1: 2013/05/31(金) 17:33:09.11 ID:otSrB9a20
P「ただいま戻りましたー」

春香「お帰りなさい、プロデューサーさん」

P「……あれ? 春香だけなのか?」

春香「はい、私が戻ってきたときには誰も居ませんでした」

P「小鳥さん……どこ行ったんだろう?」

春香「買い物とかですかね?」

P「何か急遽必要なものがあったんだろうな」

春香「そうですね……あっ! 私、コーヒー淹れてきますよ!」

P「あぁ、頼む」

春香「はーい」


P「そっか……小鳥さん居ないのか………」

P「……………」


P(ちょっと残念だったりして……)

P「……って、俺はいつまで突っ立ってんだ」
朝焼けは黄金色 THE IDOLM@STER: 2【イラスト特典付】 (REXコミックス)
2: 2013/05/31(金) 17:35:11.96 ID:otSrB9a20
P「…………さてと」

P「片付けたばかりの綺麗な机ってのは実に…………ん?」

P(俺のボールペンがペン立てを離れて一本だけ………)

P「おかしいな……机の上はまっさらにして出かけたはずなのに」

P「しかも……」


P「なんで濡れてるんだ? なにで濡れてるんだ?」


P「ちょっと粘度があるな」

P「…………」


P「…………」クンクン

P「匂いは特にない」

ガタン!

P「!?」

P「今の音は……春香か?」

6: 2013/05/31(金) 17:42:29.19 ID:otSrB9a20
P「どれ、味も見ておこう……」

ガタン!

P「!?」

P「春香が転んだにしては、音が近くから聞こえるんだよなぁ……」


P「まぁいい……それより、問題はこの謎の液体Xだ」

ぬーるぬる ねーとねと

P「ぬるぬるしてて、少し糸引く感じか……」

P「……あっ! よく見たら机の角も……床にも落ちてる」

P「ボールペンに付いてるのと同じ液体みたいだ」

P「…………」

P「こんなの遠心分離機にでもかけないと、何かわからんな」

P「ちょっと容器に集めておこうか……」

ガタン!

P「!?」

P「……また春香か?」

10: 2013/05/31(金) 17:51:49.12 ID:otSrB9a20
P「しっかしこれは……全体見ると結構な量だぞ?」

ガタン!

P「……うん、もう慣れた」


P「無色透明で匂いはそうなくて、ただ若干粘度がある液体……」

P(そんなの……ローションくらいしか思いつかないな……)

P「んーわからん」


P「よく考えたら、イスだって引きっぱなしじゃなく、ちゃんと戻したはずだけど……」

P「あぁ、これはわかるぞ……小鳥さんが掃除をして、戻し忘れたんだな」

P「イスを引く手間が省けたからいいや…………よいしょっと」

P「……………」






P「何をしてるんですか?」

小鳥「うぅ……」

15: 2013/05/31(金) 17:59:25.96 ID:otSrB9a20
P「どうして小鳥さんが俺の机の下に居るんですか!?」

小鳥「いや……その………」

ガチャ

小鳥「!?」

春香「はいプロデューサーさん、コーヒー」

P「お、おう! ありがとな」

春香「いえいえ」


P『春香に見つかっちゃマズイですか?』ヒソヒソ

小鳥『いえ……プロデューサーさんに見つかった時点で、もう………』ヒソヒソ

P『……そうですか』


春香「え? プロデューサーさん、何か言いました?」

P「いや、なんでもないよ」

春香「あっ、そうだ……私もちょっと出かけますね」

P「おぉそうか! 気をつけてな」

17: 2013/05/31(金) 18:09:36.07 ID:otSrB9a20
P「あっ! ちょ、ちょっと待ってくれ春香!」

春香「なんですか?」

P「えっと……お金渡すからさ、全員分のアイスを買ってきてくれないか?」ペラッ

春香「え? いいんですか!?」

P「あぁ、たまにはな」

春香「やったぁー! それじゃ、いってきまーす」

P「転ぶなよー」

春香「はーい」

バタン  ドンガラガッシャーン!!


P「…………さて」

P「小鳥さん? 春香、行きましたから……もう出てきても大丈夫ですよ」

小鳥「…………はい」

P(ずいぶんと意気消沈してるな……)

小鳥「…………」ウルウル

P(なんか涙目だし)

19: 2013/05/31(金) 18:19:18.08 ID:otSrB9a20
P「それで? 一体全体何をしてたんですか?」

小鳥「そ、それは………」

P「まさか、かくれんぼじゃないですよね?」

小鳥「これがただのかくれんぼだったらどんなにいいか……」

P「うーん……よくわかんないですけど」

小鳥「出来ればそのまま、一生わからないでいてください」

P「そう言われましても……気になるのは気になるわけで……」


小鳥「…………」チラチラ

P「どうしたんですか? 机の上ばっかり見て……」

小鳥「い、いえ……なんでも」

P「あっ! このボールペンでしょ?」

P「何なのかはわかりませんけど、濡れてるんですよねぇ」

P「ほら、机の角だってそうだし……小鳥さん、わかります?」

小鳥「…………////」

P「???」

20: 2013/05/31(金) 18:29:18.93 ID:otSrB9a20
P(……なんだ? この小鳥さんの反応は)

P(ペンや机に付着した謎の粘っこい液体と、頬を染めた美女……)

P(よくよく見てみると……なんかモジモジしてるし……)

P「…………あっ」


P「……………ま、まさか!」

小鳥「ぴよっ!」ビクンッ

P「まさか俺の身の回りの物を使って…………ABCDEF?」

小鳥「……G」

P「――に励んでて、春香が帰ってきたもんだから咄嗟に机の下に隠れた!」

P「そうこうしてるうちに、よりにもよって持ち主登場!」


P「そーいうことですか!?」

小鳥「ご、ごめんなさぁーーい!!」

P「なにで濡れてるって、ナニだったのか……」

小鳥「////」

23: 2013/05/31(金) 18:39:20.80 ID:otSrB9a20
P(息子の部屋で工口本見つけた母親って、今みたいな気持ちになるのかな……?)

小鳥「あ、あの……」

P「はい?」

小鳥「ごめんなさい」

P「別に謝らなくてもいいですけど……今後は気をつけてくださいよ?」

小鳥「……はい」

P「見つけたのが俺だったからまだよかったものの……」

P「アイドル達に見つかったらどうするんですか?」

小鳥「…………」

P「いや、本人に見つかるのが一番悪いのか……」

小鳥「うぅ……」ウルウル

P(なんか可哀相になってきた……)

小鳥「…………ぐすん」

25: 2013/05/31(金) 18:49:29.30 ID:otSrB9a20
小鳥「うぅ……ぐすっ……」

P「ほらほら、泣かない泣かない」

小鳥「だってぇ………私のこと軽蔑したでしょ? 気持ち悪いって思ったでしょぉ?」

P「確かに驚きはしましたけど、気にしてないですから」

小鳥「……ホントですかぁ?」

P「えぇホントです!」

小鳥「でもでも……嫌いになったんでしょぉぉ?」

P「なってないですってばー」

小鳥「ボ、ボールペン触った手を……慌てて拭いてるじゃないですかぁ!」

P「そりゃ拭くでしょうよ! 舐めろとでも言うんですか?」

小鳥「…………えっ」

P「なに小鳥さんが引いてるんですか! 引きたいのはこっちですよ!!」

小鳥「やっぱり引いてるんだぁぁぁーーーー!!」

P「もぉーめんどくさーい」

P(むしろ、このぐずり泣きにどん引きですよ……小鳥さん)

26: 2013/05/31(金) 18:56:06.26 ID:otSrB9a20
小鳥「おーいおいおいおい!!」

P「号泣じゃないですか……もう泣かないでくださいって」

小鳥「ぐずっ……ひっく……ひっく………」

P「小鳥さんを嫌いになんてなりませんから、ね?」

小鳥「ほ、ほんど……でず…がぁ?」

P「ホントホント!」

小鳥「う……うぅ……うそだぁぁぁぁーーーー!!」

P「…………はぁ」


P「いいですか、小鳥さん。 俺が小鳥さんを嫌いになるわけありません」

小鳥「…………ぐすっ」

P「もちろんビックリしましたよ?」

P「でも、そういう風に見てくれてたってのは……う、嬉しいっていうか………」

小鳥「……えっ」

P「…………」

29: 2013/05/31(金) 19:02:49.47 ID:otSrB9a20
小鳥「ど、どうせ……私を泣き止ませる為の……ウソ…なんでしょ?」

P「違いますよ」

小鳥「絶対ウソよ……私、わかるもんっ!」

P「もう…………それなら正直に言いますけどねぇ!!」


P「俺だって小鳥さんでシタことありますよッ!!」


小鳥「えっ? な、なにを……」

P「バイオ2から登場するのは何ウイルスですか?」

小鳥「……G?」

P「そうです!」

小鳥「ってことは……私の、ボールペンを……?」

P「いやいやいや、ここではしたことないですよ!?」

P「っていうか俺がボールペン使うって、どう使うんですか?」

小鳥「そ、それはやっぱり……」

P「ええい黙れ!!」

32: 2013/05/31(金) 19:08:13.66 ID:otSrB9a20
P「あのね……人間ですから、そーいう気持ちになることだってあります」

P「行為そのものは、別に悪いことではないじゃないですか」

小鳥「…………」

P「問題なのは場所とか、使う道具にあるわけです」

P「ですからまぁ、今後はキチンと弁えていただいてですね……」

P「…………」


P「………あーもういいや! 忘れましょう!」

小鳥「え?」

P「ここでは何も起きなかったし、俺は何も見なかった……それでいいですね?」

小鳥「…………」

P「どうしたんですか? まだなにか……」

小鳥「いや……そのぅ………」

小鳥「プロデューサーさん、私で……シタことあるって、言いましたよね?」

P「えぇ、たった今……って、そこ掘り下げますか………」

35: 2013/05/31(金) 19:14:19.66 ID:otSrB9a20
小鳥「それって、他のアイドルの子とかでは……」

P「いえ、小鳥さんだけ………ですかね」

小鳥「そ、そうですか……」

P「えぇ」


小鳥「わ、私もね? その……プ、プロデューサーさんだから………」

小鳥「だから、あぁいったことをしてた……わけで…………」

P「…………」

小鳥「そのぅ……つまり、私は……プロデューサーさんのこと…………」


P「小鳥さん……ちょっと待ってください」

小鳥「え?」

P「俺は今、何も起きなかった……何も見なかったと、そう言いましたよね?」

小鳥「は、はい……」

P「ですから小鳥さんが今言おうとしていることは、まったく意味の無いものなんです」

小鳥「…………」

38: 2013/05/31(金) 19:24:42.67 ID:otSrB9a20
小鳥「で、でも……」

P「小鳥さん、聞いてください」

小鳥「…………はい」


P「あの……こういうのってよくあるシチュじゃないですか、えOちな漫画とかだと」

P「気になってる人が自分を想って、Gをしてる現場を目撃した……とかっていうのは」

小鳥「…………」

P「で、大体その後の流れは、なし崩し的に……Gの次ですから………ね?」

小鳥(ABCDEFG………)

小鳥「え、えぇ」

P「……ですがそれは、あくまでも漫画の中だけの話です」

小鳥「そうですよね……好きでもない人に………」

P「いや、それは違いますよ」

小鳥「え?」

P「俺が言いたいのは、そういうことではありません」

42: 2013/05/31(金) 19:31:53.62 ID:otSrB9a20
P「俺は漫画と同じにはなりたくない……」

小鳥「…………」

P「偶然とか、なし崩しとかで小鳥さんと親密になりたくはないんです」

小鳥「え? 私と……し、親密に?」

P「なんていうかこう……正攻法で勝負したいっていうか……」

P「わかってくれますよね? この気持ち」

小鳥「まぁ……はい」

P「今小鳥さんが何を言おうとしたのかは、流石の俺でもわかります」

P「でもそれは、まだ早いというか……今じゃないんですよ」

小鳥「…………」

P「ただのエゴかもしれませんけど……俺はそう思ってるんです」

P「だから、今日は……今日は何もなかったんです! 小鳥さんは今帰ってきたんです!」

小鳥「うーんと……わかりました」

P「なんかすいません」

小鳥「いえ、そんな………なんか、嬉しいです」

46: 2013/05/31(金) 19:38:16.25 ID:otSrB9a20
小鳥「あのぅ……ひ、ひとつだけ聞いてもいいですか?」

P「どうぞ」

小鳥「結構頻繁に……私でシテるんですか?」

P「…………は?」

小鳥「ですから、その……」

小鳥「日本とアメリカで共同制作されたガンダムシリーズの作品は何セイバー?」

P「……G」

小鳥「そうです」


P「……それを聞いてどうするおつもりですか?」

小鳥「いや、参考までに……」

P「何の参考ですか何の!」

小鳥「だって、それによってこう……今後の妄想が変わってくるじゃないですか」

P「妄想って……少しは懲りなさいよ!!」

小鳥「ぴよぉ」

48: 2013/05/31(金) 19:45:41.52 ID:otSrB9a20
P「まさかですけど、事務所に一人で居るときは……いつも盛ってたんですか?」

小鳥「さ、盛ってたって……そんな言い方………って違いますよ! 」

小鳥「いつもはペンとかマウスをちゃんと持って帰って……」

P「……持って帰って?」

小鳥「…………あっ」


P「なんか気付いたらボールペンが無くなってると思ったら! そういうことですかッ!」

P「やたらマウスカーソルが荒ぶると思ったらぁぁーーッ!!」

小鳥「てへぴよ(・ω<)」


P「あとは何だ! 何を使ったぁ!」

小鳥「あとは……マグカップとか?」

P「マジの変態やないかいっ!!」

小鳥「だってぇ……目の前にソレがあったら………」

P「…………はぁぁ~」

P(なんでこんな人好きになったんだろ…………)

51: 2013/05/31(金) 19:52:22.78 ID:otSrB9a20
――――
――

ガチャ

春香「なんと帰りは一度も転ぶことなく、無事に戻って参りましたー!」

P「おかえり」

小鳥「おかえりなさい」

春香「あれ? 小鳥さん、もう帰ってきてたんですね!」

小鳥「え、えぇ……まぁ」

春香「どこ行ってたんですか?」

小鳥「うぅん、あの時まだイッてなかったのよ」

スパァン!

小鳥「あいだっ! プロデューサーさん、叩かないでくださいよぉ!」

P「なんてこと言うんですかアンタはッ!!」

小鳥「いや、私は聞かれたから答えただけで……」

P「その腐った脳みそ取り出して、漂白剤でジャブジャブ洗いますよ!!」

春香(……なんの話?)

53: 2013/05/31(金) 19:57:26.80 ID:otSrB9a20
春香「アイスどうします? とりあえず冷凍庫に入れときましょうか?」

P「いや、せっかくだし先に三人で食べよう」

春香「色んな種類を買ってきたんで、早い者勝ちですね!」


小鳥「あいすぅーあいすぅー♪」

P「子供かっ!」

小鳥「おおとかげーおおとかげー♪」

P「コモドかっ!」

小鳥「クロッシィ~クロッシィ~♪」

P「ドコモかっ!」

春香「……壊滅的にツマンナイです」

P・小鳥「「サーセン」」


春香「ほらほら、早く選びましょー」

P・小鳥「「はーい」」

54: 2013/05/31(金) 20:01:10.10 ID:otSrB9a20
春香「小鳥さんはどれにしますか?」

小鳥「私? 私は……この中だと………」

小鳥「バ・ナ・ナ……かしらぁ」チラッ

P「…………////」

春香「プロデューサーさんは?」

P「俺? じゃあ俺は……えーっと………」

P「マ、マンゴーかなぁ?」チラッ

小鳥「…………////」


春香「そうそう! なんかマンゴーって、2つあったんですよ!」

春香「フツーのマンゴーと、完熟マンゴー」

P「それはやっぱり、完熟……」チラッ

小鳥「ウォッホン!!」

P「フツーのマンゴーにします」

春香「そうですか」

58: 2013/05/31(金) 20:04:09.89 ID:otSrB9a20
P「春香はどれにするんだ?」

春香「私はですねぇ、ちょっと珍しいのがあって……」

春香「これこれ! このチェリーってやつを…………」

P「ウォッホン!!」

春香「な、なんですか?」

P「いんやぁ? なんでもないぞー?」

P「チェリーとかそんなの、俺にはまっっったく関係ないぞー?」

春香「なんか口調がオカシイですよ?」

小鳥「プークスクスwww」

P「…………」ギロッ

小鳥「あっいや…………ぷふっ」

P「…………」ムスッ


P「なぁ聞いてくれよ春香ぁ~、小鳥さんさぁ……俺のボールペンで………」

春香「……えっ」

小鳥「ちょ、ちょー!!」

60: 2013/05/31(金) 20:09:31.66 ID:otSrB9a20
春香「ボールペン……」

P「どーした?」

春香「へ? ……い、いえ! なんでもないですよッ!」

P「……そうか」

春香「そ、そーですよ」

春香(こっそり持って帰ってるのがバレたのかと思った……)


小鳥「…………」ニヤニヤ


小鳥「春香ちゃーん♪」

春香「……ナンデスカ?」

小鳥「そぉ~だったんだぁ~」

春香「ぎゃっ!!」

小鳥「んっふっふ~」

春香「な、何がそんなにオカシイんですか? ヘンな小鳥さんだなぁ!」

小鳥「だってぇ……ねぇ?」

61: 2013/05/31(金) 20:14:52.24 ID:otSrB9a20
春香「あ、あーいけない! 冷凍庫に入れないと残りのアイスが溶けちゃうぅー!!」

小鳥「あっコラ! 待て待てー♪」

P「…………」

P「マンゴー(゚Д゚)ウマー」


小鳥「ほらぁ、お姉さんに正直に言ってごらんなさいよぉ~」

春香「やだなぁー小鳥さん! 一体何の話をしてるんですかねぇ~」

P「…………」

小鳥「いいのよ? 人間ですもの……行為そのものは悪いことじゃ………」

春香「あーあーきこえなーい」

小鳥「私達はもう、棒姉妹……いや、ボールペン姉妹になったんだから………」

P「…………」





P「そういやこの小鳥液って俺が拭かないといけないのー?」

END

62: 2013/05/31(金) 20:15:25.80 ID:otSrB9a20
短いけど終わりです
お粗末さまでした

63: 2013/05/31(金) 20:18:51.03 ID:VippQTn2i


正統派Pピヨだった

引用元: P「事務所に戻ったら小鳥さんの姿がなかった」