3: 2023/02/24(金) 17:34:03.99 ID:FFRqslY/.net
『心配性なのにケチ』

5: 2023/02/24(金) 17:34:48.94 ID:FFRqslY/.net
侑 「すぅ……はぁ……」

歩夢 「緊張してるね、侑ちゃん」

侑 「そりゃあそうだよ。今日は大事な演奏会なんだもん」

歩夢 「そうだよね、緊張しちゃうよね」

侑 「まあ、でも、できることはしてきたし、あとは天命を待つだけだね」

6: 2023/02/24(金) 17:35:10.24 ID:FFRqslY/.net
歩夢 「じゃあ侑ちゃん、これを受け取って」 ギュッ

侑 「えっ?」

歩夢 「御守り、侑ちゃんが上手くいくように」

侑 「ありがとう歩夢……!」

歩夢 「10枚で足りるかな」

侑 「いや十分すぎるよ」

7: 2023/02/24(金) 17:35:32.16 ID:FFRqslY/.net
歩夢 「9枚だけ買うつもりだったんだけど、10枚だと割引されるって書いててつい」

侑 「色々ツッコミどころあるけど、御守りで割引ってどうなの」

歩夢 「しかも、これ去年の大晦日の在庫なんだって。ごめんね侑ちゃん」

侑 「在庫!?」

歩夢 「5時過ぎたら割引シールが……」

侑 「弁当じゃないんだから!!」

8: 2023/02/24(金) 17:36:18.56 ID:FFRqslY/.net
侑 「しかも御守りって一年しか効力がないから、一年経ったら返納して新しいものを買わないといけないんでしょ!? 去年の在庫って大丈夫なの!?」

歩夢 「あとこれも受け取って、侑ちゃん」 ギュッ

侑 「歩夢……これは?」

歩夢 「ピアノは手が大事だから、カイロに、ハンドクリームに、手袋に……」

侑 「そこまで私のことを考えて……!」 ジーン

9: 2023/02/24(金) 17:36:57.80 ID:FFRqslY/.net
歩夢 「全部百均だけど質は私が保証する」

侑 「なんでさっきからちょっとケチるの!?」

歩夢 「えっ?」

侑 「過保護なくらい心配してくれるくせに、なんで中途半端にケチるの!?」

歩夢 「べ、別にそんなつもりじゃ……それより今日は学校じゃなくてコンサートホールなんだから、いつもと時間は違うよ? バス、乗り遅れないでね」

10: 2023/02/24(金) 17:37:20.10 ID:FFRqslY/.net
侑 「もちろん! 安心してよ!」

歩夢 「そうだ、交通費を出してあげないと、はい!」 ギュッ

侑 「お金まで!? あ、ありがとう歩……」

歩夢 「ご縁があるように、ね」 ニコッ

侑 「五円じゃバスは乗れないよっ……歩夢ぅ!!」

11: 2023/02/24(金) 17:37:49.51 ID:FFRqslY/.net
歩夢 「そうだ、最後にエールを送らないと! 侑ちゃん! 歌を届けてあげる!」

歩夢 「ファイト! 戦う君を~……」

歩夢 「……」

歩夢 「じゃあ気をつけてね」

侑 「歌い切ってよ!!」

12: 2023/02/24(金) 17:38:27.15 ID:FFRqslY/.net
『告白させたい人』

13: 2023/02/24(金) 17:38:52.29 ID:FFRqslY/.net
せつ菜 「……」 ドキドキ

果林 「それでせつ菜、急に校舎裏なんかに呼び出して……どうしたの?」

せつ菜 「えっと、あの」 ドキドキ

果林 (……告白、かしらね)

果林 (今まで何人の人を断ってきたけれど、せつ菜になら……)

14: 2023/02/24(金) 17:39:14.82 ID:FFRqslY/.net
せつ菜 「……」 ドキドキ

果林 「……」 ドキドキ

せつ菜 「果林さん……す、す」

果林 「……」 ドキドキ

せつ菜 「好きと言ってくださいっ!!!」

果林 「……え?」

15: 2023/02/24(金) 17:39:40.63 ID:FFRqslY/.net
せつ菜 「付き合ってくださいと言ってくださいっ!!!」

果林 「……いやいや、えっ、は?」

せつ菜 「返事はYESですか……NOですか…!」 ドキドキ

果林 「え、えっと、そ、その」

せつ菜 「YESならよろしくお願いします!」

せつ菜 「NOなら私から告白します!」

16: 2023/02/24(金) 17:40:06.44 ID:FFRqslY/.net
果林 「……」

果林 「いやこの工程要る!?」

せつ菜 「わっ!? 果林さんが怒った!?」

果林 「怒るより困惑が先よ! 普通YESかNOかを聞くのは、告白の返事でしょ! なんでその前にどっちから告白するかのYES・NOがあるのよ! 一つ無駄でしょ!」

せつ菜 「効率主義者なんですね……恋愛は過程が大事なのに……」

果林 「非効率主義者だって同じ反応するわよ!!」

17: 2023/02/24(金) 17:40:45.43 ID:FFRqslY/.net
果林 「そもそも告白されると思ってこっちは待ってるのに、なんで私に告白させようとしてるわけ!?」

せつ菜 「っ、それは」

果林 「何? 複雑な事情でもあるの?」

せつ菜 「こうなったら、あの秘密を……」

果林 (秘密……? まさかせつ菜に、そんな重い秘密が……?)

せつ菜 「あの秘密を……」

18: 2023/02/24(金) 17:41:11.07 ID:FFRqslY/.net
せつ菜 「打ち明けてください、果林さんっ!!!」

果林 「知らないわよ!!!」

果林 「いや、それも私に言わせようとしてたの!?」

せつ菜 「秘密……言ってください……。私、果林さんなら全部受け止めますから」

果林 「私に秘密なんてないわよ」

19: 2023/02/24(金) 17:41:31.12 ID:FFRqslY/.net
せつ菜 「知ってるんですよ!!!?」

果林 「えっ?」

せつ菜 「隠したい秘密……!」

果林 (そ、そんな……私に秘密が? そう言われると、ある気が……でも、だとして、せつ菜にバレてる秘密なんてあったかしら……)

せつ菜 「アニメイトの通いすぎで貯金が尽きてることを!!!」

果林 「それ、あなたの秘密でしょ!!!」

20: 2023/02/24(金) 17:41:47.53 ID:FFRqslY/.net
せつ菜 「……」

果林 「……」

せつ菜 「今日の夜、電話をかけます」

果林 「えっ?」

せつ菜 「そこで、この告白の続きをします」

果林 「ちょ」

タッタッタッ

果林 「……行っちゃったわ」

21: 2023/02/24(金) 17:42:33.72 ID:FFRqslY/.net
~夜~

プルルルル

果林 「せつ菜?」

せつ菜 『果林さん、では昼の話の続きですが』

果林 (それにしてもなぜ、夜まで待ったの? いったい何の意味が……)

22: 2023/02/24(金) 17:42:50.02 ID:FFRqslY/.net
せつ菜 『その前に窓を開けてみてください』

果林 「えっ?」

せつ菜 『そしたら、夜まで待った理由が分かると思います』

果林 「わ、分かったわよ。でも窓を開けて何が……」

23: 2023/02/24(金) 17:43:05.36 ID:FFRqslY/.net
ガラッ

果林 「あっ……満月……」

果林 (そういうことね、せつ菜。ふふ、粋なことするじゃない)

せつ菜 『果林さん、月が』

せつ菜 『どう思いますかね?』

果林 「月が綺麗ですねっっ!!!!!!!」

24: 2023/02/24(金) 17:43:43.15 ID:FFRqslY/.net
『ちょっと寝不足な人と寝不足な人とさらに寝不足な人』

25: 2023/02/24(金) 17:44:12.99 ID:FFRqslY/.net
しずく 「おはようございます」

彼方 「あっ、おはよう、しずくちゃん」

しずく 「彼方さん、おはようございます」 ニコッ

彼方 「まだ時間じゃないのに早く来て偉いね~」

しずく 「ふふ、彼方さんの方が早いじゃないですか」

26: 2023/02/24(金) 17:44:44.78 ID:FFRqslY/.net
彼方 「そうだ、せっかくだし、今テレビを見てるんだけど、一緒に見ない?」

しずく 「テレビですか? 良いですよ」

テレビ 『羊が居ます。そして見てください、この壮大な景色。遠くから鳥たちの鳴き声が聞こえてきますね』

彼方 「わあ、本当に壮大だね」

しずく 「ですね……」

しずく (……なんだか、こういうリラックスできる映像を見ると、眠くなっちゃうなぁ)

27: 2023/02/24(金) 17:45:22.00 ID:FFRqslY/.net
しずく 「ふわぁ……」

彼方 「もしかして寝不足?」

しずく 「あっ……/// えっと、恥ずかしながら……///」

彼方 「そうだ。いつもやってもらってるし、今度は彼方ちゃんが膝枕してあげるよ!」

しずく 「えっ、でも悪いですよ」

彼方 「お構いなく、だよ~!」 ギュッ

しずく 「わっ!」

28: 2023/02/24(金) 17:45:46.38 ID:FFRqslY/.net
彼方 「よしよし、しずくちゃん、お疲れ様……」 ナデナデ

しずく (彼方さんの膝枕、すごく気持ちよくて……すぐにでも寝ちゃう……)

しずく 「か……にゃた……さ……」 ウトウト

彼方 「こんなにすぐウトウトしちゃうなんて、もしかして五徹でもしちゃったのかな」

しずく 「ご……て……つ……?」 ウトウト

29: 2023/02/24(金) 17:46:05.95 ID:FFRqslY/.net
彼方 「ほら、彼方ちゃんは四徹だから」

しずく 「彼方さん!!!?」 ガバッ

彼方 「うわっ、急に起きた」

しずく 「四徹ってどういうことですか!?」

彼方 「寝すぎも良くないからって昼寝を控えてたら、なぜか寝れなくちゃって」

しずく 「大変じゃないですか!」

30: 2023/02/24(金) 17:46:26.17 ID:FFRqslY/.net
彼方 「ホットミルクも、リラックス効果のある動画も、あらゆる作戦通じなかったよ~」

しずく 「それであんな動画を見てたんですね……」

彼方 「でも心配しなくても大丈夫!」

彼方 「最近なんだか新しい世界が見えてきたから!」 ギラギラッ

しずく 「目が怖いですよ、彼方さん!!!」

31: 2023/02/24(金) 17:46:42.93 ID:FFRqslY/.net
ガラッ

ミア 「ん? 彼方と……しずくかい?」

彼方 「おおっ、ミアちゃん」

しずく 「……」

ミア 「しずくは寝てるのかい?」

彼方 「あれ、さっきまで起きてたような……」

しずく (急に人が入ってきたから、つい寝たふりをしてしまった……)

32: 2023/02/24(金) 17:47:07.35 ID:FFRqslY/.net
ミア 「ふわぁ……そんなぐっすり寝れるなんて、羨ましい限りだよ」

彼方 「ミアちゃんは寝てないの?」

ミア 「ボクは最高に忙しいからねっ……なんと二徹さ」 ドヤッ

しずく (ミアさんの隣の人、四徹だよぉ……っ!!!)

33: 2023/02/24(金) 17:50:16.16 ID:FFRqslY/.net
彼方 「それは大変だね~。しずくちゃんみたいに膝枕する?」

ミア 「いや、大丈夫さ。それよりさっき作った曲の、細かな修正をしなければ……」 カタカタ

ミア 「ん? なんだ、カーソルが反応しないぞ、どうした。パソコンが壊れたか?」

しずく (ミアさん……! それマウスじゃなくて、かすみんBOXだよぉ……!!)

34: 2023/02/24(金) 17:51:27.71 ID:FFRqslY/.net
ミア 「おい! カーソル、動けってば!」 スリスリ

かすみんBOX 『あぎゃァァァァァァァーーーーーーーー!!!!』cv.桜坂しずく

しずく (ってきっと、泣き叫んでるよ……!)

彼方 「ミアちゃん、疲れてるときは水分補給が大事だよ。ジュース入れてあげるね」 スッ

ミア 「おおっ、気がきくね。ありがとう、彼方。そこに置いといてくれ」

35: 2023/02/24(金) 17:54:07.52 ID:FFRqslY/.net
しずく (彼方さん……!! それストローじゃなくてシャープペンシルだよぉ……!!)

彼方 「あっ、ごめん!」

しずく (気付いたっ!!)

彼方 「氷入れ忘れてたね」

しずく (そっちじゃない!!)

36: 2023/02/24(金) 17:54:48.59 ID:FFRqslY/.net
ミア 「そうだ。さっきハンバーガーセットを買ってきたんだけど、彼方も食べるかい?」

彼方 「えっ、いや、大丈夫だよ~」

ミア 「同好会の仲だろ? そのくらい奢らせてくれ」

彼方 「うーん……じゃあ頂こうかな! ありがとう、ミアちゃん!」

37: 2023/02/24(金) 17:55:43.44 ID:FFRqslY/.net
ミア 「えっと、まずポテト」 スッ

ミア 「さらにナゲット」 スッ

ミア 「そのあとはパンケーキ」 スッ

ミア 「あとアップルパイもあるよ!」 スッ

ミア・彼方 「「いただきます~!」」

38: 2023/02/24(金) 17:56:49.92 ID:FFRqslY/.net
しずく (肝心のハンバーガーを買ってないっ!!!)

彼方 「ポテトってこんな味だったっけ?」

ミア 「おいおい、それパンケーキだよ、彼方」

彼方 「あはは、間違えちゃった」

しずく (それアップルパイです、ミアさん……っ!!!)

しずく (やっぱり二徹にしても、四徹にしても、徹夜はダメだ!! 思考回路が鈍るっ!)

39: 2023/02/24(金) 17:57:33.01 ID:FFRqslY/.net
しずく 「二人とも……ごめんなさいっ」

ミア・彼方 「「えっ?」」

ゴチーーーン

ミア 「……」 スピースピー

彼方 「……」 スピースピー

しずく 「とりあえず眠らせたのでよし……」

40: 2023/02/24(金) 17:58:38.40 ID:FFRqslY/.net
しずく (食べ物は冷めたら勿体無いので、私が代わりにいただきます)

モグモグ

しずく 「あれ? なんだ、ハンバーガー、あるじゃないですか。違う袋だけど」

モグモグ

しずく 「これだけモスだ……」

おわり

41: 2023/02/24(金) 17:59:44.89 ID:FFRqslY/.net
ありがとうございました!
第二弾は、機会があればまた書きたいと思います。

42: 2023/02/24(金) 18:02:28.25 ID:AOgHxt+H.net

面白かった

引用元: 【ss】虹ヶ咲コント 第一弾