1: 2017/05/04(木) 00:13:22.65 ID:sqDOIUS/.net
曜「酒が足りないの!早く買ってきて」

千歌「曜ちゃん…落ち着いて。お酒はこの前買ったでしょ」

曜「文句言うってこと?!」ドンッ

千歌「痛いって…!生活費もあるんだし、これ以上お酒は…」

曜「うるさい!わたしが買ってこいって言ったらいくの!わからないの?!」

千歌「…曜ちゃん」

曜「早く言ってきて!」バシッ

千歌「うぅ…曜ちゃん」グスッ

2: 2017/05/04(木) 00:13:54.07 ID:sqDOIUS/.net
---

千歌「はい、コレ。買ってきたよ」

曜「なんで違うの買ってきてんの!」ドンッ グビッ

千歌「曜ちゃん…曜ちゃぁん…もうやめてよ」ポロポロ

曜「…ふぅ。…ごめんね、千歌ちゃん、もうしないから」

千歌「…いっつもそれじゃん。もう私、限界だよ」

曜「ごめん。ごめん、千歌ちゃん。私、千歌ちゃんがいないと何もできないバカだから…。お願い、見捨てないで」ポロポロ

千歌「もぅ…曜ちゃんのおバカさん」

7: 2017/05/04(木) 00:24:52.93 ID:sqDOIUS/.net
---

曜「どうっわぁ!」ガバッ

曜「…はぁ、はぁ…夢…だったの、かな」

曜(それにしても薄気味悪い夢…)

曜「なんか妙にリアルだし…」

曜「うわぁ…鳥肌凄いや。…っと、着替えなきゃ」

ピロリン

曜「…!」

黒澤ダイヤ:今日の部活は近々あるイベントについて、方向性を練っていきますので各自念頭に置いておくように。

曜「そういえばそろそろイベントかぁ…。頑張らなくちゃ」ヌギヌギ

8: 2017/05/04(木) 00:25:47.59 ID:sqDOIUS/.net
曜ママ「貴女、早くしないとバス来ちゃうわよ」

曜「何言って…ってもうこんな時間!?行ってきます!ヨーソロー!」

曜ママ「ちょっと!ブラジャーはしていきなさい!」


曜「あー!!///」

10: 2017/05/04(木) 00:32:55.13 ID:sqDOIUS/.net
---

千歌「おはよう、曜ちゃん」

曜「おはよう。今日は早いね」

千歌「私もたまには早起きするんだよ」

曜「へぇ~」ニヤニヤ

「あの!…Aqoursの渡辺曜さんですよね?」

「わぁ!サインください!」

千歌「曜ちゃん…凄いね」

曜「あっはは。私は千歌ちゃんのサインが欲しいけどな~」

千歌「…何言ってるの!もーう!」バシッ

11: 2017/05/04(木) 00:33:33.33 ID:sqDOIUS/.net
梨子「千歌ちゃん、曜ちゃん、おはよう」

千歌「梨子ちゃーん!」

梨子「イベントが決まったから元気なのかな?って思ったけど、千歌ちゃんはいつも元気だったね」

曜「千歌ちゃんが元気ないときは大体わかりやすいからね」

千歌「2人とも~!!」

12: 2017/05/04(木) 00:33:59.50 ID:sqDOIUS/.net
---

先生「夢というのはその人の心理状態、健康状態をそのまま反映することがあります。病気で苦しいとき、怖い夢を見ることがあるでしょう?」

先生「そのような状態は--」

曜「…」

曜(今朝の夢も…そうなのかな)

曜(疲れてるのかな、私)

先生「人間が生きている空間を全て科学で語ることは出来ません。夢というのはそれの良い例えで、不思議なものを多く含んでいると思うのです」

曜「…」ポロッ

梨子「曜ちゃん、曜ちゃーん」

13: 2017/05/04(木) 00:35:10.19 ID:sqDOIUS/.net
梨子「曜ちゃんったら」

曜「…へ?」

梨子「ほら、消しゴム落としたよ」スッ

曜「え…あ、ごめん。ありがとう」

梨子「…考え事?」

曜「うん。…まあ、ちょっとだけ」チラッ

千歌「…?」

17: 2017/05/04(木) 00:41:57.20 ID:sqDOIUS/.net
---

ダイヤ「皆さん、集まりましたか」

鞠莉「ごめんね~。遅くなっちゃって」

ダイヤ「しっかりして下さい…。では、本題に入りますが」

善子・花丸・ルビィ「…」ゴクッ

ダイヤ「次のイベントのメインについてですが、千歌さんでいこうと思います」

果南「へぇ~。千歌か、面白そうだね」

千歌「うぇ?!なんで私?!」

18: 2017/05/04(木) 00:42:40.79 ID:sqDOIUS/.net
ダイヤ「学年ごとに地方に散らばるのですよ。2年のセンターは千歌さん、1年は善子さん、3年は鞠莉さんということになっています」

鞠莉「緊張するわねぇ」

果南「まあまぁ、せっかくセンターなんだから」

千歌「そうだっ。曜ちゃんはどう?朝もサイン貰ってたし、ダンス上手だし」

梨子「いいじゃない。リーダー兼センター。しっくりくるわ」

19: 2017/05/04(木) 00:43:06.33 ID:sqDOIUS/.net
曜「賛成であります!」

千歌「私はダメだって…。絶対ダメ!梨子ちゃんか曜ちゃんで話し合ってどっちかに決めて!」

曜「何言ってるの。千歌ちゃんで決定だよ」

千歌「うぅ…でも~」

曜「じゃあ、やめる?センター」

千歌「…や、めない!」

曜「だよねっ」

梨子「…」

20: 2017/05/04(木) 00:44:28.64 ID:sqDOIUS/.net
果南「ほい、決定だね」

ダイヤ「それでは明日から各自学年ごとの練習になりますので。何かありましたら連絡を」

「「はーい!」」

善子「ノッてきたわよ!」ギランッ

花丸「痛々しいずら」

23: 2017/05/04(木) 00:58:14.08 ID:sqDOIUS/.net
---

曜「うん、うん、じゃぁまた明日ね」

ピッ

曜「ふぅ。…千歌ちゃんがセンターか…」

『私より曜ちゃんと梨子ちゃんの方が--』

曜「千歌ちゃんの悪い癖…かな。昔っからだけど」

何かあると絶対自分を下に置く。礼儀正しいとか、目上の人を敬えるとか、そういう意味じゃなく--

曜「下手したら梨子ちゃんより奥手なのかなぁ」

曜「…ふわぁ…」ドサッ

曜「..zzzZZ」

24: 2017/05/04(木) 00:58:48.96 ID:sqDOIUS/.net
---

千歌「曜ちゃん、曜ちゃーん」

曜「…何?」

千歌「タバコ、切れてるでしょ、はい」

曜「うん、ありがとう」スパー

曜(千歌ちゃん…痣だらけ…)

千歌「…?」

曜「千歌ちゃんはさ…。なんでこんなダメ人間についてきてくれるの?」

25: 2017/05/04(木) 00:59:09.92 ID:sqDOIUS/.net
千歌「…違うよ!曜ちゃんはダメ人間じゃない!ダメ人間なのは私の方で…」

曜「いいよ、それ以上言わなくて」

曜「…私、千歌ちゃんがお嫁さんになってくれるって言ったとき嬉しかったんだ」

千歌「…」

曜「ごめんね。しんみりしちゃって。お酒とってくれる?」

千歌「…うん」

曜「…優しいね」

26: 2017/05/04(木) 00:59:40.53 ID:sqDOIUS/.net
千歌「…そうかな」

曜「うん」

曜「…みんな今頃どうしてるんだろう」

千歌「わかんない」

曜「本当に、ごめんね。私のせ--」

27: 2017/05/04(木) 01:00:00.71 ID:sqDOIUS/.net
---

曜「…」パチッ

曜「【また】だ…」

曜「昨日の続き…?」

曜(昨日より優しい内容で良かった…)

『優しいね』

曜「優しい…か」

28: 2017/05/04(木) 01:11:52.41 ID:sqDOIUS/.net
---

「いっち、にー、さん、しー、ごー、ろく
、なな」

千歌「…いたたっ」

梨子「大丈夫?…千歌ちゃん身体硬いね」

千歌「ごめんごめん」

曜「…」

曜(痣は…あるわけないよね)

曜「無理しないようにね。気温も高いし、水分補給も欠かさないようにね、ほい」スッ

29: 2017/05/04(木) 01:12:25.01 ID:sqDOIUS/.net
千歌「ありがとう、相変わらず優しいね~」

曜「…ッ」ビクッ

千歌「…?どうしたの?」

曜「ううん。何でもないよ」

曜「…」

梨子「…曜ちゃん?」

梨子「寝不足?」

曜「へ?」

梨子「なんだか顔色悪いし、目の下にクマが」

曜「あ…(ホントだ)」

千歌「曜ちゃんこそ、無理しちゃダメだよ」

曜「うん」

30: 2017/05/04(木) 01:13:14.17 ID:sqDOIUS/.net
その日も、夢を見た。内容は今まで通りで…と言ってもちょっとだけ優しい内容に変わっていて。でもなんだか変で。喉につっかえて飲み込めないような…


曜「…今日も寝れなかったな」

曜「せっかくの休みなのに…」

ピロリン

曜「…?」

梨子:起きてる?もし時間があったら2人で喫茶店でも行きたいんだけど、どうかな?

曜「梨子ちゃん…」

曜「…」ピッピッピッ

『もちろん!ヨーソロー!』

33: 2017/05/04(木) 01:45:14.84 ID:sqDOIUS/.net
----

梨子「ミックスサンドと紅茶でお願いします」

曜「えーと…新メニューのハンバーグ?で」

「かしこまりました」

曜「ちょっとだけ久しぶりだね。3人じゃないなんて」

梨子「ふふっ。新鮮で良いでしょ」

曜「そうだね…」

梨子「少しだけ、曜ちゃんのこと心配だったから」

34: 2017/05/04(木) 01:45:48.45 ID:sqDOIUS/.net
曜「…」

梨子「あの時と…同じ感じ」

曜「あの時…?」

梨子「ほら、私がピアノの大会で」

曜「あぁ…あの時はありがとう」

梨子「薄々思ってたけど、やっぱりアレで解決なんて出来てないよね」

曜「…鋭いねぇ」

梨子「曜ちゃん、わかりやすいから」

35: 2017/05/04(木) 01:46:08.39 ID:sqDOIUS/.net
曜「…」

梨子「もし話したくなかったら「夢を見るの」

梨子「…」

曜「最近、変な夢を見るようになって」

曜「それで、あんまり寝れてないってこと」

梨子「…どんな夢なの?」

曜「千歌ちゃんと結婚してる話なんだけど…」

梨子「ごめん。曜ちゃん、疲れてるなら寝る?」

曜「いや、変な意味じゃなくて!」

梨子「変な意味じゃない!確かに千歌ちゃんは可愛いけれど…流石に我慢ならず夢で結婚は…」

36: 2017/05/04(木) 01:47:02.85 ID:sqDOIUS/.net
曜「いや本当に変な意味じゃないから!結構シリアスだと思うし…ってやっぱり話すんじゃなかった」

梨子「ごめんごめん。ちょっと可笑しくって」

梨子「曜ちゃん、本当に千歌ちゃんのこと好きなんだね」

曜「それを言ったら梨子ちゃんもでしょ~」

梨子「曜ちゃんのソレとは違うよ」

曜「む~」

37: 2017/05/04(木) 01:47:22.03 ID:sqDOIUS/.net
梨子「それで、夢の話は?あ、大丈夫よ、縁切ったりしないから」

曜「怖いよ…。…えっと、DV?」

梨子「あの、ちょっとトイレに…」

曜「ほら!やっぱりそうなる!」

38: 2017/05/04(木) 01:52:24.15 ID:sqDOIUS/.net
---

梨子「…なんか怖い夢だね、とっても」

曜「うん…。幽霊みたいな怖さじゃなくてリアルな怖さが一番嫌だよ…」

梨子「…言い方が良いのかわからないけど、とっても歪んでる…」

曜「うん…」

曜「色々気になっちゃって。先生が夢の話ひてた時の、…自分の心理状態に関係するって」

梨子「DVのドキュメンタリーでも見たとか?」

曜「いや…そんなもの好き好んで見ないよ…」

39: 2017/05/04(木) 01:52:55.02 ID:sqDOIUS/.net
梨子「それとも深く考えすぎなのかな、夢だったら意味わからないもの見るのはよくあるし…」

曜「うーん…」

「あの…なんの話をしているんですか?」

曜「…はい?」

女性「あっ…!いえ、あの、夢がどうとか、言ってたからきになるなぁ~って」

梨子「…」

40: 2017/05/04(木) 01:53:26.79 ID:sqDOIUS/.net
女性「ねぇ、お願い。教えて!」

曜「え…いや、すみません、どちら様で…」

女性「え…!?わからな…あ、すみません。名前は言えません…」

梨子「曜ちゃん、この人格好も不審者みたいだし、早いとこココでよ」ボソッ

曜「うん…」

曜「すみません、急いでるので、」ガタッ

41: 2017/05/04(木) 01:53:48.90 ID:sqDOIUS/.net
女性「ちょ…!待ってください!」ガシッ

曜「うわっ!離れてください!やめてください!」

女性「……ごめんなさい」

梨子「曜ちゃん、ほら、いこ、早く」

曜「あっ…う、うん…」

曜(あの人…泣いてた…?)

57: 2017/05/04(木) 07:31:29.61 ID:sqDOIUS/.net
----

曜「近くにも危ない人っているもんだね」

梨子「幼馴染(女)と結婚する夢を見る危ない人もいるけどね」

曜「…」ギロッ

梨子「うふふ。それより大丈夫?掴まれてたけど」

曜「うん、一応鍛えてるからね。あの人結構細かったし」

58: 2017/05/04(木) 07:32:05.25 ID:sqDOIUS/.net
梨子「曜ちゃんのガタイが良すぎるだけなんじゃ…」

曜「一応スクールアイドルなんだけど…」

梨子「ふふっ。ごめんね」

梨子「明日の練習、休んでみたらどうかな。きっと疲れてるんだよ」

曜「うん。そうするよ…」

梨子「何かあったら言ってね。できる限り力になるから」

曜「うん…」

梨子「それじゃあ、また明日ね」

曜「バイバイ」

60: 2017/05/04(木) 07:53:59.54 ID:sqDOIUS/.net
----

千歌「よーちゃんっ」ピョコッ

曜「何?千歌ちゃん」

千歌「よーちゃんったら」

曜「だから何って、」

千歌「ねぇ、よーちゃんったら、聞いてる?」

曜「だから聞いてるって」

梨子「…曜ちゃん、誰と話してるの?」

61: 2017/05/04(木) 07:54:31.22 ID:sqDOIUS/.net
曜「誰って千歌ちゃんと…」

梨子「何言ってるの?…不謹慎だよ、千歌ちゃんは…」

曜「え?」

梨子「千歌ちゃんは、もういないでしょ…」

曜「…何言ってるの?」

梨子「ふざけるのもいい加減にして。千歌ちゃんがどんな思いで曜ちゃんと一緒に居たか、考えたことある?」

曜「へ…?!ちょ、何言ってるの?!わけわかわないよ」

62: 2017/05/04(木) 07:56:37.49 ID:sqDOIUS/.net
梨子「もうやめて!!私が…私が悪いの」

曜「千歌ちゃんなら、いるじゃん!ここに!のねぇ--」

曜「あれ…?」

梨子「私が曜ちゃんを…千歌ちゃんを止めていれば…」

梨子「私が、私のせいなの。ごめん、ごめんね、曜ちゃん」

曜「だから何言ってるの!!わけわかんないのに進めないでよ!」

梨子「本当に覚えてないの…?」

曜「ごめん…全然わからない」

梨子「曜ちゃんの暴力で…千歌ちゃん…」

氏ん---

66: 2017/05/04(木) 08:41:39.65 ID:sqDOIUS/.net
---

曜「…っはぁ!!」ガバッ

曜「はぁ…はぁ…はぁ」ドクンドクン

曜「…日に日に怖くなってる…。それに…」

--最後の…

曜「単なる夢じゃないよね…コレ」

『曜ちゃんの…暴力で…』

曜(私のDV(?)が過激化したってことでいいのかな…)

67: 2017/05/04(木) 08:42:03.45 ID:sqDOIUS/.net
『千歌ちゃんは…氏ん…』

曜(怖い…怖い怖い怖い!!)

曜「…梨子、梨子ちゃん…」

プルルル

梨子『もしもし、曜ちゃん?』

曜「あっ!…もしもし」

梨子『大丈夫…?息が荒いけど…』

曜「ううん。ちょっと声が聞きたくて。…今日、練習休むね」

梨子『本当に大丈夫…?…夢?』

曜「ううん。ちょっとだけ気分が悪いだけ。大丈夫だよ」

68: 2017/05/04(木) 08:42:55.31 ID:sqDOIUS/.net
梨子『そう…。休みの連絡は私がいれておくね。お見舞いに行くから、待ってて』

曜「うん…。ありがとう。練習終わった後でいいよ」

梨子『わかったわ。お大事に…』

ピッ

曜「…」

71: 2017/05/04(木) 09:56:46.26ID:sqDOIUS/.net
--ここ毎日見る奇妙な夢の中で、明らかに一番重かった。なんだか千歌ちゃんの顔を見ることすら今は怖い。

夢と現実はリンクしてるって、聞いたことがあるけど…

曜「あながち、間違いじゃないかもね…」

曜(寝起き最悪だし…。普通に千歌ちゃんと夫婦生活送る夢にしてくれないかな…)

曜ママ「おはよう」ガチャ

曜ママ「桜内さんから聞いてるわよ。仕事があるから看病できないけど、色々買ってきたから安静にしておくのよ」

曜「うん…。ありがとう」

72: 2017/05/04(木) 09:57:10.65ID:sqDOIUS/.net
曜ママ「何かあったら電話かけてね。すぐ戻るから」

曜「わかってるよ」

バタン

曜「体調というか…精神面なんだけどな」

曜(散歩にでも…行こうか)

73: 2017/05/04(木) 09:57:47.37ID:sqDOIUS/.net
---

千歌「はぁ…曜ちゃんいないんだぁ~」

梨子「体調悪そうだったから。練習できないって」

千歌「そっかぁ…」

梨子「寂しい?」

千歌「寂しいよ!!梨子ちゃん寂しくないの?!」

梨子「もちろん寂しいよ。3人で練習もしたかったし」

千歌「曜ちゃんがダンス見てくれてたからなぁ~。私、全然踊れないし」

梨子「大丈夫よ、私もそんなだから。期待してるよ、センターさん」

千歌「…梨子ちゃんの意地悪っ」

74: 2017/05/04(木) 09:58:13.27ID:sqDOIUS/.net
梨子「そう?」クスッ

千歌「結構気にしてるの知ってるくせに」

梨子「そんなに気にしないでいいと思うけど。私の方が普通だよ」

千歌「梨子ちゃんは美人だし、ピアノも上手じゃん」

梨子「自分より他人の方が光って見えるのは当たり前だよ」

梨子「私は千歌ちゃんのリーダーとしての、人間としての魅力を知ってるつもりなんだけどなぁ」

千歌「えー!絶対嘘だ!この前も言われたもん、普通だって」

梨子「…?」

75: 2017/05/04(木) 09:58:37.51ID:sqDOIUS/.net
千歌「友達やファンの人からもたまに言われるんだ、普通普通って。知ってることなんだけどね」

千歌「知ってるんだけど…私も、ちょっとは頑張ってるんだって、それは知ってほしいなぁ」

千歌「なんにもない、ゼロな私かもしれないけど…」

梨子「…そうなんだ」

梨子「曜ちゃんには相談しないの?」

千歌「…え?」

梨子「ちょっとだけ聞いてもいいかな?」

千歌「うん」

梨子「なんで千歌ちゃん、いつもそういう悩みは私に言うのに曜ちゃんには言わないのかなって」

梨子「私より曜ちゃんの方が千歌ちゃんのこと理解してると思うけど…」

76: 2017/05/04(木) 09:59:07.65ID:sqDOIUS/.net
千歌「…だって曜ちゃんは、言ってもわかんないんじゃないかな」

梨子「どういうこと?」

千歌「完璧超人の曜ちゃんには、多分私なんかに相談されても、全然分かんないんじゃないかな。困らせるだけだよ」

梨子(千歌ちゃん…)

梨子「…そうかな」

梨子「うん、やっぱり千歌ちゃんは一度、曜ちゃんとしっかり話すべきだよね」

千歌「何~それ」

梨子「んーん!って、なんかさっきの言い方だと私が完璧超人の真反対みたいな言い方に聞こえるんだけど」

千歌「いや…そういうわけじゃなくて…!」

梨子「わかってるよ、ふふっ」

千歌「えー!!」

梨子(千歌ちゃん…。曜ちゃん…)

82: 2017/05/04(木) 11:14:07.52ID:sqDOIUS/.net
----

曜「…」テクテク

曜「やっぱりこういう時の外の空気は格別~」スゥ

曜「はぁ~…」

曜(イベントも近いのに…これじゃ不味いよね)

「あれ…?あの…」

曜「?」

女性「こ、こんにちは」

曜「梨子ちゃん…?あれ?練習は?」

女性「え…?!私が…あ、梨子ちゃんってどういうことですか?」

曜「…いえ、友達にとっても似てたので、つい」

曜「この前の変な人ですよね」

曜(今朝の夢…に出てきた?いや、違う?…夢じゃ曖昧でわかんないや)

83: 2017/05/04(木) 11:14:57.42ID:sqDOIUS/.net
女性「変な人って…。この前は…すみませんでした。私も気が動転していて」

曜「あぁ…いえ、」

女性「…」

曜「夢の話…何か知ってるんですか?」

女性「…!!」

曜「…なんですか、その反応は」

女性「い、いえ…。少し興味があっただけです」

女性「とりあえず、座りましょう?ほら、公園に…。飲み物くらい奢りますから」

曜「…」

85: 2017/05/04(木) 11:22:24.62ID:sqDOIUS/.net
---

女性「あの、顔色が優れていませんけど…大丈夫?」

曜「あぁ…ちょっと、それこそ変な夢に悩まされていまして…」

女性「この前の…話ですか」

曜「聞いてたんですか…」

女性「気付きませんでしたか?すぐ隣の席にいたんですけど」

曜「いいえ…」

女性「貴女の夢はただの夢ではないですよ。気付いてると思いますが…」

曜「…」

86: 2017/05/04(木) 11:23:29.07ID:sqDOIUS/.net
女性「あ、えっと勝手な予想ですが。同じ内容の、しかも続きが展開されるなんて、そうあることじゃありませんし」

曜「…まぁ、そうですよね」

女性「ホイホイ信じて大丈夫ですか?知らない人の言葉に…」

曜「お姉さん、なんだか初めて会ったように思えないんですよね。…どなたですか?」

女性「……」

曜「どうしても…答えられないんですか?」

女性「そういうわけでは…」

曜「じゃあどういうこと…?」

89: 2017/05/04(木) 11:57:04.83ID:sqDOIUS/.net
女性「馬鹿げた話になるんですけど…」フフッ

曜「…!…梨子ちゃん」

女性「…!!」

曜「もしかして、梨子ちゃんだなんて言わないよね?」

女性「…」

曜「サングラスとマスク外してもらってもいいですか?」

女性「……」スッ

曜「…!」

曜「梨子ちゃん…なの?」

女性「…そうよ」

曜「なんで、え?この前…」

90: 2017/05/04(木) 11:57:35.00ID:sqDOIUS/.net
女性「貴女のよく知ってる桜内梨子じゃないかもしれないけど、桜内梨子なのは確かよ」

曜「…そうなんですか」

桜内「って、案外すぐ信じるんだね…」

曜「いや…まだ半信半疑でよくわからない状態だけど…」

曜「今朝みた夢の中で貴女と同じ顔をした人が出てきたんです」

曜「一瞬でわかった。梨子ちゃんだって」

桜内「そう…。夢にかなりはまり込んでるのね」

曜「そりゃぁ、やけにリアルだし、毎日同じような感じだし…」

桜内「リアルだよ」

曜「え…?」

92: 2017/05/04(木) 13:48:50.98ID:sqDOIUS/.net
桜内「あの夢は紛れもなくリアルだよ。曜ちゃんの頭の中だけのモノじゃない」

曜「どういうこと…?」

桜内「私は今の曜ちゃんが知ってる桜内梨子じゃない。つまり、今ココには桜内梨子なるものが二つ存在するの」

桜内「意味は…わかるでしょ?」

曜「ちょっと待ってよ…。なんの、なんのために…」

桜内「…ごめん。今は言えないの。本当に…」

曜「もう一度聞くけど、本当に梨子ちゃんなの…?」

桜内「今更疑うの…?」

曜「そういうことじゃなくて、再確認したくて」

93: 2017/05/04(木) 13:49:19.91ID:sqDOIUS/.net
桜内「今は半信半疑の状態で構わないよ。私の連絡先、入れとくから、何かあったら呼んで」

曜「ねぇ、どういうことなの?全然わかんないよ」

桜内「今はそれでいいから…。お願い」


桜内「きっと、きっと力になってみせるから」

曜「梨子ちゃん…?」

桜内「ううん。ごめん。ちょっとだけ懐かしくなっちゃって」ツー

桜内「今日のところはバイバイするね。ありがとう」

曜「え…!?ちょっと待ってよ!」

桜内「ごめんね。また会えて嬉しかったよ、曜ちゃん」ダダッ

94: 2017/05/04(木) 13:49:58.20ID:sqDOIUS/.net
曜「あ!ちょっ…!」

曜「…言っちゃった…」

曜「……」

『また会えて嬉しかったよ』

曜「また、会えて…」

『ちょっとだけ懐かしくて…』

曜「……」

曜「そんな…わけないよね」

曜「…」

梨子「あれ?曜ちゃん…」

曜「どうわあっ!って…えーと、練習終わりの梨子ちゃん?」

梨子「それ以外誰かいるのよ」

梨子「せっかくお見舞いに行こうと思ってたのに、部屋で安静にしてないなんて」

梨子「ほらほら、行くよ」

曜「ごっ、ごめんごめん」

96: 2017/05/04(木) 14:04:30.52ID:sqDOIUS/.net
---


千歌「ふっ、ふっ、ふっ」

梨子「千歌ちゃん!遅れてるわよ!」

千歌「ご、ごめん!」

曜「…」

梨子「…曜ちゃん、ちょっと休憩入れよっか」

曜「え…?あ、うん」

曜「ごめん、やっぱり今日は帰る」

千歌「…大丈夫?」

曜「うん。ごめんけど私抜きで練習してて、イベントも近いし」

千歌「…ねぇ、曜ちゃん、センターやらない?」

梨子「…?!」

曜「はい?」

97: 2017/05/04(木) 14:05:03.65ID:sqDOIUS/.net
千歌「私ね、最近ずっと考えてたんだけど、曜ちゃん、センターの方がいいよ」

千歌「ね!だから…「ダメだよ」

曜「センターは千歌ちゃんじゃないと、私じゃなくて千歌ちゃんだよ」

曜「まぁ、私が見たいって理由もあるんだけどねっ」

千歌「でも…!」

梨子「…何でそんなにこだわるの?」

98: 2017/05/04(木) 14:05:52.72ID:sqDOIUS/.net
千歌「…っ」

曜「私は、やっぱ千歌ちゃんにセンターやってほしいな」

千歌「…そう」

曜「うん…。じゃあ、何かあったら連絡お願い。今日はもう休むね」

梨子「えぇ。お大事にね」

千歌「早く良くなってね」

曜「うん…」

99: 2017/05/04(木) 14:06:17.79ID:sqDOIUS/.net
----

梨子「千歌ちゃん…センター嫌なの?」

千歌「嫌じゃないよ!嫌じゃないけど…」

梨子「そんなにきにすることないじゃない。体育館での最初のライブだって、千歌ちゃんがセンターみたいなものだったし」

千歌「…そうだけど」

千歌「イベントの詳細、発表したでしょ」

千歌「結構厳しい意見も…あるんだよ?」

千歌「多分、私がメインだから」

梨子「…ほんと?」

梨子「ホントだ…。でも、私にだって批判はあるし、きにする必要ないよ」

千歌「本音はね、曜ちゃんにやってほしい」

千歌「曜ちゃんの邪魔は…したくない」

梨子「……」

100: 2017/05/04(木) 14:07:08.33ID:sqDOIUS/.net
----

曜「…」

桜内「曜ちゃん」

曜「…!って梨子ちゃんか…」

曜「どうしたの?」

桜内「さっきのやり取り、ちょっと見ててね」

曜「怖いよ…ストーカー?」

桜内「ちょっと通りかかっただけ!」

桜内「…千歌ちゃんのこと、どう思う?」

曜「どうって…。千歌ちゃんの…たまに前面にでる普通コンプレックスってとこかな…」

曜「私には…十分光って見えるんだけどね」

101: 2017/05/04(木) 14:07:42.53ID:sqDOIUS/.net
桜内「そう…」

曜「イベントまであと数日…。一応ダンスは既存の曲を使うから仕上がってきてるけど…今の状態じゃ、多分楽しく踊れない」

桜内「そうね。正解」

桜内「今日はね、私のことを話そうと思って」

曜「梨子ちゃんの…こと?」

桜内「うん。信じてもらえるかどうかはわからないけど」

曜「…」

桜内「まず名前だけど…察している通り桜内梨子よ」

曜「同姓同名ってわけじゃないよね?」

桜内「うん。でも、今27歳なんだけどね」

曜「…は?」

桜内「ありえないって思うよね。でも…本当なんだ」

106: 2017/05/04(木) 14:23:58.53ID:sqDOIUS/.net
曜「タイムスリップってこと…?」

桜内「…ざっくり言えば、そういうこと」

曜「…なんのために」

桜内「……私たちのためよ」

桜内「私と曜ちゃんと千歌ちゃん、Aqoursのため」

桜内「あの夢はリアルだって言ったよね」

曜「うん…」

桜内「あれは、紛れもなく、未来の出来事だよ」

桜内「この先起こるはずの…」

曜「ぇ…」

桜内「まぁ、色々あって、私はこっちにきたの。来なければいけなかったの」

桜内「…変えるために。全てを」

107: 2017/05/04(木) 14:24:26.04ID:sqDOIUS/.net
曜「ねぇ、何があったの?あの夢って…」

桜内「…聞くの?」

曜「うん…」

桜内「ホントに?…もう薄々分かっているかもだけど、キツイ内容だよ」

曜「うん」

桜内「…」

桜内「数年後に…千歌ちゃんと曜ちゃんは結婚するの」

桜内「最初の数年は順調だったんだけどね。夢で見た通り曜ちゃんのDVが悪化してきて…」

曜「待ってよ!なんでそこで私が壊れるの?!」

桜内「最初は全然わからなかったよ。2人の関係が全部壊れるなんて、誰も思っていなかったから」

108: 2017/05/04(木) 14:25:15.56ID:sqDOIUS/.net
桜内「 何が原因で、何が悪かったのか」

桜内「後は…夢の通り。千歌ちゃんは意識不明…その後に…。曜ちゃんは行方不明」

桜内「悔しかったよ。気付いてあげられなかったのが。寂しかったよ。二人とも消えちゃうんだもん」

桜内「一番二人を見てたつもりなのに…なんにも、なんにも気付いてあげられなくて…」ポロポロ

桜内「Aqoursのみんなも…そうだけど。私は、私の責任でもあったの」

曜「……そんな」

桜内「原因を沢山探したの。なんでかなって、おっきなことか、小さいことまで。そしたら…」

曜「…」ゴクッ

桜内「多分、高校生の時に無意識に大きくなっていってた、すれ違いなんだなって」

桜内「普通の友達ならまだしも…ずっと一緒に暮らすんだよ。そんな関係で本音を言い合えないって…怖いことなの」

曜「今、今この時が…全ての源ってこと?」

109: 2017/05/04(木) 14:25:40.25ID:sqDOIUS/.net
桜内「多分、そうなの。曜ちゃんは今のままじゃダメだよ」

桜内「千歌ちゃんと本音で言い合えるって勝手に思ってた。あのライブの時で二人の関係は深まったって思ってた」

桜内「それで安心してた…けど」

曜「…」

桜内「実感が湧かないのもわかるよ。だって何言ってるかわからないよね」

曜「わかんないよ…全然」

桜内「曜ちゃんの中での…千歌ちゃんってどんなの?」

曜「それは…私の、親友で…」

110: 2017/05/04(木) 14:26:40.03ID:sqDOIUS/.net
曜「憧れで…一緒に、ずっと一緒に居たい人…」

桜内「それを伝えるだけでいいんだよ。それだけで、きっとそれだけで…いいの」

桜内「それじゃあ、もう行くね」

曜「…ええ?!待ってよ!」

曜「…っていない…」

『二人とも消えちゃうんだもん』

曜「…聞いてよかったのかな…」

115: 2017/05/04(木) 14:53:02.15ID:sqDOIUS/.net
----

梨子「私たちのステージは明日だね。二人とも、ダンスは完璧?」

千歌「うん。不安なところもあるけど多分大丈夫」

曜「…だね」

ダイヤ「私たちも会場に行きますから、楽しみにしています」

善子「…懐かしいわね」

曜「…?」

善子「貴女たち3人でって、なんか一番最初のライブを思い出すなって」

曜「え?善子ちゃんいたの?」

善子「あっ…!!」

曜「なんだぁ、来てくれてたのかぁ」

善子「そっ、そんなわけないでしょ!!」

果南「…私も影ながら見てたんだよね」

果南「眩しすぎちゃって、最後まで見れなかったけど…」

116: 2017/05/04(木) 14:53:34.23ID:sqDOIUS/.net
千歌「じゃあ、Aqoursが始まった時から、あの場所にはみんながいたんだね」

千歌「これって運命ってやつだよ!」

梨子「ふふっ。そうね」

鞠莉「最高のperformanceを見せてくれることを祈ってるわよ☆」

千歌・曜・梨子「はい!」

曜「千歌ちゃん、後で話せる?」

千歌「え…?う、うん」

曜「じゃあ、ちょっと残ってて。ジュース奢るからさ」

千歌「わかった~…」

梨子「…」

117: 2017/05/04(木) 14:54:12.15ID:sqDOIUS/.net
---

千歌「なぁ~に、曜ちゃん」

曜「あ、…えと、明日のライブについてちょっと打ち合わせしておきたくて」

千歌「梨子ちゃん抜きでいいの?呼びもどそうか?」

曜「ううん。いいのいいの」

千歌「明日、頑張ろうね」

曜「うん…」

曜「…不安?」

千歌「うん…。不安だし、センターだから…」

曜「大丈夫だよ、千歌ちゃんなら」

千歌「ねぇ、本当に曜ちゃんじゃなくてよかったんだよね?」

曜「うん。センターは千歌ちゃんで良いんだよ」

千歌「ホントに?…」

曜「もっちろん」

118: 2017/05/04(木) 14:54:49.49ID:sqDOIUS/.net
千歌「曜ちゃんは…優しいよね、そう言ってくれるなんて」

曜「…え?」

千歌「何があってもそう言ってくれる…。曜ちゃんは優しいよ」

曜「何言ってるの?本当のことを言ってるだけで…」

千歌「ねぇ、曜ちゃん。私ね、怖いんだ」

千歌「私と一緒にいたら曜ちゃんが壊れちゃう気がして…」

曜「…千歌ちゃん?」

千歌「最近変な夢を見るの。私と曜ちゃんの
変な夢…」

曜「千歌ちゃん…それって…」

千歌「妙にリアルだから信じちゃって…。わかるんだ、私。曜ちゃん、ホントに私といて大丈夫なの?」

曜「何言ってるの!?大丈夫だよ!全然」

千歌「小さい時から…毎回曜ちゃんの誘いを断って、逃げてきて、結局0のままで…」

119: 2017/05/04(木) 14:55:14.15ID:sqDOIUS/.net
曜「千歌ちゃん…?」

千歌「その夢じゃ…私と曜ちゃんが…「もうやめて!」

曜「言ったでしょ。ずっと何か、千歌ちゃんとやりたかったって」

曜「スクールアイドルも、千歌ちゃんといるのも、私が好んでやってることだよ」

千歌「曜ちゃんにはわからないよ!」

千歌「私が…結構気にしてることだって…。梨子ちゃんならわかったよ」

曜「なんで梨子ちゃんと比べるの?!私は梨子ちゃんじゃないし、私だって…私だって気にしてるよ…」

曜「千歌ちゃんこそ、何もわかってない」

千歌「…ッ!わかってるよ!」

120: 2017/05/04(木) 14:56:03.26ID:sqDOIUS/.net
曜「何をわかってるの?」

曜「言ってみてよ!何をわかってるの?!」

曜「千歌ちゃんにとって、私はなんなの?」

千歌「曜ちゃんは…曜ちゃんは…私に付き合ってくれる優しい人で…」

千歌「人気者で…なんでもできて…強くて…「違う!!」

曜「全然違う!!」

曜「わかってないじゃん!全然!」

千歌「じゃあ、曜ちゃんはわかってるっていうの?」

曜「……わからないよ」

千歌「えっ…」

曜「…わかってるつもりなだけで…千歌ちゃんのこと、全然わからないよ」

121: 2017/05/04(木) 14:56:30.47ID:sqDOIUS/.net
曜「だって言ってくれないし…!!梨子ちゃんばっかり…」

曜「どうやって…どうやってわかれっていうの」

千歌「だって…曜ちゃんだって…知ろうとしないじゃん…」

曜「…」

千歌「私、帰るね。ごめんね。気を悪くさせちゃって」タッタッタッタッ

曜「千歌ちゃん…!」

--ライブ頑張ろうね。そう言うつもりだった。けど……

122: 2017/05/04(木) 14:56:57.06ID:sqDOIUS/.net
曜「言えるわけ…ないよ」

お互い、欲張りだった。知ろうとしてくれてるのが当たり前だって。きっとそう思ってた。言ってくれるのが普通だって。

曜(近いんだよね…私たち)

近すぎて、お互いの一部分しか見えていなくて…

曜(つい、強く言っちゃってた…)

何やってるんだろう…私…。

128: 2017/05/04(木) 16:31:59.86ID:sqDOIUS/.net
----

梨子(二人とも…大丈夫かな…)

梨子「…!」

桜内「どうも」

梨子「…こんにちは」

梨子「今日は…何も変装していないんですね」

桜内「もう隠す意味もなくなっちゃったみたいだから」

桜内「…わかる?」

梨子「わかるよ。自分のことだもの」

梨子「何か葛藤してるって言うのも顔に出てる」

桜内「なんか、自分ってこんなに鋭かったっけって思えるほど怖い」

129: 2017/05/04(木) 16:33:21.32ID:sqDOIUS/.net
桜内「大体…知ってるんでしょ?」

梨子「この前曜ちゃんと話してた時に、こっそりね」

桜内「…ならもう言うことはないわよ」

梨子「歴史を変えにきたってことでしょ?じゃあなんで何もしないの?」

梨子「接触だけしても…意味がないじゃない」

桜内「…わかるでしょ?私なんだから」

梨子「…」

桜内「私が干渉しすぎるといけないし、第一私が言っても意味がないよ」

130: 2017/05/04(木) 16:34:03.31ID:sqDOIUS/.net
桜内「自分たちでぶつかって…砕けて、認め合わなきゃ…。私はあくまでサポートに回るだけ」

桜内「それができなくてどれだけ後悔するか、それがどれだけ悔しいか。私にはわかる」

梨子「何が言いたいの…?」

桜内「ただの独り言よ。ただこれだけは言わせて」

桜内「明日のライブは絶対に成功させてね」

桜内「その【成功】がどんな形であれ、どんな意味であれ…」

桜内「それは、自分たちが決めることだから」

梨子「……?」

131: 2017/05/04(木) 16:34:34.29ID:sqDOIUS/.net
桜内「はい、これ」スッ

梨子「?」

桜内「シュシュ、縫い直しておいたから、もしよかったら明日使ってほしいな、3人分」

梨子「…うん。ありがとう」

桜内「じゃあ、頑張ってね。詳しいことは言えないけど、ココで頑張らなきゃ後から後悔することになるから…」

桜内「客席で…見てるからね。私」

梨子「自分に応援されるなんて…違和感しかないよ」

桜内「…でも、案外湧いてくるものでしょ?」

132: 2017/05/04(木) 16:35:08.71ID:sqDOIUS/.net
梨子「うん…」

--自分だからわかる。この人の言っていること本当だ。そして…言い振りからして何か、起こる…か、もう起こっているか。静かながらも一生懸命に何かを伝えようとしていることは…

梨子(私が私には…助けを求めてる?)

梨子「ねぇ…最後に一つ…」

シーン

梨子「いない…」

135: 2017/05/04(木) 17:28:12.73ID:sqDOIUS/.net
----

曜「おはよう、梨子ちゃん」

梨子「おはよう、いよいよね」

曜「うん…」

梨子「何かあったのね」

曜「まぁね」

梨子「…今は聞かないことにするね。これが終わったら聞いてほしいって感じがする」

曜「うん…」

「Aqoursの3名さま~、揃いました~?」

曜「あっ…すみません。まだです」

梨子「千歌ちゃん…遅いね」

曜「うん」

136: 2017/05/04(木) 17:28:41.08ID:sqDOIUS/.net
梨子「…」プルルル

梨子「電話にもでない…」

曜「もう会場セッティング始まってるよ!?」

梨子「どうしよう…」

梨子「…!」

『必ず成功させてね』

『その成功の形がどうであれ…』

梨子「まさか…このこと?」

曜「…?」

ドタドタドタ

果南「係りの人から聞いたよ、千歌、きてないんだって?」

梨子「果南さん…。はい、連絡もなくて…」

137: 2017/05/04(木) 17:29:07.95ID:sqDOIUS/.net
果南「千歌…」

ダイヤ「今、公演時間を少し伸ばしていただいているところです。予想以上の観客数で…。ここで取りやめる訳にも」

果南「鞠莉たちにも探してもらってるけど、間に合うかわからない…」

曜「…昨日、千歌ちゃんとちょっと言い合いになっちゃって…」

曜「もしかしたらソレが原因なのかもしれない」

曜「私がっ…私が自分のことだけ押し付けちゃったから…」ポロポロ

ダイヤ「…曜さん。泣くのはよしてください。曜さんだけの責任ではありませんから」

138: 2017/05/04(木) 17:29:39.39ID:sqDOIUS/.net
果南「そうだよ。観客の人にも、しっかり話せばわかってくれる。ライブはやろうと思えばできるけど、曜と千歌の問題でしょ。しっかり話し合わないと」

梨子「……」

『絶対後悔するから…』

梨子「…ライブは」

ダイヤ・果南「?」

梨子「ライブはやります」

ダイヤ「…?え、えぇライブは必ず他の日程に入れますわよ。2年組だけないなんてこと「違います」

梨子「今日、ここで、定刻通りライブはやります」

139: 2017/05/04(木) 17:31:20.84ID:sqDOIUS/.net
梨子「ココでやめたら千歌ちゃんが絶対抱えこんじゃう」

梨子「今日のステージは何があっても成功させます」

--理屈はわからないけど…

梨子(私自身の口から出た言葉なら…信じるしかない)

曜「でっ、でも…!」

梨子「曜ちゃんは千歌ちゃんのとこへ行ってあげて。どんなに時間がかかってもいいから」

梨子「私が歌うわ。一人でも」

曜「それはダメだって!私たち三人で…」

曜「三人でやってきたじゃん!せっかく…」

157: 2017/05/04(木) 18:29:40.02ID:sqDOIUS/.net

梨子「なら、曜ちゃんが千歌ちゃんを連れてきて!三人で踊ればいいのよ」

曜「…梨子ちゃん」

梨子「ほら、早く早く。千歌ちゃんは曜ちゃんに会いたがってるよ」

曜「…」

梨子「早く!!」

曜「はっ、はい!」ブワッ

果南「…良かったの?」

梨子「はい。あの二人…多分近すぎて何も見えてないんです」

梨子「私が、転校する前に周りにずっと気を遣っていたように。お互いが心の底では気を遣いすぎて」

梨子「それできっとぶつかりきれてないんです」

梨子「だから…きっと戻ってきてくれるから。私は一人でも歌います」

ダイヤ「…梨子さん」

果南「いつの間にそんなにカッコよくなったの」

梨子「ふふっ…」

果南「…事前のエントリーだから…私たちは観客席にいるけど…応援してるよ」

ダイヤ「今更止めても、貴女はステージに立つのでしょう」

梨子「…えぇ」

「Aqoursの3名、出番です」

果南「…しっかりね」

梨子「行ってきます」

ワァァァァァ!!!

アレ?

ヒトリ?

ザワザワ

梨子『皆さん、こんにちは。Aqoursの桜内梨子です』

梨子『今日は三人でやるイベントでしたが、訳あって今は私一人でのパフォーマンスになります。ですが…』

梨子『きっと戻ってきてくれるので、最初は私の歌を聴いていてください』

158: 2017/05/04(木) 18:30:23.87ID:sqDOIUS/.net
ウォォォォォ!!!


果南「顔引きつってるけど…頑張ってるね」

ダイヤ「えぇ…。他の皆さんにも見せてあげたいですわ」

果南「みんなならもう戻ってくるよ。千歌と曜が心配でもやっぱり梨子の勇姿も見ないとね」

ダイヤ(頼みましたわよ…。曜さん…)

梨子『それでは一曲目です。決めたよhand in hand!』

梨子『何を探してる~♪まだわからないけど、入り口はここかも♪』

果南(頑張れ…梨子)

161: 2017/05/04(木) 19:25:08.69ID:sqDOIUS/.net
---

曜「…はぁ、はぁ、はぁ…」タッタッタッタッ

曜「何処…千歌ちゃん…」

学校、十千万、みとしー、淡島…

曜「候補がありすぎるよ…」

曜「…!」

『きっと力になれると思うから…』

曜「…梨子ちゃん!大人の方よ!」プルルル

曜(お願い…!出て!)

桜内『もしもし』

曜「りっ、梨子ちゃん!」

桜内『千歌ちゃんがいなくなったんだよね』

曜「なんで知ってるの?」

桜内『当たり前でしょ、一回体験してるんだから』

162: 2017/05/04(木) 19:25:40.48ID:sqDOIUS/.net
桜内『私は…ステージを台無しにしちゃったけどね』

曜「え?!…それって…」

桜内『でも、今の私なら多分大丈夫よ。きっとね』

桜内『それと千歌ちゃんはそう遠くに行ってないはずよ』

曜「そう遠くじゃないって…」

桜内『確か…島郷海水浴場』

曜「島郷…」

桜内『やっぱり私たちには思い出深い場所よね』

曜「わかったよ。ありがとう、梨子ちゃん」

桜内『うん。頑張ってね』

163: 2017/05/04(木) 19:26:53.96ID:sqDOIUS/.net
ピッ

曜「島郷…そんなに遠くない…」

曜「バスはいつくるかわからないし…」

曜「すみません、そこの人…」

学生「はい?」

曜「貴女が乗ってるその自転車貸してください、すぐ返しますので!」ガッ

学生「うぇえ?!あっちょ!」

曜「絶対に戻ってくるから!返すから~!」

学生「ふぅ~、あれ?どうしたの?」

学生「Aqoursの渡辺曜さんっぽい人に自転車盗られた…」

学生「えぇ?!羨ましい…」

学生「いや羨ましくないでしょ…」

166: 2017/05/04(木) 20:17:13.52ID:sqDOIUS/.net
---


梨子『そしたら千歌ちゃんが転んじゃって、私まで巻き添えくらっちゃったんです』

ワハハハ

果南「上手いね。トークを挟んで時間を稼いでる」

花丸「梨子さん…流石ずら」

善子「ルシファー、サタン、ベルゼブブ、どうか、どうか成功へと導いて…」グッ

ルビィ「梨子さん…」

ダイヤ(曜さん…まだでしょうか…)

梨子『っという感じで小話を挟んだところで、一曲歌いたいと思います』

梨子『 夢で夜空を照らしたい--!』

167: 2017/05/04(木) 20:18:02.39ID:sqDOIUS/.net
----

ザザーン

千歌「……」

『どうやって、どうやってわかれっていうの…!』

千歌「ぅっ…」グスッ

千歌「ぅ…ぅう…」ポロポロ

「泣いてるの…?千歌ちゃん」

千歌「…!」

曜「千歌ちゃん…」

千歌「ぇ…」

千歌「曜ちゃん…なんで…?」

曜「千歌ちゃん、ほら、立てる?」

千歌「曜ちゃん…」

千歌「…ライブは?」

168: 2017/05/04(木) 20:18:32.02ID:sqDOIUS/.net
曜「ライブは…梨子ちゃんが繋いでくれてる。私たちを…待ってる」

千歌「なん…で、なんで二人で…」

曜「千歌ちゃんがいるからだよ」

曜「私たちの、三人のライブでしょ」

曜「三人でステージに立つんだって」

曜「梨子ちゃんが背中を押してくれた」

千歌「…なんで、なんで…私がいなくても…「いなきゃダメなの!!」

曜「千歌ちゃんがいなきゃ…ダメなの」

千歌「私なんかに…私なんか…」

曜「私なんか…って何?」

千歌「ダンスも一番下手っぴで、歌も上手くなくて、曜ちゃんや梨子ちゃんみたいに可愛くもないし、取り柄もない…なんにも、なんにもないんだよ!」

千歌「それに…今日のステージも…」

172: 2017/05/04(木) 21:27:37.59ID:sqDOIUS/.net
曜「…みんなそうだよ」

曜「確かに千歌ちゃんは普通って思ってるかもしれないけど」

曜「千歌ちゃんには…たくさんあるよ。魅力」

曜「悩んでる人と一緒に悩んであげられるところ、実は一番みんなの事を見てるとこ、私がやらなきゃって率先してできるとこ…」

曜「それにね。自分に何もないって、みんなそうなんじゃないかな」

曜「自分のことは気付きにくいんじゃないかな…。特に千歌ちゃんはみんなのこといっぱい見てるし」

千歌「……」

173: 2017/05/04(木) 21:28:15.31ID:sqDOIUS/.net
曜「ねぇ、千歌ちゃん。それに、なんにもないってそんなに悪いこと?」

千歌「曜ちゃんは…人気者だからそう思うの…!」

曜「ううん。違う。私にとって千歌ちゃんは煌ってみえる」

曜「千歌ちゃんの目に私が良いように見えるように、私も千歌ちゃんが良いようにみえる」

千歌「曜ちゃん…」

曜「私だって、千歌ちゃんが羨ましいよ。千歌ちゃんはいつだって私の憧れだし、ずっとそばにいて欲しい存在!」

曜「私が無理に千歌ちゃんの側にいるんじゃないの。私が好きで千歌ちゃんの側にいるの!」

曜「だから…私の…私の大好きな千歌ちゃんを、千歌ちゃん自身が悪く言わないで」ポロポロ

千歌「…曜ちゃん…」

174: 2017/05/04(木) 21:28:54.09ID:sqDOIUS/.net
千歌「私も…曜ちゃんのこと、全然わかってなかったみたい」

千歌「近くにいるのが当たり前で、曜ちゃんならいつもなんとかしてくれるだろうって、そう思ってた」

千歌「でも、全然違うよね。曜ちゃんは曜ちゃんで、私の親友で、幼馴染で」

千歌「私の…居場所の一つなんだなって」

曜「うん…。千歌ちゃん。千歌ちゃんが自分の魅力がわからない時は、私や梨子ちゃんが教えてあげる」

曜「その代わり、千歌ちゃんも私たちの良いところ教えてよ?」

千歌「……うん!」

千歌「ごめん…ありがとう、曜ちゃん」ポロポロ

曜「何言ってるの。泣いたりするのはステージが終わってからだよ」ポロポロ

千歌「曜ちゃんも泣いてるじゃん…」

曜「いいの!もう!ほら、急ぐよ」

175: 2017/05/04(木) 21:29:28.51ID:sqDOIUS/.net
ブロロロ

千歌「…?!」

曜「小原家のヘリコプター…って」

曜「鞠莉さん…!」

鞠莉「シャイニー☆」

鞠莉「やっと見つけたわよ。さ、二人とも乗って。ステージに直行するわよ!」

曜「鞠莉ちゃん…!」

鞠莉「スッキリした顔ねぇ。やっと本音をぶつけあえた…?」

曜「うん…。梨子ちゃんにもお礼言わなきゃ」

鞠莉「梨子、頑張ってるわよ、早く行ってあげなさい」

176: 2017/05/04(木) 21:30:02.77ID:sqDOIUS/.net
千歌「衣装は…」

鞠莉「持ってきてるから早く着替えなさい!すぐ降りれるように準備しておいて」

曜・千歌「はい!!」

曜「千歌ちゃん、フォーメーションの再確認だけど…」

千歌「うんうん」

鞠莉「…」フフッ

180: 2017/05/04(木) 23:06:03.91ID:sqDOIUS/.net
----


梨子『ダイスキがあればダイジョウブさ~♪』


ダイヤ「梨子さん…」

ピロリン

果南「…間に合った」

善子「えっ?!」

ワァァァァァァ


曜『待たせてごめんなさい!』

梨子(二人とも…)

千歌『ありがとう、梨子ちゃん』

梨子『良かった…』ポロポロ

梨子『はい…二人とも』

千歌『…?』

梨子『このシュシュ、つけてほしいんだ』

曜『あの時以来だね…』

梨子『しかも特製だよ?』フフッ

181: 2017/05/04(木) 23:06:26.11ID:sqDOIUS/.net
桜内(良かった…。よく頑張ったよ、私。そして千歌ちゃん、曜ちゃん)

桜内「私も…やっと…二人に顔向けができるよ…」ポロポロ



千歌・曜・梨子『聴いてください!想いよひとつになれ』

想いよ ひとつになれ この時を待っていた♪

桜内「……」

182: 2017/05/04(木) 23:07:15.41ID:sqDOIUS/.net
鞠莉『梨子…本当にいいの?戻ってこれなくなるかもよ?』

梨子『いいんです。私の、私の責任でもあるから…』

鞠莉『…』

梨子『きっと、きっと変えられるんです。未来は、過去は…』

梨子『それに…もう一度---』

桜内「きて…良かった…」

ふと気付くと重なり合うよ 一途に未来を呼ぶこころ♪

ふるえてる手を握っていくんだよ♪

すれ違った後で同時に振り向いた ほらね

本当は 一緒だったよ気持ちがはね♪

183: 2017/05/04(木) 23:07:40.52ID:sqDOIUS/.net
曜(皆んな…そうだ、何か悩みを抱えていて…不安の中で生きていて…)

千歌(何が起こるかわからない世界でもがいて、もがき回って)

梨子(それでももがくのは…楽しいから)

梨子(わからない中をみんなで、みんなと一緒に楽しむ…!)

何かを掴むことで 何かを諦めない

想いよ ひとつになれ どこにいても 同じ明日を 信じてる♪


パチパチパチパチ

186: 2017/05/05(金) 00:10:19.10ID:FHQidCgZ.net
----

千歌「梨子ちゃぁぁぁん!!」ガバ

千歌「ごめん…ごめんっ!」

梨子「ううん。戻ってきてくれて、本当に良かった…」

梨子「曜ちゃんも。しっかり話せたんだね…」

曜「うん…」

果南「お疲れ。とっても良かったよ」

果南「あと梨子、曜、呼び出し」

曜・梨子「?」

ダイヤ「千歌さん…ヒヤヒヤしましたわよ」

千歌「本当にごめんなさぁい…」

187: 2017/05/05(金) 00:10:52.89ID:FHQidCgZ.net
---

桜内「お疲れ…二人とも。最高のパフォーマンスだったよ」

曜「ありがとう」

梨子「…これからどうするの?」

桜内「んん~…。どうもないかなぁ」

桜内「勝手に時間を越えた…なんてバレればきっと重罪だろうし…」

桜内「同じ時空に同じ人物が二人、長い間存在できないの」

桜内「だから私はそろそろ、こっそり戻るよ」

桜内「戻れるかはわからないけど…そこは鞠莉さん次第かな…」

188: 2017/05/05(金) 00:11:28.73ID:FHQidCgZ.net
梨子「え…?」

桜内「安心して。貴女がまた新しいタイムルートを作るの。新しい桜内梨子を」

桜内「そして…新しい未来を…」

曜「…ありがとう。多分貴女がいなかったら…」

桜内「湿っぽいこと言わないの。二人の、三人の力で乗り越えたんでしょ」

桜内「きっとこれで…千歌ちゃんも曜ちゃんも…」

梨子「…?」

桜内「ううん。何でもない。じゃあ私はそろそろ行くね。楽しかったよ。とっても」

桜内「貴女たち三人の仲が…今は本当に羨ましい」

189: 2017/05/05(金) 00:12:04.58ID:FHQidCgZ.net
桜内「一期一会を大切に…。、ね」

桜内「曜ちゃんも、今日からは多分、良い夢が見られるんじゃないかな」

曜「あ!…そうだよ。それについて」

曜「あれは…梨子ちゃんの仕業なの?」

桜内「それは…どうだろうね。少なくとも私はそんな芸当できないよ」

桜内「未来の曜ちゃんからの呼びかけだったのかもしれないしね…」

曜「そんなことが…」

桜内「今は全部のことがわかるわけじゃなの。私にもわからないことばっかりだし」

曜「そっか…」

桜内「うん。それじゃあ、もう行くね、

190: 2017/05/05(金) 00:20:44.02ID:FHQidCgZ.net
---

人には色んな出会いがあって…。友達、家族、恋人、幼馴染。その出会いの中ですれ違いは欠かせない。

お互いのことを想うあまり躱しあってしまう時…

近すぎるあまり、全体像が見えない時。

曜(本音でぶつかり合う…って簡単に見えて、凄い勇気がいることだけど…)

曜(もしかしたら…視野が広がるかもしれない)

この世界は、不思議なことだらけだ。自分が一番理解していると思ってた幼馴染のことを、実は全然わかっていなかったり。

はたまた自分をわかってくれていると思ってた人と全然意見が合わなかったり。

191: 2017/05/05(金) 00:21:22.10ID:FHQidCgZ.net
他人が…輝いて見えたり…,。

千歌(でも…私で良いんだよね。皆んなでいいんだよね)

千歌(十人十色…。曜ちゃんには曜ちゃんだけの魅力があって、梨子ちゃんには梨子ちゃんだけの魅力がある)

そして、私も---。

未来は変わる。良い方にも悪い方にも。ちょっとしたことですら、人間関係には…大きなことだから…。


千歌「曜ちゃん、大切な話が--」

曜「…?」

梨子「…」フフッ

千歌「私ね…曜ちゃんの--」

~fin~



学生「…って私の自転車は…?!」

199: 2017/05/05(金) 00:57:35.98ID:FHQidCgZ.net
おまけ

千歌「曜ちゃん」

曜「なーに?」

千歌「今日の晩御飯何がいい?」

曜「千歌ちゃんの作ったものなら何でもいいよ」

千歌「も~、またそう言って」

曜「だぁって千歌ちゃん可愛いからさっうりうりっ」グリグリ

千歌「あぅあぅ…」

曜「そうだ、じゃあさ、外食にでも行かない?」

曜「梨子ちゃんも呼んでさ」

千歌「良いねぇ~。どこ食べに行く?」

曜「う~ん」

200: 2017/05/05(金) 00:58:16.60ID:FHQidCgZ.net
----

梨子「久しぶり、二人とも」

曜「そんなに久しぶりかな?前も会ったと思うけど」

梨子「最近忙しくって」

千歌「あ~そうだよねぇ、プロのピアニストだもんねぇ」しみじみ

曜「今のうちにサインもらっておかなきゃ」

梨子「もうっ。やめてよ~」

千歌「…というか梨子ちゃんは結婚しないの?」

梨子「うっ、うるさいうるさい!」

201: 2017/05/05(金) 00:58:42.51ID:FHQidCgZ.net
曜「善子ちゃんとか、果南ちゃんとかどうなの~」ニタニタ

梨子「からかうのはやめなさい!」

梨子「二人だって…まだ子供いないんでしょ?早く見せてよ」

曜・千歌「こっ、…///」

曜「子供とか…そういうのはまだ…ね?千歌ちゃん」チラッ

千歌「…////」

曜「照れないでよぉ~!!」

千歌「別に…私は今夜でも…「ストープ!!」

曜「ストップストップストップ!!それ以上はダメだよ!」

202: 2017/05/05(金) 00:59:05.94ID:FHQidCgZ.net
梨子「千歌ちゃんが良いって言ってるなら良いじゃない。私も早く見たいな。二人の子供」

曜「いや…そんなこと言われても…」

曜「私…下手くそだし」

千歌「確かに曜ちゃん、恐ろしいくらい下手くそだよね…」

曜「うっ…!!」

梨子「…ヤるなら鞠莉さんとこに連絡入れておくけど…」

曜「梨子ちゃんまで!どうしちゃったの?!」

梨子「ううん。何だか楽しくって…。こういうのも懐かしいなぁ」

千歌「…梨子ちゃん」

梨子「また…集まれるといいね」

曜「うん。きっと集まれるよ。次は…皆んなで」

千歌「そうだね…」

203: 2017/05/05(金) 00:59:48.23ID:FHQidCgZ.net
-----

梨子「じゃあ、また今度ね」

千歌「うん。明日からまた頑張ってね」

曜「身体壊さないように。応援してるね」

梨子「曜ちゃんも、ファイト♪」ボソッ

曜「梨子ちゃん……」プルプル

梨子「ふふっ。冗談よ。じゃ、私明日早いから」

千歌「うん。バイバイ」

曜「行っちゃった」

千歌「また会えるよ」

曜「うん…」

千歌「なんか、実感湧かないね」

204: 2017/05/05(金) 01:03:13.97ID:FHQidCgZ.net
曜「そうかな?」

千歌「結婚とか、全然思ってもなかったから…」

曜「千歌ちゃんから告白してきたくせに~」

千歌「それ言うのはなし~!!」

曜「ありがとね。千歌ちゃん」

千歌「…」

曜「梨子ちゃんにももう一回お礼言わなきゃ…。今こうなってるのは梨子ちゃんのおかげだから」

千歌「そうだね…。これからも頑張らなくちゃ…」

曜「うん…」

曜「ところで、千歌ちゃん」

千歌「…?」

曜「きっ、今日…そのっ///」

千歌「…?」

千歌「なーに?」

曜「いや…えっと…その…」

千歌「曜歌ちゃんってどう?」

曜「曜…歌…あっ!!」

~I'll be here~

205: 2017/05/05(金) 01:04:15.14ID:FHQidCgZ.net
かなり色々とがたってしまいましたがおまけ含めこれで終わりにしたいと思います。見てくださった皆様、レスをくれた皆様、ありがとうございました!楽しかったですw

206: 2017/05/05(金) 01:07:54.12ID:n92VUdc5.net
乙であります

引用元: 曜「うるさい!私に口答えしないで!」バシィ 千歌「きゃっ!痛いっ…やめて、曜ちゃん…」