1: ◆CB7w5rWLD6 2014/08/18(月) 21:00:54.63 ID:AvxI6rYB0



1週間前 501基地

リーネ「へぇ~うん、いいんじゃないでしょうか。サーニャちゃんきっと喜びますよ」

エイラ「でもナ~、ワタシそういうことって何すればいいかわからないんダヨ……だから協力してくれなイカ!?」

リーネ「えぇ、いいですよ。私も芳佳ちゃんにどんな催しモノをすればいいか、考えていたところですから」

エイラ「ありがとナ。それで、今年は今までサーニャが体験した誕生日とは全く別のパーティにしたいンダ」

リーネ「というと?」

エイラ「毎年違うと、去年はああだったな、とか。一昨年はこうだったな、なんて思い出に残りやすいじゃなイカ」

リーネ「それはまぁ……そうですね」

エイラ「ダロ? 一年で一番嬉しい日なんだから、ずーっと思い出に残ってて欲しいンダ。来年も10年後も」

リーネ「エイラさん」

エイラ「ン?」

リーネ「きっと残りますよ。みんなで作るんですから。だから、頑張ってステキな誕生日パーティーにしましょうね」

エイラ「おゥ!」



2: 2014/08/18(月) 21:02:52.71 ID:AvxI6rYB0



昼 501基地作戦室

エイラ「ということで、今年も皆協力してくれナイカ……?」

ミーナ「えぇ、もちろん」

美緒「任せておけ!」

バルクホルン「当たり前じゃないか。私達は家族なんだからな」

エーリカ「わぁーい、ケーキ! お菓子!」

シャーリー「みんなでやるのってやっぱり良いなぁ。あー、なんだか今から楽しみだなぁ。な、ルッキーニ!」

ルッキーニ「ウジュー! あたしも手伝うジュー!」

ペリーヌ「まぁ、少しくらいなら手伝ってさしあげてもよろしくてよ?」

リーネ「ふふっ、あんなこと言っちゃって」



3: 2014/08/18(月) 21:03:59.07 ID:AvxI6rYB0



エーリカ「それで主役のサーにゃんは今日の夜間哨戒のために寝てる、と」

ルッキーニ「同じく主役の芳佳は今掃除中~!」

美緒「しかし任せろとは言ったものの、そう目新しいモノは浮かんでこないな」

ミーナ「そうねぇ」

エイラ「いつもやってる誕生パーティーは盛り上がるけど目新しさは無いシ……」

リーネ「紅茶パーティーは……いつもどおりだし……」

ルッキーニ「ウジュー!! みんなで旅行に行くとか!」

バルクホルン「その間誰がココを守るんだ……」

エーリカ「でもー、みんなで旅行っての、行ってみたいな~」

エイラ「確かにナ。サーニャにもっと色んな世界を見せてあげたいゾ!」

リーネ「私も、芳佳ちゃんをブリタニアに連れていって紹介してあげたいな」

ペリーヌ「といわれましても……」




4: 2014/08/18(月) 21:06:34.97 ID:AvxI6rYB0



シャーリー「ふむ……。旅行、か……!!! なぁ、今回のテーマは“非日常”でどうだ?」

エイラ「非……」

リーネ「……日常?」

シャーリー「そうだ。非日常ってさ、エイラが言った、思い出に残りやすい行動だとは思わないか?」

ミーナ「そうね、良いテーマだと思うわ」

美緒「うむ、いいんじゃないか。アイツらもまだまだ若い、未体験なコトなんて山ほどあるだろうしな」

バルクホルン「ふん。一般人からしてみれば、私達の日常は非日常的なんだろうがな」

シャーリー「茶化すなよ」

バルクホルン「茶化してなどいない」

シャーリー「あー、分かった分かった。それでこれは私が昔ブラブラ旅行していた時のコトなんだけどな……」




5: 2014/08/18(月) 21:07:09.34 ID:AvxI6rYB0



数時間後

エイラ「ヨシ! 決まりダナ!」

ミーナ「えぇ、これくらいなら皆も協力してくれるでしょうね」

リーネ「ふふっ、楽しみです」

ルッキーニ「ウジュー! あたしもやってみたーい!」

シャーリー「あぁ、とびっきりのをいっぱい調達しといてやるよ!」

ペリーヌ「これから大変ですわね」

リーネ「ふふっ。ペリーヌさん、なんだか楽しそう」

ペリーヌ「なっ……! ま、まぁ……そうですわね、楽しみですわ」

エーリカ「珍しく素直でいてやんの~」ツンツン

ペリーヌ「もう!」

バルクホルン「しかしこの作戦、気づかれないように準備するとなると、相当難しいぞ」

坂本「私達は11人でストライクウィッチーズだが、9人でも2人を思えばそれくらいのチカラは出せるさ」

ミーナ「え? あ、えぇ……そうね、美緒」




6: 2014/08/18(月) 21:07:52.15 ID:AvxI6rYB0



8月18日誕生日パーティ当日 昼 501基地

ドーン! ガーン! ガシャーン!!

芳佳「なんか、スゴイ音聞こえませんか……?」

リーネ「そうかな? 私には何も聞こえないよ芳佳ちゃん」

サーニャ「でも、基地も少し揺れて……」

エイラ「サーニャ、それは気のせいだ」

芳佳「ん~。でも、こんな気持ちの良い天気でネウロイも出ないのに私達は掃除だなんて……」

リーネ「そうだね、芳佳ちゃん」

芳佳「みんな分のお布団も干したいなー」

サーニャ「はぁ、眠い……」

エイラ「サーニャ……じゃあちょっと休憩スルカー」

リーネ「私とエイラさんは他のところ見てくるから、芳佳ちゃんとサーニャちゃんはここで休んでてね」

芳佳「まだ私大丈夫だけd、」

エイラ「いいか、絶対ここから動くナヨ?」ズイッ

芳佳「は、はい……」




7: 2014/08/18(月) 21:08:31.05 ID:AvxI6rYB0



廊下

エイラ「ちょっと強引だったカナ」タッタッタッ

リーネ「まぁあれくらいでないと、芳佳ちゃんきっと手伝いにきちゃうから……」

エイラ「んじゃ、次はケーキダナ。リーネ、頼むゾ」

リーネ「はいっ。でも、エイラさんもちゃんと手伝ってくださいよ?」

エイラ「分かってるって。サーニャのためダカンナ、サンドウィッチだけじゃないところを見せてやるんダナ」

リーネ「そうですねっ」

エイラ「みんなの分もいっぱい作っておかないとナァ。きっとアイツら、美味すぎておかわりしちゃうんダナ!」

リーネ「うんとおいしいケーキ、作りましょうね!」



8: 2014/08/18(月) 21:09:12.15 ID:AvxI6rYB0



501基地 外

バルクホルン「設営隊のおかげで随分早く終わったな」

ミーナ「皆こういうのは新鮮みたいだから、気合が入っているのかも」

シャーリー「しっかし、よく皆手伝ってくれるよな」

ミーナ「楽しいのよ。あの子達の誕生パーティーっていうのもあるけど、お祭りごとってどこの人も好きなのね」

エーリカ「ねぇー、これどうやってハメるのー」

バルクホルン「こうやって、こうやるん……だ!」ガチャン!

エーリカ「んじゃ、次これー」

バルクホルン「お前な……」



9: 2014/08/18(月) 21:09:51.63 ID:AvxI6rYB0



501基地 海辺

ペリーヌ「こちらも準備OKですわ」

美緒「うむ、よくやった。あとは他の者に任せるだけでいいな」

ルッキーニ「ウジュー!」

ペリーヌ「こんな文化があるなんて、私知りませんでしたわ」

美緒「そうだろうなぁ。扶桑に伝わる古い行事みたいなモノでな、中々他の国に広めるのは難しいだろう」

ルッキーニ「早く見たい見たい! ウジュー!」

美緒「ルッキーニ、これは夜が一番なんだ。まぁ、楽しみにしていてくれ」

ペリーヌ「はいっ、少佐!!」

ルッキーニ「ウジュルァー!」




10: 2014/08/18(月) 21:10:27.37 ID:AvxI6rYB0



数時間後 501基地 夕方 浴場

エイラ「ふー! 気持ちよかったんダナ!」

サーニャ「皆で入るお風呂、楽しい……」

芳佳「そうだね! 最近はバラバラだったから私も楽しかったよ」

リーネ「私だって! でも、そろそろ私のカラダ触って遊ぶのは止めて欲しいです、エイラさん……」

エイラ「え、ナンだって?」

アハハー モォー エヘヘ

サーニャ「あ、あれ? 私の着替えが……」

芳佳「ホントだ、私のも無い! もしかしてまたルッキーニちゃんが……」

ルッキーニ「え、え? あ、アタシじゃないよぉー! ウジュー」




11: 2014/08/18(月) 21:11:06.25 ID:AvxI6rYB0



ミーナ「皆、こっちに着替えがあるからコレを着て頂戴」

サーニャ「ピンクに白の……布?」

芳佳「これって……」

美緒「宮藤は知っているだろうな。サーニャ、私が着付けてやるからこっちに来るんだ」

サーニャ「は、はい」

エイラ「むぅ……上手く着れないゾ……」ガサガサ

ペリーヌ「たぶん、これはこうして……こうですわ」

エイラ「おぉ! ペリーヌ、知ってるのカ! すごいゾ」

ペリーヌ「いいえ。でも服の乱れは規律の乱れ。これくらい淑女の嗜みの一つですわ」

リーネ「あ、あのペリーヌさん、私もお願いします……」プルンッ

ペリーヌ「いいですわ。はい、そこに立って……」




12: 2014/08/18(月) 21:11:57.48 ID:AvxI6rYB0



バルクホルン「うむ、この落ち着いた色合い、気に入ったぞ」

ミーナ「トゥルーデに似合うからって美緒がね」

エーリカ「動きづらい~、落ちる~」

シャーリー「こらこら、汚れるぞハルトマン。坂本少佐にやってもらえ」

ルッキーニ「キャッキャ」

シャーリー「ルッキーニも、せっかく着付けてもらったんだからあんまり動くなよ~?」

美緒「これで着替え終わったな。おぉ……皆似合ってるじゃないか。派手に動くと崩れるからゆっくり動けよ?」

ハーイ ハーイ

芳佳「でもどうして浴衣なんかを……」

美緒「ふふ。外に出れば分かるぞ」




13: 2014/08/18(月) 21:13:04.35 ID:AvxI6rYB0



501基地 夕方 外

ピーヒャラ~ ドンドン

サーニャ「外に、ランプみたいなものがぶら下がって……? お店もいっぱい……」

芳佳「町の人もいっぱい来てる! これって……」

エイラ&リーネ「夏祭り!」

サーニャ「夏祭り?」

エイラ「そうダ。扶桑の方ではな、この季節になると、こんなパーティーみたいなモノを開くらしいンダ」

リーネ「町の人が皆で集まって、夏の暑さを忘れて踊ったり、遊んだりするんだって」

シャーリー「皆で協力して仕入れたんだぞ~。大変だったけど楽しかったなぁ~あははは」

ミーナ「それと夏祭りのために今日一日だけ501基地を開放したのよ。どう? 人もいっぱいいるから雰囲気あるでしょう」

ミーナ「もちろん、必要以上のウィッチとの接触は避けるように伝えてはあるから安心して頂戴」

美緒「ふふ。やはり祭りは皆で楽しむものだ、我々だけでは味気ないからな」

ミーナ「まぁ、町の人へのお礼の意味も兼ねての開放だから、今回はちょうど良かったわ」

芳佳「でもどうして急に?」

エイラ「今日はサーニャとミヤフジの誕生日だろ? 特別な日にしたかったンダ」

ミーナ「エイラさんとリーネさんが率先して頑張ってくれたのよ?」

サーニャ「エイラ……」

芳佳「リーネちゃん……」




14: 2014/08/18(月) 21:13:37.65 ID:AvxI6rYB0



エイラ・リーネ・ペリーヌ・バルクホルン・エーリカ・シャーリー・ルッキーニ・ミーナ・美緒・私「お誕生日、おめでとう!!!」

サーニャ「嬉しい……ありがとうございます」

芳佳「あははは! すごく嬉しいです! ありがとうございます、皆さん!!」

ミーナ「いいのよ。私達も楽しみながら準備が出来たもの、これくらいなんてことはないわ」

美緒「さぁさぁ、まだ始まったばかりだ! 諸々は後にして、まずは扶桑の夏祭りを楽しんでくれ」

ルッキーニ「ウジュー! いっちばぁ~ん!!」ピューンッ

シャーリー「あっ、こらルッキーニ!」ダッ

ペリーヌ「もう、節操というものを……」

リーネ「どこから行けばいいんだろう」

芳佳「じゃあリーネちゃんとペリーヌさんは私が案内してあげる!」

エイラ「ワタシ達も行くカ」

サーニャ「えぇ、そうね」

エーリカ「いも! いもー!! と後お菓子!」ピューンッ

バルクホルン「ハルトマン……はぁ……まったく。主役を差し置いて浮かれおって……」




15: 2014/08/18(月) 21:14:26.62 ID:AvxI6rYB0



射的の屋台

バルクホルン「うぉおおおおおおおおおおおおおおおお!! 次こそ負けん!! もう一回勝負だ、ハルトマン!」

エーリカ「えー、まだやるのー?」

バルクホルン「今のはこの空気銃が悪いんだ。武器の整備もなっとらんようでは、」

エーリカ「あー、はいはい。お兄さん、もう一回おねがーい」

射的の整備兵A「ア、ドゾ……」

バルクホルン「くっ! なぜだ、なぜ当たらん! 先ほどは銃身が左曲がりだと思ったが、なぜ今度は右に……くっ!!」

エーリカ「それでいいのー? じゃあ次私の番ね」

バルクホルン「ふんっ、さっきのは偶然で、」

エーリカ「ばんばんばぁ~ん♪」ポトポトポトッ

エーリカ「はい、百発百中~!!」

バルクホルン「おかしい! ハルトマン、この銃でやってみろ。今度はさすがに、」

エーリカ「ばんばんばぁ~ん♪ はいっ、これでいい?」

バルクホルン「なぜだあああ!!! くっ……もう一回だ、ハルトマン!」スカッスカッスカッ

エーリカ「えー……お腹空いたよ、何か食べようよトゥルーデぇ……」

ナゼダアアアアアアアアアアアアアアア ナゼアタラン! コウナッタラMG42ヲ持ッテキテ……ガヤガヤ

エーリカ「あっ、じゃがバタ! おいしそう!」トテトテトテ




16: 2014/08/18(月) 21:15:50.29 ID:AvxI6rYB0



りんご飴の屋台&水風船釣りの屋台

りんご飴屋の料理兵A「ありがとうございました!」

ルッキーニ「ウジュー! りんご飴っておいしぃ~!」

シャーリー「あんまり急いで食べると歯が欠けるからなー、ゆっくり舐めるようにして食べろよ~」

ルッキーニ「アイアイサー! ん、ねぇねぇシャーリー! 見て見て、水に何か浮いてるよ!」

シャーリー「あぁ、あれは水風船って言ってな。……うん、実際に取ってみた方が早いな。お兄さん、一回お願い」

水風船釣りの整備兵B「了解! 発進、どうぞ!」

シャーリー「いいかい、ルッキーニ。このティッシュの先にある針で水風船を釣るんだ」

ルッキーニ「分かった! やってみるね!」シュッ ビリッ

シャーリー「あー……もっとゆっくり慎重に……こうやって……こうだ」ヒョイッ

ルッキーニ「わぁっ! すごいすごい! もっかい! もっかいやりたい!」

シャーリー「あぁ、いいぞ。ほら、次こそ仕留めるんだ!」

ルッキーニ「まずは狙いを付けて……ゆっくりと下ろして……一挙に真っ直ぐ……こう!」ヒュッ

シャーリー「おぉ!!」

ルッキーニ「わぁい! 取れたよシャーリー! えへへ~」

シャーリー「それで、指に水風船の先のゴムをくくりつけて……こうやって遊ぶんだ」バイーンバイーン

ルッキーニ「なにこれ、たのしー!!」キャッキャ バイーンバイーン




17: 2014/08/18(月) 21:16:57.13 ID:AvxI6rYB0



焼きそばの屋台

芳佳「あ、これ! 久しぶりに食べたかったんだ~。一つお願いします」

焼きそばの料理兵B「あいよ、紅しょうが山盛り~」

ペリーヌ「何ですの、この……茶色いパスタは」

リーネ「でも、なんだか良い匂い~」

芳佳「お祭りの定番の食べ物だよ。確かにこっちではソースなんて使わないから珍しいですよね」

ペリーヌ「でもどうして一つ? 三人いるのだから、三つではなくて?」

芳佳「甘い、甘いですよペリーヌさん。お祭りの屋台って、どれもおいしいんです」

ペリーヌ「は、はぁ……」

芳佳「だから三人で分けっこして、三倍他の料理も楽しむんです!」

リーネ「なるほど!」

芳佳「昔、扶桑でみっちゃんと行った夏祭りではしゃいで食べすぎちゃって、それで……あ……」

リーネ「みっちゃん? 誰かな? ねぇ、芳佳ちゃん」

芳佳「な、何でもない何でもない。それで、まぁこうして皆で分け合うことによって他の料理が楽しめるワケです」




18: 2014/08/18(月) 21:17:38.75 ID:AvxI6rYB0



ペリーヌ「それは理にかなっていますわね。でも、これは……」

芳佳「一口食べてみてください。きっとおいしいですよ」

ペリーヌ「うっ、そこまで言うなら……あー……む」オソルオソル

芳佳「どうです?」

ペリーヌ「あら、おいしいですわ! 少し野蛮な味がしますけれど、でもこれは……」モグモグ

芳佳「リーネちゃんも、はいっ」

リーネ(え、あれ……? 何で私だけアーンされてるんだろう。まぁいいや、好きだから)

リーネ「あーん……んっ、うん! 芳佳ちゃん……おいしいよ!」

芳佳「でしょ? えへへ。私も食べよーっと。あむ」モグモグ

ペリーヌ「……あら、もう無くなってしまったの?」

芳佳「そんなに好きになってくれたのなら、今度お昼で作りますから期待していてくださいね」

ペリーヌ「えぇ。……あら? あの子供が持っている……あれは……」

リーネ「何でしょうか、丸くて茶色くて……?」

芳佳「シャーリーさんはいないし、たぶん大丈夫だと思うんだけど、中にたこが入ってるお好み焼きみたいなものかな」

ペリーヌ「お好み焼きとは……」




19: 2014/08/18(月) 21:18:09.79 ID:AvxI6rYB0



芳佳「えーっと……あぁ、アレです。あれがお好み焼きで……一つください!」

お好み焼きの料理兵C「熱いうちにどうぞ!」

リーネ「これも初めてみる食べ物……」

芳佳「小麦粉とキャベツとお肉が基本で、後は好きなモノをいれていいんだよ。だから、お好み焼き」

ペリーヌ「へぇ、なかなかシャレていますわね」

芳佳「向こうにあったたこ焼きっていうのは、この基本系を丸めてお肉の代わりにタコを入れるの」

リーネ「同じような食べ物でも名前が一つ一つ違うんだね」

芳佳「うん。扶桑の別の地域では広島風お好み焼き、なんてモノもあってそれはさっきの焼きそばが入ってて……」

『私は広島に住んでいたこともあり、広島風お好み焼きがとても好きです』

ペリーヌ「い、今のは一体誰ですの……?」

リーネ「さ、さぁ……」

芳佳「屋台の人も言ってたけど、こういうのは熱いうちに食べるのがおいしいんだよ。さ、食べて」

ペリーヌ「はふはふ……もぐもぐ」

リーネ「んっ、これもおいしい! このソースっていうの、作ってみたいな」

芳佳「うん、いいよ。たぶんここでも作れると思うんだけど……あ、向こうに行こうよ! 今度はデザートがある!」タタタッ

リーネ「あ、待って芳佳ちゃん!」タタッ

ペリーヌ「ふふっ、二人ともはしゃいで……でも、こういうのも悪くありませんわね」タッ




20: 2014/08/18(月) 21:18:43.78 ID:AvxI6rYB0



焼き鳥屋台

ミーナ「上手くいったようね」

美緒「そのようだな。しかしよく上層部が許可したな、こんな行事を」モグモグ

ミーナ「少しからかっただけよ? ふふふ」

美緒「まったく、ミーナは怖いなぁ。味方で良かったよ」

ミーナ「あら、そうかしら。それにしても、この焼き鳥っていうの、おいしいわね」

美緒「だろう? 基本は鳥なんだが、豚肉や牛肉、果てはアジ串なんて派生もあるくらいメジャーな食べ物だ」

ミーナ「へぇ~。あら、これは……レバー?」

美緒「あー、それは好き嫌いが別れるが……まぁミーナは好きだろうな」

ミーナ「ふふっ、何よそれ」

美緒「はっはっは。……おっと、時間だ。もうすぐ始まるぞ。今回の目玉がな」

ミーナ「あの子達、集めなくてもいいの?」

美緒「思い思いの時間を過ごすのもいいだろう。皆見上げるのは同じ空なんだからな」

ミーナ「それもそうね」



21: 2014/08/18(月) 21:19:48.51 ID:AvxI6rYB0



お面屋台

エイラ「そう、もう少し左にズラして……おぉ! とっても似合ってるぞ、そのお面!」

サーニャ「これは……キツネ?」

エイラ「何でも扶桑では古くからキツネは霊的要素が高い生き物だったそうダ。それにちなんでキツネのお面が多いンダ」

サーニャ「確かに、これちょっと怖い……」

エイラ「そうカ? 似合ってるぞ……あの、その、浴衣も……」ボソボソ

サーニャ「なぁに? 何か言った?」

エイラ「に、似合ってるゾ! 浴衣!! //////」カァァァ

サーニャ「うん、聞こえてる」ニコッ

エイラ「~~~~~~~!!! ///////」

サーニャ「ありがとう、エイラ」

エイラ「あ、あぁ……まぁナ /////」

サーニャ「ふふっ♪」



22: 2014/08/18(月) 21:20:16.27 ID:AvxI6rYB0



エイラ「そ、そーだ! お腹もいっぱいになったし、アレ食べてみよう」ビッ

サーニャ「カキ氷?」

エイラ「一つクレ! 味は……オススメで」

カキ氷屋台の料理兵D「あいよー」

サーニャ「あ、青い……」

エイラ「これは……ブルーハワイっていうヤツかな? そこの写真と一緒だ」

サーニャ「私、青い食べ物って初めて」

エイラ「ワタシもダ。じゃあまずはワタシから……あー……む」

サーニャ「どう?」

エイラ「冷たいけど、おいしい……と思うんダナ、ウン」

サーニャ「私も……あむっ……ほんと、冷たい……うん、でもおいしいわ」

エイラ「冷たくてキモチがいいんダナ!!」

サーニャ「ほんと、涼しくて、でも頭が……」キーン



23: 2014/08/18(月) 21:20:48.45 ID:AvxI6rYB0



エイラ「なぁサーニャ。今日食べた中でどれが一番おいしかったンダ?」

サーニャ「どれも美味しくてまた食べたいけれど、今食べてるこの綿飴っていうの、とても美味しいわ」

エイラ「まだ大丈夫だろうけど、すぐに落ちるらしいから気をつけるんダゾ」

サーニャ「うんっ。あ、それとチョコバナナも好きだわ」

エイラ「そうか、じゃあ今度ミヤフジに作ってもらうカ」

サーニャ「ううん、皆で作ってみたい」

エイラ「……! そうか、じゃあ張り切って美味しいの作ってみるカ!」

サーニャ「ふふっ、そうね」

エイラ「ソウダ、もうすぐ時間か……あ、ちょっと待っててクレ。とっておきの飲み物買ってくるカラ」

サーニャ「私も一緒に……」

エイラ「いいんだ、主役はそこで休んでてクレ。ひとっ走りしてクル」ダッ



24: 2014/08/18(月) 21:22:06.60 ID:AvxI6rYB0



サーニャ「……」ポツン

サーニャ「あむっ」

サーニャ(綿飴……甘くておいしい……)

サーニャ「……」

サーニャ(明るいランプに照らされた501の基地。人もたくさんいて、なんだか別の世界に来たみたい)

サーニャ(楽しいな……こんなに楽しいこと、毎日あればいいのに……)

サーニャ「……?」ジッ

サーニャ(きょろきょろしてる女の子……はぐれちゃったのかな……)

サーニャ「どうしたの?」テクテクテク

女の子「お父さんと、お母さんが……ひっく、えっく……」

サーニャ(お父さんと、お母さん……)

サーニャ「そうなの……うん、私が一緒に探してあげる。だから泣かないで。……ね?」

女の子「うん……えぐっえぐっ……」

サーニャ「あの、少し食べちゃったけど、食べる?」

女の子「うん……あむっ……えぐっ……ん、おいしい……」

サーニャ「ふふっエライね。そんなに広くないからすぐ見つかるわ。手を繋いで、はぐれないように」




25: 2014/08/18(月) 21:22:47.60 ID:AvxI6rYB0



サーニャ「……」カランコロン

女の子「……」テクテクテク

サーニャ(どうしよう……こういう時、何を話せばいいのか分からない……)

女の子「れろれろ……ねぇ、お姉ちゃんは一人で来たの?」わたあめもぐもぐ

サーニャ「私? 私は……」

サーニャ(えーっと、えーっと……)

サーニャ「友達……だけどとっても大切な人と来たの」

女の子「ふぅん。この辺に住んでる人なの? お姉ちゃん、あまり見た事無いから」

サーニャ「そうよ、でも普段は会うことは無いかもしれないわ。あまり外に出ないから……」

女の子「外は楽しいよ? 今日なんて皆と遊んで笑って、それで今日ここに来て、はぐれちゃったけど、楽しいことがいっぱい!」

サーニャ「ふふっ、そうなんだ。……でも私は少し難しいの」

女の子「……寂しくない?」

サーニャ「どうして?」

女の子「だって、外にいけずに遊べないなんて、私だったら寂しくて我慢出来ないもん」

サーニャ「今はまだいいの。今はまだ。だって、私には“家族”がいてくれるもの」

女の子「……? でも、それなら寂しくないね!」

サーニャ「……うん」ニコッ



26: 2014/08/18(月) 21:27:59.35 ID:AvxI6rYB0



女の子「ねぇねぇ、お姉ちゃん。ここって軍人さんの基地なんでしょ?」テクテクテク

サーニャ「えぇ、そうよ」カランコロンカランコロン

女の子「ここの基地にすごく強いウィッチが11人も集められてるって知ってた?」

サーニャ「へぇ、そうなの。私、ちっとも知らなかったわ」

女の子「一人ひとりが国から選ばれた最強のウィッチなんだって!」

女の子「それでね、この間なんかこの近くに出現したネウロイを……」

サーニャ「ねぇ。どうしてそんなに詳しいの? この間のことなんか、まだ何も……」

女の子「お姉ちゃん、全然知らないんだね。町はウィッチの話で持ちきりだよ?」

サーニャ「えっ……?」

女の子「町も国も世界も守ってるんだもん。皆ここの人や世界で戦ってる人に感謝してるの」

サーニャ「そっかぁ。ふふ、そっか……」



27: 2014/08/18(月) 21:29:00.47 ID:AvxI6rYB0



女の子「私ね、大きくなったらウィッチになるの! そしつ?ってのが必要らしいんだけど、何とかなると思うの」

サーニャ「そう、エライね」ナデナデ

女の子「大きくなったら私も皆と一緒に戦って……」

サーニャ「でも、もしかしたらその時までには戦いは終わっているかもしれないわ」

女の子「?」

サーニャ「貴方も言ったように、ここには各国から強いウィッチが来てるもの。すぐに戦争なんて終わってしまうわ」

女の子「うん、そうだね!」

サーニャ「だから、貴方は貴方が本当にやりたいことを目指すといいわ。きっと、今戦ってるウィッチもそう思っているはずよ」

女の子「うん……」

サーニャ「だから、その代わり祈っていて欲しいの。皆が無事に帰ってきて、平和な世界が訪れるように。 ね?」

女の子「お姉ちゃん……うん、あたし分かった!」

サーニャ「きっと貴方みたいな子に祈ってもらえたら、皆もっと強くなって、ネウロイなんかすぐに全部倒しちゃうわ」

女の子「えへへ……」



28: 2014/08/18(月) 21:29:33.47 ID:AvxI6rYB0



女の子「あっ! あそこ、お父さんとお母さん!」

サーニャ「そう、良かったね。今度ははぐれちゃダメよ?」ニコッ

女の子「うんっ! じゃあねお姉ちゃん、ありがとう! またね」ペコリ

サーニャ「こちらこそありがとう。また、会えるといいね」フリフリ

女の子(良かったぁ……優しいお姉ちゃんで。また、会えるといいな……)テクテクテク

ガヤガヤガヤ……

エイラ「サーニャ!! ここにいたのか、良かっタ……」タッタッタッ

女の子(お姉ちゃんが言ってた、一緒に来た人ってあの人のことなのかな?)テクテクテク

女の子(あれ、今あの人サーニャって……)テクテクテク

女の子(あ! あの長い髪の人、どこかで見たことある……)テクテクテク

女の子(そういえば、さっきのお姉ちゃんもどこかで……)わたあめもぐもぐ

女の子(サーニャって名前……あの人達って、もしかして……あーーーー!!!)



29: 2014/08/18(月) 21:30:09.44 ID:AvxI6rYB0



サーニャ「ごめんね、少し歩いていたら迷っちゃって……」

エイラ「いや、私の方こそ……扶桑の美味しい飲み物でラムネっての探してきたんだけど、最後の一つでサァ……」

サーニャ「じゃあ二人で一緒に飲みましょう」

エイラ「え、あ、う……うん……//////」

エイラ(食べ物の共有は良いんだけど、飲み物の共有は、やっぱり恥ずかしいゾ……/////)


ヒュー……ドーーーン!! パチパチパチ……


サーニャ「っ!」ビクッ

エイラ「ぉ、始まったナ。サーニャ、見てごらん」

サーニャ「あれは……星弾?」

エイラ「アハハハ。違うゾ、照明弾なんかじゃない。扶桑に伝わる、花火ってヤツらしいゾ」


ヒュ~~~~……ドーーン!!! パチパチパチ……


サーニャ「花火……」

エイラ「あぁ、ソウダ」

サーニャ「キレイ……それにすごく大きな音……わぁ……あれもキレイ……」パァァァ


ヒュ~……ドォーーン!!! パチパチパチパチ……


シャーリー『ミヤフジは扶桑を思い出せて、サーニャは外国の文化に触れられる。良いと思わないか?』

エイラ(大成功だよ、シャーリー!!)



30: 2014/08/18(月) 21:30:43.08 ID:AvxI6rYB0



エイラ「喜んでくれたら、ワタシは嬉しいゾ。サーニャにこれを見せたかったンダカラ」

サーニャ「えぇ、とっても……!! ありがとう、エイラっ」

エイラ「うん。良かった、喜んでくれて。フフフ」

サーニャ「あっ! あれは土星のカタチ……あれはハートのカタチ!! すごい、すごいわエイラ!」

エイラ「ワタシも花火は初めて見たけど、こんなにキレイで、音も大きくて……扶桑って本当にすごいナ。かなわないヨ」

サーニャ「赤、緑、黄、どれも違う色。……まるで夜空の宝石みたい」

エイラ「宝石かぁ。なるほど、詩的ダナ」

サーニャ「ふふっ、キレイ……」ボーッ

エイラ「っと、もっとよく見えるところがあるンダ。そこに行コウ」ギュッ

サーニャ「そうなの? 私、もっと見たいわ!」ギュッ



31: 2014/08/18(月) 21:32:06.02 ID:AvxI6rYB0



501基地 滑走路

サーニャ「あっ……!」カランコロン

エイラ「なぁんだ、私達だけだと思っていたんだけどナァ」

芳佳「皆さん、考えることは一緒ですね。あはは」

ペリーヌ「エイラさんと私を一緒にしてもらっては困りますわ!!」

リーネ「ペリーヌさん、そういう意味じゃ……」

美緒「あの屋台の広場からは、一般人はこちらに来れないからな。まぁ、役得だろう」

ミーナ「こっちは真っ暗で、向こうは小さな明かりが揃ってひしめき合って……この景色もいいわね」

バルクホルン「喧騒を離れれば、また別の一面も見せるとはな。夏祭り、案外悪いものじゃないな」

エーリカ「悪いものじゃないって、トゥルーデ私よりはしゃいでたじゃん……」

シャーリー「まさかバルクホルンとルッキーニが水風船釣りで競い合うだなんて夢にも見なかったよ」

ルッキーニ「ウジュー! あたしはシャーリーのアドバイスがあったからね~! 勝って当然!」エッヘン




32: 2014/08/18(月) 21:32:47.41 ID:AvxI6rYB0



美緒「ほら、またあがるぞ」


ヒューーーー…………ドォォーーーーン!!!!!  バチバチバチバチ……


ミーナ「今のは大きかったわね。心臓まで響いたわ」

バルクホルン「ふむ、あれくらいの火薬の量だと、ネウロイに対して……」

エーリカ「あぁ、トゥルーデが雰囲気にあてられてオカシク……それとも正気に戻ったのかな?」

芳佳「たーまやー!! かーぎやー!!」

リーネ「突然どうしたの? 芳佳ちゃん」

芳佳「扶桑にはね、花火があがったらこうやって叫ぶ伝統があるんだよ」

ペリーヌ「どういう意味でして?」

芳佳「あー、あはは……分かんない……」

美緒「はっはっは。昔な、鍵屋という大きな花火屋があったんだ。いつしかのれん分け……まぁ店を独立させるという意味だ」

美緒「そののれん分けで出来たのが玉屋という花火屋でな。昔から花火が上がるたびに掛け声をかけていたんだ」

美緒「まぁ意味など無いのかもしれないが、そういう風習でな。これも一つの勉強だ、皆も叫ぶといい」




33: 2014/08/18(月) 21:33:50.21 ID:AvxI6rYB0



ヒュ~~~……ドォォーーン!! 

美緒・ミーナ・バルクホルン・エーリカ・シャーリー・ルッキーニ「た~~まや~~~!!!」

エイラ・サーニャ・芳佳・ペリーヌ・リーネ・私「か~~ぎや~~~!!!」

パチパチ……

芳佳「えへへ、気持ち良いね!」

リーネ「そうだね、芳佳ちゃん!」

ペリーヌ「素晴らしい文化ですわ、坂本少佐!!」

エイラ「どうだ、サーニャ。ここからだと近くてさっきよりも大きく見えるダロ?」

サーニャ「うん、とってもステキ……ふふふ。た~まや~!」

美緒「おっ、サーニャその調子だ! か~ぎや~!!」

バルクホルン・エーリカ・ミーナ「た~まや~~!」

ルッキーニ・シャーリー「か~ぎや~~!!」



34: 2014/08/18(月) 21:34:31.55 ID:AvxI6rYB0



ミーナ「皆、あまりはしゃぎすぎて疲れないようにね?」

リーネ「この後はスイカと、スイカを使ったケーキを用意してますからね」

芳佳「それは楽しみだなぁ~! スイカなんていつぶりだろう~」

美緒「スイカか。これまた随分とシャレたモノを調達したもんだ」

ルッキーニ「わぁい、ケーキ! ケーキ!」

エーリカ「ケーキ!! 待ってたんだぁ~。ねぇ、早く食べにいこうよぉ~」

バルクホルン「ハルトマン……お前は……」ガミガミクドクド

シャーリー「それを食べたら今度はテラスでコレだ!」ジャーン!

エイラ「アハハハハ。まったく、気が早いナァ~」

サーニャ「何? これ」スンスン

エイラ「ハハハ、きっと分からないゾ」

サーニャ「火薬の匂い……新しい武器?」

エイラ「あぁ、いや……違うゾ……あの花火を小さくして手持ちにしたモノダ」

シャーリー「たくさん用意したからな! みんなでめいっぱい遊ぼう!!」

ミーナ「その後は、お待ちかねのプレゼント渡しね」

リーネ「私、芳佳ちゃんのために頑張って作ったの! 気に入ってくれるかな……」

芳佳「もちろん! リーネちゃんの手作り、楽しみだなぁ~」

エーリカ「にししっ……、エイラなんかサーにゃんのために大金はたいて、」

サーニャ「そうなの?」

エイラ「ワァァァ~! 言うなヨ! オィィー! ハルトマン!」

サーニャ「ふふ、あははっ」ニコッ






テテテテンッ デデデンッ!           つづく




35: 2014/08/18(月) 21:35:51.51 ID:AvxI6rYB0



オワリナンダナ
読んでくれた方、ありがとうございました。

お久しぶりです。この時まで書いては溜めていました。これから放出していきます。
そろそろ誰かアヘる時が来たようですね。



引用元: エイラ「あのナ、サーニャの誕生パーティーを開きたいんダナ」