1: ◆6HEVAW8/as 2015/12/23(水) 19:18:11.67 ID:rWUT75d50
梓「(敵車はおそらく正面のどこか……けれど地形に起伏があって、向こう側の様子が見えない……)」
「(M3の車高だと丘を登り切る前に狙い撃ちされるかも。でも迂回するとしたどっち……?」
「(左を回れば主砲を右に向けなきゃいけない。その間は車体をさらすことになる。右側だとうまく丘に隠れつつ、向こう側の様子が見えるかな……よし!)」
梓「桂利奈ちゃん、正面の起伏を迂回するようにして、右のほうへ微速前進。攻撃あるかもだから、いつでも後退できるようにして」
桂利奈「あーい」ガコッ、キュラ、キュラ、キュラ……
梓「副砲塔は1時の方を注視。位置がバレちゃうから、不用意な発砲は避けて」
あや「了解しました~」ズズズ……
梓「あゆみちゃんもいきなりは撃たないでね。ただ相手に明らかに発見されていて、射線が通るなら発砲してもいいよ」
あゆみ「うん!」
梓「相手はあの隊長だから、みんな集中してね!」
一同「了解!」
「(M3の車高だと丘を登り切る前に狙い撃ちされるかも。でも迂回するとしたどっち……?」
「(左を回れば主砲を右に向けなきゃいけない。その間は車体をさらすことになる。右側だとうまく丘に隠れつつ、向こう側の様子が見えるかな……よし!)」
梓「桂利奈ちゃん、正面の起伏を迂回するようにして、右のほうへ微速前進。攻撃あるかもだから、いつでも後退できるようにして」
桂利奈「あーい」ガコッ、キュラ、キュラ、キュラ……
梓「副砲塔は1時の方を注視。位置がバレちゃうから、不用意な発砲は避けて」
あや「了解しました~」ズズズ……
梓「あゆみちゃんもいきなりは撃たないでね。ただ相手に明らかに発見されていて、射線が通るなら発砲してもいいよ」
あゆみ「うん!」
梓「相手はあの隊長だから、みんな集中してね!」
一同「了解!」
2: 2015/12/23(水) 19:22:58.87 ID:rWUT75d50
M3 Lee キュラ、キュラ、キュラ……
梓「(う~ん、なかなか見えてこないな……隊長はどこに……?)」
「(あれ? あの茂みのなか……!)」
梓「停車! 停車して!」
桂利奈「わわわ…!」ガコッ
Ⅳ号 ズカッァァァァン!!
梓「(外れた?! 格闘戦になったら負ける…! ここで仕留めないと!)」
「前進! 照準を合わせ次第任意に発砲! 装填時間あるから落ち着いて!」
あゆみ「う、うん!」
Ⅳ号 キュララ…
梓「(車体を斜めに…?! これじゃあ正面は抜けない。でもいくら側面が薄いからって、この角度じゃ……そうだ!)」
「目標、敵車砲塔、よく狙って! 撃て!」
ズカッァァァン!! ガッァァァン!
・
・
・
3: 2015/12/23(水) 19:29:48.20 ID:rWUT75d50
全員「お疲れ様でしたー!」
みほ「お疲れ様。それじゃあ簡単にデブリーフィングするね」
「全般的にはすごくよかったかな。相手の位置も予想できてたし、照準や旋回も早かったよ。砲塔を狙うのも正解」
「ただM3は左側に盛り上がる形をしているから、左に曲がるときに遮蔽物があると、車長の視界が著しく制限されてしまうの。それで発見が数秒遅れたから、その点は反省かな」
梓「はい……」
みほ「うーん、でもいじわるな場所に伏せちゃったし、M3がちょっと特殊ってのもあるし……搭乗車が逆だったら、勝敗も逆だったかも」
「小さい的を狙うというのが今回は裏目にでちゃったけど、なんにせよ澤ちゃん、本当に上手くなったね♪」
梓「あ、ありがとうございます!」
みほ「じゃあ後は各車で反省会。まだカモさんチームとアリクイさんチームが帰ってきてないから、それまでは自主練ってことでお願いします」
全員「ありがとうございましたー!」
(沙織「みぽりん、なんというか貫禄が出てきたよねー。もう隊長って感じ」)
(みほ「ええぇ~……私、そんなに偉そうにしてるかな……」シュン)
(華「いえいえ、頼もしいということですよ」)……
4: 2015/12/23(水) 19:39:06.43 ID:rWUT75d50
梓「じゃあ、反省会しよっか♪」クルッ
一同「はーい」
梓「うーん、負けちゃったね」↓
桂利奈「う~……M3じゃ追いつけないよぉ」シュン
優季「でもでもぉ、相手は隊長さんだし~、戦車の性能だってあっちのほうが上だよぉ~」フリフリ
あゆみ「西住隊長も悪いとこはないって言ってたもんね!」グッ
あや「もう私たちも、一人前ってことで~す」ニヘラ
梓「もう、調子にのっちゃ駄目だって♪」ニコニコ
優季「(それにしても……)」
梓「でもほんと、隊長さんと組手すると、ドキドキするよね♪」ニコニコ
あゆみ「(車長のときと普段のときとの……)」
梓「今日も楽しかった♪」ニコッ
あや「(梓ちゃんのギャップはなんなんだろう)」
紗季「………」ボー
5: 2015/12/23(水) 19:39:46.31 ID:rWUT75d50
『ガールズ&パンツァー』!
第X話 「紅白戦です!」
※大洗が優勝した後ぐらいの妄想です
※戦車戦もキャラも書きたかった
※キューポラから顔出してキリッとしてる澤ちゃん可愛いよ!
>>10話放送時期に書いた物の修正版だよ!
※劇場版見て興奮して思わず書き込んでるよ! だから許して
6: 2015/12/23(水) 19:43:50.51 ID:rWUT75d50
みほ「それじゃあ、本日の訓練はここまで」
全員「ありがとうございましたー!」」
あゆみ「じゃあ帰ろっ♪」
優季「うん、そだねぇ♪」
あや「先輩方、おーつかれさまでした~」ノシ
桂里奈「お疲れ様でしたー!」ペコリ
紗季「………」ペコリ
先輩一同「はーい、じゃね~」ノシノシ
梓「……さて、今日はどうしよっか?」スック
あゆみ「ごめ~ん、私、ちょっと課題が……」
桂里奈「ああぁー!」ガーン
あや「おやおやぁ、やってないんですかぁ? かくいう私も、やってませーん」バッ
優季「あの課題、量多いよぉ~。ぜんぜん終わんな~い」ウルウル
梓「あはは、みんな……」タジ
あゆみ「梓ちゃんは終わってそうだね。紗希ちゃんは??」
紗季「………」コクコク
あゆみ「そっか、2人の真面目さがほしい……」ドヨーン
梓「別に前日に終わらせられないから、早めにやってるだけだよ」アハハ
あや「(人はそれを優秀と言う……)」
・
・
・
7: 2015/12/23(水) 19:48:02.43 ID:rWUT75d50
優季「ねぇねぇ、昨日の“オレ日の”見た~??」
あゆみ「見た見た~! もう私、すっごい感動しちゃった」
梓「彩が自分の罪を告白するシーンとか、もう涙出そうになっちゃったよね~」
紗季「………」ボー
あや「うう~む、ドラマの話題ですな~」
桂里奈「うーん、わたしドラマ分かんないー」ムー
あや「まぁまぁ、私たちには私たちの会話の種があるじゃないですか」
桂里奈「ていうとー?」
あや「ふふふ、昨日の最新話での、『嫌だ、私は諦めたくない!』……」
桂里奈「あ!? 『諦めるから出来ないんだって!』」
2人「『私が、私がサーニャをマモルンダー!!』」
あや「なんでか知らないけどおりょうさんに言って欲しいよね」
桂里奈「それ分かる! なんでだろねー?」キョトン
・
・
・
8: 2015/12/23(水) 19:54:15.13 ID:rWUT75d50
梓「あ、じゃあ私たちはここで」
丸山「………」コクコク
あゆみ「うん! じゃあまた明日」
優季「明日も練習がんばろぉ~」ノシ
あや「お二人とも、まーた会いましょ~う。お元気で~」ノシ
桂里奈「えぇっ?! 梓ちゃんと紗希ちゃん、どっか行っちゃうの?!」
あゆみ「いや、またあやが変な言い回ししてるだけだから……」
梓「あはは。それじゃあほんとに、また明日」スッ
紗季「………」ノシノシ
4人「じゃあね~」ノシ
桂里奈「行っちゃったね」
あや「行っちゃいましたね~」
宇津木「それじゃあぁ、遠慮なくぅ……」
あゆみ「澤ちゃん談義!」グッ
優季「今日もかっこよかったよねぇ~」フリフリ
あゆみ「うんうん、射撃訓練のときのさ、撃てって声が……」
桂里奈「わたしも停車って言われるとき、なんだかはいーっ!……って気分になったよ」
あや「ふふふ3人とも、まだまだ梓ちゃんの本当のカッコいい姿を知らないのです」
あゆみ「と言うと?」
あや「Ⅳ号戦車の姿を探して、キューポラから乗り出して、あたりを見廻している鋭い視線。Ⅳ号発見後に、さっと車内に戻って指示を飛ばす横顔……」
優季「うわ~……」キラキラ
桂里奈「あー、あやちゃん、澤ちゃんの隣だもんねー」
あゆみ「私たちのところからじゃ、振り向かないと見えないしね」ウーン
優季「ちょっと羨ましいかもぉ~」フルフル
あゆみ「それにしても梓ちゃん、最近さらにカッコよくなってきたよね」
優季「うんうん。前からわたしたちのリーダーって感じだったけどぉ」
桂里奈「さいきん西住隊長みたいだなーって、思うときあるよ」
あゆみ「それそれ! なんだか頼もしいっていうか、ぜんぜん強い感じじゃないのに……」
優季「ふだんはほわ~んとして、とっても優しいから、そのギャップがぁ~……」
あや「惚れますなぁ」ウンウン
一同「ねー!」
桂里奈「……実はわたし、梓ちゃんがお姉ちゃんだったらいいのにって、思ったことある……///」
優季「……実はわたしもぉ///」
あゆみ「えぇ?! みんなも?!」
あや「萌えですなぁ」ウンウン
・
・
・
9: 2015/12/23(水) 19:56:01.47 ID:rWUT75d50
テクテクテク……
梓「今日ね、西住隊長に大事な話があるって呼び出されちゃった」
紗季「………」コクコク
梓「生徒会長たちもそのうち引退するわけだし、次の代のことも考えていくべきだって」
紗季「………?」
梓「うーん、その、それで……私に、次の隊長の意識を持って取り組んで欲しいって……///」
紗季「………!」キラキラ
梓「ううん、そんな、私なんて……全体をまとめるなんてこと」
紗季「………」フルフル
梓「ふふふ、ありがとう。紗希がそう思ってくれるだけで、とっても嬉しいよ」
紗季「………」コク
梓「でも全体か……どんなことを意識すればいいんだろうね?」
紗季「………」シュン
梓「あ、ごめんね。分からなくて当然だもん」
紗季「………」コク
梓「何を意識すればいいのか、これから西住隊長の姿を見ながら、考えなきゃね」
紗季「………!」コク
・
・
・
10: 2015/12/23(水) 19:57:39.84 ID:rWUT75d50
ある日の放課後
華「以上、会計報告を終わります」
みほ「うん、それじゃあ次は……訓練かな。突然ですが、次の日曜日、紅白戦をやろうと思います」
典子「紅白戦?」
みほ「うん、4チームずつの、校内対抗戦」
カエサル「車両が足りないのではないか? 受験で離れている3年生方もいるし、生徒会チームは特に多忙というじゃないか」
みほ「3年生の先輩方ですが、皆さん復帰してくれるそうです。なのでそこは大丈夫」
華「そういえば生徒会チームの皆様は、推薦だったりAOだったり、受験はもう終わったとお聞きしました」
ツチヤ「うちは引退とかそういうの、微塵も考えてないみたいだしねー」
沙織「カモさんチームも授業だからってきっちり出てるもんね」
みほ「うん、というわけで4チームごとの、小隊戦を行います」
カエサル「その心とはなんだ?」
みほ「河嶋先輩が今年で引退されるので、全体指揮をとれる人が減ってしまいます。なので私が撃破された状況を想定して、指揮官を育成したいのが1つ」
「それと戦車道が今後も選択科目として続くことが決まったので、次の隊長を育成したいのが1つです。運営的な面では、磯辺さんが副隊長を務めてくれているけれど、偵察や陽動が主体の八九式だと、全体指揮は取りにくいのが実際だし……」
典子「確かにそうだな。今さら車両も変えたくないし、指揮官は増やすべきだろうな」
カエサル「なるほどな。委細了解した。して誰がチームの隊長を?」
みほ「私としては、全国初戦からのメンバーで、火力支援車として全体を見回しやすいということでカエサルさん」
カエサル「うむ」
みほ「次の隊長候補として澤ちゃん、この2人を推薦したいかな」
梓「えぇ~! 私ですか!?」ビクッ
典子「うん、当然だな」コク
カエサル「他に1年の幹部もいないだろう」ウンウン
梓「そ、それはそうですが……」アセアセ
沙織「澤ちゃん車長としてすっごく頼りになるって、他の1年の子達も言ってたよ! 自信を持ってもいいと思うな」ニコッ
梓「あ、ありがとうございます」
みほ「反対の人がいなければこれで決定したいんだけど、大丈夫かな?」
一同「大丈夫でーす」
梓「が、頑張ります!」
カエサル「私も謹んで努めさせて頂く」
みほ「よろしくね。それじゃあ次にチーム編成だけど、経験や車両性能を考慮して、こんな感じに分けてみたんだけど……」
11: 2015/12/23(水) 19:58:22.55 ID:rWUT75d50
カエサルチーム 澤チーム
ヘッツァー軽駆逐戦車 八九式中戦車
Ⅳ号中戦車 三式中戦車
B1bis重戦車 TigarP重戦車
Ⅲ号突撃砲 M3 Lee中戦車
12: 2015/12/23(水) 20:00:06.32 ID:rWUT75d50
カエサル「ふむ、悪くないな」
優花里「八九式とヘッツァーは軽戦車相当。Leeは駆逐戦車みたいなところがありますからねぇ」
みほ「澤ちゃんもこれでいい?」
梓「は、はい、大丈夫です!」
みほ「意見のある人は遠慮なく言ってね」
一同「………」フルフル
みほ「うん、それじゃあ車両班は試合に準ずるチューンをお願いします」
ツチヤ「了解したよ」
みほ「機材班も必要機材の用意をお願い」
梓「はい!」
みほ「輸送班と情報班、それと無線班は……特にはないかな」
カエサル「うむ」
優花里「校内戦ですとそうなりますねぇ」
沙織「ヘッツァーちゃんの機嫌がいいかの確認だけかな。しばらく動かしてあげてないから」ウーン
みほ「それから……華さん、申し訳ないけれど、今月の予算に少し追加かな」
華「ふふ、分かりました。みなさん、必要経費は早めに申し出てくださいね」
一同「はーい」
みほ「それじゃあ、幹部ミーティングを終わります」
一同「お疲れ様でしたー!」
・
・
・
14: 2015/12/23(水) 20:03:50.81 ID:rWUT75d50
スタスタスタ
梓「(私が隊長なんて……)」
「(意識を変えろとは言われていたけれど、まさかいきなり……うぅ、私なんかが磯辺副隊長やナカジマさんに、指示を出していいのかな……)」
「(ねこにゃー先輩はいまだにちょっと掴めないところがあるし……相手はあのカエサル先輩に、隊長に会長もいるよ……とてもじゃないけど私なんかじゃ)」
「え?」
梓「みんな、待っててくれたの?」
あゆみ「いやあ特に用事もないし、待とうかって」
あや「なんかアイスでも食べ行かないってなったんだけど、梓ちゃんだけ置いてくのもあれなのでー」
紗季「………」コクコク
梓「遅くなるから先に帰っててって言ったのに……」
優季「まぁまぁ、一緒に帰ろぉ~」
桂里奈「おぉ~」
梓「あはは、もう本当に……ううん、ありがとう」ニコッ
あゆみ「じゃあ帰ろっか。いこいこ」
桂里奈「アイス楽しみ~♪」
15: 2015/12/23(水) 20:05:39.96 ID:rWUT75d50
紗季「……?」
梓「ん、紗季。ううん、なんでもないよ! ちょっと幹部ミーティングでね」
紗季「……??」
あや「おっ、何かあった感じ?」
梓「それがね、次の日曜日、紅白戦をするらしいんだけどね、白チームの隊長に選ばれちゃった」
桂里奈「おぉ、すごいっ!」
紗季「……!」キラキラ
梓「でも私なんかじゃとてもじゃないけど……」
一同「そんなことない!」
梓「え、ええ、なに??」アセッ
あゆみ「いやいや、全然いいと思うよ。もう私、バリバリついていくよ」
優季「梓ちゃんだったらきっと、いいリーダーになれると思うよぉ」
桂里奈「うんうん」
あや「敏腕指揮官ここに誕生ですなぁ」
梓「いやいや、みんなそんなに持ち上げたって何もでないよ~」アハハ
あゆみ「(本気なのに……)」
桂里奈「(なんてたって私たちのリーダーだもんね!)」
あや「(そりゃもう当然ですよ)」
優季「(とりあえずぅ、梓ちゃんが指示をとばすところがたくさん見れるってことだよね~。ふふふ~)」
紗季「………」ムー
梓「あはは、そだね、ごめんね、弱気になってたね」
紗季「……♪」ニコッ
梓「(やるだけやってみる。廃校がかかってるわけじゃない。それにこれはスポーツなんだ)」
「(勝つために全力を尽くすことに意味があるんだ……! 責任を取り違えちゃダメ!)」
「やるだけやってみる。西住隊長からの期待だもん!」
一同「……♪」パアァ
梓「(そして、こんなにも応援してくれる、みんながいるんだから……!)」
・
・
・
16: 2015/12/23(水) 20:08:48.81 ID:rWUT75d50
当日
みほ「角谷先輩! 河嶋先輩! 小山先輩! お久しぶりです!!」
杏「西住ちゃーん、久しぶり~」モグモグ
「いや~、ちょっとばかし離れちゃってごめんねぇ~?」アタマカキカキ
みほ「そんな、受験ですから。むしろお忙しいところありがとうございます」
桃「私たちが一時的に離れて、たるんではいないだろうな。疎かにしたら承知せんぞ!」キリッ
柚子「たぶん桃ちゃんよりはうまくこなせてると思うけど……」
桃「なんだとぉ! もういっぺん言ってみろ!」ギャーギャー
杏「はいはい、そこうっさいよ。もうすぐOGなんだから、どっしり構えてよね~」モキュモキュ
みほ「あはは……改めまして、復帰して頂き本当にありがとうございます」
杏「いいっていいって~、受験終わってヒマだったからさ~」ヒラヒラ
桃「これからの練習はきっちり参加してしごいてやるからな」キリッ
みほ「本当ですか?! ぜひお願いしたいです!」グッ
桃「な!? ま、まあ、西住がそこまで言うなら、考えてやってもいいが……//////」
杏「ははは、予想外の返事されて、照れてやんの」ニヤニヤ
みほ「正直なところまだまだ人数が少ないですから; 普段の練習で指導してくださる方がいるのは助かるんです」
柚子「へぇ~、だったら私もはりきっちゃおうかな。戦車道のみんなといられるなら、楽しいしね」
杏「ふ~ん、じゃ、あたしも付き合ったげてもいいよ」モグモグ
みほ「うわ~、ありがとうございます! ……先輩たちとまだ一緒にいられると思うと、それだけでも嬉しいです……はい///」
杏「可愛いこと言ってくれんね~。なー、河嶋」ニヒヒ
桃「ど、どうして私に振るんですか!///」
杏「べっつに~」ニヤニャ
みほ「///……それでは今日の説明に入ります」
「形式は殲滅戦。校内4チームずつの紅白戦になります」
「目的は指揮官育成。先輩方に所属して頂く紅チームは、カエサルさんの指揮になります」
杏「へ~、そりゃ楽しみだ」モキュモキュ
みほ「あ、ちょうど来たようです。作戦の内容については、カエサルさんからお願いします」
17: 2015/12/23(水) 20:09:59.65 ID:rWUT75d50
カエサル「生徒会チームの皆様、お久しぶりです」
杏「あーあー、いいよいいよ、私たちは気にせず始めちゃって」フリフリ
カエサル「では、皆揃っているようなので」
「ごほん。皆聞いてくれ。こちらにとって最大の脅威は、ポルシェ・ティーガーの装甲だ」
「おそらくこちらの砲で、正面から貫徹できるのはⅣ号とⅢ突、それもⅣ号の場合かなりの接近が必要となるだろう」
「だからこのティーガーをまず叩く! おそらく相手チームは、ティーガーを先頭に立ててこちらを押して来るだろうが、これを早期に発見」
「遅滞戦術で引きつけているうちに、隙を見てⅢ突で撃破する!」
「偵察についてはカメさんチームにお願いしたい。縦横無尽に動いて、ティーガーを見つけて頂きたい」
桃「心得た」キリッ
カエサル「発見の後、アンコウチームとカモさんチームは現場に急行。カメさんチームと連携する形で戦列を形成、敵を足止めしてほしい」
「しかし正面から撃ちかかって勝てる相手ではない。無理な交戦は控えるように」
みほ「了解しました」
そど子「了解したわ」
カエサル「Ⅲ突は射撃ポイントに移動。ティーガーを撃破する。その後はⅢ突を起点としてカメさんチームを先頭とした一翼包囲戦術で敵を撃滅する!」
左衛門佐「鶴翼の陣というわけだな」
おりょう「虎狩りの時間ぜよ」
エルヴィン「ふふ……自分たちの戦場は、自分たちで演出する」ドヤッ
カエサル「以上の作戦をカンネー作戦とする!」
「次にこの地図を見て欲しい、予想される会敵地点は……」
優花里「(西住殿、西住殿)」ヒソヒソ
みほ「(ん、どうしたの、優花里さん?)」コソコソ
優花里「(カエサル殿の作戦、どうなんでしょうか?)」ヒソヒソ
みほ「(ん……目的がはっきりしていて、地形にも彼我戦力にも配慮されたいい作戦立てだと思うよ。ただ……)」コソコソ
優花里「(ただ?)」ヒソヒソ
みほ「(相手だって勝てる作戦を考えてるはずだよ)」
18: 2015/12/23(水) 20:13:11.24 ID:rWUT75d50
梓「相手チームの狙いは、ポルシェ・ティーガーの撃破にあるはずです!」
「ポルシェ・ティーガーの装甲を破らない限り、相手チームに勝ちはありません。そしてそのポルシェ・ティーガーを撃破するためには、Ⅲ突による攻撃が必要です」
「そして私たちの優先目標も、Ⅲ突の撃破です。Ⅲ突を撃破さえすれば、後はティーガーの前面装甲と火力で敵を圧迫できます」
ナカジマ「うんうん、硬さだけは本当だからねー」
梓「なのでまず、ティーガーを囮に使います」
ナカジマ「うえ!?」
梓「戦場のややこちら側の中心に、大きな岩が存在し、少し凹んだ守りに適した場所があります。ティーガーはここに直行。相手に発見させます」
「相手チームの車両が集まってきたところで、こちら側も3式を前進。後方からのM3 Leeの支援も含めて、戦列を形成します」
「またこのとき、八九式も一度だけ戦列に参加し、その後離れた位置に潜んでいてください」
典子「お、狙いが分かってきたぞ。了解した」
梓「相手チームはそこで三突を投入して、ティーガーの撃破を図るはずです。そこに八九式は突撃。格闘戦に持ち込んでこれを撃破してください」
「そのまま八九式は後方撹乱。それ以外の車両はティーガーを中心に戦列を押し上げて、相手側を殲滅します」
ねこにゃー「おおぉ、キャンプに見せかけた機動戦。そして三突をNDK」
ももがー「このくらい作戦会議できたらいいのにねー」
ぴよたん「noobもこれならでませんしー」
梓「Ⅲ突の撃破に成功すれば、相手チームの火力をそげるだけでなく、指揮官撃破でかなり優位に立てます」
「しかし相手チームには隊長、それに前副隊長の河嶋先輩もいます。最後まで油断しないようお願いします!」
「一方で生徒会チームは練度も落ちているはずなので、付け込めると思ったら攻め込んでいきましょう。……先輩方は大丈夫だと思いますが」
ナカジマ「あたしらは受験中もこいつをいじり倒してたからな~。ま、期待に応えられるよう盾役頑張るよ」
ツチヤ「私はもっと走り回りたいなー」
スズキ「そんなことしたらまた燃えちゃうよ」アッハッハ
ホシノ「そりゃ勘弁だな」ハッハッハ
梓「それでは地図を見ながら具体的な動きの説明に移ります……」
・
・
・
19: 2015/12/23(水) 20:17:04.23 ID:rWUT75d50
スタート位置
梓「開始まであと3分だね。優季ちゃん、タイムキーピングお願い」
優季「う、うん……」
あゆみ「………」ソワソワ
梓「(やれることは全てやった。後は試すだけ)」
「(だけどカエサル先輩を破ったとして、相手チームには西住隊長も河嶋先輩もいる)」
「(そう簡単には、いかないかな……)」グッ
紗季「………」ジー
「………」グッ
ギュッ
梓「あれ、手を……紗希?」
紗季「………!」
桂里奈「あ、梓ちゃん!」
梓「え?! あ、なにかな?」
桂里奈「わたし! 梓ちゃんが行けっていったとこなら、すぐ行く! 全速力で行くよ!」
あゆみ「わ、私も、どんな目標だって当ててみせるから!」
あや「私も!」
優季「わ、私だって、梓ちゃんが忙しい時は、きちんと無線で情報交換するよぉ!」
丸山「………」ジー
梓「みんな……」
「(そっか、私だけが頑張らなきゃいけないわけじゃないんだ)」
「(みんなが居るから、みんなと一緒なら、大丈夫……!)」
梓「うん、勝とう! みんなで!」
優季「時間まであと10秒だよぉ」
梓「(全力を出して……勝とう!)」
優季「試合開始時刻だよ!」
梓<<試合開始時刻です! 全車、パンツァー・フォー!>>
・
・
・
20: 2015/12/23(水) 20:21:11.55 ID:rWUT75d50
<<こちら指揮車、試合開始だ! 予定通りカメさんチームは斥候を頼む。それ以外の車両は予定ポイントに移動開始!>>
優花里「はじまりましたねぇ」ワクワク
みほ「うん。麻子さん、予定ポイントに移動開始。随伴のカモさんチームと離れ過ぎないよう注意してください」
麻子「分かった」ガコッ
キュラキュラキュラ……
華「あのぉ、予定ではⅢ突でティーガー撃破となっていますが、Ⅳ号ではそれは厳しいのでしょうか?」ハテ
みほ「う~ん……できないこともないけど、ちょっとだけ博打かな」
優花里「ポルシェ・ティーガの正面装甲は100mmなんですが、それは基本スペックで、被弾を受けやすい部分は200mmまで補強されているんです」
「通常装甲部分を狙うか、砲塔正面の防盾のない部分を狙えば、運が良ければ貫通判定がでるでしょうが……かなりの精度が必要とされます」
みほ「火力にしろ精度にしろ、接近しないとダメだから、重戦車相手にはほとんど捨て身かも……」タラッ
沙織「うぅ、そんなドキドキは嫌だよぉ」ズーン
麻子「私は構わないぞ」
みほ「あはは、いざとなったらそれもありかもね。でもとりあえず、カエサルさんの作戦通り行こう」ニコッ
「(うーん、ただこの展開だと……)」
21: 2015/12/23(水) 20:23:15.80 ID:rWUT75d50
ザ、ザザッ
<<こちらカメさんチーム、現在F5地点、いまだ敵車発見ならず>>
<<指揮車了解。全車予定会敵ポイントを西に2つ修正。前進>>
優花里「出てきませんねぇ」
華「予想ではティーガーを先頭にして突入してくるはずでしたが」
みほ「うん、アンブッシュするみたいだね」
優花里「判断としてはどうなんでしょうか?」
みほ「基本的に待ち伏せは有利な作戦だよ。だけど今回の紅白戦は、ある程度会敵地点が絞られるし、効果は薄いかな」
「それより足を止めてしまうと、それだけ包囲される危険が増すしね。ティーガーをプッシュに使わないのは、ちょっともったいないかな」
優花里「なるほど! 機動力を活かしてこその戦車ですものねぇ」キラキラ
みほ「(そう、それが定石。だからこれは、澤ちゃんの判断ミスなのか、それとも……)」
ザッ
<<こちらカメさんチーム! C6地点にて敵車発見! ティーガーと確認!>>
<<指揮車了解! 全車、作戦行動を開始せよ!>>
優花里「お、始まりましたねぇ」ワクワク
みほ「よし。麻子さん、D4地点に向かって全速前進。車体を隠しながら敵車を伺える地点を探します」
麻子「了解」ガコンッ
みほ「(さて、どうなるかな……)」
・
・
・
22: 2015/12/23(水) 20:25:12.82 ID:rWUT75d50
<<こちらレオポン、発見されたぞ~。車両はヘッツァー。交戦を避けて後退していった。現在は姿を確認できず>>
梓「了解です! 各車、予定通り行動お願いします!」
<<アリクイさんチーム了解……レオポンの後ろに付きます>>
<<アヒルチーム了解! これより敵に陽動をかけた後、後退して身を隠す!>>
梓「そちらも了解です! 各車、Ⅲ突が突出してくるまで回避を最優先してください」
あゆみ「は、始まった……」ゴクリ
梓「桂里奈ちゃん、位置はこのまま。だけど狙われたらすぐに後退するから準備してて」
桂里奈「は、はいぃ!」グッ
梓「あやちゃんは砲撃準備。相手チームの車両が見えたらすぐに発砲するよ。M3が後方から狙っていることを印象づけて!」
あや「了解でーす!」
梓「さあ、頑張って勝つよ!」キッ
一同「おー!」
ザザッ
<<こちらアヒルチーム! Ⅳ号とB1を発見!>>
・
・
・
23: 2015/12/23(水) 20:26:38.58 ID:rWUT75d50
<<こちらアンコウ。ティーガーと三式を発見。位置は変わっていない模様>>
<<こちらカモさんチーム。八九式も発見したわよ。こちらに発砲してきたけど、損害な……! ……再び発砲音。後方にM3が控えているみたいね。姿は確認できないわ!>>
カエサル「指揮車了解だ。無理に頭を出さず、敵を引きつけておいてくれ」
<<了解!>>
カエサル「(さて、状況の整理だ。相手チームは前方の窪地に立て篭もっているらしい。この窪地は大きな岩がいくつかあって身を隠しやすい。後方からM3も狙っている状況で、正面から行くのは難しいか……)」
「(包囲する? いや、頭を出した瞬間にティーガーに狙い撃ちされたら一発だ。あまりにリスクが大きい……)」
「(そうだ! あの窪地なら東南の丘に登れば射線が通るはず。3両で敵を引き付けつつ、Ⅲ突で狙い撃てば)」
カエサル「エルヴィン、E7地点に移動してくれ。窪地に立てこもる相手チームの、まずティーガーを叩く! そのまま全車で突撃して完全勝利だ!」キリッ
エルヴィン「よしっ、心得た! おりょう、E7地点に全速前進。敵車に発見されたら後退するから気を抜くなよ! 左衛門佐、一発で仕留めるぞ!」
おりょう「了解ぜよ」ガコンッ
左衛門佐「ふっ、さながら那須与一の扇の的だな!」ドヤッ
一同「それだっ!」ビシッ
カエサル「(今のところこちらの作戦通りだ。澤のやつには悪いが、一気に決めさせてもらう。賽は投げられたのだ!)」
・
・
・
24: 2015/12/23(水) 20:29:55.39 ID:rWUT75d50
<<こちらレオポン。3両の波状攻撃を受けてるぞ~。ちょっと反撃は厳しそうだ~>>
<<ア、アリクイさんチーム……岩から頭を出すのは厳しいです……反撃できず>>
(<
25: 2015/12/23(水) 20:31:59.54 ID:rWUT75d50
キュラキュラキュラキュラ……
おりょう「もうすぐ指定ポイントぜよ」
エルヴィン「クックッ……勝利の時は近いな」ニヤッ
カエサル「それにしても不整地でもかなりの快速だな」
エルヴィン「Ⅲ突は出力重量比が高いからな。そもそも快速Ⅲ号の砲塔を外しているのだ。機動性が低いわけがない」ドヤッ
左衛門佐「おっと、高精度高威力の主砲を忘れてもらっても困るぞ」
カエサル「まさに皇帝がごとき戦車だな」キリッ
一同「ハッハッハッハッ」ドヤガオタカワライ
おりょう「ポイントぜよ」ガコンッ
エルヴィン「よし、そうだな……10m先の茂みに潜ってくれ、そこからティーガーの方へと車体を修正。発砲用意!」
おりょう「了解ぜよ」
左衛門佐「了解!」
キュラ、キュラ、キュラ……
カエサル「(ふふふ、勝負は決したようだな。いざルビコンを渡るとき……!)」
おりょう「視界はどうぜよ?」
左衛門佐「この位置なら大丈夫だ」
エルヴィン「よし。気づかれた様子はないな……撃つぞ!」
左衛門佐「……照準いいぞ!」
エルヴィン「ようし撃……」
八九式 グワッ、キュラキュララララ!
エルヴィン「なんだとぉ!」クワッ
26: 2015/12/23(水) 20:37:20.48 ID:rWUT75d50
八九式 ガッァァァァァン
Ⅲ突 ガギィィン! ズッカッァァァァン
左衛門佐「くそっ、外したぞ!」アセッ
八九式 キュラキュラ ググッ キュラキュラキュラララ
エルヴィン「左旋回! 車両状況報告! 装填急げ!」
おりょう「車体に異常は確認できないぜよ」グッ、ガコッ
左衛門佐「砲の稼働に異常! 変形しているかもしれん!」
エルヴィン「格闘戦だ! こちらも左回りに前進! 後ろを取られるな!」
おりょう「くっ、きついぜよ」ガコンッ
カエサル「(読まれていた?! 全体として対応すべき策は…?)」ゴソゴソ グッ
「(くそっ、装填しながらだと頭が回らない)」スッ グイッ ガコンッ
カエサル「装填完了!」
「……そうだ! ヘッツァーに救援を」
エルヴィン「そうだな、いくらⅢ突の機動性が高くとも、砲塔がなければ うわっ!」フラッ
八九式 ガッァァァァン!!
エルヴィン「側面か?! なんとか弾いたらしいが……左衛門佐!」
左衛門佐「駄目だ! 旋回が追いつかない」
おりょう「これ以上は無理ぜよ」
エルヴィン「くっ……フェイントかけて後退だ! とにかく一瞬でも相手を射界にいれろ! 任意に発砲して構わん!」
Ⅲ突 グッ グッ キュラ……ギュラギュラギュラ
エルヴィン「ようし、今だ撃てぇ!」
Ⅲ突 ズッカッァァァァァン!!
左衛門佐「だ、駄目だ、照準に不良。何発か撃たないと修正できないぞ!」サー
エルヴィン「くそうっ」ガンッ
カエサル「(ここまでか)」
八九式 ガッァァァァン !!
Ⅲ突 ガンッ シュバッ【白旗】
エルヴィン「カバさんチーム行動不能!」
カエサル「すまないっ。……西住隊長、後を頼みます」
・
・
・
27: 2015/12/23(水) 20:42:40.29 ID:rWUT75d50
<<西住隊長、後を頼みます>>
みほ「了解です。全車、こちらアンコウ、これより指揮を引き継ぎます」
「カメさんチーム、E7ポイントへ急行。八九式の撃破にあたって下さい」
「カモさんチーム、これよりアンコウはティーガーに対して格闘戦をしかけます。それへの支援、特に三式に集中して攻撃を行なって下さい」
<<カメさんチーム了解だ!>>
<<カモさんチーム了解しました!>>
みほ「みんな聞いてください。このままだと戦力差に押し切られて負けます。だからちょっと賭けになっちゃうけど、窪地に突入してティーガーの撃破を狙います」
優花里「………」ゴクリッ
みほ「稜線に一度顔を出し、3秒後に後退。敵の発砲を確認したのち突撃です」
「窪地に降りたらティーガーと三式の中央を突破して、すれ違いざまにティーガーに発砲。停車できないけれど……華さん、お願い」
華「分かりました」
みほ「撃破の成功如何に関わらず、中央を突破後は右回りに前進を続けて、ティーガーを撃破しているならその影に隠れて三式へ攻撃」
「そうでない場合は回りこむ途中でフェイントをかけて反転。ティーガーの背中を狙います。麻子さん、今ので伝わったかな?」
麻子「大丈夫だ」
みほ「沙織さんは今の件をカモさんチームに伝達お願いします。それじゃあ、パンツァー・フォー!」グッ
一同「了解!」
・
・
・
28: 2015/12/23(水) 20:47:49.70 ID:rWUT75d50
<<こちらアヒルチーム。Ⅲ突を撃破したぞ!>>
梓「了解です。そのまま後方撹乱をお願いします」
<<了解!>>
<<レオポン、前進開始するぞ~>>
<<アリクイさんチーム……レオポンに続きます……>>
梓「了解です。気をつけてお願いします」
あゆみ「や、やった。このままいけば勝てそうだよ!」グッ
優季「だねぇ~、澤ちゃんの作戦どおりだよぉ~」キラキラ
梓「まだ油断しちゃダメ。相手にはⅣ号が残ってるんだから。……桂里奈ちゃん、窪地を南から迂回するように前進。相手チームを半包囲するよ!」
桂里奈「わ、わかりましたー!」ガコンッ
あや「敵と遭遇したら即発砲?」
梓「ううん、状況を見てから。Ⅳ号にしろB1にしろ、どこを撃っても貫通できるわけじゃないから」
あゆみ・あや「了解!」
紗季「………」ボー
梓「(でも今のところ優勢なのは事実。後はポルシェ・ティーガーを前に立てて、Ⅳ号に格闘戦をしかけられないようにさえすれば……)」
<<Ⅳ号発見! 窪地への頭出し射撃を続けるらしいぞ>>
<<アリクイさんム……ティーガーに随伴します>>
<<おぉ~、離れすぎんなよ~。攻めてきたら隠れていいからな~>>
梓「(防ぐべきは格闘戦?! しまった、なら当然西住隊長は……!)」
<<Ⅳ号再び目……わっ、突っ込んできたぞ!>>
梓「桂里奈ちゃん、急速反転! 窪地へ射撃可能な位置へ急いで!」
・
・
・
29: 2015/12/23(水) 20:49:35.04 ID:rWUT75d50
Ⅳ号 キュララッッララララ
みほ「装填時間があるから落ち着いて、駆け抜けざまに発砲!」
華「撃ちます!」
Ⅳ号 ズカッァァァァァァァン!!
みほ「命中! ……撃破に至らず! 麻子さん、ティーガーの左側面に回り込んで!」
麻子「分かってる」ガコッ
Ⅳ号 キュラキュラキュラ
TigarP ズッカッァァァァァァン!!
みほ「(撃ってきた、でも外れた!)合図でティーガーを壁にしながら反転。ティーガーの背面を狙える位置で停車!」
沙織「カメさんチームから入電。八九式と交戦中だそうです!」
みほ「了解です。沙織さん、カモさんチームへ状況の連絡をお願いします」
沙織「了解したよ!」
みほ「………反転!」
麻子「了解」ガコンッ
Ⅳ号 グッ ガ キュラキュラキュラ
優花里「装填完了!」ガコンッ
みほ「華さん!」
華「分かりました……発射!」
Ⅳ号 ズカッァァァァァァン!!
TigarP ギィン シュバッ【白旗】
・
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・
30: 2015/12/23(水) 20:55:48.21 ID:rWUT75d50
<<こちらレオポン、ごめん、撃破されちゃった~>>
(<<あっちゃ~、後部かなりいったなぁ、今日も修理が大変そうだ>>)
(<<履帯ふっ飛ばされるよか楽だろう。判定大破でエンジン本体が無事だったらだけど>>)
(<<ははっ、違いない>>)
<<アリクイさんチーム……Ⅳ号を捉えました。射撃開始>>
三式 ダッァァァァァァン!!
<<命中せず……Ⅳ号は一度距離を取ろうとし……>>ザァァァッ
B1 ダッァァァァァァン!!
三式 ガァン シュバッ【白旗】
<<くっ……被弾に付き行動不能。申し訳ない……>>
(<<***!>>)
(<<****!>>)
梓「(い、一瞬にして2両が……いやだめ、落ち着かないと。Ⅳ号は……退却中で撃てない。なら!)」
「あゆみちゃん、前方のB1に向けて砲撃! 側面だから当たれば撃破できるよ。真ん中を狙って!」
あゆみ「わかった」タラッ
梓「停車!」
桂里奈「あいっ!」ガコンッ
あゆみ「………照準よし!」
澤「撃てぇー!」
M3 Lee ズカッァァァァァァン
B1 ガァンッ シュバッ【白旗】
梓「こちらウザギチーム。B1を撃破しました!」
<<アヒルチーム! こちらもヘッツァーを撃破した! すぐそちらに向かう!>>
梓「(2対1。それも挟撃できる配置……ならⅣ号は? ……だめ、このままじゃ各個撃破される!)」
「アヒルチーム、隠れてください! Ⅳ号がそちらに向かった可能性があります」
<<ん、そうか……特にそんな様子もないが……うわっ!>>
梓「磯辺先輩?!」
<<……アヒルチーム行動不能だ! くそっ、すまんっ!>>
梓「(そんな……Ⅳ号とLeeじゃ性能に差がありすぎる。こんなにも一気に……)」
31: 2015/12/23(水) 20:57:37.05 ID:rWUT75d50
紗季「………」
あゆみ「………くっ」
あや「えっと……」
桂里奈「………」
優季「どうすればぁ~……」
梓「(みんながこっちを見てる……でもごめんね。もう私にはどうすることもできない……)」
「(全力で戦えばOK? でも負けは見えてる。そんな勝負にみんなを付き合わせるの?)」
「(こんなとき、西住隊長だったら)」
「(そう、西住隊長だったら)」
「(……違う、隊長だったら!)」
梓「みんな聞いて!」
一同「!」
梓「嘘は言わない。戦況はかなり苦しい状況だよ。でも考えてみて。この状況はこないだの組手の時と同じ」
「あのとき隊長は、勝負は分からなかったって言ったよね。そのくらい私たちは、ちゃんと力を発揮できる車両なんだよ!」
「今日の作戦だってうまくいった。私たちは負けと分かった勝負をしたわけじゃなかったの。ちゃんと勝てるチームで、そして勝負はまだ分からないの」
「……私たちは指揮車だから、そんな勝負を最後まで勝ちに引っ張れる力があるの! 気合を入れて! 私たちはこのチームの指揮車なんだから!」
桂里奈「う、お、うぉぉぉぉ!」グッ
あゆみ「そうだね! 私たちが頑張らなくて、誰が頑張るんだってことだよね!」
あや「もう私たちだって、1人前だもんね!」
優季「先輩たちに勝てないなんて、ありえないわけじゃないよね!」
紗季「………」グッ
梓「さあみんな、いくよ、Ⅳ号を追撃して、パンツァー・フォー!」
一同「おー!」
・
・
・
32: 2015/12/23(水) 21:06:27.46 ID:rWUT75d50
優花里「まるで脚本が設定されていたかのような逆転でしたねぇ」シミジミ
みほ「ちょっと出来過ぎだね。ティーガーに返り討ちに合わないか分の悪い賭けだったし、三式の支援射撃を受けずに済んだのもほとんど運。なんどもうまくいく流れじゃないよ」
華「そこはやはり、まだまだ練度の差があるのでしょうか?」
みほ「う~ん、そうかも。落ち着いて対処されていたら、かなり不利だったし……。どうしても公式戦の経験については、差があるから……」
「これからは紅白戦や練習試合を多めに組んで、実戦形式の練習を増やす必要があるのかな」
沙織「その点最後に残ったウサギさんチームは、練度もバッチリだね」
みほ「うん、油断しないように行こう」
麻子「それで、どこに行けばいい? 攻めるのか?」
みほ「ええっと……ううん、F5地点に向かってください。そこで相手を待ち伏せします」
麻子「分かった」ガコンッ
優花里「こちらから仕掛けないんですか? Lee相手なら機動力でかなり有利に立ち回れますが」キョトン
みほ「うん、けれど不意打ちを受ける可能性も残るから、リスクは避けたいかな。F5地点は丘の影に隠れて左右が開けた場所だし、奇襲を受けることはあり得ない」
「それにこの間の組手で、ウサギさんチームに勝った場所だし、縁起もいいかなって」
優花里「なるほど、実績があるポイントということですね! さすが西住殿です!」
みほ「えへへ……対したことないよ//」
「………」
「(無理に正面から挑む必要はない。先に発見さえ出来れば、確実に勝てる……澤ちゃん、この試合勝ちに行かせてもらうよ!)」
麻子「着いたぞ」ガコンッ
みほ「ありがとう。それじゃあ前方の茂みの中に隠れて下さい。車体は丘の向かって右外縁に対して正対、少し11時方向に傾けて」
優花里「M3は丘を北回りに迂回してくるという予想ですか?」
みほ「うん、澤ちゃんはきっとそうしてくるはず」
華「ですが、南回りに来られた時に困るのでは?」ハテ
みほ「その場合は急速前進。そのままM3の脇腹を突いて、一気に勝負を決めるよ」
沙織「澤ちゃん勉強熱心だもんね。こないだ左回りでって言われたし、北回りで来るの分かる気がする」
優花里「むむむ……心理戦ですね。気を引き締めていきましょう」グッ
みほ「うん! 焦れて集中力を切らしたほうが負けだから、もう少し頑張ろ~!」
・
・
・
33: 2015/12/23(水) 21:10:13.40 ID:rWUT75d50
M3 Lee
あゆみ「来ない、ね……」フウ
優季「う、うん……」ドキドキ
桂里奈「うぅ……」ググッ
梓「………」
「(D5地点……正面に丘があって、左右は開けた地勢。ここなら待ち伏せに最適だけど、相手も同じ事を考えているということなのかな。……なにより、この場所は西住隊長と組手をして負けた地点)」
「(条件が同じなら結果も同じく繰り返される……だとすればどうすれば)」
「(条件を変える? かといって回りこむことはできない。もちろん援軍もありえない)」
あや「うぅ……暑い。汗が……」タラリ
紗季「………」フキフキ
梓「(みんなの緊張も限界か……これ以上待って速攻を受けたら、間違いなく圧倒される。だったら……)」
「(考えろ。相手は何をいま考えているのか。こちらの飛び出し撃ちに無駄弾を撃たないようにしよう? M3は主砲を向けるのに時間がかかるから、落ち着いて攻撃しよう?)」
「(最適解は……M3は右の方に視界が開けるのが早いから、北回りで丘を迂回すること……!)」
紗季「………」ジッ
梓「………」
「……みんな、作戦を説明するよ」
・
・
・
34: 2015/12/23(水) 21:31:08.37 ID:rWUT75d50
みほ「10分経過、か……みんな、大丈夫かな?」
沙織「私は全然へーきだよ~」ヒラヒラ
麻子「沙織は無線手だからだろ?」
沙織「ひっどーい! 私だって緊張してるんだからね!」プンスカ
麻子「通信相手もいなくなった状況で、何を緊張する?」
沙織「ええっとそれはぁー……機銃手とか?」ハテナ?
麻子「いくらM3でも貫通しないぞ……」
華「ふふ、やっぱり2人は仲がよろしいですね」ニッコリ
優花里「私も集中力に関しては全く問題ありません! むしろ戦車に乗って、これ以上無い安らぎ空間です!」パァァ
みほ「あはは、みんなまだまだ耐えられそうだね」
「(やっぱりこのあたり、みんなベテランっぽくなってきたな。士気の低下に関しては問題無さそう)」
「(ウサギさんチームの練度が低いわけじゃないけど、限界は先に訪れるはず……そろそろかな)」カチャリ
みほ「………」ジー
沙織「あぁ~……キューポラが開いただけで涼しい感じがする~」パタパタ
華「まだまだ暑い季節なうえに、こうも密閉されていると、湿気がこもりますものね」
麻子「砲塔側はまだマシだぞ。私もそっちに行っていいか?」
みほ「しっ、静かに……」
「(駆動音!……近づいてくる。……あれっ、これは…!)」
M3 Lee グワッ ギュラララララララ!!
みほ「南から!? 敵車、9時の方向! 全速前進、側面に回りこんで!」ガチャン
優花里「あわわ……」
麻子「了解」ガコンッ
35: 2015/12/23(水) 21:36:28.53 ID:rWUT75d50
Ⅳ号 グッ キュラキュラキュラ
みほ「(裏をかかれた!? でも機動力はこちらのほうが上、格闘戦に持ち込めば問題なく勝てる!)」
華「照準合わせます!」
みほ「(M3は……あれ、旋回しない?! 丘を抜けた勢いでそのまま直進して……副砲塔がもうこっちに向いてある!)」
「て、停止!」
麻子「くっ」ガッ
Ⅳ号 ザザッァァ
沙織「イテテ……」
みほ「な、撃って来なかった?! 癖を読まれた?!」
華「しょ、照準よし!」
みほ「撃て!」
M3 ダッァァァァァァァン!!
Ⅳ号 ズカッァァァァァァン!! ギィンッ!
・
・
・
・
・
・
Ⅳ号 シュバッ【白旗】
優花里「な……」アゼン
みほ「砲塔に直撃……か、最後に運がなかった……ううん、ここまでよく戦えたほうかな」
沙織「ほえ~……」ポー
華「……やられましたね」
麻子「そうだな」
みほ「うん」
沙織「……ある意味、目的達成?」
みほ「……うん!」ニコッ
・
・
・
36: 2015/12/23(水) 21:41:45.76 ID:rWUT75d50
梓「………」
あゆみ「………」
優季「………」
桂里奈「………」
紗季「………」ボー
あや「……あ、当たった」タラリ
あゆみ「当たった!」ガバッ
桂里奈「勝った!」グッ
優季「勝ったよぉ~!」ウルッ
梓「………」
あゆみ「勝ったんだよ! 私たち!」
梓「………」
優季「あれ? 梓ちゃん大丈夫? どっか打ったり……!?」
梓「あ、いや、違うの、ごめんね……その、気が抜けちゃって」アハハ
優季「なんだぁ~……」ホッ
あゆみ「もう、驚かせないでよ~」
あゆ「本当だよ~」
桂里奈「です~」
紗季「………」ジー
梓「うん、ほんとにね、本当に……うんっ」ジワッ
あゆ「わっ」アセッ
あゆみ「どうしたの澤ちゃん?! やっぱりどっか……」
梓「ううん、違うの……勝てたのが嬉しくて……勝てたっていうより、みんなと勝てたのが、すっごく嬉しくて……」ヒック
優季「梓ちゃん……」
紗季「………」キュッ
梓「ありがとう。みんな、ほんとにありがと……」ヒック
37: 2015/12/23(水) 21:43:38.72 ID:rWUT75d50
あゆみ「……私たちこそ、ありがとうだよ。本当にお疲れ様」
桂里奈「とっても楽しかったよ!」
優季「なんだかこれまでの試合とは違った感じがしたよぉ~」
あや「今日からまた違った風に頑張れますよー!」
紗季「………」ギュッ
梓「うん、うん……おかしいね、私ったら、練習試合なのに、こんなボロボロ泣いちゃって」フキフキ
(みほ「や、やっほー、澤ちゃーん、聞こえてる~」)
(優花里「あはは、西住殿ぉ、何を恥ずかしがってるんですかぁ?」)
(みほ「その、大声で呼びかけるのって、なんだか恥ずかしくて」)
(華「しかも相手は鉄の塊ですしね」)
(麻子「滑稽だな」)
(沙織「もう麻子、そんなこと言ったらもっと萎縮しちゃうでしょ」)
(みほ「うぅ……」)
あゆみ「先輩たち、来てくれたのかな?」
梓「そうみたいだね。行こっか♪」
一同「うんっ!」
ガチャリ
・
・
・
38: 2015/12/23(水) 21:44:23.77 ID:rWUT75d50
梓「先輩方! お疲れ様です!」
沙織「おー、澤ちゃん、キューポラから覗く姿がカッコいい~」ニコニコ
梓「わわっ、高いところから失礼しています! すぐにそちらに降りますので……」ヨット、タタンッ
優季「お疲れ様ですぅ~」ガチャリ
あゆみ「お疲れ様です!」ガチャッ
沙織「なんか色んな所から出てきて……面白いね!」アハハ
優花里「ハッチがいっぱいありますからねぇ」
麻子「弱点もたくさんだな」
華「まあなかなか狙えるものでもありませんし」
梓「よっと……改めまして、お疲れ様でした、先輩方!」ペコリ
1年一同「お疲れ様でしたー!」ペコリ
39: 2015/12/23(水) 21:45:00.51 ID:rWUT75d50
みほ「澤ちゃん……完敗だよ。先輩後輩なんて関係ない。心から敬意を表します」
梓「そ、そんな?! 私なんてまだまだで、それに上手くいったのは、普段から西住隊長の指揮を見ているからで、ほとんど騙し討ちみたいな……」
みほ「ううん、そんなことないよ。相手の考えていることを読み、それを考慮した上で行動を決める。この間の組手の結果と反省から、私があそこに伏せていたこと、それに北回りを予想して布陣していたことを知っていたんだよね?」
梓「は、はい……」
みほ「それに私が砲撃を受ける瞬間に停車することも……あそこで無理に回避を狙わなければ、当たるか当たらないかは運次第だったし、Ⅳ号なら耐えられたかもしれないのに……やられたよ」
梓「い、いえ、あんなのもし予想が外れていたら、一方的にやられていたかもしれないダメな作戦で……」シュン
沙織「……もーう、澤ちゃん!」メッ
梓「はいっ!」アセッ
沙織「謙遜は乙女のモテ要素だけど、車長としてはやり過ぎだよ! みんなはその澤ちゃんの作戦を信じて、それで結果も残したんだから、もっと誇らなきゃ」プンプン
梓「誇る……ですか?」チラリ
あや「………」グッ
優季「………」ニコニコ
あゆみ「………」ニコッ
桂里奈「………」コクコク
紗季「………」コクリ
梓「……はいっ!」
40: 2015/12/23(水) 21:50:15.02 ID:rWUT75d50
優花里「おおっ、何やら熱いやり取りです!」
華「キマシタワーですね」ニコニコ
麻子「……意味を分かって言っているのか?」
華「ふえ、女同士の友情に、感嘆する言葉と聞きましたが」ハテ
麻子「いや、いい……」
カエサル「おーい!」
エルヴィン「なんだ、結局負けてしまったようだな」
左衛門佐「離れて見ていたが、なかなか楽しかったぞ」
おりょう「大洗の歴史にまた1ページぜよ」
梓「カエサルさん……ありがとうございました!」
カエサル「こちらこそだ……ふふっ、完敗だ。こればかりは言い逃れできん。……もしかしてお前、私の作戦を読んでいたのか?」
梓「ええっと、はい……」
カエサル「どおりで。良い作戦を立てるだけでは勝てないのだな。必要だったのは、アウグストゥスのごとし、他者に対する深い洞察か……」
梓「いえ……勝負はわかりませんでした。……ですが、全力も尽くさせて頂きました」
カエサル「ふふふ、澤、なんだか顔つきが変わったな。お前が先輩になるのが楽しみだ」
優花里「おおっ、今度は何やら先輩後輩の熱い会話が」グッ
華「キマシタワーですね」ニッコリ
麻子「……もう突っ込まないぞ」
41: 2015/12/23(水) 21:54:13.64 ID:rWUT75d50
カエサル「さて……西住隊長!」
みほ「え……はい、なんでしょうか?」
カエサル「負けてこの発言はいささか心苦しいが……どうやら私に代理指揮官は難しいようだ」
沙織「えぇ~! そんな、一度負けたからって……」
優花里「戦史には一度負けて勇将となった将も多いそうです。そう早く結論を出さずとも」
カエサル「ああいや、そんな大層な話じゃないんだ。いや実は、Ⅲ突で装填手をしながら全体指揮を取るというのが、ほとんど不可能でな」ポリポリ
「どうしても弾が重く、戦闘に突入すると全体指揮なんてとりようもない。もっとも、今回の経験は非常に良い物になったと思っている。こんどから作戦会議の折は、指揮官の視点で会議を見ることも可能になるだろう」
みほ「なるほど……分かりました」
カエサル「それになにより、次期指揮官育成、それと代理指揮官育成……何も別にしなければいけないものでもないしな」ニヤッ
梓「え、それって……」タジ
カエサル「副隊長は典子が適任だしな、澤隊長代理なんてどうだろう?」
優花里「おおっ、それはいいですね!」グッ
華「責任感もありますし」ニコニコ
沙織「みんなに慕われてるし」ニコッ
麻子「適任だな」
梓「くぅ……///」カァァ
紗季「………」ジー
あや「澤隊長代理!」
あゆみ「澤代理!」
桂里奈「澤ちゃん隊長!」
優季「澤隊長ぉ~」
梓「もうみんなっ、やめてってば……///」ブンブン
42: 2015/12/23(水) 21:54:49.40 ID:rWUT75d50
みほ「ふふふ」ニッコリ
梓「あ、西住隊長」
みほ「澤ちゃん……どうだった、指揮官? 何か見つかったかな?」
梓「そうですね……相手のことを考えて、自分たちのことを考えて、それが指揮官だと思っていました。でもそれだけじゃダメなんですね、何をするかだけじゃない、何を示すかも、とても大事なんだって」
みほ「……うんっ。澤ちゃん、もう後輩チームなんて呼べないね。これからも同じチームメイトとして、指揮官として……よろしくねっ♪」
梓「はいっ、よろしくお願いします!」
43: 2015/12/23(水) 21:57:53.15 ID:rWUT75d50
終わりです!
ノリと勢いだけでやった。ガルパンはいいぞ
暇があったらエリみほとかこれの続編とか書いてみたい
読んでくださった方はどうもでした。後でHTML化出してきます
44: 2015/12/23(水) 22:05:03.76 ID:F7aIy79G0
乙。
澤ちゃんが現役の間は大洗の黄金時代になれる(予言)
澤ちゃんが現役の間は大洗の黄金時代になれる(予言)
45: 2015/12/23(水) 22:07:00.11 ID:sgS86J6nO
乙!
引用元: 梓「私が隊長代理ですか?!」
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