卯月「何か…問題でも？」

武内Ｐ「アルバムの売り上げが我々にとって想定外の枚数となったため、上の方で新たな宣伝企画が立ち上がりました」

かな子「え……？そんな……」

智絵里「前のライブ満員だったのに……」

蘭子「原罪は何処に！？（一体、何が悪かったんでしょうか？）」

武内Ｐ「いえ……。予想外というのは悪い意味ではなく、良い意味で、です」

武内Ｐ「アルバムの売り上げが我々の想定を大きく上回り、そのことが部長会議で話題になったのですが……」

アイドル達「「「ですが？」」」

武内Ｐ「『もっと宣伝すれば、もっと売れるのではないか？』という話になり、新しい宣伝企画が私の力の及ばないところで決定してしまいました」

未央「良かったぁ～」

李衣菜「本気で焦った」

杏「杏の印税生活は守られた！」

アナスタシア「Я был удивлен,…驚きました。ＣＤ、たくさん、売れたのですね」

卯月「で、その宣伝企画って、何やるんですか？」

武内Ｐ「……」

ちひろ「プロデューサーさん」

武内Ｐ「全国行脚です？」

アイドル達「「「はい？」」」

武内Ｐ「みなさんに全国を回ってもらい、直接ＣＤを宣伝してもらおうという企画です」

ちひろ「ちなみに企画名は『シンデレラプロジェクト・ファーストアルバム大ヒット記念！あなたの街にアイドルが！』だそうです。今西部長が名付けました」

みく「あ…ありのまま、今起こった事を話すにゃ！

『みく達は、売れっ子アイドルになっていたと思ったら、

売れない芸人みたいな仕事を企画された』

にゃ…何を言っているのか、わからないと思うが、

みくも何をされたのかわからなかったにゃ…

頭がどうにかなりそうだったにゃ…カフェ占拠だとかアイドル辞める宣言だとか

そんなチャチなもんじゃあ　断じてにゃい

もっと恐ろしいものの片鱗を　味わったにゃ…」

みりあ「なにそれ！面白そーう！」

杏「めんどくさい。きらりがやったら？目立つし」

きらり「その時は杏ちゃんも一緒だにぃ♪」ﾀﾞｷｯ

杏「やっぱり、きらりと杏以外で」

美波「少し前ならともかく、今はみんなそれぞれの仕事がありますし…」

武内Ｐ「はい。その件についてです。こちらでもスケジュールを確認したところ、都合のつけられる方が一名いましたので、彼女に全て任せようと考えています」

武内Ｐ「本田さん」

未央「ああ……。まぁ、そんな感じだとは思ってた」

凛「ちょっと待って！未央も今は売れっ子でしょ！？そんな全国行脚する暇なんて」

未央「いやぁ～、それが色々と不幸が重なって、1ヶ月ぐらいポッカリと予定が空いちゃってね。すっごく暇になっちゃったんだ」

凛「」

卯月「え？でもバラエティのレギュラーが決まったって、言ってなかった？」

未央「ああ、その番組、司会者が逮捕されちゃって番組は自粛。多分このまま打ち切りコースだと思う」

李衣菜「そういえば、ソロでＣＤ出すって聞いてたけど」

未央「昨日で全部収録済み。奇跡の一発ＯＫ連発だったよ」

智絵里「あの……私と共演する学園の撮影は？」

未央「元々、そんなに出番の多い役じゃないから、私の分の撮影は全部終わっちゃった」

かな子「ポジティブパッションの仕事は…」

未央「番組の企画で日野っちがオールブラックスとガチでラグビーしたんだけど、そのままメンバー入りして、強化合宿に参加しちゃった…」

未央「あーちゃんはもうゆるふわ過ぎて私達とは違う時間軸を生きてるし…」

きらり「映画に出るって聞いたにぃ！」

未央「映画は……映画の製作プロデューサーが制作費を持ち逃げしちゃって」

蘭子「限られた刻の宣告者になると聞いたが！？（ＣＭのオファーが来たと聞いたんですけど！）」

未央「オファーを受けた分は、ほとんど終わったし。映画の撮影も見越して仕事は少な目に取ってたから…」

李衣菜「なんか凄くロックな目に遭ったんだな」

未央「碌な目に遭ってないだけに？」















未央・李衣菜「ＨＡＨＡＨＡＨＡＨＡＨＡ！」

凛「なにその茶番劇」

武内Ｐ「それでは、宣伝企画は本田さんに一任するということで宜しいでしょうか？」

卯月「まぁ…未央ちゃんがそれでいいのなら…」

凛「仕方ないかな」



ＣＰメンバー解散後



未央「でもＣＤ販促の全国行脚って何をすればいいんだろう？」

武内Ｐ「こういうのは“地道な努力”が大切なんです」

未央「うっ…。その言葉を聞くと胸が痛い。やっぱり、初ライブのこと怒ってる？」

武内Ｐ「いえ。そんなことは毛ほどにも思っていないでござる」

未央「いや、絶対怒ってるじゃん！だって口調がおかしいもん！」

武内Ｐ「1ヶ月もありますから、“辞めず”に“継続”して、“下から積み上げて”いきましょう」

未央「やっぱり許してないやい！」

武内Ｐ「くれぐれもショッピングモールでライブして、お客さんを集めてお店の営業を妨害しないようにお願いします」

未央「」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

翌日　渋谷

未央「地道にって…どうすれば、いいんだろう？とりあえず10枚ぐらい持ってきたけど…」

未央「ゲリラライブとか？あ、でもそういうのって届出とか出さないとまずいのかな？」

未央「あれ？あそこにいるの、菜々さん？」



チャラ男Ａ「なぁ、ちょっとお茶にしようぜ」

菜々「す、すいません。ナナは用事があるので」ｶﾞｸﾌﾞﾙ

チャラ男Ｂ「まぁまぁ。そんな冷たいこと言うなよ」

チャラ男Ａ「そうそう。ここで会ったのも何かの縁って奴だぜ」

チャラ男Ｂ「ちょっと付き合うだけだからさ」ｸﾞｲｯ

菜々「嫌！離して！」

チャラ男Ａ「おら！暴れんなよ！」

チャラ男Ｂ「こりゃ骨が折れそうだな！」

未央「さっさとハイエースに積み混んじまおうぜ！」



ﾌﾞﾛﾛﾛﾛﾛﾛﾛ････････



（中略）


未央「お買い上げ、ありがとうございましたー！」

チャラ男Ａ「いやぁ、ＣＰ（シンデレラプロジェクト）のアルバム買えて良かっぜ」ｽﾀｽﾀ

チャラ男Ｂ「ああ。どこのショップ行っても売り切れだったからな」ｽﾀｽﾀ

菜々（何があった……？）

菜々（あの（中略）の間に何があった！）

秋葉原

絵売り「いやぁ。この絵が気に入ったのですか。実にお目が高い！この絵はかの有名な――」

男（ああ。やばいなぁ。俺、こういうのに弱いんだよなぁ……。どうしよう）

絵売り「この作品はですね。ここの塗り方に特徴がありまして――」

（1時間後）

未央「お買い上げ！ありがとうございましたー！」

男（結局、ＣＤ買っちゃったな～。アイドルあんまり興味ないけど、聞いてみるか）

絵売り（あ、ありのまま今起こったことを話すぜ！
『絵を売りつけていたと思ったら、いつの間にかアイドルのＣＤを売っていた』
何を言っているか（以下略））

日本最後の秘境　グンマー県

県民「ｸﾞﾝﾏｰ!ｸﾞﾝﾏｰ!」

未央「ｸﾞﾝﾏｰ!ｸﾞﾝﾏｰ!ｸﾞﾝﾏｰ!」

県民「ｸﾞﾝﾏｰ?」

未央「ｸﾞﾝﾏｰ!」




















未央「まさか一気に300枚も買ってもらえるなんて」

カニが美味しいオホーツク海

ロシアンマフィア「例のブツは持って来たか！？」

未央「勿論あるよー！ちゃんとお金持って来たー！？」

マフィア「ああ！当然だ！日本円にするのに少し手間取ったがな！船をくっつけるぞ！」

未央「りょーかーい！」



マフィア「確かにＣＰのファーストアルバム、8000枚。全部オリジナルだ」

未央「こっちもちゃんとお金を受け取ったよ」

マフィア「これで祖国のアーニャファンを喜ばせられる。ありがとう」

マフィア「トウキョウに戻って、アーニャに会ったら、宜しく伝えておいてくれ」

未央「良いよ。あ、オマケでこのアーニャの水着タペストリーもつけてあげる」

マフィア「本当か！？こいつは家宝もんだ！今日はウォッカが美味い日になりそうだ！」

沖縄

未央（やっぱり、ここに来たらソーキソバだよね）ｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞ･････

未央（北は北海道から南は沖縄まで、全国行脚してＣＤの契約取って来たけど、累計でどれくらいなったんだろう？）

スマホ＜ミツボシ☆☆★→パッてはじけて♪飛び乗って♪流星♪

未央「はい。本田です」

『ＨＥＹ！ミオ！例のＣＤなんだけど、基地の奴らが気に入っちゃってさ！追加で1000枚ほど頼むぜ！』

未央「オーケーオーケー！また東京から送ってもらうよ！今、食事中だからまたあとでね！」

スマホ＜ミツボシ☆☆★→パッてはじけて♪飛び乗って♪流星♪

未央「もしもし」

武内Ｐ『本田さんですか？そろそろ宣伝期間が終わりますので、東京に戻ってきてください』

未央「分かりました。あと1000枚ほど契約取れたのでこっちにお願いします」

武内Ｐ『』

東京　346プロ

未央「ん～」ﾉﾋﾞｰｯ

未央「1ヶ月も戻ってないと、凄く懐かしい気分になるね～」

未央「みんなは…仕事で忙しいかな」

未央「本田未央！ただいま戻りま――――」

ﾊﾟﾝ!ﾊﾟﾝ!ﾊﾟﾝ!ﾊﾟｰﾝ!

「「「「おかえりー！」」」

卯月「凄いよ！未央ちゃん！100万枚だってよ！100万枚！」

杏「夢の印税生活だー！」

智絵里「全然、実感が湧きませんが…その…」

李衣菜「もうこれはロックというか、ロック以上の存在というか」

アナスタシア「ファンレター、たくさん、もらいました」

未央「え？なにこれ？ドッキリ？そういうの？」

武内Ｐ「いえ、違います」

未央「プロ―――――――――ブフォｗｗｗｗ

武内Ｐ「どうか、しましたか？」

未央「いや、だってｗｗｗｗそんな真顔でミッ○ーマウスの耳つけてたら誰だって笑うよｗｗｗｗ」

武内Ｐ「申し訳、ありません。パーティグッズを持ち合わせていませんでしたので。これは小学生の頃に買ってもらったものです」

未央「物持ち良過ぎｗｗｗｗ」

武内Ｐ「家族旅行、いえ、親にものを買ってもらったのは……これが最初で最後でした」

未央「あ、笑ってごめんなさい」

未央「で、これどういうパーティ？100万枚とか言ってるけど」

武内Ｐ「はい。本田さんの宣伝のおかげで、ＣＰのファーストアルバムの売り上げ枚数が100万枚を突破しました」

未央「マジで！？」

武内Ｐ「はい。マジです」

武内Ｐ「参考にしますとレリゴーで有名な某映画のオリジナルサウンドトラックと同じくらいです」

未央「レリゴーと同レベルって……」

ちひろ「プロデューサーさん。少しいいですか？」

武内Ｐ「分かりました。本田さん。それではパーティを楽しんでください」

未央「はい！」

武内Ｐ「それで、何でしょうか？」

ちひろ「はい。先程、重役会議が終わりまして、未央ちゃんの処遇について、最終的な決定が下されました」

武内Ｐ「では……」

ちひろ「はい。未央ちゃんは――――――」







数か月後

未央「えーっと、今日は○×テレビのフリルドスクエアの売り込み」

未央「バレンタイン反省会（瞳子、留美、美優）の宣伝企画書も提出しないと」

スマホ＜ミツボシ☆☆★→パッてはじけて♪飛び乗って♪流星♪

未央「はい、本田です。ええ。分かりました。スタドリ追加1000本ですね。エナドリもどうですか？……じゃあ、500本追加で。はい。ありがとうございます！」ﾋﾟｯ





未央「…」





未央「…」





未央「…」





未央「…」





未央「あれ？どうして346プロに入ったんだっけ？」









おわり



 

乙、面白かった
人間どんな才能があるかわからないよね

乙