1: 2015/03/03(火) 15:32:19.34 ID:b1OSOFGM00303.net
美少女「こんにちは」

俺「まさか女体化……えっ」

美少女「こんにちは」

俺「あっ……はい」

美少女「……女体化じゃなくて残念でしたね」

俺「いや、別に期待なんてしてないから……」

美少女「そうですか。まあそれはそうと、ここから出してくださいよ」

俺「え、出たいんですか?」

美少女「当り前ですよ、元々そっち側に居たんですから」

俺「あ、そうなんですか。てっきり鏡の国の住人なのかと思ってました」

美少女「鏡の国って……メルヘンなんですね」

俺「そんなんじゃないっすよ。ただ口リコンが高じて少女趣味になっただけで」

5: 2015/03/03(火) 15:34:55.74 ID:b1OSOFGM00303.net
俺「それで、なんで鏡の中に入っちゃったんですか?こっちに居た時は何処に住んでたんですか?」

美少女「原因は分かりません。気が付いたらいました」

俺「ほうほう」

美少女「そっちでは普通に都内住みでしたよ」

俺「へえ」

美少女「ここはどこなんですか?」

俺「奈良です」

美少女「大仏かよ」チッ

俺「あ?」

美少女「いえなんでも」ニコッ

8: 2015/03/03(火) 15:39:35.29 ID:b1OSOFGM00303.net
俺「まあそんで、何の因果かあなたは都内から鏡経由で奈良の俺宅に辿り着いたわけですよね」

美少女「まあそうですね」

俺「そこでですね、俺は思うわけですよ」

美少女「なんですか?」

俺「これは俺とあなたが結ばれる運命なのではないかと」

美少女「嫌ですよ」

俺「たはっ、手厳しい」

美少女「あなたと付き合うぐらいなら氏んだ方がましです。鏡見てから言ってください」

俺「……美少女が見えますけど」ジー

美少女「ふふん、可愛いでしょう?崇めてもいいですよ」

俺「いや、鏡を崇拝するほどメルヘンに浸かっちゃいないんで。謹んで遠慮します」

10: 2015/03/03(火) 15:43:23.19 ID:b1OSOFGM00303.net
美少女「とかこんなこと話してる暇はないんですよ。いいからここから出る方法を考えてください」

俺「へいへいほー、了解っす。とはいえ、まず原因が分からない限りはどうしようもなくないですか?」

美少女「そうですね。じゃあ原因を探ってください」

俺「あなたは探らないんですか?」

美少女「いや、あなたが鏡の前に立ってると私も動けないんですよ」

俺「あ、そういうシステムなんですね。すんません」スッ

美少女「どーも。それじゃあ探してきます」

俺「あいよ。こっちでそれっぽいの見つけたら鏡使って呼び出しますね」

美少女「はい」

12: 2015/03/03(火) 15:45:09.10 ID:b1OSOFGM00303.net
俺「……」

俺「……」

「お兄ちゃーん、どうしたの?」

俺「ああいや、また鏡に囚われた人間がやって来たんだよ」

「……ふーん、そうなんだ」

俺「……」

「まあ、いいんじゃない?お兄ちゃんがどうしようとも、私は何もできないし」

俺「……そうだな」

15: 2015/03/03(火) 15:48:41.45 ID:b1OSOFGM00303.net
数分後

俺「おーい」スッ

美少女「うわっ!急に引っ張り出さないでくださいよ」ギュンッ

俺「サーセン。んで、こんなもんが見つかったんですけど」

美少女「……何ですかこれは?」

俺「左右反転しない鏡です」

美少女「……それで?」

俺「なんかキーアイテムっぽくないですか?」

美少女「よくわかんないですけど、珍しいですね。どこにあったんですか?」

俺「鍋敷きとして使われてました」

美少女「……」

16: 2015/03/03(火) 15:50:47.32 ID:b1OSOFGM00303.net
俺「じゃあ、一回これで合わせ鏡してみましょうか」

美少女「はい」

俺「よっ」

美少女「……」

美少女「あれ?」

美少女「何だろうこの感覚……」

美少女「なんか、もやもや、くらくら、ふわふわ、わんわん、ひよひよ……」

美少女「ア……ア……」グヨーン

美少女「アアア……?」



俺「……」

18: 2015/03/03(火) 15:53:52.27 ID:b1OSOFGM00303.net
ガチャ

俺「ふうっ……よいしょと」

ゴトン

「お兄ちゃん、今度はどんな人?」

俺「ああ、ちょっと毒舌な子だよ」

「そうなんだ。お兄ちゃん強気な子って嫌いじゃなかったっけ?」

俺「嫌いではないさ。ただちょっと気圧されるってだけで」

「ふーん。まあいいや、よろしくね?」

美少女「…………」

「あれ、まだ喋られないかぁ」

美少女「…………」

俺「まあ、仲良くしてやってくれ。皆にも早く馴染めるようにな」

「はーい、分かってるよ。いつものことだもんね」

20: 2015/03/03(火) 15:56:08.98 ID:b1OSOFGM00303.net
俺「……佐織」

佐織「あら、こんにちは。どうしたの?」

俺「いや、1年ぶりに君の顔が見たくてね」

佐織「……分かってるわ。今回は私が『割られる』番なのね」

俺「……」

佐織「だって1年間、あなたの動きを追い続けていたんだもの。それぐらい分かるわ」

俺「そうか。それならまあ、話が早い」

俺「じゃあな」

佐織「ええ」


ガシャーン

21: 2015/03/03(火) 15:59:48.94 ID:b1OSOFGM00303.net
俺「ふう、やっぱりあんまり多くの鏡を置くことはできないな……」

恵理奈「あんたが移り気すぎるのが悪いんでしょ?」

俺「……そうかもな」

恵理奈「佐織だって、その前の美香だって。みんな割られたくなんてなかったはずよ?」

俺「そういうものなのか?」

恵理奈「そういうものなの。あなただって、氏にたくはないでしょう?」

俺「うーん……いや、別に」

恵理奈「やっぱり、あんたって変わってるわ。いや、狂ってる」

俺「そんなふうに言ってくれるのはお前だけだよ……」

俺「だからお前だけは捨てられない」

恵理奈「……まあ」

恵理奈「そんなあんたを好きになったあたしも、狂ってるのかもしれないわね」

俺「ふふっ、そうかもな」

22: 2015/03/03(火) 16:01:39.15 ID:b1OSOFGM00303.net
おわり

引用元: 俺「え……誰この鏡に映る美少女!?」