1: 23/04/05(水) 21:32:19 ID:QSMh
茜「プロちゃんプロちゃん」
P「どうした茜」
茜「3月末締めで、茜ちゃん人形ネットショップの年度の売り上げが3億円を超えたんだけどね」
P「一行で済まして良い情報じゃないぞそれ」
茜「続いてこちらのデータをご覧ください」
P「なんだこれ、紗代子の1日あたりのランニング距離?」
茜「亜利沙ちゃんがこっそりGPSを仕掛けて毎日計測してるんだよ」
P「アイツそろそろ法で裁かないとやばいな」
2: 23/04/05(水) 21:33:50 ID:QSMh
茜「これに茜ちゃん人形の日別売り上げのグラフを合わせると……」
茜「見てよプロちゃん!茜ちゃん人形がの売り上げが多い日と、紗代子ちゃんが沢山走った日が一致するんだよ!」
P「どう考えても偶然だろ」
茜「そうかもしれないしそうじゃないかもしれない!だからプロちゃんはこれから茜ちゃんと一緒に紗代子ちゃんを徹底調査するのだ~!」
P「今日はこれから打ち合わせが……」
茜「それは茜ちゃんがプロちゃんのスケジュールアプリをハッキングして入れたフェイク! よってプロちゃんは今から暇!茜ちゃんと一緒に調査せざるを得ない!」
P「犯罪行為のハードルが低すぎる」
茜「行くよプロちゃん!亜利沙ちゃんからの情報によると紗代子ちゃんがそろそろランニングに行きそうとのこと!急げ急げ~!」
P「亜利沙は一体なんなんだよ」
3: 23/04/05(水) 21:34:13 ID:QSMh
茜「紗代子ちゃーん!」
紗代子「わっ、茜ちゃんとプロデューサー。どうしたんですか?」
茜「紗代子ちゃん、今からランニングに行くんだよね?」
紗代子「え、うん。そうだけど」
茜「より効率良くトレーニングするための器具があるんだけど、使ってみないかにゃ?」
紗代子「そんなものがあるの? 試してみたいなぁ」
4: 23/04/05(水) 21:34:45 ID:QSMh
茜「はい、これがパワーリスト。おもりになるだけじゃなくて脈拍や体温、消費カ口リーも計測できるよ」
紗代子「わぁ、こんなのがあるんだ」
茜「はい、これがセンサー。紗代子ちゃんの周辺環境を測定して快適なトレーニングを応援するよ」
紗代子「こういうのも大切なんだね。知らなかった」
茜「はい、これがミリオン星人のアンテナ。周囲の人間の思考を読み取って記録できるよ」
紗代子「そうなんだ。最近の器具ってすごいね」
P「ディズニーランド帰りみたいになってる」
5: 23/04/05(水) 21:35:22 ID:QSMh
紗代子「よし、これで準備万端だね! 茜ちゃんも一緒に走る?」
茜「いやー、茜ちゃんはこれからプロちゃんと用事があってね」
P「そうなんだ知らなかった」
紗代子「そっか。じゃあ、行ってきます!」
茜「行ってらっしゃーい」
P「ほどほどにしておけよー」
茜「……よし、あとはセンサーの観測データと亜利沙ちゃんが開発した追跡ドローンの映像で確認するよ!」
P「その技術力を良い方向に使えないかなぁ」
6: 23/04/05(水) 21:35:47 ID:QSMh
30分後
紗代子「ふぅ……。あれ、茜ちゃんとプロデューサー、まだいたんですね」
茜「お陰で良いデータが取れたよ!ありがとう紗代子ちゃん!」
紗代子「今日はなんだかいつもより視線を感じました」
P「そりゃあそんなアンテナ付けてたらなぁ」
7: 23/04/05(水) 21:36:33 ID:QSMh
茜「はい紗代子ちゃん、これが今日のランニング中のバイタルデータだよ。これからどんどんデータを蓄積していけば色んなことが分かるからね!」
紗代子「わぁ、ありがとう茜ちゃん!」
茜「それと、出来れば普段の紗代子ちゃんとの比較もしたいから器具は出来るだけいつも装着していてくれると助かるんだけどにゃあ」
紗代子「アンテナも?」
茜「アンテナも!」
P「嫌なことは嫌って言って良いんだぞ紗代子」
茜「これも効率的な特訓のためだよ紗代子ちゃん!」
紗代子「効率的な特訓……!分かったよ茜ちゃん!」
P「悪い人に騙されないか心配」
8: 23/04/05(水) 21:37:05 ID:QSMh
茜「これで紗代子ちゃんがランニングした時と、してない時のデータを比較できて、茜ちゃん人形の売り上げとどう関係しているのかが分かるよプロちゃん!」
P「偶然だと思うけどなぁ」
茜「実は去年の売り上げを全部投資して茜ちゃん人形の生産体制を10倍に増設したから、売り上げを伸ばさないとヤバいんだよプロちゃん!」
P「一行でヤバいこと暴露するのやめろって言ってるだろ」
茜「だから氏に物狂いで茜ちゃん人形と紗代子ちゃんとの関係を見出さないとヤバいんだよプロちゃん!」
P「マジでお願いします」
9: 23/04/05(水) 21:37:50 ID:QSMh
後日
茜「ついに紗代子ちゃんのランニングと茜ちゃん人形の売り上げの関係が判明したよ!」
P「そんな馬鹿な」
茜「まずこれがランニングしてる時の紗代子ちゃんの周辺の気温、そしてこれが普段の紗代子ちゃん」
P「ん? 紗代子の周りの気温が高くなっているな」
茜「そしてこれがランニングで移動中の紗代子ちゃん周りの気温の変化」
P「移動しても紗代子の周辺が同心円状に温まっている!なんだこれは!」
茜「これはね、紗代子ちゃんが発する熱で暖まってるんじゃなくて「紗代子ちゃんフィールド」が発生して常に紗代子ちゃんの半径15mの気温が10℃ほど上がっているんだよ」
P「紗代子ちゃんフィールド」
10: 23/04/05(水) 21:38:24 ID:QSMh
茜「だから通行人は紗代子ちゃんが近付いてきたら、紗代子ちゃんに気付く前にまず「あつい」もしくは「あたたかい」と感じるんだよ」
P「怪奇現象だぁ」
茜「その後紗代子ちゃんに気付くでしょ。そしたらプロちゃんはどう思う?」
P「おかしなアンテナ付けてるなぁって思う」
茜「そうだね。紗代子ちゃんに気付いた人はみんな「かわいい」って思うんだよね。これはピコプラアンテナの測定結果から実証済みだよ」
P「異論は無い」
11: 23/04/05(水) 21:39:02 ID:QSMh
茜「そしてその後紗代子ちゃんが離れていって、紗代子ちゃんフィールドから出たら急に気温が10℃下がるってワケ」
P「怖いよその空間」
茜「身体が温まって、その後冷えたらどう感じる?お風呂上がりを想像してみてねプロちゃん」
P「え、なんか心地良いとか、眠くなるとか」
茜「そう!眠くなるんだよ! 紗代子ちゃんフィールドかれ出た通行人の87%は「ねむい」って考えてることが分かったんだよプロちゃん!」
P「大迷惑だぁ」
茜「ここまでで何か気付くでしょプロちゃん?」
P「なんだろう、紗代子ってすごいなってこと?」
12: 23/04/05(水) 21:39:42 ID:QSMh
茜「あつい、かわいい、ねむい。頭文字を取ると『あかね』。そう、紗代子ちゃんがランニングすることでサブリミナル茜ちゃん現象が発生しているんだよ!」
P「な、なんだってー!!?!?」
茜「サブリミナル茜ちゃん現象が生じると160%の人が茜ちゃん人形を買っちゃう。一人当たり1.6体の茜ちゃん人形を買っちゃうのだ~!」
P「催眠ってレベルじゃねぇぞ」
茜「これを使えば茜ちゃん人形が世界を征服する日も遠くないよ!早速紗代子ちゃんに人通りの多いところでランニングしまくってもらおう!」
P「一種のテロだぁ」
13: 23/04/05(水) 21:40:41 ID:QSMh
そうして紗代子は世界中の主要都市部を駆け抜けて行き、行く先々で茜ちゃん人形は飛ぶように売れていった。
茜「もしかして、メカ紗代子ちゃんを作れば売り上げも倍増するんじゃないかにゃ?」
茜ちゃん人形販促用のメカ紗代子が量産され、茜ちゃん人形の売り上げは指数関数的に増加していった。
同時にメカ紗代子も増産され、世界の人口の7割はメカ紗代子になった。
P「なぁ茜。最近めちゃくちゃ暑くないか?」
茜「うーん、メカ紗代子ちゃんを増やし過ぎてほぼ全ての陸地が紗代子ちゃんフィールドに飲み込まれちゃったにゃあ……」
P「ということは売り上げは……」
茜「安心してプロちゃん!次はこの「ひんやり茜ちゃん人形」を売り捌けば良いだけだよ!」
P「嫌な予感しかしないからやめろォ!!!!」
おわり
14: 23/04/05(水) 21:41:15 ID:QSMh
終わりです。紗代子ってすごいなぁ。
完結報告出してきます。
完結報告出してきます。
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