1: 2016/09/20(火) 22:06:42.70 ID:3+b22pJJ.net
千歌「いいのじゃ分かんないよー」

曜「いいの!」ポロポロ

千歌「ここ家の前だよー?」

曜「いいの!」グスッ

千歌「ご近所さんに見られちゃうよー」

曜「いいの!」ヒック

千歌「どうして抱きついたままなのー?」

曜「いいの!」グスッ グスッ

千歌「もー汚れちゃうよー?」

曜「いいの!」ヒック ヒック

2: 2016/09/20(火) 22:07:44.32 ID:3+b22pJJ.net
千歌「よくないよー、千歌いま汗だらけだよー?汚いよー」

曜「……」グス…

千歌(ん……落ち着いたかな?)

曜「汚くないもん……」

千歌(あ、やっと『いいの!』以外返してくれた)

曜「千歌ちゃんは汚くなんかないもん!」グスッ

千歌「や、汗がね?」

曜「千歌ちゃんは汚くない!」グスッ グスッ

千歌(あちゃー……ぶりかえしちゃった)

曜「きたなくないもん!」ウァァン

3: 2016/09/20(火) 22:09:06.62 ID:3+b22pJJ.net
千歌「曜ちゃん落ち着いて……ね? ほら大丈夫大丈夫……」ポンポン

曜「ぐすっ……ぐすっ……」

千歌「だいじょぶーだよー」サスサス

曜「……」

千歌「……」ホッ

4: 2016/09/20(火) 22:09:47.46 ID:3+b22pJJ.net
曜「……千歌ちゃんは綺麗だよ……いつだって」

千歌「え……」

曜「ずっとお日様みたいにキラキラしてて……いつも私を見守ってくれてて……」

千歌(……それってむしろ私から見た曜ちゃんのことだよ)

曜「でも最近の千歌ちゃんは……今にも遠いところに行ってしまいそうで……」ポロ

千歌「曜ちゃん……」

曜「せっかく千歌ちゃんにとってのやりたいことが見つかったのに素直に応援できなくて……」ポロポロ

千歌「……」

5: 2016/09/20(火) 22:10:35.16 ID:3+b22pJJ.net
曜「本当に汚いのは私だ……っ……うぁぁああん」

千歌「……曜ちゃん、わたし曜ちゃんの話もっとちゃんと聞きたい」

曜「ふぇぇええんうぇぇ」

千歌「だからさ、ね?とりあえず中に入ろ?」

曜「ぐすっ……ひぐっ……ぇう……」コクン

千歌「ほら、立てる?」

曜「ぅう……」コクリ

6: 2016/09/20(火) 22:11:48.09 ID:3+b22pJJ.net
千歌「よいしょっ」

曜「!」ギュゥゥ

千歌「あ、だいじょぶだいじょぶー、離れたりしないからさ」

千歌「ほらっ抱きついたまま!ねっ?」ギュッ

曜「ぅくっ……ぅぁぁああん」ポロポロ

千歌「一緒に入ろ、ね?おじゃましまーす」ヨロヨロ

曜「うぅぅ……ちかちゃ……ちかちゃ……!」ヨタヨタ

千歌(こんな曜ちゃん初めて見た……きっと私のせいだよね?)

7: 2016/09/20(火) 22:13:27.83 ID:3+b22pJJ.net
千歌(今日はたしかパパさんもママさんも久々のデートでいないって言ってたっけ)

千歌(……)

千歌(……こんな曜ちゃん一人で放っておけないよね)

千歌「……よしっ」

曜「……?」グスッ

千歌「私このあとさ、練習して23時くらいには帰

曜「!!だめ!そと暗い!あぶないの!」ヒシッ

千歌「ちょ、よーちゃん聞い

曜「どこにもいかないで……っ」

千歌「……曜ちゃん」

10: 2016/09/20(火) 22:14:19.08 ID:3+b22pJJ.net
曜「ようのそばからはなれないでぇ……」ボロボロ

千歌「最後まで聞いて曜ちゃん、ねっ?いい子だから」

曜「いやなのぉ……」

千歌(いいのって言ったりいやなのって言ったり……)

曜「かえるつもりなんでしょ……ぜったいだめ……とおいよ……あぶないよ……」グスグス


曜「……さみしいよぉ……」


千歌「っ!」ジワ

11: 2016/09/20(火) 22:15:22.45 ID:3+b22pJJ.net
千歌(っとと)

千歌(やばかった……もらい泣きしそうになったよ)ウル

千歌(ミカン盗りがミカンになっちゃだめだって……)

千歌(ちゃんと安心させなきゃ)グッ

千歌「ええと……たしかに帰るつもりだったけど」

曜「……っ」ギュウ

千歌「でも今夜は曜ちゃんが心配だから泊まらせてもらうよ」

曜「……え」

千歌「泣き虫船長をなぐさめるのは普通船員の務めなのだー!」エヘン

曜「……」

12: 2016/09/20(火) 22:16:23.32 ID:3+b22pJJ.net
千歌「だから、ね? もう泣き止んで? 私はずっと曜ちゃんの側にいるから」ギュッ

曜「う……」ウル

千歌「よしよし泣かない泣かない」

曜「ちかちゃ……けほっ……けほっ」

千歌「ああもう、あんなに大きな声で泣くから……すっかりしゃがれ声になっちゃってるよー」ポンポン

曜「うう」グシグシ

千歌「ほら、目こすっちゃだめだよ。せっかく綺麗な肌がかぶれちゃう」

13: 2016/09/20(火) 22:17:10.23 ID:3+b22pJJ.net
曜「……なんだかぼーっとする」

千歌「あらら、酸欠になっちゃったんだね。ここは海の中じゃないよ、よーちゃん船長」

曜「ょぅそろ……」

千歌「ほら深呼吸ー、吸ってー」

曜「すー」

千歌「吐いてー」

曜「はー」

15: 2016/09/20(火) 22:17:50.72 ID:3+b22pJJ.net
千歌「吸ってぇー」

曜「すぅー」

千歌「吐いてぇー」

曜「はぁー」

千歌「吸ってぇーー」

曜「すぅーー」

千歌「吸ってぇーーー」

曜「すぅーーー」

千歌「吸ってぇーーーー」

曜「すぅぅーーーーーー……っ!ぶはっ!はっ!はぁっ!」

千歌「……」

17: 2016/09/20(火) 22:19:15.89 ID:3+b22pJJ.net
曜「ちょっと!何させるの千歌ちゃん!」

千歌「ふふっ、良かった。いつものよーちゃんに戻った」

曜「……あ」

千歌「どう?まだ不安、かな?」

曜「千歌……ちゃん……」

千歌「なぁに? 私はちゃんとここにいるよ」

曜「……すごく恥ずかしいとこ見せちゃった」

千歌「恥ずかしい?」

曜「よりによって千歌ちゃんにこんなとこ見られるなんて……」カオカクシ

千歌「いいじゃん、私なんていっつも曜ちゃんに恥ずかしいとこ見られてるんだから」

18: 2016/09/20(火) 22:20:43.07 ID:3+b22pJJ.net
曜「千歌ちゃんの前ではかっこいいままでいたかったの!」

千歌「曜ちゃんはいつもかっこいいよ」

曜「今はかっこよくないよぉ……」

千歌「今まで知っていた曜ちゃんも、今知った曜ちゃんも、どっちも私にとっては曜ちゃんだよ」

曜「私は私……?」

千歌「うん……あっ、そうだ、今日はそれを伝えたくて来たんだった」

曜「……さっき言ってたこと?」

19: 2016/09/20(火) 22:21:24.03 ID:3+b22pJJ.net
千歌「ん、私あれから考えてみたんだけどさ、ダンスの振り付けってきっと人間関係と同じなんだと思うの」

千歌「誰かがダメだったから別の誰かにする、なんてそんな取っ替え引っ替えで上手く納まるものじゃない」

千歌「人と人との関係は代替が利くものじゃないし、ましてや別の誰かで上書きするなんてできないもの」

曜「……」

千歌「私たちには私たちの、私たちにしかない過去と今、そして未来があるんだ」

千歌「私と曜ちゃんのダンスは、誰かの代わりとかじゃなくて、私と曜ちゃんじゃなきゃダメなんだよ」

曜「……」

21: 2016/09/20(火) 22:22:22.73 ID:3+b22pJJ.net
千歌「だから全部最初から考え直したいの。曜ちゃんと一緒に」

千歌「だって私たちのことは私たち自身にしか分からないもんね」

千歌「初めてスクールアイドル部始めた時みたいにさ、二人で作っていこうよ」

千歌「私と曜ちゃんにしか出来ないダンスを」

千歌「……って」

曜「……」ポロポロ

千歌「なんでまた泣いてるのー」

曜「だっ……て……!千歌ちゃんが……そんなこと言うから……!」

千歌「そんなこと?」

23: 2016/09/20(火) 22:23:35.37 ID:3+b22pJJ.net
曜「人が弱ってる時にさぁ……見透かしたようにやって来てさぁ……」

曜「一番欲しかったこと言っちゃったりしてさぁ……ほんともう……」

千歌「あー……ええと……実のとこ、曜ちゃんが何を悩んでるのかとかはわかってないんだけどさ」

千歌「でも何かを悩んでるのは分かったから、とりあえず私の気持ちを伝えれば曜ちゃんの気持ちも分かるかなって」

曜「千歌ちゃんの気持ち……?」

千歌「うん。さっきのは、今の私のありのままの気持ち」

千歌「他にもいろいろ方法考えたんだけど、私バカだからこんな方法しか思いつかなくてさ」タハハ…

25: 2016/09/20(火) 22:24:35.46 ID:3+b22pJJ.net
千歌「でも……もしそれが間違いでなければ、教えてほしいな。曜ちゃんの気持ち」

曜「……」ジワ

曜「……うん」グッ

千歌(おっ、止めた)

曜「千歌ちゃんあのね、わたし――「くちゅんっ」

千歌「ぅ……あ、ごめん大丈夫だから続けて」

曜「……」

千歌「ご、ごめん、ちょっと汗が冷えてきて」

曜「……先にお風呂入ろっか」クス…

千歌「ごめんね」アハハ…






26: 2016/09/20(火) 22:25:52.40 ID:3+b22pJJ.net





~曜の部屋~


千歌「そっかぁ……そんなこと思ってたんだ……」

曜「……でね、そうやって梨子ちゃんやみんなに囲まれてる千歌ちゃん見てたらさ」

曜「もしかして千歌ちゃん、私と二人は嫌だったのかなって」

千歌「!」

曜「本当はずっと私のこと嫌いだったんじゃないかって」

曜「私なんかよりも梨子ちゃんのほうがお似合いなんじゃないかって」

曜「そんなこと考えてたら寂しくて悲しくて」

曜「もうどうすればいいのか頭の中ぐちゃぐちゃになっちゃって」ジワ…

曜「……」グッ

28: 2016/09/20(火) 22:26:52.36 ID:3+b22pJJ.net
曜「……あはは、情けないよねこんなの。自分でもわかってるんだ……これはただの嫉妬」

曜「大好きだから嫉妬するんだって鞠莉ちゃんは言ってたけど、実際はそんなに綺麗なものじゃないの」

曜「千歌ちゃんを独り占めにしたい、私だけの千歌ちゃんでいてほしい……そんな汚い私が外に出てきてしまっただけ」

曜「だから本当は千歌ちゃんにだって知られちゃいけなかったのに……」ジワリ

曜「……っ」ググゥ

29: 2016/09/20(火) 22:27:51.28 ID:3+b22pJJ.net
曜「散々思い悩んでヘトヘトになったところに千歌ちゃん選手のタイムリーヒット!それがきてつい甘えちゃったんだ」アハハ…

曜「ごめんね、きっと私のこと嫌いになったよね……でもお願いだから、ちゃんと我慢するから」

曜「これからも隣にいさせてくれると嬉しいな」ニコッ

千歌「……」

曜「……やっぱりだめかな」ニコ…

千歌「……」

千歌「曜ちゃんってさ、やっぱりバカ曜だよね」

曜「っ!……そ、うだね……ほんとバカ……」

千歌「違うよ、そこじゃない。曜ちゃんが今考えてるそれはバカじゃない」

曜「へ……?」

31: 2016/09/20(火) 22:30:02.02 ID:3+b22pJJ.net
千歌「なにがバカか気付いてないからバカ曜なんだよ」

千歌「さっき私さ、曜ちゃんに『泣かないで』『泣きやんで』って言ったよね」

曜「……うん」

千歌「ごめん、撤回する。泣ける時に泣いてていいんだよ」

曜「でも」

千歌「私ね、さっきまでは曜ちゃんが辛くて泣いてるんだと思ってた」

千歌「だから辛い思いをしてほしくなくて……だから泣かないでって言ったんだ」

千歌「でも今の話聞いてて……聞きながら曜ちゃんの顔見てて気付いたの」

曜「私の……顔……?」

千歌「気付いてないと思うけどさ、曜ちゃん――」


千歌「――さっきからずっと笑えてないよ」


曜「……え」

32: 2016/09/20(火) 22:30:34.16 ID:3+b22pJJ.net
千歌「笑えない時に無理やり笑おうとしなくていいの。それはきっと曜ちゃんに涙が必要な時だから」

曜「そんな……無理やりなんて」

千歌「無理やりだよ。辛い曜ちゃんに無理やり笑顔を強いてるバカ曜……私にはわかるんだよ?」

千歌「だって……わたしは同じバカを知ってるから」

曜「同じバカ……?」

千歌「……」コクリ

33: 2016/09/20(火) 22:32:08.55 ID:3+b22pJJ.net
千歌「目ってさ空気中にあるたくさんのキラキラしたものを集めちゃうんだよね」

千歌「なんの取り柄もなかった私にとって世界はキラキラしたものばかりで」

千歌「だから曜ちゃんが活躍してるのを見るのは大好きだったし、ずっと見ていたいって思ってた」

千歌「それはμ'sに対してもそうだし、セイントスノーの人たちにだってそうだった」

千歌「でもたまにそれがいっぱい溜まって、目を覆っちゃって、視界が曇っちゃうことがあるんだ」

千歌「私には何もない、私には輝くことなんてできないんだ、って。キラキラがモヤモヤに変わっちゃうの」

千歌「このままじゃダメ、このままじゃキラキラの中に居られない……」

千歌「……このままじゃ曜ちゃんの隣に居られない。私なんかが一緒にいたらきっと迷惑になる、って」

曜「!そんな……私はそんなこと一度も……」

千歌「ああ、大丈夫。それは私のモヤモヤが見せた思い込みだったって、もうちゃんとわかってるから」

34: 2016/09/20(火) 22:32:54.03 ID:3+b22pJJ.net
千歌「内浦の海ってさ、そういうモヤモヤを全部洗い流してくれるんだよね」

千歌「ざばーんって潜ったら気分爽快!全部すっきり!あとは目を洗うだけ……でも」

千歌「でも、海はいつでもキラキラしてるから、結局キラキラを上書きするだけになっちゃう」

千歌「たとえば、梨子ちゃんはそれで良かった。最初にちゃんとキラキラを持っていたから、海の声を見るだけで良かった」

千歌「私には……私には何もないからそんなことできない」

千歌「けれど東京から帰った明け方、あの海の中で気付いたんだ」

千歌「何も持たない私の目を洗えるのは、私自身の涙だけなんだって」

千歌「涙は誰でも……からっぽな私でも持っている、唯一のキラキラだったんだ」

曜「千歌ちゃん……」

36: 2016/09/20(火) 22:34:16.13 ID:3+b22pJJ.net
千歌「で、洗い流したとき最初に周りに見えたのはみんなの姿だった」

千歌「梨子ちゃんもルビィちゃんもマルちゃんもよしこちゃんも……」

千歌「……そして曜ちゃんも」

千歌「ちゃんと私の側にいたのに、曇っていたときの私の瞳はそれを見せてくれなかったんだ」

千歌「私の始めたわがままのために、普通星人な私の自己満足のために、みんなが傷ついてるのを見るのが恐かった」

千歌「だから必氏で笑顔を作って隠そうとした」

千歌「みんながもっと悲しくならないようにって……ちょうど今の曜ちゃんみたいにね」

曜「……っ!……わたし……」

千歌「……」

38: 2016/09/20(火) 22:35:02.85 ID:3+b22pJJ.net
千歌「……でもさ、涙が晴らしてくれた世界でみんなは……どうしてみんながそこに居るのかを教えてくれた」

千歌「誰も私のわがままに縛り付けられてる人はいなかった。みんなそれぞれ自分自身のためにAqoursに居てくれた」

千歌「そして曜ちゃんは」

曜「わたしは……」

千歌「曜ちゃん自身が『私と一緒に夢中で何かするため』に居てくれた」

曜「……覚えててくれたの?」

千歌「当たり前だよ。すごく、すごーく嬉しかったんだから」

千歌「それが曜ちゃんのずっと望んでいたことだって知ってさ」

千歌「だって、私にとってもそれは長年の夢だったから」

39: 2016/09/20(火) 22:36:29.04 ID:3+b22pJJ.net
曜「っ……千歌ちゃんにとって……も……?」

千歌「うん、10年前からずっと抱き続けてきた……絶望しながら抱え込んできた、到底叶うとは思えない夢だった」

曜「そんな……!」

千歌「でも、やっと見つけた」

千歌「曜ちゃんはずっとここにいたんだ」ギュッ

千歌「あの日、“バカ千歌” はやっと曜ちゃんを見つけることができた」

曜「ち……かちゃ……」ジワ

曜「……っ」ググッ

千歌「ほーら、涙止めるのストップ」

曜「あ……」

40: 2016/09/20(火) 22:37:59.35 ID:3+b22pJJ.net
千歌「もしまた泣きたくなったら」

千歌「んでもって、もし泣き顔見られたくなかったらさ。またこうやって抱きついてよ」

千歌「そうすればほら、泣き顔は見えないし。ね?」

曜「うん……」ジワ

千歌「涙も半分こできるよ。いつものみかんアイスみたいにパキッとね!」エヘン

曜「うん……うん……」ポロ

43: 2016/09/20(火) 22:40:39.72 ID:3+b22pJJ.net
千歌「これから先、もし曜ちゃんの見えてる世界がモヤモヤで曇って」

千歌「私のことが分からなくなっちゃうようなことがあってもさ」

千歌「それは居なくなったんじゃなくて見えなくなってるだけ」

千歌「だから手探りで探してみて?」

千歌「そして抱きしめて、全部洗い流してほしいな」

曜「ちかちゃん……ちかちゃん……」ポロポロ



千歌「わたしはずっとここにいるよ」ギュッ
 


曜「ーーーー~~~~ーーーーーっ!!!」ギュゥゥゥゥウウ



   
・ 
・  

46: 2016/09/20(火) 22:41:53.63 ID:3+b22pJJ.net
・  
・  
・  
 
  
    
        
曜「なんだか久しぶりな気がする……」

千歌「大泣きしたのが?」

曜「それもそうだけど……じゃなくて、千歌ちゃんとこうやって一緒に寝るの」

千歌「?ついこの間合宿したじゃん」

曜「そーじゃなくて……わかんないかなぁ……」

千歌「でもたしかに久しぶりだねぇ……こうやって同じ布団で寝るの」

曜「……わかってるんじゃん」ボソッ

47: 2016/09/20(火) 22:42:34.60 ID:3+b22pJJ.net
千歌「へ?ごめん今の聞こえなかった」

曜「なんでもないよーだ」プイッ

千歌「ええーっなんでおへそ曲げてんのー?」

曜「ふーん」

千歌「言わなきゃわかんないよー。ほらこっち向いて?ねっ?」

曜「……」ツーン

48: 2016/09/20(火) 22:43:14.30 ID:3+b22pJJ.net
千歌「よーちゃぁん」クィクィ

曜「……」

千歌「ううさみしいよー。こんなに近いのに曜ちゃんが遠いよー」

曜「……」

千歌「あっ、今のはね?よーと曜をかけていて」

曜「(クルッ)説明しなくていいよ!……って……?!!?!」

千歌「あっやっとふりむいてくれたー」ニヘラ

曜「ち」

曜(近っ……!!!////)クルッ

50: 2016/09/20(火) 22:44:07.29 ID:3+b22pJJ.net
千歌「えっ、何今の『ち』ってまさか舌打ち!? さすがのチカチーも傷つくんですけど!」

曜「////」

千歌「しかもまた後ろ向いちゃってるし! もういいよ曜ちゃんのバカ曜!」ピトッ

曜「っ!?////」

千歌「よーちゃんがそのつもりなら私がよーちゃんにしがみつくもんね!」キュウ

曜「……////」ドキドキ

千歌「……」

曜「……////」ドキドキドキ

51: 2016/09/20(火) 22:44:47.45 ID:3+b22pJJ.net
千歌「……あ」

曜「な、なに?////」

千歌「曜ちゃんの心臓すごくどきどきしてる……」

曜「!っそ……それは////」

千歌「千歌と一緒だね////」エヘヘ

曜「」

曜「ーーっ////」プシュー





53: 2016/09/20(火) 22:45:50.98 ID:3+b22pJJ.net





曜「ねぇ、千歌ちゃん……」

千歌「……んー?」

曜「私も……さ」

千歌「なぁに?」

曜「私も千歌ちゃんみたいに『みんなと一緒に輝くため』に居てもいいのかな……」

55: 2016/09/20(火) 22:46:35.21 ID:3+b22pJJ.net
千歌「……それって」

曜「あっ、千歌ちゃんと一緒に何かをしたいってのは一番の理由だし、今後も変わることはないよ」

曜「でもそれだけじゃなくて……Aqoursにいる別の理由がほしくてさ」

千歌「それで私と同じ理由を?」

曜「うん。なんだか千歌ちゃんのそれが、私にとっても凄くしっくりきたから……いい、かな?」

千歌「もちろんだよ!……ん? っていうか別に断りいれなくてもいいんじゃない?」

曜「いや、そこはほら……」

千歌「あっそういえば、これでまたお揃いだね」

曜「!」

57: 2016/09/20(火) 22:49:05.63 ID:3+b22pJJ.net
千歌「そっかーまたお揃いかぁ」

曜「……お揃いは嫌?」

千歌「んーん、むしろ嬉しいよ。ただ、なぜか曜ちゃんとは昔から色々お揃いになること多いなーって」エヘヘ

曜「……そだね」

千歌「なんでだろーね?」

曜「……さ、さぁ?」

千歌「全部原則オーソロー!なんつって」

曜「……」

千歌「あ、今のはね? 前進原速ヨーソローとかけてて」

曜「……おやすみっ」

千歌「えっ……う、うんおやすみー……………あっれー、今の自信あったんだけどなぁー……」ブツブツ

曜(………)

曜(衣装お揃いにしてるのはバレてないよね……?)ドキドキ

曜(誰も指摘してこなかったし、大丈夫……なはず!うん!大丈夫!)

曜(それにしても……)

曜(全部原則オーソローかぁ……)

曜(……ぷふっ……結構ツボッちゃったかも……くくくっ)





58: 2016/09/20(火) 22:49:58.40 ID:3+b22pJJ.net





~鞠莉の部屋~


果南「ん?これは?」

鞠莉「ああ、それはヨウから送られてきた新衣装の写真ねー」

果南「わざわざプリントアウトしたんだ……ん?ありゃこれは……」

鞠莉「また、でしょ?」

59: 2016/09/20(火) 22:50:51.48 ID:3+b22pJJ.net
果南「あはは……こういうとこ昔から変わらないんだよね」

鞠莉「Oh!小さいころからこんな細々アピールを?」

果南「アピールというか……千歌と一緒ってことにこだわってるんだよあの子は」

鞠莉「……それ、チカっちは気付いて

果南「ないねぇ」

鞠莉「Oh......」

60: 2016/09/20(火) 22:52:18.94 ID:3+b22pJJ.net
果南「いや、気付いてはいるんだけど意識してないというか『わーい!また曜ちゃんと一緒だー!』って感じかな……」

鞠莉「うーん、いいのか悪いのか……」

果南「ま、いいんじゃない? それよりありがとね、曜の件」

鞠莉「ノンノン、色々な意味でセンパイなので当然のことをしたまで!」フフン

果南「私の方も干物届けに行ったとき千歌にそれとなく教えるつもりだったけど」

鞠莉「けど?」

果南「あの子はすでに答えを出してたよ」

鞠莉「というと?」

果南「自転車がなかった」

62: 2016/09/20(火) 22:56:04.70 ID:3+b22pJJ.net
鞠莉「チカっちは相変わらず猪突猛進ねぇ」ヒュー

果南「一人で悩んでた期間は私たちよりもずっと長いけどね。瞬発力は私直伝だから」

鞠莉「……瞬発力? カナンに? ……ふーん……?」

果南「え、な、なに?」

鞠莉「……ま、そういうことにしときましょ♪」

果南「」
 
   

       

        

 
み完!

66: 2016/09/20(火) 22:59:51.84 ID:3+b22pJJ.net
短かいけど以上です
普段泣かない子が一度泣き出したらなかなか止まらないもんだよねってのと
千歌ちゃん視点を妄想してたら止まらなくなった
勢いだけで書いてるのでいろいろおかしいとこ出てくるかもしれないけど勘弁してつかぁさい
千歌「恋の歌かー」曜「鯉?」
千歌「暑いよ……」曜「そうだねぇ……」ヌイヌイ
千歌「今からいくよー」
68: 2016/09/20(火) 23:01:33.58 ID:m2uO5CXv.net
ありがとう

引用元: 千歌「もー、なにー?なんで泣いてるのー?」曜「いいの!」