732: ◆ywkhR7Exfw  2011/06/20(月) 05:18:39.27 ID:x4sNNuuxo

##「にねんごのふゆのごご?」

かふぇてりあ!

律「……ほんで、唯の具合は?」もぐもぐ

梓「食べるかしゃべるかどっちかにしてください。みっともない」

律「るへー、時間のせつやk・・・ごふぉっけほっ」

梓「だーからのど詰まらせるんですよ。はい」

律「けふっ・・・サンキュ・・・」ごくごく

梓「たぶん、今日一日休めば大丈夫ですよ。休んでくれればの話ですけど」

律「はは、なんだかんだで唯も根詰めるタイプだしなー」

梓「律先輩からも言っといてくださいよ?」

律「りょーかいりょーかい。ってかさっきもメール来てたよ」
けいおん!Shuffle 2巻 (まんがタイムKRコミックス)

梓「月日がたつのは早いなー」
733: 2011/06/20(月) 05:22:40.33 ID:x4sNNuuxo

梓「え、なんてですか?」

律「ほれ」


 唯〔りっちゃん、おちんちん!〕


梓「……あははは・・・・」

律「……どう返せばいいんだよこれー!」

梓「こ、このたびはうちの唯がごめいわくを・・・ぷふっ」

律「ははは、まー唯もさみしかったんだろうよ?」

梓「あー・・・・そうですね、はい。ていうか律先輩って今日五限ありませんでした?」

律「ん。五限ってなにそれたべもの?」

梓「授業もまじめにうけなさい!」

734: 2011/06/20(月) 05:26:40.78 ID:x4sNNuuxo

律「ええー…あの授業どうせ最終日にレポート出せば単位来るって菖が言ってたし・・・・」

梓「後回しにしてるから期日ぎりぎりで苦しむんですよっ。ほら、行った行った!」

律「まぁ今日はあと残り30分とかだしいいじゃん♪ ってかデモは?」

梓「はぁ……ちょっと待ってください」ごそごそ

律「……」

梓「これです。って、なんですか?」

律「いや、なんでもないけど。ってか帰んなくていいの?」

梓「これ渡したらすぐ帰りますよ。……あ、元気になれそうなものとか買いますけど」

律「ふぅん・・・」

735: 2011/06/20(月) 05:30:41.20 ID:x4sNNuuxo

梓「ところで、風邪引いたときってどういうの食べたら元気になるんでしょうか? 私、こういうのってうとくて・・・」

律「うーん。スッポンとかマムシドリンク?」

梓「そういう元気じゃありません! ・・・・あ、でもそういうので精を付けるのも悪くないかも」

律「真に受けんなっておい。……あれじゃね? なんか巻くといいって聞くじゃん。サラシだっけ?」

梓「さらし巻いてどうすんですか。ネギですよ、ネギ」

律「タマネギを、数珠みたいに?」

梓「寝れないですよそれ・・・・でも、言われてみるとネギってどう巻くんですかね」

736: 2011/06/20(月) 05:34:41.66 ID:x4sNNuuxo

律「さあなー……すまん、私もそういうのわからんわ。あっでも生姜湯とかよく飲んでたっけ」

梓「ああ・・・ビッグエーで売ってるかな…」

律「うちはハチミツとかよく入れてたよ。澪にたまに作ったりとかしてさあ」

梓「仲いいんですねえ」

律「うるせえリア充。……ってか、帰らなくていいの?」

梓「あっ・・・すいません、ではそろそろ……」


律「・・・・もしかして、さ」

梓「はい?」

律「なんか、帰りにくい事情とかあったりする?」

737: 2011/06/20(月) 05:38:42.10 ID:x4sNNuuxo

梓「……どうなんでしょう」

律「いや、自分のことじゃん」くすっ

梓「それはそうですけど……自分のことって、よけいに分かんなかったりしません?」

律「あー、私も自分のすることが勝手に矛盾してったりとか結構……ってか、唯とケンカでもしたの?」

梓「してないですよ。・・・・したほうがいいのかなあ」

律「無理してするもんじゃないだろ。ってか、やっぱなんかあるの?」

梓「なんかっていうか……単に私がばかなのが悪いんですけどね」

律「うん」

梓「・・・・そこ素直に同意されるとさすがにいらってきますね」じとっ

律「……きゃはっ☆」

梓「・・・・」グッ

律「まっ待て待て、武力行使はやめような?! 女の子にグーはまずいって!」

738: 2011/06/20(月) 05:42:42.89 ID:x4sNNuuxo

梓「じゃあ口をつつしんでくださいよっ」

律「へーいへい・・・・そんでどうしたの?」

梓「いや、もめたとかそういうことじゃないんです。ただ・・・ゆいが、あっ唯先輩が」

律「別にいーって」

梓「すいません。……あの、唯が、すごいがんばってて」

律「たしかになー」

梓「それはうれしいんですけど、なんか最近、自分で自分を追いつめてるような気がして」

律「・・・・ああー」

梓「それで、無理しなくていいよって話をしたんです、こないだ」

律「うん」

梓「そしたら、『私はあずにゃんと違って知識が足らないし、普通のこともできないから、がんばんなきゃいけないんだよ』って」

律「・・・・ああー、はいはい」

739: 2011/06/20(月) 05:46:43.54 ID:x4sNNuuxo

梓「それ聞いて、なんていうか・・・・ちょっと怖くなっちゃってたんです」

律「うん? 梓がか?」

梓「はい。その、追いつめてるの私なんじゃないかなって」

律「ああ、うん」

梓「・・・・私、あの人の歌とかギターとか、ていうか存在そのものがすっごい好きなんですよ」

律「……」

梓「唯には誰にもないセンスがあるし、一瞬で人を引きつける、なんていうかポップさとかがあって・・・ファンなんですよ」

律「ひゅーひゅー」

梓「ちゃかさないでください。・・・でも、なんか私のせいで、唯が追いつめられるなら、って・・・」

律「お互い気にし過ぎなんじゃねえの?」

梓「そうだと、いいんですけど……うーん」

740: 2011/06/20(月) 05:50:44.28 ID:x4sNNuuxo

律「……まあ、ピッチがどうとかギターだけ別録りしてリバーヴかけてMTRで軽くパン振ってとか、ぶっちゃけ分かんない時もある」

梓「あはは・・・」

律「特にさ、梓と澪とムギが三人で曲構成どうするみたいな話でわぁーってなると」

梓「・・・・すいません」

律「でもさ、それって私も同じだろ? リズム隊同士での打ち合わせとかさ、ギター二人だけでとか」

梓「あー。澪先輩とムギ先輩が作曲について話し合うように、ですか」

律「うん。そのときそのときで話し合うことってあるだろうし、一瞬一瞬で向いてる方が違ってても、さ」

梓「・・・・そういうもの、ですかね」


律「ってか、もしかして梓さ」

梓「はい」

律「唯から身を引いた方がいいとか思ってねーか?」

741: 2011/06/20(月) 05:54:44.67 ID:x4sNNuuxo

梓「そこまでは、思ってないですけど」

律「じゃあどっかまで思ってたんだな。さっすが私、部員のことは知り尽くしてるもんなー!」

梓「・・・・・律先輩こそ、似たようなことしそうだからじゃないですか」

律「へっ?」

梓「こう、好きな人を縛り付けないために、自分から身を引こう……とか自己完結してどっか行きそうな」

律「・・・・あははははっ! やっべ、いまグサッ!ってきたわ!」

梓「なーんか短編小説に出てきそうなことしそうですよね。『さようなら、私のことは忘れて幸せになって』とか」

律「あ、梓さん・・・もしかして、怒ってらっしゃいます?」おずおず

梓「おこってなんかいません!」ぷくーっ

律(めっちゃキレてんじゃん!)

742: 2011/06/20(月) 06:03:08.58 ID:x4sNNuuxo

梓「……なんかやっぱ似てるんですかね。私たちって」

律「あはは・・・」

梓「律先輩みたく器用じゃないですけど」

律「私だって不器用だよ。じゃなきゃドラム選んでねーし」

梓「前も言いましたけどドラムのが難しいですよ。同時に別のことこなしてかなきゃいけないし」

律「ふぅん、そういうもんかねー?」

梓「ってなんの話ですかっ」

律「まーまー。・・・・ってかさ、唯は別に梓のこと嫌ってるわけじゃないだろ」

梓「それは・・・分かってますよ」

律「そこは自信を持って言えよなー」

梓「……私、人の気持ち分かる自信ないですから」

743: 2011/06/20(月) 06:07:09.61 ID:x4sNNuuxo

律「うーん、とりあえずお前の思ってるほど唯はへこんだりしてないって」

梓「そうですかね・・・・」

律「だって唯はお前のことを……ぷふっ」

梓「なっなんでそこで笑うんですか」

律「いや、やっぱこの二人が一番そっくりだなって」

梓「どういう意味でですかっ」

律「お前らお似合いだよやっぱ、あははっ」

梓「だからどういう意味って――」

律「三年ぐらい前かなー、唯が言ってたよ」

梓「?」

律「自分のこと一番ちゃんと見てくれるのは、お前だったんだって。唯にとっては」

梓「えっ・・・」

律「ったく仲いいよなー。二人して同じ頃に『嫌われたくない』って病んでたんだもんな」くすっ

744: 2011/06/20(月) 06:11:11.03 ID:x4sNNuuxo

梓「・・・・」

律「それで、好きだって気づいて、そしたら梓とどう接していいか分かんなくなったって言われて」

梓「・・・なんて、言ったんですか?」

律「なんだっけなあ……」


律「ああ、なんか適当だったよ。『とりあえず、梓のお見舞いにでも行ってあげたら?』って」

梓「・・・・・・あ・・・」

律「ん? もしかして、覚えてんの?」


梓「はい・・・・えへへ」

律「んだよ、妬けんなー」

745: 2011/06/20(月) 06:15:11.73 ID:x4sNNuuxo

梓「あの、そろそろ……」

律「おー。結構しゃべっちゃったもんなー。わりいわりい、お大事になー」

梓「あと……えっと、ありがとうございました」

律「んー?」

梓「その………生姜湯、つくってみますね!」

律「おう!」にこっ

746: 2011/06/20(月) 06:19:12.21 ID:x4sNNuuxo

すうじゅっぷんご!

梓(買いすぎちゃったかも・・・・)

梓(メールしても出ないし、寝てるのかな?)

がちゃがちゃ


梓「ただいま」

梓「ごめんね、ちょっと遅くなっちゃって」

梓「唯、それから具合どう? ちゃんとお昼の薬飲んだ?」


唯「………あ……」


梓「……もしかして。泣いてる?」

747: 2011/06/20(月) 06:23:13.01 ID:x4sNNuuxo

唯「・・・・うぁ、あ・・・」ぎゅ

梓「だいじょうぶだよ。・・・・ごめんね」

唯「・・・あ……ふぁ・・・・うぅ・・・・」ぐすっ

梓「・・・・・・」ぎゅっ

唯「・・・ううっ・・・あずにゃ・・・・えぐっ・・・・」

梓「・・・・・・」なでなで

唯「・・・・・ごめんなさい・・・わたし・・・・ひっ・・・ぁ・・・」

梓「・・・・・ううん。・・・ありがとう」

ぎゅっ

748: 2011/06/20(月) 06:27:13.77 ID:x4sNNuuxo
――――――
――――
――

梓「暑かったでしょ、これ飲んで」

唯「ありがと・・・・」ごくごく

梓「・・・もう、カーテンぐらい閉めれば?」くすっ

唯「だって、からだだるかったんだもん・・・」

梓「そっか。・・・ごめんね、なにかつくってくるよ」


唯「あ、まって」

梓「?」

唯「こっち、きて」

梓「どうしたの。あ、冷えピタ買ってきたよ。貼る?」

唯「そうじゃないの。・・・えっとね、」



唯「・・・・・ありがとう」

749: 2011/06/20(月) 06:31:14.38 ID:x4sNNuuxo

梓「・・・・もう。そんな仲じゃないじゃん」くすっ

唯「でも言いたいの。ありがと、・・・・あずさ」


梓「な・・・わっ私、服きがえてくるから。ついでに体拭く用意してくるねっ」

たったったっ

唯「ふふ。もう、あずにゃんったらぁ」にやにや

750: 2011/06/20(月) 06:35:14.89 ID:x4sNNuuxo

じゅうすうふんご!

唯「・・・あぅ……なんかはずかしい、かも・・・」もじもじ

梓「いいからいいから。ほら、脱いで」

唯「うん。……えへへ」


梓「かゆいとこありますかー?」ごしごし

唯「んーと、頭とか?」

梓「それは治ってから」

唯「ええーっ、そんなせっしょうなあ……!」

梓「あははっ・・・・・ちっ」

唯「?」

梓「うらやましいおっOいめっ」むにっ

唯「ひゃん?!」

梓「こうして、こうしてこうしてやるっ!」ぐにぐにっ

唯「わわっ・・・あはははっ、あずにゃんだってじきにおっきくなるよぉ」

梓「それ、二年ぐらい前にも言われた気がする・・・・」

751: 2011/06/20(月) 06:36:47.43 ID:x4sNNuuxo

――――――
――――
――

梓「じゃあそろそろ寝る? あ、それとも他にも――」


唯「・・・・ねえ」

梓「?」

唯「あの、変な言い方かもだけど・・・・・そこまでがんばんなくても、いいよ?」

梓「え・・・・」

唯「私が身体こわしたのも私のせいだし、梓はやることあるんだし、私大丈夫だから、その、」

梓「・・・・・」

唯「梓は、自分の身体こわさないでね。・・・ほんと、なんで・・・あはは・・・」

梓「・・・・なんで、って?」

唯「・・・・なんでもない。ごめんね、おやすみ!」


梓「・・・・・恩返しとか、かな」

752: 2011/06/20(月) 06:37:17.83 ID:x4sNNuuxo

唯「――そっかあ。あの時かあ・・・・よく覚えてるねえ」

梓「ううん、私もついさっきまで考えもしなかったよ。大事な思い出なのに」

唯「そうなの? だってあの時、なんか私ほとんどグチばっかでなんにも・・・」

梓「それでもうれしかった・・・うれしかったんですよ、『ゆいせんぱい』」くすっ

唯「・・・・ふぅん。なにが?」

梓「……あの日がなかったら、私、唯先輩が好きだって気づかなかったかもしれないん……だよ」

唯「……そうなの?」

梓「うん。自分の気持ちが、自分でも分かってなくって」

唯「……」

梓「律先輩と、きょう話して。やっぱ唯と私って似てるなって話になってさ」

唯「りっちゃんと?」

梓「うん、なんか三年経っても変わんないなって言われちゃった」くすっ

唯「あはは。・・・三年かあ」

梓「ほんとだよ・・・月日がたつのって、早いよねー」

唯「・・・そうだね。あっという間だね。・・・・えへへ」

753: 2011/06/20(月) 06:37:48.28 ID:x4sNNuuxo

――――――
――――
――

梓「……それじゃあ、お大事にね。おやすみなさい」

唯「うん。あずにゃんも次会うときには大きくなってるといいね」

梓「あはは、親戚みたい。てか大きくってなにがさ」

唯「えーと……胸、とか?」

梓「・・・・・・・」


バタン

唯「・・・・あずにゃんしどい・・」

754: 2011/06/20(月) 06:38:18.66 ID:x4sNNuuxo

あずさのへや!

梓「ちぇ、なんなのさぁあいつ。別におっOいとかいらないし! Eとかあっても邪魔なだけだし!」

梓「たぶん蒸れるし! かわいい服着れなくなるし! ブラ探すの手間取るだけなんだしー!」


梓「はぁ。しにたい・・・」

梓「あれ。メールきてる」


 律〔おちんちーん〕

梓「・・・・・どうしろと」

 梓〔なんですか? 唯はもう寝ましたけど〕

 律〔生姜湯効いた?〕

 梓〔はい。ありがとうございました〕

 律〔そっか。じゃあ唯によろしくな〕

梓「・・・心配、してくれてるんだよね。・・・・私もちゃんとしなきゃ」


 律〔そだ。いいもんあげよう〕[添付ファイル数:1]

梓「え・・・・・これ、月? ていうか、唯先輩の部屋?」

755: 2011/06/20(月) 06:38:49.07 ID:x4sNNuuxo

 梓〔これ、いつのですか?〕

 律〔私が高三の時の。唯に聞けば分かるかもな~〕


梓「へー・・・・あとで唯におくっとこ。携帯こわれてデータ消えてるだろうし」

梓「・・・・でも、日付が2010年07月12日って・・・・これ、私がアメリカ行ってた辺りかな・・・」



 梓〔ありがとうございました。おやすみなさい〕

 律〔んーじゃあなー。ノートは澪とムギにまかせた!〕

 梓〔律先輩じゃないんですね・・・〕

 律〔あ、ついでに私の分のコピーも頼んどく!〕

梓「いや、律先輩は自分でノート取ってくださいってば」


梓「でもきれいだな・・・・唯先輩、どんな気持ちで撮ったんだろう」


  唯『――あずにゃん、月がきれいですね!』

梓「・・・・ふふっ。治ったら、どんな月なのかきいてみなくっちゃ」くすっ


つづく。

756: 2011/06/20(月) 06:40:08.61 ID:x4sNNuuxo
読んでくれた人ありがとう
予定を変更して番外編の律梓に なんか気づいたらまた過去の話に
いろいろ繋がるようにしたいけど今回は重ねすぎたかも・・・

でもつくづく律と梓の関係って少年漫画ぽい マンガほとんど読まないけど
とにかく次こそ田舎の中高生っぽい話にする

引用元: 梓「月日がたつのは早いなー」