21: 2013/10/11(金) 22:15:56.41 ID:2p7qOvEuo

第四十夜 悪寒


茄子「みなさん、しばらくぶりとなりますね。こんばんは、鷹富士茄子です」

ほたる「こんばんは……白菊ほたるです」

小梅「きょ、今日から……また、この三人……」




白坂小梅のラジオ百物語シリーズ

アイドルマスター シンデレラガールズ 白坂小梅 ハロウィンナイトメアVer. 1/7スケール ABS&PVC製 塗装済み完成品フィギュア

22: 2013/10/11(金) 22:17:49.18 ID:2p7qOvEuo


茄子「はい。ついに第四シーズンが始まりましたね。前回は幸子さんと輝子さんが来てくださったんですよね」

小梅「うん。楽しかった」

ほたる「……私も聞いていて楽しかったです。主に幸子さんのつっこみとか……」

小梅「さっちゃんは……ユニットでのトークでも、メイン、だから……」

茄子「小梅さんと輝子さんは、あまり前に出るタイプではありませんしね」

小梅「……うん」

ほたる「はきはき話せる人は……あこがれます」

茄子「そこは努力と経験ではないでしょうか。それに……ほたるさんはしっかりやれてると思いますよ」

ほたる「そうだと……いいんですが。ともあれ進めましょう……。ええと、今日も最初はアイドル百物語から、ですよね」

小梅「うん。今日のお話は……ある意味で、古典的な話」

茄子「ほうほう」

ほたる「どなたのお話なんですか?」

小梅「比奈さん……荒木比奈さん」

茄子「なるほど。では、聞いてみましょう。荒木比奈さんのお話です。どうぞ」

23: 2013/10/11(金) 22:18:16.69 ID:2p7qOvEuo

荒木比奈(20)

○一言質問
小梅「合わせ鏡の中から悪魔が語りかけてきたら……どうする?」
比奈「んー……。鏡を上下に据え付けてみますね。もしかしたら、ずっと落ち続けてくれるかもしれませんし」

24: 2013/10/11(金) 22:19:21.33 ID:2p7qOvEuo

 どもども、小梅ちゃん。
 今日は怖いお話っスよね。

 実を言うと、今日に備えてネットでなにか漁ってこようかとも思ったんですけど、どうもしっくりこなかったんスよね。
 だから、あんまり怖くないかもしれませんが、私の体験談を話すことにします。

 私は、漫画を描くのが趣味で……。
 まあ、このあたりは、小梅ちゃんたちにリクエストもらってイラスト描いたりしてますから、知ってますよね。

 それでも、あくまで趣味っスから、なんていうか、生活の時間とは別の時間をひねり出さないといけないわけですよ。
 いまだったら、アイドル活動以外の時間っスけど……。

 結局の所、夜更かしして描くことが多くなるわけですね。
 あんまり健康にはよくないんですけど……。

25: 2013/10/11(金) 22:20:52.61 ID:2p7qOvEuo

 で、ある時期に連続して、夜遅くに作業してたことがあったんですよ。

 ところが、作業をしていると、急に寒気を感じる瞬間がある。
 こう、ぞくぞくっとね。

 そうして、何日目かに、気づいたんです。

 ぞくっと背筋に冷たいものを感じて目を上げる……。
 それで習慣的に確かめた時間が、いつも同じだって。

 もちろん、夜中の話ですからね。

 体のほうがそのあたりの時間で限界になって、自然と集中が途切れるんだろう。
 そう思う方が当たり前ですし、私もそのときはそれで納得することにしました。

 ただ、それからさらにしばらくした頃。
 友達がうちに遊びに来たことがあって。
 まあ、漫画描きの仲間なものですから、二人して夜中まで絵を描いたりして遊んでたんです。

26: 2013/10/11(金) 22:22:35.29 ID:2p7qOvEuo

 そのときは、普段私が座ってる作業台を友達に貸して、私はこたつに入っていたと記憶してます。

 ふと友達が顔をあげて、不思議そうに辺りを見回すんです。

 どうしたのかと聞くと、

『ねえ、いま、風とか吹いた?』

 と言ってくる。

 さすがにすきま風が入るような部屋じゃないんですよ。
 さすがに、女性の一人暮らしですから。

 だから、気のせいじゃないかと言うと、友達もそれ以上はなにも言いませんでした。
 その後は、普通に過ごしてましたしね。

 ただ、私は気づいてたんです。


 それが、『あの時間』に起きてたってことを。

27: 2013/10/11(金) 22:24:10.92 ID:2p7qOvEuo

 私の体が悲鳴を上げる時間というだけなら、同じような時間でも、おかしくはない。
 でも、関係ない友達も妙なものを感じるのなら、それはなにかあるんじゃないか。

 そう考えるのは、ある意味当然っスよね?

 だから、私は調べてみたんです。
 その部屋で、その時間になにか起きたことはなかったかって。

 でも、ありませんでした。

 そのマンションが建てられた頃までさかのぼっていろいろと調べて、人に頼んでみても……なにも出てきませんでした。

 ただ……。
 もう、ずっと前。

 マンションが建つ前には、その土地に、とある団地が建っていたそうです。
 そして、その団地では、何件か飛び降り自殺があったそうです。


 それも、決まって真夜中に。

28: 2013/10/11(金) 22:25:23.10 ID:2p7qOvEuo

 時間までぴったり同じなのか。
 さらに言えば、それが私や友達が悪寒を覚えたそのときと同じなのか。

 それはわかりません。
 そこまでは調べがつかなかったんです。

 ただ……。

 そのマンションは団地とその周辺の土地をまとめて買い取り、建設されたものです。
 だから、団地自体はマンションよりも小さい。

 つまり……屋上から飛び降りたその軌跡は、いまではマンション内にあるということで。

 もしかしたら、いまでも、その時間に誰かが飛び降り続けてるのかも。
 ……そんなことを思ったりもするんです。

29: 2013/10/11(金) 22:25:53.16 ID:2p7qOvEuo

 え?

 ああ、その後は作業台の場所を変えましたよ。

 はい。
 なにも感じてません。

 時間がきまってるように、飛び降りるルートも厳密にきまってるんじゃないですかね、きっと。

30: 2013/10/11(金) 22:27:29.13 ID:2p7qOvEuo


茄子「亡くなった後も、ずっと飛び降り続けている、ですか」

ほたる「地縛霊とかも聞いたことはありますが……」

小梅「氏の瞬間をずっと繰り返してるっていうのは……たまに聞く話では、あるかな」

茄子「それに囚われている、ということですか?」

小梅「……というよりも、氏の記憶だけが焼き付いている、のかも。霊とかじゃなくて」

ほたる「……わかるようなわからないような……」

小梅「実際どうなのか……。今度……見せてもらってくる」

ほたる「え?」

茄子「比奈さん、引っ越してないんですか!?」

小梅「うん。別に自分はなにか見たわけじゃないからって……。その場所でなければ、なにも感じないみたいだし……」

ほたる「以前の……杏さんの時も思いましたが、すごいですね」

小梅「あのときは……事務所が引っ越させちゃったから……。見に行けなかった。残念」

茄子「小梅さんは小梅さんで、なかなかの剛の者ですね、相変わらず」

小梅「そう……? えへへ……」

ほたる「いや、なんか違うような……。番組的にはこれでいいような……」

茄子「あはは。ともあれ、次へ参りましょうか。次のコーナーは、先ほどほたるさんが言ったような地縛霊といったものを……」


 第四十夜 終

31: 2013/10/11(金) 22:28:17.08 ID:2p7qOvEuo
 本日は以上です。
 比奈ちゃんは杏がいなかったら、普通にめんどくさがりキャラで目立ってたのではなかろうか。

32: 2013/10/11(金) 22:31:50.79 ID:sfR5lrvVo
めんどくさがりでは同人作家はできんと思う

33: 2013/10/11(金) 22:50:27.64 ID:/CFgYW2AO
めんどくさがりって言うか好きな事以外は横着とか無頓着なイメージ
初登場ジャージだし

34: 2013/10/12(土) 01:19:43.91 ID:coUY1sR8o
でもジャージの女の子は可愛いよね

36: 2013/10/12(土) 02:38:48.85 ID:ixL34tvHo
つまりジャージはかわいい

37: 2013/10/12(土) 03:05:39.60 ID:uTXM+U/o0
可愛いは正義ってことですね!

引用元: 小梅「白坂小梅のラジオ百物語」Season4