480: 2018/09/19(水) 21:58:39 ID:Ml8WrZfE

481: 2018/09/19(水) 22:00:57 ID:Ml8WrZfE
専務「そうだ」

専務「クローネは、私が直々に集めたお姫様達」

専務「彼女達とのコミュニケーションは必要だろう」

武内P「……確かに、その通りですね」


専務「だが……どうも上手くいかない」ションボリ


武内P「……」

482: 2018/09/19(水) 22:04:14 ID:Ml8WrZfE
専務「クローネでも、比較的話しやすいと思われる――」

専務「――神谷奈緒」

専務「まずは、彼女とコミュニケーションを取ろうと思っているのだが」

武内P「……なるほど」


武内P「では、失礼します」


専務「待ちなさい。まだ、話は終わっていない」


武内P「……」

483: 2018/09/19(水) 22:08:11 ID:Ml8WrZfE
  ・  ・  ・

武内P「――と、言うわけです」

加蓮「やめて」

武内P「えっ?」

加蓮「あの人に、協力しないで」

武内P「……申し訳、ありません」


武内P「協力しなければ、社長に言いつける、と」

武内P「……そう、言われてしまいまして」


加蓮「……」

484: 2018/09/19(水) 22:11:15 ID:Ml8WrZfE
武内P「北条さんは……専務が、苦手なのですか?」

加蓮「まあ……普段は、そこまでじゃないけど」

武内P「では、どうして……?」

加蓮「……」


加蓮「距離の詰め方が……アメリカンすぎて」


武内P「……」

武内P「えっ?」

485: 2018/09/19(水) 22:14:54 ID:Ml8WrZfE
武内P「すみません……意味が、よく」

加蓮「ほら、専務って……アメリカに研修に行ってたんでしょ?」

武内P「ええ、その通りです」

加蓮「そのせいか、グイグイきすぎって言うか……」


加蓮「とにかく、ホントにアメリカンなの」


武内P「それは……どの様な、感じなのでしょうか?」

加蓮「……それは――」

ほわほわ~ん

486: 2018/09/19(水) 22:19:04 ID:Ml8WrZfE
専務『……』


加蓮『……あっ』

加蓮(専務だ……挨拶、しなきゃだよね)

加蓮『――おはようございます』


専務『……ん』

専務『……』


専務『ハーイ、加蓮! 調子はどう?』


加蓮『!?』

487: 2018/09/19(水) 22:22:01 ID:Ml8WrZfE
武内P「――待ってください!」

武内P「あの……それは、本当ですか!?」

加蓮「この目が、嘘を言ってる目に見える?」

武内P「……いえ、見えません」

加蓮「話、続けて良い?」


加蓮「……まだまだ、これからだから」


武内P「……」

加蓮「……それから――」

489: 2018/09/19(水) 22:27:35 ID:Ml8WrZfE
加蓮『は、はい……体調は、良いです』

専務『オーケー、それを聞いて安心したわ!』

加蓮『せ、専務は……凄く、元気そうですね』

専務『ふふっ! そう見える?』

加蓮『その……はい』


専務『なら、それはキミのおかげだ』

専務『だって、具合が良い話を聞かせてくれたからね!』

専務『HAHAHAHAHA!』


加蓮『……』

加蓮『……はい』

490: 2018/09/19(水) 22:30:42 ID:Ml8WrZfE
武内P「――待ってください!」

武内P「少し下品なアメリカンジョークも言うのですか!?」

加蓮「えっ? 下品って……どこが?」

武内P「何でもありません」

加蓮「まあ……最近は、こんな感じでさ」


加蓮「強火過ぎて……ホントしんどいの」


武内P「……」

武内P「状況は……理解しました」

491: 2018/09/19(水) 22:37:04 ID:Ml8WrZfE
加蓮「最近は、メンバー全員に対してこんな感じで」

武内P「他の方にも……!?」

加蓮「むしろ、私だけの方が嫌」

武内P「しかし……何人かは、対応が出来そうな方も」

加蓮「と、思うでしょ?」


加蓮「仕事の時は、普通に真面目モードなんだよね」

加蓮「その真面目モードと、アメリカンモードの緩急が凄すぎて……」


武内P「……」

武内P「それは……困りますね」

492: 2018/09/19(水) 22:41:18 ID:Ml8WrZfE
加蓮「今でさえ、こんな感じなんだよ?」

加蓮「それなのに……ねえ?」

武内P「ええ……そうですね」

武内P「今よりも、もっとアメリカン――フランクになる可能性が」

加蓮「それだけなら良いんだけどさ」


加蓮「奈緒に……アメリカンがうつったら、って」

加蓮「そう考えると、もう、ホント無理」


武内P「アメリカンが……うつる?」

加蓮「……うん、例えば――」

ほわほわ~ん

493: 2018/09/19(水) 22:45:41 ID:Ml8WrZfE
奈緒『ソーリー! 待たせたな!』

加蓮『う、ううん、全然』

奈緒『今日も、帰りにどこか寄って帰るだろ?』

加蓮『あっ、うん……そのつもり』


奈緒『それじゃ、ちょっと道草食ってこうぜ!』

奈緒『食べるのはミートとパティ、バーガーだけどな!』

奈緒『おっと、ポテトはベジタブルだから、草も食べるか!』

奈緒『HAHAHAHA!』


加蓮『……』

加蓮『……うん、そうだね』

494: 2018/09/19(水) 22:51:26 ID:Ml8WrZfE
加蓮「――ワオ! ケチャップもトマトだ!」

加蓮「あたしってベジタリアン? フゥー、ヘルシー!」


武内P「北条さん! 戻ってきてください、北条さん!」


加蓮「HAHAHAHA…………あっ」


武内P「正気に……あ、いえ」

武内P「……ん、んん」

武内P「お、落ち着かれましたか?」


加蓮「……うん、ごめんね」


武内P「……」

495: 2018/09/19(水) 22:59:53 ID:Ml8WrZfE
加蓮「何ていうか……考えるだけで、しんどいの」

武内P「いえ、しかし……」

武内P「神谷さんは、そこまで影響を受けるでしょうか?」

加蓮「そりゃあ、ここまで受けないかも知れないよ?」

武内P「……」


加蓮「でもさ、ある日突然……ネイティブな発音で」

加蓮「Hamburger」

加蓮「……なんて、言い出すかもしれないんだよ?」


武内P「それは……」

武内P「……確かに、しんどいですね」

496: 2018/09/19(水) 23:08:04 ID:Ml8WrZfE
加蓮「だから……ねっ、お願い!」

…ぎゅうっ!

武内P「っ!? ほ、北条さん!?」

加蓮「私を助けると思って!」

武内P「あ、あの、北条さん! 手を離し……っ!」


加蓮「約束してくれるまで、この手は離さない!」

加蓮「アメリカンだよ? 強火すぎるよ!」

加蓮「トライアドじゃなく、ペンタゴンプリムスになっちゃう!」

ぎゅうっ!


武内P「おっ、落ち着いてください! 北条さん!」

武内P「例えアメリカンになっても、人数までは増えませんから!」

497: 2018/09/19(水) 23:16:13 ID:Ml8WrZfE
武内P「とっ、とにかく! 手を離し――」

加蓮「っ……!」

ぎゅうっ!

武内P「……」


武内P「……北条さん、安心してください」

武内P「私から、専務にそれとなく伝えておきますので」


加蓮「えっ? ほっ、本当に!?」

ぎゅうっ!


武内P「はい。なので、手を離して頂けますか?」

武内P「その……手の中で、ですね……」

武内P「ナゲットが潰れているので……はい」

498: 2018/09/19(水) 23:20:36 ID:Ml8WrZfE
加蓮「……良かった」

ぎゅうっ!

武内P「あの、北条さん? 手を離し……」

加蓮「……ふふっ! 怖い人なのかな、なんて思ってたんだけど」

加蓮「結構、優しい所もあるんだね」

ぎゅうっ!

武内P「いえあの、ナゲッ……北条さん?」


加蓮「え、っと……また、何かあったら」

加蓮「話……聞いてもらっても、良い? 駄目?」

ぎゅっ!


武内P「北条さん? あの、私の話を聞いていますか!?」

499: 2018/09/19(水) 23:27:08 ID:Ml8WrZfE
加蓮「……あっ、もしかして照れてたりする?」

ぎゅっ!

武内P「いえ、あのですね!?」

加蓮「ね、どうなの? んっ? んっ?」ニコニコ!

ぎゅっ!

武内P「……良い、笑顔――」


「――ふーん」


武内P「――で……」


凛「楽しそうだね?」ニコッ!


武内P「……す」

武内P「……」


武内P「――待ってください! 誤解です!」

500: 2018/09/19(水) 23:34:28 ID:Ml8WrZfE
  ・  ・  ・

専務「――君は、北条加蓮とコミュニケーションを取っているそうだな?」

武内P「……」

武内P「もう……そういう事で、構いません……」

専務「しかし、そうか……君も考えたものだな」

武内P「専務?」


専務「神谷奈緒ではなく……まず、北条加蓮を……か」

専務「北条加蓮と君が仲良くなり、そこに、私と神谷奈緒を加える」

専務「君達をきっかけに、話が盛り上がり――」

専務「――ハッピーセット、という訳か」


武内P「……」

武内P「…………」


武内P「そうですね」

501: 2018/09/19(水) 23:46:33 ID:Ml8WrZfE
武内P「ですが、専務」

専務「何だ?」


武内P「急激な人間関係の変化は、軋轢を生みます」

武内P「そして、生まれた誤解を解く事は、とても困難です」

武内P「その……本当に……本当に、大変でした」


専務「だが、改革は必要だ」

専務「週末、庭でバーベキューをしようと思うが、どうだ?」


武内P「待ってください! それは、あまりに急すぎます!」


専務「それは理解している」

専務「だが、私は全てを乗り越えてみせよう」


専務「何事にも、障害はつきものだ」



おわり

502: 2018/09/20(木) 07:54:25 ID:uyN22uX6

全然理解してないw