1: 2012/06/17(日) 20:34:09.73 ID:SVYMiG1R0
雪歩「兄さんが、うちの娘のプロデューサーさんか?」

P「どうしたんだ雪歩?……芝居の、練習か?」

雪歩「オゥ、お前ら」パチン


ガチャッ

強面ABC「「「お嬢!如何なさいました!!」」」ザザザザザッ


P「」

雪歩「一人で良い。この兄さんに、事情を説明してやれ」

強面A「ウス」
ぷちます!(14) (電撃コミックスEX)
2: 2012/06/17(日) 20:36:13.13 ID:SVYMiG1R0
P「えぇっと?……朝起きたら、雪歩と」

P「その、お父さんが……入れ替わっていた、と」

雪歩「……うん?」ギロッ

P「ひっ!?」

雪歩「兄さんに、お義父さんと呼ばれる筋合いはないんだが……」

強面A「こいつ……お嬢を、呼び捨てだと?」

P「萩原さん本っ当にすみませんでした命だけはお助け下さい」ガタガタ

3: 2012/06/17(日) 20:38:56.22 ID:SVYMiG1R0
雪歩「まぁ、この話はその辺にして、だ」

雪歩「娘が、今日はどうしてもここに来ないといけないと言ってなぁ……」

雪歩「代わりに俺が行くと言い出したら、途端に嫌がってしまってね」

P「あ、あはは……そ、そうだったんですか」

強面B「何がおかしい?」

P「おかしくないです何も全くおかしくないです」ガタガタ

7: 2012/06/17(日) 20:42:55.02 ID:SVYMiG1R0
雪歩「娘に聞いても教えてくれんし、仕方がないから勤め先の兄さんにでも聞こうと思ってな」

P「そうですねぇ。今日は萩原さんはオフのはずですけど、特には……」

P「というか、仕事が入ってても今日はちょっと無理、みたいな?」

雪歩「ハハッ……いや、確かにそうだな」

雪歩「ま、兄さんが知らないのなら、他の子に聞いて回るだけだ」

8: 2012/06/17(日) 20:45:16.90 ID:SVYMiG1R0
P「あ、あの!ちょっと、いいですか」

雪歩「……うん?」

P「今はここに誰もいないから良いんですけど、その……萩原さんの部下さん達は、ちょっと」

雪歩「あぁ、こいつらか……お前ら、外で待機しとけ」パチン

強面ABC「「「へい、お嬢!」」」ザザザザザッ


雪歩「これでいいか?」

P「はい、それと……できるだけ他の子の前では、いつもの萩原さんでお願いできますか」

雪歩「ん……そうだな。娘のメンツに関わるのなら、まぁ仕方ないな」

P「あ、ありがとうございます……」

11: 2012/06/17(日) 20:48:12.09 ID:SVYMiG1R0
ガチャッ

伊織「あー、喉渇いたー」

美希「ただいまーなのー」

P「おー、おかえりー」



伊織「雪歩ー!お茶ー!」

美希「ミキはお疲れなの」

雪歩「……は?」

13: 2012/06/17(日) 20:50:17.11 ID:SVYMiG1R0
P「は、萩原さんはですね、いつも皆にお茶を配ってるんです……」ヒソヒソ

雪歩「……うちの娘に給仕みたいな事をさせているのか、君は?」ヒソヒソ

P「お、おお俺はそんな事させてません!お、主に伊織達がですね……」ヒソヒソ



伊織「早くお茶ー!」

美希「お茶ー!」

雪歩「………」

17: 2012/06/17(日) 20:52:23.11 ID:SVYMiG1R0
雪歩「ほら、お茶だ」コトッ

伊織「ホントあんたはノロマなんだから、まったく」スッ

美希「!……デコちゃん、これ……」

伊織「あつっ!……ちょっと雪歩!何よこれ!」

雪歩「お茶が欲しいと言ったから、熱いお茶を入れてあげたんだよ」

伊織「熱過ぎるわよ!もっとヌルくしなさいよ!」

美希「これじゃすぐ飲めないの」

雪歩「………」

20: 2012/06/17(日) 20:54:25.50 ID:SVYMiG1R0
雪歩「……これでどうだ」コトッ

伊織「ふん……ホント使えないわねあんた………」ゴクッ

伊織「!……ちょっと、雪歩!ヌルすぎるわよこれ!」

美希「あんまりおいしくないの……うぇー」ダバー

雪歩「……ヌルくしろと言ったから、氷を入れてやったんだろう」

伊織「誰もここまでヌルくしろだなんて言ってないわよ、バカッ!」

23: 2012/06/17(日) 20:57:47.46 ID:SVYMiG1R0
伊織「……はぁ、もうお茶はいいわ」

雪歩「そうか」

伊織「買ってきて」

雪歩「……ん?」

伊織「100%オレンジジュース、買ってきなさいって言ってるの。すぐに」

伊織「いくらドジでグズな雪歩でも、買い物くらい出来るわよね」

美希「あ、ミキはおにぎりが欲しいな!」

P「お、お前ら、もうその辺にして……」



雪歩「……いい加減にしてくれないかな」

26: 2012/06/17(日) 21:01:10.94 ID:SVYMiG1R0
伊織「な、何よ?」

雪歩「君達には、年上の人間に対する敬意と言うものがないのか?」

伊織「はぁ?いきなり何言い出して」

雪歩「人が話をしている時は、黙って聞きなさい」バンッ

伊織「」ビクッ

美希「」ビクッ



雪歩「水瀬んとこのお嬢ちゃん。萩原雪歩という人間とは、もう少しちゃんと仲良くしてくれないかな」

雪歩「アゴで使える動物としてじゃなくて、ね」

27: 2012/06/17(日) 21:04:22.43 ID:SVYMiG1R0
伊織「な、仲良くしなかったら……どうするってのよ?」

雪歩「そうだなぁ……もしそうなら、悲しいねぇ」

美希「か、悲しいの……?」





雪歩「……悲しくて、悲しいあまり、穴ぁ掘って……」

雪歩「君達を、そこに埋めてしまうかもしれないな……」ニタァ

伊織「」

美希「」



P「(め、目が笑ってない……マジでヤる気だ、萩原さん……!)」ガタガタ

32: 2012/06/17(日) 21:08:00.10 ID:SVYMiG1R0
雪歩「あれで少しは、娘と仲良くしてくれればいいんだがなぁ」ポリポリ

P「た、頼みますから、余計なトラブルは避けてくださいよ、萩原さぁん」

雪歩「トラブル?そんなもん起きちゃいないだろう」

雪歩「……起きる時は、外にいる連中がここに乗り込んでくる時だからな」

P「………」タラリ


ガチャッ

響「こら~!いぬ美、落ち着け~!!」

いぬ美「Bow!Wow!!OK!!!」ドドドドド

33: 2012/06/17(日) 21:10:01.54 ID:SVYMiG1R0
いぬ美「Geese.....!!」ハッハッハッハッ

響「あ、危ないぞー!雪歩ー!」

雪歩「………」

いぬ美「Burn knuckle!!」ピョン


フワッ

ドサッ


雪歩「……押忍」

いぬ美「」ピクピク

響「うぎゃー!い、いぬ美ー!!」

P「(……犬に真空投げを決めた……!?)」

35: 2012/06/17(日) 21:13:18.53 ID:SVYMiG1R0
雪歩「娘にも護身術を教えようとしてるんだが、なかなかそんな時間がなくてねぇ」

P「む、娘さんが心配なんですね」タラリ

雪歩「あぁ……そうだ、兄さん。ちょっといいか」

P「何でしょう?」

雪歩「キチクマコトって奴を、知らないか」

P「き、鬼畜?……菊地真、ですか?」

雪歩「そう、そいつだ。最近、娘と話す度にその名前が出てきてね……」



雪歩「一度どんな男か、会ってツラを拝んでみたいんだよ」ニタァ

37: 2012/06/17(日) 21:17:14.07 ID:SVYMiG1R0
P「た、確かに、菊地真はウチのアイドルですけども……」

雪歩「なるほどねぇ」

P「……い、いや、違うと思いますよ!?真と萩原さんは、そういう関係じゃ」

雪歩「別に変な事をする気はない。ただ……」

P「……た、ただ?」

雪歩「俺が相応しくないと思ったら……詰めるとこ、詰めてもらわないとな」ニタァ

P「」


ガチャッ

真「あ、いたいた!雪歩ー!」

38: 2012/06/17(日) 21:19:26.20 ID:SVYMiG1R0
P「ま、真っ……なんつータイミングの悪さで……!」

雪歩「……へぇ」

真「?」

雪歩「……私に何か、用?」

真「何言ってるんだよ。ほら、さっさと会議室に行こっ」グイッ

雪歩「あ……」

ガチャッ バタン



P「…」

P「……お、俺知ーらねっと」

42: 2012/06/17(日) 21:22:48.28 ID:SVYMiG1R0
雪歩「随分強引なんですね、真さん」トテトテ

真「?……いや、皆もう集まってるからさ。後は雪歩だけだよ」スタスタ

雪歩「集まってる……?」

真「そうだよ。ボク達だけの、ヒミツの集まり……」

雪歩「………」

ガチャッ

44: 2012/06/17(日) 21:26:12.66 ID:SVYMiG1R0
ロボ「ポパピピピピピポパポピパパピポピピ」ウィーンウィーン

春香「ぁ……あ、やぁんっ……」パンパン

真「ごめーん、遅れちゃったよー」

雪歩「……何、これ……真ちゃん、どういうこと……!?」

ロボ「ポパピピパピピポパポピパパピポピピ」シュウィーン

雪歩「あ、ちょ……やだぁっ………!」クチュックチュッ

____________________
 
 ○
o

小鳥「――こ、これなら今年の夏コミも……」ブツブツ

P「(トイレから帰ってくるなりこれだよ……)」

46: 2012/06/17(日) 21:28:13.71 ID:SVYMiG1R0
ガチャッ

真「雪歩、見つけてきたよー」

亜美「あ、ゆきぴょんだ」

真美「遅いよゆきぴょ→ん」

千早「…」チクチクチクチク

やよい「ごめんなさい、先に始めちゃってましたー!」

47: 2012/06/17(日) 21:31:39.69 ID:SVYMiG1R0
雪歩「(ん?……何だこれは)」ヒョイ

亜美「あ、ちょっとゆきぴょん!それ触らないでよー」

雪歩「“かたたたきけん”……?」

真美「まだそれ作ってる途中なんだよー」

雪歩「こんなもの作ってどうするの?」

真「へ?……いや、亜美達にはこれ作らせようって、雪歩が言ったんじゃないか」

雪歩「……私が?」

49: 2012/06/17(日) 21:35:02.10 ID:SVYMiG1R0
真美「兄ちゃんやシャッチョサンにも作ってるんだよー」カキカキ

やよい「お金はないですけど、心はこめてますからねー」カキカキ

亜美「一石二鳥ですな、んっふっふ~」カキカキ

真美「実際は手間暇かかってメンドクサーだけどねー」カキカキ



真「……さてと、ボクもお守り作らないと」カチャカチャ

雪歩「お守り?」

真「交通安全のお守りさ!効くかどうか微妙だけどね……へへっ」

亜美「千早お姉ちゃんはフーフエンマン?のお守り作ってるんだよねー」

千早「……今は話しかけないで頂戴」チクチクチクチク

51: 2012/06/17(日) 21:38:27.46 ID:SVYMiG1R0
真「でもこの進み具合で、父の日までに間に合うかなぁ……」チクチクチクチク

やよい「間に合いますよー。皆で協力すれば、絶対!」カキカキ

亜美「せっかく学校と仕事の合間を使って作ってるんだからねー」カキカキ

真美「無駄無駄無駄無駄無駄ァ!にはできないっしょー」カキカキ

千早「……絶対に、間に合わせてみせる」チクチクチクチク

雪歩「………」



真「……?どうしたのさ、雪歩」

雪歩「……ごめんなさい、今日はちょっと用事があって……すぐ、帰らないと」

真「あ、そうだったのか……引き止めちゃって、ごめんね」

雪歩「ううん、いいの……それじゃ、また今度ね」

54: 2012/06/17(日) 21:42:53.12 ID:SVYMiG1R0
雪歩「………」グスッ

P「あ、萩原さん!……だ、大丈夫でしたか!?」

雪歩「……歳を取ると、涙もろくなっていけないな」

P「!?な、何があったんです?」

雪歩「……兄さんは知らないのか?」

P「小鳥さんに、この時間は絶対に会議室に行くなって言われてるもんですからね……」

P「……ま、まさか~、着替えを覗けたりなんかしちゃったり~なんかしちゃったんスか?」ゲヘヘヘ


バキィッ


P「えりこぉっ!?」

58: 2012/06/17(日) 21:46:41.77 ID:SVYMiG1R0
P「あたたた……そ、それで、何か分かりました?萩原さんのしなきゃいけない事って」

雪歩「いや、それはもういい」

P「えっ?」

雪歩「娘の友達も多いみたいで、安心したよ。そろそろ、帰る事にする」

P「そ、そうですか」

雪歩「……兄さん」

P「はい?」



雪歩「うちの娘、萩原雪歩を……これからも、よろしく頼みます」ペコリ

60: 2012/06/17(日) 21:49:18.56 ID:SVYMiG1R0
P「え……あっ、は、はい。それはもう……」

雪歩「オゥ、お前ら」パチン

強面ABC「「「へい、お嬢!!」」」ザザザザザッ

雪歩「帰るぞぉ。車、用意しろ」

強面ABC「「「へい!」」」ザザザザザッ


ブロロロロロ……


P「……何だろう、何にも解決してない気がするんだが」

貴音「いえ、恐らくもう大丈夫でしょう」

P「た、貴音!?お前いつからそこに……つーか、問題ないって?」

貴音「……女の、勘です」

61: 2012/06/17(日) 21:52:18.79 ID:SVYMiG1R0
~翌日~

雪歩「(朝起きたら元に戻ってた……のは、良いんだけど)」

雪歩「(お父さんのバカバカバカバカバカ!あれほど私の姿で行かないでって言ったのに!!)」

雪歩「(もう、駄目……もう絶対、アイドルなんか続けられないよぉ……)」

雪歩「い、今のうちに、皆に今生の別れのあいさつを考えて……」ブツブツ



P「萩原さん、おはようございますっ!」ビシッ

雪歩「……ぷ、プロデューサー?」

P「!……雪歩か?雪歩なのか!?」

雪歩「……お、お父さんが、お世話になりました……」

P「あ、あぁ」

62: 2012/06/17(日) 21:54:29.79 ID:SVYMiG1R0
雪歩「アイドルやめなくて、いいんですか……?」

P「いや、と言うか萩原さんは特に何もしなかったしな……俺を殴った以外は」

雪歩「な、殴られたんですか!?」

P「ま、まぁ大丈夫だから。うん」

P「……あ、そろそろライブ会場に行く時間だから、その準備はしておいてくれ」

P「春香と真も、その内来るだろうからさ」

雪歩「は、はいぃ……」


ガチャッ

伊織「あ……雪歩………」

雪歩「伊織ちゃん、おはよう……?」

65: 2012/06/17(日) 21:59:49.70 ID:SVYMiG1R0
伊織「………」ビクビク

雪歩「(私を見て、すごく怯えてる……)」

伊織「昨日は……ごめん、なざい……もうワガママ言わない、がら……」

伊織「グスッ……だがらっ……う、埋めないでぇ………!」ポロポロ

雪歩「(えええええっ!?)」

雪歩「う、埋めたりなんか、しないよ……?」

伊織「……ほ、ホントに……?」グスッ

雪歩「う、うん……」


ガチャッ

美希「………雪歩、さん」

雪歩「……美希ちゃん?」

美希「おはようございますなの」ペコリ

雪歩「(……一体何をしたの、お父さん……!?)」

71: 2012/06/17(日) 22:03:32.03 ID:SVYMiG1R0
ガヤガヤ ザワザワ

P「と言う訳で、会場に着いたのは良いんだが……」

真「大分混んでますねー、満席じゃないですかこれ?」

春香「会場いっぱいに人が埋まるなんて夢みたいですね、プロデューサーさん!」

P「そうだなぁ……ところで、大丈夫か雪歩?」

雪歩「ひぃぃ……」ガタガタ

P「(……すっかり緊張しちまってるな……どうしたもんか)」





「オゥ、お前ら。準備は出来てるな」

「「「へい!!」」」

72: 2012/06/17(日) 22:06:03.07 ID:SVYMiG1R0
雪歩「!?……こ、この声って……あっ」

P「?……どうした雪歩」

雪歩「……き、客席の、右後ろ端……」


強面A「萩原組一同!本日はお嬢を精一杯応援させていただきますっ!!」

強面ABC「「「L・O・V・E!お・嬢!!」」」

雪歩父「声が小さいっ」

強面ABC「「「L・O・V・E!!お・嬢!!!」」」

ザワザワ……


春香「いやぁ、お嬢って照れますね~」エヘヘ

真「……あれ、春香のファンなの?」

雪歩「………」プルプル

75: 2012/06/17(日) 22:09:09.93 ID:SVYMiG1R0
P「えぇっと……な、雪歩」

雪歩「………」プルプル

P「ゆ、雪歩のお父さんから、今日はどこでやるんだって電話があってな」

P「………答えないと、殺されそうだったんだ………す、すまん」

雪歩「っ~~~~~///」プシュー

真「……?」

P「っと、時間だ。三人とも、頑張ってこい!」

春香「ヴぁい!」

真「さっ、行こうか雪歩……雪歩?」

78: 2012/06/17(日) 22:15:00.56 ID:SVYMiG1R0
雪歩「………うわああああああああああああああああああっ!!!」ダッ

真「雪歩っ!?」

春香「わ、私達も雪歩に続かないと!」ダッ

真「……き、急に元気良くなったなぁ」ダッ





強面ABC「「「L・O・V・E!!お・嬢!!!」」」

強面ABC「「「L・O・V・E!!お・嬢!!!」」」

雪歩父「………」ニタァ



おわり

79: 2012/06/17(日) 22:16:11.71 ID:nmeybkhy0

90: 2012/06/17(日) 22:22:21.14 ID:SVYMiG1R0
雪歩の父親の職業は明言されてない
だからヤーさんかも知れないし
建設業者さんかもしれないし
格闘技の師範さんかもしれない
でも萩原組の社歌はある

引用元: 雪歩「オゥ、兄さん」P「!?」