140: 2018/10/14(日) 20:10:40 ID:fKNbk91g

141: 2018/10/14(日) 20:13:17 ID:fKNbk91g
ちひろ「はい、何か知りませんか?」

武内P「いえ、心当たりはありませんが」

ちひろ「どうしましょう……困ったわ」


ガチャッ

未央「――依頼は無いか」


武内P・ちひろ「……」

武内P・ちひろ「えっ?」

142: 2018/10/14(日) 20:14:47 ID:fKNbk91g
武内P「お、おはようございます、本田さん」

未央「依頼は無いか」

ちひろ「えっ、わ、私?」

ちひろ「ええと……未央ちゃんは、今日はレッスンよね?」


未央「――シブリンだ」


武内P・ちひろ「……」

武内P・ちひろ「はい?」

143: 2018/10/14(日) 20:16:56 ID:fKNbk91g
武内P「渋谷さんも、同じ予定の筈ですが……」

未央「シブリンだ」

ちひろ「あの、未央ちゃん?」

ちひろ「今日は、ダンスレッスンの予定でしょ?」


未央「――そんな事より、シブリン退治だ」


武内P・ちひろ「……」

武内P・ちひろ「えっ!?」

144: 2018/10/14(日) 20:19:49 ID:fKNbk91g
武内P「ほっ、本田さん? 退治……とは……?」

未央「そのままの意味だが」

ちひろ「えっと、凛ちゃんを……やっつけるって事?」

未央「違う、シブリンだ」


未央「シブリン退治の依頼は無いのか?」


武内P・ちひろ「……」

武内P・ちひろ「え、ええと……?」

145: 2018/10/14(日) 20:22:26 ID:fKNbk91g
武内P「本田さんの様子が……明らかにおかしいですね」

ちひろ「はい……口調も変ですしね」

武内P「一体、何が……?」


ガチャッ!

卯月「――プロデューサーさん、大変です!」

卯月「皆……皆、変になっちゃったんです!」


未央「――シブリンが出たのか?」


武内P・ちひろ「……皆?」

146: 2018/10/14(日) 20:25:00 ID:fKNbk91g
  ・  ・  ・

武内P「……成る程」

武内P「皆で、スタミナドリンクを味見してみよう、と」

卯月「す、すみません! 勝手に持ち出しちゃって……!」

武内P「……その話は、また後ほど」

武内P「今は――」


未央「そんな事より、シブリン退治だ」


武内P「……この状況をどうにかすべきでしょう」

卯月「は……はい……!」

147: 2018/10/14(日) 20:29:24 ID:fKNbk91g
武内P「千川さんが、部長に報告しに行っている間」

武内P「その間、本田さんから目を離さないように――」


「ふ――――んっ!! ふ――――んっ!!」


武内P・卯月「!?」

卯月「こ、この声は……!?」


未央「――シブリンだ」


武内P「あ、いえ……それは、わかります」

未央「む、そうか」

武内P・卯月「……」

148: 2018/10/14(日) 20:33:13 ID:fKNbk91g
「ふ――――んっ!! ふ――――んっ!!」


武内P「渋谷さんは……何故、こんな大声を?」

未央「威嚇のつもりだろう」

卯月「い、威嚇ですか?」

未央「ああ、そうだ」


未央「シブリンは――アイドルだ」

未央「力は、普通の女子高生より少し強い程度しか無い」

未央「……だが、裏を返せば」

未央「普通の女子高生より少し強い力は有る、という事だ」


武内P「その……はい、その通りだと思います」

149: 2018/10/14(日) 20:36:22 ID:fKNbk91g
「ふ――――んっ!! ふ――――んっ!!」


卯月「こっ、声が段々近づいてきましたよ!?」

未央「ああ、そうだな」


卯月「どうするんですか、シブリンスレイヤーさん!」


武内P「!? し、島村さん!?」

未央「どうもこうもない、退治するまでだ」


未央「シブリンは――残らずな」


武内P「待ってください!」

武内P「あの、渋谷さんは一人の筈ですが!?」

150: 2018/10/14(日) 20:43:23 ID:fKNbk91g
未央「違う、シブリンはその数を増やす」

武内P「いえ、あの!」

卯月「どういう事ですか!?」


未央「シブリンは、男の子と女の子一人ずつが良いと言っていた」

未央「アイドルを引退した後、花屋を継いでな」

未央「だが、最後には――よくわからないけど……と」

未央「割と具体的に語っておきながら、そう締めくくっていた」


「ふ――――んっ!!/// ふ――――んっ!!///」


未央「……声に照れが混じったな」

卯月「こっ、この部屋の中の会話を聞いてるって事ですか!?」

武内P「あの! ドアの、すぐ外に居るだけでは!?」

151: 2018/10/14(日) 20:49:46 ID:fKNbk91g
「ふ――――んっ!! ふ――――んっ!!」


未央「来るぞ……油断するな」

卯月「はいっ! 島村卯月、頑張ります!」

武内P「ゆ、油断……?」


ガチャッ!

凛「――おはよう」

凛「? 身構えて……どうしたの?」


武内P「……」

武内P「えっ?」

152: 2018/10/14(日) 20:53:29 ID:fKNbk91g
武内P「……渋谷さん?」

凛「何?」

武内P「あの……どこも、おかしな所は見られ――」


未央「ちいっ! 油断するなと言っただろうが!」


武内P「えっ?」

凛「ふ――――んっ!!」

ぎゅうっ!

武内P「!? し、渋谷さん!?」

凛「ふ――――んっ!! ふ――――んっ!!」

ぎゅううっ!

武内P「は、離し……離れてください、渋谷さん!」

153: 2018/10/14(日) 20:58:33 ID:fKNbk91g
卯月「ぷっ、プロデューサーさん!」

未央「待て、慌てるな」

卯月「でっ、でも!?」

未央「あれを見ろ」


凛「ふーん!/// ふ……ふーん!/// ふふっふーん!///」

ぎゅうっ!

武内P「い、いけません、渋谷さん! 離れてください!」


卯月「! 抱きついただけで、幸せそうです!」

未央「ウブなシブリンのようだ。慌てる必要は無い」


武内P「えっ!? あの、本田さん、島村さん!?」

154: 2018/10/14(日) 21:03:24 ID:fKNbk91g
武内P「彼女を……渋谷さんを何とか、お願いします!」

凛「ふーんふーん!/// ふふふっ、ふっふーん!///」

ぎゅうっ!


卯月「でも……どうするんですか?」

未央「シブリンの習性を利用する」

卯月「習性を……利用……?」

未央「ああ、そうだ」


未央「シブリンの、恥ずかしいエピソード」

未央「それを話せば、思わず両手で顔を覆う」


卯月「! 確かに……それなら!」


武内P「待ってください! それは、あまりに悠長すぎます!」

155: 2018/10/14(日) 21:09:01 ID:fKNbk91g
凛「ふふっ!/// うふふっ、ふーん!/// ふっふーん!///」

ぎゅうっ!

武内P「普通に! 普通に、引き離して頂ければ!」


未央「シブリンは……最近、よく呼び間違える」

未央「お父さんを――プロデューサー」

未央「学校の先生を――プロデューサー」

卯月「あっ! それなら私も!」

卯月「プロ……卯月って呼ばれました!」


凛「ふうううぅぅぅん!!/// ふうううぅぅぅん!!///」ジタバタ!

ぎゅううっ!

武内P「待ってください! 抱きつく力が、強く!」

156: 2018/10/14(日) 21:15:30 ID:fKNbk91g
凛「ふうううぅぅぅん!!/// ふうううぅぅぅん!!///」キカナクテイイカラ!

ぎゅううっ!!

武内P「ぐ、おおおっ……!?」


未央「最近……美味しいものを食べた時」

未央「――これ、プロデューサー好きそう」

未央「――お土産、買って帰ろうかな」

未央「――いや、今度一緒に……と、独り言を言っていた」

卯月「えっ!? 私、それ初耳です!」


凛「ふひいいいぃぃぃん!///」

バッ!


未央「! 今だ! 取り押さえろ!」

卯月「はいっ!」

157: 2018/10/14(日) 21:20:41 ID:fKNbk91g
  ・  ・  ・

ちひろ「――それで、取り押さえている間に……」

武内P「……はい、皆さん正気に戻られました」


ちひろ「でも……アイドルの子がスタドリを飲むと……」

ちひろ「あんな風に、混乱しちゃうんですね……」


武内P「そう、ですね」

武内P「スタドリだけでなく、他に採っていた物の成分」

武内P「それらが影響しあって、あのような事になった、と」


武内P・ちひろ「……」

158: 2018/10/14(日) 21:25:08 ID:fKNbk91g
武内P「混乱している間の記憶は……無いようでした」

ちひろ「自分が、何をしてたかも?」

武内P「……の、ようです」


武内P・ちひろ「……」


ちひろ「……スタドリの管理には、十分注意しないといけませんね」

武内P「……申し訳、ありません」

武内P・ちひろ「……」

武内P・ちひろ「……はぁ」

159: 2018/10/14(日) 21:28:46 ID:fKNbk91g
ちひろ「――とりあえず!」

ちひろ「気を取り直して、頑張りましょう!」

武内P「……千川さん」

武内P「はい、そうですね」


ちひろ「ふふっ♪ それじゃあ、今日のログインボーナスの――」

ゴソゴソッ

ちひろ「スタミナド……リン……」

ゴソゴソゴソッ!

ちひろ「……!? あれ……あれっ!?」


武内P「……」

武内P「えっ?」

160: 2018/10/14(日) 21:33:32 ID:fKNbk91g
武内P「せ……千川さん?」

ちひろ「…………すみません」


ガチャッ

未央「――依頼は無いか」


武内P「本田さん!? あの、またですか!?」

ちひろ「未央ちゃん! シブリン退治の依頼なんて無いわよ!?」

未央「……何を言っている?」


武内P・ちひろ「えっ?」


未央「――キラリンだ」


武内P・ちひろ「……」

武内P・ちひろ「えっ?」



おわり

引用元: 武内P「渋谷さんのお尻にマイクが!?」