID:h6H+04OjK.net
将軍「愉快じゃ!この愉快な者達に酒を持ってまいれー!」

周りにいた男「はっ」

秘書「えっ」

ザッザッザッザッザッザッ

瞬く間にご馳走と溢れんばかりの酒が用意されていった

俺「なんでえこれは…」

将軍「酒を飲むぞ宴じゃ客人達よ!」

俺「へえ」

ごくごくぷはっ

俺将軍「「うめえ」」

21: 2016/01/26(火) 12:22:29.001 ID:h6H+04OjK.net
それからまるで旧知の仲のように飲みまくった…

将軍「での一つ相談があるのじゃがの」

俺「なんでえ正日言ってみろ」

将軍「近々東京の軍団がこの京に攻めいって来るらしいのじゃ

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン

秘書「言ったい何事だあ」

侍「そ…それが東京軍団が城に攻めいってきて」

将軍「ナニィ早すぎる!ともかく早く行かねば」

俺「待ってくだせえ将軍…ここは俺に任せてくだせえ」

将軍「……やってみろ」

俺「はっ」

22: 2016/01/26(火) 12:27:26.080 ID:h6H+04OjK.net
城の外に出ると鉄の化け物が京の街を蹂躙していた…

東京兵士「ヒァアア京都は俺たちのもんだぜえ」

俺「やらせるか…」ズバッ

若者は鉄の化け物の胴体をバッサバッサと斬り倒していった

秘書「あのものやりよる!」

将軍「たかが斬鉄じゃ騒ぐな」ゴゴゴ

俺「まだ残ってるやつはいないかい」

若者は目にも止まらぬ速さで鉄の化け物を斬り倒していく

もはや全て駆逐したと思われた時巨大な竜が空にあらわれた…

23: 2016/01/26(火) 12:31:19.712 ID:h6H+04OjK.net
将軍「な…何じゃあれは」

空をうねる竜に街の人々の顔も強張っていった

東京リーダー「そこの貴様」

俺「なんだ」

空と地で猛者達が会話した

東京リーダー「…京は俺のものだそれから兄さん久しゅうございます」

将軍「貴様…?!弟なのか…!!」

東京リーダー「俺を迫害した京を消し去り新たな京を作るのさ」

俺「やらせんよ」

東京リーダー「なに…?」

24: 2016/01/26(火) 12:35:15.008 ID:h6H+04OjK.net
若者は怒りのあまり空中に浮いた…

俺「私怨で国を潰すなぞ論外よ」ギュインギュインギュイン

東京リーダー「貴様…!ならば受けてみよ!」

機械ドラゴンの口にエネルギーが溜まっていく…

東京リーダー「ゆけ!ドラゴンブレス!」

俺「はああああああああああ」

空中で地震が起きるほどの気合いが溜まっていく

将軍「行けええ俺ええええええええ」

俺「柳生新陰流奥義・ドラゴンキラー!!」

25: 2016/01/26(火) 12:38:23.706 ID:h6H+04OjK.net
凄まじいエネルギーの空中で衝突が起きた…

ズバアアアアアアアアアアアアアアア!

機械ドラゴンは無様に東京リーダーごと切り裂かれた…

ガシァアン

地面に主ごと落ちていった…

氏にかけの男が男に近づいていく…

将軍「馬鹿者…」ウルウル

東京リーダー「兄者…許してくれ…」バタッ

将軍「弟おおおおおおおおおおおおおおお」

26: 2016/01/26(火) 12:40:16.950 ID:h6H+04OjK.net
・1年後

将軍「もう行くのか…」

俺「ああ…」

将軍「そうか…達者でな」

俺「正日もな…」

桜吹雪に包まれながら英雄は去っていった

THE END

27: 2016/01/26(火) 12:42:37.626 ID:h6H+04OjK.net
SS書き始めてもう5年になりますがこんなに燃えたのは始めてかもです
支援してくれた方には感謝しかありません
近日中にまた書きたいのでその時は宜しくお願いします
また会いましょう!

引用元: 将軍「そちは何奴よ」俺「ただの旅人ですよ」フフッ