1:◆qqtckwRIh. 2014/11/06(木) 14:23:02 ID:VgEwVmrM
 
北風「ナニすんの?」

太陽「ナニってなんだよ。乱暴する気?」

北風「どうやってすんだよ」

太陽「はっはっは、そんな勇気ないもんな」

北風「いや、それ以前の問題だと思うんだが。俺ら、そういう種じゃねーし」

太陽「…!?」

北風「いや、ナニ驚いてるの?」

太陽「…乱暴する気!?」ハッ

北風「もういいよ、そのネタいらねえから」
江戸前エルフ(8) (少年マガジンエッジコミックス)
2: 2014/11/06(木) 14:23:45 ID:VgEwVmrM
 
太陽「…」

太陽「…暇だったから、からかったんだよ」


北風「あぁ、そう」

太陽「…」

北風「…」

太陽「…」


北風「…暇じゃね」

太陽「暇だな」

北風「なんかないの?」

太陽「ナニもないよ」

北風「だからもうイイっつってんだろそのネタは!」

3: 2014/11/06(木) 14:24:26 ID:VgEwVmrM
  
太陽「ぶぅ~」ブスゥッ

北風「…かわいくないよ?」

太陽「最近のネタってこういう感じじゃないの」

北風「人間たちのネタか?」

太陽「そうそう」


北風「…人間と遊んだのはかなり前だからな。最近のことは知らないぜ」

太陽「遊んだっつーか、どっちが服を脱がせられるか勝負したときな」

北風「あの話、"北風と太陽"っていう題名で、絵本になってるらしいんだよな」

太陽「あぁそれな。俺も聞いたが、あれにあのこと書いてなかったよな」

北風「あのこと?」

4: 2014/11/06(木) 14:25:06 ID:VgEwVmrM
 
太陽「有名な絵本だと、俺の勝ちしか書いてないらしいんだ」

北風「はっ?」

太陽「…」


北風「待てよ。あの勝負、引き分けだったじゃん」

北風「それをナニ?お前の勝利しか書いてないの?」


太陽「…乱暴」ボソッ

北風「もうそのネタいらねぇっつってんだろうが!!」

太陽「…そんな怒らなくてもいいじゃないっ!」グスッ


北風「なんだよそのブリっこは!うぜぇからやめとけ!!」

北風「つーか、俺が言いたいのはそんな!ことじゃ!なくっ!」

北風「なんで、お前の勝利だけ描かれてんの!!」

5: 2014/11/06(木) 14:25:36 ID:VgEwVmrM
  
太陽「本当は…さ、先にお前が…脱がしてたのに…な?」ポッ

北風「赤くなってんじゃねえええ!!言い方が紛らわしいんだよ!」

太陽「恥ずかしいこと言うと、私は照れるんです。太陽だけに」キリッ

北風「ナニ上手いこと言ったつもりでキリっとしてんの!?うまくないし、ナニもなってないからねそれ!!」

太陽「…ナニ!?らん」

北風「…言わせねぇぞ!?」


太陽「…」

北風「はぁ…はぁ……」

太陽「…」

北風「はぁ……」

太陽「…落ち着けよ」ニッコリ

北風「うるせえよ!!」

6: 2014/11/06(木) 14:26:21 ID:VgEwVmrM
 
太陽「…とまぁ、冗談はおいといて」

太陽「あの時、確か2回の勝負だったんだよな」


北風「…そうだよ。最初の奴が、でっけぇ帽子かぶってたな」

太陽「俺が脱がそうとしてジリジリやったら、逆に帽子深くかぶったんだっけ」

北風「日差しが強くて、直接当たりたくなかったとかな」

太陽「それで、お前が猛烈な風で吹き飛ばして。お前の勝ちだったと」

北風「2人目は、コート脱がし勝負で。お前がジリジリとやって脱がせて。俺が負けたと」


太陽「…その2人目だけが、絵本になってるみたいだぜ」

北風「なんなのそれ」

太陽「いや、俺に言われても」

北風「…面白くねぇな」

7: 2014/11/06(木) 14:27:07 ID:VgEwVmrM
 
太陽「人間たちの考えることは分からん。俺のホクロがでっかくなっただけで一喜一憂するやつらだぜ?」

北風「その黒い斑点?」

太陽「そう。肌が粗く見られるから嫌なんだけどなぁ」

北風「ホクロだったのかよそれ」

太陽「常に、誰かに見られてる存在だぜ?綺麗で美しくいたいよ全く」

北風「あ~…。それは心中察するわ」

太陽「その点、お前は最後までチョコたっぷりだよな」

北風「え?」

太陽「…え?」

北風「今、なんつった?」

太陽「…」

北風「…おい、太陽。なんだ、俺が最後までチョコたっぷりって」


太陽「…」

太陽「う、うるせぇぇ!!」

8: 2014/11/06(木) 14:27:39 ID:VgEwVmrM
 
北風「はぁ!?逆キレかよお前!!」

太陽「このネタが分からないやつだったよ、お前は!!」

北風「人間たちのネタだっつーなら、俺はしらねぇよ!!お前ほど詳しくないんだよ!!」

太陽「まぁ仕方ないか……」

北風「んだよ…」


太陽「…」

北風「…」

太陽「…」

北風「…」

9: 2014/11/06(木) 14:28:15 ID:VgEwVmrM
 
太陽「…暇だ」

北風「暇…だな」


太陽「…」

北風「…」

太陽「…」

北風「…」


太陽「…そうだ。また、勝負しないか?」

北風「お?」

太陽「昔みたく、旅人がいる時代じゃないからルールも変えないといけないけど」 
 
北風「…いいぜ!どんな勝負にする?」

10: 2014/11/06(木) 14:28:49 ID:VgEwVmrM
  
太陽「…どんなルールにしようか」

北風「難しいな。服を脱がすだけじゃダメなのか?」

太陽「それは今は、倫理的にいろいろと問題がある」

北風「そ、そうか…」


太陽「…」

太陽「…」

太陽「…そうだな、お前は冷たいもんが得意だろ?」


北風「あぁ」


太陽「逆に、俺は熱いのが得意だ。そうだろ?」


北風「まぁ……」

11: 2014/11/06(木) 14:29:19 ID:VgEwVmrM
 
太陽「だったら…」

太陽「…」

太陽「…」

太陽「…」

太陽「…ところで最近、俺のホクロが少し大きくなってきてさ」ハッ


北風「うぉぉおい!!勝負のルール考えつかなかったからって、話そらすな!!」

北風「つーか、その話はさっき聞いたわ!!お爺ちゃんかよ!!」


太陽「…ふえぇ」

北風「ふえぇじゃねえよ!!」

太陽「…ちっ」

北風「勝負が思いつかなかったなら、素直にそう言えよ!」

12: 2014/11/06(木) 14:30:08 ID:VgEwVmrM
  
太陽「…公平なルールなんて思い浮かぶかよ」

北風「…」

太陽「つーか、お前さっきお爺ちゃん言ったな、俺のこと!失礼な!」

北風「…お爺ちゃんだろうが!何歳だお前は!」

太陽「ピチピチの50億歳くらいだよ!!」

北風「…じいちゃんだよそれは!!」

太陽「お前だって、地球誕生してから生まれたんだから45億歳くらいじゃねえか!」

北風「5億歳違ったら、ぜんぜんちげぇだろうが!!」


太陽「ぐ…ぐぬっ…!!

太陽「っつーか!!それより!!お前なぁ…!!」


北風「あんだよ!!」

13: 2014/11/06(木) 14:30:45 ID:VgEwVmrM
 
太陽「お爺ちゃんだと…!?俺はな、女だぞ!!」


北風「…」

北風「…えっ?」


太陽「え?じゃねえよ!!」

北風「え、だって…。お前、オルペウス教とかで男って……」

太陽「昔の人間の宗教だと太陽は男、月が女だったとか、そう言われてたけど!俺は女なの!」

北風「…メス?」

太陽「そう、メス!!」

北風「…え?ま、待って。マジで?」

太陽「…マジで。まさか、ずっと男だと思ってたの?」

北風「そりゃ…まぁ……」

14: 2014/11/06(木) 14:31:17 ID:VgEwVmrM
 
太陽「…ひどい」グスッ

北風「えっ!ち、ちょっと待てって…!」

太陽「北風…ひどいよぉ……」ヒグッ

北風「ちょっ…!わ、悪かったって!!」

太陽「うっ…うぇ……」グスグス

北風「ゴメンってば!!」


太陽「…」

太陽「まぁ、ウソなんだけどな」


北風「」


太陽「俺らに性別があるわけねーべ。バカかお前は」

北風「こ…頃す……」

15: 2014/11/06(木) 14:31:49 ID:VgEwVmrM
 
太陽「はっはっはっはっ!!」

北風「…」


太陽「…」

北風「…」

太陽「…」

北風「…」


太陽「…暇だな」

北風「暇…だな」


【 終 わ り 】

16: 2014/11/06(木) 14:32:22 ID:VgEwVmrM
 
今日は平日休みをいただいて時間があったので、

思いついたままに書き起こし、ネタとして投下しました。

ありがとうございました。

17: 2014/11/06(木) 14:42:17 ID:lDNeyjyI
剣士の人かwww

18: 2014/11/06(木) 14:46:15 ID:jfmjBQqo
まさかの小ネタだったけど、宗教神話もちだして笑い飛ばす辺りがさすがwww

引用元: 北風「…暇じゃね?」太陽「なんかする?」