1: 2017/05/12(金) 19:49:08.01ID:e33mzQxw.net
曜「だから、千歌ちゃんに告白なんて無理だって!」

善子「無理じゃないっての、いつまでウジウジしてるのよ!ヘタレヨーソロー!!」ググググ

曜「無理なものは無理だよーーーー嫌われたら私氏ぬからーーーっ」グヌヌヌヌ

善子「千歌がこんなことで嫌うわけないでしょぉぉぉはやく行きなさいよぉ」ググググ

曜「私が氏んだらどうするの!?みんな悲しむよ!!」グヌヌヌヌ

善子「いいからはやく行けってーーーーっ!」ググググ

3: 2017/05/12(金) 19:53:36.14ID:e33mzQxw.net
花丸「またやってるずらか」

ルビィ「今月でもう3回目だね」

花丸「毎度毎度、教室で待たされてる千歌ちゃんが可哀想ずら…」

ルビィ「あはは…」

4: 2017/05/12(金) 19:57:14.82ID:e33mzQxw.net
千歌「あっ善子ちゃん!部室にいたんだ」

曜「ぬぉわっ!!!」

善子「千歌、教室で待ってなさいって言った じゃない」

千歌「だって善子ちゃんなかなか来ないし、誰もいないから暇だったんだもん」

千歌「準備しとかないとダイヤさん怒るし、みんなもはやく着替えよー」

曜「千歌ちゃんの言う通りだよう!時間は有限!!」

善子「貴女にだけは言われたくないわ」

花丸「そしていつもの流れ…」

ルビィ「見張り役の梨子ちゃんは?」

梨子「呼んだ?」ヌッ

花丸「うわっ何処から出てきたずら!?」

梨子「どこって最初からいたわよ…」

6: 2017/05/12(金) 20:20:03.34ID:e33mzQxw.net
ルビィ「見張ってたんじゃなかったんですか?」

梨子「ちゃんとクラスのみんなには『曜ちゃんが告白するから教室には近づかないで』って言ったわよ」

花丸「それ逆に集まるんじゃ…」

梨子「むしろ『またか』って感じだったけど」

ルビィ「クラスにも浸透してるんですね…」

曜「おーい、3人とも練習はじめるよー」

梨子「当人があの調子だからね」

7: 2017/05/12(金) 20:22:33.92ID:e33mzQxw.net
ーーー
ーー


善子「…皆集まったようね、第8回ようちか会議をはじめるわよ」

ルビィ「わー」パチパチ

ダイヤ「…なんですか?これは」

梨子「掻い摘んで説明すると、いつまでたっても千歌ちゃんに告白できない曜ちゃんをどうにかする集まりです」

果南「8回やってその段階なんだ…」

鞠莉「曜が勇気を出せば終わる話ではないのですか?」

ルビィ「それもあるんですけど、その…なんというか8回それぞれに事件があって」

8: 2017/05/12(金) 20:23:55.02ID:e33mzQxw.net
善子「とにかく!そろそろ決着をつけないといけない時期でしょ、今度という今度は告白させるんだから」

曜「私は告白しないって言ってるのに…」

善子「ダメですぅ~これはもう曜だけの問題じゃありません。Aqours全体の問題ですぅ~」

ダイヤ「巻き込んだのはあなたでしょうに」

果南「曜ちゃんはやりたくないって言ってるんだから、別にしなくてもいいんじゃないの?」

梨子「まぁ…善子ちゃんが意固地になっているのにも、理由があって…」

9: 2017/05/12(金) 20:26:18.47ID:e33mzQxw.net
ーーー

in第6回ようちか会議

梨子『もぅ…なんで告白できないのよ「好きです、付き合ってください」の一言だけじゃない』

曜『ヨーソロー…やっぱり目の前にすると緊張するというか…』

善子『それを世のリア充はみんな乗り越えてきてるのよ、シャンとしなさいシャンと』

曜『そんなに簡単なことじゃないよ…』

ルビィ『せめて、経験者がいればアドバイスも聞けるんですけどね』

善子『…そこまで言うなら仕方ないわね、こうしましょう』

曜『?』

善子『私も好きな人に告白してくるから、曜も千歌に告りなさい』

曜『えぇ!?』

善子『私にできることが曜にできないわけないでしょう?』

梨子『いいんじゃない?もともとは曜ちゃんと善子ちゃんの片恋を成就させるために開かれた会なんだし』

曜『それはそうだけど…ぅ分かったよ、善子ちゃんが告白したら、私も告白する』

善子『よし、決まりね』

ルビィ (あれ、でも善子ちゃんの好きな人って…)

10: 2017/05/12(金) 20:27:08.18ID:e33mzQxw.net
---

花丸『ごめんなさい』

善子『』

花丸『善子ちゃんのことは好きだけど、まる、恋愛とかよく分からないし…』

花丸『だからこれからも友達として仲良く…善子ちゃん?』

善子『はっ…あ、ええ、そうね。これからも友達として…』

ー物陰ー
梨子『…ぉお』

ルビィ『善子ちゃぁ…』

曜『…』

12: 2017/05/12(金) 20:33:44.87ID:e33mzQxw.net
---
第7回ようちか会議

曜『やっぱり告白なんてすることじゃないんだよ!』

善子『何怖気付いてるのよ、約束したでしょ!!1人だけ安全な所に突っ立ってんじゃないわよ!!!いいからはやく告りに行きなさいっっっ!』

曜『嫌だぁぁ善子ちゃんの二の舞になりたくないぃぃぃ』グヌヌヌヌ

善子『二の舞言うなっ、教室で千歌が待ってるのよぉぉ』ググググ

曜『ムリムリムリムリ』グヌヌヌヌ

善子『無理じゃない!』ググググ

13: 2017/05/12(金) 20:40:03.43ID:e33mzQxw.net
ーーー

梨子「で今に至る、と」

果南「なるほどねぇ」

鞠莉「だからこの会議にも花丸がいなかったのですねー」

ダイヤ「しかし、二人が気まずくしてるようにはとても見えませんでしたが」

ルビィ「花丸ちゃんと善子ちゃんは今まで通り仲良しだよぉ…むしろ善子ちゃんの方は色々と吹っ切れたみたい」

果南「だったらどうして曜ちゃんはそんなに尻込みしちゃってるの?」

曜「だって千歌ちゃんもそうなるとは限らないから…」

善子「なんでここまでネガティブになれるのかしら」

17: 2017/05/12(金) 21:24:45.70ID:e33mzQxw.net
鞠莉「そこまで自信がないのだったら、ちかっちに直接聞いたら?」

梨子「直接?」

鞠莉「はい!曜以外の誰かが『もし曜に告白されたらどうするー?』と探りを入れるのです」

善子「直球ね…」

鞠莉「昔から何でもstraightが一番と決まっているでしょう?

鞠莉「それに曜もいつも言ってるじゃない『全速先進ヨーソロー』って」

曜「ヨーソロー…」

梨子「…言っとくけど、ヨーソローは肯定と見なすからね」

19: 2017/05/12(金) 21:29:45.24ID:e33mzQxw.net
鞠莉「そこまで自信がないのだったら、ちかっちに直接聞いたら?」

梨子「直接?」

鞠莉「はい!曜以外の誰かが『もし曜に告白されたらどうするー?』と探りを入れるのです」

善子「直球ね…」

鞠莉「昔から何でもstraightが一番と決まっているでしょう?

鞠莉「それに曜もいつも言ってるじゃない『全速先進ヨーソロー』って」

曜「ヨーソロー…」

梨子「…言っとくけど、ヨーソローは肯定と見なすからね」

20: 2017/05/12(金) 21:32:35.77ID:e33mzQxw.net
ーーー
ーー


梨子「それで結局、家が隣の私が聞くことになったんだけど、いきなり聞くのも不自然よね…」

千歌「なにが不自然なの?」

梨子「うわぁっ千歌ちゃん!!」

千歌「えへへーこんばんは!」

梨子「こんばんは…」(やっばい窓開けっ放しにしてた)

千歌「独り言言ってたみたいだけど…考え事?」

梨子「あはは…ちょっとね、作曲について」

21: 2017/05/12(金) 21:33:08.95ID:e33mzQxw.net
千歌「そうだ、そろそろどんな曲つくるか決めなきゃだね」

梨子「うん。それで昨日千歌ちゃんがいない時、新曲の話になってね、『恋の歌なんてどう?』って意見が出たの」

梨子 (神様、仏様、千歌ちゃん、ごめんなさい。私は今サラッと嘘をつきまくってます)

千歌「恋の歌かぁー、でも経験がないから無理って話になったんじゃなかったっけ?」

梨子「そうなのよね…千歌ちゃん、告白されたこととかもないの?」

千歌「ないよー、ナイナイ」

梨子「じゃあ、もしも告白されたらどうする?」

千歌「えぇー、誰にされたかにもよると思うけど…断るんじゃないかなぁ。好きでもないのにOKするのは申し訳ないし」

梨子「じゃあ、それが曜ちゃんだったら、どうする?」

千歌「曜ちゃんだったら?」

梨子「…」

22: 2017/05/12(金) 21:36:25.09ID:e33mzQxw.net
千歌「えっと…どうして?」

梨子「どうしてって、え?」

千歌「どうしてそんなこと聞くのかなーん、なんて」

梨子「あ…ぅ」(どうしたの?今日の千歌ちゃん鋭すぎるでしょ…)

千歌「多分…だけど新曲と関係ない話、だよね…どうして?」

梨子「え…えぇと」(えぇいどうにでもなりなさいっ)

梨子「も、もしかして、千歌ちゃんと曜ちゃんって付き合ってるのかなーん、なんて…はは」

梨子「あはは…」

千歌「…」

梨子「…ぅ」チラッ

千歌「な…」

千歌「なんで知ってるの…?」カァァァァ

梨子「へ?」

千歌「今まで誰にも言ったことなかったのに!」

千歌「どうして分かったの!?」

梨子「…」

梨子「はい?」

57: 2017/05/14(日) 17:55:05.61ID:ywjbyG6Z.net
梨子「ちょっと待ってね」

千歌「?」

梨子「待って待ってね…待ってよ?」

千歌「待ってるよ?」

梨子「うん…うん…あーはい、はいはい、そういうことね…」

梨子「…」

梨子「意味わかんねえええぇぇぇぇぇ!!!」

千歌「!!!?」

58: 2017/05/14(日) 17:56:51.88ID:ywjbyG6Z.net
千歌「ど、どうしたの!?」

梨子「あ…ごめんなさい、取り乱して」

梨子「…いくつか質問があるんだけど、いい?」

千歌「う、うん」

梨子「曜ちゃんと付き合ってるって本当?」

千歌「本当だよぉ、ていうか梨子ちゃんそう思ってたんじゃなかったの?」

梨子「予想が当たるとは限らないでしょ、…え、いつから付き合ってるの?」

梨子「そもそもどっちが告白したの?デートは?キスは?」

千歌「落ち着いてよ、梨子ちゃん目が怖いよ」

千歌「大丈夫!千歌、記憶には自身があるから事細かに説明してあげる!!」

千歌「えっと…まずどっちが告白したか、だっけ」

60: 2017/05/14(日) 18:07:57.11ID:ywjbyG6Z.net
ー10年前ー

千歌「しまねぇ、しまねぇ!!」

志満「どうしたの?千歌ちゃん」

千歌「けっこんってなにしたらできるの?」

志満「結婚?そうねぇ、まずはお友達になって恋人になって…すごく仲良くなって、一生一緒に過ごしたいって思えたら、一番いいでしょうね」

千歌「こいびと?」

志満「カップルって言ったら分かるかしら、デートしたりキスしたりする…」

千歌「かっぷる!! 」(みとねぇがいっつも言ってるやつだ!)

千歌「ありがとうしまねぇ!」

志満「はーい」

志満 (好きな子でもできたのかしら) フフッ

63: 2017/05/14(日) 18:31:50.66ID:ywjbyG6Z.net
ーーー

千歌「みとねぇ、みとねぇ!!」

美渡「…今忙しいからしまねぇに相手してもらいな」

千歌「どうやったらすきな人とかっぷるになれるの?」

美渡「えぇ?そんなの私が聞きたいよ…期末試験終わったら遊んでやるから…今は話しかけないで」

千歌「ねぇねぇ、でーととかきすとかどうやったらできるの?みとねぇしらないの?」

美渡「あーっもう!!うるさいなぁ、そんなの『私と付き合ってください』って言えばいいでしょ!はい、解決!!」

美渡「分かったら外で遊んでこい!じゃあねっもう来ないでよ!」

千歌「はーい!みとねぇありがとう!!」

65: 2017/05/14(日) 18:47:24.43ID:ywjbyG6Z.net
ーーー

ピーンポーン

千歌「よーうちゃん!よーうーちゃーんー!!」

曜「はーい!おはよーそろー!!」ガチャッ

千歌「ヨーソロー!!」

曜「今日はなにしてあそぶ?」

千歌「えっとねー、きのうは虫とりしたでしょ?だから今日は…ってそうじゃないよ!」

66: 2017/05/14(日) 18:48:29.62ID:ywjbyG6Z.net
曜「?あそびにきたんじゃないの?」

千歌「そうなんだけど、そうじゃなくて…えっと」

千歌「ようちゃん、わたしとつきあってください!!」

曜「うん、いいよ!」

千歌「ほんと!?」

曜「もちろん!それで、なにするの?」

千歌「えーーっと」

ーーーーー志満『デートしたりキスしたりする…』ーーーーーー

千歌「でーとしようよ!」

68: 2017/05/14(日) 19:08:59.02ID:ywjbyG6Z.net
ーーー

千歌「って感じかな、やっぱりあの日のことは忘れられないよ」

梨子「そうなんだ…」 (高海さん、それ多分曜ちゃん覚えてないです)

千歌「曜ちゃんが二つ返事で応えてくれた時は嬉しかったなあ」

梨子「そう…」(高海さん、それ多分曜ちゃん付き合うの意味を履き違えてたんだと思います)

梨子 (というか、なんというベタな勘違いを…)

梨子「それで、それからどうなったの?」

千歌「えっとねー」

71: 2017/05/14(日) 19:18:23.35ID:ywjbyG6Z.net
ーーー

曜「ちかちゃん!こっち赤い実があるよ!!」

千歌「ほんとだ!これ野いちごっていうんだよ」

曜「のいちご?」

千歌「うん!食べれるんだよ、もってかえってあらって食べようよ」

曜「じゃあぼうしに入れてもってかえろう!」

千歌「うん!」

千歌 (たのしいけど、なんかいつもとやってることいっしょな気がする…)

千歌 (しまねぇあとなんて言ってたっけ…)

ーーーーーー志満『デートしたり"キス"したりする』ーーーーーー

千歌「!」

72: 2017/05/14(日) 19:24:09.22ID:ywjbyG6Z.net
千歌「ねぇねぇ、ようちゃん」

曜「なに?」

千歌「ちか、ようちゃんとキスしたい」

曜「きす?…ってなに?」

千歌「えっとね、たしか口と口をあわせるんだよ」

曜「口と口を?」

千歌「うん!あのね、こうやって…」スッ


チュッ


千歌「…どうだった?」

曜「んー、かおがちかかったかなぁ」

千歌「そっかー」

曜「こういうあそびなの?」

千歌「あそびじゃなくてスキンシップっていうんだよ」

曜「スキン…?」

75: 2017/05/14(日) 19:40:55.98ID:ywjbyG6Z.net
ーーー

千歌「っていう具合に」

梨子「そっかー」(内浦の小学生はすごいなあ(詠嘆))

梨子 (ていうか、曜ちゃんぴゅあっぴゅあだし、千歌ちゃんおませさんだし)

梨子 (いや、鈍感さと大胆さで言えば2人とも今と何ら変わりはないのかな)

梨子「それで、それ以降キスしたことあるの?」

千歌「うん、私がキスしたいって言ったらさせてくれてたし、だんだん曜ちゃんからも誘ってくれるようにもなったんだけど」

梨子 (言い方)

77: 2017/05/14(日) 19:50:49.62ID:ywjbyG6Z.net
千歌「小6ぐらいだったかなぁ…曜ちゃんがいきなり『もうキスはしない!』って言いだして」

千歌「恥ずかしいからなんだろうけど…ちょっと寂しいかな、えへへ」

梨子「そうね」(曜ちゃんキスの意味知るの遅くない?)

千歌「あ、でもね、今でも千歌が寝てる間にキスしてくれるの。可愛くない?」

梨子「え?」

千歌「最初はたまたま気づいたんだけどね、なんだか嬉しくて寝てるフリよくしちゃうんだ」

梨子 「嘘でしょ?」

千歌「それだけじゃないよ、この前なんか『愛してるよ』って言ってくれたんだよ!耳元で!!!」

梨子「寝てる間に?」

千歌「寝てる間に!」

梨子「ウィスパー?」

千歌「ウィスパー!」

78: 2017/05/14(日) 19:57:28.17ID:ywjbyG6Z.net
ーーー

千歌「じゃあもう遅いし、おやすみ」

梨子「うん…おやすみなさい」

梨子「…」

梨子 (わけが分からない、このすれ違いようはなんなの?アンジャッシュなの?)

梨子 (ていうかやるんだったらバレないようにやってよ渡辺…)

梨子 (この拗れ私が直すの?)

梨子「…」

梨子「はぁ…」

梨子「もうやだ…」

96: 2017/05/16(火) 07:41:37.92ID:WuZyP64n.net
善子「昨日の話、どうだった?千歌に聞けたの?」

梨子「あ…うん、まぁ」

ルビィ「本当!?千歌ちゃんなんて答えたんですか?」

梨子「ぇ…まぁ、その」

善子「なによ、勿体ぶらないではやく教えなさい。どうせバレるんだから」

梨子「…って」ボソッ

善子「え?何?」

梨子「もぅ…きぁ……って」モニョモニョ

ルビィ「もう一回言ってもらえますか…?よく聞こえなくて…」

97: 2017/05/16(火) 07:42:52.24ID:WuZyP64n.net
梨子「だから…もう付き合ってるっ…て」

梨子「千歌ちゃんと曜ちゃん、とっくの昔から付き合ってるって…」

善子「…」

善子「聞けなかったんだったら聞けなかったって言っていいのよ?」

ルビィ「そうだよ、誰も梨子ちゃんを責めたりなんかしません」

梨子「ちゃんと聞いたわよ!!!」

99: 2017/05/16(火) 08:08:53.44ID:WuZyP64n.net
ーーー

善子「そういうことだったの…」

ルビィ「まさか、そんな齟齬があったなんて」

善子「齟齬どうこうもだけど、7歳からそういう意味でキスをしてた事実が怖いんだけど…」

梨子「しかも、それこまでしておいて17まで誰にも感づかせない千歌ちゃんの演技力…」

善子「そういえば、今日千歌はどうしたの、置いてきたの…」

梨子「千歌ちゃんは恋人だと思ってるんだから邪魔したら悪いでしょ…」

ルビィ「千歌ちゃんは気にしないと思いますけど…」

100: 2017/05/16(火) 08:15:10.85ID:WuZyP64n.net
ガララララッ

鞠莉「Good morniーーってなぁに?この雰囲気…お通夜?」

善子「あぁマリー、おはよしこ…」

鞠莉「おはヨハネ」

善子「だから善子よ…ぴょー、あ、間違えた」

鞠莉「本当にどうしたのですか?生気が全く感じられないけど」

善子「心頭の稲妻の定められし運命のまま、ラグナロクが迎えられようとしているのよ」

鞠莉「つまり、衝撃の事実が発覚して打つ手が見当たらないと」

梨子「なんで分かるの?」

ルビィ「ていうか意外と余裕あるね、善子ちゃん」

101: 2017/05/16(火) 08:22:49.37ID:WuZyP64n.net
ーーー

果南「これはドえらいことになってきたね…」

善子「なってきたというか、なっていたというか」

ダイヤ「曜さんにはこのことを教えたのですか?」

ルビィ「ううん、まだだよ。教えたところでパニックになるだけだと思うし」

鞠莉「でも、当人に情報を渡さずして解決する問題でもないよ?」

梨子「『こういうのは気持ちとタイミングだ』って誰かが言ってたよ」

善子「貴女だんだん面倒くさくなってきてない?」

果南「ふむ、気持ちとタイミングねぇ」

104: 2017/05/16(火) 21:29:49.56ID:WuZyP64n.net
ガララララ

曜「おはよーそろー!! おっ皆さんおそろいで」

梨子「おはよう、千歌ちゃんは?」

曜「一緒に来たんだけど、なんか花丸ちゃんに用事があるってどっか行っちゃった」

善子 (結局なんにも決めてないわよ?どうするの?)

梨子 (取り敢えず、誤魔化していく方向で…)

果南「曜ちゃんいいところに来たね、グッドニュースがあるよ」

曜「えっなになに?」

果南「千歌も曜ちゃんとデートしてキスしたいって」

梨子「何言っちゃってるんですかぁあああ!!!!」

果南「え?ダメだった?」

善子「さっきダメって言ったじゃない!」

果南「言ってないよ」

善子「言った!」(※言ってない)

ルビィ「曜ちゃんがフリーズしちゃったけどどうしますか?」

鞠莉「立ったまま気絶なんて器用ね~」

ダイヤ「取り敢えず保健室に運びましょうか、果南さん」

果南「はいよー」ヒョイッ

106: 2017/05/16(火) 21:37:35.54ID:WuZyP64n.net
ー保健室ー

善子「まったく、いきなり暴露するなんて」

果南「あはは、ごめんごめん。でも、伝えなきゃいけないことでしょ?」

ダイヤ「それに、果南さんは『千歌さんもデートしてキスしたいらしい』ということしか伝えてませんわ」

ルビィ「!一番の爆弾を上手く避けてスムーズに事が進むようにしたんですね!」

ダイヤ「その通り、流石の果南さんも地雷をわざと踏み抜くような真似は」

曜「うぅーん、ここは?」

果南「あ、気がついた?さっきの話の続きだけど。千歌、『自分は曜ちゃんと付き合ってるんだ』って誤解してるみたいだよ」

ダイヤ「何言っちゃってるんですかぁぁぁあああああ!!!!」

107: 2017/05/16(火) 21:43:05.66ID:WuZyP64n.net
曜「?言ってる意味がよく分からないんだけど…」

梨子 (もう隠し通すのは無理ね…)

梨子「いい?1回しか言わないからよく聞いてね?」

曜「う、うん」

梨子「本当によく聞いてよ?もうこれで説明するの5回目なんだからね」

曜「うん、分かったよ」

梨子「本当に分かってる?これ1回説明するのに実質3回説明するんだからね?つまりこれでもう13回目なの、13回も同じ話をさせられる人の気持ちが分かる?」

善子「いいから早く始めろよ!!!」

111: 2017/05/16(火) 22:04:08.99ID:WuZyP64n.net
ーーー
ーー


曜「ぇえ…ちょっえぇ?」

曜「えぇぇぇ…知らないよ…?そんなこと」

ルビィ「小学生の頃、キスばっかりしてたことすら覚えてないんですか?」

善子「寝込みを襲ったことも覚えがない、と。最低ね」

曜「そこじゃないよ!一番最初の千歌ちゃんの告白から初キスまでのくだりを覚えてないって言ってるの!!」

曜「あとキスばっかりはしてないよ!もっと健全なこともしてるよ!!」

果南 (寝込みを襲ったことは否定しないんだ…)

112: 2017/05/16(火) 22:20:15.28ID:WuZyP64n.net
曜「ていうかそんな誤解してたんだ…全然気づかなかった…」

善子「なんにしても、告白するよりこの誤解を解く方が先ね」

ルビィ「誤解を解くっていっても…どうやって」

鞠莉「straightに『告白されてたことに気づかなかった』って言うしかないんじゃない?」

果南「それは流石にマズいでしょ…傷つくよ」

梨子「え、それ果南さんが言いますか?」

善子「でも、オブラートに包もうったって、そんな万能なオブラート持ってないわよ」

ルビィ「どうにかして千歌ちゃんに感づかせるとかは…」

果南「誤解が生じていることを?」

梨子「10年間感づかなかった人に感づかせるのは難しいと思うけど…」

鞠莉「曜はどう思ってるんですか?」

曜「えぇぇ…私は、どうしよう………」

曜「うー…あぁ、どうするべきですかね?……ダイヤさん」

ダイヤ「ここに来て私ですの!? 絶叫してから1度も言葉を発してませんわよ!?」

113: 2017/05/16(火) 22:58:30.95ID:WuZyP64n.net
ダイヤ「第一、どうするべきかなんて分かってたら今までだって苦労してこなかったでしょう?」

ダイヤ「ベストを尽くすことは大切ですが、それに囚われて何もできないのでは話し合いの意味がありません」

曜「た、確かに」

ダイヤ「善子さんの自爆だって、梨子さんの特攻だって、果南さんの爆撃だって、どれも最善だったとは言い難いですが、きちんと前進しているはずです」

善子「あれ?なんか私さり気なくdisられてない?」

114: 2017/05/16(火) 23:02:27.74ID:WuZyP64n.net
ダイヤ「考える前に身体を動かせとは言いません、でも、時にはためらいを捨てることも大事なのではありませんか?」

曜「ダイヤさん…」

ダイヤ「…分かったのでしたら早くお行きなさい」

曜「はい!ありがとうございます、全速前進ヨーソロー!!」

善子「速っもう見えなくなったわよ…」

梨子「あれ絶対何言うか考えてないわよ」

鞠莉「単純ねぇ…」

ルビィ「恋ですねぇ」ニコニコ



果南「…ダイヤ」

ダイヤ「なんでしょう」

果南「あの歌詞考えたの私なんだけど」

ダイヤ「あら、なんの話でしょうか」

116: 2017/05/16(火) 23:41:02.43ID:WuZyP64n.net
曜「千歌ちゃーん、千歌ちゃーん」ハッハッハッ

曜「あっ!千歌ちゃん!!!」

千歌「!曜ちゃん、どうしたの?そんなに急いで」

曜「えっと、千歌ちゃんに伝えたいことがあって」

千歌「?あっスクールアイドルのこと?」

曜「そうじゃなくて…えっと」

曜「…」

曜「」スゥッ



曜「千歌ちゃん、私と付き合ってください!!」

117: 2017/05/16(火) 23:43:18.90ID:WuZyP64n.net
千歌「…」

曜「…」チラッ

千歌「うん、いいよ!」

曜「そうじゃないの!そういう付き合うと違くて…」


チュッ


千歌「こういう付き合うでしょ?」ニコッ

128: 2017/05/17(水) 23:32:59.92ID:hBOKDcdf.net
曜「」

曜「ど、どぅぇ…うぇっっ千歌ちゃんっ!!?」

千歌「えへへ」ニヤッ

千歌「やっと両想いになれたねっ」

曜「!!?ちょっと待って…えぇ!?」

曜「千歌ちゃんが私と付き合ってるって勘違いしてるっていう話は…」

千歌「あっやっぱり伝わってたんだね!流石梨子ちゃん」

曜「伝わってた…ってもしかしてわざと嘘ついたのぉ!?」

千歌「嘘じゃないよ、作り話だよ!」

曜「嘘じゃん!!!」

129: 2017/05/18(木) 00:02:44.57ID:XbW9OELv.net
千歌「違うよぉ、だって8割は事実だもん」

曜「残りの2割に目を背け…8割ぃ!!!?」

千歌「うわびっくりした」

曜「8割ってどこからどこまでが…」

千歌「えっと、私が告白したところから曜ちゃんがキスを拒むようになった辺りまでかな」

曜「じゃあ、例の誤解はいつぐらいまで…」

千歌「そっちは1年ぐらい前に気づいたよ」

曜「それでも結構最近…どうしてこんな嘘ついたの?」

千歌「もともとは誰にも言うつもりはなかったし、嘘もつこうだなんて全く思ってなかったんだよ?だけど…」

130: 2017/05/18(木) 00:22:22.65ID:XbW9OELv.net
ーーー
ーー


千歌「うーみんなどこ行っちゃったのぉ?部室にも教室にもいない…」

千歌「まさかこのちかっちに独りで帰れと言うのか!この炎天下の中、独りで!!!」

千歌「…独り言もなんか虚しいしやめよ」

『しかし、二人が気まずくしてるようにはとても見えませんでしたが』

千歌「!ダイヤさんの声だ…空き教室?」

ルビィ『花丸ちゃんと善子ちゃんは今まで通り仲良しだよぉ…むしろ善子ちゃんの方は色々と吹っ切れたみたい』

果南『だったらどうして曜ちゃんはそんなに尻込みしちゃってるの?』

千歌「みんなこんなところで何してるんだろう」ソォーッ


曜『だって千歌ちゃんもそうなるとは限らないから…』

千歌「私の話…?」

137: 2017/05/18(木) 23:57:46.90ID:XbW9OELv.net
善子『なんでここまでネガティブになれるのかしら』

鞠莉『そこまで自信がないのだったら、ちかっちに直接聞いたら?』

梨子『直接?』

鞠莉『はい!曜以外の誰かが「もし曜に告白されたらどうするー?」と探りを入れるのです』

千歌「!!!?」

千歌「曜ちゃんが私に告白!?」

千歌「いや…曜ちゃんが告白しようとしてくれてたのは気づいてたけど」

千歌「それに善子ちゃんや梨子ちゃん達が協力してくれてることにも気づいてたけど」

千歌「別にそんな回りくどいことしなくてもいいのに…」

138: 2017/05/19(金) 00:08:37.00ID:pAqYhXtG.net
梨子『…言っとくけど、ヨーソローは肯定と見なすからね』

千歌「あぁ決まっちゃったよ…どうしよう、なんて答えても絶対曜ちゃん困るだけだよ…」

花丸「何してるの?」

千歌「ぅワッショイ!!!って花丸ちゃんか…びっくりしたぁ」

花丸「それはこっちの台詞ずら」

千歌「あれ、花丸ちゃんはあの会議に参加してないの?」

花丸「会議?」

140: 2017/05/19(金) 00:26:21.66ID:pAqYhXtG.net
ーーー

花丸「そんなことが…千歌ちゃんも大変だね」

千歌「そうなんだよぉ…花丸ちゃん何か思いつかない?」

千歌「なんて答えてもいい方向に進む気が微塵もしないよ」

花丸「マルはそんなことないと思うな」

千歌「?」

花丸「なんて答えても困るんだったら、徹底的に困らせちゃえばいいんだよ」

千歌「え、」

143: 2017/05/19(金) 00:35:56.10ID:pAqYhXtG.net
千歌「ど、どうしちゃったの?花丸ちゃん」

花丸「ここで曜ちゃんに千歌ちゃんの本音を伝えたとして、それで曜ちゃんが告白の勇気を持つかな?」

千歌「ぅそれは、多分、ないかな…」

千歌「曜ちゃんはこういうことに関しては少しのきっかけで動けるほど、大胆じゃないし…」

花丸「少しのきっかけがダメなんだったら、この際大きなきっかけを作ろうよ」

花丸「これは動かないといけない、何が何でも千歌ちゃんに気持ちを伝えないといけないきっかけを作るんだよ」

千歌「大きな、きっかけ」

花丸「…」コクリ

千歌「私だけでできるかなぁ…梨子ちゃんでも苦戦してるのに」

花丸「マルも手伝うよ、大丈夫きっと上手くいくずら」

146: 2017/05/19(金) 01:59:58.07ID:pAqYhXtG.net
ー物陰ー

梨子「まさかの花丸ちゃんが…」

善子「恋愛とか分からないって言ってたのに…」

花丸「自身のことと人のことはまた別問題だよ」

善子「うわっびっくりした、いたの!?」

花丸「教室の中から見てたけど移動してきたずら」

ルビィ「花丸ちゃんも協力してくれてたんだね、言ってくれてもよかったのに」

善子「というか最初から千歌が曜に告ったらよかったんじゃ…」

花丸「マルもそう思ったんだけど…」

150: 2017/05/19(金) 23:46:52.89ID:pAqYhXtG.net
千歌「本当にこれで大丈夫かなぁ…」

花丸「大丈夫だよ」

千歌「わざと嘘つくのやだなぁ」

花丸「嘘じゃなくてつくり話を言うだけだよ」

千歌「ちゃんと言えたとして、曜ちゃんに伝わるかなぁ…」

花丸「たとえ隠してても、6人もいるんだから誰かが絶対ボロ出すよ」

千歌「そうかなぁ」

花丸「…そんなに心配なんだったら千歌ちゃんが告白したら…」

千歌「それは無理だよぉ!!」

花丸「どうして?」

千歌「ぅうぇえ…だって曜ちゃんが折角告白しようとしてくれてるんだし、これまで協力してくれた善子ちゃんたちにも悪いし、ね?」

千歌「そうだよね?」

花丸「はあ」

ーーー

ルビィ「似たもの同士…」

善子「いざとなったらヘタレるところまで似なくていいのに…」

梨子「じゃあ、あの余裕綽々な態度はどうして?」

花丸「喉元すぎたら熱さは忘れるみたい」

158: 2017/05/21(日) 00:10:57.22ID:5QSsnKvz.net
曜「なんというか、してやられたというか」

曜「腑に落ちないっていうか…」

千歌「えぇー、ずっと待ってた人にいうこと~?」

曜「うっ…でも千歌ちゃんだってずっと変な勘違いしてたよう」

千歌「変な勘違いさせてたのは曜ちゃんでしょお」

千歌「それに寝てる間にちゅーしたり、愛してるって言ったり…曜ちゃんじゃなかったらドン引きだからね」

曜「それは正直ごめん…」

千歌「もうっごめんで済んだらお巡りさんはいらないよ」

162: 2017/05/21(日) 09:14:44.97ID:5QSsnKvz.net
曜「…じゃあどうしたら」

千歌「うーん…そうだなぁ…!」

千歌「曜ちゃんに1つ質問があります、それに答えたら許してあげる!!」

曜「質問?」

千歌「私ね曜ちゃんとすっごく仲良くなりたいの」

千歌「それに、ずっとずっと一緒にいたいって思ってる」

千歌「曜ちゃんはどう?」

163: 2017/05/21(日) 11:15:53.33ID:5QSsnKvz.net
曜「えっ…私も千歌ちゃんとずっと一緒にいたいよ?」

千歌「本当?内浦の海に誓える?」

曜「当たり前だよ!」

千歌「本当の本当の本当に?」

曜「本当だよ!!本当の本当の本当に渡辺曜は高海千歌のことを愛してます」

曜「これからも一生一緒にいたいと思ってます!!」

千歌「…」ニヤッ

千歌「ありがとう!曜ちゃん。これで今までのことは許してあげるっ」

曜「ありがとう…でも、この質問になんの意味が…?」

千歌「なんでもないよ!」

千歌「じゃあ部室に帰ろうか、みんなにも報告しなくちゃ!!」ダッ

曜「あぁっちょっと千歌ちゃん!!」

曜「よし、競走だね!!…待ーてーーーー!!!」

千歌「待てと言われて待つ人はいませええええーーーん!!」

曜「ええいっ足で私に勝とうなんて10千万年遅いっ」

千歌「あっ今のは10千万と十千万をかけたーー」

曜「説明しなくていいからっ」

終わり

164: 2017/05/21(日) 11:20:24.39ID:jae3aZS4.net
まさか録音とか?この千歌ちゃん策士すぎるな
意外な展開もあって、最後まで面白かった、おつ

165: 2017/05/21(日) 11:29:33.24ID:PFofx+HL.net
千歌ちゃんかしこい

引用元: 曜「ムリムリムリムリ」 善子「無理じゃない!」