1: 2015/07/07(火) 16:55:00.82 ID:JeIiu/C70
提督「………大鯨」
大鯨「あ、提督、おかえりなさい」
提督「………子供はもう寝たのか」
大鯨「はい。あの娘は最近外での遊びを覚えたばかりですから、楽しくて仕方がないといった感じで、それで疲れきって夜の寝つきがすごくいいんです」
提督「そうか。いつもは寝ぼけ眼をこすってでも出迎えてくれたのに、今夜はそういうわけか」
大鯨「………寂しいですか?」
大鯨「あ、提督、おかえりなさい」
提督「………子供はもう寝たのか」
大鯨「はい。あの娘は最近外での遊びを覚えたばかりですから、楽しくて仕方がないといった感じで、それで疲れきって夜の寝つきがすごくいいんです」
提督「そうか。いつもは寝ぼけ眼をこすってでも出迎えてくれたのに、今夜はそういうわけか」
大鯨「………寂しいですか?」
2: 2015/07/07(火) 16:55:52.51 ID:JeIiu/C70
提督「いや、寂しくない。ただ娘なんてすぐに父親ばなれするとも聞くから、それの兆候がもう来たのかと感慨深いんだ」
大鯨「それを寂しいと言うのですよ。それで何か飲みますか? 今夜はお酒を飲んできてないようですけど、ビールと日本酒がありますし」
提督「いや、いらないよ。今夜は酒を飲みたくない。そう気を遣わないでくれ」
大鯨「でも、私が提督にできることなんてもうこれぐらいしか」
提督「………そうだな。ならば、緑茶を頼むよ。飛びっきり熱くて昼間のように眠気を吹っ飛ばすのをな」
大鯨「お任せ下さい」
大鯨「それを寂しいと言うのですよ。それで何か飲みますか? 今夜はお酒を飲んできてないようですけど、ビールと日本酒がありますし」
提督「いや、いらないよ。今夜は酒を飲みたくない。そう気を遣わないでくれ」
大鯨「でも、私が提督にできることなんてもうこれぐらいしか」
提督「………そうだな。ならば、緑茶を頼むよ。飛びっきり熱くて昼間のように眠気を吹っ飛ばすのをな」
大鯨「お任せ下さい」
3: 2015/07/07(火) 16:56:24.80 ID:JeIiu/C70
大鯨「どうぞ………」
提督「うん。美味しいよ」
大鯨「良かったです」
提督「………もうこの茶も飲めなくなるのか」
大鯨「………っう。ぐす。そう、ですね」
提督「ああ、もう泣くな。昔から泣き虫なところは一向に治らないな。ほら、おいで。よしよし」
提督「うん。美味しいよ」
大鯨「良かったです」
提督「………もうこの茶も飲めなくなるのか」
大鯨「………っう。ぐす。そう、ですね」
提督「ああ、もう泣くな。昔から泣き虫なところは一向に治らないな。ほら、おいで。よしよし」
5: 2015/07/07(火) 16:57:26.73 ID:JeIiu/C70
大鯨「………提督、すみません。でも、私は泣き虫じゃありません」
提督「どうだか。俺が正式なプロポーズをした時も号泣されて、高層ビルの最上階で夜の街が一望できる静かな店内、こちらがいたたまれない気持ちになったものだ」
大鯨「………あの時は感激してしまって。あとそれと羞恥の原因を私だけに押し付けないでください。提督も不慣れなフルコース料理で机にずらりと並べられたナイフやフォークに目を白黒させていたじゃありませんか」
提督「………あれは仕方なかったことだ」
大鯨「普通、男の人ってああいうところに誘う前に最低限のマナーは予習してくるものだと思ってました。スプーンを前菜のココットに使って、スープを味噌汁のように口でずーずー音を立てて吸い出した時はびっくりしました」
提督「あ、あれは戦術だよ」
提督「どうだか。俺が正式なプロポーズをした時も号泣されて、高層ビルの最上階で夜の街が一望できる静かな店内、こちらがいたたまれない気持ちになったものだ」
大鯨「………あの時は感激してしまって。あとそれと羞恥の原因を私だけに押し付けないでください。提督も不慣れなフルコース料理で机にずらりと並べられたナイフやフォークに目を白黒させていたじゃありませんか」
提督「………あれは仕方なかったことだ」
大鯨「普通、男の人ってああいうところに誘う前に最低限のマナーは予習してくるものだと思ってました。スプーンを前菜のココットに使って、スープを味噌汁のように口でずーずー音を立てて吸い出した時はびっくりしました」
提督「あ、あれは戦術だよ」
6: 2015/07/07(火) 16:58:23.50 ID:JeIiu/C70
大鯨「何のですか」
提督「ほら、人柄は食事の時に最もよく出るというだろ? だから、わざとマナー違反することによって、相手の反応を伺うんだ。それで失望したとかで離れていくのなら、マナーや形式の外面に囚われている女で、それだけの薄さしかない奴だったというわけだ。確か三島由紀夫お墨付きの判断術だ。かの大作家が言うのだから間違いない。うん」
大鯨「あの時の提督はとても人柄試験とかそんな冷静には見えなかったですが、実はそんなことを考えていたのですね」
提督「そうとも。それで見事に大鯨は合格したというわけだ。ぱちぱち」
大鯨「それでは、フォークを落として慌てて拾おうとして、ウェイターと頭をぶつけたのも戦術だったわけですね」
提督「やめろ」
提督「ほら、人柄は食事の時に最もよく出るというだろ? だから、わざとマナー違反することによって、相手の反応を伺うんだ。それで失望したとかで離れていくのなら、マナーや形式の外面に囚われている女で、それだけの薄さしかない奴だったというわけだ。確か三島由紀夫お墨付きの判断術だ。かの大作家が言うのだから間違いない。うん」
大鯨「あの時の提督はとても人柄試験とかそんな冷静には見えなかったですが、実はそんなことを考えていたのですね」
提督「そうとも。それで見事に大鯨は合格したというわけだ。ぱちぱち」
大鯨「それでは、フォークを落として慌てて拾おうとして、ウェイターと頭をぶつけたのも戦術だったわけですね」
提督「やめろ」
7: 2015/07/07(火) 16:59:11.61 ID:JeIiu/C70
大鯨「やめろとは何ですか」
提督「ああ、ごめんごめん。怒ったわけではない。ただ、もうプロポーズの話はいいじゃないか。うん。十分に思い出に浸れたよ。そうだ。結婚することになって本部から反対されたこともあったじゃないか」
大鯨「………あれも驚きました。プロポーズの後に初めて本部に報告しに行ったのですよね」
提督「ああ。そこで、初めて艦娘との結婚はカッコカリ以外には認められていないと知ったよ」
大鯨「私はてっきり何とかして本部の許可をもぎ取っていたのだと思っていました。まったくそそっかしいのですから」
提督「大鯨も先に教えてくれれば良かったのに」
提督「ああ、ごめんごめん。怒ったわけではない。ただ、もうプロポーズの話はいいじゃないか。うん。十分に思い出に浸れたよ。そうだ。結婚することになって本部から反対されたこともあったじゃないか」
大鯨「………あれも驚きました。プロポーズの後に初めて本部に報告しに行ったのですよね」
提督「ああ。そこで、初めて艦娘との結婚はカッコカリ以外には認められていないと知ったよ」
大鯨「私はてっきり何とかして本部の許可をもぎ取っていたのだと思っていました。まったくそそっかしいのですから」
提督「大鯨も先に教えてくれれば良かったのに」
8: 2015/07/07(火) 16:59:56.10 ID:JeIiu/C70
大鯨「まさかこれから艦娘と結婚しようと考えた人がそれを知らないとは思いませんでしたから。すみません」
提督「謝ることはない。まあ、本部としても艦娘と提督が必要以上に深い関係になって執務に支障が出るのを恐れたのだろうな。だから、駆け落ちまがいのことをした時は本部もついに観念して認めてくれたのだろう」
大鯨「あの時は楽しかったですね。隠れ家を見つけて、朝はゆっくり起きて、昼間はガーデニングでもして、夜はふくろうの声に耳を澄ます。スパイ映画のワンシーンみたいでした」
提督「正直、お前はもっと反対すると思っていたのだが、案外乗り気だったな。気の弱いフリして俺より肝っ玉のでかいことを時々やってのける」
大鯨「使命感ですよ。私がしっかりしなくちゃと思って」
提督「はいはい。頼りない俺で悪かったな」
提督「謝ることはない。まあ、本部としても艦娘と提督が必要以上に深い関係になって執務に支障が出るのを恐れたのだろうな。だから、駆け落ちまがいのことをした時は本部もついに観念して認めてくれたのだろう」
大鯨「あの時は楽しかったですね。隠れ家を見つけて、朝はゆっくり起きて、昼間はガーデニングでもして、夜はふくろうの声に耳を澄ます。スパイ映画のワンシーンみたいでした」
提督「正直、お前はもっと反対すると思っていたのだが、案外乗り気だったな。気の弱いフリして俺より肝っ玉のでかいことを時々やってのける」
大鯨「使命感ですよ。私がしっかりしなくちゃと思って」
提督「はいはい。頼りない俺で悪かったな」
9: 2015/07/07(火) 17:00:32.77 ID:JeIiu/C70
大鯨「もう拗ねないでください。そんなあなたと一緒になれて私は幸せです」
提督「それは、フォローになってるような、なってないような。いや、なってないな」
大鯨「今はそんな細かいことはいいじゃありませんか。それで、提督は、その」
提督「ああ。俺も大鯨と一緒になれて幸福さ。当然のことだろ? 愛しているよ、大鯨」
大鯨「………私もです。愛しています」
提督「………ほら、大鯨、目を閉じてごらん。そうだ。そのまま」
提督「それは、フォローになってるような、なってないような。いや、なってないな」
大鯨「今はそんな細かいことはいいじゃありませんか。それで、提督は、その」
提督「ああ。俺も大鯨と一緒になれて幸福さ。当然のことだろ? 愛しているよ、大鯨」
大鯨「………私もです。愛しています」
提督「………ほら、大鯨、目を閉じてごらん。そうだ。そのまま」
10: 2015/07/07(火) 17:01:25.05 ID:JeIiu/C70
大鯨「………ん。………生まれたときはまさかこんな幸福を味わえるなんて夢にも思いませんでした」
提督「俺もそうだよ。昔は結婚なんて絶対にしないと心にしきりに誓ったものだ。よもや子持ちになるなんてもってのほかだった」
大鯨「いざ、そうなってみるとどうですか?」
提督「悪くない。それどころか、もっと早くにしとけばよかったと後悔さえある」
大鯨「………あの、それだと私以外と結婚してても良かったように聞こえます」
提督「つまらない言葉の綾さ。俺の妻は大鯨以外には考えられない」
提督「俺もそうだよ。昔は結婚なんて絶対にしないと心にしきりに誓ったものだ。よもや子持ちになるなんてもってのほかだった」
大鯨「いざ、そうなってみるとどうですか?」
提督「悪くない。それどころか、もっと早くにしとけばよかったと後悔さえある」
大鯨「………あの、それだと私以外と結婚してても良かったように聞こえます」
提督「つまらない言葉の綾さ。俺の妻は大鯨以外には考えられない」
11: 2015/07/07(火) 17:02:05.87 ID:JeIiu/C70
大鯨「嬉しいです」
提督「お前がいなくなっても、再婚はできないだろう」
大鯨「………いなくなる。そう、そう」
提督「すまない。下手なことをした。思い出させてしまった」
大鯨「いえ、提督は悪くありません。今夜のことなのです。忘れたくても忘れることはできません」
提督「………逃げることができたら」
提督「お前がいなくなっても、再婚はできないだろう」
大鯨「………いなくなる。そう、そう」
提督「すまない。下手なことをした。思い出させてしまった」
大鯨「いえ、提督は悪くありません。今夜のことなのです。忘れたくても忘れることはできません」
提督「………逃げることができたら」
12: 2015/07/07(火) 17:03:05.08 ID:JeIiu/C70
大鯨「それはできません。本部はその点に関しては妥協しません。逃げられません。それに私も未練はありますが、それなりに覚悟はしています」
提督「………そうか。本部の連中もふざけやがる。後腐れをなくすための処置だと」
大鯨「ただ心残りはあの娘を置いていかなくちゃいけないことです」
提督「それは」
大鯨「これから母無しのあの娘が幸せに生きていけるのかが気がかりです」
提督「………大丈夫だ。俺と大鯨の娘だ」
提督「………そうか。本部の連中もふざけやがる。後腐れをなくすための処置だと」
大鯨「ただ心残りはあの娘を置いていかなくちゃいけないことです」
提督「それは」
大鯨「これから母無しのあの娘が幸せに生きていけるのかが気がかりです」
提督「………大丈夫だ。俺と大鯨の娘だ」
13: 2015/07/07(火) 17:03:57.44 ID:JeIiu/C70
大鯨「今思えば、本部が私たちの結婚に反対したのは、ただ単に規律の問題ではなく、優しさからだったのかもしれません。子供が出来れば、いずれは必ず母無し子になるのですから」
提督「………後悔しているか?」
大鯨「いいえ、後悔なんてありません。私は提督の子供を産めて幸せです。まだあの娘がお腹にいたとしても、その母無しの運命を考慮しても、きっと中絶はしなかったでしょう」
提督「………」
大鯨「ひどい母親もいたものですよね。育児放棄が決まっている母親なんて………ぐす」
提督「大鯨、余り自分を責めすぎるな。そもそもお前は自分が戦争とともに消える存在だなんて知らなかった」
提督「………後悔しているか?」
大鯨「いいえ、後悔なんてありません。私は提督の子供を産めて幸せです。まだあの娘がお腹にいたとしても、その母無しの運命を考慮しても、きっと中絶はしなかったでしょう」
提督「………」
大鯨「ひどい母親もいたものですよね。育児放棄が決まっている母親なんて………ぐす」
提督「大鯨、余り自分を責めすぎるな。そもそもお前は自分が戦争とともに消える存在だなんて知らなかった」
14: 2015/07/07(火) 17:04:47.36 ID:JeIiu/C70
大鯨「………それでも、これからのことを考えると不安になって辛い、んです」
提督「大丈夫だ、大丈夫。娘は俺が立派に育ててみせる。幸い本部から金はたんまりもらっている」
大鯨「………う、ぐす」
提督「あの娘には才能もある。年の割には文字もよく読めるし計算もできる。それにピアノにしばしば関心を持つし、絵もうまい。運動神経も悪くなさそうだ。それに将来は必ず君に似てとんでもない美人になるだろう。あの娘は何にでもなれるさ」
大鯨「………あの娘のことをどうかお願いします」
提督「ああ。任せておけ。すごく明るい未来が待っているさ」
提督「大丈夫だ、大丈夫。娘は俺が立派に育ててみせる。幸い本部から金はたんまりもらっている」
大鯨「………う、ぐす」
提督「あの娘には才能もある。年の割には文字もよく読めるし計算もできる。それにピアノにしばしば関心を持つし、絵もうまい。運動神経も悪くなさそうだ。それに将来は必ず君に似てとんでもない美人になるだろう。あの娘は何にでもなれるさ」
大鯨「………あの娘のことをどうかお願いします」
提督「ああ。任せておけ。すごく明るい未来が待っているさ」
15: 2015/07/07(火) 17:05:33.90 ID:JeIiu/C70
大鯨「あ、光が。………もう時間切れみたいです。ぐすっ」キラキラ
提督「粒子状になって消えていく………手を出せ、大鯨」
大鯨「………提督。どうぞ」
提督「ああ、大鯨、大鯨」
大鯨「提督、私大鯨は提督に会えて幸せでした」
提督「やめろ。そんな言葉をまだ言うな!」
提督「粒子状になって消えていく………手を出せ、大鯨」
大鯨「………提督。どうぞ」
提督「ああ、大鯨、大鯨」
大鯨「提督、私大鯨は提督に会えて幸せでした」
提督「やめろ。そんな言葉をまだ言うな!」
16: 2015/07/07(火) 17:07:30.25 ID:JeIiu/C70
大鯨「あの、提督、大鯨の最期のお願いを聞いてくれますか」
提督「嫌だ」
大鯨「………」
提督「……………分かった、何だ」
大鯨「提督の笑った顔を見て去りたいです。だから、そんな顔をしないでください」
提督「っ! わかった。………俺も大鯨に会えて幸せだった。愛している、大鯨」
大鯨「はい! 大鯨も提督を愛しています! ………それでは、さようなら」
提督「………ま、待て。消えるな。消えるな! 大鯨! 大鯨!」
提督「嫌だ」
大鯨「………」
提督「……………分かった、何だ」
大鯨「提督の笑った顔を見て去りたいです。だから、そんな顔をしないでください」
提督「っ! わかった。………俺も大鯨に会えて幸せだった。愛している、大鯨」
大鯨「はい! 大鯨も提督を愛しています! ………それでは、さようなら」
提督「………ま、待て。消えるな。消えるな! 大鯨! 大鯨!」
17: 2015/07/07(火) 17:08:16.76 ID:JeIiu/C70
提督「―――――本当に消えてしまったのか………? こんなにあっけなく………?」
提督「まるで夢心地だ。現実味がない」
提督「今日寝て明日起きれば、大鯨はひょっこりと現れて朝食を食べさせてくれるんじゃないか? そして、これは何か悪い夢だったと」
提督「眠ろう。そうだ、眠ろう」
提督「ひどい脱力感だ。かなり疲れている証拠だ。こういう時はありもしない幻覚を見てしまうものだ」
提督「………その前に娘の寝顔を見ておくか」
提督「まるで夢心地だ。現実味がない」
提督「今日寝て明日起きれば、大鯨はひょっこりと現れて朝食を食べさせてくれるんじゃないか? そして、これは何か悪い夢だったと」
提督「眠ろう。そうだ、眠ろう」
提督「ひどい脱力感だ。かなり疲れている証拠だ。こういう時はありもしない幻覚を見てしまうものだ」
提督「………その前に娘の寝顔を見ておくか」
19: 2015/07/07(火) 17:10:33.94 ID:JeIiu/C70
ガラリ
提督「部屋は真っ暗だ。娘は………布団に潜り込んでいるな。扉からの光で目を覚まさないように注意だな。では、少し顔を見せてくれ」
提督「なるほど艦娘である彼女はこの世に留まり続けることはできない」
提督「だから、本部に回収されて、もはや手の届かぬ次元の果てに行ってしまった」
提督「それを理由に本部を恨むのは筋違いだ。異次元体である深海棲艦を倒すための異次元体が艦娘だ。敵がいなくなればもはや置いておく理由もない。むしろそんな存在を残しておくのはリスキーだ」
提督「悪影響を及ぼす前にそんな存在を消滅させる。後腐れのないリスクヘッジ。筋は通っているじゃないか。………だが、これは」
そう言って俺は娘を抱き上げた。彼女はあるべき左半身を欠いていた。
おわり
提督「部屋は真っ暗だ。娘は………布団に潜り込んでいるな。扉からの光で目を覚まさないように注意だな。では、少し顔を見せてくれ」
提督「なるほど艦娘である彼女はこの世に留まり続けることはできない」
提督「だから、本部に回収されて、もはや手の届かぬ次元の果てに行ってしまった」
提督「それを理由に本部を恨むのは筋違いだ。異次元体である深海棲艦を倒すための異次元体が艦娘だ。敵がいなくなればもはや置いておく理由もない。むしろそんな存在を残しておくのはリスキーだ」
提督「悪影響を及ぼす前にそんな存在を消滅させる。後腐れのないリスクヘッジ。筋は通っているじゃないか。………だが、これは」
そう言って俺は娘を抱き上げた。彼女はあるべき左半身を欠いていた。
おわり
20: 2015/07/07(火) 17:13:14.83 ID:FwvXhH2qO
>>1、あなた疲れてるのよ……
21: 2015/07/07(火) 17:15:16.47 ID:ynWun0Sv0
乙でした
鬱(´・ω・`)
鬱(´・ω・`)
22: 2015/07/07(火) 17:20:18.64 ID:kJsL1OnoO
最後のせいでホラーじゃねえか
おつ
おつ
引用元: 提督「サービス終了の夜」
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