1: 2014/12/07(日) 17:39:43.77 ID:0bI/9leg0



やよい「言わせゲーム……って?」

伊織「なによそれ? 聞いたことないわよ」


亜美「んっふっふ→。このゲームを知らないとは、やよいっちもいおりんもまだまだですな→」


やよい「あぅ……そうなの?」

伊織「もったいぶってないで、さっさとルールを言いなさいよ」イラッ


亜美「よかろう! ルールは簡単……それぞれが「NGワード」を設定して、それを兄ちゃんに言わせた人が勝ち! 簡単でしょ?」


伊織「なんだ、簡単じゃない。それってゲームになるの?」


亜美「ただしNGワードはもう決めてあるから、このクジを引いてくれたまえ! さぁさぁ!」スッ


伊織「ムダに準備いいわね……」スッ

やよい「じゃあ、さっそく……」スッ



亜美のNGワード → >>2

伊織のNGワード → >>3

やよいのNGワード → >>4


ぷちます!(14) (電撃コミックスEX)

2: 2014/12/07(日) 17:43:41.70 ID:1n57NxQFO
そうだよ

3: 2014/12/07(日) 17:43:54.06 ID:JYdtFdgbO
バカじゃないの

4: 2014/12/07(日) 17:44:11.47 ID:PddId7HPO
うっうっうー

8: 2014/12/07(日) 17:54:22.06 ID:0bI/9leg0



亜美「さてさて、亜美のNGワードは……【そうだよ】!」

伊織「……【バカじゃないの】ね」

やよい「わ、私のは【うっうっうー】って書いてあります……」

伊織「ちょっと! NGワードの難易度が露骨に偏ってるじゃない!」

亜美「そんなのたまたまだYO! 亜美は残ってるやつ引いたんだもん」

伊織「ぐぬぬ……」


P「ただいま戻りましたー」ガチャッ


亜美「お、ちょうどイイところに帰って来ましたな! 負けた人は罰ゲームだから、そこんトコよろよろ→♪」

やよい「ええっ!?」

伊織「ハァ!? そんなの聞いてないわよ!」


亜美「それじゃあゲームスタ→ト!」



13: 2014/12/08(月) 19:01:04.69 ID:43BtjdnK0



亜美「兄ちゃんおかえりー!」トテテ


P「お、亜美か。ただいま」

亜美「お仕事お疲れさま! 疲れたでしょ?」

P「ははっ、そうだな。だけど弱音を吐いてもいられないよ」

亜美「もしかして兄ちゃん、今日は車でお仕事行った?」

P「ああ。それがどうかしたか?」

亜美「いやいや、そ→だよね~。兄ちゃんだって、いつまでも若くないもんね~」

P「なんだそりゃ……?」



伊織(くっ……亜美は「そうだよ」って肯定させるだけでいいから、質問攻めにしてればいつかは言わせられる……!)

伊織(こんなしょうもないゲームでも、負けるのは癪だわ。どうにかして「バカじゃないの」って言わせないと)


やよい(あぅぅ……「うっうっうー」なんて言ってる人、聞いたことないけど……どうやったらいいんだろう!?)



14: 2014/12/08(月) 19:02:31.12 ID:43BtjdnK0



伊織「……バカじゃないの」ボソッ


P「え?」

亜美「……?」


伊織「おかえり、プロデューサー♪」ニコッ

P「あ、ああ……ただいま。伊織、いま、なんて……?」

伊織「あら、なんのことかしら?」ニコニコ

P「いや、今、小声で……バk」



亜美「バカじゃないのって言ったよね!!!」クワッ



伊織「……ちっ!!」


P「お、おう……?」



亜美(言わせるんじゃなくて、「聞き返させる」とは……なかなかやりますな、いおりん……!)


やよい(そっか、その手が……! 伊織ちゃんすごい!)


伊織(ふん……妨害がアリなら、こっちも容赦しないわよ?)



15: 2014/12/08(月) 19:03:47.62 ID:43BtjdnK0



やよい「プロデューサー、おかえりなさい!」

P「ただいま、やよい」

やよい「さっそくですけど……いつものアレ、やってもいいですか?」スッ

P「ああ、アレな」スッ


やよい「ハイ、ターッチ! いぇい!」パチン


やよい「うっうっうー! 元気がいっぱい出てきました!」

P「んん?」

やよい「どうかしましたか?」

P「なんかいつもより、多くないか?」

やよい「な、なんのことですかっ? なにがですか?」

P「いや、だから……」


亜美「兄ちゃん! まぁ立ち話もなんですから、ソファにどうぞ!」グイグイ


P「うん? そうだな、とりあえずカバンを置いてくるよ」スタスタ


やよい「あぅ……」



16: 2014/12/08(月) 19:06:03.67 ID:43BtjdnK0



伊織「露骨に妨害してんじゃないわよ、亜美」

亜美「ふっ……いおりんが上級者だから、亜美も本気で行かざるを得なくなっちゃったのさ……」

やよい「いきなりゲームが終わっちゃうかと思って、びっくりしちゃった」

伊織「やよいもなかなかだったわよ」

やよい「えへへ」///


亜美「言い忘れてたけど、亜美たちが『言わせゲーム』をやってるってバレたら負けだからね? あと、自然に言わせないとダメ」

伊織「ま、そうじゃないとゲームにならないものね」

やよい「あんまり不自然にならないようにしないと……」



17: 2014/12/08(月) 19:08:02.99 ID:43BtjdnK0



亜美「あと、罰ゲームは……じゃあ兄ちゃんのほっぺにChu→ね! それから今日1日ず~っと甘えなきゃいけない!」ビシッ


伊織「んなっ……!?」///

やよい「ヴぇえっ!?」


伊織「そ、そんなことできるわけないでしょ!?」///

亜美「またまたいおりんってば~。竜宮小町で兄ちゃんと会えなくて、さびしいんじゃないの~? むしろこれはチャンスかもよ~?」

伊織「な、なに言って……! それを言うなら、むしろ―――」


やよい「あ、プロデューサーが戻ってきたよ?」



18: 2014/12/08(月) 19:09:09.73 ID:43BtjdnK0



P「3人とも、もう仕事は終わったんだよな? 今日は確か、写真撮影だったか」


亜美「うん! ばっちしキメてきたよ!」

伊織「……こ、この伊織ちゃんを撮影できるなんて、名誉なカメラマンだったわね」

やよい「半目になっちゃわないように気をつけました!」


P「そっかそっか、頑張ってくれたみたいだな。そんな3人にお土産だ」スッ


亜美「あっ、シュークリーム!」

やよい「わぁ~!」///

伊織「これ、どうしたのよ?」


P「ふふ、それはだな……」



19: 2014/12/08(月) 19:11:19.16 ID:43BtjdnK0



亜美「あっ、当ててあげる! お仕事相手の人にもらったんでしょ!」

P「正解だ。この前のケーキ屋さんが、アイドルのみんなにあげてくれだってさ」

亜美「もしかして、新作だったり?」

P「よくわかったな。その通りだ」


亜美(なかなか「Yes」のボキャブ口リーが豊富だね兄ちゃん!)

伊織(露骨に「そうだよ」を狙いに行くわね、亜美……!)

亜美(んっふっふ~、いおりんとやよいっちのNGワードは、日常会話の中では誘導できないっしょ!)

伊織(とにかく亜美に喋らせ続けるのは危険ね。……ここは恥を捨ててでも仕掛けないと!)


やよい(シュークリーム、シュークリーム♪)ニコニコ



20: 2014/12/08(月) 19:11:49.82 ID:43BtjdnK0



伊織「あーん」


P「……伊織?」


伊織「プロデューサー、手が汚れるのがイヤだから、アンタが私に食べさせて」


P「ええっ!?」

亜美「!?」

やよい「!」


伊織「ね、いいでしょ?」



21: 2014/12/08(月) 19:14:24.71 ID:43BtjdnK0



P「き、急にどうしたんだ伊織?」

伊織「なにが?」

P「いつもの伊織らしくないじゃないか、そんなこと言いだすなんて」

伊織「あら、私はいつもアンタに、と~っても優しい言葉をかけてるじゃない?」

P「そ、そうか? むしろ辛辣な言葉の方が多いような……」

伊織「心外ね。今日だって、ひどい言葉なんて一回も言ってないでしょ?」

P「いや、ついさっき小声で―――」


亜美「いっただきまーす!」ヒョイッ パクッ


P「あっ! わかってると思うが、一人一個までだからな?」


亜美「は~い!」ニヤリ

伊織「……ふん」



22: 2014/12/08(月) 19:15:27.22 ID:43BtjdnK0



P「どうだ、美味しいか?」


やよい「す~っごくおいしいですー!」///

P「ははっ、それはよかったな。先方にもそう伝えておくよ」

やよい「うっうー! あ……うっうっうー!!」

P「うん? やよい、さっきからそれはどうしたんだ?」

やよい「そ、それって……?」

P「なんか、いつもより一回多いからさ」

やよい「あぅ、あの、えっと……それだけすっごくおいしくてうれしいってことです! プロデューサー、ありがとうございます!」ガルーン

P「そんなに喜んでもらえて、俺も嬉しいよ」ニコッ



やよい(うぅ、むずかしいなぁ……もうちょっとなのに。どうしたら「うっうっうー」なんて言ってくれるんだろ)



23: 2014/12/08(月) 19:16:41.39 ID:43BtjdnK0



亜美「それにしても、ほんとに美味しいね! 美味しすぎて涙ちょちょぎれちゃうYO!」

P「あはは、そんなにか?」

亜美「うん! あれ、あの歌みたいに!」

P「あの歌?」

亜美「え~っと、なんだっけ? 歌い出しは、『ふ~るい~、ア~ルバム~、め~くり~♪』」

P「ああ、それは―――」


やよい「『涙そうそう』だよね?」


亜美「…………うん、そうだよ」



伊織「……!!」ハッ

伊織(あ、危なかった……! 涙そう『そうだよ』って言わせるつもりだったのね!!)


亜美(ちぇっ、もうちょっとだったのに……やよいっちは妨害なんてしないと思うから、今のは天然かな)


やよい(お母さんが好きな歌なんだよね、涙そうそう)ニコニコ



24: 2014/12/08(月) 19:17:46.77 ID:43BtjdnK0



P「あ、それで伊織。ほんとにシュークリームは俺が食べさせるのか?」

伊織「……やっぱりいいわ。今帰ってきたばっかりのアンタの手のほうが汚いかもしれないし」

P「たしかにそれはそうかもしれんな……」

伊織「ねぇ、ところで……私はアンタのことを「バカ」だと思ってるか「頼れるヤツ」だと思ってるか、どっちだと思う?」

P「え? それは……「バカ」じゃないか?」


伊織(……惜しい)


亜美(あ、あぶなっ!? 「バカじゃないのか?」って言われてたら終わってた……!)


P「伊織?」

伊織「あ……。ま、まぁ、たまには頼りになるって思ってるかもね。ふんっ」

P「!」

伊織「ほ、ホントに、たま~になんだからね!」

P「そっか、ありがとな伊織。もうちょっとそう思ってもらえるように頑張るよ」ニコニコ

伊織「な、なによ……へらへらしちゃって」///



25: 2014/12/08(月) 19:18:39.52 ID:43BtjdnK0



亜美「ね→ね→、兄ちゃんって寝相がいいタイプ? それともすっごい寝相悪いタイプ?」

P「え? いや、普通だと思うけど……」

亜美「ん~、ど→だろね~。寝相って、自分ではわかんないから」

P「まぁな。でもうちのお袋が言うには、俺は氏んだように静かに寝てるそうだぞ」

亜美「……そうなんだ」


亜美(くぅ……兄ちゃんってば、しぶとい!)


伊織(亜美の場合は「~だそうだよ」って言わせてもいいのね……やっぱりお題からして私たちは不利だわ)

伊織(もっと積極的に攻めて行かないと……!)



26: 2014/12/08(月) 19:20:17.49 ID:43BtjdnK0



伊織「……ねぇ、プロデューサー」

P「うん? どうした?」

伊織「プロデューサーは、私と話してると嫌な気分になる……?」

P「おいおい、なにを言いだすんだ急に?」

伊織「いつもアンタのこと、「バカじゃないの」なんて言っちゃうから、もしかしてって……」

P「そんなはずないだろ? そりゃ最初は面食らったけど、でもそういうところも伊織らしさじゃないか」

伊織「……ほんと? 「バカじゃないの」とか言っても、怒ってない?」

P「怒ってないよ。バカじゃないかとか言われたくらいじゃ、俺たちの関係はどうもならないさ」

伊織「そ、そう。……ねぇ、今の嬉しかったから、もっかい言ってくれない?」

P「え? あ、ああ……バカだって言われても、そんなんじゃ俺たちの関係はびくともしないよ」

伊織「……ありがと」



伊織(もっかい言わせたらポロッと言ってくれるかもって思ったけど、むしろ遠くなっちゃったじゃない……)

伊織(……あと、やけに真剣に答えてくれるせいで、なんか胸が痛むわ……)


亜美(むむ……真面目トーンで話すことで、亜美の妨害を防ぐとは……やるね、いおりん)


やよい(やっぱりプロデューサーはやさしいなぁ……)///



27: 2014/12/08(月) 19:21:22.86 ID:43BtjdnK0



やよい(あっ、わ、私もなにか言わないと……! えっと、「う」から始まる言葉で、どうにかして……)



やよい「えっと、えっと……う、う、うぅ~……」

P「どうかしたか、やよい?」

やよい「はわっ!? あ、いえ、「う」から始まる言葉を考えてたんです」

P「……「う」から始まる言葉? しりとりでもしてるのか?」

やよい「あ、そ、そんなカンジです! さっき終わったんですけど、どうしても思いつかなくって……! あっ、「動物しりとり」してたんですけど!」

P「う~ん、動物か……牛、馬、ウサギ、ウグイス……あとは……う~ん、う、う……」

やよい「!」


亜美「!」

伊織「!」



28: 2014/12/08(月) 19:22:46.23 ID:43BtjdnK0



P「いやぁ、だめだ。これくらいしかパッと思いつかないな」

やよい「あぅ……そうですか」

P「力になれなくてごめんな」

やよい「いえっ、ありがとうございました!」ガルーン



やよい(もしかしたら言ってくれるかもって思ったけど、やっぱりだめかぁ……)


亜美(ちょっとヒヤッとしたね……「うっうっうー」にそんな言わせ方があったとは。やよいっちもなかなかのヤリ手だね!)


伊織(もうそろそろ、誰が勝ってもおかしくない頃合いかしら……)


亜美(んっふっふ~、そろそろいいかな)


伊織(ここまで来たら、本気で行くしかないわね)



亜美(終わりにするYO……!!)ニヤ


伊織(勝負をかける……!!)キッ


やよい(おなかへった……!!)グゥ



29: 2014/12/08(月) 19:23:32.64 ID:43BtjdnK0



P「あれ? なんか紙が落ちてるぞ」ヒョイ


亜美「え……あっ!!!」


P「【そうだよ】って書いてあるな……」

亜美「うあうあ~、返して兄ちゃん!」

P「あれ? これってもしかして、こないだ真美が響たちとやってたあの遊びか?」

亜美「!」ギクッ

P「ははぁ、なんか3人の様子がおかしいと思ったら、そういうことだったのか」



伊織「……亜美~? このゲームをやってることがバレたら……どうなるんだったかしら?」ニヤ


亜美「ぐ、ぐぬぬ……!」



30: 2014/12/08(月) 19:24:01.01 ID:43BtjdnK0



亜美「……兄ちゃん」ユラッ

P「どうした亜美? っていうか、罰ゲームってなんだ?」

亜美「えいっ!」ギュッ

P「うおっ!?」


 チュッ


P「!」

亜美「~~~っ」/// カァァ


伊織(ほ、ほんとにやるの!?)///

やよい(わぁ……!)///



31: 2014/12/08(月) 19:24:35.97 ID:43BtjdnK0



亜美「こ、これと、あと今日1日、兄ちゃんに甘えるのが……罰ゲーム」///

P「お、おいおい……ほっぺたにとはいえ、アイドルが罰ゲームでキスするんじゃない」

亜美「イヤだった?」

P「そんなことないが……」

亜美「……じゃあ、このまま甘えるから」ギュゥ

P「……」ポンポン



32: 2014/12/08(月) 19:26:08.52 ID:43BtjdnK0



伊織「……そんなの見せられるなんてたまったもんじゃないわ。やよい、あっち行ってましょ」グイッ

やよい「え? う、うん……」


伊織(まったく、なにが「竜宮小町で兄ちゃんと会えなくて、さびしいんじゃないの」よ)


やよい「うっうっうー♪ 勝てて良かったね、伊織ちゃん」ニコッ

伊織「……ほんとに亜美は、勝つ気があったのかしらね?」

やよい「え?」


伊織(はぁ……とんだ茶番に付き合わされちゃったわ)



伊織「これこそ、「バカじゃないの」、よ」



33: 2014/12/08(月) 19:27:15.17 ID:43BtjdnK0



P「なぁ、亜美」

亜美「なぁに、兄ちゃん?」

P「これは真美にも言ったことだが……こんなことしなくても、俺は好きなだけ甘やかしてやるからな」ポンポン

亜美「……んっふっふ~。兄ちゃんにはなんでも御見通しですな→」

P「そうだよ。お前たちのことならな」

亜美「えへへ」///







 おしまい。



34: 2014/12/08(月) 19:36:14.52 ID:43BtjdnK0
これで終わりです。読んで下さった方はありがとうございました。

引用元: 亜美「『言わせゲーム』をしよう!」【安価】