女「あ、食材買うの忘れた。食べるものスイカしかないや」

仔犬「ひもじい」

女「今日のブランチはスイカにします」

仔犬「おお」

女「ダイエットでもないのにスイカが昼食だぜ～ワイルドだろ～？」

仔犬「いいにおい」ｽﾝｽﾝ

女「スイカなら食べてもいいよ。あげようか」

仔犬「ほしい！」

女「ほい」

仔犬「スイカうまうま」ﾑｼｬﾑｼｬ

女「スイカうまうま」ﾑｼｬﾑｼｬ

仔犬「ごちそうさまでした」

女「はい。あれ？種は？」

仔犬「たべました」

女「ワイルドだね」

仔犬「わいるどだろぉ？」

女「ちょっと買い物行ってくるね」

仔犬「えー」

女「すぐ戻るから、いい子にしててね」

仔犬「えー」

女「いってきまーす」

仔犬「あー」

仔犬「…」

仔犬「ひまだー」

仔犬「…」ｸﾙｸﾙｸﾙ

仔犬「…」

仔犬「まわってみたけどあんまりおもしろくない。あーひまだー」

ｶﾞﾁｬ

仔犬「！！」

女「ただいまー」

仔犬「おかえり！おかえり！」

女「はい、ただいま」

仔犬「おかえり！おかえり！」

女「わかった、わかった。ちょっと待って」

仔犬「おかえり！おかえり！」

女「ち、ちょっと待ってってば！転んｊ「おかえり！おかえり！」

女「わわっ」ﾄﾞﾃｯ　ｸﾞｼｬ

仔犬「あ」

女「」

仔犬「」

女「…」

仔犬「」ｱｾｱｾ

女「私はあなたに何度か待ってと言いました」

仔犬「はい」

女「あなたは構わずに飛びつきました」

仔犬「はい」

女「私は転び、卵はいくつか割れました」

仔犬「はい」

女「何か言うことは」

仔犬「ごめんなさい」

女「許します」

仔犬「♪」

仔犬「ごしゅじんはなんさいですか？」

女「何歳だと思う？」

仔犬「うーん、さんさい」

女（かわええ）

女「違います。もっと上です」

仔犬「じゃあよんさい」

女（かわええ）

女「夕方になってもあんまり涼しくなりませんね」

仔犬「そうですね」

女「でももう日は沈みましたね」

仔犬「そうですね」

女（……『いいとも』っぽいな。この子に見せたことないけど）

女「……お散歩行ってくれるかな？」

仔犬「ぜひとも！」

女（おしい）

女「暑いですねー」ﾃｸﾃｸ

仔犬「あついですねー♪でも足はあつくないです」ﾄﾃﾄﾃ

仔犬「あ、ちょっとすとっぷ」

女「ミニストップ？」

仔犬「？」

女「ごめん、なんでもない。どしたの？」

仔犬「うんこしたいです」

女「ちょっとストップ」

女「なんて？」

仔犬「うんこしたいです」

女「『うんこ』なんてことば誰が教えたの」

仔犬「ごしゅじん」

女「教えてません！」

仔犬「前に『あーうんこしたい』ってゆったことあるじゃないですか！」

女「」

仔犬「あれでおぼえました」

女「……いい？次から『うんこ』じゃなくて『うんち』と言いましょう」

仔犬「なんでですか？」

女「『うんこ』は下品なことばだからです」

仔犬「わかりました。あの、もううんちしていいですか？」

女「あ、ごめん、どうぞ」

女「ただいまー」

仔犬「ただいまー♪」

女「ちょっと休んだらご飯つくろうかな」

仔犬「きょうのごはんはなんですか？」

女「ビーフストロガノフです」

仔犬「びーすとろがなふですか♪おいしそうななまえです」

女（かわええ）

仔犬「牛のお肉ですね」

女「うん。牛のお肉、エサにちょっと混ぜてあげようか」

仔犬「やったー♪」

女「いただきます」

仔犬「いただきます！」

女「お味はどう？」

仔犬「おいしいです！」

仔犬「みがしまっています！きっとこの牛さんはゴロゴロしないで、よくうんどうしていたんです」

女「……賢い子だ」

テレビ「さあ、ツーストライク・ワンボール、次はどのようなボールを――」

仔犬「ごしゅじんテレビあんまりみないのに、やきゅうはスキですね」

女「昔やってたからねー。転がったボールを捕るという無意味な行為が、なぜあんなにも楽しいのか」

仔犬「たのしそうです！」

女「あ、そういえばボール投げとかってしたことなかったね」

仔犬「ないです。やってみたいです」

女「今度やる？」

仔犬「やる！」

女「そろそろ寝ようか」

仔犬「…はい」ｳﾄｳﾄ

女「冷房入れないと暑いけど、入れるとちょっと寒い」

仔犬「ちょっとさむい」

女「……一緒に寝る？」

仔犬「わーい♪あったかいからスキです♪」

女と仔犬のとある土曜日のお話でした。


おわり

乙

なごんだ