879: 2018/10/02(火) 19:44:34 ID:TdRkbxVA

880: 2018/10/02(火) 19:50:17 ID:TdRkbxVA
美嘉「そっ★ アンタ、食には関心があるんでしょ?」

武内P「それは……はい、そうですね」

文香「協力……して、頂けませんか?」

武内P「いえ、それは構わないのですが……その前に」


志希「トリック・オア・トリート!!」

志希「あっ、引き出しの中にクッキーが~♪」


武内P「彼女を止めていただけますか?」

美嘉・文香「あ……あはははは……」

881: 2018/10/02(火) 19:55:41 ID:TdRkbxVA
  ・  ・  ・

武内P「……なるほど」

ペラッ…ペラッ…

武内P「こちらが、皆さんの考えた商品ですか……」

ペラッ…ペラッ…


美嘉「どう? ケッコーイケてると思わない?★」

文香「初めての事なので……何分、勝手がわからず……」

志希「あたしとしては、も~っと刺激的にしたいんだよね~」


武内P「……はい、把握しました」

…パタンッ

武内P「その……言いにくいのですが、非常に厳しいかと」


美嘉・文香・志希「……」

882: 2018/10/02(火) 20:02:22 ID:TdRkbxVA
武内P「まず、城ヶ崎さんの企画に関してです」

美嘉「厳しいって……言ってくれるじゃん」

武内P「商品に、特典をつけるという案は、悪くありません」

美嘉「でしょ!? チョーイイ案だと思うんだケド!」

武内P「はい、ですが――」


武内P「城ヶ崎さんの使用されているブランドの、化粧品」

武内P「こちらは、コスト面もそうですが……」

武内P「他会社との連携も必要になってきます」

武内P「また、食品につける特典としては、不適当かと」

武内P「勿論、そういった商品もありますが――」


美嘉「……あ、はい」


文香・志希「……」

883: 2018/10/02(火) 20:07:12 ID:TdRkbxVA
  ・  ・  ・

武内P「――という理由で、難しいですね」

美嘉「……うん、そだね」ションボリ

武内P「ですが、面白い試みではある、と」

武内P「……そう、思います」

美嘉「えっ?」


武内P「今回は、残念ながら活かせる企画ではありません」

武内P「ですが、雑誌とのコラボ企画としては、魅力的かと」

武内P「機会がありましたら、検討する価値は十分になる、と」

武内P「……そう、考えました」


美嘉「! うん……うん!」パーッ!


文香・志希「……」

884: 2018/10/02(火) 20:13:36 ID:TdRkbxVA
美嘉「……だってさ! 駄目だって★」ニコニコ!

文香「は……はい……」

志希「ふむふむ。適切な状況で、効果的に……って事だね」

武内P「それでは、次は――」


志希「はいはーい! 次は、あたしの企画!」

志希「キミが、どんな風に考えたかキョーミ出ちゃった!」


武内P「……はあ、わかりました」

885: 2018/10/02(火) 20:20:18 ID:TdRkbxVA
武内P「それでは、一ノ瀬さんの企画に関してです」

志希「志希ちゃんの企画にどんな難点があるのかね~?」

武内P「そうですね……この、不思議なお薬、という点です」

志希「イエースッ! それが、商品のポイント!」


志希「名付けて、クセニナール!」

志希「このお薬が入った物を口にしたら、手が止まらなっちゃう♪」

志希「例えそれがどんな物でも……求めてやまなく、ね」

志希「にゃはは! 勿論、法的な問題もクリアーしてるよ~♪」


武内P「……成る程、そうでしたか」

武内P「では、なおさら認めるわけにはいきません」


志希「……ふ~ん?」

886: 2018/10/02(火) 20:27:22 ID:TdRkbxVA
武内P「このコラボ企画は、貴女達三人と――」

武内P「――アイドルとの、コラボ企画です」

志希「うんうん、そうだね……それで?」

武内P「ですが、こういった特殊な薬品を用いるというのは――」

志希「……」


武内P「一ノ瀬さん」

武内P「貴女の、化学者としての一面」

武内P「……それだけが、前面に出過ぎている、と」

武内P「……そう、気付いているのではありませんか?」


志希「……にゃはは」

志希「正解正解、大せーかーい♪」

887: 2018/10/02(火) 20:34:12 ID:TdRkbxVA
武内P「御本人が納得されていないものは、ファンの方に提供出来ませんから」

志希「だけど、それが一番売上は取れるよ?」

武内P「売上だけに目を向けたら、確かにそうかも知れません」

武内P「ですが……その、ですね……」


武内P「商品を開発する、メーカー」

武内P「そちらに、ご迷惑をかけてしまう可能性が……はい」

武内P「非常に高いだろう、と……そう、思いましたので」


志希「……嗚呼! なんて厳しい、大人の事情!」

美嘉「いや、まあ……フツーに考えたらそうだよね」


文香「……」ドキドキ…!

888: 2018/10/02(火) 20:42:21 ID:TdRkbxVA
武内P「それでは、鷺沢さんの企画に関してですが……」

文香「は、はい……」ドキドキ…!

志希「んふふ! どんなのか、あたしも知らないんだよね~」

美嘉「アタシもアタシも。ねえ、どんな企画なの?」

文香「い、いえ……大したものでは、ありませんから……」ドキドキ…!

武内P「……」


武内P「――ローソンの入り口を抜けると図書館であった」

武内P「……と、書いてあるのですが……」

武内P「あの……これは……?」


美嘉・志希「……えっ、何?」


文香「は……はい……///」ドキドキ!

889: 2018/10/02(火) 20:48:19 ID:TdRkbxVA
文香「考えられるものは、全て企画にと言われていたので……///」

武内P「は……はあ」

文香「その……ですね……///」


文香「コンビニエンスストアに、足を踏み入れたら……ですね?」

文香「外観からは、想像も出来なかった空間が広がっていて……」

文香「戸惑っていると、眼鏡をかけた……あっ、モノクルも、良いかと」


美嘉・志希「……あ、はい」


文香「す、すみません……話が、逸れてしまいました///」

文香「……司書の方が、穏やかに話しかけてくるのです」

文香「……と、ここまでは……良い、でしょうか?」


武内P「……」

武内P「……あ、いえ! そこまでで、結構です!」

890: 2018/10/02(火) 20:55:12 ID:TdRkbxVA
文香「えっ? いえ、あの、ですが……!」

武内P「あの、鷺沢さん」

文香「普段の商品棚とは違う、木製の書架には整然と本が……!」

武内P「鷺沢さん」

文香「並んだ本のページをめくってみると、優しい光と共に……!」

武内P「鷺沢さん……!」


文香「商品の映像が浮かび上がって、ですね……!?」

文香「ふと、手をかざしてみると、それがコラボ商品だったら――」


武内P「待ってください! 待ってください、鷺沢さん!」

武内P「ローソンには! そこまでファンタジーは求められません!」


文香「っ!? そんな……!?」

891: 2018/10/02(火) 21:04:21 ID:TdRkbxVA
  ・  ・  ・

文香「……」

ペラッ…ペラッ…


志希「……ショックで、ファンタジーな世界にダイブしちゃった」

美嘉「……さりげなく、自信あったぽいしねぇ」

武内P「いえ、ですが……さすがに、無理があったので……」


文香「……」

ペラッ…ペラッ…

文香「! 図書館でなく……小さな、書店サイズなら……?」


武内P「……」

892: 2018/10/02(火) 21:12:07 ID:TdRkbxVA
  ・  ・  ・

文香「……企画を考えるというのは、難しいものなのですね」

志希「う~ん、とりあえずやってみよー!……じゃ、駄目だしねぇ」

美嘉「って言うか! アンタだったら、どんな企画にするの!?」


武内P「えっ?」


志希「あっ! それはサンコーにしたいかも! 企画サンプル~♪」

文香「はい……何か、良い考えは……ありますでしょうか?」

美嘉「アンタが考える――アタシ達らしい商品……って、どんなの?」


武内P「……」

武内P「そう、ですね……」

893: 2018/10/02(火) 21:22:39 ID:TdRkbxVA
武内P「まず――手が汚れない物、でしょうか」


美嘉「はっ? どうしてそれが、アタシ達らしさに繋がるワケ?」

志希「あたし、指についたソースとかクリーム舐めるのケッコー好きだよん♪」

美嘉「あー……なんか、そういうのアメリカっぽい」

志希「その仕草で、見ている人もミリョーしちゃ~う!」


武内P「……手が汚れない、というのは」

武内P「――鷺沢さん」

武内P「貴女ならば、その理由に心当たりがあるのでは?」


文香「……」

文香「……えっ?」

894: 2018/10/02(火) 21:32:59 ID:TdRkbxVA
文香「ええ、と……私なら、ですか?」

武内P「はい。先程のように、本を読んでいる時……」

文香「……あっ」

美嘉「えっ、何々? 全然ワカンナイんだケド?」

志希「むぅ……これは、ちょっとクツジョク! でも、それが良い!」


文香「その……本を読んでいる時に、ですね」

文香「差し入れを頂くことが、たまにあるのですが……」

文香「こう、手でつまむものだと……手を拭き直す必要が、出てきてしまいます」

文香「あっ、心遣いは嬉しいと……当然、思います」

文香「ですが……自分で買うのは、敬遠してしまいますね」


武内P「……なので」

武内P「本を読む時等の、小休止に食べるような物」

武内P「そういった物が……‘らしい’のではないかと」


美嘉・志希「おー……!」

895: 2018/10/02(火) 21:40:06 ID:TdRkbxVA
文香「章の区切りでお茶を頂く事は……はい、あります」

武内P「スプーンや、フォークを用いる物でも?」

文香「はい、問題ありません」

武内P「甘さは……あまり控える必要ななさそうですね」

文香「それでは、食べ過ぎに気をつけないといけませんね……」


文香「……ふふっ」

文香「考えているだけの段階だと言うのに……」

文香「……書の世界に入り、そして、一時の休息」

文香「……小休止が、楽しみになってしまいました」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

896: 2018/10/02(火) 21:45:19 ID:TdRkbxVA
志希「――それじゃあ、あたしは?」

武内P「一ノ瀬さん‘らしさ’……ですか」

志希「志希ちゃんと、ケミカルは密接なカンケーイ」

志希「化学的で、刺激的……表現出来るかにゃ~?」

武内P「……それに関しましては――」


武内P「――味と香り」

武内P「この二つを利用するのが適当だ、と」

武内P「……そう、判断しています」


志希「……ふ~ん?」

志希「続きをどうぞ?」

897: 2018/10/02(火) 21:55:20 ID:TdRkbxVA
武内P「今回の、ローソンコラボの衣装を拝見しました」

武内P「一ノ瀬さんは――赤を基調とした衣装」

志希「そうそう! 心臓の上のクモの巣で捕まえちゃ~う♪」

武内P「そして、鷺沢さんは――青を基調とした衣装」

文香「は、はい……その通りです」


武内P「そこから……」

武内P「――ストロベリーとブルーベリー」

武内P「この、二つのベリーを用いた商品を考えました」


志希・文香「……」


武内P「最初から、合わせているのではなく……」

武内P「食べ方によって――味も、香りも変化する」

武内P「……食の、化学変化です」


志希「……おー……!」

898: 2018/10/02(火) 22:02:43 ID:TdRkbxVA
志希「まだ、他にもありそうだけど?」

武内P「後味、ですね」


武内P「後をひかない、スッキリとした後味」

武内P「それならば、再び本を読むのに戻った時」

武内P「……そちらに、集中出来るのではないでしょうか」


文香「……!」


武内P「そして、一つ所に留まり続けない」

武内P「……貴女の失踪癖も、表現できるかと」


志希「……にゃはははは!」

志希「イイね! すっごくイイ! パーフェクト!」


武内P「……それに関しては、改善した方が良い、と」

武内P「……そう、思っていますが」

899: 2018/10/02(火) 22:07:36 ID:TdRkbxVA
武内P「これらに関しては……」

武内P「商品開発部門の方に、頑張っていただければ」

文香「実現……出来そうですね」

志希「面白そうだから、あたしもキョーリョクしちゃう!」

武内P「……」


美嘉「――ゴホンッ!」

美嘉「チョーイイ、企画だね★」ニコッ!


武内P「ありがとう、ございます」


美嘉「……で?」

美嘉「アタシの要素は?」

900: 2018/10/02(火) 22:17:28 ID:TdRkbxVA
武内P「はい。城ヶ崎さんの要素も、当然考えています」

美嘉「だよね! うん……そうだよね!★」

武内P「? 城ヶ崎さん?」

美嘉「あっ、いや……何でもない! 何でもないから!」

武内P「?……はぁ」


志希「にゃはは! 忘れられてると思って、焦っちゃったかにゃ~?」

文香「ですが、私も同じ立場だったら……そう、思うかも知れません」


美嘉「そっ、そんなんじゃないって!///」アセアセ!

美嘉「ほっ、ホラ!/// 良いから聞かせてよ!///」


武内P「商品名に『★』を入れます」


美嘉「……」

美嘉「うん?」

901: 2018/10/02(火) 22:21:31 ID:TdRkbxVA
美嘉「うん……うん?……うん、うん?」

武内P「? どうか、されましたか?」

美嘉「えっ? いや……ええっ、と……」

武内P「?」


美嘉「……それで?」

美嘉「商品の名前に、『★』を入れる……うん、オッケ」

美嘉「……それで?」


武内P「?」

武内P「以上です」


美嘉「なるほどねー★」

美嘉「……」

美嘉「何それ!? はあっ!? 雑じゃない!?」


武内P「えっ!?」

902: 2018/10/02(火) 22:31:18 ID:TdRkbxVA
武内P「まっ、待ってください!」

武内P「商品名というのは、とても重要なものです!」


美嘉「あのさ! 『★』入れただけで、‘らしく’なる!?」

美嘉「『☆☆★』入れたら、未央とのコラボになるじゃん!」


武内P「っ!」

武内P「……成る程、その手が」


美嘉「そういうコトじゃなくてさ!?」

美嘉「もっと、こう……あるでしょ!?」


武内P「っ!?」

武内P「………………」

武内P「……申し訳、ありまs」


美嘉「謝んないでよ――っ!?」

903: 2018/10/02(火) 22:40:48 ID:TdRkbxVA
  ・  ・  ・

ちひろ「……それで、あんなに散らかってたんですね」

武内P「暴れる城ヶ崎さんに、何故か一ノ瀬さんも加わり……」

ちひろ「文香ちゃんは、本の――ファンタジーな世界に逃げた、と」


文香「……」

ペラッ…ペラッ…


武内P「……まだ、帰ってきていませんが」

ちひろ「……どうするんですか?」

武内P「読み終えたら……戻ってくるかと」

ちひろ「……ですね」

904: 2018/10/02(火) 22:51:02 ID:TdRkbxVA
ちひろ「それで……考えた企画は、どうするんですか?」

武内P「このまま、お蔵入りですね」

ちひろ「えっ? そうなんですか?」

武内P「はい、私は彼女達の担当ではありませんし……」

武内P「今回は、例として示しただけですので」


ちひろ「カボチャの馬車を用意するのは、自分じゃない……」

ちひろ「……って事ですか?」


武内P「はい、その通りです」

武内P「それに……今回は、懲りました」


武内P「いたずらに、お菓子の話をするものではありませんね」



おわり