1: 2011/12/02(金) 20:29:25.06 ID:nA+4K1f40
永沢「いつも、いつも……」
藤木「どうしたんだい、永沢君。早く帰ろうよぉ」
永沢「ごめん、今日は一人で帰らせてくれないか」
藤木「えっ?」
永沢「じゃあ、また明日」
藤木「う、うん………」
藤木「どうしたんだい、永沢君。早く帰ろうよぉ」
永沢「ごめん、今日は一人で帰らせてくれないか」
藤木「えっ?」
永沢「じゃあ、また明日」
藤木「う、うん………」
4: 2011/12/02(金) 20:32:55.22 ID:nA+4K1f40
藤木君は、いつも僕の側にいた。
だから、今までこの気持ちに気付けなかったんだ。
うっとうしいようで、憎めない性格。
あの青白い唇。
鋭い目。
藤木君の一つ一つが、僕の心をガッチリ掴んで離さない。
……卑怯だよ、藤木君。
僕を、こんな気持ちにさせるなんて……
だから、今までこの気持ちに気付けなかったんだ。
うっとうしいようで、憎めない性格。
あの青白い唇。
鋭い目。
藤木君の一つ一つが、僕の心をガッチリ掴んで離さない。
……卑怯だよ、藤木君。
僕を、こんな気持ちにさせるなんて……
5: 2011/12/02(金) 20:38:17.25 ID:nA+4K1f40
永沢「……今日も、進展ナシ…だったな……」
永沢「……藤木君……なんで君は僕の気持ちに気付いてくれないんだ……」
永沢「……」
藤木君のことを考えるだけで胸がキュンとなり苦しくなる。
ふん、僕が恋の悩みを抱えるなんてね。
永沢「明日こそは……絶対、進展させるぞ……」
永沢「……藤木君……なんで君は僕の気持ちに気付いてくれないんだ……」
永沢「……」
藤木君のことを考えるだけで胸がキュンとなり苦しくなる。
ふん、僕が恋の悩みを抱えるなんてね。
永沢「明日こそは……絶対、進展させるぞ……」
6: 2011/12/02(金) 20:43:20.66 ID:nA+4K1f40
翌日
藤木「おーい永沢くーん」
永沢「ーーー!」ドキッ
藤木「どうしたんだい、昨日は?心配したんだぞ、永沢君」
永沢「……ウソだね。ロクに引きとめもしなかったクセに。本当は一緒に帰りたくなかったんじゃないのかい?」
藤木「な、なんだよそれ。そんなことないよ」
永沢「ふんっ」スタスタ
藤木「あっ、待ってくれよ。一緒に行こうよ」
ああ、なんで僕はこんなことしか言えないんだ。
本当は嬉しくてたまらないのにな。
ありがとう…なんて言えないよ。
藤木「おーい永沢くーん」
永沢「ーーー!」ドキッ
藤木「どうしたんだい、昨日は?心配したんだぞ、永沢君」
永沢「……ウソだね。ロクに引きとめもしなかったクセに。本当は一緒に帰りたくなかったんじゃないのかい?」
藤木「な、なんだよそれ。そんなことないよ」
永沢「ふんっ」スタスタ
藤木「あっ、待ってくれよ。一緒に行こうよ」
ああ、なんで僕はこんなことしか言えないんだ。
本当は嬉しくてたまらないのにな。
ありがとう…なんて言えないよ。
10: 2011/12/02(金) 20:48:28.18 ID:nA+4K1f40
学校
永沢「……」
藤木「な、なんか言ってくれよ永沢君…」
永沢「君と話すことなんてないね」
藤木「そ、そんな……本当にどうしたんだよ、永沢君……」
永沢「……君の、せいなんだよ……」ボソッ
藤木「えっ?なに?」
永沢「……なんでもない」
藤木「な、なんだよ。気になるじゃないか。教えてくれよ」
キーンコーンカーンコーン
藤木「あっ」
丸尾「ズバリ!チャイムが鳴ったでしょう!席に着いてくださーい!」
永沢「……」
藤木「な、なんか言ってくれよ永沢君…」
永沢「君と話すことなんてないね」
藤木「そ、そんな……本当にどうしたんだよ、永沢君……」
永沢「……君の、せいなんだよ……」ボソッ
藤木「えっ?なに?」
永沢「……なんでもない」
藤木「な、なんだよ。気になるじゃないか。教えてくれよ」
キーンコーンカーンコーン
藤木「あっ」
丸尾「ズバリ!チャイムが鳴ったでしょう!席に着いてくださーい!」
13: 2011/12/02(金) 20:52:40.08 ID:nA+4K1f40
藤木「……」ガタンッ
永沢「………」
最近は藤木君が近寄ってくるだけで頭がまともに働かなくなる。
藤木君のいやらしい吐息、いやらしい目線、いやらしい手つき、いやらしい唇…。
全てに興奮してしまうからね。
何か話さなくちゃいけないのに、このままじゃ…嫌われちゃうな……。
先生「いい天気ですね。今日も一日がんばりましょう!」
「はーい」
僕の心は、どしゃ降りだ。
永沢「………」
最近は藤木君が近寄ってくるだけで頭がまともに働かなくなる。
藤木君のいやらしい吐息、いやらしい目線、いやらしい手つき、いやらしい唇…。
全てに興奮してしまうからね。
何か話さなくちゃいけないのに、このままじゃ…嫌われちゃうな……。
先生「いい天気ですね。今日も一日がんばりましょう!」
「はーい」
僕の心は、どしゃ降りだ。
14: 2011/12/02(金) 20:57:02.13 ID:nA+4K1f40
永沢(……一時間目は体育か……着替えよう)
藤木「永沢くーん。一緒に着替えようよー」
永沢「なっ!?」ドキッ
藤木「一時間目からマラソンなんて、地獄だよ」ヌギヌギ
永沢「な、ななな……///」
藤木「ーー? どうしたんだい、永沢君。頭のてっぺんまで真っ赤だよ?」
永沢「ーー! な、なんでもない」
藤木「?……そうかい?」ヌギヌギ
藤木「永沢くーん。一緒に着替えようよー」
永沢「なっ!?」ドキッ
藤木「一時間目からマラソンなんて、地獄だよ」ヌギヌギ
永沢「な、ななな……///」
藤木「ーー? どうしたんだい、永沢君。頭のてっぺんまで真っ赤だよ?」
永沢「ーー! な、なんでもない」
藤木「?……そうかい?」ヌギヌギ
18: 2011/12/02(金) 21:01:24.46 ID:nA+4K1f40
体育の時間
先生「はい、では二人組を作って準備運動をします」
永沢(……藤木君が声をかけてくるはず)
藤木「ーー山田。僕とペア作ろう」
永沢「ーー!?」
山田「お?別にいいじょー!」
永沢「な、なんで……」
先生「おや?永沢君、余ってしまったのですか?」
永沢「え、いや、その……」
先生「仕方ないですね。私とやりましょう」
永沢「……はい」
先生「はい、では二人組を作って準備運動をします」
永沢(……藤木君が声をかけてくるはず)
藤木「ーー山田。僕とペア作ろう」
永沢「ーー!?」
山田「お?別にいいじょー!」
永沢「な、なんで……」
先生「おや?永沢君、余ってしまったのですか?」
永沢「え、いや、その……」
先生「仕方ないですね。私とやりましょう」
永沢「……はい」
19: 2011/12/02(金) 21:05:59.12 ID:nA+4K1f40
先生「皆さん、ついてこれていますか?次はこの運動です」
永沢(…………)
藤木「お、おい山田。痛い、痛いよ」
山田「あははは。力加減が分からないじょー!」
藤木「勘弁してくれよぉ……」
山田「あははは!!」
二人の楽しげな声を聞くたびにイラッとする。
藤木君は僕のものだぞ、山田。
それに、藤木君も何で……
なんで、今日は山田なんかとやっているんだ。
僕の心はどしゃ降りからさらに荒れそうだ。
永沢(…………)
藤木「お、おい山田。痛い、痛いよ」
山田「あははは。力加減が分からないじょー!」
藤木「勘弁してくれよぉ……」
山田「あははは!!」
二人の楽しげな声を聞くたびにイラッとする。
藤木君は僕のものだぞ、山田。
それに、藤木君も何で……
なんで、今日は山田なんかとやっているんだ。
僕の心はどしゃ降りからさらに荒れそうだ。
20: 2011/12/02(金) 21:09:18.79 ID:nA+4K1f40
授業終わり、更衣室
永沢「……」ムスッ
藤木「さ、さらに不機嫌だな永沢君……」
永沢「別に。言っとくけど、君のことでイライラしているわけではないからね」
藤木「え?」
永沢「……黙って着替えなよ、君みたいな人間は」ヌギヌギ
藤木「ど、どうしちゃったんだよ……まったく……」ヌギヌギ
そそる。
永沢「……」ムスッ
藤木「さ、さらに不機嫌だな永沢君……」
永沢「別に。言っとくけど、君のことでイライラしているわけではないからね」
藤木「え?」
永沢「……黙って着替えなよ、君みたいな人間は」ヌギヌギ
藤木「ど、どうしちゃったんだよ……まったく……」ヌギヌギ
そそる。
22: 2011/12/02(金) 21:13:53.40 ID:nA+4K1f40
放課後
永沢「……」ボー
藤木「永沢くーん。今日こそは一緒に帰ろう」
永沢「ーーー藤木君……」
藤木「ほら、行こう」
永沢「…ふん。あいにくだけど、僕は用事があるんだ。先に帰っててくれないか」
藤木「よ、用事……なんだよぉ、それ」
永沢「君には関係ないね。帰ってくれ」
藤木「……わかったよ、帰ればいいんだろ。バイバイ」
ガラガラ…バタンッ
永沢「……はぁ……」
永沢「……」ボー
藤木「永沢くーん。今日こそは一緒に帰ろう」
永沢「ーーー藤木君……」
藤木「ほら、行こう」
永沢「…ふん。あいにくだけど、僕は用事があるんだ。先に帰っててくれないか」
藤木「よ、用事……なんだよぉ、それ」
永沢「君には関係ないね。帰ってくれ」
藤木「……わかったよ、帰ればいいんだろ。バイバイ」
ガラガラ…バタンッ
永沢「……はぁ……」
24: 2011/12/02(金) 21:17:55.17 ID:nA+4K1f40
永沢「なんで、僕は……素直になれないんだ……」
ガラッ
永沢「っ!?」ビクッ
先生「おや?永沢君、まだ居たんですか?」
永沢「あ……先生……」
先生「……何か、悩み事があるみたいですね。話なら聞きますよ」
永沢「……先生には、関係ないから」
先生「当ててもいいですか?永沢君の悩み」
永沢「…えっ?分かるんですか?」
先生「藤木君のことでしょう?」
永沢「ーーー!!」
先生「永沢君が藤木君にそそっているところ…何回も見ましたよ。藤木君のこと……好きなんですね?」
永沢「……」コクン
ガラッ
永沢「っ!?」ビクッ
先生「おや?永沢君、まだ居たんですか?」
永沢「あ……先生……」
先生「……何か、悩み事があるみたいですね。話なら聞きますよ」
永沢「……先生には、関係ないから」
先生「当ててもいいですか?永沢君の悩み」
永沢「…えっ?分かるんですか?」
先生「藤木君のことでしょう?」
永沢「ーーー!!」
先生「永沢君が藤木君にそそっているところ…何回も見ましたよ。藤木君のこと……好きなんですね?」
永沢「……」コクン
26: 2011/12/02(金) 21:21:55.82 ID:nA+4K1f40
先生「でも、素直になれない……」
永沢「……すごいな、先生は。何でも知ってるみたいだ」
先生「はは、そんなことはないですよ」
永沢「……先生なら、分かりますか。僕がどうすればいいのか……」
先生「……まだ、若いんですから。失敗を恐れずにやりたいようにやりなさい」
永沢「そ、それが1番だとは思うけど」
先生「……永沢君。ちょっと昔話をしてもいいですか?」
永沢「……??」
先生「……昔、永沢君と同じ悩みを持った子がいました……」
永沢「……すごいな、先生は。何でも知ってるみたいだ」
先生「はは、そんなことはないですよ」
永沢「……先生なら、分かりますか。僕がどうすればいいのか……」
先生「……まだ、若いんですから。失敗を恐れずにやりたいようにやりなさい」
永沢「そ、それが1番だとは思うけど」
先生「……永沢君。ちょっと昔話をしてもいいですか?」
永沢「……??」
先生「……昔、永沢君と同じ悩みを持った子がいました……」
30: 2011/12/02(金) 21:26:49.43 ID:nA+4K1f40
先生「その子は、同じクラスのAという女の子に恋しました」
先生「でもウジウジ悩んでるうちに卒業の日が来てしまいました。告白しないまま」
先生「そして、その子は童Oのまま、大人になりました」
先生「大人になった今でも、その子は告白しやかったことを後悔しているそうです……」
永沢「…………まさか、その話の子って」
先生「……後悔のないようにしなさい、永沢君」
先生「私と同じ過ちを犯してはいけませんよ?」
永沢「ーー!……先生……」
先生「でもウジウジ悩んでるうちに卒業の日が来てしまいました。告白しないまま」
先生「そして、その子は童Oのまま、大人になりました」
先生「大人になった今でも、その子は告白しやかったことを後悔しているそうです……」
永沢「…………まさか、その話の子って」
先生「……後悔のないようにしなさい、永沢君」
先生「私と同じ過ちを犯してはいけませんよ?」
永沢「ーー!……先生……」
34: 2011/12/02(金) 21:33:34.30 ID:nA+4K1f40
先生「あの時、勇気を持って告白していれば…失敗したとしても」
先生「私は、精神的に一歩成長できたと思うんです。なのに私は告白しなかった」
先生「おかげで、女に対して苦手意識がついてしまいました。今では童O+ホ〇ですよ、ははは」
永沢「……そんな辛い話、僕なんかに……」
先生「……そんなこと、気にしなくてもいいですよ」ニコッ
永沢「……っ」ウルッ
先生「……最後に質問です、永沢君」
先生「今の話で、勇気は出ましたか?」
永沢「!……はいっ……っ」グスッ
先生「……私はうれしいです、永沢君。僕は一人の生徒の成長を見れたようですね……」
永沢「はい…!はい…!僕、頑張ります……!」ポロポロ
先生「私は、精神的に一歩成長できたと思うんです。なのに私は告白しなかった」
先生「おかげで、女に対して苦手意識がついてしまいました。今では童O+ホ〇ですよ、ははは」
永沢「……そんな辛い話、僕なんかに……」
先生「……そんなこと、気にしなくてもいいですよ」ニコッ
永沢「……っ」ウルッ
先生「……最後に質問です、永沢君」
先生「今の話で、勇気は出ましたか?」
永沢「!……はいっ……っ」グスッ
先生「……私はうれしいです、永沢君。僕は一人の生徒の成長を見れたようですね……」
永沢「はい…!はい…!僕、頑張ります……!」ポロポロ
37: 2011/12/02(金) 21:37:53.30 ID:nA+4K1f40
先生「ほら、永沢君。泣いていたら目が腫れてしまいますよ?」
永沢「……せん、せい……僕、行ってくる……」ゴシゴシ
先生「ーー幸運を祈ります、永沢君」ニコッ
永沢「……ありがとうございました……」
ガラガラ…バタンッ
先生「……」
先生「……ふぅ」
先生「あの子……元気にしていますかね……」
先生「もう、決して出会えないあの子……」
永沢「……せん、せい……僕、行ってくる……」ゴシゴシ
先生「ーー幸運を祈ります、永沢君」ニコッ
永沢「……ありがとうございました……」
ガラガラ…バタンッ
先生「……」
先生「……ふぅ」
先生「あの子……元気にしていますかね……」
先生「もう、決して出会えないあの子……」
38: 2011/12/02(金) 21:44:41.28 ID:nA+4K1f40
永沢「ーーふん。」
永沢「僕が、他人の説教で泣くなんてね…」
先生の話で、僕の心に火が点いた。
あの日、僕の家を燃やした火よりも激しい火が、確かに僕の心の中でメラメラと燃えている。
それは、心地よいような
落ち着かないような、不安定な火だけれど。
確かに、僕に告げている。
玉砕覚悟で燃え尽きてこい!……と。
永沢「……」
永沢「……覚悟しろよ、藤木君……」
僕の心に
もう、迷いは無かった。
永沢「僕が、他人の説教で泣くなんてね…」
先生の話で、僕の心に火が点いた。
あの日、僕の家を燃やした火よりも激しい火が、確かに僕の心の中でメラメラと燃えている。
それは、心地よいような
落ち着かないような、不安定な火だけれど。
確かに、僕に告げている。
玉砕覚悟で燃え尽きてこい!……と。
永沢「……」
永沢「……覚悟しろよ、藤木君……」
僕の心に
もう、迷いは無かった。
40: 2011/12/02(金) 21:50:41.58 ID:nA+4K1f40
永沢の家
永沢「……誰も居ない……」
好都合だ。
思いきり藤木君と話が出来る。
永沢「……」ガチャ
永沢「藤木君の電話番号は……」
永沢「よし……かかった」
永沢「…………」
鳴り響くコール。
藤木君は出ない。
永沢「……」
緊張感が高まっていく。
でも、嫌な感じではなく、むしろ心地よい緊張感だ。
僕の集中力が股間と目の前の電話に注がれる。
「…もしもし?」
永沢「……!」
永沢「……誰も居ない……」
好都合だ。
思いきり藤木君と話が出来る。
永沢「……」ガチャ
永沢「藤木君の電話番号は……」
永沢「よし……かかった」
永沢「…………」
鳴り響くコール。
藤木君は出ない。
永沢「……」
緊張感が高まっていく。
でも、嫌な感じではなく、むしろ心地よい緊張感だ。
僕の集中力が股間と目の前の電話に注がれる。
「…もしもし?」
永沢「……!」
44: 2011/12/02(金) 21:57:23.53 ID:nA+4K1f40
永沢「……僕だよ」
「ーー永沢君? 学校の用事は終わったのかい?」
永沢「…ああ、とっくにね」
「ふぅん……で、何?」
永沢「……君に言いたいことがあってね。大切な話だ……」
「……なんだい、永沢君。声の雰囲気がおかしいけど……?」
永沢「単刀直入に言わせてもらうよ、藤木君」
「な、何を…?」
永沢「……」
いつも、一緒に居てくれる藤木君。
その関係が壊れてしまうかもしれない。
でも、僕は…これを言うために電話したのだ。
後悔は…したくない。
永沢「……」キッ
「ーー永沢君? 学校の用事は終わったのかい?」
永沢「…ああ、とっくにね」
「ふぅん……で、何?」
永沢「……君に言いたいことがあってね。大切な話だ……」
「……なんだい、永沢君。声の雰囲気がおかしいけど……?」
永沢「単刀直入に言わせてもらうよ、藤木君」
「な、何を…?」
永沢「……」
いつも、一緒に居てくれる藤木君。
その関係が壊れてしまうかもしれない。
でも、僕は…これを言うために電話したのだ。
後悔は…したくない。
永沢「……」キッ
48: 2011/12/02(金) 22:03:27.54 ID:nA+4K1f40
永沢「僕は…君のことが……」
永沢「……す、すすす……」
「藤木、電話長いじょー!!」
永沢「好きっ……………」
「ちょ……うるさいな。永沢君の声が聞こえなかったじゃないか」
「だって長いから!早く遊びたいじょー!!」
永沢「ーーーーーあれ?」
「ごめん、永沢君。もう一度言ってくれよ」
永沢「ーーーーーーなっ………」
永沢「……す、すすす……」
「藤木、電話長いじょー!!」
永沢「好きっ……………」
「ちょ……うるさいな。永沢君の声が聞こえなかったじゃないか」
「だって長いから!早く遊びたいじょー!!」
永沢「ーーーーーあれ?」
「ごめん、永沢君。もう一度言ってくれよ」
永沢「ーーーーーーなっ………」
54: 2011/12/02(金) 22:09:09.05 ID:nA+4K1f40
まさか、今の声は。
いや、そんなはずはない。
うそだ、うそだ。
「…永沢君?もう一度……」
永沢「…………」
確認したくない、けど……
永沢「……今の、山田かい……?」
「ああ、そうだよ。最近はずっと僕の家で遊んでるんだ」
永沢「……なっ……」
「藤木ーー!!!!」
「はいはい、ちょっと待ってくれよ。で、永沢君……何を言ったんだい?」
ーーーそうか。
僕の藤木君は…すでに
僕の藤木君じゃないんだ。
そういうことだろ…山田。
いや、そんなはずはない。
うそだ、うそだ。
「…永沢君?もう一度……」
永沢「…………」
確認したくない、けど……
永沢「……今の、山田かい……?」
「ああ、そうだよ。最近はずっと僕の家で遊んでるんだ」
永沢「……なっ……」
「藤木ーー!!!!」
「はいはい、ちょっと待ってくれよ。で、永沢君……何を言ったんだい?」
ーーーそうか。
僕の藤木君は…すでに
僕の藤木君じゃないんだ。
そういうことだろ…山田。
59: 2011/12/02(金) 22:15:16.78 ID:nA+4K1f40
「藤木ーーーー!!!!」
「永沢君?聞こえてるかい?」
ああ、聞こえてるともさ。
藤木君の声も、山田の声もね。
「あの……永沢君。この後、山田と服を買いにいくんだ」
永沢「ーー!!!」
「すまないけど、早くしてくれないかな…?」
永沢「……ふ……ふん。山田の間抜けな声を聞いたら、何を言うつもりだったか忘れちゃったよ」
永沢「また今度に…………」
「いいのかい?」
永沢「……じゃっ」
「えっ」
永沢「……また明日」ガチャ
ツー…ツー…ツー…
「永沢君?聞こえてるかい?」
ああ、聞こえてるともさ。
藤木君の声も、山田の声もね。
「あの……永沢君。この後、山田と服を買いにいくんだ」
永沢「ーー!!!」
「すまないけど、早くしてくれないかな…?」
永沢「……ふ……ふん。山田の間抜けな声を聞いたら、何を言うつもりだったか忘れちゃったよ」
永沢「また今度に…………」
「いいのかい?」
永沢「……じゃっ」
「えっ」
永沢「……また明日」ガチャ
ツー…ツー…ツー…
62: 2011/12/02(金) 22:18:19.88 ID:nA+4K1f40
永沢「……」
本当に藤木君は卑怯だ。
期待させるだけさせておいて、最後は山田?
ふざけてるね。
…いや。
こっちが勝手に期待していただけか……
永沢「……ふんっ」
永沢「とんだピ工口だな、永沢……」
永沢「ふ、ふふっ……ふふふ……」
本当に藤木君は卑怯だ。
期待させるだけさせておいて、最後は山田?
ふざけてるね。
…いや。
こっちが勝手に期待していただけか……
永沢「……ふんっ」
永沢「とんだピ工口だな、永沢……」
永沢「ふ、ふふっ……ふふふ……」
65: 2011/12/02(金) 22:22:32.72 ID:nA+4K1f40
永沢「……」ゴロン
何もやる気がしない。
そう……この感覚。この感覚は……
あの日と同じだ。
火事が起こって、何もかも燃え尽きてしまったあの日。
あの日も、しばらくは何もやる気が起こらなかった。
ひたすら絶望していた。
そして今、僕の心も燃えてしまった……
それも、あの日より手ひどくやられた。
永沢「……」ゴロゴロ
何もやる気がしない。
そう……この感覚。この感覚は……
あの日と同じだ。
火事が起こって、何もかも燃え尽きてしまったあの日。
あの日も、しばらくは何もやる気が起こらなかった。
ひたすら絶望していた。
そして今、僕の心も燃えてしまった……
それも、あの日より手ひどくやられた。
永沢「……」ゴロゴロ
68: 2011/12/02(金) 22:28:14.39 ID:nA+4K1f40
永沢「くっ…そっ……」ドン
さらに、今日の火事とあの日の火事は一味ちがう。
今日は、火事が治まったあとに、新たな火がつき始めたのだ。
僕の心に新たについた火。
その火は、僕にとって認めたくない色をしていた。
ーーー山田への、嫉妬。
永沢「くそっ……くそっ……!」ドン
永沢「僕が…1番長く一緒に居たのに…ノコノコ出てきやがって……!」
永沢「何様なんだあいつは……!」ドン
さらに、今日の火事とあの日の火事は一味ちがう。
今日は、火事が治まったあとに、新たな火がつき始めたのだ。
僕の心に新たについた火。
その火は、僕にとって認めたくない色をしていた。
ーーー山田への、嫉妬。
永沢「くそっ……くそっ……!」ドン
永沢「僕が…1番長く一緒に居たのに…ノコノコ出てきやがって……!」
永沢「何様なんだあいつは……!」ドン
71: 2011/12/02(金) 22:29:58.84 ID:nA+4K1f40
翌日
結局、お母さんに頼んで学校を休んだ。
仲良くする二人を見て、冷静でいられる気がしないからだ。
永沢「……」ゴロゴロ
永沢「……」
永沢「……チッ」ドン
永沢「……」ゴロゴロ
結局、お母さんに頼んで学校を休んだ。
仲良くする二人を見て、冷静でいられる気がしないからだ。
永沢「……」ゴロゴロ
永沢「……」
永沢「……チッ」ドン
永沢「……」ゴロゴロ
72: 2011/12/02(金) 22:34:24.78 ID:nA+4K1f40
午後5時ごろ
ピンポーン
永沢「……誰も、居ないのか……」スッ
ピッ
永沢「はい、どなたですか」
「藤木だよ……お見舞いに来たんだけど」
永沢「……」ドキッ
「永沢君……入れてくれないか」
永沢「……やだね。今は誰とも会う気分じゃないんだ」
「永沢君…僕は、君が心配なんだ。なんで最近冷たいんだよ?休んだことと関係あるのかい?」
永沢「……被害妄想もはなはだしいね。君には関係ないよ」
ピンポーン
永沢「……誰も、居ないのか……」スッ
ピッ
永沢「はい、どなたですか」
「藤木だよ……お見舞いに来たんだけど」
永沢「……」ドキッ
「永沢君……入れてくれないか」
永沢「……やだね。今は誰とも会う気分じゃないんだ」
「永沢君…僕は、君が心配なんだ。なんで最近冷たいんだよ?休んだことと関係あるのかい?」
永沢「……被害妄想もはなはだしいね。君には関係ないよ」
75: 2011/12/02(金) 22:36:51.63 ID:nA+4K1f40
「……永沢君。わかった、君は僕が嫌いになったのかもしれない」
永沢「…ふんっ」
「でも、それでも。入れてくれないか。君と話がしたい。風邪じゃなそうだし」
永沢「……勝手にしなよ」
「……ありがとう」
永沢「……」
また、期待させるのか。
この卑怯な男は…。
永沢「…ふんっ」
「でも、それでも。入れてくれないか。君と話がしたい。風邪じゃなそうだし」
永沢「……勝手にしなよ」
「……ありがとう」
永沢「……」
また、期待させるのか。
この卑怯な男は…。
76: 2011/12/02(金) 22:39:47.35 ID:nA+4K1f40
藤木「…………」ゴソゴソ
永沢「靴は適当でいいよ。僕の部屋に来てくれ」
藤木「うん……おじゃまします」
永沢「……」
また、股間に集中がいってしまう。
だめだ、期待するな。治まれ。
藤木君は、トドメを刺しに来たに決まってる。
藤木「……」
永沢「……」ドキドキ
永沢「靴は適当でいいよ。僕の部屋に来てくれ」
藤木「うん……おじゃまします」
永沢「……」
また、股間に集中がいってしまう。
だめだ、期待するな。治まれ。
藤木君は、トドメを刺しに来たに決まってる。
藤木「……」
永沢「……」ドキドキ
77: 2011/12/02(金) 22:42:58.13 ID:nA+4K1f40
永沢の部屋
藤木「……ごめんね、いきなり」
永沢「……謝るくらいなら、早くしてくれるとありがたいね」
藤木「……わかった。でも……だいぶ、重い話でね。覚悟はしておいて欲しいんだ」
永沢「ーー!……あ、ああ……」
藤木「……今日さ。放課後に先生と話をしてきたんだ」
永沢「……先生と……?」
藤木「それで、こんな昔話を聞いたんだ」
藤木「……ごめんね、いきなり」
永沢「……謝るくらいなら、早くしてくれるとありがたいね」
藤木「……わかった。でも……だいぶ、重い話でね。覚悟はしておいて欲しいんだ」
永沢「ーー!……あ、ああ……」
藤木「……今日さ。放課後に先生と話をしてきたんだ」
永沢「……先生と……?」
藤木「それで、こんな昔話を聞いたんだ」
79: 2011/12/02(金) 22:48:43.23 ID:nA+4K1f40
藤木「その子は、同じクラスのAという女の子に恋しました」
藤木「でもウジウジ悩んでるうちに卒業の日が来てしまいました。告白しないまま」
藤木「そして、その子は童Oのまま、大人になりました」
藤木「大人になった今でも、その子は告白しなかったことを後悔しているそうです……」
永沢「……そ、その話……!」
藤木「それで、その子は女性に苦手意識を持っちゃって、今では童O+ホ〇になっちゃったらしいよ」
永沢(な、なんで藤木君がその話を…先生…こんな話を誰にでもするのか……!?)
藤木「……でね。その子って言うのは、ここだけの秘密だけど…先生のことなんだ」
永沢(知ってるよ……)
藤木「……そして、ここからが本題なんだ」
藤木「なんで僕がこの話を知ってると思う……?」
永沢(……)
永沢(何がなんだか……)
藤木「でもウジウジ悩んでるうちに卒業の日が来てしまいました。告白しないまま」
藤木「そして、その子は童Oのまま、大人になりました」
藤木「大人になった今でも、その子は告白しなかったことを後悔しているそうです……」
永沢「……そ、その話……!」
藤木「それで、その子は女性に苦手意識を持っちゃって、今では童O+ホ〇になっちゃったらしいよ」
永沢(な、なんで藤木君がその話を…先生…こんな話を誰にでもするのか……!?)
藤木「……でね。その子って言うのは、ここだけの秘密だけど…先生のことなんだ」
永沢(知ってるよ……)
藤木「……そして、ここからが本題なんだ」
藤木「なんで僕がこの話を知ってると思う……?」
永沢(……)
永沢(何がなんだか……)
81: 2011/12/02(金) 22:51:48.97 ID:nA+4K1f40
藤木「……君も、この話を知っているよね」
永沢「ーーー!!!」
藤木「……ねぇ、永沢君。僕がこの話を聞いたってことは……君と同じ立場だったってことだよ?」
永沢「お、おい、藤木君。やめ、やめろ」
期待させるな。
どうせ、また裏切るんだろ、藤木君!
藤木「僕……聞いたよ、先生から。」
藤木「永沢君が僕を好きだってこと……」
永沢「……///」ドキドキドキドキドキドキ
永沢「ーーー!!!」
藤木「……ねぇ、永沢君。僕がこの話を聞いたってことは……君と同じ立場だったってことだよ?」
永沢「お、おい、藤木君。やめ、やめろ」
期待させるな。
どうせ、また裏切るんだろ、藤木君!
藤木「僕……聞いたよ、先生から。」
藤木「永沢君が僕を好きだってこと……」
永沢「……///」ドキドキドキドキドキドキ
85: 2011/12/02(金) 22:54:15.60 ID:nA+4K1f40
藤木「僕達……」ズイッ
永沢「~~~!!!」ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ
藤木「両想いだったんだよ」チュッ
永沢「……!!!!!」
永沢「~~~!!!」ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ
藤木「両想いだったんだよ」チュッ
永沢「……!!!!!」
91: 2011/12/02(金) 22:58:29.91 ID:nA+4K1f40
藤木「……」
永沢「なっ……///」
藤木「キス…しちゃったね」
永沢「な、なななな何をするんだ藤木君!!!」
藤木「……ごめん、嫌だったかな」
永沢「大体、君には山田がいるだろ!浮気か!?」
藤木「……山田?なんで山田が出てくるんだい?」
永沢「で、デートもしたし、最近はよく遊ぶんだろう……?」
藤木「……君が最近冷たいから……山田しか遊ぶやつが居なかったんだ」
永沢「……藤木……君……」
永沢「なっ……///」
藤木「キス…しちゃったね」
永沢「な、なななな何をするんだ藤木君!!!」
藤木「……ごめん、嫌だったかな」
永沢「大体、君には山田がいるだろ!浮気か!?」
藤木「……山田?なんで山田が出てくるんだい?」
永沢「で、デートもしたし、最近はよく遊ぶんだろう……?」
藤木「……君が最近冷たいから……山田しか遊ぶやつが居なかったんだ」
永沢「……藤木……君……」
97: 2011/12/02(金) 23:01:14.53 ID:nA+4K1f40
藤木「ほら……続き、しようよ」
永沢「……ああ///」
藤木「……」チュッ
永沢「……」
これからは、身を委ねてもいいんだな?
君を信じていいんだな?
永沢「……ああ///」
藤木「……」チュッ
永沢「……」
これからは、身を委ねてもいいんだな?
君を信じていいんだな?
110: 2011/12/02(金) 23:14:02.02 ID:nA+4K1f40
三ヶ月後
今でも、僕は幸せに藤木君と過ごしている。
あの時、勇気を出して良かった。
先生には本当に感謝している。
全部燃えてしまっても、何があっても。
あきらめてはならない。今回のことで、無気力な僕が学んだことだ。
一燃え尽きてしまうこともある心の火。
でも、あきらめなければ……心の火は、色を変えて、再びつき始める。
家の火事と心の火事……二つの火事を経験して、僕はそれを知った。
今でも、僕は幸せに藤木君と過ごしている。
あの時、勇気を出して良かった。
先生には本当に感謝している。
全部燃えてしまっても、何があっても。
あきらめてはならない。今回のことで、無気力な僕が学んだことだ。
一燃え尽きてしまうこともある心の火。
でも、あきらめなければ……心の火は、色を変えて、再びつき始める。
家の火事と心の火事……二つの火事を経験して、僕はそれを知った。
113: 2011/12/02(金) 23:18:00.62 ID:nA+4K1f40
そして……
藤木「永沢君……///」
永沢「……ああ」
藤木君との「愛」の火を絶やさないために
僕は今日も、二つのたまねぎと一つの人参と長ネギとともに
藤木君とのキャンプファイヤーを楽しむ。
~おわり~
藤木「永沢君……///」
永沢「……ああ」
藤木君との「愛」の火を絶やさないために
僕は今日も、二つのたまねぎと一つの人参と長ネギとともに
藤木君とのキャンプファイヤーを楽しむ。
~おわり~
114: 2011/12/02(金) 23:18:27.30 ID:Su8BuAQT0
乙
120: 2011/12/02(金) 23:21:25.24 ID:x80EDHmTO
藤木「できちゃった…///」の巻へ続く
121: 2011/12/02(金) 23:22:03.83 ID:JaHXESBdO
いい話だけど実はマジキチ
125: 2011/12/02(金) 23:33:36.99 ID:yiuozFREO
どうして最後まで読んでしまったのだろうか
コメント
コメント一覧 (2)
感動をありがとう
esusokuhou
がしました
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