曜「ほらほら、早く手を出してー……！」

千歌「さあ、いっくよー！」

ようちか「さーいしょはー……」

ルビィ「あのぉ、これ、なんのジャンケンなの……？」

千歌「いいから、いいから！」

曜「気にしない、気にしない！」

ルビィ「すんごく、気になるんだけど…」そんなに急かされたら……」

ようちか「……さーいしょはー……！」

ルビィ「うぅ、わかったよぉ……」

千歌「じゃあ、始めよう！」

ようちかルビ「さーいしょはー……」

ようちか「……パー！｣ﾊﾟｰ

ルビィ「あれ、グーから始まらないの？｣ｸﾞｰ

ようちか「……ルビィちゃんの負けぇ！｣ﾋﾞｼｯ

ルビィ「そ、そ、そんな！」

ルビィ「ジャンケンって、最初はグーから始まるんじゃないの！？」

千歌「確かにそうだね」

ルビィ「じゃあなんでグーから始めないで、パーからなの！！」

曜「ほら、私たちって今……海賊じゃない？」

ルビィ「うん、衣装はそうだけど……」

千歌「海賊ってさ……なんていうか、『予測不能』じゃない？ 」

曜「想定外の攻撃を仕掛けて、財宝とかガッポガッポ奪っていくのが……海賊でしょ？」

ルビィ「それ本物の怖い海賊でしょお！！」

曜「でも、魂は……受け継がないとね……」

千歌「海賊の誇り、的なね……」

ルビィ「無茶苦茶だよ、屁理屈だよお……」

曜「と、いうことで……」

千歌「負けたルビィちゃんは……」

ようちか「罰ゲームっ！」

ルビィ「……！？｣ﾋﾟｷﾞｬｯ

ルビィ「そんなぁ……おかしなジャンケンで負けて罰ゲームなんてぇ……｣ｸﾞｽﾝ

千歌「負けちゃったからね、しょうがないよね」

曜「負けちゃったルビィちゃんに、これをやってほしいんですなあ……｣ｽﾏﾎﾐｾｰ

ルビィ「……ムービー？」

ｼﾞｰｯ




千歌「どう、覚えた？」

ルビィ「……こんなの、やりたくないよぉ……」

曜「ほほう、駄々をこねるとは」

千歌「ワガママはいけないのだ、ワガママは」

ルビィ「とにかく、絶対やりたくない！｣ﾌﾟｲｯ

曜「……そんな強情が、果たして通るのかな？｣ﾆﾔﾆﾔ

千歌「……これをとくと見よ！｣ｽﾏﾎﾐｾｰ

ルビィ「……えっ、こ、これは……！」



ーーー黒澤家 冷蔵庫

ﾄﾞｱｶﾞﾁｬﾘ

ルビィ『……おねえちゃんの抹茶プリン……』

ルビィ『……１個くらい食べても、バレないよね……』

ﾊﾟｸﾊﾟｸ

ルビィ『……おいしい……』

ーーー

千歌「……匿名匿住所希望の、１７歳女性からいただいた」

曜「ルビィちゃんがダイヤちゃんのプリンを盗み食いする瞬間を捉えた動画です」

ルビィ「隠せてないよ！ 丸わかりだよ！ おねえちゃんが撮ってたんだね！？」

千歌「……個人情報は非公開なので、お答えはできないのだ……」

ルビィ「逆におねえちゃんじゃなかったら怖いよ！」

千歌「……こんなね、人のものを勝手に盗み食いしちゃう、ルビィちゃんにはね……」

曜「お仕置きが必要だよね……」

ルビィ「う、うぅぅ……」

ようちか「というわけで、罰ゲームお願いしまーす！」

ルビィ「これって、つまりルビィ、最初からこうなる運命だったの……｣ｸﾞｽﾝ

千歌「あっ、そうそう。匿名匿住所希望の、１７歳女性がね」

千歌「『……お仕置きの出来如何によっては、不問に処しますわ』って」

曜「こりゃ気合い入れてやらないとね」

ルビィ「……もう、おねえちゃんって言ってるのと一緒だよ、それじゃ……」

ーーーそして

曜「はい、ルビィちゃん。これネタ用の小道具の地球儀ね」

千歌「それじゃあ、準備ができたら、よろしくお願いしまーす！」








ルビィ「ウォンチュ！」

ルビィ「君のハートに……リェボ☆ルーション！｣ｶｵﾏｯｶ

ルビィ「ショートコント……『証拠隠滅』」

ルビィ「うぅ、どうしよう。おねえちゃんのプリンを、ついうっかり食べちゃったよ……」

ルビィ「おねえちゃんの大好きな抹茶プリンなのに……」

ルビィ「この空の容器を見つけたら、おねえちゃんカンカンに怒るんだろうなあ……」

ルビィ「……証拠隠滅しよう、とりあえずこの容器は、ゴミ箱の奥に……」

ルビィ「ゴミ箱の奥に……」

ルビィ「ドミばのくに……」

ルビィ「ドミニカ……」

ルビィ「ドミニカ！ そーれ！」

ﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝ

ｸﾙｸﾙ ｸﾙｸﾙ

ルビィ「ここ！ ど、ドミニカ！」

ルビィ「続きまして、ショートコント……『注意』」

ルビィ「よっちゃんがまた黒魔術で何かを召喚しようとしてる……」

ルビィ『くっくっく、永き眠りから目覚めよベルゼブよ……』

ルビィ「……怖いけど、たまにはルビィがしっかり言わなくちゃ！」

ルビィ「よっちゃん、こんなところで黒魔術はダメだよ！」

ルビィ「黒魔術は……」

ルビィ「クロまじゅは……」

ルビィ「クロアチア……」

ルビィ「クロアチア！ そーれ！」

ﾄﾞﾝﾄﾞﾝ ﾄﾞﾝﾄﾞﾝ

ｸﾙｸﾙ ｸﾙｸﾙ

ルビィ「ここ！く、クロアチア！」

ルビィ「最後にショートコント……『焼き芋』」

ルビィ「わあ、マルちゃん。焼き芋が焼けたよ！」

ルビィ『うん、焼き色もすっかりついたずら。ルビィちゃん、召し上がれ？』

ルビィ「ルビィ、どっちの焼き色にしようかなあ……」

ルビィ『じゃあ、こっちの焼き芋は、オラのだね』

ルビィ「オラのだね……」

ルビィ「オラのだ……」

ルビィ「オランダ……」

ルビィ「そんなバハマ！」

ﾄﾞﾝﾄﾞﾝ ﾄﾞﾝﾄﾞﾝ

ｸﾙｸﾙ ｸﾙｸﾙ

ルビィ「バハマ！」

ルビィ「わ、わけわかんねぇだろ！｣ｶｵﾏｯｶｯｶ

ルビィ「……どうも、ありがとうございました……」

ルビィ「どっちの焼き色に～」←間違い

ルビィ「どっちの焼き芋に～」←正解



ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ

曜「最初の『リェボ☆ルーション』って舌足らずな感じなところ、良かったよ」

千歌「ちゃんと『そんなバハマ』で落としてくれて……ありがとう、ルビィちゃん」

曜「この出来なら、ダイヤちゃんも許してくれるよ、きっと……」

千歌「……梨子ちゃんのも良いけど、ルビィちゃんのも良いね」

曜「うん。動画が増えて、我々捗りますなあ、千歌ちゃん」

千歌「そうですなあ、曜ちゃん」

ルビィ「え、梨子ちゃんも、芸人さんのネタやらされてたりするの……？」

ルビィ「うぅ、千歌ちゃんと曜ちゃん怖いよ……オバケやワンちゃんよりも怖いよお！」

ｼｭﾀﾀﾀﾀｯ

千歌「怖いとは人聞きが悪いなあ、ちゃんと罰ゲームでやらせてるだけなのに……」

曜「それにしても、なんで千歌ちゃんがダイヤちゃんの撮った動画なんか、持ってたの？」

千歌「ダイヤちゃん、私に相談に来たんだよ、『ルビィがわたくしのお菓子を盗み食いしていたから、どうにか懲らしめやりたい』って」

曜「じゃあ、ダイヤちゃんのお仕置き云々の言葉は、本当なんだ」

千歌「いや、あれはでまかせ。動画を見て私は、『寛大な心で許してあげましょう？ 妹とは、お姉ちゃんのお菓子を食べたりする生き物なのです』って、答えてあげたから」

曜「……じゃあ、あの動画をネタにルビィちゃんを強請った、ってことなんだ……」

千歌「曜ちゃんも人聞きが悪いなあ、強請ったんじゃなくて、あくまでお仕置きとしてだね……」

曜「……怖っ」



終わり

いつも梨子ちゃんがやらされてることを、ルビィちゃんがやらされちゃいました

正直、あの海賊風衣装から思いついただけです

魔が差しました

乙
かわいいのぉりこちゃん編も見たい