1: 2012/11/30(金) 22:21:54.93 ID:KuDqr0iO0
みほ「何だか、目を合わせると背筋に寒気が走る……」

みほ「いや、でもお姉ちゃんは別に普通にしてるのに。何でだろう……」

まほ「……みほ」

みほ「あ、お姉ちゃん」ビクッ

まほ「今日あった練習試合のことだけど」

みほ「あ、うん」

まほ「あの時は迂回するのではなく、多少無理をしてでも前進するべきだった」

まほ「今日は相手が弱かったから勝てたけど、もし強豪が相手だったら負けていたかもしれない」

みほ「ご、ごめんなさい」

まほ「……まぁいい。今度からは気をつけて」

みほ「分かったよ、お姉ちゃん」

まほ「じゃ」スタスタ


~まほの部屋~

まほ「みほ、可愛いよみほ」ゴロンゴロン





第1話 戦車道、始めます!

3: 2012/11/30(金) 22:33:47.53 ID:KuDqr0iO0
まほ「ふぅ、いい汗かいた」

まほ「みほ抱き枕は横に置いて。少し疲れたので休憩しよう……みほのアルバムでも見ながら」

まほ「ふ、ふふふ。みほ可愛い……」

コンコン

みほ「お姉ちゃん、ちょっといいかな?」

まほ「!?」

4: 2012/11/30(金) 23:07:04.75 ID:KuDqr0iO0
まほ「ちょ、ちょっと! 一分くらい待って!」

まほ(まずい。みほグッズが凄まじいレベルで散らかっている……)

まほ(これを全部、一分以内に片付けるのは物理的に無理。いや、一時間あっても終わる気がしない)

まほ(……そうだ。よし)

まほ「い、今出る」ガチャバタン

みほ「……お姉ちゃん、何でそんな素早くドアを閉めるの?」

まほ「せ、戦車載るには力と精神力がいるから。こういう日常の動作一つ一つにも気合を入れてやってるだけ」

みほ「へぇ、凄いなぁお姉ちゃんは」

まほ「そうでもない」

みほ「あ、でもね、できれば部屋の中で話がしたかったんだけど……」

まほ「え?」

5: 2012/11/30(金) 23:53:35.68 ID:KuDqr0iO0
まほ「な、何で……」

みほ「戦車道の相談がしたくて」

みほ「外で話してお母さんに見つかったら、また甘い事言ってるって怒られちゃいそうだから」

まほ「い、いや、たぶん今日はお母さん怒らないんじゃない、かなぁ……」

みほ「え? 何で?」

まほ「それは今日が……今日だから?」

みほ「どういうこと?」

まほ「……そういうこと」

みほ「?」

まほ「と、とにかく! 別に部屋の中に入らなくても大丈夫だから!」

6: 2012/11/30(金) 23:59:12.13 ID:KuDqr0iO0
みほ「でも……」

まほ「そ、そんなに心配なら、みほの部屋で話をすればいい」

みほ「あ、そうだね。じゃあ、私の部屋に来てくれる?」

まほ「う、うん」

まほ(ひゃっほう! 久しぶりのみほの部屋だ)

まほ「……仕方ない。行くか」

9: 2012/12/01(土) 10:23:18.53 ID:lPolMega0
~みほの部屋~

みほ「じゃあ、えっと相談を……お姉ちゃん、どうかしたの?」

まほ「ん? いや、何も」ソワソワ

みほ「そう? 何だか落ち着かない感じだけど……」

みほ「トイレだったら遠慮しなくてもいいよ。私がお姉ちゃんに相談に乗ってもらってるんだし」

まほ「別に行きたくない」ソワソワ

まほ「みほの方こそ。行きたいなら、トイレ行ってきてもいいぞ。待ってるから」

みほ「いや、私は別に……」

まほ「行ってきなさい」

みほ「え? だから、行きたくはな」

まほ「行きなさい」

みほ「何でそんなに……」

まほ「」ギロ

みほ「わ、分かったよ。じゃあ」

まほ「ついでに何でもいいから飲み物持ってきて」

みほ「あ、うん。分かった。それじゃ、ちょっと待っててね」

ガチャ バタン

まほ「……これでよし」

11: 2012/12/01(土) 11:48:52.31 ID:lPolMega0
まほ「みほの部屋で一人になれた。これで好き放題できる」

まほ「とりあえず……よし、みほのベッドに寝よう」

まほ「みほの匂い。幸せ」ゴロンゴロン

まほ「みほが使ってる枕……しまった。私の枕持ってきて、こっそり交換すればよかった」

まほ「これは残念……まぁ今度、みほが出かけた時にやっとけばいいか。今は匂い嗅ぐだけにしよう」クンカクンカ

まほ「あと交換できるものは何か……」

ガチャ

みほ「ジュース持ってきたよー。……お姉ちゃん、何やってるの?」

まほ「……は、早かったね、みほ」

12: 2012/12/01(土) 11:56:38.88 ID:lPolMega0
みほ「うん、トイレは別に行きたくなかったし、ジュース注いで戻ってくるだけだったから……」

みほ「そんなことよりお姉ちゃん、何で私のベッドの上で幸せそうに寝転がってるの?」

みほ「何で私の枕を抱きしめてにやにやしてるの?」

まほ「え? ああ、いや……それは……」

まほ「……だ、駄目じゃない、みほ!」

みほ「え? な、何が?」

まほ「この枕、普通の枕でしょう? 低反発とかにしないと」

まほ「戦車道は精神力が必要だから、夜休む時にはちゃんと自分にあった枕を使って、しっかりと体を休ませないと」

まほ「いざ本番の時に疲れて動けませんじゃ困る」

みほ「ご、ごめんなさい」

まほ「分かればいい。今度、新しい枕買ってきなさい」

みほ「う、うん分かった。明日にでも見てくるね」

まほ「そうしなさい」

まほ(セーフ……)

みほ「でも、凄いなぁお姉ちゃん。そんなところまで気を使ってるんだ」

みほ「やっぱりお姉ちゃんも、枕にこだわってるの?」

まほ「まぁ、それだけじゃないけど」

まほ(みほの枕カバーをした枕と抱き枕を使ってる、とまでは流石に言えない……)

13: 2012/12/01(土) 12:06:03.84 ID:lPolMega0
まほ「それで、相談って何?」

みほ「うん、それなんだけど……お姉ちゃん、もう枕は離してもいいんじゃないかな?」

まほ「そうかもしれない」

みほ「じゃあ、それ置いてこっちに」

まほ「拒否する」

みほ「なんで……」

まほ「別にみほと会話するのに支障はない」

みほ「それは、そうなんだけど……」

まほ「じゃあ問題ない。さ、続けて」

みほ「……うん」

14: 2012/12/01(土) 12:11:15.12 ID:lPolMega0
みほ「えっとね。私、戦車道止めようかなって思って」

まほ「マジで!?」

みほ「お、お姉ちゃん?」

まほ「ん?」

みほ「あれ、今「マジで」って言わなかった?」

まほ「別に言ってない」

みほ「だ、だよね。いつも真面目で真剣なお姉ちゃんが、そんな言葉使うわけないよね……」

まほ(動揺してつい叫んでしまった)

15: 2012/12/01(土) 12:23:41.31 ID:lPolMega0
まほ「それより戦車道止めたいってどういうこと?」

まほ(そんなことになったら、みほと一緒にいる時間が激減する……)

みほ「……私、お母さんやお姉ちゃんみたいに才能ないし」

みほ「このまま戦車道続けても、西住の名を汚すだけだと思うんだ。だから……」

まほ「みほ……」

まほ(正直、西住とかどうでもいいし、戦車道止めても構わない。でも、みほと離れるのは嫌だ)

まほ「戦車道を止めても、あなたが西住であることには変わりないよ」

みほ「そうだけど……」

まほ「戦車で負けるのは仕方ない。実力が足りないなら練習すればいいだけ」

まほ「でも戦車道から逃げるのは、勝ち負け以前の問題」

まほ「それは勇敢に戦った敗北者ですらない。ただの逃亡者だ」

みほ「……お姉ちゃん」

まほ(戦車道からは逃がしても、私からは絶対に逃がさない)

16: 2012/12/01(土) 12:35:39.45 ID:lPolMega0
みほ「でもやっぱり、私は自信がないよ」

みほ「それに、私だって普通の女の子みたいに友達と出かけたり、遊んだりしたい……」

みほ「このまま自信のない戦車道続けるよりも、他の道を探したいよ」

まほ「……」

まほ(あれ? 待って、もしかしてみほが止めて、私も戦車道止めたとしたら……)

まほ(みほと一緒に遊園地や街に出かけられる時間もできるのでは?)

まほ(そうなったら、みほとデートしたりすることも不可能じゃない?)

まほ(いや、それどころかあんなことやこんなことまでできてしまうのではないだろうか……)

まほ(問題はお母さんを説得できるかだけど……)

まほ(お母さんも鬼じゃない、泣きながら土下座とかすれば、もしかすると許してくれるのでは?)

まほ(そうすれば、後はみほとのむふふライフが待っている!)

まほ「……これは、行ける。いや、ヤれる」

みほ「お姉ちゃん?」

まほ「あ、いや、なんでもない……みほ」

みほ「はい」

まほ「あなたがそこまで言うなら、私は止めない。あなたにも人生を選ぶ権利はある」

まほ「あとはお母さんが許してくれるかだけど、そこは自分で何とかしなさい」

まほ「ただ、これは大事なことだからもう一度良く考えて、それから決断しなさい」

みほ「分かったよ」

まほ「それじゃ、私はこれで」

みほ「お姉ちゃん、ありがとう」

まほ「……」

ガチャバタン

17: 2012/12/01(土) 12:45:42.68 ID:lPolMega0
まほ「……よし、これでどちらに転んでも私はみほと一緒に入れる」

まほ「さて。それじゃ、もしみほが戦車道止めた時のためにデートプラン立てておこう」

まほ「ふんふんふん♪」

18: 2012/12/01(土) 12:51:25.43 ID:lPolMega0
みほ「……戦車道もう少し続けようかな」

みほ「お姉ちゃんはもう一度良く考えてって言ってた。これってやっぱり、止めるなって意味だよね」

みほ「私だって、逃げたくない。ちゃんと練習して強くなろう」

みほ「よし、戦車道続けよう」

みほ「やっぱり、お姉ちゃんに相談してよかった」

みほ「じゃあ早速、戦車道の練習を……あれ、枕が無い……」

みほ「お姉ちゃん、あのまま持っていっちゃったのかな? 返してもらわないと」

19: 2012/12/01(土) 13:01:39.08 ID:lPolMega0
~まほの部屋~

まほ「みほの枕を持ってきてしまった……」

まほ「まぁ、いいか……。よし、とりあえずみほ枕カバーをかけておこう」

まほ「これで香りつきみほ枕が完成した。もうこれは完全に第二のみほ」

まほ「みほ、可愛いよみほ」クンカクンカ

みほ「お姉ちゃん、枕返し……」ガチャ

みほ「……」

まほ「……あ」

みほ「……おねえ、ちゃん。これはどういう」

まほ「いや、これはその……」

みほ「ご、ごめんね。うん、ごめん……その……」

みほ「じゃあね!」ダッ!

まほ「あ、待ってみほ! これはちがっ!」

まほ「行ってしまった……私はどうすればいいんだ……」

まほ「……まぁ、いっか」クンカクンカ

21: 2012/12/01(土) 13:07:49.18 ID:lPolMega0
しほ「それで? 相談って何ですか?」

みほ「その、一人暮らしさせてくれませんか?」

しほ「一人暮らし? なぜですか?」

みほ「いや、理由は聞かずに……」

しほ「理由もなしに一人暮らしさせるわけにはいきませんよ」

しほ「どうしても一人暮らししたいなら、ちゃんと理由を言いなさい」

みほ「……その……いそうの……が」

しほ「?」

みほ「貞操の危機が、迫っている気がして……」

しほ「は? 貞操の危機?」

みほ「……その、これ以上は……」

しほ「???」

22: 2012/12/01(土) 13:08:46.77 ID:lPolMega0
まほ「みほー、可愛いよみほー」


終わり

23: 2012/12/01(土) 13:12:12.13 ID:Zg+0SlBD0
オツオツ、面白かったよー

引用元: 【ガルパン】みほ「最近、お姉ちゃんの視線がおかしい」