1:◆sldIaflcec 2014/02/18(火) 11:42:41.92 ID:+jgHxRBY0
闇の帝王「遂に追い詰めたぞ、貴様らの命はここまでだ!」

ロン「ハリーはやらせないぞ! 僕たちが相手になってやる!」

ハーマイオニー「ええ、あなたの相手はロンが務めるわ!」

ハリー「・・・」

ロン「ハリー?」

ハーマイオニー「どうしたの? 何か名案が思いつきそうなの?」

闇の帝王「ふはは、俺様を前にして急に怖気づいたのか?」

ハリー「いや、こいつの名前が思い出せないんだ」

闇の帝王「!?」



2: 2014/02/18(火) 11:44:03.12 ID:+jgHxRBY0
闇の帝王「俺様の名前を忘れたというのか、ポッター!」

ハーマイオニー「ハリー、何言ってるのよ、こんなときに!」

ロン「そうだよ、こいつの名前なんてロックハートのバカげた授業並みにどうでもいいことじゃないか!」

ハリー「確かにそうなんだけど、歯に百味ビーンズが挟まったときみたいに気になるんだよ」

闇の帝王「貴様ら、黙って聞いておれば俺様を侮辱しおって・・・」

3: 2014/02/18(火) 11:45:34.20 ID:+jgHxRBY0
ハリー「ロン、君には闇の帝王の名前がわかるのかい?」

ロン「モチのロンだよ、僕を誰だと思ってるのさ」

ハリー「すごい! 鼻たれロニー坊やのくせに!」

ハーマイオニー「流石ね! 腐ってもウィーズリー家ね!」

闇の帝王「ほう、なかなかやるではないか、流石はポッターの友人といったところか」

ロン「よせよ君たち、褒めても何も出ないぜ」

4: 2014/02/18(火) 11:46:25.96 ID:+jgHxRBY0
ハリー「で、こいつの名前は一体何なんだ?」

ロン「聞いて驚くなよ?」

ハリー「もったいぶるなよ、そばかす」

ハーマイオニー「早く言ってちょうだい、へぼキーパー」

ロン「この男の名前は・・・」

闇の帝王「・・・」ゴクリ

ロン「名前を言ってはいけないあの人だよ!」

闇の帝王「」

5: 2014/02/18(火) 11:47:14.49 ID:+jgHxRBY0
闇の帝王「今は、その名前を聞いておるのだ!」

ロン「おったまげー!」

ハリー「全く、君はゴイルよりも役に立たないね」

ハーマイオニー「あなたに期待したのが間違いだったわ」

ロン「でも、闇の帝王の名前に少し近づけたよ」

ハリー「・・・ほんのちょっとだけどね」

ハーマイオニー「・・・! わかったわ、闇の帝王の名前が!」

6: 2014/02/18(火) 11:48:43.02 ID:+jgHxRBY0
ハリー「本当かい!?」

ロン「流石、僕のハーマイオニーだ、フゥ~ッ!」

闇の帝王「では、声高らかに言ってみろ、俺様の名を!」

ハーマイオニー「闇の帝王の名前は、名前を言ってはいけない例のアレよ!」

闇の帝王「」

ハリー「なるほど、確かにしっくりくるよ!」

ロン「フゥ~ッ! フ~ウゥッ!!」

闇の帝王「いや、間違ってる! まだ赤毛の方が近かったぞ!」

7: 2014/02/18(火) 11:49:29.49 ID:+jgHxRBY0
ハーマイオニー「・・・そんな、私が間違えるなんて・・・」

ハリー「気にするなよ、ハーマイオニー」

ロン「そうだよ、わかりにくい名前にした例のアレが悪いんだ!」

闇の帝王「例のアレって言い方をやめろ!」

ハーマイオニー「でもこれでまた闇の帝王の名前に近づくことができたはずよ」

闇の帝王「いや、ちょっとだけ遠ざかったぞ!」

8: 2014/02/18(火) 11:53:13.14 ID:+jgHxRBY0
ハリー「・・・名前を言ってはいけない・・・例のアレ・・・ハッ!」

ロン「どうした、ハリー?」

ハーマイオニー「何か気づいたの?」

ハリー「ああ、ハーマイオニーのおかげだけどね」

ハリー「名前を言ってはいけない例のアレ・・・要するに、闇の帝王の名前は放送禁止用語ってわけだ!」

ハリー「つまり闇の帝王の名前は[ピーーー]だ!」

ハーマイオニー「まあ!」

ロン「うわぁ・・・」

闇の帝王「」

9: 2014/02/18(火) 11:54:09.04 ID:+jgHxRBY0
ハーマイオニー「何てこと、だから私に名前を言わせようとしてたのね!」

ロン「なんてヤツなんだ、マルフォイより最低な奴じゃないか!」

闇の帝王「違う! 俺様の名前はそんな卑猥なものではない!!」

ハリー「黙れ[ピーーー]!」

ハーマイオニー「最低の魔法使い[ピーーー]!」

ロン「変態[ピーーー]!」

闇の帝王「やめろ!!」

10: 2014/02/18(火) 11:55:34.59 ID:+jgHxRBY0
闇の帝王「名前を言ってはいけないというのは、みなが恐怖するからだ! 決して卑猥なものだからではない!!」

ロン「な、何だって!?」

ハリー「そんな・・・僕の名推理が・・・」

ハーマイオニー「落ち込まないで、ハリー。悪いのは闇の帝王よ」

闇の帝王「くっ、後で覚えておけよ・・・」

14: 2014/02/18(火) 12:44:03.32 ID:+jgHxRBY0
ハーマイオニー「でも、また振り出しに戻ってしまったわね」

ハリー「・・・ああ」

闇の帝王「元から振り出しから動いていないようなものだ・・・」

ロン「・・・言ってはいけない・・・みなが恐怖する名前・・・そうか!」

ハリー「ロン、答えがわかったのかい?」

ロン「ああ、こんどこそ間違いないはずだよ!」

ハーマイオニー「すごいわ、ロン! チェスだけが取り柄じゃなかったのね!」

闇の帝王「・・・あまり期待は出来ぬが、言ってみろ」

15: 2014/02/18(火) 12:45:38.83 ID:+jgHxRBY0
ロン「闇の帝王の本当の名前は・・・」

ハリー「」ゴクリ

ハーマイオニー「」ゴクリ

闇の帝王「」ゴクリ

ロン「ミッk」

闇の帝王「ステューピファイ!!」

バーン

ロン「」

ハリー「ローーーーーーーーーーーーーーン!」

ハーマイオニー「きゃああああああああああああああ!」

闇の帝王「あ、危なかった・・・」

16: 2014/02/18(火) 12:48:19.07 ID:+jgHxRBY0
ハリー「よくもロンを!」

ハーマイオニー「絶対に許さないわ!」

闇の帝王「落ち着け、気絶させただけだ」

闇の帝王「この世には、絶対に手を出してはいけないものがあるのだ」

闇の帝王「この赤毛は、それに手を出そうとした」

ハリー「ならしかたないな」

ハーマイオニー「ええ、そうね」

闇の帝王「貴様ら本当に友人なのか・・・」

19: 2014/02/18(火) 13:52:50.14 ID:+jgHxRBY0
ルシウス「我が君、やっと見つけましたよ!」

闇の帝王「!」

ハーマイオニー「あなたはマルフォイの父親の!」

ハリー「ルシウス・マルフォイ!」

闇の帝王(ルシウスの名前は覚えているのか・・・)

20: 2014/02/18(火) 13:54:12.56 ID:+jgHxRBY0
ルシウス「遂にハリー・ポッターを追い詰めたのですね」

闇の帝王「ああ・・・ところでルシウス?」

ルシウス「はっ、何でございましょうか?」

闇の帝王「お前は、俺様の名前を当然知っているだろう?」

ルシウス「も、もちろんでございます!」

21: 2014/02/18(火) 13:55:11.03 ID:+jgHxRBY0
闇の帝王「では言ってみよ」

ルシウス「し、しかし、私めが口にするなど、とてもおこがましく・・・」

闇の帝王「俺様が許す、さあ」

ルシウス「えっと、あの・・・」

ハリー「・・・」ジー

ハーマイオニー「・・・」ジー

闇の帝王「・・・」ギロリ

ルシウス(に、逃げられない・・・)

22: 2014/02/18(火) 13:56:43.09 ID:+jgHxRBY0
ルシウス「や、闇の帝王の名は・・・」

闇の帝王「・・・名は?」

ルシウス「ヴ・・・」

闇の帝王(おっ!)

ルシウス「ヴァルデモート卿でございます!」

闇の帝王「間違いだ! ステューピファイ!!」

バーン

ルシウス「」

ハリー「・・・」

ハーマイオニー「・・・」

闇の帝王「くそっ、使えぬ男め!」

26: 2014/02/18(火) 14:32:08.95 ID:+jgHxRBY0
ハリー「・・・」ジトー

ハーマイオニー「・・・」ジトー

闇の帝王「何なのだ、その生温かい視線は!?」

ハリー「別に・・・」

ハーマイオニー「部下にも名前を覚えてもらえないなんて・・・」

闇の帝王「だ、だが今までで一番近かったぞ!」

27: 2014/02/18(火) 14:33:22.78 ID:+jgHxRBY0
ハリー「近い? ヴァルデモートが?」

ハーマイオニー「言われてみれば、そんな気もするわね」

闇の帝王「あとちょっとだから、ほんの少し変えるだけでいいから!」

ハリー「少し変えるだけ・・・」

ハーマイオニー「ヴィルデモートとか?」

闇の帝王「そう、その調子だ! グレンジャー!」

28: 2014/02/18(火) 14:34:27.87 ID:+jgHxRBY0
ハリー「その調子ってことは、次は・・・ヴゥルデモート?」

闇の帝王「どんどん答えに近づいているぞ!」

ハーマイオニー「それじゃあ、ヴェルデモート!」

闇の帝王「惜しい、あとほんのすこし!」

ハリー「わかったぞ、ヴヵルデモートだ!」

ハーマイオニー「そう、それよ!」

闇の帝王「貴様ら、わかってて俺様をおちょくっているだろう・・・」

ハリー「ヴヵルデモートじゃないのか?」

闇の帝王「違う! というかどうやって発音しているんだ・・・」

29: 2014/02/18(火) 14:37:37.33 ID:+jgHxRBY0
闇の帝王「もう一度、ヴァルデモートからやり直すのだ、ポッター!」

ハリー「え~、めんどくさっ」

ハーマイオニー「もう答え言っちゃいなさいよ」

闇の帝王「ここまできたら何としても思い出させてやるぞ!」

ハリー「・・・頭痛が痛いよ」

31: 2014/02/18(火) 14:40:11.05 ID:+jgHxRBY0
闇の帝王「さあ、ヴァルデモートからスタートだ!」

ハリー「・・・ん~」

ハーマイオニー「・・・全く見当もつかないわ・・・」

闇の帝王「何でもいいから、答えてみろ!」

ハリー「モデラート!」

闇の帝王「違う!」

ハーマイオニー「プリンアラモード!」

闇の帝王「違う!」

ハリー「レイフ・ファインズ!」

闇の帝王「ある意味正解だけど、違う!」

32: 2014/02/18(火) 14:42:17.14 ID:+jgHxRBY0
闇の帝王「ヴァルデモートが今までで一番近いってさっき言っただろう! というかほぼ答えだから!」

ハリー「!」

ハーマイオニー「!」

闇の帝王「遂に気がついたか・・・」

ハリー「ああ、やっとわかった!」

ハーマイオニー「私としたことが・・・いまやっと思い出したわ!」

闇の帝王「では、遠慮せずに言うのだ、ポッター!」

ハリー「お前の名は・・・」

闇の帝王「・・・」ゴクッ

ハリー「ボルデモートだ!」

闇の帝王「・・・まあ、うん・・・いつかくるな~とは思っていたさ・・・」

33: 2014/02/18(火) 14:43:09.34 ID:+jgHxRBY0
ハーマイオニー「違うわ、ハリー。そうじゃない」

ハリー「えっ、そうなのか」

闇の帝王「グレンジャー・・・」

ハーマイオニー「Boldemortよ」

闇の帝王「そういう問題じゃないから・・・」

34: 2014/02/18(火) 14:59:04.35 ID:+jgHxRBY0
闇の帝王「くそっ・・・どうして俺様の名を覚えていないんだ」ガクッ

ハリー「お前が悪いんだぞ」

ハーマイオニー「覚えにくい名前なんかにするから」

闇の帝王「こうなったら、貴様らを頃して俺様も氏んでやる!」

?「もうよさんか、トムよ」

闇の帝王「・・・お前は」

ハリー「ダンブルドア!」

35: 2014/02/18(火) 15:00:33.63 ID:+jgHxRBY0
ダンブルドア「もういいじゃろう、お主は十分やったよ」

闇の帝王「・・・」

ダンブルドア「さっ、醜い争いなど終わらせようではないか」

闇の帝王「・・・しかし、俺様はもう・・・」

ダンブルドア「大丈夫じゃ、ワシがついとるからのぉ」

闇の帝王「ダンブルドア・・・」

36: 2014/02/18(火) 15:01:26.64 ID:+jgHxRBY0
ダンブルドア「ホグワーツでやり直そうではないか」

闇の帝王「・・・やり直せるのか?」

ダンブルドア「ああ、もちろんじゃとも」ニッコリ

闇の帝王「・・・」

ダンブルドア「さあ、一緒に行こうぞ、トム・ブラウン」

闇の帝王「うあああああああああああああああああああああああああ!!」

37: 2014/02/18(火) 15:02:45.63 ID:+jgHxRBY0
~魔法省~

バーン

うわー、闇の帝王が攻めてきたぞ!

いったいなぜ魔法省に!?

闇の帝王「どけ、邪魔をするな!!」

バーン

38: 2014/02/18(火) 15:03:44.70 ID:+jgHxRBY0
~魔法省・神秘部~

闇の帝王「確か、ここにはアレがあったはず・・・」

闇の帝王「あった、見つけたぞ!」

闇の帝王「逆転時計(タイムターナー)だ!!」

闇の帝王「これを使って、俺様は過去を変えるのだ」

闇の帝王「誰にも名前を覚えてもらえない、そんな世界を変えてやる!」

闇の帝王「跳べよぉおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!

48: 2014/02/18(火) 16:00:58.28 ID:+jgHxRBY0
~50年前、スリザリン寮~

トム・リドル「ふはは、ついに完成したぞ!」

トム・リドル「三日三晩徹夜で考えた完璧な名前だ!」

トム・リドル「誰もが口にすることすら恐れる、悪の魔法使いにふさわしい名前!!」

トム・リドル「そう、俺様こそがヴォルデモート卿だ!!」

トム・リドル「我ながら素晴らしいネーミングセンスだな、自分の才能が恐ろしいよ」

闇の帝王「うわぁ・・・見てるだけで背中がむず痒くなってくる・・・」

トム・リドル「!? 誰だ、貴様は!」

49: 2014/02/18(火) 16:03:34.54 ID:+jgHxRBY0
闇の帝王「ほう、俺様に向かって貴様だと?」

トム・リドル「何者だと聞いている!」

闇の帝王「礼儀を知らん奴め」

トム・リドル「深夜に寝室に忍び込んでくるような奴に礼儀を問われたくない!」

闇の帝王「おじぎをするのだ!」

ビューン ヒョイ

トム・リドル「な、なんだ!? 体が勝手に」

ペコリ

闇の帝王「ふっ、それでいい」

トム・リドル「なんたる屈辱・・・」

50: 2014/02/18(火) 16:05:51.09 ID:+jgHxRBY0
闇の帝王「トム、貴様は本当にそれでいいのか?」

トム・リドル「どういうことだ?」

闇の帝王「本当にヴォルデモート卿と名乗ってもいいのかと聞いているのだ」

トム・リドル「貴様、俺様がつけた名前にケチをつける気か!?」

闇の帝王「ああ」

トム・リドル「俺のネーミングセンスを否定すると言うのか!」

闇の帝王「他人に覚えてもらえない名前に価値など無い!」

トム・リドル「何!?」

51: 2014/02/18(火) 16:08:04.89 ID:+jgHxRBY0
闇の帝王「貴様がどれほど悪の魔法使いとして悪名高くなったとしても、例のあの人呼ばわりだぞ」

トム・リドル「何のことだ?」

闇の帝王「俺様が、そうだったようにな」

トム・リドル「ちょっと待ってくれ、話についていけない・・・」

闇の帝王「貴様も薄々感じているのではないか?」

トム・リドル「・・・」

闇の帝王「トムよ、俺様は未来から忠告にきたお前自身だ」

トム・リドル「」

52: 2014/02/18(火) 16:09:37.47 ID:+jgHxRBY0
闇の帝王「どうした、言葉も出ないか?」

トム・リドル「・・・嘘だ」

闇の帝王「嘘ではない、事実だ!」

トム・リドル「嘘だ嘘だ嘘だ!」

闇の帝王「現実を見ろ!」

トム・リドル「未来の俺がこんなにも不細工なわけがない!」

闇の帝王「」

54: 2014/02/18(火) 16:11:51.57 ID:+jgHxRBY0
トム・リドル「さっさと帰れ、偽物!」

闇の帝王「この俺様を侮辱するものは、たとえ俺様自身であっても許さん!!」

闇の帝王「アバダ・ケダブラ!!」

バーン

トム・リドル「」ドサッ

闇の帝王「あっ」

56: 2014/02/18(火) 16:13:21.02 ID:+jgHxRBY0
闇の帝王「・・・しまった」

闇の帝王「ついカッとなって、過去の自分自身を頃してしまった・・・」

闇の帝王「ああ、手が、足が・・・消えていく!」

闇の帝王「うわぁあああああああああああああああああああああああ!!」



こうして闇の帝王は自らの命を断ってしまった。

いまでは、名前を言ってはいけないあの人の名前どころか、存在を知る人すらいない。


おしまい

60: 2014/02/18(火) 16:17:07.08 ID:+jgHxRBY0
読んでくれた人、レスしてくれた人、AAを貼ってくれた人ありがとうございました。


没ネタ

ハリー「JKとローリングしたい」

ダングルドア「ハリー、あきらめるのじゃ・・・」




引用元: 闇の帝王「見つけたぞ、ポッター!」 ハリー(・・・こいつの名前なんだっけ・・・)