1: 2018/10/12(金)21:30:29 ID:44i
仁奈「いくでごぜーますよー!」

タタタタタッ!

ちひろ「ちょっ、ちょっと仁奈ちゃん!?」

仁奈「ふふふっ! あははははっ!」ニコニコ!

タタタタタッ!


バッファローマン「クックック!……何ィ、本物はどこに居やがる!?」


仁奈「えいっ!」

ぎゅうっ!

バッファローマン「ハッハッハッハ! こいつはやられた! 降参だ!」


https://www.youtube.com/watch?v=UTSEe0NiWSs

2: 2018/10/12(金)21:35:14 ID:44i
ちひろ「すみません! すみません!」ペコペコ!


バッファローマン「なあに、気にするこたぁねえぜ」

仁奈「んー! バッファローマーン!」

ぐいぐいっ!

バッファローマン「ん? どうした?」

仁奈「仁奈は、ゼブラの気持ちでやがりましたよ!」

バッファローマン「……おお、そうか! そいつは悪かったな!」

ひょいっ!

バッファローマン「そらっ! これでどうだ!」

仁奈「ふおお! すっげー! すっげーたけーでごぜーます!」

バッファローマン「ロングホーンには注意しろよ!」

仁奈「はい! あはは、髪がモジャモジャでやがります!」ニコニコ!

バッファローマン「ハッハッハッハッハ! 確かにその通りだ!」


ちひろ「すみません! すみません!」ペコペコ!

3: 2018/10/12(金)21:39:58 ID:44i
ちひろ「迷子になった仁奈ちゃんを見つけて頂き……」

ちひろ「……その上、事務所まで送って頂けるなんて」


バッファローマン「さっきも言っただろう? 気にするこたぁない」

バッファローマン「それに、また迷子になったら困っちまうだろうからな」

仁奈「そうですよ、ちひろさん!」

仁奈「ちひろさんが迷子になって、仁奈すっげー心配しました!」


ちひろ「えっ、ええっ!?」


バッファローマン「しかし……お嬢ちゃんは、超人に詳しいな?」

仁奈「はい! 仁奈は、ちょーじんが――」

仁奈「動物のちょーじんが、すっげー好きです!」ニコニコ!

バッファローマン「へへへ! そいつは嬉しい事を言ってくれるじゃねえか!」

4: 2018/10/12(金)21:45:39 ID:44i
  ・  ・  ・
路地裏

酔っぱらい「う~い! 飲みすぎちまったぜ、ヒック!」

酔っぱらい「真っ昼間っから飲む酒は、最高だぜぇ~!」


???「……」

フラフラっ…


酔っぱらい「酒は命の水だから、咲かせて見せます紅にぃ~」

―ドンッ!

酔っぱらい「っととと!? テメエ! どこに目ぇ付けてやがる!」


ゼブラ「……」


酔っぱらい「ひええ~~っ!? キン肉マン……ゼブラ!?」

酔っぱらい「どっ、どどど! どうしてこんな所に!?」

5: 2018/10/12(金)21:53:44 ID:44i
  ・  ・  ・

仁奈「おっOいゆらゆら、モォモォモォ~♪」ニコニコ!

ゆっさゆっさ!

ちひろ「にっ、仁奈ちゃん! 上でそんなに暴れちゃ駄目よ!」

バッファローマン「おいおい、オレ様を舐めて貰っちゃ困るぜ」

バッファローマン「首に関しちゃあ、鍛えに鍛えてるのよ」ニヤリ

トン、トン!

ちひろ「あっ、いえあの……落ちたら大変、って意味で……」

バッファローマン「……おう、そりゃ確かにその通りだ」


酔っぱらい「――ケッ! 全然大したことねえじゃねえか!」

酔っぱらい「何が運命の五王子だ! てんで弱っちいじゃねえか!」


バッファローマン「……」

バッファローマン「……運命の五王子だと?」

6: 2018/10/12(金)21:58:30 ID:44i
バッファローマン「……お嬢ちゃん、此処で待っててくれ」

仁奈「? バッファローマン?」

バッファローマン「すまねえな」

ひょいっ

バッファローマン「ちょいと、確かめなきゃならん事が出来た」


仁奈「仁奈も、一緒に行っちゃ駄目でごぜーますか?」

ちひろ「……仁奈ちゃん、此処で待ってましょう」

仁奈「ちひろおねーさん?」

ちひろ「ねっ?」

仁奈「……?」


バッファローマン「……」

バッファローマン「さあて……一体、どこの王子やら、だ」

7: 2018/10/12(金)22:04:12 ID:44i
  ・  ・  ・

ゼブラ「……」

ゼブラ「……む……此処は……?」

ゼブラ「何故、俺はベッドの上に……」


ぎゅっ!

仁奈「すぅ……すぅ……」


ゼブラ「? なんだ、このチビは……?」


バッファローマン「――よう、お目覚めのようだな」


ゼブラ「っ!?」


バッファローマン「ここは、芸能事務所――346プロダクションの医務室」

バッファローマン「そのお嬢ちゃんは、市原仁奈」

バッファローマン「てめえの、命の恩人よ」


ゼブラ「何だと……?」


ぎゅっ!

仁奈「すぅ……すぅ……」


ゼブラ「命の……恩人……?」

8: 2018/10/12(金)22:10:14 ID:44i
バッファローマン「ああ、そうさ」

バッファローマン「オレとしちゃ、くたばっても問題無かったんだがな」

バッファローマン「……あんな顔で頼まれちゃあ、断れなかったぜ」


ゼブラ「……」

仁奈「すぅ……すぅ……」

ぎゅっ!

ゼブラ「……」


バッファローマン「おかげで、オレのパワーが少し減っちまった」

バッファローマン「ロングホーンで、無理やり――」

バッファローマン「――普通の心臓から、超人心臓に切り替えたおかげで」


ゼブラ「……」

仁奈「すぅ……すぅ……」

ぎゅっ!

ゼブラ「……」

9: 2018/10/12(金)22:13:56 ID:44i
バッファローマン「……おい、聞いてるのか?」


ゼブラ「……フン」

ゼブラ「オレは、助けてくれなんて頼んだ覚えはないぜ」


バッファローマン「なっ!?」


ゼブラ「こんなチビに頼まれて、だと?」

ゼブラ「ハッ! 随分とお優しいウシ野郎だな!」


バッファローマン「何ぃ!?」


仁奈「う……んんっ……」


ゼブラ「おい、チビ! いい加減、手を離し――」


仁奈「――ゼブラっ! 起きたでごぜーますか!?」パアッ!


ゼブラ「!?」

10: 2018/10/12(金)22:20:45 ID:44i
仁奈「痛い所は、ねーでごぜーますか?」

仁奈「グッスリ寝て、元気になりやがりましたか?」

ぺたぺたっ!

ゼブラ「な、何だ……!?」

仁奈「あっ! まだ、寝ててくだせー!」

ゼブラ「う……むっ……」


バッファローマン「……ハッハッハッハ!」

バッファローマン「さっきまでの威勢はどうした、シマウマ野郎!」


仁奈「もー! バッファローマンが、大声を出すから!」


バッファローマン「すっ……すまねえ」


仁奈「あっ! お水! お水を取って来るですよ!」

仁奈「だから、待っててくだせー!」

タタタタッ、ガチャッ! バタンッ!


バッファローマン・ゼブラ「……」

11: 2018/10/12(金)22:29:41 ID:44i
ゼブラ「……おい」

ゼブラ「一体、何がどうなってやがる」


バッファローマン「それはこっちの台詞だぜ」

バッファローマン「超人が、ただの人間に殴り殺されそうになるなんてよ」

バッファローマン「それも、テメエ程の実力者が、だ」


ゼブラ「……実力者? オレが?」


バッファローマン「ああ、そう――」


ゼブラ「友を犠牲にして! それでも、夢にまるで届かない!」

ゼブラ「……超人甲斐随一のテクニック?」

ゼブラ「そんなもの! 勝利出来なければ何の意味もない!」


バッファローマン「……お前」


ゼブラ「……俺は、もう……何でも無い」

ゼブラ「白も黒も無い……ただの、灰色のクズだ」


バッファローマン「……」

12: 2018/10/12(金)22:39:20 ID:44i
バッファローマン「……へっ、情けない野郎だ!」


ゼブラ「……何とでも言え」

ゼブラ「オレには、何も残っちゃいないのさ」


バッファローマン「! テメエ! いい加減に――」


ガチャッ!

仁奈「ただいまでごぜーます!」


バッファローマン「……っ!」


仁奈「はい! お水と……あと、オレンジジュースがありやがりました!」

ゼブラ「……」

仁奈「どっちが良いです?」ソワソワ

ゼブラ「……」


ゼブラ「……ジュースは、お前が飲め」


仁奈「! はいでごぜーます!」ニコッ!


バッファローマン「……オレには無いのかい?」

13: 2018/10/12(金)22:51:37 ID:44i
  ・  ・  ・
超人墓場

???「ああ……憎い……!」

???「全てが憎い……憎くてたまらん……!」


『ゲギョゲギャゲギョゲギャ~~~!』

『おお、なんと素晴らしい邪悪な心か!』


???「なんだ……? 誰だ……?」


『お前こそ、わが憎しみの感情を体現するに相応しい!』

『――さあ、手を伸ばせ』

『悪魔となり、その無限の憎悪の炎を解き放つのだ!』


???「グロロ……悪魔だと?」

???「……フフフ……フハハハハハッ!」

???「この憎しみに力を与えてくれるのならば――」


ネプチューン・キング「――ワシは、完璧な悪魔となろう!」

14: 2018/10/12(金)23:00:35 ID:44i
  ・  ・  ・
数日後

ベテトレ「1・2・3・4! 5・6・7・8!」

ベテトレ「はいっ、そこでターン!」


仁奈「っ!」

クルッ―

仁奈「あ、わっ!?」

…ヨロヨロッ


ベテトレ「最後まで気を抜くな!」

ベテトレ「よし……10分間休憩!」


仁奈「はいでごぜーます!」

仁奈「……えへへ、ちょっと失敗しちゃったですよ」


ゼブラ「……」

15: 2018/10/12(金)23:10:28 ID:44i
仁奈「最後のターンが、すっげー難しいです……」

仁奈「全然、上手くいきやがりません……」ションボリ

ゼブラ「……フン」

ゼブラ「そんなのは、当たり前だろう」

仁奈「えっ?」


ゼブラ「……最後を意識しすぎだ」

ゼブラ「全てを一連の流れとしてやるんだよ」


仁奈「えっ、と……いちれん……?」


ゼブラ「……チッ!」

ゼブラ「最後のターンの事は、考えるな」


仁奈「うむむ……なんだかよくわからねーけど、わかりました!」

仁奈「考えずに、やってみるですよ!」


ゼブラ「……」

16: 2018/10/12(金)23:17:50 ID:44i
仁奈「え~っと……ふ~ん、ふん――」

トンッ、トンッ

仁奈「――ふふ~……」

クルッ―

仁奈「……~ん♪」

―ピタァ!


仁奈「……やったー! 出来た!」ニコッ!

仁奈「出来やがりましたよ、ゼブラ!」ニコニコ!


ゼブラ「……」

ゼブラ「……ああ、そうだな」


仁奈「えへへっ♪」ニコニコ!


ゼブラ「……」

17: 2018/10/12(金)23:29:25 ID:44i
仁奈「ありがとーごぜーます、ゼブラ!」ニコニコ!

仁奈「トレーナーさんにも、見せてくるです!」ニコニコ!

タタタタッ!


ゼブラ「……」


バッファローマン「――よう! 随分と面倒見が良いじゃねえか!」ニヤニヤ


ゼブラ「……のぞき見とは、趣味の悪い牛だ」


バッファローマン「ハッハ! 面倒見の良いゼブラさんには及ばんぜ!」ニヤニヤ

バッファローマン「……しかし、どういう風の吹き回しだ?」


ゼブラ「……フン!」

ゼブラ「……ただの気まぐれよ」


バッファローマン「……ヘッ、そうかい」

18: 2018/10/12(金)23:39:20 ID:44i
ゼブラ「見て欲しいと、強引に連れて来られてみれば……」

ゼブラ「……あんな無様なもんを見せられたからな」

バッファローマン「だが、良いもんが見られた」

ゼブラ「……」


仁奈「あっ、バッファローマン!」ニコニコ!

仁奈「バッファローマンも、来てくれたでごぜーますね!」ニコニコ!


バッファローマン「……だろう?」

ゼブラ「……あ――」



仁奈「えへへっ♪」グニャッ!


バッファローマン・ゼブラ「っ!?」


仁奈「すっげー! すっげー、嬉しいでごぜーます!」グニャァッ!


バッファローマン・ゼブラ「……!?」

19: 2018/10/12(金)23:46:43 ID:44i
  ・  ・  ・
キン肉星

キン肉マン「う……むむむっ……!」

キン肉マン「――そうりゃっ!」

ぶちっ!

キン肉マン「あっ、鼻毛の枝毛」


ミート「コラ~~~っ! 何遊んでるんですか!」


キン肉マン「うおわあっ!? ミート!?」

キン肉マン「きゅ、急に大声を出さんでくれい!」

キン肉マン「ビックリして、抜いた毛を落としてしまったではないか!」


ミート「そんな事はどうでも良いんですよ!」

ミート「仕事してください! しーごーとー!」

20: 2018/10/12(金)23:52:38 ID:44i
キン肉マン「そっ、そんな事言ったって仕方ないでは無いか!」

キン肉マン「最近、じぇ~んじぇんアイドルがテレビに出ないんだもん!」

キン肉マン「私だって、それじゃあやる気が出んわい!」


ミート「も~っ! しっかりしてください!」

ミート「そりゃあ、僕だってそう思いますけど……」

ミート「でも! それとこれとは話が別です!」


キン肉マン「――ミート」キリッ!


ミート「っ! ど、どうしました!?」


キン肉マン「テレビに出ないなら、直接見に行けば良いんじゃない?」

キン肉マン「そうすれば、全て丸く収まる! どう? どう?」


ミート「……!」だああーっ!

ミート「駄目に決まってるじゃないですか!」

21: 2018/10/13(土)00:05:53 ID:aqK
キン肉マン「しかし……どうしてアイドルが出なくなったのだろうか」

キン肉マン「何でも、全部の仕事をキャンセルしてるようだし」

ミート「それは……確かに、ニュースになってますね」

ミート「……なんだか、悪い予感がします」

キン肉マン「やっ、やめてくれいミート!」

キン肉マン「ミートの悪い予感は、良く当たるんだから!」



???『久しぶりだな、キン肉マン……!』


キン肉マン・ミート「!?」

キン肉マン「こっ、この声は……聞き覚えがある!」

キン肉マン「かつて、ネプチューンマンとタッグを組み――」

キン肉マン「――そして、私とテリーのタッグと氏闘を繰り広げた!」


ネプチューン・キング『グロロロロ……!』


キン肉マン「――ネプチューン・キング!!」

22: 2018/10/13(土)00:17:01 ID:aqK
キン肉マン「何故じゃ~っ!?」

キン肉マン「お前は、確かに氏んだはず!」


ネプチューン・キング『その通り!』

ネプチューン・キング『だが、その憎しみを晴らすため……』

ネプチューン・キング『……地獄の底から蘇ったのよ――ッ!』


キン肉マン「ええい! ならば、姿を見せろ!」

キン肉マン「マグネット・パワーの無いお前など敵では無いわい!」

ミート「これは……恐らく、声だけを僕達に届けてるんですよ!」


ネプチューン・キング『グロロロロ! 察しが良いな!』

ネプチューン・キング『――そして! ワシは新たな力を手に入れた!』


キン肉マン「なっ!? 何じゃと~っ!?」


ネプチューン・キング『フフハハハハ――ッ!!』

23: 2018/10/13(土)00:29:31 ID:aqK
ネプチューン・キング『マグネット・パワーは……地球の力』

ネプチューン・キング『ワシが手に入れた新しい力は――人間の力!』

ネプチューン・キング『人々を引きつけてやまぬ、笑顔の力!』

ネプチューン・キング『名付けて!』


ネプチューン・キング『マグネット・パワー・オブ・スマイル!』


ネプチューン・キング『ワシの激しい憎しみ――負の感情!』

ネプチューン・キング『そして、笑顔と共に奪った――正の感情!』


ネプチューン・キング『本来のマグネット・パワーに、勝るとも劣らんわ!』


キン肉マン「……笑顔と共に奪った?」

キン肉マン「まっ、まさか!?」

キン肉マン「キサマが、アイドル達から笑顔を奪ったと言うのか~っ!?」


ネプチューン・キング『グロロロロ! そのまさかよ!』

24: 2018/10/13(土)00:35:39 ID:aqK
ネプチューン・キング『もうすぐ、完全に笑顔を奪い取れる』

ネプチューン・キング『さすれば、キサマ如き容易くひねり潰せよう……!』


キン肉マン「まっ、待て!」

キン肉マン「完全に、笑顔を奪い取るだって!?」

キン肉マン「そんな事をしたら、アイドルはどうなる!?」


ネプチューン・キング『さてなぁ?』


キン肉マン「……!?」


ネプチューン・キング『其処からでは、もう間に合わん!』

ネプチューン・キング『残念だったな! キン肉マンよ!』

ネプチューン・キング『……首を洗って、待っているが良い』


キン肉マン「待て! ネプチューン・キング!」

キン肉マン「頼む! お願いだから、待ってくれ!」


ネプチューン・キング『ハッハッハッハッ! ハーッハッハッハッ!』

25: 2018/10/13(土)00:47:11 ID:aqK
   ・  ・  ・

ちひろ「……ごめんなさい」

ちひろ「仁奈ちゃん、今は二人に会いたくない……って」


バッファローマン・ゼブラ「……」


ちひろ「あっ、か、勘違いしないでくださいね!?」

ちひろ「二人のことが、嫌いになったんじゃなくて……ですね」


バッファローマン「……」


ちひろ「今は、上手く笑えないから……って」

ちひろ「笑うと、変な顔になっちゃうから……」

ちひろ「それで……二人に嫌われたくない、って」

ちひろ「……そう言ってるんです」


ゼブラ「……」

26: 2018/10/13(土)01:01:59 ID:aqK
ゼブラ「……フン」

ゼブラ「なら、オレはもう行くぜ」

ゼブラ「傷ももう癒えた――此処に居る理由も無い」


バッファローマン「何!?」

バッファローマン「おい、シマウマ野郎!」

バッファローマン「この状況を放っていこうってのか!?」


ゼブラ「――オレには関係無い!」

ゼブラ「下らんセンチメンタリズムに巻き込むな!」


バッファローマン「何ぃ~~~っ!?」


ゼブラ「……やるか?」…スッ


ちひろ「けっ、ケンカはやめて――」



「グロロロロロ~~~ッ!!!」



ゼブラ・ちひろ「!?」

バッファローマン「こ……この声は……!?」

29: 2018/10/13(土)10:52:25 ID:aqK
   ・  ・  ・

仁奈「……」

仁奈「!」グニャッ!

仁奈「……」

仁奈「!」グニャァッ!


仁奈「……やっぱり……上手く笑えねーです」

仁奈「こんな変な顔してたら、二人に嫌われちまいます……」



「グロロロロロ~~~ッ!!!」



仁奈「!?」

仁奈「今の声は……なんでごぜーますか……?」

仁奈「……そうだ! キグルミを……」

ゴソゴソッ!


ウサギ仁奈「これで、仁奈の顔は見えねーですよ!」

30: 2018/10/13(土)11:01:30 ID:aqK
  ・  ・  ・
346プロ 正門前


ネプチューン・キング「――まさか、こんな所に下等超人が居たとはなーっ!」


バッファローマン「お前は、氏んだはずのネプチューン・キング!」

バッファローマン「テメエ~っ! 何をしに迷って出やがった!」


ネプチューン・キング「グロロ……何をしに、だと?」

ネプチューン・キング「――決まっておる!」

ネプチューン・キング「我が新たな力――マグネット・パワー・オブ・スマイル!」

ネプチューン・キング「それを盤石なものとするため……」

ネプチューン・キング「……笑顔を完全に吸い取るため!」

ネプチューン・キング「直接、此処まで出向いてきたのよーっ!」


バッファローマン「何ぃ~っ!?」

バッファローマン「それじゃあ、全部テメエの仕業だったのか!?」


ネプチューン・キング「ヒャ――ッハッハッハッ!」

ネプチューン・キング「ワシの力となれるのだ!」

ネプチューン・キング「光栄に思って貰いたいものだなぁ!」


バッファローマン「……!」

31: 2018/10/13(土)11:08:32 ID:aqK
バッファローマン「うおおおおおっ! 許せねえ!」

タンッ! タンッ! タンッ…!


ネプチューン・キング「ほう! 許さんだと?」

ネプチューン・キング「下等超人如きが、つけあがるなーっ!」


バッファローマン「抜かせーっ!」

バッファローマン「ハリケーン・ミキサ――ッ!」

ダダダダダダッ!


ネプチューン・キング「グロロ……つけあがるなと言った筈だ!」

ネプチューン・キング「マグネット・パワー・オブ・スマイル!」

バババババババ!


バッファローマン「うっ、おおおっ!? か、体の自由がきかねえ!」

…フワァッ


ネプチューン・キング「そうらっ! 地面に叩きつけてくれる!」

バッ!


バガァァンッ!

バッファローマン「ぐおおおっ!?」

32: 2018/10/13(土)11:14:30 ID:aqK
  ・  ・  ・

ゼブラ「力の差は歴然……勝負にならんな」

ゼブラ「全く、みっともねえ牛野郎だぜ」


ウサギ仁奈「ああっ!?」

ウサギ仁奈「バッファローマンが、やられてるでごぜーますか!?」


ゼブラ「! お前……」


ウサギ仁奈「あっ、見っ、見ないでくだせー!」

バッ!

ウサギ仁奈「笑ったら、変な顔になっちゃうから……」

ウサギ仁奈「キグルミで、顔を隠してるでごぜーますよ……」


ゼブラ「……」

33: 2018/10/13(土)11:25:55 ID:aqK
ウサギ仁奈「二人共……ビックリしてやがりました……」

ウサギ仁奈「だから、仁奈は……仁奈は……」


ゼブラ「――お前は、オレの命の恩人」

ゼブラ「余計なお世話だと思ったが、その事実は変えられん」


ウサギ仁奈「……えっ?」


ゼブラ「そして、どうやら……その借りは――」

ゼブラ「いくら金を積んだ所で、返せない」


ウサギ仁奈「ゼブラ……?」



ゼブラ「――戦ってしか、返せんものらしい!」



ウサギ仁奈「なっ、何を言ってるでごぜーますか……?」


ゼブラ「……フッ!」

ゼブラ「オレとした事が、厄介な相手に借りを作っちまったもんだと――」

34: 2018/10/13(土)11:32:00 ID:aqK
  ・  ・  ・

バッファローマン「ぐ……おおおっ……!」

グググッ…!


ネプチューン・キング「グロロ……さあ、どいて貰おうか!」

ネプチューン・キング「マグネット・パワー・オブ――」


???「スリャアア――ッ!」

ヒュッ―


ネプチューン・キング「むううっ!?」

ガシイッ!


ゼブラ「――それだけの話よ!」

トンッ―


―スタッ!

ゼブラ「こんな所でおねんねとは、行儀の悪い牛だぜ」

バッファローマン「ぜ、ゼブラ……!」


ネプチューン・キング「グロロ…」

35: 2018/10/13(土)11:43:31 ID:aqK
ゼブラ「さっさと立ったらどうだ?」

ゼブラ「まさか、メシを食ったばかりで眠いなんて言うんじゃあるまいな?」

バッファローマン「……バカなことを言うんじゃねえ!」

バッファローマン「外道を前にして、血が滾ってしょうがねえぜ!」


ゼブラ・バッファローマン「……!」


ネプチューン・キング「フハハハハ、面白い!」

ネプチューン・キング「キサマらには、新たな力の実験台になって貰おうか!」

ネプチューン・キング「そして此処は、それに格好の場!」


ゴゴゴゴゴゴゴッ…!


ネプチューン・キング「346プロダクションは、芸能プロダクションとして存在していたのではない!」


ネプチューン・キング「遥か古来より、下等超人を――粛清するための場!」


ネプチューン・キング「その本来の名は――Missing law(ミッシング・ロウ)プロダクション!」


ネプチューン・キング「あの屋上に現れたリングで、お前達を血祭にあげてくれる!」

36: 2018/10/13(土)12:01:27 ID:aqK
  ・  ・  ・

吉貝「さあて! 遂に始まります、粛清の超人デスマッチ!」

吉貝「良い子も見るため、ソード・デスマッチではありません!」

中野「最近は、そういうのに厳しくなりましたからね~っ」

吉貝「実況は私、吉貝と」

中野「解説は、おまたせシマウマ~! 待たせたゼブラ!」

中野「世界に羽ばたく、アデランスの中野さんです~!」

吉貝「――で、お送りします!」


ゼブラ「オレの足を引っ張るなよ、牛ヤロウ」

バッファローマン「ハッ! それはこっちの台詞だ、ヘボシマウマ!」


ネプチューン・キング「グロロ……戦いの前に仲違いとは、所詮は下等超人!」


ネプチューン・キング「この処刑方法は、一人で複数を相手に出来る……!」


ネプチューン・キング「下等超人程度に、一対一の勝負をするまでもないからなーっ!」


ネプチューン・キング「ヒャ――ッハッハッハッハッハッ!!」

37: 2018/10/13(土)13:29:28 ID:aqK
ゼブラ「だが……ヤツを倒せば、全て元通りになるのか?」

バッファローマン「ああ、パワーの扱いに関しちゃオレも覚えがあるからな」

バッファローマン「しかし……ヤツから感じる気配……!」


ネプチューン・キング「グロロ……!」


バッファローマン「キサマーっ! どうやって――」

バッファローマン「――誰の力で、復活しやがったーっ!?」


ネプチューン・キング「バッファローマン、お前も知っているだろう」

ネプチューン・キング「偉大なる魔王――サタン様を!」


バッファローマン「ゲエエ――ッ!? さ、サタンだとぉ――ッ!?」



カ――ンッ!


吉貝「なな、なんと! 衝撃の事実が明らかになりました!」

吉貝「その衝撃の中、開始のゴングが鳴った――っ!」

38: 2018/10/13(土)13:38:43 ID:aqK
ネプチューン・キング「ワシは、サタン様に憎しみの心を認められ……」

ネプチューン・キング「――在りし日の、若々しい肉体を取り戻し!」

ネプチューン・キング「――新たな力を得る機会を授かったのだーっ!」


バッファローマン「な……なんて事だ……!」

バッファローマン「ヤツの背後には……大魔王サタンが居るだなんて……!」


ゼブラ「――それがどうした」

トンッ…! トンッ…!


ネプチューン・キング「何ぃ……?」


ゼブラ「キサマは、このオレが一人で相手をしよう」

ゼブラ「そこのヤツは、サタンの名を聞いてブルっちまったようだからな」

トンッ…! トンッ…!


バッファローマン「まっ、待て! ヤツを侮るな!」


ゼブラ「うるせえ! すっこんでいろ、このヘボ牛がぁ――ッ!!」

ダダダダダッ!


吉貝「キン肉マンゼブラ! 物凄い勢いでネプチューン・キングとの距離を詰めるーっ!」

39: 2018/10/13(土)13:46:09 ID:aqK
ネプチューン・キング「フン! そんな直線的な動きなど!」

グワッ!

ゼブラ「そいつはどうかな?」

ダダダダダッ――キュッ!

ネプチューン・キング「むおっ!?」


吉貝「ああ――っと! ゼブラ、待ち構えるネプチューン・キングの前で急停止!」

吉貝「タイミングを外していく――っ!」


ゼブラ「セリャア――ッ!」

ボグウッ!

ネプチューン・キング「ぐおっ!?」


吉貝「そして! 強烈なボディブロー!」


ゼブラ「フンッ! ハアッ! ウオリャア――ッ!」

ガッ! ドガッ! ズドォッ!

ネプチューン・キング「がっ! ごっ! おああっ!?」


吉貝「ボディ! ボディ! ボディ――っ! ボディブローの嵐だ――っ!」

40: 2018/10/13(土)14:02:32 ID:aqK
ネプチューン・キング「ええい! つけあがるな、下等超人が!」

ガシィ!

ゼブラ「!」


吉貝「ああ――っと! ネプチューン・キング、ゼブラの腕を掴んだ!」

中野「さすがは、嘘っぱちだったとは言え自称完璧超人軍の首領」

中野「それに、ネプチューンマンの師匠でもあるわけですからね~っ」


ゼブラ「へっ、ロックが甘いぜ!」

パシッ!

ネプチューン・キング「むおっ!?」

ゼブラ「トアアッ!」

トンッ―


吉貝「ゼブラ、腕の拘束を難なく外し、ネプチューン・キングの背後へと跳躍!」

吉貝「そのまま両足で相手の腕を取り、締め上げるこの体勢は――」


ゼブラ「ゼブラ・ヘルズサブミッション!」

グワァキィッ!

ネプチューン・キング「ぐおお……っ!?」


吉貝「決まった――っ! ゼブラの、高等な立ち関節だ――っ!」

中野「あの技、自分の背中の方が痛そうですよね~っ」

41: 2018/10/13(土)14:15:30 ID:aqK
ネプチューン・キング「グロロ……さすがは、超人界随一のテクニック……!」

ネプチューン・キング「――だがっ!」

グアッ!

ゼブラ「むおおっ!?」


吉貝「ああ――っと! ネプチューン・キング、力だけで強引に技を外したーっ!」

中野「おかしいですね~っ、私の目には完璧にきまっているように見えましたよ」


ゼブラ「そうだ……確かに、完璧に決まっていたはず……!」


ネプチューン・キング「完璧? フハハハッ! 何が完璧なものか!」

ネプチューン・キング「確かに、テクニックは優れているかもしれん!」

ネプチューン・キング「だが、お前の攻撃は全て生っちょろいのよーっ!」


ゼブラ「何だと……!?」


ネプチューン・キング「グロロ……残念だが、ここまでのお前の攻撃」

ネプチューン・キング「ノーダメージだ!」


ゼブラ「……!」


吉貝「なな、なんと! ネプチューン・キング、まるで効いていないとアピール!」

中野「むむむっ! 確かに、動きにぎこちなさは微塵も見られませんね~っ!」

42: 2018/10/13(土)14:35:34 ID:aqK
ゼブラ「オレの攻撃が生っちょろいだと……?」

ゼブラ「――ならばっ! お前には地獄を見せてやろう!」

トンッ―


吉貝「ゼブラ、背後のロープに跳び乗り――」


ゼブラ「とあっ! はっ! とうっ! せあっ!」

バウンッ、バウンッ、バウンッ、バウンッ!


吉貝「リングの四辺を渡っていく――っ!」

中野「おおっ、ゼブラが何人にも見えますよ~っ!」

中野「皆さん、こちらはテレビの故障ではありませんので、チャンネルはそのままで」



ゼブラ「トアア――ッ!」

ネプチューン・キング「ぬ……おおっ……!?」

グワアアッ!


吉貝「ゼブラ! ネプチューン・キングの背後から襲いかかり、その体を蹴り上げ上昇!」


ゼブラ「キン肉族、三大奥義の一つ!」

ガァキィッ!

ネプチューン・キング「ぐ、うおっ!?」


吉貝「そして! 空中で体勢を入れ替え、右足でネプチューン・キングの右腕をロック!」

吉貝「加えて、左手で両脚を抱え込み! 隣に立つビルへと突っ込んでいく――っ!」


ゼブラ「真・マッスル・インフェルノ――ッ!!」

ガガァンッ!!

ネプチューン・キング「……!」

43: 2018/10/13(土)14:49:57 ID:aqK
ゼブラ「どうだ? 地獄の炎に焼かれた気分は!」

ネプチューン・キング「……ぬるい」

ズボ!

ネプチューン・キング「ぬるすぎて、アクビが出るわ――っ!」

ゼブラ「なっ、何……!?」


吉貝「ああ――っと! ネプチューン・キング、未だ健在!」


ネプチューン・キング「フハハハハハ――ッ!」

ボワァァァ…!


吉貝「むしろ! 私の目には先程よりも力が増しているように見えます!」

中野「私の記憶では、マスクに攻撃を受けると回復をしますからね」

中野「ネプチューン・キングにとっては、むしろ手助けになったのではないでしょうか」


ネプチューン・キング「これが――本当の必殺技だったら、回復する暇は無かった」

ネプチューン・キング「しかし! 何のことはない!」

ネプチューン・キング「三大奥義が聞いて呆れる、ただの欠陥技よーっ!」


ゼブラ「ま……マッスル・インフェルノが……!」

ゼブラ「キン肉族三大奥義の一つが……欠陥技だと……!?」

44: 2018/10/13(土)14:57:20 ID:aqK
ゼブラ「ばっ、バカな! そんな事があってたまるか!」

ゼブラ「ならばオレは! キッドは、何のために!」


ネプチューン・キング「ワシの命を刈り取れなかったのが、その証拠よ」


ゼブラ「……!?」


ネプチューン・キング「見せてやろう!」

ネプチューン・キング「完璧な、真の必殺技というものをな――ッ!」


ネプチューン・キング「マグネット・パワー・オブ・スマイル!」

ババババババ!


ゼブラ「う、おおおおおっ!?」

フワァァ…


吉貝「ああ――っと! ゼブラの体が、リングの真上!」

吉貝「頭を下に向けた状態で、垂直に固定された――っ!」

45: 2018/10/13(土)15:07:02 ID:aqK
ネプチューン・キング「とあっ!」

タンッ!

ゼブラ「むうおっ!?」


吉貝「ネプチューン・キング、逆さまのゼブラの足裏に、自分の足を乗せた!」


ネプチューン・キング「グロロ……ワシの必殺技に――」

ネプチューン・キング「――この力を更に上乗せし!」

バババババ!


吉貝「な、なんと! 上空の二人から、リングへと向けて!」

吉貝「まるで、エレベーターのようにエネルギーの線が伸びている――っ!」

中野「ひええっ!? 私のカツラが! あっ、ちょっと待って!」


ネプチューン・キング「全開! マグネット・パワー・オブ・スマイル!」

ゴゴゴゴゴゴ!

ゼブラ「う、おおおおっ!?」


吉貝「ああ――っと! 物凄い速さで、急降下していく――っ!」


ネプチューン・キング「マグネティカ・メガトン・キング落とし!!」

ゼブラ「うおおおああっ!?」

46: 2018/10/13(土)15:21:05 ID:aqK
――ガガァァンンッ!!


吉貝「ももっ、物凄い衝撃音です!」

中野「普通に落下するだけでなく、マグネット・パワーを利用したわけですからね~っ」

中野「当然、落ちた時の威力は跳ね上がりますです、はい」


ネプチューン・キング「グロロ……邪魔が入ったか」

ネプチューン・キング「だが――その代償は、大きかったようだなぁ!」


吉貝「ああ――っと! ネプチューン・キングの下敷きになっているのは――」



バッファローマン「ウゲハァッ!?」



吉貝「バッファローマン! バッファローマンです!」



ゼブラ「……!?」



吉貝「一体、何がどうなっているのでしょうか!?」

吉貝「先程の攻防を超スーパースローカメラで再生してみましょう!」

47: 2018/10/13(土)15:28:08 ID:aqK
  ・  ・  ・

ネプチューン・キング『全開! マグネット・パワー・オブ・スマイル!』

ゴゴゴゴゴゴ!

ゼブラ『う、おおおおっ!?』


バッファローマン『ちいいっ!』

バッファローマン『あれを食らっちゃ、ひとたまりもねえ!』

タンッ、タンッ、タンッ…!


ネプチューン・キング『マグネティカ・メガトン・キング落とし!!』


バッファローマン『オリャアアア――ッ!』

ダダダダダッ!

バッファローマン『ハリケーン・ミキサ――ッ!』

ドンッ!

ゼブラ『うおおおああっ!?』

ヒュッ―


――ガガァァンンッ!!


ネプチューン・キング『……!』

バッファローマン『……!?』

バッファローマン『ウゲハァッ!?』

48: 2018/10/13(土)15:42:50 ID:aqK
  ・  ・  ・

吉貝「なっ、ななな、なんと!」

吉貝「バッファローマンは、ハリケーン・ミキサーでゼブラを吹き飛ばし!」

吉貝「代わりに、ネプチューン・キングの下敷きとなっていた――っ!」

中野「本人の分の体重がかかっていないとは言え、あの音ですからね~っ」

中野「超強力なフライング・スタンプと言った所でしょうか」


バッファローマン「ゲエッ……ハバァッ!」


ゼブラ「なっ、何をしている! 余計な真似をしやがって!」

ゼブラ「お前は、一体何を考えているんだ!?」


バッファローマン「そっ……そりゃあ、こっちの台詞だぜ……!」

ヨロヨロッ…

バッファローマン「お前は……何のために、リングに上がったんだ……!」


吉貝「ああ――っと! バッファローマン、立ち上がった!」

中野「しかし、やはりダメージは大きいようですね~っ」

中野「あの磁気の中取れないとなると、良いカツラ使ってますね~っ!」


ゼブラ「……!」

49: 2018/10/13(土)19:42:54 ID:aqK
バッファローマン「ゴチャゴチャと考え事をするためか! ええ!?」

バッファローマン「だったらさっさとリングから降りやがれ!」

バッファローマン「目障りなんだよ! このクソシマウマが――ッ!」ジワァァ…


ゼブラ「ふっ、ふざけるな――っ! お前に何がわかる!?」

ゼブラ「オレの友との……キッドの命を犠牲にしてまで会得した技!」

ゼブラ「マッスル・インフェルノを侮辱されて、黙っていられるか――ッ!」ジワァァ…


ネプチューン・キング「グロロ……やはり、所詮は下等超人」

ネプチューン・キング「バッファローマンよ!」

ネプチューン・キング「お前は、何も学んで居なかったようだなーっ!」


バッファローマン「何だと!?」ジワァァ…

バッファローマン「ゲエエ――っ!? こ、これは……」ジワァァ…

バッファローマン「アイアン・スェット!」ジワァァ…


ゼブラ「な、何だ……!? 体の自由が……!」ジワァァ…


吉貝「ああ――っと! バッファローマン、そしてゼブラの体から汗が滲んでいる!」

中野「あれは、アイアン・スェットですね」

中野「正義超人同士が憎しみ合ったり、傷つけ合ったりすると体内のバランスが崩れ」

中野「はぁ……はぁ、ちょっと休憩」

中野「体内のバランスが崩れ、鉄分を含んだ汗が出てしまうのです!」

50: 2018/10/13(土)20:15:52 ID:aqK
ネプチューン・キング「グロロ……アイアン・スェット!」

ネプチューン・キング「それが出た今!」

ネプチューン・キング「お前達には、最早一欠片の勝機も無いわ――ッ!」


バッファローマン「……」ジワァァ…


ゼブラ「くっ……!」ジワァァ…


吉貝「アイアン・スェットが鉄分を含んでいるということは!」

吉貝「バッファローマンと、キン肉マンゼブラの体は鉄も同然!」

吉貝「マグネット・パワー・オブ・スマイルで良いように操られてしまいます!」

中野「しかも、あのアイアン・スェットはどんどん固まっていきますからね~っ」

中野「しまいにゃ、二人共鉄の塊になってしまいますよ!」


バッファローマン「……」ジワァァ…

バッファローマン「クッ……ククク……!」ジワァァ…

バッファローマン「ハァーッハッハッハ! ワッハハハハハッ!」ジワァァ…


吉貝「なっ、何でしょう!? 笑っている! 笑っています!」

吉貝「バッファローマン、ピンチだと言うのに笑っています!」

51: 2018/10/13(土)20:25:28 ID:aqK
ネプチューン・キング「どうした、恐怖のあまりおかしくなったか」

ネプチューン・キング「これだから、精神面が未熟な下等超人は」


バッファローマン「うるせぇ――ッ!」ジワァァ…

バッファローマン「テメエなんぞに、オレの笑いの意味がわかってたまるか!」ジワァァ…


ネプチューン・キング「笑いの意味……だと?」


バッファローマン「ゴッハァ~ッ……!」ジワァァ…

バッファローマン「アイアン・スェット……上等じゃねえか!」ジワァァ…

バッファローマン「そこのシマウマ――」ジワァァ…


ゼブラ「ぐっ……!」ジワァァ…


バッファローマン「――いやさ! キン肉マンゼブラが!」ジワァァ…

バッファローマン「リングに戻ってくる前に、片を付けてやるぜ!」ジワァァ…

バッファローマン「このオレ様の――ド迫力パワーでなぁ――ッ!」ジワァァ…


バッファローマン「ウウウオオアア――ッ!!」ジワァァ…


吉貝「バッファローマン、吠えた――っ!」

中野「あれは、物凄い気合ですよ~っ!」

52: 2018/10/13(土)20:38:03 ID:aqK
ネプチューン・キング「ならば、お前から先に血祭りにあげてくれる!」

ネプチューン・キング「グロロ……そうさな……」


ネプチューン・キング「ジャスト10分!」

ネプチューン・キング「マスク狩り――いや、顔面の皮を剥ぎ取ってなーっ!」


吉貝「ああ――っと! ネプチューン・キングの予告だーっ!」

中野「ひええ~っ! 10分後に、刺激の強い映像が流れるかもしれませんね!」


ネプチューン・キング「もっとも……10分保つかわからんがな!」

ネプチューン・キング「その場合は、氏体から顔面を剥ぎ取ってくれる!」

ネプチューン・キング「ヒィ――ッハッハッハッ!!」


バッファローマン「そいつはどうかな!」ジワァァ…

バッファローマン「ドリャアア――ッ!」ジワァァ…

ダダダダダッ!


吉貝「バッファローマン、怒涛の勢いでネプチューン・キングに迫り!」


バッファローマン「おらあああっ!」ジワァァ…

ネプチューン・キング「ぬおおおおっ!」

ガシィッ!


吉貝「リング中央! がっぷりと組み合った――っ!」

53: 2018/10/13(土)20:49:07 ID:aqK
ネプチューン・キング「バカな……!?」

ネプチューン・キング「下等超人……しかも、アイアン・スェットを滲ませて!」

バッファローマン「ゴッハァァ……!」ジワァァ…

ネプチューン・キング「これだけのパワーを発揮するだと……!?」

グッ…ググググッ…!


吉貝「ああ――っと! パワー勝負はバッファローマンが優勢か!」

吉貝「しかし! いつにも増して凄い迫力ですね!」

中野「そうですね~っ! これならば、女房を質に入れてでも見に来る価値があります!」


バッファローマン「グゴラァ~ッ!」ジワァァ…

ググググッ…!

ネプチューン・キング「……ええい! 鬱陶しいわ――ッ!」

ネプチューン・キング「マグネット・パワー・オブ・スマイル!」

バババババ!

バッファローマン「うっ、おおおっ……!?」

フワッ―


吉貝「おお――っと! バッファローマンの体が、宙に浮かび上がった――っ!」

54: 2018/10/13(土)20:56:04 ID:aqK
バッファローマン「ぬううおっ……!?」ジワァァ…

フワァァ…

ネプチューン・キング「とあっ!」

トンッ!


吉貝「ネプチューン・キング、それを追って跳躍!」


ネプチューン・キング「ぬんっ!」

ガシィ!

バッファローマン「……!」ジワァァ…


吉貝「そのまま、バッファローマンの体を抱え込み――」


ネプチューン・キング「地獄へ落としてくれるわ――っ!」

ネプチューン・キング「磁気嵐ドライバ――ッ!!」

ズシィィッ!

バッファローマン「……!」

バッファローマン「グハァッ!?」


吉貝「強烈なツームストンドライバーで、リングに叩きつけた――っ!」

55: 2018/10/13(土)21:04:44 ID:aqK
ネプチューン・キング「まだまだ――っ!」

ネプチューン・キング「マグネット・パワー・オブ・スマイル!」

バババババ!


吉貝「続いて、リングに突き立ったバッファローマンにパワーを照射!」


ズボ!

バッファローマン「う……おおっ……!?」

フワ…ァ…


吉貝「バッファローマンの巨体が、ゆっくりと浮かび上がっていく――っ!」


ネプチューン・キング「……なんだ?」

ネプチューン・キング「引き寄せる勢いが弱いだと……?」


バッファローマン「へ……へへへ……!」

バッファローマン「それは、今のテメエの一発で――」


バッファローマン「オレの中にあったわだかまりの心が!」

バッファローマン「汗と共に、キレイサッパリ吹き飛んだからよ――ッ!」

56: 2018/10/13(土)21:13:36 ID:aqK
ネプチューン・キング「グロロ……だが、もう遅い!」

ガシィ!

バッファローマン「ぐうっ!?」


吉貝「ネプチューン・キング! バッファローマンの体を後ろから抱え込み――」


ネプチューン・キング「磁気スープレックス!!」

ゴガァンッ!

バッファローマン「……!」

バッファローマン「グボハァッ!?」


吉貝「ジャーマン・スープレックスで再度リングに叩きつけた――っ!」

中野「この連続技は、相当な威力がありますよ~っ!」

中野「見てるこっちまで頭がクラクラします……あっ、クラクラ!」


バッファローマン「ぐ……おおっ……!」

…ドサッ!


吉貝「バッファローマン、たまらずダウ――ンッ!!」

57: 2018/10/13(土)21:22:54 ID:aqK
ゼブラ「くっ、あのヤロウ……!」ジワァァ…

ゼブラ「オレへのわだかまりが無いだと……!?」ジワァァ…

ゼブラ「バカな! そんな事があってたまるか!」ジワァァ…


ゼブラ「オレは、金のために友を犠牲にし……」パキ……パキ……


ゼブラ「キン肉星の大王の座を狙い……」パキ…パキッ…


ゼブラ「そして今も、体が動きやしない……」パキパキッ!


ゼブラ「何がテクニックだ……オレは……」パキーンッ!


ゼブラ「何の役にも立たない、ダメ超人だ……」ビキィ!



ウサギ仁奈「バッファローマ――ンッ!!」



ゼブラ「!」ビキィ!


吉貝「ああ――っと! ここでリングサイドに乱入者が!」

中野「むむっ、あれは……ウサギのキグルミを着た、誰ですかね?」

58: 2018/10/13(土)21:34:23 ID:aqK
ウサギ仁奈「頑張れ、バッファローマン!」

ウサギ仁奈「バッファローマ――ンッ!!」


バッファローマン「く……ぐぐっ……!」

ググッ…!


ネプチューン・キング「ば、バカなっ!?」

ネプチューン・キング「何故、そのダメージで立ち上がれる!?」


バッファローマン「テメエには、聞こえねえのか……?」

グググッ…!



ウサギ仁奈「バッファローマ――ンッ!!」



バッファローマン「声援がオレのエネルギーよ!」

バッファローマン「ウォオオ――ッ!!」



吉貝「立った! 立ち上がりました、バッファローマン!」

59: 2018/10/13(土)21:44:11 ID:aqK
バッファローマン「ゴッハァァ……!」

バッファローマン「さあ、勝負はここからだぜ!」


ネプチューン・キング「グロロ……ほざけ、下等超人が!」

ネプチューン・キング「……ヒィーッハッハッハ!」

ネプチューン・キング「そうだな、まずは――」チラッ!


ウサギ仁奈「バッファローマ――ンッ!!」


バッファローマン「!?」

バッファローマン「おい! 何を考えてやがる!?」


ネプチューン・キング「ハ――ッハッハッハッ!」

ネプチューン・キング「全開! マグネット・パワー・オブ・スマイル!」

バババババババ!


…ゴロゴロゴロゴロッ…!


吉貝「ああ――っと! ネプチューン・キング、空に向けてエネルギーを照射!」

吉貝「リングの上空に、巨大な雷雲が発生した――っ!」

中野「むむっ、これはいけませんよ!」

吉貝「どういう事ですか、中野さん!?」

中野「急いでおヘソを隠さにゃなりません」

60: 2018/10/13(土)22:02:06 ID:aqK
ネプチューン・キング「ワシも、まだこの力に慣れていなくてなぁ!」

ネプチューン・キング「うっかり……そう、うっかり」

ネプチューン・キング「迷い込んだウサギを頃してしまうかもしれん」ニタァッ!


バッファローマン「何ぃ!? や、やめろぉ――ッ!」

ヨロヨロッ…

バッファローマン「ぐうっ!? あ、足が言うことを聞きやがらねえ!」


ネプチューン・キング「ヒャ――ッハッハッハッハッ!」

ネプチューン・キング「さあ! 降り注げ!」

バババババババッ!


ゴロゴロゴロゴロッ!


ネプチューン・キング「サンダー・サーベル!!」


ピカッ! バリバリィィッ!


吉貝「む、無数の雷が降り注いできます!」

中野「あわっ、わわわっ! 危ない危ない!」

61: 2018/10/13(土)22:10:13 ID:aqK
バリバリィィッ!


ウサギ仁奈「かっ、雷が落ちてきやがります!」


ゼブラ「……!」ビキィ!

ゼブラ(ぐうっ! 体が固まって、まるで動かん!)

ゼブラ(……)

ゼブラ(フン……これが、ゼブラ様の最期とはな……)


ウサギ仁奈「っ、ゼブラっ!」


ゼブラ「……」ビキィ!

ゼブラ(……悪いが、助けてはやれん)

ゼブラ(オレは……所詮――)


ウサギ仁奈「早く逃げてくだせーっ! 早く!」

ぐいぐいっ!


ゼブラ「!?」ビキィ!

ゼブラ(なっ、バ、バカなっ!?)

ゼブラ(何故だ!? 何故、一人で逃げない!?)

62: 2018/10/13(土)22:16:59 ID:aqK
ウサギ仁奈「うーん! うーん! 重てー!」

ぐいぐいっ!


ゼブラ「……!?」ビキィ!

ゼブラ(コイツは、自分が危険だと言うのに……!)

ゼブラ(こんな……オレのために……!)

ゼブラ「……!」…ピシッ!


バリバリィィッ!


吉貝「ああ――っと! 雷が、ウサギの少女へと降り注いだ!」

中野「ひええ~っ! ナンマイダーナンマイダー!」


ウサギ仁奈「ゼブラ! ゼブラ――ッ!」

ぐいぐいっ!

ゼブラ「――!」ピシピシピシピシッ!


…パキィ――ンッ!

63: 2018/10/13(土)22:26:53 ID:aqK
ゼブラ「セリャアア――ッ!」

トンッ―


吉貝「ああ――っと! 鉄の固まりとなっていたゼブラ!」

吉貝「その殻を破り、跳び上がった――っ!」


ゼブラ「セイント・マッスルパンチ――ッ!!」

ヒュガッ! ガッ! ガツッ!


吉貝「ななな、なんと! キン肉マンゼブラ、パンチで!」

吉貝「パンチで、降り注ぐ雷を叩き落としていく――っ!」

中野「むむっ! あれを見てください!」


バリバリバリィィッッ!!


吉貝「こ、これは大きい! 巨大な稲妻のサーベルだ――っ!」


ゼブラ「ウオオラァァ――ッ!!」

ドグシャアッ!


吉貝「しかししかし! それすらも撃ち落とす――っ!」

中野「ですが、今の音……拳が砕けたんじゃないでしょうか!?」

64: 2018/10/13(土)22:38:14 ID:aqK
ゼブラ「……」

―スタッ!


ウサギ仁奈「ぜ、ゼブラ……ゼブラっ!」

ウサギ仁奈「手が……お手々が……!」


ネプチューン・キング「フ……フハハハッ!」

ネプチューン・キング「バカめ! 冷静な判断すら出来んとは!」

ネプチューン・キング「いくら超人ボクシングのスーパー・ヘビー級チャンピオンとはいえ!」

ネプチューン・キング「拳が砕けてしまっては、ただの木偶の坊よ!」


ウサギ仁奈「ゼブラっ……!」

ゼブラ「……オレには、夢があったんだ」

ウサギ仁奈「何を言ってやがるですか……!?」

ゼブラ「そのためなら、何でもやった」

ゼブラ「人が嫌がる事も……何でもやった」

ゼブラ「だから、今回も……そうしたまでだ」


ウサギ「夢……ゼブラの、夢って……何?」


ゼブラ「……超人に――」


ゼブラ「――偉い超人になる事さ!」

66: 2018/10/13(土)22:48:11 ID:aqK
ゼブラ「――バッファローマン!」


バッファローマン「……へっ! モタモタしやがって!」


ゼブラ「……すまんな」

ゼブラ「ここからは、オレも全身全霊を――命を賭けよう!」

ゼブラ「さあ、タッチだ! バッファローマン!」


バッファローマン「おうよ!」

バッファローマン「任せたぜ、ゼブラ!」


パァンッ!


吉貝「おお――っと! キン肉マンゼブラと、バッファローマン!」

吉貝「今、交代のタッチを! 戦いのバトンを繋げた――っ!」

中野「いえ……私にはあのタッチが――」


ゼブラ「ああ、任された」

バッファローマン「頼むぜ、相棒」


中野「――固く結ばれた、握手に見えますよ」

67: 2018/10/13(土)22:53:27 ID:aqK
ウサギ仁奈「いっ、命はダメでごぜーます!」

ウサギ仁奈「ダメ! ぜーったい、ダメ! ダメ!」

ぐいっ!

ゼブラ「おっ、おい! 離してくれ!」

ウサギ仁奈「氏んじゃダメです! ダメ――ッ!」

ぐいぐいっ!

バッファローマン「だ、だが……ヤツを倒すには……!」


ウサギ仁奈「二人が居なくなったら、仁奈は悲しいでごぜーます!」

ウサギ仁奈「そんなんじゃ、笑顔になんてなれないもん!」

ウサギ仁奈「だから……だからっ!」

バサッ!

仁奈「あっ! き、キグルミのフードが……!」


ゼブラ・バッファローマン「……」


仁奈「み、見ないで……見ないでくだせー……!」

68: 2018/10/13(土)23:01:44 ID:aqK
バッファローマン「こう言ってるが……どうするよ、ゼブラ?」

ゼブラ「そうだな……じゃあ、オレの頼み事を聞いてくれるか?」

仁奈「た、頼み事……?」

ゼブラ「ああ、そうだ」

仁奈「な、何でごぜーますか?」


ゼブラ「オレにも……力を」

ゼブラ「笑顔の力をわけてくれ」


仁奈「で、でも……今、仁奈は笑うと……」


ゼブラ「頼む」ニコリ


仁奈「……!」

仁奈「はいっ♪」グニャアァッ!


バッファローマン「へへっ! どうだ?」

ゼブラ「――ああ」



ゼブラ「こんな最高の笑顔を向けられたら!」



ゼブラ「頼みを聞かん訳にはいかんなぁ――ッ!!」

69: 2018/10/13(土)23:11:36 ID:aqK

ゼブラ「――待たせたな」


ネプチューン・キング「グロロ……! 別れの挨拶は済んだか?」

ネプチューン・キング「拳が砕けたお前に、何が出来る!」

ネプチューン・キング「ハァ――ッハッハッハッ!」


ゼブラ「――必殺技だ」

ゼブラ「オマエを倒すためのなぁ――ッ!!」

トンッ―


吉貝「ぜ、ゼブラ! 先程破られた――マッスル・インフェルノの体勢に入った!」


ゼブラ「はあっ! たっ! ふっ! とあっ!」

バウンッ、バウンッ、バウンッ、バウンッ!


ネプチューン・キング「フハハハハ――ッ!」

ネプチューン・キング「またその欠陥技か!」

ネプチューン・キング「下等超人は、考えることを知らんらしい!」


ゼブラ「はっ! とっ! せいっ! せあっ!」

バウンッ、バウンッ、バウンッ、バウンッ!

70: 2018/10/13(土)23:18:31 ID:aqK
ネプチューン・キング「ええい! チョロチョロ鬱陶しいわ!」

ババババババ!

ネプチューン・キング「ふんっ!」

ガシッ!

ネプチューン・キング「サンダー・サーベル!」

ヒュッ―


―スパァッ!


吉貝「ああ――っと! サンダー・サーベルによって、ロープの一辺が切断!」

中野「ややっ! これでは、マッスル・インフェルノの体勢が崩れますね!」


ネプチューン・キング「グロロ……! さあ、悪あがきもこれまでだ!」


ゼブラ「……!」


バッファローマン「――そうはさせねえぜ!」

ダダダダダッ!


グァシッ!

ゼブラ「バッファローマン!」

バッファローマン「ゼブラよ! オレの体をロープの代わりにしろ!」

ゼブラ「――おおっ!」

バウンッ、バウンッ、バウンッ、グァシッ!


吉貝「間一髪! バッファローマンが体を滑り込ませた――っ!」

71: 2018/10/13(土)23:30:28 ID:aqK
ネプチューン・キング「ええい、小癪な真似を!」

ネプチューン・キング「ならば、飛び回るハエを直接――」

ババババババ!


ゼブラ「そうはいくかな?」


ネプチューン・キング「何っ!?」


バッファローマン「ウオオオ――ッ!!」

ダダダダダッ!


ネプチューン・キング「!?」


バッファローマン「ハリケーン・ミキサ――ッ!!」

ドガァァッ!!

ネプチューン・キング「ぐおおおおっ!?」

ギュルギュルギュルギュルッ!


吉貝「ああ――っと! バッファローマン、ハリケーン・ミキサ――っ!」

吉貝「ネプチューン・キングの巨体が、錐揉みしながら跳ね上がった――っ!!」


ゼブラ「セリャアア――ッ!!」


吉貝「そして! ゼブラも――あ、あれは!?」


ゼブラ「オオオオオッ!!」

バッファローマン「ゴッハァ――ッ!!」

グワアアッ!


吉貝「な、なんと! バッファローマンと共に、空へ上っていく――っ!!」

72: 2018/10/13(土)23:42:06 ID:aqK
ゼブラ「この技は――友情によって、会得した技!」

ボォォォッ!

バッファローマン「オレに遠慮することはねえ! ぶちかませ!」

ボォォォッ!


吉貝「きっ、キン肉マンゼブラとバッファローマンが!」

吉貝「ほっ、炎に! 燃え盛る炎に包まれていきます!」

中野「……キン肉族三大奥義が描かれた壁画」

中野「それは、全て未完成の状態で描かれていたと聞いています」

吉貝「つまり、マッスル・インフェルノとは……まさか!?」

中野「解説の私如きでは、わかるはずもありませんよ!」

中野「ですが――あれも、一つの完成形なのかも知れません」


ゼブラ「くらえいっ! オレの――オレ達の炎を!」

ボォォォッ!!


ネプチューン・キング「う、おおおっ!?」


ゼブラ「完全! マッスル・インフェルノォォ――ッ!!」

ズドオォォッ!!


ネプチューン・キング「ぐおあああっ!?」

73: 2018/10/13(土)23:52:52 ID:aqK
  ・  ・  ・

キン肉マン「ええい、離せ! 離さんか、ミート!」

ミート「ダメです! どこへ行こうって言うんですか!」

キン肉マン「そんなもの、地球に決まっておるだろうが!」

ミート「決まってません! ワガママ言わないでください!」

キン肉マン「ワガママなものか! 見ろ、テレビを!」


『あははははっ!』


キン肉マン「あ~んな良い笑顔、テレビで見るんじゃ勿体無いわい!」

キン肉マン「私は行く! 止めんでくれ、ミート!」

ミート「あっ、ちょっと! も~っ!」

ミート「どうせ行くなら、僕も連れてってくださいよーっ!」


https://www.youtube.com/watch?v=jLiyCYcjZ8s




おわり

74: 2018/10/14(日)01:05:45 ID:wQh
マグネット・パワー・オブ・スマイルはずるいと思う
最後解決したことはわかるけど、試合後の描写も見たかったな

75: 2018/10/14(日)18:24:29 ID:wkl
マリキータ「てんとう虫の気持ちにはなってくれないのか」

引用元: 市原仁奈「ゼブラの気持ちになるでごぜーます!」