【俺ガイル】そうして比企谷八幡は安価で行動を始める【前編】
639:◆5m18GD4M5g 2013/03/25(月) 19:33:32.37 ID:2vNCfJlf0

【雪ノ下の住むマンション・リビング】

小町「……雪乃さん、大丈夫かなぁ」

比企谷「……、」

小町が心配そうにバルコニーで一人佇んでいる雪ノ下へ視線を送る。

俺は無言で紅茶を啜り、リビングに意識を向ける。

以前由比ヶ浜と一緒に体調を崩した雪ノ下のお見舞いに来た時となんら変化のないリビング。

小作りなガラスのテーブル、ビジネスホテルのような最低限の調度品、シンプルで機能的な家具、クリーム色をした布張りのカウチソファ。

そしてソファの前には大型テレビと小さなチェスト。

もちろん下のデッキには『パンダのパンさん』を筆頭に、多数のデスティニー作品が並んでいた。

比企谷「……俺達がどうこう言える立場じゃないのは確かだな」

小町「……うん。……小町、雪乃さんに迷惑かけちゃったなぁ」

比企谷「小町はなにも悪くねぇよ。これは俺が全面的に悪い」

そう言って俺は紅茶を煽るように飲み干す。

そして空になったティーカップに紅茶を注ぎ淹れる。


……そう、俺が悪い。 過去に固執するあまり、現在を疎かにしてしまった俺が悪いのだ。

過去の自分が積み重ねてきた数々のトラウマが見せる幻影を振り払えない、精神的に未熟な俺が悪い。


↓3 八幡はどうする?

642: 2013/03/25(月) 19:50:18.37 ID:OOi+o68pP
ゆきのんについて想いを馳せる

643: 2013/03/25(月) 20:36:45.69 ID:2vNCfJlf0

雪ノ下雪乃という少女は、例えるなら高嶺の花だ。

手を伸ばしても到底届かない遙かなる高みに君臨する一輪の花。

孤高を貫き、決して群れることはなく、己が正義を貫き、立ちはだかる逆境を物ともしないその姿は、超人そのものである。

世の中には愛と勇気だけだが友達の英雄がいるが、雪ノ下の場合はおそらく勇気だけが友達なのだろう。

物事を恐れない強い心、いさましい意気。

それに加えて常に誠実で、きっとこの世界で誰よりも正しく、正しくあろうとしているのが雪ノ下雪乃という少女なのだ。

俺は、そんな彼女に憧れていたのだ。

目の眩むほど輝く彼女の後ろ姿を、いつからか目で追いかけていた。


小町「お兄ちゃん……」


小町が何かを期待するような目で俺を見つめてくる。

俺は、本当は気がついていた。

さっきの場面で俺が言わなければいけなかったのは、自身を哀れんでもらう為の釈明ではなかったということを。

俺が真に彼女へ伝えなければいけないのは、彼女を安堵させるに足る俺自身の明確な強い意志だ。


比企谷「……紅茶飲んだら少し暑くなったから、夜風に当たってくる」


俺は雪ノ下が一人佇むバルコニーへと赴く。

雪ノ下はこちらを振り向きもせず、ただじっと新都心の夜景を目に焼き付けている。

↓4 八幡はどうする?

647: 2013/03/25(月) 20:52:40.18 ID:sjtFSGHQ0
ゆきのんのすぐ横に並び立って本心を吐露する

648: 2013/03/25(月) 21:37:08.39 ID:2vNCfJlf0

比企谷「……横、いいか雪ノ下」

雪ノ下「……、」

雪ノ下からの返事はない。

だが数瞬遅れて、彼女の頭が前方に小さく傾くのを確認する。

俺はそれを肯定と受け取って、彼女の隣に並び立った。

比企谷「雪ノ下……。俺は、お前に言わなきゃならないことがある」

雪ノ下「……そう、なにかしら」

風の音に紛れて消え入りそうな小声で、雪ノ下はこちらを向いた。

彼女の表情は、見ているこちらの心が痛むくらいに悲痛だった。

雪ノ下の目元は紅く腫れ、頬には幾つもの涙痕が伺える。

おそらく彼女はここで泣いていたのだろう。誰にも知られず、ひっそりと。自身の弱い部分を露見させないように。

だが、彼女の流した涙の本当の意味は俺には分からない。

知ろうとしても、理解が出来ない。



比企谷「俺は……、俺はだな雪ノ下、――――お前に憧れていた」



理解が出来ないから、俺は彼女に本心を吐露する。

比企谷「でも、それは最初からじゃないんだ」

比企谷「初めてお前と会ったときの俺は、お前に対して『なんだこの怖い女』って感じた」

比企谷「一言一言にいちいち棘を仕込んでくるし、俺へ向ける視線や言動はまるで猛烈な吹雪で容赦がねぇ。俺の精神が何度凍傷を起こしかけたか数えるのも億劫なくらいだ」

雪ノ下「……、」

雪ノ下は無言のまま、俺の話に耳を傾けている。

彼女が俺の話を聞いていることを信じて、俺は話を再び紡ぎ始める。

比企谷「だが、お前と一緒に過ごしているうちに、俺はどこか心地いいものを感じていた」

比企谷「それは決して俺が特殊な性癖に目覚めたとかじゃなくて、未だかつて経験したことのない感情だった」

比企谷「それに気がついたのは、お前が夏休みの中盤に姿をみせなくなってからだ」

比企谷「お前がいなくなって、俺は初めてお前の言動を目で追っていた事に気がついた」

比企谷「孤高を貫き、己が正義を貫き、理解されないことを嘆かず、理解することを諦める。それは俺が目標としていた生き方そのものだった」


比企谷「だから俺はお前に憧れてた。これだけは紛れも無い真実であり、俺の本心だ」


雪ノ下「……、」

↓4 雪ノ下は八幡の本心を聞いてどう返す? 

652: 2013/03/25(月) 21:50:26.98 ID:sjtFSGHQ0
数日のうちに八幡を落とす宣言

653: 2013/03/25(月) 21:51:11.82 ID:37y3JDb10
>>652

654: 2013/03/25(月) 22:36:39.29 ID:2vNCfJlf0

雪ノ下「……そう、あなたの本心は理解したわ」

雪ノ下「それを踏まえて1つ訊ねたいのだけれど、あなたはさっきの話を撤回するつもりはないのよね?」

雪ノ下の尋ねるさっきの話というと、おそらく俺が言った『誰かを愛するなんて真似~』云々のことだろう。

俺は彼女の問いに首肯で返すと、雪ノ下はふっと小さく破顔した。

雪ノ下「……ええ、そうでしょうね。あなたは過去に起きた事をなかったことには決してしないもの」


雪ノ下「だから私は、――あなたを数日のうちに落としてみせるわ」


比企谷「…………は?」

彼女の突然の宣戦布告に、俺は口をあんぐりと開けて呆然と返事をする。

……そもそも落とすってなんだよ、あれか? 首絞めて落とすのそっち系? なに俺そんなハードプレイの趣味はねぇぞ?

俺が頭上に疑問符を浮かべていると、雪ノ下がそれに気が付いてわざわざ説明してくる。

雪ノ下「……こほんっ。言い方に語弊があったわね、ごめんなさい」

雪ノ下「落とすというのはつまり、わ、……私があなたを惚れさせるということよ」

雪ノ下「過程はどうであれ、私はあなたに千葉県横断ウルトラクイズで敗北した上にあなたに告白をして見事に玉砕したわ、でもこれは何の準備もしないまま行動に移した結果であって、また日を改めて冷静にあなたとの現状を分析し解析して研鑽を積み重ねていけば、あなたが私に惚れるのはほぼ100%と言っても過言はないでしょうね、つまり私が何を言いたいのかというと……」


雪ノ下「あなたが出来ないと言った人を愛する行為を、私が可能にしてみせる。……そして私が、あなたに選ばれてみせるわ」


雪ノ下はそう言い残し、バルコニーから早足でリビングへと戻っていった。


655: 2013/03/25(月) 22:41:01.44 ID:2vNCfJlf0

↓3 このあと八幡はどうする?


658: 2013/03/25(月) 22:49:15.07 ID:OOi+o68pP
今のセリフだけでほぼ落ちかけて挙動不審になる

660: 2013/03/25(月) 23:08:39.58 ID:37y3JDb10
wktk

661: 2013/03/25(月) 23:36:04.61 ID:2vNCfJlf0

比企谷「(…………雪ノ下が、あんなセリフを言うなんてな…………)」

雪ノ下がついさっき宣言したセリフが、頭から離れない。


『あなたが出来ないと言った人を愛する行為を、私が可能にしてみせる。……そして私が、あなたに選ばれてみせるわ』


あのセリフは、誰よりも正しくあろうとする雪ノ下だからこそ言えるセリフだ。

彼女は決して手を抜くという軽率な行動はしない。何事も全力で取り組む、それが彼女なりの流儀なのだろう。

その彼女の真摯で真っ直ぐな言葉を受けて、頬に熱を帯びているのを自覚した俺は慌てて首を振って邪念を振り払う。

比企谷「(……はっ! っぶねー、今の雪ノ下のセリフだけで危うく落ちかけたぜ……。……恐るべし、ギャップ萌えの魔力……ッ!)」

比企谷「(…………でも、あいつが俺を落とす為にはどんな手段を取るんだ……?)」

ふとそんなことを疑問に感じて、俺は思考の海にダイブする。

比企谷「(甘える……ってのは雪ノ下のキャラじゃねぇし、照れ隠しは今のでお腹いっぱいだし、氷点下の目で罵られるのは俺が新しい扉を開きかねないし…………くそっ、全然わかんねぇぞ)」

他にも可能性があるハズだと脳内で検索をかけてみたところ、残念な俺の脳が示したのは男なら誰でも思いつくことだった。

ずばり、色気である。

色気であるのだが……、俺はすぐにその可能性の否定に入る。

比企谷「(あいつがお色気で落としにくるのは…………ないな。……そもそもお色気に使えるパーツがねぇんだよなあいつは)」

俺は夏休みのボランティアで目撃した、彼女のその名の如く雪の化身であるかのような美しい肢体を思い返す。

透き通るような白い素肌、形のいいふくらはぎから腰まで続く脚線美、驚くほど細くくびれた腰、控えめながらも一応主張はしている胸元。

………………ヤバい、思いのほか破壊力が凄まじかった……っ。 あやうく俺の氷山が溶け始めるところだったぜ……っ。


雪ノ下「比企谷くん」


比企谷「ひゃ、ひゃいッ!?」

安堵したのも束の間、直後に雪ノ下から話しかけられ、俺は素っ頓狂な声を出してしまう。 ……くそっ! めちゃくちゃ恥ずい……!

雪ノ下「あなた、そんな所で挙動不審な行動をとっていたら通報されるわよ? ……早くリビングに戻って、これから夕食にするから」

比企谷「…………すまん」

どうやらさっきまでの俺はかなり不審な行動をしていたようだ。……ただ妄想してただけなんだがなぁ……。

↓3 八幡はこのあとどうする?

663: 2013/03/25(月) 23:45:35.50 ID:11h7+4xBO
食事中にも妄想してしまい、うまく食べることが出来ず、見かねたゆきのんにあ~んされて、挙動不審になる。

664: 2013/03/25(月) 23:46:42.04 ID:aeCC+dAo0
妄想と挙動不審が加速し>>663

666: 2013/03/26(火) 00:18:00.34 ID:wwn7y4hr0

雪ノ下「比企谷くん、小町さん、これから夕食にするのだけど、何がご所望かしら?」

そう尋ねる雪ノ下は、胸元にちいさく猫の足跡があしらわれた黒色のエプロンを身に纏っていた。

それは、数カ月前にここにいる3人で由比ヶ浜の誕生日プレゼントを買いに行ったついでに雪ノ下が買ったモノだった。

小町「ハンバーグ! 小町はハンバーグがいいです雪乃さん!」

さきほどとは打って変わって、元気百倍アンパンマンと言いかねないくらいの明るさで小町が主張する。

俺がキョドってる間に小町に何したんだよ雪ノ下……。

雪ノ下「……ハンバーグね、わかったわ。それで、比企谷くんのリクエストは?」

比企谷「あー……俺もハンバーグでいいよ。別の料理を並行して作るのって結構手間かかるだろうし」

雪ノ下「あら、そんなことないわよ。あなたが喜んでくれるのなら、私はどんな労力も厭わない覚悟よ?」

比企谷「っ!」

見ているだけで心を洗われるような優しい微笑みを浮かべて、雪ノ下は俺にそう言った。

不意打ちを喰らったこともあり、俺の顔が再び熱を帯びていく。

小町「むっふっふっ、照れてる照れてる~♪」

比企谷「う、うるせぇ小町! べ、別に照れてなんかねぇよ!!」

これはあれだ、ただ気恥ずかしいだけだっつーの! …………あれ、それって結局照れてね?

小町「も~、やっぱりお兄ちゃんは素直じゃないなぁ……」

比企谷「ほっとけ」


雪ノ下「それじゃあ二人は家の中で適当に時間を潰しておいてもらえるかしら。出来上がったら声をかけるわね」

そう言って、雪ノ下はキッチンへと姿を消した。


667: 2013/03/26(火) 00:48:03.69 ID:wwn7y4hr0

……ちょっと奥さんいまの聞きました? 

なにかしら? 

それが彼女がいまね、『家の中で適当に時間を潰しておいてもらえるかしら』って言ったのよ!

ほうほう、それはつまり?

比企谷「(……ゆ、雪ノ下の部屋に行っても問題ないということだ……ッ!)」

俺はリビングをキョロキョロと見渡し、別の部屋へ続きそうな扉を探し始めた。

しかし雪ノ下の部屋らしい扉は見当たらない。……チッ! やはりこのリビングに至る前にあった3個の扉のどれかか……っ。

小町「お兄ちゃ~ん、またキョドってるよ~」

そんな行動を不審に思ったのか、小町がテレビを見ながら俺に注意をしてくる。 ……お前もう完全に溶け込んでるな、この家に。

比企谷「……ご、誤解だ小町! 俺はただトイレに行きたいだけだ! さっきの紅茶でちょっとマズイ状況なんだよ!」

紅茶の利尿作用は異常。 なんであれたった2杯飲んだだけで溜まってたの殆ど出るの?

雪ノ下「比企谷くん、お手洗いならリビングを出て再奥左側の扉よ。…………くれぐれも、再奥右側の扉の中には入らないようにね」

俺が小町に叫んだのが聞こえたのか、雪ノ下がキッチンから声をかけてきた。

比企谷「分かった。スマンがちょっと拝借させてもらうわ、……マジでちょっとヤバイし」

俺は雪ノ下に断りを入れて、やや早歩きでトイレへ向かった。


そしてトイレにて体内の不純物を放出して非常に清々しい気分になった俺は、備え付けてあった小さな洗面台で手を洗いトイレから出る。

比企谷「(……ふぅ、スッキリしたぜ――って、この扉は……)」 

トイレから出た目の前には、雪ノ下が入ってはいけないと言っていた扉があった。

↓3 雪ノ下に入るなと言われた扉が目の前にある、八幡はどうする? 以下より多数決

①開けない ②開ける ③そんなことより雪ノ下の部屋を探す

先に3票集まった選択肢で話が進みます

670: 2013/03/26(火) 00:50:11.83 ID:KndMN8k7O
3で

673: 2013/03/26(火) 01:28:37.39 ID:wwn7y4hr0

比企谷「(……いや、開けちゃダメって言ってたし、ここは大人しく帰るか)」

俺はリビングへと戻り、小町と一緒にテレビを見て時間を潰した。

部屋の壁にかけられた時計を見ながら、あの部屋は結局なんだったんだろうなぁ、とかそんなことを考えながらダラダラ過ごす。

比企谷「(……俺の見立てでは、おそらく洗濯物を干す部屋だと思うんだよなぁ……)」 

そんなどうでもいい考察をしつつ、雪ノ下から声がかかるのを待つ。

そして1時間を過ぎた所で、雪ノ下がキッチンから俺を呼ぶ。

雪ノ下「比企谷くん。少し配膳を手伝ってもらいたいのだけれど、いいかしら」

どうやら配膳を手伝ってもらいたいようだ。

比企谷「あいよ」

断る理由は特にないので、俺はしゃもじを掴んで茶碗にご飯を盛り付ける。

雪ノ下はハンバーグを小皿に取り分け、その上からデミグラスソースを垂らしていく。 

……おい、なんだそのハイクオリティ。ちょっとしたホテルのディナーでも通用するレベルじゃねぇか。

つくづく雪ノ下は天才なんだなぁと感じつつ、俺はご飯を盛り続ける。

しかし俺は彼女の華麗な手際に見惚れてしまったのか、気がつけば1つだけこんもりとご飯が山のように盛られてしまった。

サイズで言えば由比ヶ浜クラス。……ちょっと盛り過ぎたな。

ちなみに他のご飯は並盛で、サイズで言うと雪ノし「あらごめんなさい、手が滑ったわ」――って熱ッ!?

俺の失礼な考えを見抜いたのか、雪ノ下に熱せられたお玉杓子を頬に押し当てられる。

どう手が滑ったら俺の頬に押し当てられるんだよ、逆に見てみたいわ……。


そんなやり取りをしながら、俺と雪ノ下は出来上がった料理をテーブルへ運んだ。

そしてそれぞれ席に着いたのだが……。


↓3 八幡はどこに座った? 以下から選択

①雪ノ下の前 ②雪ノ下の隣 ③雪ノ下と小町の間

676: 2013/03/26(火) 01:42:16.88 ID:wr7vjDZD0

678: 2013/03/26(火) 02:14:36.61 ID:wwn7y4hr0

比企谷「……雪ノ下」

雪ノ下「なにかしら」

比企谷「……なんでお前俺の隣に座るの?」

雪ノ下「……、」

そう、俺の隣にはこの家の家主である雪ノ下が座っていたのだ。

小町「ふっふっふ……、お兄ちゃん、攻略はもう始まってるよ~♪」

ちなみに小町は俺の正面でニヤニヤしている。こんなに頭を引っ叩きたい妹の表情は久々である。

俺は見ているだけでフラストレーションの溜まる小町から視線を雪ノ下に移すと、彼女は俯きながらこちらをチラチラと見ていた。

その様子は、構ってほしいこと猫の如し。


雪ノ下「……あ、あなたの隣にいたいからじゃ、…………ダメ、かしら……?」


比企谷「ごふっ」

そんな雪ノ下キャットは、かつての俺を骨抜きにした【上目遣い+涙目】という凶悪な一撃を繰り出した。

勇者八幡のライフに八万のダメージ、勇者八幡はしんでしまった。おい、氏んじゃうのかよ、誰か俺にザオリクかけてくれ!ザオリク!

↓3 八幡はどうする?

681: 2013/03/26(火) 02:33:47.76 ID:KndMN8k7O
ゆきのんを撫でる

682: 2013/03/26(火) 03:07:00.37 ID:wwn7y4hr0

比企谷「…………ダメじゃ、ない、んじゃねぇの……?」

なんとかザオリク(自力)が間に合い蘇生完了。 

そして俺はささやかな抵抗として、雪ノ下の頭を撫でてみることにした。

雪ノ下「……っ」

俺の手が絹糸のようにサラサラな髪に触れた直後、雪ノ下の全身がびくっと震える。 ……あ、ちょっと傷ついたぞ今の。

――ちなみに女子はこの頭を撫でる行為は全身に怖気が走るほど嫌いらしい、理由は髪型が崩れるからだそうだ。ソースはバイトしてた時の女子高校生の愚痴――

そのまま髪の流れに逆らうことなく撫で続けるが、不思議なことに雪ノ下は俺の手をどかそうとはしなかった。

……あっれー? おかしいな、なんで雪ノ下サンこんなとろーんとした目になってきてんの? なに疲れて眠いの? そうかそうか

小町「お兄ちゃんは将来有望なヒモになりそうで小町心配だなぁー……」

そんな俺と雪ノ下を見て小町がハンバーグを食べながらポツリと呟く。 

……てかお前なにハンバーグ食ってんだよ、まだいただきますすら言ってないでしょうが! ちゃんと食材に感謝しないとダメでしょまったく!


比企谷「……ゆ、雪ノ下、そろそろいいか? メシが冷めちまう……」

雪ノ下「…………はっ! ……っ、ええ、そ、そうね。そろそろいいわ、食事にしましょう比企谷くん」

非常に気まずい空気が流れたが、とりあえず俺たちは両手を合わせて「いただきます」と告げて夕食を食べ始めた。


694: 2013/03/26(火) 16:04:48.49 ID:wwn7y4hr0



……しっかしホントに美味いなこの料理は。こんな美味いメシ食ったのオラ初めてですんげーワクワクすっぞ!

雪ノ下お手製の料理に舌鼓を打ちながら、俺はもし雪ノ下が俺のお嫁さんになった場合を妄想してみる。


社畜として身体と精神を磨り減らして自宅に帰ってきた俺を、エプロン姿の雪ノ下が優しく出迎える。

比企谷『たでーまー』

雪ノ下『おかえりなさいあなた。今日も一日お疲れ様』

比企谷『あぁ、超疲れた。取引先の相手が七面倒臭い奴でさ……、ホントもう一瞬ブチ切れて殴りかかりそうになったわ』

雪ノ下『……そう、大変だったのね』

比企谷『おう。でもお前の笑顔を見るに為に今日も頑張ったぜ。雪乃よ、俺を褒めるが良い』

雪ノ下『はいはい、それはまた後でね』

雪ノ下『それじゃああなた、夕飯の準備が出来るまで、お風呂にでも入って待っててもらえるかしら』

比企谷『えー……、一緒に入らねぇの?』

雪ノ下『昨日一緒に入ったばかりじゃない……。……ま、まぁ、私はあなたが望むのなら、……別にいいのだけれど……』

比企谷『よっしゃ、じゃあ入ろうぜ。メシは後で一緒に作れば問題ねぇし』

雪ノ下『こ、こら押さないの! ……ま、まったく…………強引なんだから、あなたは……っ』



……やべぇ超ニヤける。 なんだこの雪ノ下、お持ち帰りして永久保存したいレベル。

雪ノ下「……比企谷くん、あなたは箸も満足に扱えないのかしら? ご飯がテーブルにボロボロこぼれているのだけど……」

比企谷「へ?」

そう雪ノ下に指摘されて、意識が現実に引き戻される。

テーブルの上には、俺がやらかしたのであろう、口に運びこまれることのなかったご飯が点々と散乱していた。

どうやら妄想に集中し過ぎたせいで、食事が疎かになってしまったようだ。……赤ん坊並に汚い食い方じゃねぇか……。

俺が自身の雑な食事の仕方に軽く自己嫌悪に陥っていると、雪ノ下に制服のブレザーの裾をちょいちょいと引っ張られる。

雪ノ下「……ひ、比企谷くん」

比企谷「なんだ?」


雪ノ下「えっと、……そ、その、…………あ、あーん……っ!」


俺へ向かって差し出される雪ノ下の箸、その先端には少量のご飯。

この2点が意味する行為とは、俺の脳内で検索し該当した結果は1つしかなかった。

全世界の男子諸君が渇望する、彼女にしてもらいたいことランキングトップ5に入る『あーん』である。


695: 2013/03/26(火) 16:47:35.02 ID:wwn7y4hr0

比企谷「え、えっと……」

正直、この時の俺は嬉しいという感情よりも困惑の色が全面に表れていた。

……だって『あーん』とか親にだってされたことねぇし、どうやってそれに応じたらいいのかが分からないのだ。

小町「ほらお兄ちゃんがぶっと! 雪乃さんの箸にかぶりつくんだよお兄ちゃん!」

テーブルの向かい側で小町が何やら俺に向かって吠えている。

言われなくてもそうしなきゃいけないのは薄々と分かるんだが、残念なことに俺の身体はそれを拒もうとする。

これが俺の、長年身体に染み付いた哀しい習性だ。

優しさの裏には悪意が潜んでいて、それが唐突に俺へ牙を向くイメージがチラついて動けなくなる。

蛇に睨まれた蛙、とでも言えばいいのだろうか。

俺にとっての恐怖とは、『優しさ』なのだ。

今まで人から優しくされた経験が他人より圧倒的に不足しているからこそ、それが怖い。

人間誰しも経験の無いことに挑むのにはかなりの勇気がいる。

だがそれは逆説的に、経験を積んでいけば大抵のことに怖気づくことはなくなるという事だろう。


だから俺は、経験を積むために動く。


顔を赤らめながらも俺へ箸を差し伸べている雪ノ下は相当恥ずかしがっている筈だ。

こいつだって、こんなことをやるようなタイプじゃない。 

こいつの場合は地面に料理をぶち撒けて、「両肘両膝を地に着けて、地面が綺麗になるまで舐めなさい」と絶対零度の眼差しで言うのが雪ノ下だ。……なにそれドM大歓喜。



696: 2013/03/26(火) 17:04:31.02 ID:wwn7y4hr0

閑話休題。


とにかく、雪ノ下にしても俺にしても、そういった類いの経験値が圧倒的に不足している。

だからこうして日常生活のワンシーンをすり替えて、足りない経験を補わなければいけない。

この場面で雪ノ下が俺に『あーん』をする必要はない。

だが、こういった場面にやらなければいつやるというのだ。


比企谷「(――――今でしょ!)」


俺は差し伸べられた雪ノ下の箸にかぶりついた。

そして白米を口に残したまま顔を箸から遠ざけ、ゆっくりと咀嚼する。

じっくり、噛み締めるように俺は白米を奥歯で擦切る。

噛めば噛むほどお米本来の芳醇な甘みが口の中一杯に広がる。 


比企谷「(……ああ、生きててよかった……!)」


生来感じたことのないこの上ない幸福感に全身を包まれる。

なんならこのまま昇天してもいいレベル。……でも素っ裸の天使にラッパを吹かれながら愛犬と天国へ行くのは嫌だなぁ……。


雪ノ下「……ひ、比企谷くん。…………も、もっと食べるかしら?」


そんな世界的名作のラストシーンを思い返していると、雪ノ下が顔を真っ赤にしながら俺に訊ねてくる。

彼女の右手に握られた箸は、今度は白米ではなく小さく切り分けられたハンバーグを掴んでいた。

比企谷「(……これは食うしかねぇよな。……ああ、食ってやるよ雪ノ下)」

俺は居住まいを正して、雪ノ下に返答する。


比企谷「ああ、雪ノ下。……た、たにょむ」


噛みまくりである。折角格好良く落ち着き払った体を醸し出そうとしたのに大失敗だ。

失礼、かみまみた! ……また噛んでるじゃねぇか……。


697: 2013/03/26(火) 17:11:14.74 ID:wwn7y4hr0

その後も雪ノ下の『あーん』の波状攻撃は止むことなく、彼女は自身の弾丸が切れても俺の弾丸を無理矢理強奪して強襲する。

それを全身で受け止め続けた俺は、『俺の精神が幸福すぎて生きるのが楽しい』という、ある意味での極地に到達すると同時、雪ノ下の手持ちの弾が切れた。

端的に言えば、夕食が終わった。

↓4 このあとはどうする?

701: 2013/03/26(火) 17:30:47.57 ID:KndMN8k7O
あーんのお礼として撫でる。

703: 2013/03/26(火) 19:17:28.10 ID:wwn7y4hr0

夕食を食べ終え、俺と雪ノ下はシンクの前に並んで食器を洗っていた。

雪ノ下が食器を洗剤で軽く洗い、俺がそれを食器洗浄機へセットしていく。

最初は俺が洗うと言ったのだが、雪ノ下はそれを頑なに拒否した。 ……なにか裏がありそうな気がしたが、余計な詮索はしないようにした。

そして食器を全て洗浄機にセットし、蓋を閉じてスイッチ・オン。 家事も随分と便利になったもんだなぁ。

ちなみに小町は雪ノ下の手料理をお腹いっぱい食べたら眠くなったのか、ソファで横になってすやすやと寝息をたてている。 ……食った後にすぐ寝たら牛になるぞお前……。


その後、俺達は小町の睡眠を邪魔しないように再びバルコニーへ。

時折吹く湿った潮風が、俺達二人の髪を撫でては去っていく。


比企谷「……雪ノ下」

雪ノ下「なにかしら、比企谷くん」


俺は落下防止の柵の手すりを軽く握りながら、彼女の名前を呼ぶ。

雪ノ下は風に煽られて靡く髪を抑えながら、こちらを向く。


比企谷「えっと、その……だな。お前の料理、……めちゃくちゃ美味かった。今まで俺が食べた料理の中で、一番美味かった」

比企谷「あとお前の……あ、『あーん』も、その、…………さ、最高のスパイスだった……っ!」


照れ隠しに頬をぽりぽりと掻きながら、俺は雪ノ下に感謝の言葉を述べた。

もう少し気の利いた一言でも言えればいいのだが、生憎そんな器量は持ち合わせていない。 


比企谷「(……葉山あたりならすんなりと言えるんだろうな、こういうのは)」


リア充の模範生とも言える奴の事を頭に思い浮かべながら、俺は雪ノ下の返事を待つ。

数瞬待って、雪ノ下は俺へ微笑みながら口を開く。


雪ノ下「……そう、それはよかったわ。私も腕によりをかけて作った甲斐があったというものね」


まるで聖母マリアのような優しく穏和な彼女の微笑みは、俺にはこの新都心の夜景と互角かそれ以上に輝いて見えた。


比企谷「ああ。本当にありがとな、雪ノ下」


俺は再び感謝の言葉を述べて彼女の頭を撫でた。

彼女はまどろみに落ちるようにゆっくりと目を閉じ、その行為を受け入れる。

髪を撫でるたびにふつふつと湧き上がる、彼女を抱きしめたいという衝動を必氏に抑えながら、俺は手を動かすのを止めなかった。



このあとはどうする? 以下より多数決

①帰宅する ②泊まっていく 

先に4票集まった選択肢で話が進みます

706: 2013/03/26(火) 19:24:09.18 ID:Vuc4sidvo

709: 2013/03/26(火) 20:12:31.33 ID:wwn7y4hr0

俺がふとリビングにある時計を見ると、短針は9の文字を少し過ぎた所を指し示していた。 ……そろそろ帰らないとな。


比企谷「……さて、んじゃそろそろこの辺りでお暇させてもらうわ。ほら小町、起きろ」


ソファで寝ている小町を軽く揺する。

すると小町はガバっと身を起こし、目をゴシゴシと擦りながら俺を見ると、


小町「……んん……? ……なにお兄ちゃん、朝……? ……馬鹿言っちゃいけないよ、まだ夜はこれから…………ZZZ」


よくわからないことを呟きながら、再び寝に入ってしまった。……まいったな、こりゃ。

こうなってしまうと、小町はテコでも動こうとしない。

惰眠を貪るのが大好きな比企谷家では、こういったことは日常茶飯事なのだ。

……特に一番酷いのがあのクソ親父。夜にテーブルでビール飲んで酔っ払って爆睡して、その次の日が休日だったこともあってか、丸一日寝てやがったことがある。

……本当にアレは邪魔だったな、蹴り飛ばしても起きねぇ時は戦慄を覚えたわ。


比企谷「(――って、そんな事を考えてる場合じゃなかった。えっと……、)」


どうにかして小町を連れて帰る算段を立てるが、なかなか思うようにうまくいかない。 ……いっそ置いて帰るか?

俺がう~ん……と頭を悩ませていると、それを見かねた雪ノ下がとても魅力的だが、見方によってはとても危険な提案をしてきた。


雪ノ下「……ねぇ比企谷くん。もしあなた達がよければの話だけど、うちに泊まっていけばいいんじゃないのかしら?」

比企谷「いや、雪ノ下。それは……」

比企谷「(それは流石にダメだろ)」


……いや、別に小町と雪ノ下が一緒に泊まる場合なら特に問題はないのだ。

女子はよくお泊り会とかパジャマパーティーをやるし、世間的に何の問題もない。

しかし、俺はアダムとイブで言う所のアダムなのである。

唯一の懸念材料なのは俺の存在、原罪を背負いし呪われたアダム=男である点だ。 ……原罪背負ってんのはイブもだけどな。

俺とは異なる性別で、しかも一人暮らしの雪ノ下の家に泊まるのは倫理的にマズイ。

それに雪ノ下の家の中で、俺の理性が最後まで持つかも怪しい……。

さっきだって雪ノ下を抱きしめたい衝動を抑えんのに必氏だったんだぞ……っ!

710: 2013/03/26(火) 20:26:46.78 ID:wwn7y4hr0

俺が泊まる問題点について考えをまとめていると、雪ノ下はニコッと微笑みながら俺にこう言った。


雪ノ下「大丈夫よ。だって比企谷くんは、刑事罰に問われるような事はしない小悪党でしょう?」

比企谷「おい違うだろ、そこは常識的な判断が出来るって言ってくれよ!」

雪ノ下「……常識的? 一体どの口が言っているのかしら……」

比企谷「非常識な発言が多いお前には言われたくねぇよ……!」


と、そんな軽く投げたら豪速球で帰ってくる言葉のキャッチボールを繰り返していくうちに、時間はどんどん過ぎていく。

結局俺は雪ノ下に押し切られ、俺と小町が雪ノ下家に泊まっていくことが決定した。 

……カマクラ、腹空かして俺達の帰りを待ってんじゃねぇのかなぁ……。


↓3 このあとはどうする?

702: 2013/03/26(火) 17:33:24.84 ID:EC+Tvpyv0
一緒に風呂に入る

718: 2013/03/26(火) 21:35:14.44 ID:wwn7y4hr0

その後、俺は雪ノ下から風呂に入るように勧められた。

最初はそこまでしてもらうのは悪いと断ったのだが、「風呂にも入らずに家の中にいられるのは非常に不快な気分になるからやめて、ほんとやめて」と言われてしまい、……もうなんも言えねぇ……っ。

そういうわけで、今俺は雪ノ下家の脱衣所にいる。

着替えは勿論ない、普段から鞄に下着を備えておく心得など普通持ち合わせてねぇし。

俺は脱いだ制服とシャツを折り畳み、その上にかつて遊戯部の部室で衆目に晒した絶対防衛線を置く。

そうして俺は、身に一糸も纏わぬ生まれた直後の姿で単身浴室へ突撃する。

浴室は、想像していたものより広く、どこか高級感が漂っていた。

一応湯船にお湯は張ってあるのだが、このあと雪ノ下が入る事を考えると湯船には浸かれない。

この状況は反抗期の娘を持つ父と同じである。

反抗期真っ只中の娘は、何かと父親と一緒にいることを嫌う。

洗濯物は別々に洗わないとキレるし、父親が湯船に入るようなら娘は風呂にすら入らない。

娘のすぐ近くを歩くようなら、すぐさま消臭スプレーを吹きかけられるその扱いは害虫となんらかわりない。

中学時代にクラスの女子から遠巻きに8×4を噴射された俺も、害虫扱いされてたのか……。

……はっ、いかんいかん、このままではイカんでしょ! このままではイカんでしょ! ……イカちゃん可愛いよなぁ……。

そんなしょうもない事を考えながら、俺は蛇口を捻ってシャワーからお湯を出し、それを被る。

シャンプーも雪ノ下の物だから使うわけにもいかず、俺はただひたすらお湯で頭を洗う。

全身もお湯でシャカシャカ手もみ洗いしていると、脱衣所の方で何かが開く音がした。 ……雪ノ下だろうか?

しかしこちらは現在素っ裸、振り返るわけにもいかず、俺は無言で身体を洗い続ける。

そうして数分間くらい洗っていただろうか、そろそろ上がるかなーとか考えていた俺のすぐ後ろで何かが開く音がした。

――ガチャッ

比企谷「!?」


そこにいたのは? 以下より多数決

①身体にタオルを一枚巻いただけの雪ノ下 ②なぜか総武高校のジャージ姿の雪ノ下 ③寝ぼけた小町 ④なぜかいる雪ノ下陽乃

先に4票集まった選択肢で話が進みます。

725: 2013/03/26(火) 21:50:09.67 ID:Vuc4sidvo
1

727: 2013/03/26(火) 22:17:21.86 ID:wwn7y4hr0

雪ノ下「…………ひ、比企谷くん、あの……その…………」

比企谷「ゆ、雪ノし――ッ!」


背後からの呼びかけに俺はつい条件反射で振り返ってしまい、そして呼吸を忘れた。

そこに立っていたのは、雪ノ下雪乃だった。

透き通るような白い肌、腰まで伸びていた黒髪はアップに纏められて団子状になっている。

形のいいふくらはぎから腰まで続く脚線美、それより上は純白のタオルで隠されているが、それでもボディラインが僅かに出ている。

タオルの上から僅かに伺える鎖骨は凄く扇情的で、……その、…………色々と理性がヤバイ。


雪ノ下「…………ひ、比企谷くんの、せ、背中を流そうと思って……。……そ、その、……め、迷惑……だったかしら……?」


比企谷「……。アー、ゼンゼンメイワクジャナイゾ、ウン」


もう今の雪ノ下のセリフで思考が完全に崩壊した。

おいもうどうなってもしらんぞ、俺が暴走したら誰か止めてくれよマジで。


八幡はどうする? 以下から多数決

①大人しく背中を流される ②慌てて浴槽に飛び込む ③むしろ自分が背中を流してあげる ④脱衣所へ飛び出す

先に4票集まった選択肢で話が進みます。

730: 2013/03/26(火) 22:24:25.10 ID:EC+Tvpyv0
1

734: 2013/03/26(火) 23:06:57.76 ID:wwn7y4hr0

雪ノ下「……じゃ、じゃあ前を向いてもらえるかしら比企谷くん。…………その、あまり身体をジロジロ見られるのは……、恥ずかしいのよ……っ」

雪ノ下が頬を紅潮させながら自分の身体を隠すような態勢を取る。

しかしそんな彼女に、「半裸で男の前に出てきて今更なにを言ってるんだこいつは」と、どこか冷静になってツッコミを入れるいる自分がいた。


比企谷「ア、アア、ワカッタ」


だが、現実の俺はもう思考を完全に放棄している。

もう流されるしかない、このビッグウェーブに。


俺はバスチェアに座り直し、暫し待つ。

すると俺のすぐ背後に人の気配を感じる、無論この人とは雪ノ下のことである。


比企谷「(……これで仮に、背後に立っているのが雪ノ下ではなく小町だったら、俺親父にバレたときに殺されるんだろうなぁ……)」


そう絶望していると、いくらか思考が回復してくる。

比企谷「(よーしいい調子だ、理性はまだ大丈夫だな。……だがマイソンよ、お前はダメだ。回復っつーか立ち上がるな、無心を貫け無心を…………!)」


心を落ち着かせる為に、俺は頭の中で般若心経を唱え始める。 


比企谷「(……觀自在菩薩行深般若波羅蜜多時…………ヤッべ、こっから先がわかんねぇ……っ!)」


俺が内心慌てふためいていると、雪ノ下が浴槽から掬ったお湯を俺の背中にかける。

そしてそれと同時に、石鹸を泡立てるような音がする。


雪ノ下「……あ、比企谷くんは敏感肌かしら? もしあなたが敏感肌なら、ウォッシュタオルは使わずに手で直接洗うのだけど……」


↓3 雪ノ下からの確認 八幡はどっち? 以下から選択

①敏感肌 ②敏感肌ではない

737: 2013/03/26(火) 23:23:31.32 ID:dpYjfRSMo
1

739: 2013/03/27(水) 00:17:59.59 ID:RYjdyCVK0

比企谷「あ、……えっと、俺は敏感肌だ。あんまり爪は立てないでもらいたい」

雪ノ下「そう、わかったわ」


……あれ、なんか普通に話せたぞ? ……ああ、雪ノ下がつっかえないで喋ったせいか、納得。


雪ノ下「……そ、それじゃあ、洗うわね」

そう言って、雪ノ下は俺の背中に優しく触れた。

小さく、細く、どこか儚げな印象を受ける彼女の手が俺の背後で忙しなく動く。

縦に横に、上に下に、右に左に、斜めに、時には楕円を描きながら、雪ノ下は手を動かすのを止めない。


雪ノ下「比企谷くん、どこか痒いところはあるかしら?」

比企谷「いや……、特にないな」

雪ノ下「……そう、痒いところがあったら遠慮無く言ってね」

比企谷「ああ」


それから五分間ほど、雪ノ下は俺の背中を洗い続けた。

最後に雪ノ下が俺の背中に再びお湯をかけて泡を流し、ようやく拷問にも似た俺の内から湧き上がる欲望との氏闘が終わる。


比企谷「(……お、終わった。……なんとか勝ったが、最後の一分間はヤバかった……ッ)」


ちなみに最後の一分間は筆舌に尽くしがたい、というか俺の言葉では到底表現しきれない。

キーワードを出すと、『乱れる息遣い』『布越しに伝わる何か』『雪ノ下の温もり』。……最後が一番変態チックだが、雪ノ下の手のことだからな?


741: 2013/03/27(水) 00:32:38.81 ID:RYjdyCVK0

比企谷「……っ、」


ズキンっと、頭に鈍い痛みが走る。 興奮して頭に血が登り過ぎたせいか。こりゃ早く上がらんとぶっ倒れるかもしれんな……。

俺は雪ノ下に礼を言って風呂からあがる。 

当然その上がる瞬間、雪ノ下には目を瞑ってもらった。

なにせ俺はタオルを持っていないからな、終始内股してんのは大変だったぜ……っ。

扉を開けて俺は浴室から出て行く。

雪ノ下が準備してくれたのか、俺の制服のそばには一枚のバスタオルと、……………雪ノ下の着替えが置いてあった。


比企谷「――ッ!」


俺は慌てて目を逸らす。……逸らして再びちらっと見る。

それは凄く見覚えのある薄いライムグリーンの下着だった。

……というか、俺が二人の着替えを覗いてしまった際に雪ノ下が穿いていた下着だった。


比企谷「(……不用心すぎんだろ雪ノ下……)」


俺は額に手を当て頭を悩ませる。 

ちなみに俺はいまだに全裸なので、はたから見たら考える人に見える――って、あの像が手を当ててんの顎だったな……。

とりあえず俺は間違いを起こさないようにすばやく着替えて脱衣所を出る。

こんな所にいられるか、俺は出て行くからなッ! おいそれ氏亡フラグ。


俺が脱衣所から出ると、突然室内に上等な楽器じみた音が鳴り響いた。 ……なんだっけこの音? ――ああ、呼び鈴だ。


比企谷「…………………呼び鈴、だと……?」


突如鳴り響く呼び鈴、その正体は? 以下より多数決

①来客(選択された場合再安価) ②機械の接触不良による誤作動

先に3票集まった選択肢で進みます。

743: 2013/03/27(水) 00:35:36.88 ID:HQ/ljEHHo
1

746: 2013/03/27(水) 00:40:18.36 ID:RYjdyCVK0

↓4 来客は誰? 

750: 2013/03/27(水) 00:57:11.50 ID:rD1o+jOq0
あねのん

751: 2013/03/27(水) 01:13:01.67 ID:RYjdyCVK0

鳴り響いた呼び鈴は、現在も継続している。どうやら連続プッシュしているようだ……うぜぇ。

……しかし、ここはどうすればいいのだろう。

家主である雪ノ下は入浴中、そして俺はただのお客さんだ。勝手に来客の対応にあたってはいけない。

ひとまず俺はインターフォンを見に行くことにした。

インターフォンが備え付けられたリビングへ戻り、受話器の隣にある画面を見て俺は驚愕する。

……いや、驚愕するのはおかしいな。

だってこの人は、雪ノ下の姉なのだから。彼女がこの家を訪れてきてもなんらおかしくはない。


陽乃『雪乃ちゃーん、お姉ちゃんが遊びにきたよー♪』


画面の中で両手を大きく振るのは、雪ノ下の姉である雪ノ下陽乃。

雪ノ下以上の完璧超人が、強襲する。

752: 2013/03/27(水) 01:21:07.94 ID:RYjdyCVK0
気がつけば残り四分の一のレスでこのスレが埋まるのか……。
こんなに早くスレが埋まるのはSS書いてて初めてです。

とりあえず区切りがついたというか、これがアニメなら次回予告とか流れだしそうな感じがするんで、いちおう皆さんに聞いておきますね。


以下より多数決 先に4票集まった選択肢で主人公を決めます。

①八幡で続き ②海老名さんでニューゲーム


755: 2013/03/27(水) 01:35:18.12 ID:Feug0V5h0
1

757: 2013/03/27(水) 01:45:10.00 ID:RYjdyCVK0

……どうする? 先程も言った通り家主の雪ノ下は入浴中で、俺はただのお客さんだ。

陽乃さんとペアを組んだら相性ピッタリの小町は熟睡。

動けるのは、俺しかいない。

↓3 八幡はどうする? 以下より選択

①インターフォンに出る ②無視を貫く(のちに判定安価あり)

760: 2013/03/27(水) 02:04:18.29 ID:rD1o+jOq0

761: 2013/03/27(水) 02:10:11.58 ID:RYjdyCVK0

陽乃『あれー、おっかしいなぁ。雪乃ちゃんの部屋の電気、外から見たらついてたからいるハズなんだけどなぁ』

陽乃『あ、そういえば合鍵があったっけ』


そう言って陽乃さんはバックから鍵を取り出し、鍵穴に差し込む。

直下判定 扉は……

コンマ以下が奇数の場合は扉が開く コンマ以下が偶数の場合は開かない(雪ノ下が鍵穴を変えていた)

768: 2013/03/27(水) 15:29:30.47 ID:RYjdyCVK0

皆さんのコメントが自分の執筆する力の源になってます、本当にありがとうございます。



玄関の方からがちゃがちゃと鍵を開くような硬質な音がする。

そしてその数秒後、扉が開く音と共に明るい声音が聞こえてきた。


陽乃「雪乃ちゃーん、勝手にお邪魔しちゃったけど勘弁してねー……って、あれ?」

陽乃「……見知らない靴が二足……。……一足は女の子で、もう一足は隼人の靴――じゃない、これは――」


すると玄関の方から、なにやら慌ただしくどたどたと床を蹴る音が連続する。


陽乃「もー、雪乃ちゃんも隅に置けないなぁ。やっはろー比企谷くん」

比企谷「……どうも」


そう言いながらリビングへ姿を表したのは陽乃さんだ。

雪ノ下とよく似た容姿をしながらも、その性格は彼女とは正反対と言ってもいい。

雪ノ下は冷静沈着、陽乃さんは温厚篤実……であるのは彼女の年季の入った仮面の効果なのだが、大半の人はそう彼女らを捉えるだろうから、それでも別に問題はない。


陽乃「比企谷くんノリ悪い~」

比企谷「や、すんません。俺そういうノリちょっとよくわかんないんで……」


陽乃さんは屈託のない笑顔を顔に貼り付けて俺に話しかけてくるが、俺は低姿勢で話しかけるなオーラを放出する。

この人のペースに飲まれたら、いくら孤独な道を歩み続けた百戦錬磨のぼっちである俺でも容易く主導権を握られる。

それだけは、絶対に避けたい。


陽乃「ねぇねぇ、ところでなんで比企谷くんが雪乃ちゃんの家にいるのかな? 良い子はもう家に帰ってる時間だと思うけど?」

比企谷「そうですね、でもこの時間帯で良い子でもまだ家に帰らない子もいると思いますけどね」

陽乃「ふぅん、例えば?」

比企谷「そうですね、例えば学習塾に通ってる中学生とか高校生なんかは、普通にこの時間帯まで塾で勉強してますよ?」

陽乃「あははっ、なるほどね。やっぱりきみは考え方が捻くれてるなぁ」

比企谷「……褒め言葉として受け取っておきます」


↓3 八幡はどうする? (別の人物の行動でも可)

769: 2013/03/27(水) 15:34:26.84 ID:TvoHrrcpO
なんやかんやではるのんに抱きつかれたところをゆきのんに見られて嫉妬される。

770: 2013/03/27(水) 16:03:03.32 ID:rD1o+jOq0
八幡とゆきのん2人がかりであねのんを追い出す

773: 2013/03/27(水) 17:01:48.59 ID:RYjdyCVK0

陽乃「別に褒めたつもりはないんだけどなぁ……。まあいっか」

陽乃「……と こ ろ で、」


陽乃さんは言葉を一度区切って俺に近づいてくる。

俺は思わず後ろへと後退するが、すぐ後ろには小町が寝ているソファがあってこれ以上下がる事ができない。

彼女は俺と触れ合う距離まで接近し、右手を伸ばす。


比企谷「(だからこの人はいちいち距離が近いんだってば……!)」


そんな事を胸中で訴えても、勿論陽乃さんに届くはずがない。 ……いや、笑ったぞ? なにこの人エスパー?

動揺している俺を見て面白がっているのか、口角を吊り上げながら陽乃さんの伸ばした右手は、俺の髪を優しく撫でる。


陽乃「なんで比企谷くんの髪はそんなに濡れてるのか、わたし気になるなぁ」

比企谷「……っ」


……言えない、雪ノ下と風呂に入って背中まで流されたなんて絶対に言えない、言ったらおそらく多方面から殺される。


陽乃「ねぇ、なんで髪が濡れてるの?」

比企谷「黙秘権を行使します」

陽乃「えー、なんでよ教えてくれてもいいじゃない」

比企谷「それをあなたに教えて俺にメリットがあるのなら話してもいいです」

陽乃「じゃあ抱きついちゃおっと♪」

比企谷「ッ!?」


そう楽しそうな声音で宣言するやいなや、陽乃さんは俺に抱きついてきた。

774: 2013/03/27(水) 17:32:38.34 ID:RYjdyCVK0

陽乃さんの顎は俺の肩に、両手は俺を逃がさないように背後からがっちりホールド。

彼女の数ある魅力の一つ――いや正確に言うなら二つの半球状のアレが、俺の肋骨辺りに押し付けられる。 ……ああ、これアカンやつや。

突然抱きつかれたことにより宙を彷徨っていた俺の両腕が、陽乃さんの背中へ回ろうとする。


比企谷「(ぐ、……ぐぬぬぬ……!)」


……が、それをなんとか必氏に自制する。 

もうやめて、八幡のライフ(精神力)はもうゼロなのよ!? たぶんこれ以上はもうもたない。

だがそんなことはお構いなしに、傍若無人な陽乃さんは手を休めることなく俺にとどめを刺しにくる。



陽乃「…………もし教えてくれるなら、これよりもっとスゴイことしてあげるのになぁ」



耳元でそう囁く陽乃さんの甘い誘惑に、俺の脳は正常を保てなくなる。

『ああもういいや、手を出してしまえば楽になれる、こんなに必氏に我慢する理由なんてないじゃないか』

そういう悪魔の囁きが俺の脳内で木霊し、俺は本能の赴くまま手を陽乃さんの背後に回そうとした所で、声を聴いた。



雪ノ下「…………姉さん、比企谷くんから離れて」


身も凍りそうなほど冷たい一声が俺の耳に届く。

声の発生源である廊下の方へ目を向けると、そこにはラフな姿の雪ノ下が立っていた。

慌てて飛び出したのだろうか、彼女の髪はまだ乾ききっておらず、床に水滴が滴り落ちている。


陽乃「……残念っ、あともう少しだったのになぁ」


そう言うと、陽乃さんはあっさりと俺から離れる。 ……た、助かったぁ……っ!

775: 2013/03/27(水) 19:01:30.47 ID:RYjdyCVK0

雪ノ下「姉さん、これはどういうことか説明してもらえるかしら?」


雪ノ下が陽乃さんへ向ける眼差しは冷たい。

絶対零度の凍てつく眼光が陽乃さんを捉えるが、彼女はそれを全く意に介さずにこう告げる。


陽乃「どういうこともなにも、わたしはただ比企谷くんとスキンシップをとっていただけだよ?」

雪ノ下「…………スキンシップ、ね」

陽乃「そうそう、スキンシップ♪ 雪乃ちゃんにもやってあげよっか?」

雪ノ下「虫酸が走るからやめて。姉さんに抱きつかれるくらいなら、まだそこでぬぼーっと立っている男に抱きつかれた方がマシよ」

陽乃「わ~、雪乃ちゃんってばダイタン~!」

雪ノ下「っ! ち、違……っ! ……わ、私はそういう意味で言ったのではなく例えばの話よ。そ、そう、姉さんと比企谷くんのうちどちらかに抱きつかなければいけない状況に陥った時、私は渋々嫌々やむを得ずやむなく不本意ながら不満ながら必要悪として彼を選ぶのよ」

陽乃「わぁ、照れてる照れてる。やっぱり可愛いなぁ雪乃ちゃん」

雪ノ下「……お願いだから帰って姉さん。ほんと、お願い」

陽乃「えー、どうしよっかなぁ」

陽乃「ねぇ、比企谷くんはどうしてほしい?」


……そこで俺に振るのかよ。


比企谷「俺はただの客なので、この家の家主の意向に従うだけです」

陽乃「へー、従順なのね比企谷くん。下僕の才能あるんじゃない?」

比企谷「褒めてない、褒めてないです陽乃さん」

陽乃「うん知ってる。貶してみたの♪」


……ほんと帰ってくんねぇかなぁ、この人。


↓3 どうやって陽乃を追い返す?

778: 2013/03/27(水) 19:10:25.03 ID:TvoHrrcpO
(演技として)ゆきのんと胸焼けするどころか砂糖を吐くくらい甘くいちゃいちゃして、はるのんが帰りたくなるようにする。

782: 2013/03/27(水) 20:19:03.02 ID:RYjdyCVK0

陽乃「あ、そうだ雪乃ちゃん。ちょっとお風呂借りてもいいかな? いいよね。うん、そうする」

陽乃「ちょ、ちょっと姉さん勝手に……!」


陽乃さんは雪ノ下の呼び止めを無視して脱衣所へと向かう。

慌ててその背中を雪ノ下が追うが、バタンと扉が閉まる音と同時にガチャッと鍵が閉まる音が聞こえた。

どうやら風呂場に籠城されてしまったようだ。


雪ノ下「……まったく姉さんは……っ」


とぼとぼとリビングに戻ってきた雪ノ下は、額に手を当てて力なく首を左右に振る。

呆れてものが言えないのか、彼女は大きな溜め息をつく。


比企谷「……お前も大変だな、あんな姉をもつと」

雪ノ下「ええ、まったくよ」

比企谷「なんか居心地悪いし早く帰ってくんねぇかなぁ。……いや、俺が家に帰ればいい話なんだけどよ」


時計を見ると、すでに午後の10時を過ぎている。

千葉県の条例で、未成年は午後11時以降の外出が禁止されている。 ……今ならギリギリ家に帰れる時間だが……。


雪ノ下「待って比企谷くん、私をあの姉と同じ空間に置き去りにしないで」


俺が帰宅願望を出すと、雪ノ下が俺の上着の袖の部分を掴んで懇願する。 

……お前は本当にさらっと酷いこと言うよな、それ俺が言われたら泣く自信があるぞ。

思い返せば3年前、放課後の教室で俺が帰りの準備を……いや、よそう、今はトラウマ掘り返している場合じゃねぇ。


比企谷「……とは言ってもなぁ。陽乃さんを追い返す手段がないのが現状、これをどうすればいいのかなんて俺にはわからねぇぞ?」

雪ノ下「そう……なのよね。姉さんがここまで強引に私の家に入ってくるのは今までなかったから、私も対処法がわからないのよ」

比企谷「ん? 『強引に入ってくることはなかった』ってことは、これまでに陽乃さんは何回かこの家にやってきてるのか?」

雪ノ下「ええ、そうね。……たしか今年の6月中旬に1回、9月上旬に2回の通算3回だったわ。……はやく家の鍵穴を替えなければ……」

顎に手をあてぶつぶつと呟く雪ノ下。 

……とりあえずお前、髪ちゃんとふこうぜ。床に滴り落ちてるから、ぽたぽた垂れてるから、ぽたぽた焼って美味しいよな!


787: 2013/03/27(水) 21:09:35.87 ID:RYjdyCVK0
気分転換にご飯を食べてました。 でもまったく思い浮かばない……。

>>786さん とりあえずラフな格好とだけ言っておきます。 あとはご想像にお任せします。

だが頑張る、諦めないぞ!

788: 2013/03/27(水) 21:45:28.24 ID:RYjdyCVK0

比企谷「……なぁ雪ノ下」

雪ノ下「なにかしら」

比企谷「お前、髪拭かなくていいのか?」

雪ノ下「髪? …………あ」


俺に指摘されて雪ノ下は自分の髪に触れると、ようやく自身の髪が濡れたままだという事実に気がつく。 ……え、お前気がついてなかったの?


雪ノ下「……た、タオルを持ってこなければ……っ」


雪ノ下は俯きながら小走りでリビングを出て行く。

そして待つこと数十秒、頭にタオルを被せた雪ノ下が戻ってくる。


雪ノ下「……ね、ねぇ比企谷くん」

比企谷「ん? どうした雪ノ下」

雪ノ下「……その、……わ、私の髪を拭いてもらえないかしら? いつもは脱衣所に置いてあるドライヤーを使っているのだけれど、今は脱衣所が……」

比企谷「ああ、陽乃さんに籠城されてるから取りに行けないのか」


もういっそのことあそこに陽乃さんを閉じ込めておけば万事解決なのではないだろうか。 

陽乃さんが空腹になるまで閉じ込めて、飢えて弱った所で家から追い出す……なんて素晴らしい妙案なんだ! 

……でもあとが怖いし、なにより時間がかかるからやっぱこの計画はなしの方向で。


雪ノ下「…………お願いできるかしら?」

比企谷「りょーかい、じゃあ」


↓3 どこで髪を拭く? 以下より選択

①近くのソファ ②八幡の膝の上 

791: 2013/03/27(水) 21:53:47.19 ID:Wmm2kYjdo

793: 2013/03/27(水) 23:00:12.38 ID:RYjdyCVK0

比企谷「俺の膝の上に座ってくれるか? 小町が小さい頃はよくそうやって髪を拭いてやってたからさ」

雪ノ下「え、ええ。……わかったわ」


俺は近くの椅子に座り、その膝の上に雪ノ下を座らせる。 

目の前に広がるのは、彼女の長く艷やかな黒髪。

膝の上には雪ノ下の重みとぬくもりを感じる。 

名前は『雪』乃だが、その名前とは裏腹に彼女の体温は高い。 

冬場とか暖かそうだな、『ゆきのん』って名前のホッカイロ開発はよ。そして『はるのん』とセット販売希望。


そんなどうでもいいことを考えながら、俺は雪ノ下の頭の上に乗ったタオルを両手で掴む。


比企谷「じゃあ拭いてくぞー」

雪ノ下「……、」


雪ノ下が無言で頷き、彼女のヘアケアが始まる。

まずタオルを優しく頭皮に押して余計な水分を拭き取る。 

これをしないと髪の毛が傷つきやすくなるので、髪全体を一分間くらいかけて念入りに拭いていく。

それが終わったら今度は髪をタオルで挟んで、上から下へ一定の流れでポンポンと押さえながら水分を奪う。

そしてあとはこのポンポンを何度か繰り返す。 ……ポンポンポンポンポポポーン♪ 


雪ノ下「……比企谷くん? 今ここであなたの鳩尾へ肘打ちを喰らわせてもいいのよ?」

比企谷「す、スミマセンでした!」


あかん、調子に乗ってやってたら振り返りざまに睨まれた。 ……おっかねぇ……っ。

799: 2013/03/28(木) 22:13:40.98 ID:/8lCMt9L0

その後も数分ほど雪ノ下の髪を拭いていると、すぐそばのソファで寝ていた小町が起き上がる。


小町「……お兄ちゃん、トイレどこ~……?」

比企谷「なんで雪ノ下の家なのに雪ノ下に聞かねぇんだよ……。トイレならこのリビングを出た左奥の扉だよ」

小町「……ん~、わかった~……」


片目をゴシゴシ擦りながら小町はリビングから出て行く。 ……寝ぼけ眼で玄関まで行って扉に頭ぶつけなきゃいいけど……。


雪ノ下「……比企谷くん、そろそろ」


ふらふらと歩いていった小町の心配をしていると、膝の上に座っている雪ノ下が前を向いたまま俺に話しかけてくる。

……うん、もう髪を拭くのは充分だな。


比企谷「ああ、あとはタオルで髪を纏めておいて、脱衣所が開放されたらドライヤーで乾かせば大丈夫だぞ」

雪ノ下「それは知ってるわよ、私が毎日やっていることだもの。……そうではなくて」

比企谷「?」

雪ノ下「……私が実家にいた頃の話だけれど、姉さんはお風呂から上がるのが早いのよ。大体20分位で上がっていたわ」

雪ノ下「だから、そろそろ対策を練らないと時間がな」


雪ノ下が言葉の続きを語ろうとしたその直後だった。


陽乃「雪乃ちゃーん、わたしの身体を拭くタオルは――ってあれ? 小町ちゃん?」

小町「……むぅ? ……その声は……陽乃さん? …………いや、お義姉ちゃん?」


小悪魔と悪魔の邂逅である。


比企谷「雪ノ下、俺急用思い出した」

雪ノ下「ダメよ比企谷くん、逃がさないわ」

比企谷「ど、どけ雪ノ下! 俺には帰りを待っているカマクラというペットが!」

雪ノ下「いいえ、絶対にどかないわ。一緒に地獄に堕ちましょう比企谷くん」

比企谷「重い! お前は軽いけど発言が重いぞ雪ノ下ッ!」


↓3 八幡はどうする?

800: 2013/03/28(木) 22:15:59.46 ID:hHjiheUgO
ゆきのんを抱っこ(できればお姫様)して、悪魔達から逃げ出し、八幡の家まで行く。

803: 2013/03/28(木) 23:27:04.61 ID:/8lCMt9L0

雪ノ下「そんなに逃げたいのなら、私を抱きかかえて逃げればいいじゃない。……まぁ、ひきこもりのあなたには無理でしょうけど」

比企谷「……っ。雪ノ下、…………その発言したこと、後悔すんなよ」

雪ノ下「え……? なにかしら比企谷く――ひゃぅっ!?」


俺は両腕に力を込めて雪ノ下を抱きかかえながら、両足へ全体重を踏み込み立ち上がる。

俗にいうお姫様だっこをして立つ俺は、さながら一国の姫を救出しに現れた王子様である。……自分で言うのもなんだが、こんな目の腐った王子様いねぇよ。


雪ノ下「え、ちょ、ちょっと比企谷くん!? ……ま、待って、さっきのは――!」

比企谷「喋るな雪ノ下。今から玄関へ向けて走るから、喋ってると舌噛むぞ」

雪ノ下「……っ」


俺は雪ノ下を抱きかかえて玄関へと走る。

だがその途中には、小町と脱衣所から顔だけ覗かせた陽乃さんがいる。


小町「お兄ちゃん、ストップ! こっから先は小町が通さないよ!」

陽乃「あれ~? 比企谷くんって見かけによらず力持ち? それとも雪乃ちゃんが軽いだけ?」


両手両足を大の字に広げて立ち塞がる小町。その目は真剣そのものだが、口元がニヤニヤと歪んでいる。

一方陽乃さんは脱衣所から顔を出した状態。……顔だけしか出てないのってもしかして……っ。


雪ノ下「比企谷くん」

比企谷「痛っ!」


考えた事が雪ノ下にバレたのか、俺は彼女に首筋を噛まれる。……手が放せないからってそれはないだろ……っ!


↓3 八幡はどうする?

805: 2013/03/28(木) 23:37:43.77 ID:r6XR3TIL0
雪ノ下を降ろして小町をおさえて
「ここは俺に任せて先に行け!」

807: 2013/03/29(金) 00:03:49.60 ID:KsAxGjXR0

比企谷「……くっ、仕方ねぇ。雪ノ下、降ろすぞ」


俺は雪ノ下を床に降ろし、小町と相対する。


小町「さ~てお兄ちゃん? 小町が寝ている間にあったことをすべて洗いざらい吐いてもらうから覚悟してよね~♪」


小町がこちらへジリジリと歩み寄ってくる。

……しかし妹の扱いに慣れた俺から見れば小町は脅威とは程遠い存在なので、俺は余裕綽々な笑みを浮かべてこう答える。


比企谷「…………ハッ、だが断る!」

小町「っ!?」


俺は小町に飛びかかり動きを封じる。

そして俺は、男なら一度は言ってみたいセリフ第一位を口にする。


比企谷「雪ノ下、ここは俺に任せて先に行け!」

雪ノ下「どこに行けと言うのよ……」


雪ノ下に困惑顔で正論を返された。 ……もう少し夢見させてくれたっていいだろ……。

↓3 八幡はどうする?

811: 2013/03/29(金) 01:01:53.73 ID:KsAxGjXR0

比企谷「あー、そうだな。ちょっと家の外に出ててくんねぇか」

雪ノ下「……なぜかしら?」

比企谷「お前には聞かせられない話だから」

雪ノ下「――っ。……わ、わかったわ」


雪ノ下を家から一旦追い出し、俺は小町から離れる。


小町「およ? なにやらいつになく真剣な表情してるねお兄ちゃん」

比企谷「ああ、ここはちょっと俺も誠意を見せなきゃいけないところだからな」

陽乃「……驚いた、比企谷くんでもそんな誠実な目が出来るんだね」

比企谷「そりゃ、常時腐った目をしてるわけじゃないんで。俺が好きな漫画を読んでる時なんか、純真な子供のようなキラキラした目で読んでますから」

陽乃「へぇ、それも意外だなぁ」

小町「でも陽乃さん、兄がプリキュア見たあとは涙目なんで騙されたらダメですよ?」

陽乃「うん、それは想定内かな。それにその話はこの間小町ちゃんから聞いたしね」

小町「おっと、そういえばそうでしたね。小町ってばうっかり屋さんだなぁもう。てへっ☆」

比企谷「……もう土下座でもなんでもするんで帰って下さいお願いします……!」


ちくしょう、人のトラウマ穿り返してそんなに楽しいか!? あの打ち上げでのみんなのドン引きは一生忘れない……ッ!


陽乃「…………なんでも? ……ふぅん、なんでもかぁ」


陽乃さんが嗜虐的な微笑みを浮かべる。……しまった、致命的な発言ミスだぞこれ……!


陽乃が八幡に要求するのは? 以下から多数決

①わたしのことを『陽乃』と呼び捨てにすること ②雪ノ下のことを名前で呼ぶこと ③その他(選択された場合再安価で内容決め)

先に3票集まった選択肢で進みます。

814: 2013/03/29(金) 01:11:28.68 ID:2xHHrJrM0

815: 2013/03/29(金) 01:33:39.38 ID:KsAxGjXR0

陽乃「じゃあさ、比企谷くんは雪乃ちゃんのことを『雪ノ下』っていう他人行儀な呼び方じゃなくて、ちゃんと『雪乃』っていう名前で呼んであげてね♪」

比企谷「…………へ?」

比企谷「……そ、それだけでいいんですか?」

陽乃「ん? ……なになに比企谷くん、もしかしてわたしがもっと酷い命令するかと思ってたの?」

比企谷「……っ、ええ、まぁ」


俺は一瞬嘘をつこうと考えたが、この人の前では意味がないことを悟り正直に話す。

それが不満に思ったのか、陽乃さんは頬を膨らませて抗議の声をあげる。


陽乃「比企谷くんひど~い! わたしが雪乃ちゃんのお気に入りである比企谷くんに手を出すわけがないでしょ?」

比企谷「……そう言う割には、俺あなたから結構精神的にキツイの何回か喰らってるんですけど?」

陽乃「それは精神だからノーカンノーカン♪」

陽乃「それにわたし、比企谷くんの肉体には手を出すつもりはないから安心していいよ」

比企谷「……つまりそれは、これからも精神への攻撃は続くと言いたいんですね、わかります」

陽乃「うん、そうだね♪」


そう言って、これでもかというくらい底抜けな明るい笑顔を俺に向ける陽乃さん。 

……これが仮面じゃなきゃ可愛いんだけどなぁ。


その後、風呂に入ってさっぱりしたのか、陽乃さんは驚くほどすんなりと帰って行った。 ……俺達の気苦労は一体……。


↓3 このあとはそうする?

817: 2013/03/29(金) 01:37:58.02 ID:0J6RWKNsO
ゆきのんとテレビを見る。誘う時にゆきのんの名前を読んで、ゆきのんが照れる。

822: 2013/03/30(土) 04:20:55.08 ID:zDRREC1t0
すみません、昼寝のつもりだったのが熟睡してしまいこんな時間に……。 とりあえず再開します。



小町「それじゃあお兄ちゃんは早く雪乃さんを呼んできてよ。――あ、ちゃんと名前で呼ばないと陽乃さんに報告しちゃうからね~」

比企谷「……、へいへい」


陽乃さんの命令で、俺は雪ノ下の事を苗字ではなく名前で呼ばなければいけなくなってしまった。

そして小町がそれをちゃんと俺が実行しているかを確認する監視員。 ……ちゃんと実行していないとさらに陽乃さんから命令が下されるそうだ、……くっ。

俺は頭をガシガシと掻きながら玄関へと向かう。

そして扉を開けて雪ノ下――……雪乃を出迎える。


比企谷「……お、おー、待たせたな。陽乃さんならついさっき帰ったぞ」

雪ノ下「……ええ、なぜか喜色満面の笑みを浮かべながら帰っていったわ。…………比企谷くん、あなた姉さんに何かしたの?」

比企谷「いや、……別になにも」

雪ノ下「……、ちゃんとこちらを向いて話して」

比企谷「や、ホントになにもなかったんだって」

雪ノ下「……、」


雪ノ下のジトッとした目がこちらに向けられる。……くっ、えっと、ここは――


比企谷「そ、そんなことよりテレビ見ようぜ雪乃! もうすぐ『白黒アンジャッシュ』やるからさ、な?」

雪ノ下「っ!? ……い、今…………な、ななな名前……っ」

比企谷「きょ、今日は『ディスティニーランド』特集なんだってよ! パンダのパンさ――んぐっ!?」


パンさんの名前を口にした直後、雪乃は物凄い勢いで家に戻ると、俺の手を引っ張ってずんずんリビングへと進んでいく。


雪ノ下「……は、早くそれを言いなさい比企谷くん」

比企谷「す、すまん……」

雪ノ下「……、」

比企谷「……雪乃?」

雪ノ下「っ!」


俺が名前で呼ぶと雪乃の歩く速度はさらに速くなる。

俺は手を引かれた状態なので雪乃の表情はよく分からないが、耳が真っ赤に染まっているのを見ると大体想像はつく。


……くそっ、こんなに照れると俺までなんか恥ずかしくなってくるじゃねぇか。


そのあとソファで三人並びながら『白黒アンジャッシュ』を見た。

パンダのパンさんの出番は30秒にも満たない短い時間だったが、雪ノ下はそれだけでも充分満足したようだった。


↓3 このあとはどうする?

825: 2013/03/30(土) 05:49:10.21 ID:XeQ8QIR7P
ことあるごとに名前で呼んでみる

826: 2013/03/30(土) 06:12:31.83 ID:zDRREC1t0

比企谷「……さーて、このあとはどうする雪乃?」

雪ノ下「っ! ……、」

比企谷「……雪乃?」

雪ノ下「……っ、……な、なにかしら比企谷くん」

小町「(うわー、お兄ちゃん意外とエグい攻め方するなー)」


小町が俺を冷めた目で見てくるが、おそらく「お兄ちゃんエグい攻め方するなー」とか考えてんだろうなぁ。

……まあだからどうした? という話なんだが。 

俺はただこう何度も意識して『雪乃』って呼ばないと、無意識の内に『雪ノ下』って呼びそうで怖いから言ってるだけであって他意はない。 ……断じて陽乃さんの命令が怖いからではない……ッ!


比企谷「いや、だからこのあとはどうするんだ雪乃?」

雪ノ下「……そ、そうね。とりあえず、その…………名前で呼ぶのは…………やめてほしいのだけれど」

比企谷「声が小さすぎて聞き取れねぇ。もう一度言ってくれ、雪乃」

雪ノ下「……っ、な、……名前で呼ぶのは……や、やめて、ほしいのだけれど……」


そう言って顔を俯かせる雪ノ下。 正面の顔はよく見えないが、頬と耳が紅く染まっているのは確認出来る。

……なんか俺がイジメてるみたいじゃねぇかオイ。


比企谷「……なんで? だってお前は雪乃だろ? 別にお前を名前で呼んだっておかしくないだろ。なぁ小町?」

小町「えー、そこで小町に話を振るのは小町的にポイント低いっていうか……。小町は無視して二人だけの世界に浸ってもらいたいっていうか……」

小町「まぁとりあえず、小町はおかしくないと思いますよ雪乃さん♪ なんなら雪乃さんも、兄を名前で呼んでみるのはどうですか?」

雪ノ下「っ! そ、それは…………」


↓3 雪ノ下はどうする?

828: 2013/03/30(土) 08:02:48.01 ID:4E2JskegO
は、はち、はちまんっ、みたいにすっごくてれてるけど何とか呼ぶ

830: 2013/03/30(土) 13:05:26.54 ID:zDRREC1t0

雪ノ下「……や、やってみるわ」

小町「おお、さすが雪乃さん♪ お兄ちゃんはちょっかい出さないでよね!」

比企谷「はいはい、出さねぇよ」


小町は俺がこの場から移動しないように膝の上に座る。 ……おい小町、お前軽すぎ。もっと肉食え肉、脂肪分足りてねぇよいろんな意味で。


小町「それじゃあ雪乃さん、どうぞ!」


小町のフリに雪ノ下は無言の頷きで返す。


小町「……、」

比企谷「……、」

雪ノ下「……、」


そして訪れる暫しの沈黙。

リビングの壁に掛けられた時計の秒針が動く音だけが、この静寂から逃げ出していた。


そして今更ながら、俺もこの空間から逃げたくなってきた。


……おい、よくよく考えてみたら俺女子から名前で呼ばれたこと一度もねぇよ。

学校では苗字だったり『ヒッキー』とか『ヒキタニくん』とか『一年の比企谷さんのお兄さん』とか『そこの』とか、…………ああ、思い出したくないあだ名まで思い出しちまったじゃねぇかッ!

過去のトラウマを振り払おうと頭を抱えたくなったが、この静謐を崩す勇気は俺にはなく、ただじっと身構えて雪ノ下の……じゃなかった、雪乃の動きを待つ。



831: 2013/03/30(土) 13:35:37.12 ID:zDRREC1t0
さらに数秒待って、雪乃が突然意を決したようにソファから立ち上がって俺を見下ろす。

よほど俺の名前を出すのが恥ずかしいのか、雪乃の顔は真っ赤だ。

口を酸欠の魚のようにパクパクと何度か開閉して、ようやく雪乃は声を発する。



雪ノ下「……は、……は、は、はち、…………はち、はちまんっ!」



そう言い放つと、雪乃は糸の切れた操り人形のようにパタリと床へ倒れる。 ……そんなになるまで無茶すんじゃねぇよ。


小町「お疲れ様です雪乃さん! さぁさぁお兄ちゃん感想は!?」


膝の上に座った小町は、右手を握り拳にして俺に突き出し催促する。 感想って言われてもなぁ……。


比企谷「……まぁ、その、なんだ。…………すげぇ恥ずかしいから、名前で呼ぶのはコレっきりにしてもらえると助かる」

小町「ちょ、ちょっとお兄ちゃん! そこは『もう一回呼んでくれ、雪乃』とかなんとか言わなきゃダメでしょ!」

比企谷「……ふっ、残念だったな。そもそも俺を『八幡』と呼んでいいのは家族か戸塚、……非情に遺憾ながら材木座だけなんだよ!」

小町「そっか、じゃあお兄ちゃんと雪乃さんが結婚すれば問題ないね♪」

比企谷・雪ノ下「「ッ!?」」


小町の爆弾発言に、俺と雪乃は揃って盛大に咽せる。 ……小町お前気が早すぎるわ! つーかまだ付き合ってすらねぇからな俺と雪乃は!?

……あーんされたり風呂一緒に入ったり髪拭いたり、今日だけで散々バカップルみてぇな真似をしてきたが、まだ付き合ってない! もう一度言うぞ、付き合ってない!! 大事なことなので二回言いました、まる。



そのあとは三人で他愛ない雑談を繰り返している内に、気がつけば日付が変わっていた。

そろそろ寝ないと明日……じゃねぇ今日か、今日の学校生活に支障をきたす恐れがあるので、俺達は早めに寝ることにした。

俺はソファで、小町は雪乃の部屋で一緒に寝るそうだ。 ……小町の寝相ってどうだったかな、あんまりよくなかった気がするが……。

そんな事を考えながら俺はソファで横になってると、雪乃がタオルケットを持ってきてくれた。

どうやらこれを掛け布団に使えということらしい。

タオルケットを俺に渡すと、雪乃はリビングから出て行くその去り際、こちら側へ半身を向けて俺に告げた。


雪ノ下「それじゃあ比企谷くん、おやすみなさい」

比企谷「ああ、おやすみ雪乃」


俺が名前を呼んでそう返すと、雪乃は早歩きになってリビングから出て行った。


比企谷「……さてと、俺も寝るかな」


そう一人で呟いて、俺は両目を閉じて眠りについた。 あしたはもっといい日になるよね、カマクラ! ……フンッ ……鼻で笑われた……。


835: 2013/03/30(土) 14:13:45.22 ID:zDRREC1t0
それじゃあ毎度恒例のこれで決めたいと思います。 

ちなみに海老名さんが主人公として話を進め、終了した時点で第二回総選挙を行う予定です。

その際にこの八幡の話の続きを選ぶことも可能ですので、その点を考慮して選んでいただければ……。


以下より多数決 先に4票集まった選択肢で話を進行します。

①八幡視点で続き ②海老名さんでニューゲーム

838: 2013/03/30(土) 14:20:24.94 ID:XeQ8QIR7P
1

841: 2013/03/30(土) 14:45:23.45 ID:zDRREC1t0
ゆきのんのターンはまだまだ続く! ガハマさんが息してないぞ……。

話がゆきのんのみだとアレなんで、裏で小町が暗躍してます(というかさせます)。 そのくだりはまたのちほど。


ガサゴソ……


比企谷「……、…………ん?」


ソファで寝ていた俺の耳が、近くでなにかが動く音を拾う。

↓3 音の正体は? 以下より選択。

①キッチンに立つ雪ノ下 ②水を飲んでいる小町 ③気にせずに寝る

844: 2013/03/30(土) 15:02:59.13 ID:TA5u2RKS0
1

845: 2013/03/30(土) 15:21:57.75 ID:zDRREC1t0

比企谷「……誰だ?」


俺は音のした方へ声をかける。……まぁ選択肢としては雪乃か小町のどちらかなんだがな。


雪ノ下「……あら、ごめんなさい比企谷くん。どうやら起こしてしまったようね」


俺の声に反応したのは雪乃だった。

雪乃の声はキッチンの方から聞こえた。

薄暗闇で表情は見えないが、雪乃のシルエットは見て取れる。


比企谷「雪乃か。……まだ夜中だが、どうしたんだ?」


スマホで時間を確認すると表示された時刻は3時16分、まだ学校へ行くには、というか起きるのにも早すぎる時間だ。


雪ノ下「少し小腹が空いたのよ。……夕食は比企谷くんにほとんど食べさせてしまったから」

比企谷「……ああ、そういやそうだったな」


雪乃は夕食で俺へ自分の食事の大半を食べさせたんだ、そりゃ小腹も空くわな。


比企谷「何か作るのか?」

雪ノ下「いえ、比企谷くんを起こさないように飲み物で空腹を紛らわせようとしていたから、特にそんな予定は……」

比企谷「……ふーん、そうか」


↓3 八幡はどうする? 以下から選択

①雪乃に料理を振る舞う ②俺も喉が乾いたから何かくれ ③コンビニでも行くか?

848: 2013/03/30(土) 15:59:02.88 ID:XeQ8QIR7P
3

849: 2013/03/30(土) 16:44:50.53 ID:zDRREC1t0

比企谷「じゃあコンビニでも行くか? 俺もちょっと今日の朝飯買いたいし」

雪ノ下「こ、こん、こん…………こんび? ……比企谷くん、その、こんびって何かしら?」

比企谷「コンビじゃねぇよ、コンビニだ。……まさかお前、コンビニ知らねぇの?」

雪ノ下「……っ、そ、そんなわけないでしょう? 比企谷くんが知っていて私が知らないことなんてあるわけないじゃない。私はただ比企谷くんの知識力を試そうとしただけであって他意は「はいはい、知らねぇんだな」……、……知らないわよ」


俺の断言に恨めしく小さな声でそう呟く雪乃。

流石はこの近辺では有名な雪ノ下家のお嬢様、コンビニという庶民が通う店にはご縁がないらしい。

……そういやこいつ、ドリンクバーの使い方を知らなかったりとか結構一般常識が欠けてるんだよな。

よくそんなんで一人暮らしが出来るよなぁ。……誰か雪乃に一般常識教え込まねぇと、こいつそのうち悪徳商法に引っかかっちまうぞ?


比企谷「えーっとだな、コンビニは略さず言うと『コンビニエンスストア』だ。そこまで言えばお前なら分かるだろ?」

雪ノ下「……、年中無休で長時間の営業を行い、小規模な店舗において主に食品、日用雑貨など多数の品種を扱う形態の小売店のことね」


俺がコンビニの正式名称を話すと、そこはユキペディアさんの本領発揮、すらすらと意味を解説してくれる。

はやく略語にも対応するようにアップデートしろよ……。


雪ノ下「……なぜ最近の若者は何でも言葉を略すのかしら、非情に理解に苦しむわ」

比企谷「お前も最近の若者の部類に入ってるんだけどな……」


ちなみに俺は世俗に流されない時代の先を行くニュータイプのぼっちである。……早く時代が俺に追いつかねぇかなぁ。


比企谷「まあいいや、とりあえず行こうぜ」


そんなどうでもいいことを考えながら、俺はソファから起き上がる。


雪ノ下「わかったわ。……じゃあ少し準備するから、家の外で待っててもらえるかしら」

比企谷「りょーかい」


雪乃に気怠そうに返事をし、俺はブレザーは着ずに玄関へと向かう。

シャツ一枚では少し肌寒いが、『自分は総武高校生です』と主張する服を着たまま歩くつもりは毛頭ない。 ……だって千葉県の条例違反で補導されたくねぇし。

そして待つこと数分、雪乃が玄関から出てくる。


雪乃「それじゃあ行きましょうか」

比企谷「おう」


俺が先行し雪乃が少し後ろをついてくるような形で、俺達はマンション近くのコンビニへと向かう。


↓3 どこのコンビニへ向かう? 以下より選択 (内2つでとある人物に遭遇。一人は誕生日の月が関係、もう一人は家族を持たない者)

①セブン-イレブン ②ローソン ③ファミリーマート

852: 2013/03/30(土) 16:59:53.50 ID:2769jVzK0
1

853: 2013/03/30(土) 17:36:45.20 ID:zDRREC1t0

【セブン-イレブン】

俺達はマンションから歩いて5分位の位置にあったセブンへ向かった。


店員「いらっしゃいませー!」


店の自動ドアが開き、俺達の入店と共に威勢のいい挨拶が飛んでくる。 

こんな夜中に大声出すんじゃない、近所迷惑でしょうが! ……や、嘘ですすんません、こんな夜中まで社畜としてお疲れ様です。


比企谷「……えっと、一応説明しとくが、ここがコンビニの中でも最大手のセブン-イレブンな」


俺の説明を聞いているのかいないのか、コンビニ初来店の雪乃は、店内を興味深そうにキョロキョロと忙しなく視線を巡らせていた。

……おい、お前バイト先で職場の先輩に仕事を教えてもらわなかった時の俺かよ。 

最初俺の存在感が薄くて店員だと思われなかったんだよなぁ、…………就職するなら忍者になるってばよ!


雪ノ下「……ここが、セブン-イレブン……」

雪ノ下「……ディスティニー作品とも数多くコラボしていたのはこの店だったのね……」


俺がそんな火影になるための人生設計を構築して3秒で瓦解させていると、隣で雪乃がなにやらブツブツと呟いていた。

触らぬ神に祟りなし。俺はそれをあえて突っ込まず、1つの提案をしてみせる。


比企谷「とりあえず俺はパン見てくるけど、お前はどうすんの?」

雪ノ下「……ブツブツ……」

比企谷「雪乃さーん? ちょっと聞いてらっしゃるー?」


呪詛のように言葉を呟き続ける雪乃の肩を軽く揺さぶって、俺は彼女を現実に引き戻す。


雪ノ下「――はっ! ……な、なにかしら比企谷くん」

比企谷「や、俺パン見てくるんだけどお前はど」


――うすんの? と言おうとした所で、俺の言葉は前方から飛んでくる声に打ち消された。


陽乃「あれー、雪乃ちゃんと比企谷くん? いやー、偶然っ! また会ったね♪」


まさかの2日連続エンカウント、俺達の目の前に陽乃さんが現れた。


↓3 八幡はどうする?

856: 2013/03/30(土) 18:05:59.69 ID:2769jVzK0
ガン無視

857: 2013/03/30(土) 20:09:47.73 ID:zDRREC1t0

比企谷「……、」

雪ノ下「……、」

陽乃「偶然会えたのは嬉しいけど、夜遊びはダメじゃないかな未成年諸君? ほら、千葉県の条例ではまだ君たちが出歩いていい時間帯じゃないし」


……どうすっかなぁ、このまま無言貫いて他人のフリしてやり過ごすのが得策か?

俺は雪乃の方へ目線を向けると、同時に雪乃も俺を見ていた。


雪ノ下「(気にかけたらダメよ比企谷くん)」

比企谷「(やっぱガン無視すんのが得策だよなぁ)」


雪乃とアイコンタクトで陽乃さんの対処法を決定する。 

よし、ガン無視でこう。 ムシムシいこうぜ! ……なんか虫の大行進みたいでキモいな……。


俺は陽乃さんを無視して横を通ろうとする――が、陽乃さんが俺の目の前に手を出してくる。

やべっ、このままだと――


直下判定 コンマ以下が偶数だと回避 コンマ以下が奇数だと直撃 ゾロ目の場合は直撃しその弾みで転倒し当たりどころが悪く気絶

858: 2013/03/30(土) 20:10:28.68 ID:1z9vWnFGo
えいっ

859: 2013/03/30(土) 20:35:13.23 ID:zDRREC1t0

比企谷「――っ」


当たる寸前で上体を捻り、なんとか回避に成功する。 

……あっぶねぇ、こんな店の中で転んだりでもしたら赤っ恥かくところだったぜ……。


陽乃「おー、なかなかやるね比企谷くん。周りの空気は読めないけど攻撃は読めるのかなぁ?」


陽乃さんが口笛を吹いて俺を褒め……貶し……褒め貶した。 

……嬉しくない、この人に褒められても嬉しくないけど、貶すのは俺の心に突き刺さるからほんとやめて。

俺はそのままパンのコーナーへ向かい、カレーパンとメロンパンを手に掴む。

レジに向かいつつ俺は雪乃の方へ振り返って見ると、雪乃は陽乃さんに捕まっていた――というか抱きつかれていた。


陽乃「なになに雪乃ちゃん、もしかして比企谷くんと真夜中のデートでもしてきたのかなぁ?」

雪ノ下「……、」

陽乃「その無言は肯定と受け取っていいの? それともそれ以上の事をヤッたとか……? きゃーっ!」

雪ノ下「……、」


絡み方が完全に酔っ払ったオッサンのそれだった。 


というか陽乃さん、よく顔を見たら頬がほんのり桜色に染まっている。 ……酒飲んで呑まれたな。

俺は急いで買い物を済ませると、雪乃と陽乃さんの元へ駆け寄る。 ……ってか酒くさっ! なんでこの人こんなに酔っ払ってんの!?

雪ノ下は陽乃さんの服に染み付いた酒の匂いに辟易気味で、しかめっ面を浮かべている。 ……警察呼んだほうが早いか?


八幡はどうする? 以下より多数決

① 一度陽乃を雪乃から引き剥がし、雪乃の買い物を済ませる

② 強引に陽乃を引き剥がしてそのまま置いて帰る

③ 陽乃を雪乃の家まで連れて行く

④ その他(選択された際に再安価で内容決め)


先に4票集まった選択肢で先に進みます。

863: 2013/03/30(土) 20:42:43.71 ID:2769jVzK0
1

865: 2013/03/30(土) 21:22:23.04 ID:zDRREC1t0

……いや、警察を呼ぶ前にやることがあったな。

そもそも俺達はここへ食べ物を買いに来たんだ、手ぶらで帰るわけにはいかない。

俺は意を決して二人の間に割って入ると、陽乃さんの両肩を押さえて雪乃を彼女から引き剥がす。


比企谷「雪乃、あとは俺に任せてお前は買い物を早く済ませろ」

雪ノ下「……え、ええ、任せるわね比企谷くん」


雪乃は小走りで買い物へ向かう。 ……さて、俺はその間この酔っ払いの相手をしなきゃいけねぇのか。


陽乃「もう、なにするのよ比企谷く~ん」


とろんとした目で俺を睨みつけてくる陽乃さん。 ……ああもうダメだ、完全に目が座ってるこの人。


陽乃「姉妹水入らずで会話してたのにぃ~」


酔いが回っているせいか、普段の何倍も甘い声で話しかけてくる陽乃さん。

あの一方的な絡みが会話ねぇ……、酔っ払いの考えはよくわからんな。


陽乃「……むぅ、……なんでそこまでわたしのことを頑なにシカトするのかなぁ?」


俺が何も言い返さない事に不満を感じたのか、陽乃さんの声に少し力がこもる。


陽乃「…………もう怒った~っ! こうなったら腹いせにキスしてやる~!」


比企谷「……は? ちょ、ちょっと待った陽乃さん、キャラ崩壊が激しすぎてもはや別人になってるんですけど!?」


酔いと怒りがフュージョンしてキス魔爆た――、ちょ、待って! 

そんなふざけてる場合じゃなかった、ちょ、なにこの人力強すぎィ!


↓3 陽乃に襲われる八幡。 どうする? 以下より選択

①必氏に抗う(のちに判定安価あり) ②雪乃が割って入る ③平塚先生登場 ④その他(選択された際に再安価で内容決め)

868: 2013/03/30(土) 21:31:04.62 ID:TA5u2RKS0
2

871: 2013/03/31(日) 12:24:44.58 ID:T/1Ot4OG0

迫り来る陽乃さんの唇から俺が必氏に抗っていると、陽乃さんの顔が突然手で覆われた。


陽乃「へぶっ」


それにより間抜けな声を出す陽乃さん。

俺はその手が伸びてきた方へ視線を送ると、そこには氷の女王が立っていた。


雪ノ下「……姉さん、いい加減にして」


身も凍るような錯覚に陥るほどの冷たい声音が俺の鼓膜を揺さぶる。 ……久しぶりに聞いたなこの声、やっぱり怒らせると一番怖いな雪乃は……っ。


雪ノ下「比企谷くん、もう用は済んだわ。帰りましょう」


陽乃さんの顔を押さえながら、俺を彼女から引き剥がした雪乃の片手には小さなレジ袋が握られていた。

どうやら買い物は済んだらしい。


比企谷「え? ……で、でもいいのかよ、陽乃さんをこのまま放置して……?」


支えを失った陽乃さんは店の床にペタンと座り込んだ。 

幸い店には深夜帯であるせいか客は俺達しかいなかったが、営業妨害もいいところである。


雪ノ下「この姉はもう成人なのだから放っておいても平気よ。 ……いいから帰るわよ、比企谷くん」


そう言って雪乃は早足で店から出て行く。


比企谷「え、あ、……っ」


俺は雪乃の背中を追うか、この場で陽乃さんの酔いが覚めるまで待つか逡巡していると、ズボンの裾が小さく引っ張られる。


比企谷「……?」


俺が足元へ視線を向けると、そこには片目を閉じて平謝りする陽乃さんがいた。


陽乃「いやー、ごめんね比企谷くん。まさかわたしも雪乃ちゃんがあんなに怒るとは思ってもなくてね」


テヘペロっと可愛らしく舌を出す陽乃さん。 ……おいさっきの演技かよ、逡巡した俺の時間返せ。

875: 2013/03/31(日) 13:47:23.80 ID:T/1Ot4OG0

比企谷「……陽乃さん、悪ノリがすぎます」


俺はそう言って彼女に右手を差し出した。 

陽乃さんは左手で頭を軽く小突いて、右手で俺の手を握り返す。

俺は掴んだ手を離さないようにきつく握り、そのままぐいっと引っ張って彼女を立ち上がらせる。


陽乃「うん、ありがと比企谷くん♪」

比企谷「いえいえ、このまま座らせておくのはこの店に迷惑なだけなんで。ただそれだけですよ」

陽乃「もー、他人からの感謝の気持ちは素直に受け取りなさいっ!」


めっ! と、人差し指を俺に向けて注意する陽乃さん。

俺はそれを苦笑いで返して彼女に背中を向ける。


比企谷「それじゃあ俺はこの辺で」

陽乃「うん。じゃ、またね比企谷くん」


俺は後ろを振り返ることなく店から出る。 


「…………雪乃ちゃんのこと、お願いね…………」


背後で小さく呟く声がしたが、俺は特に気にせず雪乃の後を追った。


876: 2013/03/31(日) 13:57:37.38 ID:T/1Ot4OG0

雪乃に追いついた俺は彼女と一緒にマンションへと帰宅した。

俺は買ってきたメロンパンを半分だけ食べて、残りはまた後で食べることにした。

雪乃は買ってきたサンドウィッチを2個食べて自室へと戻っていった。

どうやらこのまま寝ずに夜明けまで勉強をするらしい。……雪乃の爪の垢を煎じて小町に飲ませてやりたいぜ、ホントに。


比企谷「……さて、俺はどうすっかな」


↓3 八幡はどうする? 以下より選択

①一人で勉強に励む ②朝まで寝る ③その他(選択された際に再安価で内容決め)

877: 2013/03/31(日) 14:01:20.85 ID:AcKJ1tyR0
ゆきのんと一緒に勉強

880: 2013/03/31(日) 14:41:50.22 ID:T/1Ot4OG0
選択系の安価なのに選択されない……だと?



勉強するにしても授業中に出された課題は終わってるし、特にやることはない。

俺はソファの近くに置いてある自分の鞄の中身を見る。

そこには現代文の教科書に古文の問題集、そしてなんの手違いか数学IIの教科書が入っていた。


比企谷「……雪乃に勉強でも教えてもらうか? ……数学9点は流石にマズイしなぁ……」


しかし俺の進学する予定なのは私立文系の大学、数学は入試で使わないのでぶっちゃけ勉強する意味はない。


比企谷「……んー、どうすっかなぁ……」


再び俺が頭を悩ませてると、雪乃がリビングへ戻ってきた。


比企谷「……あれ、お前部屋で勉強するんじゃなかったのか?」

雪ノ下「ええ、勉強する予定ではあったのだけれど、自室では小町さんが寝ているから……」


そう話す雪乃は両手に筆箱と青チャートとノートを持っていた。


比企谷「ふーん、そっか」


なるほどね、部屋で寝ている小町を気にかけてこっちにきたわけだ――ってオイ、それ俺への迷惑は顧みてねぇじゃん。

……まぁ客が文句言える筋合いじゃねぇけど。


雪ノ下「だから、ここで勉強しても構わないかしら?」


雪乃は俺達が昨夕に食卓を囲んだテーブルの上に荷物を置いて俺に尋ねる。

お前は家主なんだからいちいち伺い立てる必要ねぇだろ……。


比企谷「ああ、別に構わねぇけど」

雪ノ下「そう、なら遠慮無く」


俺から律儀に了承をとり、雪乃は椅子に座って青チャートを開く。

……なんかガチモードに入って話しかけにくくなるが……


↓3 八幡はどうする? 以下から選択

①「やっぱちょっと待った雪乃、その前に俺に数学教えてくれ」

②「まぁ、頑張れ。俺は寝るからお前は気にせず勉学に励んでくれ」

883: 2013/03/31(日) 14:49:56.70 ID:/gyGCZz+0
1

884: 2013/03/31(日) 17:53:02.43 ID:T/1Ot4OG0

比企谷「やっぱちょっと待った雪乃、その前に俺に数学教えてくれ」

雪ノ下「……、その発言はどういう風の吹き回しかしら?」


少し間を置いて雪乃が俺にその理由を訪ねてくる。……なんだろう、雪乃の発言がどことなく冷たい。


比企谷「そ、そう言われてもな……。……ほ、ほらアレだ雪乃、勉強ってのは他人にキチンと理解できるように教えることが出来れば、その内容は自身が完全に理解したという証明になるという話を聞いたことはないか?」

雪ノ下「ないわね。そもそもなぜ他人に時間を割かなければならないの? 時間の無駄じゃない、そんなことをするくらいなら個人で繰り返し学習しているほうが効率的よ」

比企谷「……デスヨネー」


ダメだ、なんか雪乃さんコンビニから帰ってきて以降妙に刺々しい。 ……もしかしてアレか? さっき俺が雪乃の後を追うのが遅かったから拗ねてんのか?

俺は雪乃の表情を伺う。

整った端正な顔立ち、長い睫毛にパッチリ開かれた黒い瞳、流れるような黒髪。……うん、普段通りの雪乃だ、なにもおかしな所はない。


雪ノ下「……なにかしら比企谷くん、私の顔になにかついているの?」

比企谷「いや、とても綺麗な顔してん…………ナンデモナイ」


あー、余計なこと言っちまったぞー、どーすんのコレ?

俺が若干遠い目をしながら部屋の隅に視線を飛ばしていると、雪乃がコホンと小さく咳払いをした。

表情を見ると、先程とは打って変わって真っ赤である。 ……チョロいなぁ、どっかのゴミカスワナビさん並にチョロいな雪乃……。


雪ノ下「……ど、どの分野が理解できないのかしら? あなたが望むのならば、私が直々に教えてあげないこともないのだけれど」

比企谷「お、おう。じゃあ三角関数の加法定理で」

雪ノ下「……加法定理ね、基礎からでいいのかしら? それとも二倍角の公式?」

比企谷「数学9点の俺なんで察して下さい……」

雪乃「……、わかったわ。それじゃあ教科書のP96を開いて。そこから解説を交えながら例題を解いていくわよ比企谷くん」

比企谷「うっす、お願いします」


そうして雪乃先生の特別授業は夜明けまで続いた。


885: 2013/03/31(日) 18:09:34.78 ID:T/1Ot4OG0

現在の時刻は5時半過ぎ、太陽も東の空から顔を出し始めて夜明けを告げている。


比企谷「はぁー……疲れた」


俺はシャーペンをテーブルの上に置いて大きく伸びをする。凝り固まった筋肉がほぐれていく感覚が心地よい。


雪ノ下「それはこちらの台詞なのだけれど……」


そう恨めしく隣で呟く雪乃の表情は少し疲労の色が伺えた。 どうやら俺への説明がよほど苦痛だったらしい。


雪ノ下「まさか比企谷くんがこんなにも数学が出来なかったなんて……」

比企谷「……ぐぬっ、……悪かったな」

雪ノ下「……別にいいわよ、由比ヶ浜さんより教えるのは楽だったから」

比企谷「比較対象が由比ヶ浜かよ……」


たしか由比ヶ浜の数学のテストの点数は12点。 …………由比ヶ浜に負けてんのかよ俺……っ。


↓3 このあとはどうする? 以下より選択

①一度家に帰る ②このまま登校時間まで過ごす

888: 2013/03/31(日) 18:31:16.41 ID:EMIy3IvAO
2

889: 2013/03/31(日) 18:51:39.66 ID:T/1Ot4OG0
>>887さん >>569で由比ヶ浜にまた明日と会話しているので出来ないのです……。



雪ノ下「……あら、そろそろ朝食の時間ね。比企谷くん、なにか希望はあるかしら?」

比企谷「いや、特にはないぞ」

雪ノ下「そう。なら私は小町さんを起こしてくるわね」


そう言って雪乃はリビングから出て行った。


比企谷「……さてと、俺は」


↓3 八幡はどうする? 以下より選択

①顔を洗ってくる ②朝食の準備をしておく ③テレビを見て待つ ④その他(選択された場合再安価で内容決め)

892: 2013/03/31(日) 19:44:48.40 ID:gs3dMvnWo
1

893: 2013/03/31(日) 20:06:02.18 ID:T/1Ot4OG0

比企谷「顔でも洗うか」


俺はリビングを出て脱衣所へ向かう。

無駄に広い洗面台で顔を洗い、タオルがなかったのでシャツの袖で濡れた顔を拭いた。

そしてリビングに戻ると、眠そうな目でボケーっとしている小町がいた。


雪ノ下「小町さん、とても眠そうなのだけど……、彼女はいつも起床時刻が遅いのかしら?」


小町のすぐそばに立ってエプロンを付けている雪乃に疑問を投げかけられる。

俺はソファに座ってテレビをつけ、彼女の疑問に答える。


比企谷「ああ、基本俺の家族は起きるのは遅いぞ。両親は共働きで起きるのは早いが、休日はお昼前まで平気で寝てたりするし」

小町「……むー、……まだ小町……眠い……」

雪ノ下「そう。……でもそれにしては他に理由がありそうな気が……」

比企谷「ふーん。ま、寝る前に携帯使ってたからとかそんなんじゃねぇの? 深く考えるだけ時間の無駄だと思うぞ」

雪ノ下「そうかしら、……なら別にいいのだけれど」


腑に落ちないのか、顎に手を当てながら小首を傾げながらキッチンへと向かう雪乃。 心配し過ぎだろ……。


↓3 八幡はどうする? 

896: 2013/03/31(日) 20:24:16.22 ID:FPFeHGvQ0
小町には後で事情を聞くことにしてとりあえずゆきのんと一緒に朝食作り

897: 2013/03/31(日) 20:35:08.25 ID:T/1Ot4OG0

比企谷「あ、俺も手伝うぞ雪乃」


キッチンに向かった雪乃の背中を慌てて俺も追う。

さっき数学教えてもらったし、一日お世話になったからこれくらいはやらないとな。


雪ノ下「そう? ならそこに食パンがあるから、トースターで焼いておいてもらえるかしら」


雪乃が近くの戸棚を指さす。

そこには八枚一組の食パンが入った袋とトースターが置いてあった。


比企谷「りょーかい」


俺はトースターの電源プラグを近くのコンセントに差し込みパンをセットする。

これであとは数分待っていれば出来上がる、……楽だな俺の仕事。


比企谷「他になにかすることはあるか?」

雪ノ下「そうね、……それじゃあ」


↓3 八幡が他にする仕事は? (ない場合はないでもよい)

899: 2013/03/31(日) 21:01:24.73 ID:/gyGCZz+0
ゆきのんの頭を撫でる

901: 2013/03/31(日) 21:29:30.34 ID:T/1Ot4OG0

雪ノ下「……い、今から作る朝食が美味しかったら、その……私の頭を撫でてもらえるかしら……?」


比企谷「は?」

雪ノ下「――っ、な、なんでもないわ!」

雪ノ下「……もう比企谷くんの仕事はないから、食パンが焼き上がるまで座って待っていてもらって構わないわ」

比企谷「へーい。……朝食が美味かったらお前の頭を撫でりゃいいんだな?」

雪ノ下「っ! ……聞こえたのならちゃんとそう言いなさい……」



雪乃の小言を聞きながら俺はキッチンから離れ、リビングのソファに腰掛けてパンが焼き上がるのを待つ。


そして待つこと数分、トースターが焼き上がりを告げるベル(?)を鳴らす。

俺は焼き上がったパンを取り出し、空いたトースターにもう一枚の食パンをセットする。 ……余熱があるからさっきよりは早く焼けるだろ。

焼きあがったパンは小皿に乗せ、俺はそれをテーブルへ運ぶ。

再び待つこと数分。三枚目のパンが焼き上がり、俺はそれを先程と同じように小皿に乗せてテーブルへ。

雪乃の様子を見ると、どうやらコンソメスープを作っているようだ。 コンソメの良い香りがこちらまで漂ってくる。……はっ、いかんいかん涎が……。


その後テレビを見ながら時間を潰していると、キッチンの方から声が掛けられる。


雪ノ下「比企谷くん、少し手伝ってもらいたいのだけれど」

比企谷「ああ、今行く」


俺はキッチンへ向かった。

902: 2013/03/31(日) 21:45:18.65 ID:T/1Ot4OG0

雪乃がスープを容器に盛り分け、俺がそれを運ぶ。

調理と同時にお湯も沸かしていた雪乃は、紅茶を淹れてカップに注ぎ入れる。


雪ノ下「さあ、朝食にしましょう」


朝食の準備が整い俺と雪乃は椅子に座る。

ちなみに雪乃の席は昨日の晩と同じく俺の隣だ。


比企谷「おい小町ー、メシできたぞー」

小町「ん~……、小町はあとで食べる~……」


ソファで横になった小町から弱々しい声で返事が返ってくる。 ……ホントに大丈夫かこいつ?


雪ノ下「小町さん、どこか具合でも悪いの?」

小町「……いや~、小町ただ眠いだけなんで~……どうぞ二人は気にせずゆっくり食事しててくださ~い……」

比企谷「ああ、大丈夫だ雪乃。いつもの小町だ」

雪ノ下「そ、そう? ならいいのだけれど……」


比企谷「そんじゃ小町もああ言ってることだし、遠慮なくいただこうぜ」

雪ノ下「そうね。出来れば冷める前に食べてもらいたかったのだけれど、眠いのなら仕方ないわね」


比企谷・雪ノ下「いただきます」」


合掌し一礼して俺は朝食を口へ運ぶ。 ……うん、やっぱ美味いな雪乃の料理は。

勉強出来て運動も出来て、料理も出来て家事も出来て基本何でも熟せるけど体力がない。 

……一家に二台あれば最高だな、ローテーションを組めば完璧。


903: 2013/03/31(日) 22:15:34.65 ID:T/1Ot4OG0

そんな事を考えながら咀嚼していると、雪乃に裾を小さく引っ張られる。


雪ノ下「……ど、どうかしら? 比企谷くんのお口に合っていればいいのだけれど……」


俯きながらチラチラとこちらを見上げてくる雪乃。 

雪乃の顔が羞恥で朱色に染まるのはもうテンプレと化してきているのだが、それでもやはり慣れない。

この表情を見ていると、なぜか俺まで恥ずかしくなってくる。


比企谷「(……COOLだ、COOLになれ俺……。…………旦那ァ! アンタ最ッ高にCOOLだよ! ……これじゃ快楽殺人鬼じゃねぇか馬鹿野郎!)」


俺はセルフノリツッコミを脳内で繰り広げ、その後なんとか平常心を取り戻す。


比企谷「……ああ、美味いよ雪乃。出来る事なら毎日食いたいレベルだ」


落ち着き払った声で俺はそう言って、雪乃の頭を優しく撫でた。


雪ノ下「っ! …………ど、……どういたしまして……っ」

比企谷「じゃあ今度は俺がお前に手料理をごちそうしてやるよ。……まぁ期待せずに待っててくれ」

雪ノ下「……ええ、わかったわ。…………でも私は、『期待して』待ってるから」

比企谷「――ッ。……ヘンなプレッシャーかけんのやめろよ」


俺がそう言うと、雪乃は小さく笑った。


雪ノ下「あら、期待はされないよりされるほうが、適度な緊張感があっていいと思うのだけれど?」

比企谷「そう思ってんのはお前だけだ。期待が大きすぎるとそれに潰されることだってあるしな」

雪ノ下「それはあなたの心が弱いだけじゃないの……?」

比企谷「う、うっせ! 大半の現代人はそうなんだっつぅの!」



その後、俺は雪乃と『現代人』をテーマに置いて討論しながら朝食を続けた。


904: 2013/03/31(日) 22:16:01.69 ID:T/1Ot4OG0

↓3 このあとはどうする?

907: 2013/03/31(日) 22:53:07.88 ID:/gyGCZz+0
ナチュラルにイチャついて小町にからかわれる

908: 2013/03/31(日) 23:24:13.56 ID:T/1Ot4OG0

ようやく眠りから覚醒した小町も交えて俺達3人は朝食を食べる。

それから、食べ終わった俺と雪乃は食器を片づけにキッチンへ。

小町は顔を洗いに洗面台へ向かった。


昨日は雪乃が食器を洗剤で洗っていたが、今日は俺が洗うことにした。

すすいだ瞬間キュキュっと落ちるのはCM上の演出であって、俺は丁寧に食器を洗う。


比企谷「ん、雪乃」

雪ノ下「はい」


泡を洗い流した食器を雪乃に手渡す。

それをなんどか繰り返し、洗い終えたスプーンを渡そうとしたときだった。


比企谷「ほい、これでラストっと」

雪乃「はい、お疲れ様比企谷く――っ」


渡したのがスプーンだったせいか、お互いの手が触れる。

水で冷えきった俺の手を、温かな雪乃の手が軽く握る。


比企谷「……、」

雪ノ下「……、」


雪乃と無言で見つめ合う。

それから数瞬後、雪乃がハッと我に返る。


雪ノ下「――あ、え、えっと、……ご、ごめんなさい」

比企谷「い、いや、べ、別に……」


お互い慌てて手を引っ込めてあらぬ方向へ視線を向ける。 心なしか、顔が熱い気がする。


小町「……うわー、ベタだねお兄ちゃんー」


その一部始終を見ていたのか、ジト目で小町が俺らに一言。


比企谷「(……ごもっともなんで何も言えねぇ)」



その後、学校の準備やらなにやらしている内に時刻は7時を過ぎた。

そろそろ登校してもいい頃合いだな。


↓3 八幡はどう登校する? 以下より選択

①雪乃と一緒に登校 ②別々に登校

911: 2013/03/31(日) 23:51:30.48 ID:/gyGCZz+0

912: 2013/04/01(月) 00:20:00.12 ID:L3QxBlOx0

比企谷「……、それじゃあそろそろ学校行くか」


俺はブレザーを着て鞄を持ち玄関へ向かう。

玄関で靴を履き終えた直後、俺はあることを思い出す。


比企谷「……あれ? そういや小町、お前一度家に帰らねぇとダメじゃん」


よくよく考えてみれば、小町は一度家に帰って雪ノ下の家に来ている。

学校から直接来た俺とは異なり、自宅に戻らなければ学校へ直接行くことができない。


小町「あ、へーきへーき、バスに乗れば余裕で学校に間に合うから大丈夫だよお兄ちゃん」

小町「そーいうわけだから、バス代ちょうだいお兄ちゃん♪」


両手を差し出し俺へおねだりする小町。 ……くっ、仕方ねぇなぁ。

俺は財布からなけなしの野口さんを小町に渡す。 


小町「わー! ありがとお兄ちゃん!」


それを受け取って仰々しく天に掲げて喜ぶ小町。 

千円で笑顔になってくれるなら、マックでスマイル頼んだ方が安上がりだよなぁ……。


小町「あー、それとお兄ちゃん、今日はイロイロあると思うけど頑張ってね!」

比企谷「……は? なんだと? おい小町それどういう――」

小町「お邪魔しました雪乃さん、それじゃあ小町はこの辺で失礼します♪」

雪ノ下「ええ、気をつけて」


俺が言い終わる前に小町はダッシュで家から出て行った。

……イロイロあるってなんだよ、不吉な予言残してくんじゃねぇよ……。


雪ノ下「さて、私達も行きましょうか」

比企谷「……、りょーかい」


小町の発言が妙に気になりつつも、俺は雪乃と一緒に家を出た。



↓3 通学中に誰かと会う? 以下より選択

①会う(キャラ名指定) ②会わない

915: 2013/04/01(月) 00:33:46.50 ID:Bs+NwIYoo
1で葉山

916: 2013/04/01(月) 01:25:54.40 ID:L3QxBlOx0

【電車内】


比企谷「……しっかし電車通学の人は大変だな、いつもこんな人混みに周囲を囲まれながら登校すんのかよ」


雪乃のマンションを出て駅に向かい、そこから電車に乗り込んだ俺達を待ち受けていたのは大量の人だった。

現在扉付近で電車の壁に背中を預けている雪乃に、俺は壁ドンするような形で立っている。


雪ノ下「ええ、そうよ。……でも普段この時間帯はそんなに人は乗っていないのだけれどね」

比企谷「え、そうなのか?」

雪ノ下「比企谷くんはさっきのアナウンスを聞いていなかったの?」

比企谷「いや、全然」

雪ノ下「どうやら人身事故で電車が遅れているそうなのよ」

比企谷「ふぅん」

雪ノ下「それが原因で普段一本早い電車に乗っている社会人がこの電車に乗り合わせて、この人混みを生み出してるのね。…………まったく忌々しい……っ」


雪乃は額を押さえて重い溜息をひとつこぼす。

ぼっちの習性として、人混みは大の苦手である。

ただ人混みの隙間を縫うようにすいすい歩くのは意外に楽しい。

花火大会の日も楽しかったなぁ、人混みを縫って歩くの。

癖になってんだ。音頃して歩くの。


……だが、このように密集していたらそんな感情はちっとも湧いてこない。 

それにさっきから俺の後ろに立つやつがちょくちょく俺の足を踏んづけてくるのだ。 

まぁ電車だから踏んでしまうのは仕方のな――あ、また踏みやがった! いい加減にしろよこの野郎ッ!

俺は首だけ背後に回し、俺の黄金の左足を踏み続ける馬鹿の顔を見ようとする。

すると俺の視界が捉えたのは、俺のよく知る顔だった。


葉山「……あれ、ヒキタニくん?」

比企谷「……よお」


葉山隼人、校内でも随一の人気を誇る優男系モテ男、加えてカースト最高位に君臨する人間だった。


↓3 八幡はどうする?

917: 2013/04/01(月) 01:34:52.50 ID:5o2NDvahO
葉山を全力スルー、そして、ゆきのんと思いっきりいちゃつく。

920: 2013/04/01(月) 02:27:24.68 ID:L3QxBlOx0

俺は軽く頭を下げ、振り返るのをやめて正面を向く。

葉山は俺に何か話したがっているような素振りだったが、気にしない気にしない。

こいつと話すくらいなら雪乃と会話していた方が数百万倍マシである、たとえ雪乃に罵倒されてもな。

それに文化祭の一件以来、あんまり葉山と関わり持ちたくねぇし……。

とりあえず俺は雪乃に話しかける。


比企谷「なぁ雪乃」

雪ノ下「何かしら比企谷くん」

比企谷「お前って普段どんな曲聞いてんの? ほら、だいぶ前ファミレスでお前ヘッドホンかけながら勉強してたじゃん」

雪ノ下「……ああ、あの時ね」

雪ノ下「……そうね、普段はクラシック曲を聴いているわ。たとえばモーツァルトの『ピアノ協奏曲第23番イ長調K.488』とかかしら」

比企谷「曲名言われてもぜんぜんわかんねぇ……」

雪ノ下「そう? ……な、なら一緒に聴く? ちょうど持ち合わせているのよ、……えっとたしかこの辺りに……」


そう言って雪乃は鞄から音楽再生プレイヤーとイヤホンを取り出す。

片方を自分の耳に嵌め、もう片方を俺へ差し出してくる。


比企谷「あ、ああ。……じゃあ聞いてみる」


俺はそれを受け取り自分の耳に嵌める。


雪乃「それじゃあ流すわね」


雪乃が音楽再生プレイヤーの再生ボタンを押す。

すると右耳から流れ出すオーケストラの演奏と軽快なピアノの伴奏。

それが交互に繰り返されていく単純だが、決して飽きない不思議な旋律。 

……あ、いいなこ――痛ぇ! また踏みやがったなこのリア充(笑)!?


葉山「……、」


電車の揺れとは関係なく、今のは明確な意志が込められた足踏みだった。

つい最近まで俺は葉山のことを勉強運動性格ルックスよしの完璧超人だと思っていたが、どうもその仮面が最近剥がれてきているような気がする。

より正確に言うならば、人間味が出てきたってところか。


雪ノ下「……比企谷くん、どうかした?」

比企谷「いや、別になんでもねぇよ」

雪ノ下「そう」



その後なんども葉山に足を踏まれながら、俺達は総武高校の最寄り駅に到着した。

大量の人を駅に吐き出し、軽くなった電車は次の駅へと走り去っていく。

俺と雪乃は改札を抜け、駅の外へ出た。


↓3 八幡はどうする? 以下より選択

①雪乃と一緒に通学路を歩く ②別々に通学路を歩く ③その他(選択された際に再安価で内容決め)

今日はバイト休みなんで、このあと寝ないで進めていきます。このスレの最後までお付き合いしていただければ幸いです。

923: 2013/04/01(月) 03:06:42.67 ID:5o2NDvahO
1、出来れば腕を組んで

924: 2013/04/01(月) 03:42:04.73 ID:L3QxBlOx0

雪ノ下「……ねぇ比企谷くん、昨日の夜に私があなたに言ったこと、ちゃんと覚えてるかしら?」

比企谷「昨日の夜っていうと……」


脳裏に蘇る昨夜の記憶。


雪ノ下『あなたが出来ないと言った人を愛する行為を、私が可能にしてみせる。……そして私が、あなたに選ばれてみせるわ』


比企谷「……ああ、あれか。それがどうかしたのか?」

雪ノ下「どうしたも何も、私は有言実行する女よ。だから……」


雪乃は俺のすぐそばまで駆け寄ると、いきなり腕を組んだ。


雪ノ下「…………こ、これくらいはいい、……わよね?」

比企谷「ッ!」


ぎゅっと握られる俺の肘の部分に、柔らかな感触を感じる。 ……ああ、これが雪乃の楯状台地か。


「……おい、あれ雪ノ下雪乃じゃね?」

「なんか目の腐った男と腕を組んだぞ!?」

「雪乃様……なぜあのような男と……ッ」

「№7から№18まで伝達。至急あの男子生徒の素性を確認せよ」

「「「了解」」」


そして同時に周囲から浴びる痛いほどの視線。 

……おい、今なんか特殊部隊みたいなのいなかったか? なに俺指名手配犯かなにかなの? ダンボールで身を隠して行動しなきゃダメになっちゃう?


雪ノ下「……い、行きましょう、比企谷くん」

比企谷「……お、おう」


雪乃が先行し、俺がその後を引っ張られるように続く。


比企谷「(……これ俺『学校に行く』んじゃなくで、『学校で逝く』になりそうなんだが……)」


そんな不安に心臓を握りつぶされながら、俺は学校までの道のりを雪乃と共に歩く。

幸い登校中に周囲から危害を加えられることもなく、俺達は無事に学校へ着いた。


↓3 八幡はどうする?

927: 2013/04/01(月) 04:53:02.25 ID:fu9rvXH+0
腕組んだままゆきのんのクラスまで送っていく

928: 2013/04/01(月) 07:08:50.73 ID:L3QxBlOx0

その後俺は、雪乃と腕を組んだまま彼女をJ組の教室まで送っていった。


雪ノ下「ここまでで大丈夫よ比企谷くん」

比企谷「あ、ああ」



というか、送らされた。 ……雪乃が組んできた腕が解けない解けない。

なんだっけな……、たしか合気道の肘極めとかそんな感じ。


雪ノ下「じゃあそろそろ……」


雪乃は名残惜しそうな表情を浮かべながらそう言って、俺の腕を解放する。

ようやく自由を取り戻した左腕の感覚を確かめるように、俺はグルグルと回そうとするがなかなか上手く腕が動かない。

……あれー? おかしいなー…………動かねぇ、痺れてんのか? ……痺れてんだよな……?

うんともすんとも言わない俺の左腕に疑問を抱きながら、俺は雪乃と別れてF組の教室へと向かった。


【2年F組】


教室にはまだほとんど生徒はいなかった。

俺は教室の真ん中に位置している自分の席に着く。


朝のSHRが始まるまでまだ時間があるな。

……さて、どうすっかな。


↓3 八幡はどうする? 以下より選択

①SHRが始まるまで寝て(寝たフリ)過ごす ②誰かからメールが届く(送信者記載) ③なぜか校内放送で職員室に呼び出される

931: 2013/04/01(月) 07:56:53.14 ID:HLFB1bX6P
3

932: 2013/04/01(月) 08:20:35.13 ID:L3QxBlOx0

俺が時間の潰し方を模索していると、突然教室内に備え付けられたスピーカーからピンポンパンポーンという軽快な音が流れる。


『生徒の呼び出しをする。2年F組の比企谷八幡、2年F組の比企谷八幡、至急職員室まで来なさい』


Q. 比企谷八幡くん、君は一体こんな朝っぱらから何をやらかしたんだい?

A. 学校一の美少女と腕を組んで登校しました。


……あーあ、同じ呼び出しなら校舎裏に呼び出しとかされたかったなぁ。 それで急接近されて財布の中身も迫られる、おいそれなんてカツアゲ?


そんなどうでもいいことを考えて現実逃避を図ろうとするが、先程放送していた声は結婚願望の高いアラサー女教師である。

逃げようものなら有無を言わさずに鉄拳制裁が下ること請け合い、逃げなくてもおそらく一発殴られる。……うわぁ、行きたくねぇ。 


せんせー、最近生徒に手を上げると処罰が厳しくなったの知らないんすかー? 

俺のこと一発殴っただけで先生クビっすよ? それでも殴るんすか? …………これ言うと責任とれとかなんとかで結婚迫られそうだから言うのはやめとこ……。


俺は重い足取りで職員室へと向かう。


比企谷「失礼しまーす……」

平塚「おお、比企谷。ちゃんと逃げずに来たな、感心感心」


職員室の扉を開けて中に入ると、そこで待っていたのは案の定平塚先生だった。


↓3 八幡はなぜ呼び出された? 以下より選択

①今朝の雪乃との登校について ②文化祭の報告書の訂正について ③その他(選択された際に再安価で内容決め)

935: 2013/04/01(月) 09:04:17.76 ID:RgS/c3U1O
1

936: 2013/04/01(月) 10:22:12.36 ID:L3QxBlOx0

比企谷「……で、俺なんで先生に呼び出されたんすか?」


俺は椅子に足を組んで座る平塚先生に尋ねる。 理由を聞かせてもらおうか理由を!


平塚「うむ、それはだな。君の今朝の行動があまりにも目に余る行為だからだ」


俺の疑問に平塚先生は至極真面目な顔で答える。 ……今朝って時間帯で言えばまだ今朝だが、たぶんアレのことだよな。


比企谷「今朝っていうと……、俺が雪乃と一緒に登校してきた事ですか? ……っていうか先生見てたのかよ」

平塚「ああ、その件だ。勿論バッチリ現場は押さえさせてもらったよ」

平塚「それにしても……、まさか君と雪ノ下が腕を組みながら登校するとはな。最初その光景を見た時は我が目を疑ったよ」

平塚「(昨日雪ノ下に比企谷のことを優しく見守るように言ったのだが、まさかそこまで関係を発展させてしまうとは……流石の私も想定外だったな)」

比企谷「……あー、それはその……。俺も雪乃に腕を組まれることは想定してなかったんですよね」

平塚「ふむ、そうなのか?」 

比企谷「ええ、俺ってほらあんまり目立ちたくないというか、表舞台に出るのが苦手といいますか、とにかく衆目に晒されるのが嫌いなんですよ」

比企谷「だからただでさえ周囲の注目を集めている雪乃と腕組みなんてしたくなかったんですが、肘極められて身動きとれなくなっちゃったんで、なし崩し的にそうなったというか……」

平塚「……そうか」


平塚先生はそこでセブンスターを胸ポケットから取り出し、フィルターをとんとんと机に叩きつける。

葉を詰め終わるとライターで火をつけ一服。……毎度思うが職員室でタバコ吸っていいんだっけ?


平塚「ところで比企谷、先程から君の雪ノ下に対する呼称が苗字から名前になっているのだが、それはどういう心境の変化かな?」


ふぅっと煙を吐いて平塚先生が痛い所を突いてくる。 しまった、この人の前では雪ノ下って呼べばよかった……っ。


比企谷「ど、どういう心境の変化とか言われましても…………」


しかし後悔先に立たず、言ってしまったものは仕方がない。

俺は必氏に言い訳を考えていると、それを見かねた平塚先生は破顔してこう言った。


平塚「いや、言いたくないなら言わないでいいんだ比企谷」


平塚「……ただ雪ノ下との関係を明らかにしないと、君に身の危険が及ぶ可能性があってだな……」


ボソッと小さくとんでもないことをさらっと呟く平塚先生。


比企谷「え、なにそれ怖い」

平塚「……それがだな、今朝から私は多数の生徒から相談を受けているんだ」

平塚「『好きな女性が目の腐った男に誑かされているのですがどうしたらいいですか?』とか『学校内で誰にも見つからない場所ってありますか? 出来れば人一人隠せるようなスペースがあると最高なんですが……』とか『比企谷八幡という男子生徒を社会的に抹頃したいのですが何をするのが最適でしょうか?』といった事をだな、それはもううんざりするほど……」


額に手を当てハァ…と重い溜息をこぼす平塚先生。 

…………やべぇ、事態は想像以上に深刻だ。

このままだと俺、肉体的にも精神的にも社会的にも追い詰められて、学校を自主退学するしかなくなっちまう……ッ!


↓3 八幡はどうする?

937: 2013/04/01(月) 10:46:19.84 ID:5o2NDvahO
こんなところにいられるか!!俺は奉仕部の部室に行かせてもらう!!と、ゆきのんを連れて奉仕部の部室へ。しかし、そこには由比ヶ浜がいて泣いていた。

940: 2013/04/01(月) 11:41:37.13 ID:L3QxBlOx0

比企谷「……こ、こんなところにいられるか!! 俺は奉仕部の部室に行かせてもらう!!」

平塚「なっ!? ま、待て比企谷まだ話は――!」


平塚先生の静止の声を振り切り、俺は職員室を飛び出し雪乃の元へ駆け出す。

もし平塚先生の言っていた事が本当なら、雪乃はおそらく多くの人間から質問攻めにあっているだろう。

いくら完璧主義者の雪乃といえど多勢に無勢、一人で捌ききれる量ではないはずだ。

俺は廊下を全力で駆け抜け、階段を二段飛ばしで進み、J組の教室に到着する。

そこには予想通りの展開が広がっていた。


「朝のあれはどういうことなんですか!?」

「あの目の腐った男がなぜ雪乃様と一緒にいらしたんですか!?」

「何か弱みでも握られているのですか!?」


雪ノ下「……っ」


雪乃の周囲を取り囲んでいるのはほとんどが女子だった。

普段あまり見かけない顔なので、おそらくJ組の女子生徒だろう。


「! お、おい、アレって……!」


すぐそばにいた野次馬の男子生徒が俺の存在に気が付き、それにつられるように教室内の視線が俺へ一斉に注がれる。

その視線の大半が猜疑や怪訝、侮蔑や嘲笑を含んだ粘着質な眼。

それに加えて学園祭での俺の行動を知っている人間もいるのか、怨恨や憤怒に満ちた視線を送る人間もいる。


だがその中で、1つだけ異なる視線を俺へ送る者がいた。


雪乃「比企谷くん……っ」


それは雪乃だった。 

彼女は何かを期待するかのような目で俺を見ている。


比企谷「……っ!」


俺は雪乃の周囲を取り囲む人の群れへ強引に入っていき、雪乃の手を取って教室から一緒に逃げ出した。

向かう先は特別棟の四階にある奉仕部の部室。

ひとまずそこでほとぼりが冷めるまで時間を潰すのがいいだろう。

雪乃の手を引きながら奉仕部の部室に辿り着き、俺は空いている片方の手で扉を開ける。


――だがそこには、既に先客がいた。


由比ヶ浜「……うぅっ、……っ、……ぐすっ、……うぁ……っ」


肩までの茶髪に緩くウェーブを当てて、髪の一部分をお団子状に纏め上げている派手目な格好の女子生徒。

俺と雪乃と同じ奉仕部に所属していながらも、クラス内では上位カーストにいる彼女の名前は由比ヶ浜結衣。


そんな由比ヶ浜が、両頬に大粒の涙を流しながらそこに立っていた。


941: 2013/04/01(月) 12:38:46.63 ID:L3QxBlOx0


比企谷「……由比ヶ浜」


俺の呼びかけに由比ヶ浜はびくっと身震いしてこちらを見る。

由比ヶ浜の両目は真っ赤に染まっていた。

零した大量の涙のせいか、薄く塗られたメイクも少し落ちている。


由比ヶ浜「……っ、…………や、やっはろーヒッキー……っ。……それに、ゆきのんも……」


目元と両頬を自分の袖で拭きながら、由比ヶ浜は無理矢理笑みを作って俺達に挨拶をする。

その表情は見ているだけでとても居た堪れなく、胸が張り裂けそうなほど痛々しい。


由比ヶ浜「……や、やー、なんていうの……? なんか今日は二人とも、……朝から……腕組んで、登校してたって……友達が話してるの聞いて……っ」

由比ヶ浜「……最初はそんなの、ウソだって思ったんだけど……、その現場の写真を、撮った子がいたらしくて……っ。……そんで、あたしがそれを見た瞬間、…………なんか……急に、涙出てきちゃって……っ」

由比ヶ浜「……そのあと友達に心配かけないように、奉仕部の部室に来て……っ、…………一人で泣いてたら、ヒッキー達来ちゃって……、そんで…………っ」


由比ヶ浜は両手を硬く握り締めながら俯く。

垂れた前髪が由比ヶ浜の表情を隠し、彼女の顔に影を落とす。


比企谷「……もういい由比ヶ浜、それ以上喋るな」


もうこんな弱々しい由比ヶ浜は見ていられない。 

天真爛漫な彼女に涙なんて似合わない。

なぜそんな彼女が涙を流さなければいけないのか。

その原因は俺にある。

俺が由比ヶ浜を助けたからだ。

俺が由比ヶ浜と関わったことで、彼女の人生のレールが切り替わってしまった。

俺と関わりを持たなければ、彼女はこんな痛みを伴うこともなかったのだ。

俺が悪い、すべて俺が悪いのだ。

俺の選んだ選択肢は間違っていた。

たとえ三年で卒業できなくなったとしても、あの場面で俺は平塚先生から逃げておくべきだった。

そうすれば、痛々しい勘違いも見当違いの自衛行動もやらずに済んだのだ。


間違っていた、間違っていた、間違っていた間違っていた間違っていた間違っていた間違っていた間違っていた間違っていた間違っていた間違っていた間違っていた。


俺の高校生活は、仄暗いモノクロームの世界のままでよかったのだ。

ラブコメなど無縁で、麗しき友情も不要で、誰にも知られることなく静穏に過ごすべきだった。

間違っている。



――――やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。




942: 2013/04/01(月) 12:52:45.28 ID:L3QxBlOx0

……すみません、この流れではもうバッドエンドしか思い浮かばなくてバッドエンドにしてしまいました。


とりあえず一区切りというかバッドエンドを迎えてしまったので、次の話に移りたいと思います。

次の主人公は女版八幡こと海老名さんです。 キャラ崩壊しないように気をつけて話を進めて行きますね。

では行きます。




海老名「んー暇だなぁ、なにしよっかな」

↓3 海老名はどうする?

945: 2013/04/01(月) 13:02:39.26 ID:p2pP+oPJ0
超高校級の幸運と御曹司のBL同人誌を描く(苗木×十神)

946: 2013/04/01(月) 13:59:26.40 ID:L3QxBlOx0

海老名「あ、そうだ。超高校級の幸運と御曹司のBL同人本でも描こっかな♪」


私はパソコンを起動しSAIを開きペンタブを握る。


海老名「テーマは……うん、『苗十』♪」


キャンパスサイズ大きめに設定し、私は簡単なネームを描き始める。


海老名「……ぐ腐腐腐。苗木っちは総受けの要素も備えてるけど、無邪気な笑みで攻めるのもそそるんだよね♪」


涎が口の端から垂れてるのを自覚しながら、私はネームを描き進める。


海老名「びゃくやんも普段は高圧的な俺様キャラだけど、肝心な所で抜けてるところがまたミソ! 特に苗木っちに論破されたときの焦り顔が……っ、ご馳走様です♪」


溢れ出る涎を何度か拭いながら、私はネームを描き上げる。


海老名「……えっと、台詞は」


ネームを元に下書きを描きながら台詞を入れていく。


苗木『……ねぇ十神クン』

十神『なんだ苗木、俺は忙しいんだ。邪魔をするなら他所へ行け』

苗木『ま、待ってよ十神クン! 昨日の夜のことなんだけど……』

十神『ッ! ……苗木、俺はお前に昨夜見た事は忘れろと言ったはずだが?』

苗木『……で、でも昨日の十神クンのあんな姿を見て、忘れることなんて、ボクには出来ない……っ』

十神『……あれは何かの間違いだ。お前は何も見ていない』

十神『いいか? 昨夜の事は忘れろ。……もしくは俺が直々に忘れさせてやろうか?』

苗木『……無理だよ。十神クンには、ボクを快楽に溺れさせることなんて出来やしない』

十神『ほう? その根拠はなんだ苗木』

苗木『……根拠? ……うん、その根拠はね』


苗木『十神クンの模擬刀はサイズが小さすぎるんだよ! あんな脇差程度じゃボクの鞘は満足しないんだ!』


十神『ぐぬっ!?』



海老名「……ぐ腐腐、背が高いクセに小振りな模擬刀……。そのギャップにhshs!!」


そのあと数時間掛けて描き上げ、私はその作品をpixivにアップした。

そして数分も立たない内に『栗御飯とカメハメ波』さんからコメントが寄せられる。 ……いつもコメントが早いけど、暇人なのかなこの人?


海老名「……ふぅ、疲れた。ちょっと気分転換に外へ出掛けよっかなぁ」


↓3 海老名はどこへ向かう?

949: 2013/04/01(月) 14:29:36.52 ID:p2pP+oPJ0
とらのあな

951: 2013/04/01(月) 15:12:37.52 ID:L3QxBlOx0
>>950さん 腐女子じゃありません、私はDKです。 ロンパネタはネットから必氏こいて持って来ただけですのであしからず。



【とらのあな】


店員「いらっしゃいませー」


海老名「(えっと、ハイキューと黒バスの新刊は……あった!)」


私はバスを乗り継いでとらのあな千葉店へやって来た。

この千葉支店は千葉中央駅東口から歩いて1分という立地に建っているからか、休日の混み具合は半端じゃない。

現在も店の中は異様な熱気が立ち込めている。……エアコンちゃんと効いてるハズなんだけどなぁ……。

とりあえず私はその2冊を持ってレジに並ぶ。


海老名「(影山×日向と赤司×黒子が私のジャスティス! 原作はようやく赤司様のターンが回ってきたし、そろそろ黒バスの同人描いてみよっかなぁ)」


筆舌には尽くしがたいことをアレコレ妄想しながら会計を待つこと数分、ようやくレジが開く。


店員「二点で840円になります」

海老名「はい」


私は500円玉を二枚出し、お釣りの160円と商品を受け取って私は店を出る。


海老名「(……この間のコミケではあんまりビビッとくる作品がなかったからなぁ、500円が余ってしょうがないよ)」


パンパンに膨らんだ小銭入れに私は思わず溜め息をこぼす。 

――ハッ! ……パンパンに膨らんだ袋……、これは使える……ッ! ぐ腐腐……。


↓3 このあとはどうする?

954: 2013/04/01(月) 15:26:18.53 ID:Iw+YOYubo
とりあえずコーヒーでも飲む

955: 2013/04/01(月) 16:09:22.44 ID:L3QxBlOx0

海老名「うーん、ちょっと喉が渇いたから近くの喫茶店に入ってコーヒーでも頼もう」


私はすぐ近くにあった喫茶店へ足を運んだ。


店員「いらっしゃいませ。お一人様でよろしいですか?」

海老名「はい」

店員「ではあちらのお席へどうぞ」


店員に窓際の二人掛けのテーブルを勧められ、私は椅子を引いてそこに座る。


店員「ご注文はお決まりでしょうか?」

海老名「えっと、アイスコーヒーを1つ」

店員「かしこまりました」


そう言ってギャルソンに身を包んだ店員は店の裏側へ戻っていった。 

……あ、そういえば黒執事の最新刊もでてたんだけ。

うっかり買いそびれちゃったなぁ、……ま、また買いに行けばいいよね。


店員がアイスコーヒーを配膳するまでの暇潰しに、私は買った漫画を読む。 


海老名「(……ぐ腐腐、このユニフォームから覗く脇がたまりませんなぁ……じゅる)」


涎を垂らしながら、私は漫画をじっくり読み進めていく。

そしてふと何気なく顔をあげると、そこには私の見知った顔があった。


↓3 そこにいたのは? 以下より選択

①比企谷八幡 ②葉山隼人 ③雪ノ下雪乃 ④その他(選択された際に再安価)

958: 2013/04/01(月) 16:22:40.21 ID:3l4FUlkV0
1

959: 2013/04/01(月) 16:50:07.47 ID:L3QxBlOx0

海老名「(あれ、ヒキタニくんだ)」


そこにいたのは氏んだ魚のような目をしたヒキタニくんだった。

カウンター席に一人で腰掛け、アイスコーヒーを啜っている。


海老名「(どうしよっかなぁ、声をかけてみる……?)」


↓3 八幡に声をかける? 以下より選択

①声をかける ②声をかけない

963: 2013/04/01(月) 19:38:45.53 ID:L3QxBlOx0

海老名「(……いや、ヒキタニくんに話しかけても彼と話すことは何もないし、やめとこう)」


そのあと私が届いたアイスコーヒーを受け取ると同時に、ヒキタニくんは席を立って店から出て行った。


海老名「(さて、読書の続き続きっと)」


アイスコーヒーを飲みながら、私は読書に耽る。

こうして趣味に打ち込んでる時間が、私にとって一番の至福だ。

かつての私は、この趣味に生きることの素晴らしさを知らなかった。

自分の世界は学校と家庭しかないと、そう信じて生きてきた。

……それが原因で色々と苦労したけど、でも今は違う。

私はBLで友達が出来た。趣味にのびのびと生きることで、新しい世界が開けたのだ。

たまにカップリングとかで衝突したりするけど、それでも誰からも相手にされないよりはマシ。 


海老名「(……はぁ、もっと布教しないとなぁ。学校じゃ同士はなかなか見つからないんだよね……)」


アイスコーヒーを一息で飲み干し、私は席を立つ。

会計を済ませて店の外へ出る。 

さて、次はどこに行こうかな?


↓3 海老名はどこへ向かう? 以下より選択

①近所の古本屋 ②コンビニ ③自宅 ④メールが届く(差出人記入)

966: 2013/04/01(月) 21:17:25.17 ID:4gQts7qiO
4結衣から

968: 2013/04/02(火) 06:21:21.98 ID:LuqcupLi0
↓3 どんな内容のメール?

971: 2013/04/02(火) 07:47:33.08 ID:2wyrdRojo
パーティーのお誘い

972: 2013/04/02(火) 08:19:18.38 ID:LuqcupLi0

海老名「……! メールだ、えっと……結衣からだ」


ebina's mobile

『FROM  結衣
 TITLE やっはろー
 MESSAGE こんど優美子の家でパーティーやるんだって(^v^) 姫菜もいくよね?!』


海老名「(パーティー……、たぶんこの間の文化祭の打ち上げも兼ねてやるのかな?)」

海老名「(でも文化祭のあとは後夜祭で盛り上がったし……。――あ、隼人くんの部長襲名祝いとかかな?」


サッカー部の次期部長候補として名前が上がっていた隼人くんは、つい最近部長になったようだ。 

サッカーといえばイナイレ、……最近はイナGOのクロノトリガーだっけ? ……私はイナイレの方が好きだったなぁ。


とりあえず私は『そうなんだ。でもいつやるの?』と返信しておいた。 ……結衣からのメールはいつもなにか抜けてるんだよね。


数分待っていると、結衣からの返信がくる。

どうやらパーティーは明日の日曜日にやるようだ。 ……きゅ、急だなぁ……。

しかし明日は特に予定はないので、私は『うん、わかった。それじゃあまた明日』と結衣に送信。


海老名「……さて、今日はそろそろ家に帰ろっかな。――あ、黒執事の新刊買ってかないと!」


私はとらのあなに再び立ち寄り、目的の新刊を買って帰路に着いた。




そして翌日、私は優美子の家を訪れる。

↓3 パーティーに呼ばれていたのは? 以下より選択

①いつものメンバー(葉山、戸部、大和、大岡、由比ヶ浜) ②由比ヶ浜のみ

979: 2013/04/02(火) 14:32:13.08 ID:LuqcupLi0

優美子の母親にリビングへ通されると、そこには優美子と結衣がいた。


海老名「はろはろ~」

由比ヶ浜「あ、姫菜! やっはろー!」

三浦「海老名、遅いし」


リビングに置かれたソファに長い足を組みながら座る優美子と、その隣でちょこんと小さく座る結衣。

座り方1つで性格って結構出るんだよね。

優美子は王女様で、結衣は借りてきた猫……いや、子犬かな?

そんな二人を観察しながら、私は二人の対面に座る。


海老名「ごめんごめん、ちょっと支度に手間取っちゃって……」


深夜までBL本読んでたら少し寝坊したなんて言えないよね、たぶん言ったら火に油だもん。

だからこの場面は適当な理由をつけて誤魔化す。


三浦「……あっそ、ならいいけど」


優美子は自分のゆるふわウェーブの髪を軽く指先で捻りながら結衣の方を見る。

どうやら話を始めろと無言の圧力で結衣に訴えているようだ。


由比ヶ浜「え、えっと、そ、それじゃあパーティー始めよっか! い、イエーイ!」

海老名「イエーイ!」

三浦「……、」


……流されるまま結衣につられたけど、そもそもこのパーティーってなんなのかな?

そんな私の胸中の疑問を察したのか、結衣が身振り手振りで私に説明してくる。


由比ヶ浜「え、えっと、今日は文化祭でいろいろ頑張った姫菜へのお疲れ様会みたいな感じで、あたしがみんなに呼びかけて開いたんだけど……」


徐々に声がフェードアウトしていく結衣。

目線が下に向けられ、なんだかとても申し訳なさそうにしている。

そんな結衣を見かねたのか、不機嫌そうな表情を浮かべている優美子が口を開く。


三浦「隼人、なんか急に部活入ったんだって。ついさっき連絡あったし。あと他の二人も」

海老名「あー、……なるほど。だから私達しかいないんだね」

由比ヶ浜「うぅ……、まさかこんなことになるなんて……」


980: 2013/04/02(火) 15:16:55.47 ID:LuqcupLi0

海老名「まぁまぁ、そんなに落ち込まないでよ結衣」

海老名「大丈夫だよ、私はこうして休日に一緒にいるだけでも充分嬉しいから♪」

由比ヶ浜「ひ、姫菜……っ!」


私の一言で眼を潤ませる結衣。……大袈裟だなぁ、もう。


海老名「優美子もありがと。パーティー開くために色々と準備してくれたんだよね?」


リビングに置かれたテーブルの上には、たくさんのお菓子やら飲み物が置いてある。

とても女子三人で食べきれる量ではない。たぶん隼人くん達も来るのを想定して用意したんだろうなぁ。


三浦「……ふん。別にあーしはそんなつもりじゃ……」


照れ隠しなのか、鼻を鳴らしてそっぽを向く優美子。 ……まったくもう、素直じゃないなぁ。


海老名「……よーし、それじゃあ優美子の好意を無駄にしないためにも食べるよ結衣!」


私はテーブルの上に置かれているポテトチップス(うすしお)の袋に手を伸ばす。


由比ヶ浜「う、……うんっ! よ、よーし、食べるぞー!」


結衣も私の後を追うように蒟蒻畑(Light)の袋に手を伸ばす。


海老名「……あれ、結衣それノンカ口リーだよ? そんな味気無いのよりも、こっちの普通のヤツを食べればいいのに」

由比ヶ浜「ぎくっ!? え、えーっと、それには深いわけが……」

海老名「……なになに、もしかして結衣………………太った?」

由比ヶ浜「ッ!? そ、そそそそんなわけないじゃん!!? ぜ、ぜんぜん! ぜんぜん太ってなんかないよッ!?」

海老名「……ふぅん、そっかぁ」

由比ヶ浜「うんうん! 太ってない! あたしは太ってないよ!!」

海老名「太ってないなら、こっちの普通のやつを食べても問題ないよね?」

由比ヶ浜「は!? ……し、しまったー! 素直に白状しとけばよかったー!?」

海老名「こっちのチョコパイもオススメだよ~。ほらほら~」

由比ヶ浜「ぐ、ぐぬぬぬ……っ! ……た、食べたいけど、食べたら体重が~っ!!」

三浦「……なにしょーもないことで騒いでんの? チョコパイ食べないならあーしもらうかんね」

海老名・由比ヶ浜「「あ」」


そんな感じでわいわいと盛り上がりながら、楽しいひと時はあっという間に過ぎていった。


981: 2013/04/02(火) 15:19:25.88 ID:LuqcupLi0
↓3 このあとはどうする?

983: 2013/04/02(火) 16:53:59.63 ID:9WoPHhG2o
恋バナに限る

985: 2013/04/02(火) 20:57:50.23 ID:LuqcupLi0

由比ヶ浜「……うぅ、結局食べてしまった……」

海老名「だ、大丈夫だよ結衣。来月は体育祭だし、その食べた分運動すれば問題ないって♪」

由比ヶ浜「そ、そうは言ってもなぁ……。あたしあんまり運動得意じゃないし、なにか他に方法があれば……」

海老名「う~ん、じゃあ何か目標立ててみたらどうかな?」

由比ヶ浜「目標?」

海老名「うん、目標。たとえば好きな人に振り向いてもらうために減量する……とか。明確な目標があれば人間結構頑張れるものだよ?」

由比ヶ浜「す、すすす好きな人にッ!? ……あ、あたしそんな人いないしッ!」

三浦「……あれ、結衣あんたヒキオと付き合ってんじゃないの?」

由比ヶ浜「は、はあっ!?  そ、そそそんなわけないじゃん何言ってるの優美子ッ!? べ、べべべ別にヒッキーとあたしはそんな関係じゃ――!」

三浦「……結衣、あーしそーゆー意味で言ったんじゃないんだけど?」

由比ヶ浜「……そ、そうなの? ……じゃ、じゃあ優美子はどういう意味で言ったの……?」

三浦「あんたよくヒキオと話してるじゃん。だから付き合ってるっしょ?」

海老名「あー……、そっちの意味ね」

由比ヶ浜「(ま、まぎらわしい……)」

三浦「あーしらのグループ以外で結衣のまわりにいる男子はヒキオだけ」

三浦「それに結衣、あんたあーしらのグループの男子に興味ないっしょ?」

由比ヶ浜「う、うん」

三浦「じゃあヒキオしか結衣が興味を惹かせようと頑張る相手はいないわけでしょ」

三浦「だからヒキオに気づいてもらえるように頑張るとかでいいんじゃん?」

三浦「……ま、あーしはそんくらいしか言えない。どうするかは結局結衣次第だし、だからあーしはこれ以上は口出ししない」

由比ヶ浜「優美子……」

海老名「どうするの結衣?」

由比ヶ浜「…………うん、優美子もこう言ってるし、あたしもちょっと思うことあるから……。あたし、頑張ってみる!」

海老名「……そっか。ファイトだよ結衣!」

由比ヶ浜「うん♪ ……よーし、頑張るぞー!」


986: 2013/04/02(火) 21:01:42.14 ID:LuqcupLi0
これ恋バナ? なんか違う気が……。

このままだと女子3人の他愛ないトークが続きそうなんですが、どうしますか?

皆さんの意見を聞きたいです。

989: 2013/04/02(火) 22:13:12.72 ID:LuqcupLi0
わかりました。ではもう少しガールズトークをしようと思います。

↓3 トークの内容

ちなみに続きは次のスレでやります。

タイトルが変更されているのでご注意下さい。

比企谷「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」雪ノ下「その2ね」



引用元: 【安価】そうして比企谷八幡は安価で行動を始める