ガチャコンコン

男「……従妹ちゃん、去年よりは進歩してるけど、開けたドアじゃなくて開ける前のドアにノックしようね」

従妹「ん」

男「まあ適当にしてくといいよ」

従妹「ん」

男「さて」ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ

従妹「……」ｼﾞｰｯ

男「ん？　ああ、友達とメールしてるんだよ」

従妹「……」ｽﾀｽﾀ

男「あ、そうそう、友達から借りた少女漫画そこに置いてるから」

従妹「ん」

従妹「……」ﾍﾟﾗ､ﾍﾟﾗ

男「……」ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ

コンコガチャッ

男「早い！　早いから従妹ちゃん！　ノックの意味を理解して！」

従妹「ん」

男「もう三年生なんだから、ね？」

従妹「ん」

男「あ、そうそう、最近CMでやってるゲーム買ったからやっても良いよ」

従妹「ん」

従妹「……」ｼﾞｰｯ

男「……やってる間は隣で説明してあげよっか？」

従妹「ん」ｺｸ

ガチャッ
従妹「……」ｽｯｽｯ

男「いや、ノックのジェスチャーしてるけど俺の部屋だから」

従妹「……」ｼﾞｰｯ

男「ん？　なに？」

従妹「……」ｼﾞｰｯ

男「えーっと……そのポニテ可愛いね」

従妹「ん」

男「なんか髪長くなってきて、大人っぽさが出てきたかなー」

従妹「……」

男「ん？」

従妹「……」ｸｲｯ

男「こ、こら、女の子が胸元引っ張らないの！」

従妹「……」ﾍﾟﾗｯ

男「ああもう……はいはい、スポーツブラしたのね、あんまりそういうことしないの」

従妹「ん」

コンコン
男「……」

コンコン
男「？　どうぞ？」

ガチャッ
従妹「ん」

男「おお、ちゃんと確認してから開けた、偉い偉い」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

従妹「ん……」

男「とりあえずいつも通り好きにしててね、俺はちょっと下に」

従妹「……」ｷｭｯ

男「ん？　袖なんて掴んでどうしたの？」

従妹「……」ｼﾞｰｯ

男「あ、そうそう、従妹ちゃんもコーラで良いよね、あとアイスも取って来るし」

男「いやぁ、喉渇いたし冷たいものも欲しくてさ」

従妹「……」ﾄﾞﾝｯ

男「わっと、いきなり押さないでよ」

従妹「……」ｶｧｧ

コンコン……ガチャッ

男「お、いらっしゃい」

従妹「ん」

男「従妹ちゃんも、もう六年生かぁ……大きくなったね」

従妹「……」ﾊﾞｯ

男「いや、胸はいうほど大きくなってないでしょ、背だから」

従妹「……」ﾍﾟﾁﾍﾟﾁ

男「いてて、やめてやめて」

従妹「……ん」

男「せっかく背が伸びたし前より可愛くなったって言おうとしたのに、全く」

従妹「……」ｷﾞｭｯ

ふにっ

男「……」

従妹「……」

男（成長、するもんだなぁ）

コンコン、ガチャッ

男「……ぐぅ……ぐぅ」

従妹「……ん？」

男「……ぐぅ……ぐぅ」

従妹「……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

男「うぅん……」

従妹「！」ﾋﾞｸｯ

男「……ぐぅ……ぐぅ」

従妹「……」

男「……ぐぅ……ぐぅ」

従妹「……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

男「んんっ……」

従妹「！」ﾋﾞｸｯ

コンコン、ガチャッ

男「んー？　ああ従妹ちゃんか」

従妹「ん」

男「今回はちょっと課題に追われててさ、まあ好きにしててね」ｶﾀﾀﾀﾀﾀﾀ

従妹「……」ｼﾞｰｯ

男「……」ｶﾀﾀﾀﾀﾀﾀ

従妹「……」ｼﾞｰｯ

男「……」ｶﾀﾀﾀﾀﾀﾀ

従妹「えと、お兄ちゃん？」ｼﾞｰｯ

男「えっ、あ、お、お兄ちゃん？」

従妹「ん」ｺｸ

男「あー、えっとそうだな、そこの棚は俺のお気に入りだから暇ならそれでも読んでて」

従妹「……ん」

男「……」ｶﾀﾀﾀﾀﾀﾀ

コンコン、ガチャッ

男「お、久しぶり従妹ちゃん」

従妹「ん」

男「前はごめんね、今年は時間あるからさ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

従妹「ん」

男「……その、だいぶおっきくなったね」

従妹「ん」

男「ちょっと、良い？」

従妹「？」

男「……」ｷﾞｭｯ

従妹「んっ……」

男「この間まではすごく小さかったのに……あっという間だなぁ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

従妹「……」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

男（すげえ時間経ったんだな、俺がお兄ちゃんからおっさんになるのも近いな……）

タッタッタッタ、ガチャッ！

従妹「お兄ちゃん！」

男「お？」

従妹「んっ！」

男「ん？　おお、俺が通ってた高校に受かったのか」

従妹「ん！」ｺｸｺｸ

男「でも従妹ちゃんの家からは……ああ、ここから通うのか」

従妹「ん！」ｺｸｺｸｺｸ

男「あー、そっかそっか……じゃあこのままで良いか」

従妹「……？」

男「俺さ、春から一人暮らしするんだよ」

従妹「えっ？」

男「多分従妹ちゃんが使うのは俺の部屋だからさ、中身はこのままにするから好きにしてね」

従妹「……え？」

男「あ、ちょっと用事あるからまた後でねね」
ガチャッ、バタン

従妹「……」

従妹「……」

従妹「……」ﾌﾗﾌﾗ

従妹「……」ﾎﾞﾌｯ

従妹「う……」

従妹「ぐすっ……」

従妹「うぅ……」

従妹「うぇぇ……ひっくっ……うぅぅ……」

従妹「うわぁぁぁああんっ！」

コンコン、ガチャッ

従妹「……」ｷｮﾛｷｮﾛ

従妹「……」

従妹「……」ｶﾁｯ､ｶﾁｶﾁ

従妹「……」ｶﾀ､ｶﾀ､ｶﾀ､ｶﾀ

従妹「お兄ちゃん……」

従妹「……」ｶﾀ､ｶﾀ､ｶﾀ､ｶﾀ

ガチャッ

従妹「……」

従妹「……」ﾎﾞﾌｯ

従妹「お兄ちゃん……」ｸﾝｸﾝ

従妹「ん……」ｸﾝｸﾝ

従妹「……すぅ……すぅ」


ギシッ


従妹「……！」ﾋﾞｸｯ

従妹「？」ｷｮﾛｷｮﾛ

従妹「箱……？」

従妹「！　お兄ちゃんから誕生日プレゼントだ！」

従妹「えへへ」

ガチャッ

男「コラ、ノックしろって昔言っただろ？」

従妹「……ん」

コンコン

男「うん、よし」

従妹「……」ｼﾞｰｯ

男「止せよ、可愛い女の子に見つめられたら照れちゃうから」

従妹「お兄ちゃんっ！」ｷﾞｭｯ

男「おっとっと」

従妹「あの、あのねお兄ちゃん！」

男「卒業したら結婚してくれ、それまでは付き合ってくれ」

従妹「！？」

男「嫌なら良いんだけど……付き合って、結婚してくれるか？」

従妹「んっ！」ｺｸｯ

従妹「あの、お兄ちゃん？」

男「ん？」

従妹「なんで、私なの？」

男「なんでって？」

従妹「その、お兄ちゃんと全然話してないし……」

男「え、だってほら、可愛いし巨Oだし、俺にくっついて来たりして可愛かったし」

従妹「……そんなんでプロポーズするの？」

男「それとだな、いつかは忘れたけど昔から好きになってたからかな」

従妹「……えへへ」

男「従妹ちゃんはこんな、いいのか？」

従妹「うん、お兄ちゃんのこと好きだもん」

男「俺が好き？　なんで？」

従妹「だって……」

従妹「お兄ちゃんとは喋らなくて良いから好き」

おしまい

おつ

乙。
良かった。