380: 2018/09/16(日) 21:49:17 ID:2Ty7cCYw

381: 2018/09/16(日) 21:52:35 ID:2Ty7cCYw
未央「プロデューサー、何言ってんの!?」

武内P「えっ!?」

卯月「どうして!? なんで、自信満々だったんですか!?」

武内P「いえ、しかし!」

凛「ねえ、ふざけてるわけ!?」


武内P「スタドリ一本では、効果がなかった場合……ですよね!?」

武内P「ならば……もう一本が、正解では!?」


未央・卯月・凛「~~っ! 違う!!」

382: 2018/09/16(日) 21:55:35 ID:2Ty7cCYw
未央「眠くて、しょうがない時だよ!?」

武内P「っ、はい……!」

卯月「もう、体力の限界って感じなんですよ!?」

武内P「っ、ええ……!」

凛「だったら、する事は一つでしょ!?」


武内P「――っ!」

武内P「スタドリ……二本ですか!?」


未央・卯月・凛「~~っ! そうじゃなくて!!」

383: 2018/09/16(日) 21:59:10 ID:2Ty7cCYw
未央「スタドリから! まず、スタドリから離れて!」

武内P「スタドリから……離れる……!?」

卯月「はい! そこで、物凄い眠気が襲ってきました!」

武内P「そんな……!?」

凛「そうしたら、プロデューサーはどうするの!?」


武内P「――っ!」

武内P「眠気と戦いながら……スタドリを目指します!」


未央・卯月・凛「~~っ! だーかーらー!!」

384: 2018/09/16(日) 22:01:55 ID:2Ty7cCYw
未央「ピッピー! はい、スタドリ禁止タイム!」

武内P「っ!? 待ってください!」

卯月「待ちません! スタドリ禁止です!」

武内P「あのっ! それは、あまりにも!」

凛「そうしたら、さすがにする事はわかるでしょ!?」


武内P「っ……!」

武内P「タイム終了まで……頑張ります!」


未央・卯月・凛「~~っ! 耐えるんじゃなくて!!」

385: 2018/09/16(日) 22:06:07 ID:2Ty7cCYw
未央「じゃあ、一週間スタドリ禁止!」

武内P「えっ!? ま、待ってください!」

卯月「頑張らないでください! お願いします!」

武内P「えっ!? あの、何故ですか!?」

凛「一週間スタドリが飲めないんだよ! どうするの!?」


武内P「お……大きな声では、言えませんが……」

武内P「裏ルートから……入手します」


未央・卯月・凛「~~っ! ああ、もうっ!!」

386: 2018/09/16(日) 22:10:04 ID:2Ty7cCYw
未央「プロデューサー、昨日はちゃんと寝た!?」

武内P「……………………はい」

卯月「その間、思いっきり嘘じゃないですかぁ!」

武内P「いえ、ですが! 大丈夫です!」

凛「どこが!? ねえ、どうして大丈夫なんて言えるの!?」


武内P「スタドリが! スタドリがあれば!」

武内P「見てください! 四日寝ていなくても、この通りです!」


未央・卯月・凛「……」

未央・卯月・凛「四日!!?」

387: 2018/09/16(日) 22:14:13 ID:2Ty7cCYw
未央「四日寝てないの!? えっ、マジ!? 四日!?」

武内P「……………………はい」

卯月「プロデューサーさん!? 本当に、四日ですか!?」

武内P「笑顔です。皆さんの笑顔が、私の活力です」

凛「答えになってない! ねえ、本当は!?」


武内P「……いつか、です」


未央・卯月・凛「五日!!?」

未央・卯月・凛「……」

未央・卯月・凛「違う!! いつか、覚えてないやつ!!」

388: 2018/09/16(日) 22:20:19 ID:2Ty7cCYw
未央「寝てよ! ねえ、ちゃんと寝てよ! お願いだから!」

武内P「しかし、仕事が!」

卯月「そこまで睡眠時間を削らないと駄目なんですか!?」

武内P「大丈夫です! しかし、スタドリがあれば寝なくとも!」

凛「大丈夫なら寝てよ! このままじゃ、どうにかなっちゃう!」


武内P「いえ、問題ありま……うぐっ!?」ビクッ!


未央・卯月・凛「!?」


武内P「あ、うぁ……ね、眠気が……!」ガクガクッ!


未央・卯月・凛「!!!」

389: 2018/09/16(日) 22:24:50 ID:2Ty7cCYw
武内P「す、スタドリ……早く、スタドリを……!」ガクガクッ!


未央「! しまむー、しぶりん! スタドリを!」

卯月「! はいっ!」

凛「うん、わかった!」


武内P「みっ、皆さん!? な、何を……ぉお……眠い……!」ガクガクッ!


未央「全部! 全部持って、遠ざけて! 早く!」

卯月「! 凛ちゃん、引き出しの中をお願いします!」

凛「今確認してる! っ! ギッシリ……引き出しごと持っていく!」


武内P「か……返し、うぅんむ……!」ガクガクッ!

武内P「あぅあ……ね、眠……!」ガクガクガクガクッ!


未央・卯月・凛「……!」

390: 2018/09/16(日) 22:30:00 ID:2Ty7cCYw
武内P「あぅ……ぁ……んむ……」ガクガクガクガクッ!


未央「早く……! 早く、眠って……!」

卯月「お願いです……お願いします……!」

凛「誰も責めないから……! 寝て良いから……!」


武内P「ぅ……ぁ……」ガクガクガクガクッ!

ゴソ…ゴソッ


未央・卯月・凛「? 胸のポケットを漁って……?」


武内P「――んっ」ガクガクガクガクッ!

―ごくんっ!


未央・卯月・凛「何か……飲んだ?」

391: 2018/09/16(日) 22:33:33 ID:2Ty7cCYw
武内P「ぁ……ぅぁ……」ガクガクガクガクッ!

武内P「ぉ……ぉぁ……」ガクガクガクッ!

武内P「ぁ……ぁ……」ガクガクッ!

武内P「ん……っく」…プルプルッ

武内P「……ふぅ」…ピタッ


武内P「……皆さん」

武内P「スタドリを返して頂けますか?」


未央・卯月・凛「待って!! 待って待って待って!!!」

392: 2018/09/16(日) 22:39:33 ID:2Ty7cCYw
未央「ねえ、何を飲んだの!?」

武内P「スタドリ、ですね」

卯月「でっ、でも! そんな風には見せませんでした!」

武内P「そう、ですね。皆さんの前では、初めてですね」

凛「はあっ!? 納得のいく説明を聞かせて!」


武内P「私が服用したのは、錠剤タイプのスタドリです」


未央・卯月・凛「錠剤タイプ!?」


武内P「液体タイプに比べると……はい」

武内P「やや、効き目が遅いのが難点ですね」


未央・卯月・凛「だから!!?」

393: 2018/09/16(日) 22:46:28 ID:2Ty7cCYw
武内P「はい、なので――」

武内P「――やはり、普段のスタドリが一番です」

未央「そういう事じゃなくて!」

武内P「えっ?」

卯月「無理に起き続けないでください!」

武内P「あ、いえ……しかし」

凛「何!? 何か、眠れない理由でもあるの!?」


武内P「……」

武内P「寝たら……起きられるか、不安で」


未央・卯月・凛「そんなのっ!」

未央・卯月・凛「……」

未央・卯月・凛「……ああ」

394: 2018/09/16(日) 22:54:44 ID:2Ty7cCYw
未央「起きられは……するんじゃない?」

武内P「だとしても、反動で……いつ、起きられるか」

卯月「そっ、そんな……反動を気にするほどですか!?」

武内P「……申し訳、ありません」

凛「あのさ……もう、病院に行った方が良いと思う」

武内P「実は……もう、既に」


未央・卯月・凛「えっ?」


武内P「……抜け出して、此処に居ます」


未央・卯月・凛「……!?」

395: 2018/09/16(日) 23:01:16 ID:2Ty7cCYw
未央「嘘でしょ!? 脱走してきてるの!?」

武内P「……この写真を見てください」

卯月「写真!? えっ、と……これは、私達の初LIVEの時の」

武内P「貴女達を見ているお客さんは、良い笑顔をしています」

凛「……うん、そうだね――って、だから何!?」


武内P「笑顔の力――パワーオブスマイル」

武内P「……」ボソボソッ

武内P「……の力――スタミナドリンク」


未央・卯月・凛「何て!?」


武内P「その二つがアレば、私は大丈夫です」


未央・卯月・凛「……!?」

396: 2018/09/16(日) 23:07:14 ID:2Ty7cCYw
武内P「皆さんのお心遣い、とても嬉しく思います」

武内P「ですが、これは――」

…ドサッ!


未央「っ!? ちょっと、プロデューサー!?」

卯月「椅子から倒れ……だっ、大丈夫ですか!?」

凛「ねえ、しっかりして! プロデューサー!」


武内P「――必要な事です」

武内P「本来ならば、休息を入れるべきなのでしょうが……」

武内P「……輝く皆さんから、目を離す事が出来ませんので」


未央「思いっきり天井しか見えてないって――っ!」

卯月「倒れてる事にすら気付いてないじゃないですか――っ!」

凛「プロデューサー! プロデューサ――っ!!」

397: 2018/09/16(日) 23:17:31 ID:2Ty7cCYw
武内P「ほ……本田さん……?」

未央「プロデューサー! しっかり!」


武内P「し……島村さん……?」

卯月「はいっ! 島村卯月、ここに居ます!」


武内P「シブヤサーン」

凛「うん!……うん!?」


武内P「申し訳……ありません」

武内P「このまま、少しだけ……横に……」

武内P「今なら……不思議と、眠れそうなのです……」


未央・卯月「っ! はいっ!」


凛「いや、ちょっと待って」

凛「ねえ、なんで私だけちょっと外人風に呼んだの!?」

398: 2018/09/16(日) 23:23:34 ID:2Ty7cCYw
未央「シッ! 静かに、しぶりん!」ボソボソ!

凛「いや、だけど……!?」ボソボソ!

卯月「きっと、寝ぼけてただけですよ!」ボソボソ!

凛「寝ぼけたらあんな呼び方になるの!?」ボソボソ!


武内P「三十分……三十分、した……ら……」

武内P「起こして……頂け……る、と……」


未央「――任せて、プロデューサー」ニコッ!

卯月「――島村卯月、頑張って起こします」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「……zzz」


凛「……起きたら、話を聞かせて貰うから」ボソッ

399: 2018/09/16(日) 23:28:02 ID:2Ty7cCYw
  ・  ・  ・

ガチャッ!


ちひろ「おはようござ――」


未央・卯月・凛「ちひろさんっ!!」


ちひろ「ふえっ!? どっ、どうしたの!?」


未央「プロデューサーが……! プロデューサーが!」

卯月「スタドリを飲ませても、反応がないんです!」


武内P「」


凛「起きて! 起きてよ! 起きてったら、プロデューサー!!」


ちひろ「……!」

401: 2018/09/16(日) 23:38:18 ID:2Ty7cCYw
  ・  ・  ・

武内P「……氏ぬかと思いました」

ちひろ「お願いします、プロデューサーさん」

ちひろ「個人の……いえ、人間の出来る範疇で頑張ってください」

武内P「……申し訳、ありません」


武内P「しかし……起こすために、スタドリを飲ませようとするとは」

武内P「……思ってもみませんでした」


ちひろ「ただ、思いっきりグッスリ寝てただけ……ですもんね」

402: 2018/09/16(日) 23:43:26 ID:2Ty7cCYw
ちひろ「でも、もうこれで懲りましたよね?」

武内P「……そう、ですね」

ちひろ「わかったら、今日はもう帰って寝てください!」

武内P「あっ、いえ、ですが……!」


ちひろ「罰として、今日のログインボーナスは無し!」

ちひろ「……と言うか、そもそもですよ?」

ちひろ「今日は……出勤じゃ、ないですよね?」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「しかし……これは――」


武内P「一本、取られてしまいましたね」



おわり

403: 2018/09/16(日) 23:50:18 ID:T3tdVGsQ


ち、ちがう。スタドリはただのビタミン剤じゃ