1: 2010/11/19(金) 21:54:45.02 ID:shWr4o660
「こんにちは、お昼の生徒会放送です」
和の声が校内に響く、昼休みの学校。
唯は教室でお昼ご飯を食べながら、和の声に耳を傾けていた。
「やっぱり和ちゃんの声はいいね~はむっ」
「あ、唯ちゃん、口の周り付いてるわ...はい」
律と澪が苦笑する。
「ムギちゃんありがと~」
「あんまり甘やかすなよ」
唯は和のいつもクールで知的な声を、とても嬉しそうに聞いている。
『和ちゃん、今日もかっこいいな~!』
スピーカーからは和の声が流れ続けていた。
「繁華街は危険が一杯です。騒いだり、危ないところには近寄らないようにしましょう」
帰って来た和に唯が声をかける。
「和ちゃん~お疲れさま!はい卵焼き」
「ありがと」
唯の差し出した卵焼きを食べる和。
「和ちゃん今日一緒に帰ろ!」
「ごめんね唯、今日は寄るところがあるの」
「そっか~。生徒会のお仕事?」
「まあ、そんなところね」
済まなそうにする和に、唯は笑って言った。
「じゃ、また今度ね!」
「そうね...あ、もう授業始まるわよ」
「ホントだ...次なんだっけ?」
和の声が校内に響く、昼休みの学校。
唯は教室でお昼ご飯を食べながら、和の声に耳を傾けていた。
「やっぱり和ちゃんの声はいいね~はむっ」
「あ、唯ちゃん、口の周り付いてるわ...はい」
律と澪が苦笑する。
「ムギちゃんありがと~」
「あんまり甘やかすなよ」
唯は和のいつもクールで知的な声を、とても嬉しそうに聞いている。
『和ちゃん、今日もかっこいいな~!』
スピーカーからは和の声が流れ続けていた。
「繁華街は危険が一杯です。騒いだり、危ないところには近寄らないようにしましょう」
帰って来た和に唯が声をかける。
「和ちゃん~お疲れさま!はい卵焼き」
「ありがと」
唯の差し出した卵焼きを食べる和。
「和ちゃん今日一緒に帰ろ!」
「ごめんね唯、今日は寄るところがあるの」
「そっか~。生徒会のお仕事?」
「まあ、そんなところね」
済まなそうにする和に、唯は笑って言った。
「じゃ、また今度ね!」
「そうね...あ、もう授業始まるわよ」
「ホントだ...次なんだっけ?」
2: 2010/11/19(金) 21:55:25.32 ID:shWr4o660
★☆★
夕方、下校時間になって、唯達は部室から教室に帰って来た。
「おっかしーな...」
「律、忘れ物見つかったか?」
「えーっと...あ、これだ」
「よかった~見つかって」
律の忘れ物を探しに戻って来ていた4人。部活で一緒だった梓もそこに加わっている。
「先輩方、忘れ物も見つかったことだし、そろそろ帰りましょうか」
「そだね~」
5人が出口へ向かいかけると、唯の隣の席の姫子が帰って来た。
「あ、姫ちゃん!おつかれ~」
「唯もお疲れ!あ、そうだ」
「何?」
訝しがる5人に、姫子は自分の机の中から一枚のパンフレットを出した。
「よかったら、これ皆で一緒に行かない?」
「クラブ?」
「そ。DJの流す音楽に合わせて、皆で踊るの」
夕方、下校時間になって、唯達は部室から教室に帰って来た。
「おっかしーな...」
「律、忘れ物見つかったか?」
「えーっと...あ、これだ」
「よかった~見つかって」
律の忘れ物を探しに戻って来ていた4人。部活で一緒だった梓もそこに加わっている。
「先輩方、忘れ物も見つかったことだし、そろそろ帰りましょうか」
「そだね~」
5人が出口へ向かいかけると、唯の隣の席の姫子が帰って来た。
「あ、姫ちゃん!おつかれ~」
「唯もお疲れ!あ、そうだ」
「何?」
訝しがる5人に、姫子は自分の机の中から一枚のパンフレットを出した。
「よかったら、これ皆で一緒に行かない?」
「クラブ?」
「そ。DJの流す音楽に合わせて、皆で踊るの」
3: 2010/11/19(金) 21:56:13.21 ID:shWr4o660
クラブの場所は、昔5人が年越しライブやデスデビルのライブで使った、あのライブハウスだった。
「行ってみない?なんか楽しそうだよ!」
乗り気な唯。律がつぶやく。
「確かに、バンド以外のライブハウスって見たこと無いよな...」
「でも危なくないかそういうとこって。昼の放送でも和が言ってたぞ」
不安がる澪。それに対して姫子が微笑む。
「大丈夫よ、私も付いてるから」
「行ってみようよ澪ちゃん」
「そうですね、クラブって少し興味があります」
「皆が言うなら...じゃあ行ってみよう」
紬と梓の後押しもあって、5人は姫子と共にライブハウスへ行くことになった。
「行ってみない?なんか楽しそうだよ!」
乗り気な唯。律がつぶやく。
「確かに、バンド以外のライブハウスって見たこと無いよな...」
「でも危なくないかそういうとこって。昼の放送でも和が言ってたぞ」
不安がる澪。それに対して姫子が微笑む。
「大丈夫よ、私も付いてるから」
「行ってみようよ澪ちゃん」
「そうですね、クラブって少し興味があります」
「皆が言うなら...じゃあ行ってみよう」
紬と梓の後押しもあって、5人は姫子と共にライブハウスへ行くことになった。
5: 2010/11/19(金) 21:57:18.38 ID:shWr4o660
★☆★
ライブハウスへ着き、6人が扉を開けると、
バンドがやるときとは明らかに違う種類の熱気に包まれた。
「おー、すごい...」
「でしょ?」
律がつぶやき、姫子が微笑んだ。
激しく点滅し色を変える照明の下、ステージの上にはDJがいて、
テンポよくレコードをミキシングしている。
二十歳ぐらいの女性だろうか、黄緑色のキャップをかぶり、赤いサングラスをかけている。
「えと、立花さん...」
「あはは、姫子でいいよ」
「じゃ、じゃあ...姫子、これは何のジャンルの音楽?」
澪が尋ねる。
「これはね、トランスって言う音楽。クラブミュージックの一つよ」
「トランスか...へえ~」
「聞いてると、気持ちよくなってくでしょ」
「確かに...」
楽しそうに音を聴く澪。
「姫子はこういうところよく来るのか?」
「うん、時々ね」
紬や梓はもうノリノリで、他の聴衆と同じように体を揺らしている。
ライブハウスへ着き、6人が扉を開けると、
バンドがやるときとは明らかに違う種類の熱気に包まれた。
「おー、すごい...」
「でしょ?」
律がつぶやき、姫子が微笑んだ。
激しく点滅し色を変える照明の下、ステージの上にはDJがいて、
テンポよくレコードをミキシングしている。
二十歳ぐらいの女性だろうか、黄緑色のキャップをかぶり、赤いサングラスをかけている。
「えと、立花さん...」
「あはは、姫子でいいよ」
「じゃ、じゃあ...姫子、これは何のジャンルの音楽?」
澪が尋ねる。
「これはね、トランスって言う音楽。クラブミュージックの一つよ」
「トランスか...へえ~」
「聞いてると、気持ちよくなってくでしょ」
「確かに...」
楽しそうに音を聴く澪。
「姫子はこういうところよく来るのか?」
「うん、時々ね」
紬や梓はもうノリノリで、他の聴衆と同じように体を揺らしている。
6: 2010/11/19(金) 21:57:58.78 ID:shWr4o660
「うまいね...」
姫子がつぶやいた。律が姫子に聞く。
「あの人上手いのか?」
「うん。あの人の曲は初めて聞くけど、私が今まで聞いた中で一番上手い」
「確かに、曲のセンスいいよな」
「ミキシングやイコイライザの技術もすごく高いし...」
感心する二人。DJは手拍子で客達を煽りながら、黙々と曲をミックスしていく。
ライブハウスのボルテージは最高潮に達していた。
ところが唯だけはどこか釈然としない顔で、ステージ上のDJを見つめていた。
「どうしたんですか、唯先輩?」
「私、どっかであの人にあった気がする...」
「先輩、DJの知り合いでもいるんですか?」
「いないんだけど...うーん」
考え込む唯。そんな中、音楽はクライマックスを迎えた。
今まで無言でミキシングして来たDJが、頭に付けていたヘッドホンを外して大声で叫ぶ。
「サンキュ!」
聴衆が歓声を上げる。姫子や律や澪、紬や梓も大きな拍手を送った。
しかし、DJのその声を聞いた唯はびっくりして、呆然としてしまった。
この声は。普段とは全然違うけど、小さい頃からずっと側で聞いて来た、この声は。
「和ちゃん!?」
周りが一斉に振り向く。その反応が見えたのか、DJが唯の方を向き、目を見開いた。
「唯!?みんな!?どうして!?」
姫子がつぶやいた。律が姫子に聞く。
「あの人上手いのか?」
「うん。あの人の曲は初めて聞くけど、私が今まで聞いた中で一番上手い」
「確かに、曲のセンスいいよな」
「ミキシングやイコイライザの技術もすごく高いし...」
感心する二人。DJは手拍子で客達を煽りながら、黙々と曲をミックスしていく。
ライブハウスのボルテージは最高潮に達していた。
ところが唯だけはどこか釈然としない顔で、ステージ上のDJを見つめていた。
「どうしたんですか、唯先輩?」
「私、どっかであの人にあった気がする...」
「先輩、DJの知り合いでもいるんですか?」
「いないんだけど...うーん」
考え込む唯。そんな中、音楽はクライマックスを迎えた。
今まで無言でミキシングして来たDJが、頭に付けていたヘッドホンを外して大声で叫ぶ。
「サンキュ!」
聴衆が歓声を上げる。姫子や律や澪、紬や梓も大きな拍手を送った。
しかし、DJのその声を聞いた唯はびっくりして、呆然としてしまった。
この声は。普段とは全然違うけど、小さい頃からずっと側で聞いて来た、この声は。
「和ちゃん!?」
周りが一斉に振り向く。その反応が見えたのか、DJが唯の方を向き、目を見開いた。
「唯!?みんな!?どうして!?」
7: 2010/11/19(金) 21:58:40.94 ID:shWr4o660
★☆★
誰にも内緒でDJをしているのがバレた和は、
当然学校からきつく絞られ、学校外でのDJ活動を禁止された。
それから一ヶ月―
「Hi! お昼の放送をDJ NODOKAがお送りしています」
昼休みの学校に和の声が響く。
クラブDJを辞める代わりに、校内放送のラジオDJを始めたのだ。
「和ちゃん、楽しそうだね」
軽音部の部室。唯が仲間達に話しかける
「今までの和とは全然違うな」
「意外だな...」
「こんなノリノリだとは思わなかったわ」
「私もです...」
律、澪、紬、梓がそれぞれつぶやく。
「さて、今週のお便りです。今週は...」
『前のクールな和ちゃんもいいけど、今の優しくて、あったかい感じの声もすごくすてきだな~』
スピーカーから流れる和の声を聞きながら、唯はそんなことを思った。
「さて、今日最後の曲は、放課後ティータイムで『U&I』です
お相手は、DJ NODOKAでした。また来週!」
~おわり~
誰にも内緒でDJをしているのがバレた和は、
当然学校からきつく絞られ、学校外でのDJ活動を禁止された。
それから一ヶ月―
「Hi! お昼の放送をDJ NODOKAがお送りしています」
昼休みの学校に和の声が響く。
クラブDJを辞める代わりに、校内放送のラジオDJを始めたのだ。
「和ちゃん、楽しそうだね」
軽音部の部室。唯が仲間達に話しかける
「今までの和とは全然違うな」
「意外だな...」
「こんなノリノリだとは思わなかったわ」
「私もです...」
律、澪、紬、梓がそれぞれつぶやく。
「さて、今週のお便りです。今週は...」
『前のクールな和ちゃんもいいけど、今の優しくて、あったかい感じの声もすごくすてきだな~』
スピーカーから流れる和の声を聞きながら、唯はそんなことを思った。
「さて、今日最後の曲は、放課後ティータイムで『U&I』です
お相手は、DJ NODOKAでした。また来週!」
~おわり~
引用元: 和「チェケラッチョイ!」
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