果林さんとか！

璃奈「わぁ、#みんなと繋がりたい って打ったらたくさんDM来た」

璃奈「この中から釣れそうな人は...」


卵アイコン「ハァイ、私の子猫ちゃん。寂しいなら私が相手してあげるわよ」


璃奈「...ぷっw」

璃奈「この人にしよw」

璃奈「一人目だから、直球ストレートがいいよね」



璃奈「うん、好き、繋がりたい！」ポチポチ

璃奈「実際に会って色々話したいから、会お？」ポチポチ

璃奈「送信っと！」

果林「はぁ...今日も虚しい毎日ね」

果林「SNSで可愛い好みの女の子の写真でも漁って心を満たしましょ」

果林「うふふ、この子とか好みね...」スマホスッ

果林「ん？」

果林「ちょっと待って...この写真」

果林「めちゃくちゃストライクなのだけど、どうしましょ」

果林「...#みんなと繋がりたい...ゴクリ」

果林「そうだわっ、よしっ」カキカキ



「ハァイ、私の子猫ちゃん」

卵アイコン「本当！？嬉しいわ」

卵アイコン「私、東京なの」

卵アイコン「今すぐ会ってくれるのね」


璃奈「うわっ、返信すごく早い」

璃奈「東京住みかぁ」

璃奈「安曇追分駅の終電はお昼ごろだから、釣り甲斐があるね」

璃奈「なんて返そうかな？」



璃奈アカウント「会ってくれるの？嬉しいな」

璃奈アカウント「会ったら、いろんなお話しようね」

卵アイコン「今すぐ会うべきよ」

卵アイコン「会えるならどこでも行くわ！」



璃奈「わあ、すごく積極性のある人みたい」

璃奈「うまく安曇追分駅に誘導できそう」



璃奈アカウント「会ってくれるのは嬉しいな」

璃奈アカウント「でもね問題があるの」

璃奈アカウント「下3が問題なの」

お金がない

璃奈アカウント「でもね、お金がないの」

璃奈アカウント「私、お小遣い月3000円しか貰ってなくて」

璃奈アカウント「そんな遠くまではいけないんだ」


璃奈「よしっ、それっぽい理由出来た」

璃奈「でも釣り針大きすぎたかな？」


卵アイコン「ちなみに、どこ？」

璃奈アカウント「長野」

卵アイコン「長野！？」

璃奈アカウント「うん。私の家、田舎なの」





璃奈「流石にバレちゃったかな？」

～side果林～

果林「長野！？」

果林「長野って、どこ？」

果林「hay Siri 長野県ってどこ？」

Siri「長野県は、日本にあります」

果林「へぇ、日本にあるのね、Siriは何でも知っててすごいわ！」

果林「同じ日本なら、近いはずよ」

果林「長野....さらに調べたら、松本駅って所を目指せばいいのね」

果林「まずは電車に乗りましょう」

果林「ふむふむ」

果林「難しいわね。でも来たのに乗れば大丈夫だと思うわ」

果林「会うのが楽しみね。会ったらそのまま...恋に...うふふ」

璃奈「わっ、返信きた。電車乗っただって」

璃奈「私、具体的な場所指定してないのに大丈夫なのかな？」

璃奈「これ、逆に釣られてるかも？」

璃奈「でもまあいいや。私、電車乗る気ないし」



卵アイコン「今青海って所目指してる！」



璃奈「わっ、写真付きで来た」

璃奈「青海って、お台場だよね」

璃奈「青梅行きの間違いじゃないかな？」

璃奈「この人、地理大丈夫なのかな...？」

璃奈「心配だけど、行動力はある人みたいだから、もうちょっと餌あげて本気にさせちゃお」

璃奈「ちょっと過激な自撮り」パシャっ

璃奈「送信っと」

～Side果林～

ピコン

果林「何かしら...？」

果林「えっ、ちょっと待って！これは！」


璃奈の太ももとニーソの写真


果林「この子...本気ね」

果林「益々会うのが楽しみになってきたわ」


電車「まもなく～」

果林「確かこの駅で乗り換えだったわよね」

果林「待っててね、私の子猫ちゃん」


果林がついた駅下2

青梅

もう迷ってて草

卵アイコン「子猫ちゃん、ついたわよ」


璃奈「早っ！もう長野に着いたの？」

璃奈「確認しよ...って」

璃奈「青梅。とっても青梅駅」

璃奈「違う、そこじゃない。私が放置したい場所は、長野の安曇追分駅」

璃奈「そこは、まだ、東京」

璃奈「というか、具体的な住所を相手に伝えるの忘れてた」

璃奈「これは、私の落ち度。早まりすぎた」

璃奈「私はそこに住んでないよ、安曇追分駅が最寄りだよっと」

璃奈「送信」

果林「あんうんおうぶん？」

果林「そこに行けばいいのね」

果林「OK Google あんうんおうぶん駅ってどこかしら？」

Google「すみません、よく聞き取れませんでした」

果林「なんでかしらね、読み方違うのかしら？」

果林「DMコピペしてっと」

果林「へぇ、あづ(ず)みおいわけって読むのね。初めて知ったわ」

果林「今、山梨ぐらいでしょ？」

果林「山梨と長野って、確か隣だったわよね」

果林「ここから近いはずよ」

果林「歩いて行きましょう」

ピヨピヨ...

果林「よくわからないけど山道来ちゃったわね」

果林「でも長野って田舎だってあの子も言ってたわ」

果林「多分このまま進めばあの子に会えるのよ」

果林「あら、この道、二股になってるわ」

果林「わからないわね。電波も悪いわ」

果林「うーん、こんな時は」

果林「枝」

果林「これを上へ投げて、倒れた方向に進みましょう」


下2コンマ偶数なら遭難　奇数なら青梅駅に戻る

うん

璃奈「さっきの人から全然メッセージが来なくなっちゃった」

璃奈「やっぱり釣られてたのかなぁ？」

璃奈「確認でもう一回DM送ってみよ」


璃奈アカウント「今どこ？安曇追分駅ってわかる？」



ピコン！

果林「あら、新しい通知がきたわ」

果林「ようやく電波の届く場所に来たのね」

果林「という事は、子猫ちゃんのお家が近いのね」

果林「自撮りも入れて、気づいてもらえる様写真送りましょ」

パシャリ

果林「もうすぐ会えるわよ、学校の制服着てるから、気づくはず」

果林「送信」

璃奈「？？？」

璃奈「どこ？」

璃奈「森の中？」

璃奈「私、疲れてるのかな？制服も、虹ヶ咲のに見える」

璃奈「しかも三年生」

ショボショボ　
お目目ゴシゴシ

璃奈「もう一回みよう」

璃奈「？」

璃奈「やっぱり、私とおんなじニジガクの」

璃奈「？？？」

璃奈「もしかしてもしなくても、大変な事かもしれない」




璃奈アカウント「ねえ、もっと周囲の写真送って」

卵アイコン「いいわよ」

卵アイコン「そんなに私に会いたいのね」

卵アイコン「ここって長野よね？」


果林さんと大自然の写真「パシャリ」

璃奈「」

璃奈「か、果林さん！？」

璃奈「出会い厨の中身が果林さんだったなんて！」

璃奈「って事は今はどうでもいい！果林さんを誘導して、早く安全なところに避難させないと！」

璃奈「周囲の状況がわかるもの、何か！」


璃奈アカウント「もっと特徴的なもの送って」

卵アイコン「これかしら？」果林の胸元の三連星


璃奈「ってちがーう！」

璃奈「脱いでる場合じゃない！」

璃奈「まずい、早くしないと日が暮れちゃう」

果林「全然民家が見えないわね」

果林「だけど星がとっても綺麗」

果林「あの子にも送ってあげましょう」パシャっ


卵アイコン「星がとっても綺麗」

卵アイコン「あなたみたいね」


璃奈「どうしよ、どうしよ」

璃奈「確か果林さんにはGPSつけてたけど、昔の奴だから精度が低い」

璃奈「って言ってるうちに果林さんは移動しちゃうし...」

璃奈「何か絶対的なもの」

璃奈「定点から見て、ほとんど位置の変わらないもの...」

璃奈「角度...あっ、そういえば、今の写真！」

璃奈「電車じゃ無理だけど、璃奈ちゃんスーツを使えば、いけるかもしれない」

果林「足りないわぁ～」♪

果林「こうやって夜の山道を歩くのって初めてね」

果林「ちょっぴり怖いけど、あの子に会えるんですもの」

果林「楽しさもあるわ」


ガサガサ


果林「何かしら？」

ガサガサ

果林「あら、もしかして...あの子？」

ガサガサ

果林「恥ずかしがらなくてもいいのよ」

がざっ

クマ「ぎゃおー！！」

果林「へっ？クマ！？」

クマ「ぎゃおー！」

果林「きゃ！」


ドゴ！バシン！

果林「へっ？」

宙に浮かぶ璃奈ちゃんスーツ「間に合った」

果林「な...に？」

璃奈ちゃんスーツ「果林さん、釣ってごめんなさい。安曇追分駅に誘導しようとしてごめんなさい」

果林「へ？」

璃奈ちゃんスーツ「今、クマ撃退したから、一緒に帰りましょう」

果林「璃奈ちゃんなの？」

果林「それに、安曇追分って、へ？」

果林「もしかして...自撮り送ってきたの、璃奈ちゃん？」

璃奈「うん」

璃奈「騙してごめんなさい。危険な目にも遭わせて、ごめんなさい」

璃奈「最初は、ちょっと揶揄うつもりで」

果林「ううん。私も、みっともない真似してたわ」

果林「帰りましょ？」

璃奈「うん」

空を飛ぶ璃奈ちゃんスーツ「ひゅーっ」

それに抱えられる果林さん「少し寒いわね」

果林「それにしても、どうやって私の位置がわかったの？」

璃奈「さっき送られてきた写真。星が写ってた」

璃奈「星の位置はほとんど変わらない。これを逆算すると、地球上での位置がわかる」

果林「？」

果林「何だか理解できないけど、璃奈ちゃんはすごいのね」

璃奈「果林さん」

果林「なあに？」

璃奈「私、今まで果林さんと深く話した事、あんまり無かったなって」

璃奈「一番最初に送ったDM、覚えてますか？」

璃奈「実際に会えた。だから、いっぱい、いっぱいお話しましょ？」

果林「いいわよ」

果林「まずはね...そうね....」



おしまい

ハッピーエンドね

ハッピーエンドだな