1: 2014/11/27(木) 05:00:31.03 ID:zdC/DiMM.net
@駅前カフェ

希「…でも、いつかは言わんとあかん事ちがう?」

花陽「うん…でも、今の花陽には勇気がなくて…」

希「まあ確かに。」
希「デリケートな問題やからなあ…」

ことり「そうだよね…」
ことり「ことりも、穂乃果ちゃんに言えるかって聞かれたら…」

花陽「やっぱり、そうだよね…」
花陽「うぅ…どうすればいいんだろう…」


希「でも、花陽ちゃんは諦めたくないんやろ?」

花陽「…はい!」

希「…なら、まずはその心からやな。」

2: 2014/11/27(木) 05:01:23.46 ID:zdC/DiMM.net
花陽「うん…」

花陽「今のままじゃ、凛ちゃんに守ってもらってた花陽のままなんです。」
花陽「でも…それじゃダメで…」


ことり「うん♪」
ことり「花陽ちゃん自身がそう思ってるなら、大丈夫じゃないかな?」


希「そうやな。」
希「後は花陽ちゃん次第やから。」

3: 2014/11/27(木) 05:05:23.73 ID:zdC/DiMM.net
花陽「うん…」
花陽「ふたりともごめんね。」
花陽「きっと、背中を押してほしくて二人を呼んだの。」
花陽「ちょっとずつでも、頑張ってみる…」


ことり「応援してるね、花陽ちゃん♪」

希「ウチも、お祈りしとくな!」

花陽「ふ、二人の応援に負けないように…」
花陽「頑張ります!!」

希「ほな、また経過聞かせてな?」
希「もちろん、この事は誰にも言わんから。」

花陽「はっはい!!」
花陽「今日は、ありがとう!!」

ことり「ばいばい、花陽ちゃん♪」

4: 2014/11/27(木) 05:10:21.70 ID:zdC/DiMM.net
花陽「二人にはああ言ったけど…」
花陽「一体、何から始めれば良いんでしょう…?」


花陽「うぅ…ダレカタス「かよちーん!!」

花陽「凛ちゃん!?」キョロキョロ


凛「こっちこっち!」


花陽「凛ちゃん…そんな所で何してるの?」

凛「ネコさんがいたから、追いかけて行ったら。」
凛「いつの間にか塀の上だったにゃー。」

花陽「もう…凛ちゃんったら。」

5: 2014/11/27(木) 05:18:57.31 ID:zdC/DiMM.net
凛「よっ…と!」
凛「こんなところで会うなんてついてるにゃー!」

凛「かよちん、帰ろ?」


花陽「うん、凛ちゃん♪」

凛「今日の晩ご飯はなにかなー?」ルンルン

花陽(凛ちゃん、ごめんなさい。)
花陽(花陽には今、秘密があります。)
花陽(いつか伝えるから、その時までは…)



花陽「…このままで、いさせてください。」ボソッ

凛「かよちん、どうしたの?」

花陽「ううん、何でも無いよ!」
花陽「行こ?凛ちゃんっ。」

7: 2014/11/27(木) 05:26:22.21 ID:zdC/DiMM.net
放課後@屋上

海未「1!2!3!4!」

海未「穂乃果、ステップが遅れてます!!」
海未「にこは指先!もっと伸ばして!」


花陽(海未ちゃんはすごいなあ…)
花陽(作詞もして、みんなの練習を見て。)
花陽(おまけに、弓道部の事まで…)


花陽(花陽じゃ、とても叶いません…)


希(…)

8: 2014/11/27(木) 05:35:38.70 ID:zdC/DiMM.net
海未「花陽?どうしました?」

花陽「な、何でもないです!!」

海未「?そうですか…」
海未「では、全員でもう一度!」
海未「いきますよ!!」


花陽(…決めました!)
花陽(まずは、出来る事を全力でやります!)

凛「かよちん、頑張ろ?」

花陽「うん、凛ちゃん!」

9: 2014/11/27(木) 05:43:20.46 ID:zdC/DiMM.net
22:00@花陽's house 玄関前

花陽(まずは、この鈍くささを直します!)
花陽(せめて、激しく動ける体力を。)

花陽(朝は起きれる気がしないし。)
花陽(夜はちょっぴり怖いけど…)

花陽(…でも、もう弱い花陽は嫌なんです。)

花陽「ふぅーっ…」
花陽「よしっ!」


タッタッタッタッタッ…

10: 2014/11/27(木) 05:50:11.76 ID:zdC/DiMM.net
花陽の家から凛ちゃんの家の前を通って
6割くらいの力でランニングします
練習の後だから少し身体が重たいけど…

それでも、前へ前へと足を進めます。

昔よく凛ちゃんと遊んでた公園を抜け
神田明神の男坂まで…
街灯が少しずつ少なくなるにつれ
だんだんと背筋が冷たくなってきました…

それでも、前へ前へと足を進めます。

やっとついた坂への入り口
ここでいったん立ち止まって
呼吸を整えてストレッチをします


そして、さあ登るぞ!!

そう決めたとき

澄んだ綺麗な声に呼び止められました…

12: 2014/11/27(木) 05:56:32.74 ID:zdC/DiMM.net
海未「…花陽?」

花陽「海未…ちゃん。」


海未「こんな遅くにどうしたのですか?」

花陽「は、花陽は…体力をつけようと…」

海未「それはすばらしい事ですが…」
海未「女性がこんな遅くに一人では危ないですよ?」


花陽「う…でも…」



海未「…どうやら、何か訳ありのようですね。」

海未「とりあえず、上がりましょうか。」
海未「ここは冷えます。」

13: 2014/11/27(木) 05:57:19.54 ID:zdC/DiMM.net
花陽(早速、初日から海未ちゃんに見つかってしまいました…)
花陽(どうして、花陽はこうもついてないんでしょう。)


海未「…どうぞ、花陽。」
海未「すこし、冷えたでしょう。」
海未「暖かいですよ?」


花陽「ありがとう、海未ちゃん…」
花陽「あ!花陽、お金持ってないです!!」

海未「…ふふ。いいんですよ。」
海未「私のおごりです。」

花陽「ごめんね、海未ちゃん…」

海未「ではそのお礼に。」
海未「何があったか、教えて頂けますか?」

15: 2014/11/27(木) 06:03:46.91 ID:zdC/DiMM.net
………………


海未「そうですか…花陽は、自分を変えたいのですね。」

花陽「うん…いまのままじゃ、ダメなんです。」
花陽「今のままじゃ…」

海未「そこまで花陽が頑張る理由は何なのでしょうか…?」


花陽「それは…」
花陽「ごめんなさい。」

海未「いえ、良いのですよ?」
海未「人には、言えない秘密がいくつかある物です。」

花陽「…海未ちゃんも?」

海未「ええ、もちろん。」
海未「…でも、それが人間というものです。」

16: 2014/11/27(木) 06:06:16.24 ID:zdC/DiMM.net
海未「そうですね…」

海未「例えば私でも、穂乃果やことりにすら言えない事だってあるんですよ?」


花陽「えぇっ!?」

海未「そんなに驚く事なのでしょうか…?」

花陽「だ、だって…幼なじみで、あんなに仲がいいのに!?」

海未「クスッ。そうですね…」
海未「でも、仲がいいからこそ、言えない事だってあります」

海未「花陽も、そうではないのですか?」

花陽「あ…」

17: 2014/11/27(木) 06:11:38.60 ID:zdC/DiMM.net
海未「どうやら、図星のようですね。」
海未「でも、それが私たちなんです。」
海未「言えないからこそ、出来る事。」
海未「言えないから、考えられる事。」
海未「いろいろ、あると思うんです。」

海未「だからこそ、楽しいとは思いませんか?」
海未「人と関わる事って。」ニコッ

花陽「海未ちゃん…」


海未「花陽が何のために頑張るのかは分かりませんが。」
海未「そう思えた事。」
海未「そう感じた事が何よりも重要ではないでしょうか。」
海未「その時点で、貴女はもうさっきまでの貴女とは違うんですよ?」

18: 2014/11/27(木) 06:16:13.58 ID:zdC/DiMM.net
花陽「…同じようなことを、ことりちゃんに言われました。」

海未「おや、ことりに先を越されてしまいましたか。」クスッ


花陽「…でも、花陽にはどういう事なのか分からなくて。」
花陽「何か、やらないと。」
花陽「何か、変わらないとって…」

花陽「でも、海未ちゃんの言葉で…」
花陽「何か、掴めた気がします…」


海未「それは、貴女がそのきっかけを作ったからですよ。」
海未「ことりに言われたという事は、同じ事を話したのでしょう?」
海未「なら、そこがスタートなんです。」

海未「貴女には、この先何だって叶えられる可能性があるのですよ。」

花陽「…はい。」

19: 2014/11/27(木) 06:21:41.04 ID:zdC/DiMM.net
海未「…少し、臭い台詞でしたかね。」
海未「どうも、作詞に行き詰まってまして…」

花陽「作詞…?」

海未「ええ。良い考えが浮かんでこないようなので。」
海未「気晴らしにと外に出たら、花陽と会いました。」

花陽「海未ちゃんでも、悩む事あるんだね…」

海未「貴女は私を完璧超人だと思ってはいませんか?」クスクス
海未「私だって、つまづくことはあります。」
海未「でもその度に、皆が支えてくれました。」

海未「だからこそ…」
海未「誰かが悩んでいる時は、精一杯支えてあげたいのです。」

海未「…それは、花陽も同じですよ?」

20: 2014/11/27(木) 06:25:34.53 ID:zdC/DiMM.net
花陽「…ありがとう、海未ちゃん。」

海未「いえ、当然の事ですから。」

花陽「それでも、ありがとう。」
花陽「花陽は、勇気をもらいました!」


海未「!…ふふ。それはよかったです。」

海未「…では、そろそろ帰りましょうか。」
海未「送って行きますよ。」

花陽「そんな!悪いよ…」
花陽「それに、海未ちゃんだって…」

海未「私は、武道の心得があるので。」
海未「さあ、いきましょう。」

21: 2014/11/27(木) 06:29:56.58 ID:zdC/DiMM.net
@花陽's house

花陽「海未ちゃん、今日はありがとう…」

海未「いえ、少しでもお役に立てたならよかったです。」

花陽「……!」

花陽「海未ちゃん、ちょっと待ってて!」バタバタ…

海未「?」


ドタドタ…


花陽「海未ちゃん、これ。」

海未「これは…?」

花陽「前に、凛ちゃんと『作詞に挑戦しよう!』」
花陽「ってなった時に書きました!」
花陽「海未ちゃんには遠くおよばないと思うけど…」
花陽「なにか、作詞のきっかけになればと思って。」

海未「…ありがとうございます。」

海未「では、お礼と言ってはなんですが。」
海未「こういうのはどうでしょう…?」

24: 2014/11/27(木) 06:33:57.80 ID:zdC/DiMM.net
@海未's room

海未「まさか、花陽とあんな約束をするとは…」
海未「人生とは、どこで何があるかわからないですね。」クスクス


海未「さて、もう一度作詞に向き合いましょうか。」
海未「…でも、その前に。」

カサッ…

海未「花陽はどんな詞を書いたのでしょうか…」


海未「タイトルは…『なわとび』。」
海未「花陽らしいですね。」

ペラッ…

海未「これは…!」


海未「ふふっ…花陽。」
海未「案外あなたには、作詞の才能があるのかもしれませんね…」

25: 2014/11/27(木) 06:38:29.16 ID:zdC/DiMM.net
昼休み@教室


真姫「花陽。なんだか今日はおにぎりの数多くない…?」

花陽「いっぱい食べて、もっともっと頑張るんですっ!」

凛「凛はこのかよちんも大好きにゃー!」

花陽「…えへへ、凛ちゃんありがと♪」

真姫「ほんっと、アンタ達仲いいわね…」

凛「あっれぇ~?真姫ちゃんも混ざりたいのかにゃー?」

真姫「べっ別に!?」

花陽「花陽は、真姫ちゃんの事も好きですよ…?」

真姫「!?…あ、ありがと///」

凛「あー!!真姫ちゃん照れてる!!」
凛「かよちんは渡さないにゃ!!」

真姫「そっそんな事言ってるんじゃないわよ!!」

花陽「ふふっ…」

花陽(…)

26: 2014/11/27(木) 06:42:33.33 ID:zdC/DiMM.net
数日後…

放課後@屋上

海未「1!2!1!2!」

海未「凛!テンポが少し早いです!!」


花陽「はっ…はっ…」


穂乃果「何か最近、花陽ちゃん動きよくなった…?」

絵里「ほんとね。」
絵里「なにかしてるのかしら…?」


海未「…穂乃果。」

穂乃果「は、はいっ!!」ビクッ!!

海未「穂乃果は最近たるんでるんじゃないですか!?」
海未「また少し太ったでしょう!!」

穂乃果「なんでばれてるの!?!?」

海未「毎日見てたら分かりますよ。」
海未「さあ、ダイエットです!!」

穂乃果「海未ちゃんの鬼ー!!!!!」

28: 2014/11/27(木) 06:45:18.25 ID:zdC/DiMM.net
翌日
6:00@花陽's house 玄関

ガチャッ…

花陽「おはよう、海未ちゃん。」

海未「おはようございます、花陽。」
海未「今日も、時間通りですね。」

花陽「だって、せっかく海未ちゃんが時間とってくれてるんだもの。」
花陽「今日も、頑張ります!!」

海未「ええ。…では、いきましょうか。」

花陽「はいっ!!」

29: 2014/11/27(木) 06:47:45.86 ID:zdC/DiMM.net
あの夜、海未ちゃんと会ってから
海未ちゃんは毎朝、花陽のランニングに付き合ってくれます。
花陽のペースに合わせて走ってくれます

早朝の稽古はいいのかと尋ねると

海未「これも、稽古ですので。」

海未ちゃんはそう言って、花陽に付き合ってくれます。
本当なら、頼らずに自分で出来たらいいんだけど…
今は、海未ちゃんの好意に甘えさせてもらってます
と、言うのも…

海未「花陽。今度の歌詞なのですが…」

どうやら以前渡した歌詞を気に入ってくれたようで
こうして相談してくれます

30: 2014/11/27(木) 06:50:52.37 ID:zdC/DiMM.net
花陽としては
海未ちゃんに認めてもらえた事が嬉しく
また、こうして付き合ってもらえてる事のお礼として
この関係が成り立っています

少しでも今の花陽が、海未ちゃんの役に立ってたら良いな
そんなことを考えながら
談笑まじりに朝焼けの中を走ります

この一歩一歩が楽しくて
初日に感じた身体の重さも
心まで軽くなったような気分で
また、踏み出していくのです

こうして一日の始まりを迎え
そしてまた…次の朝がくるのです

31: 2014/11/27(木) 06:57:42.70 ID:zdC/DiMM.net
放課後@屋上

凛「かよちん、最近どうしたの?」

花陽「え、何が?」

凛「最近のかよちん、なんだか生き生きしてるにゃ!」

花陽「うーん…特に何も無いと思うんだけど…」

凛「嘘だ~絶対何か隠してるでしょ!」

花陽「そ、そんなことないよ!!」
花陽「凛ちゃんに隠し事したことないでしょ?」

花陽(…ごめんね、凛ちゃん)
花陽(でも、これが普通なんだよね、海未ちゃん?)

凛「いいもん!凛も、かよちんと一緒に頑張る!!」
凛「よし、かよちん。練習しよ?」

花陽「うん♪」

32: 2014/11/27(木) 07:01:18.75 ID:zdC/DiMM.net
さらに数日後

お昼休み@教室

真姫「あれ?花陽、今日は少ないじゃない。」

花陽「う、うん。ちょっと最近太ってきちゃって…」

凛「えー?全然そんなことないよ?」

真姫「ええ…どこか、体調悪いの?」

花陽「そんなことないよ?」
花陽「朝練でも、ちゃんと動けてたでしょ?」

真姫「そうだけど…」

凛「もししんどかったら、すぐに言ってね?」
凛「凛、かよちんが元気無いの、やだよ?」

花陽「大丈夫だよ、凛ちゃん。」
花陽「凛ちゃんに嘘はつかないから♪」

凛「それでこそかよちんにゃ!!」

33: 2014/11/27(木) 07:05:28.36 ID:zdC/DiMM.net
翌日
6:10/花陽's house 玄関

海未「遅いですね…」
海未「いつもは、時間ぴったりなのですが。」

ガチャッ

花陽「海未ちゃんごめんなさい。寝坊しちゃって…」

海未「いいのですよ、花陽。」
海未「たまには、そんな時だってあります。」

海未「さあ、今日もいきましょうか♪」

花陽「…うん♪」









このとき私が気づいていれば
あんなことにはならなかったのでしょうか…

35: 2014/11/27(木) 07:10:48.39 ID:zdC/DiMM.net
海未ちゃんと走り始めて2週間
今日も朝がやってきました
数日前まで少し疲れてたけど
今日はスッキリ目が覚めました

…もうすぐ、海未ちゃんが来る時間です
髪を整えて、ジャージに着替えて

今日は、海未ちゃんよりも先に待ってようかな?

36: 2014/11/27(木) 07:15:19.44 ID:zdC/DiMM.net
5:55@花陽's house 玄関

花陽「海未ちゃん!」

タッタッタッ

海未「花陽。今日は、少し早いですね。」

花陽「うん、なんかすっきり目覚めちゃって。」
花陽「今、すっごく身体が軽いんだ♪」

海未「ふふ、花陽も慣れてきたのでしょうか。」
海未「では、今日もいきましょう。」

37: 2014/11/27(木) 07:16:34.50 ID:zdC/DiMM.net
放課後@屋上

花陽(身体が軽い!)
花陽(ステップもちゃんと出来る!)
花陽(ターンだって、何だってできる。)

花陽(これが本当に花陽なのかな!?)
花陽(花陽、少しは変われたのかな?)

花陽(このまま、どんどん良い方向に変われて行けたら…)
花陽(そしたら、きっと凛ちゃんにだって…)




花陽(…あれ?)
花陽(なんだろう?)


自分の身体じゃないみたい

38: 2014/11/27(木) 07:20:52.29 ID:zdC/DiMM.net
海未「花陽!腕が上がってませんよ!」


花陽(!海未ちゃん…)
花陽(頑張らないと!!)


花陽(…あれ?)
花陽(腕って、どうやってあげるんだっけ?)


花陽(…あれ?)
花陽(どうして空が逆さまに見えるんだろう…?)


花陽(…みんな、どうして駆け寄ってくるの?)



…花陽、変われたんだよね?






凛「かよちん!!!!」




私の記憶は
一旦そこで途切れました

41: 2014/11/27(木) 07:25:30.53 ID:zdC/DiMM.net
@保健室

パチッ…

目が覚めて最初に飛び込んできたのは
凛ちゃんの泣き顔でした




凛「かよちん!!」

花陽「凛ちゃん…」
花陽「あれ…?練習は…?」

真姫「花陽、アナタ、倒れたのよ。」

花陽「花陽が…?」

花陽(うそ…だって、あんなに身体が軽かったのに?)

凛「かよちん!!」
凛「どうして辛いの黙ってたの!?」
凛「言ってって言ったじゃん!!」

花陽「え、でも、花陽は…」

凛「かよちんの嘘つき!!」

花陽「凛ちゃん…」

42: 2014/11/27(木) 07:29:43.25 ID:zdC/DiMM.net
真姫「花陽…アナタ、過労だそうよ…」

花陽「過労…?でも、あんなに…」

真姫「海未から、聞いたわよ。」
真姫「朝、走ってたんでしょう?」
真姫「…きっとそれね。」

花陽(ああ…海未ちゃん、喋っちゃったんだ…)

凛「ねえかよちん。」
凛「凛、嘘はつかないでって言ったよね。」
凛「なんで、嘘ついたの…?」

43: 2014/11/27(木) 07:36:11.48 ID:zdC/DiMM.net
花陽「嘘は…ついてないよ。」

凛「かよちんの嘘つき!!」
凛「どうして、凛に言ってくれなかったの!?」
凛「どうして、海未ちゃんなの!?」
凛「凛なら、絶対かよちんがしんどいの気づいてた!!」
凛「海未ちゃんより、凛の方がかよちんの事知ってるもん!!」

凛「海未ちゃんのせいで「凛ちゃん!!」

花陽「海未ちゃんの…悪口言わないで…」
花陽「全部、花陽が悪いんだから…」
花陽「ぜんぶ…」

45: 2014/11/27(木) 07:38:54.69 ID:zdC/DiMM.net
真姫「…凛、言い過ぎよ。」
真姫「海未だけじゃない。」
真姫「気づけなかったのは私たちも一緒よ。」

凛「…ッ!!」

凛「かよちんのバカ!!」
凛「大っ嫌い!!」ダッ

ガラガラガラ…


花陽「凛ちゃん…」


真姫「花陽。」
真姫「私は、誰が悪いって言うつもりはないけど…」
真姫「そんなに私たち、頼りないかしら…?」

花陽「…違うの、真姫ちゃん。」
花陽「真姫ちゃんには、知っててほしい。」
花陽「花陽の…気持ち。」

真姫「…聞くわ。」

46: 2014/11/27(木) 07:44:24.61 ID:zdC/DiMM.net
………………

真姫「…そう。」
真姫「だから、必氏に隠してたのね…」

花陽「隠してるつもりは無かったんだけどね…えへへ。」

真姫「でも、その気持ちが本当なら。」
真姫「今、凛にとってはマイナスでしかないわ。」

真姫「それに関してだけは、こうなるまで伝えなかった。」
真姫「アナタの責任よ。」


花陽「うん…分かってる。」
花陽「だから…例え嫌われたとしても。」
花陽「ちゃんと伝えるよ。」

真姫「そう…分かったわ。」
真姫「もちろん、私は花陽の味方よ?」
真姫「頑張りなさい。背中は、押してあげる。」

花陽「真姫ちゃん…ありがとう。」

真姫「貸しひとつ、ね。」
真姫「元気になったら、また遊びましょう。」

花陽「うん♪」

真姫「海未を、呼んで来るわ。」
真姫「相当、凹んでたから。」

ガラッ…

花陽「…」

47: 2014/11/27(木) 07:47:58.46 ID:zdC/DiMM.net
コツコツコツ…

コンコン

海未「花陽。入りますよ。」

ガラッ…


花陽「海未ちゃん…」
花陽「えへへ、倒れちゃったみたいだね。」
花陽「心配かけて、ごめんなさい…」


海未「花陽…」

海未「…すみませんでした。」


花陽「!?」
花陽「海未ちゃん、顔上げて!!」
花陽「花陽が言わなかったのが悪かったんだから…」

海未「いえ。」
海未「それでも、どこかで気づけたはずなんです。」
海未「あんなに毎日、花陽といたのですから。」

48: 2014/11/27(木) 07:48:47.42 ID:zdC/DiMM.net
花陽「…それは違うよ、海未ちゃん。」
花陽「花陽は、必氏に隠してた。」
花陽「他でもない、海未ちゃんには知られたくなかったから…」

海未「なぜですか!?」

海未「…なんでも、話せるようになったとおもったのは」
海未「私だけだったのでしょうか…」



花陽「…海未ちゃん、言ってたでしょ?」
花陽「人には言えない秘密があるって。」
花陽「穂乃果ちゃん達にも言えないって。」

花陽「花陽にとっては…それは海未ちゃんだったの。」

海未「なぜ…」


海未「なぜ私には、言えなかったのでしょうか…?」


花陽「それはね…」








花陽「海未ちゃんが、好きだから。」

50: 2014/11/27(木) 07:53:17.17 ID:zdC/DiMM.net
海未「…」

花陽「花陽ね、海未ちゃんみたいになりたかったんだ…」
花陽「何でも出来て、みんなに慕われて。」
花陽「そんな海未ちゃんの事が、好きになったの…」


海未「私は、慕われるような人間では…」


花陽「…でも、思ってた海未ちゃんとは、ちょっと違ったの。」
花陽「いつも真面目な海未ちゃんだったけど。」
花陽「その影ではいっぱい努力してて。」

花陽「そんな海未ちゃんを見て。」
花陽「花陽も、頑張ったら海未ちゃんみたいになれるのかなって。」

51: 2014/11/27(木) 07:55:20.49 ID:zdC/DiMM.net
花陽「花陽ね、嬉しかったんだあ…」
花陽「海未ちゃんが、朝一緒に走ろうっていってくれて。」
花陽「花陽の書いた歌詞、よかったっていってくれて。」
花陽「そんな海未ちゃんとちょっとでも長く一緒にいたくて。」
花陽「ちょっと、無理しちゃった…」

花陽「ごめんね、海未ちゃん。」
花陽「変われたと思ってたけど。」
花陽「全然…ダメだったみたい…」



ギュッ…

52: 2014/11/27(木) 07:56:11.06 ID:zdC/DiMM.net
花陽「海未ちゃん?」

海未「花陽は、変わりましたよ。」
海未「そして、私も変えてくれました。」

海未「花陽…」
















海未「私も貴女が、大好きです。」



花陽「え…?」

54: 2014/11/27(木) 08:00:18.04 ID:zdC/DiMM.net
海未「貴女だけでは無いのですよ?」
海未「朝のあの時間を心待ちにしていたのは。」
海未「貴女と過ごせる、数少ない時間を。」
海未「私に使ってくれた事が、何よりも嬉しかったんです。」


花陽「海未ちゃん…」



海未「今度こそ、私が貴女を守ります。」
海未「もう、目を離したりもしません。」
海未「貴女だけを、見ています。」


海未「私とともに、歩んではくれませんか?」

55: 2014/11/27(木) 08:03:58.10 ID:zdC/DiMM.net
花陽「本当に…本当に、花陽で良いんですか…?」
花陽「まだ、全然変われていないのに…」

海未「変わる事だけが、すべてではありませんよ。」
海未「こうして二人でいるのです。」

海未「足りない所を、補って行けば良いじゃありませんか…」
海未「そのための、パートナー…なんですから。」

花陽「…」


海未「もう一度、聞きます。」
海未「私とともに、歩んではくれませんか?」
海未「私には…貴女が、必要なんです。」








花陽「…はいっ。」



終わり。

56: 2014/11/27(木) 08:04:30.88 ID:zdC/DiMM.net
一旦おわり

続いてエピローグ行きます

57: 2014/11/27(木) 08:11:59.43 ID:zdC/DiMM.net
Epilogue

@渡り廊下

海未「…もう、体調は大丈夫なんですか?」

花陽「うん、大丈夫。」
花陽「心配かけてごめんなさい…」

海未「…本当ですよ。」
海未「それから、他の皆にもきちんと謝っておくんですよ?」
海未「皆、花陽の事を心配してたのですから。」

花陽「ありがとう、海未ちゃん。」

海未「私は…花陽に想いが通じただけで、満足ですから///」

花陽「クスッ…」

海未「わ、笑わないでください!」
海未「私は真剣なんですから!!」

花陽「…はい、分かってます。」
花陽「海未ちゃんの気持ち、ちゃんと届いたから。」
花陽「花陽も、海未ちゃんが大好きです///」

海未「は、花陽…こんなところで…///」




花陽「あ…」









花陽「凛ちゃん。」

58: 2014/11/27(木) 08:15:14.31 ID:zdC/DiMM.net
@靴箱前

海未「…」


海未「凛…実は…」

花陽「海未ちゃん。」
花陽「花陽から、話すから…」


花陽「…ねえ、凛ちゃん。」

凛「…」

花陽「花陽ね、嘘ついたつもりは無かったんだ。」
花陽「本当に、変われたと思ってた。」
花陽「体力、ついたと思ってたの…」
花陽「だから、倒れたのは誰のせいでもない…」
花陽「花陽の自己管理が甘かったの。」

凛「…」


花陽「でも…結果的に裏切ったのは花陽のほうだし。」
花陽「凛ちゃんに心配かけちゃった…」
花陽「ごめんなさい。」
花陽「許してもらえないかもしれないけど…」
花陽「これが、花陽の気持ちです。」

59: 2014/11/27(木) 08:20:30.34 ID:zdC/DiMM.net
花陽「…それにね?」

花陽「海未ちゃんと、付き合う事になったよ。」


凛「!……」



花陽「花陽ね、ずっと前から、海未ちゃんの事が好きだったの。」
花陽「これは、凛ちゃんにも言えなかった。」


花陽「…ううん、凛ちゃんだから言えなかった。」
花陽「ずっと、隠してきたから…」

60: 2014/11/27(木) 08:25:26.31 ID:zdC/DiMM.net
凛「…いつから?」

花陽「もう…覚えてないや…」
花陽「いつの間にか、好きになってた。」


凛「凛よりも…好きなの?」


花陽「凛ちゃんの事は、もちろん大好きだよ?」
花陽「今でも、一番の親友だと思ってる。」
花陽「でも、この気持ちが恋愛に変わる事はないんです…」


凛「そっか…」

花陽「…」

花陽「花陽は…」

花陽「たとえ、凛ちゃんに嫌われようと。」
花陽「μ'sのみんなに嫌われようと…」
花陽「花陽は、海未ちゃんのそばにいたいんです!!」



凛「…」

凛「…」

花陽「凛ちゃん…」

61: 2014/11/27(木) 08:27:09.22 ID:zdC/DiMM.net
凛「ふ…」

凛「ふーん!!」
凛「なら、仕方ないにゃー!!」

凛「いいよ、海未ちゃんならかよちん任せられる!」
凛「…あーあ、かよちん海未ちゃんにとられちゃった!!」


花陽「凛ちゃん…」

凛「でも!凛はかよちんの一番の親友にゃ!!」
凛「これは海未ちゃんにも譲れないにゃ!!」

海未「凛…」

凛「そ・の・か・わ・り!」
凛「海未ちゃん!かよちんの恋人になるんだから。」
凛「絶対泣かさない事を凛に誓うにゃ!!」
凛「分かったかにゃ!?」



海未「…」

海未「…ええ。誓います。」
海未「花陽は、私が一生涯守り抜きます。」

62: 2014/11/27(木) 08:30:37.53 ID:zdC/DiMM.net
凛「…うん!」
凛「なら安心だにゃ!!」

凛「今日は二人で帰るんでしょ?」
凛「お邪魔虫は先に行くにゃ!!」
凛「ばいば~い♪」

タッタッタッ…

花陽「凛ちゃん…」

海未「花陽、行きましょう…」



……………………

真姫「…よく、我慢したわね。」

ギュッ…

凛「うぅ…かよ、ちんには…うみちゃんがお似合いだもん…」グスッ

真姫「…そうね。」
真姫「海未なら…安心ね。」


凛「真姫ちゃあん…」

真姫「いいわ。今日は私の胸、貸してあげる。」

凛「~~~~~!!!」


………………………

65: 2014/11/27(木) 08:36:46.91 ID:zdC/DiMM.net
@校門前

希「よっ♪お二人さん!」

海未「希!?」

ことり「ことりもいるよぉ~♪」

海未「なるほど…」
海未「花陽が相談したのは、この二人だったのですね。」

花陽「う、うん…」

海未「いささか、人選ミスな気もしますが…」

希「ひどいなあ、海未ちゃん。」
希「応援してたのに…」

海未「ええ、ふたりには感謝してますよ。」
海未「…ありがとうございます。」ペコッ

ことり「う、海未ちゃぁん…ウルッ」


花陽「は、花陽からも、ありがとうございました!!」
花陽「お二人のおかげで、今の花陽がいます!!」

希「花陽ちゃん、それは大げさやで?」

ことり「そうだよ!花陽ちゃんが変わりたいって願ったから。」
ことり「今、花陽ちゃんは海未ちゃんの隣にいるんだよ♪」

花陽「…それでも、二人に支えてもらったから。」
花陽「花陽は、こうしていられるんです!」
花陽「ありがとうございました!!」

66: 2014/11/27(木) 08:40:23.18 ID:zdC/DiMM.net
@並木道


海未「…」

花陽「…」



海未「花陽…」

花陽「なあに、海未ちゃん?」

海未「花陽は凛に。」
海未「『たとえ、凛ちゃんに嫌われようと。』
   『μ'sのみんなに嫌われようと…』
   『花陽は、海未ちゃんのそばにいたいんです!!』」
海未「こう…言ってくれましたね。」

花陽「あ!あれは!えっとその…勢いで…///」

海未「おや、ではあれは嘘だったのですか?」


花陽「い、いや!嘘でもなくて!!」
花陽「ほ、本当…です…///」

67: 2014/11/27(木) 08:48:16.87 ID:zdC/DiMM.net
海未「…ふふ。少し、意地悪しすぎましたね。」



海未「私も、花陽と同じ気持ちです。」
海未「たとえ、穂乃果達と縁を切ろうとも…」
海未「貴女と共に生きて行きたいです。」


海未「心から…そう、思っています。」

花陽「海未ちゃん…」

海未「それに、花陽はかわりましたよ。」

花陽「え…?」

海未「前までの花陽なら、凛に自分から言えなかったでしょう。」

海未「貴女も、ちゃんと変われるのですよ。」
海未「…格好よかったです。」

花陽「…ありがとう。」

68: 2014/11/27(木) 08:49:17.21 ID:zdC/DiMM.net
海未「…私は、花陽の事を愛しています。」

海未「凛に誓って…ですね。」クスッ


花陽「ふふっ。」
花陽「じゃあ、花陽も…」


花陽「凛ちゃんに誓って。」
花陽「ただ一人、海未ちゃんだけを。」

花陽「…愛しています。」





海未「…花陽。」
海未「手を…つないで帰りましょうか///」




花陽「…うんっ♪///」









ほんとーにおわり。

69: 2014/11/27(木) 08:53:49.94 ID:zdC/DiMM.net
早朝からスタートして
最後まで呼んでくれた人ありがとう!!

マイナーカプ(?)のことえりに続いて、うみぱなでした!

他にももしこれが見たいってのあったら考えてみるけど…
とりあえず、今までの貼っておきます
良かったら見てください。
真姫「にこちゃんと付き合いたい。」
絵里「希と付き合いたい」
ことり「絵里ちゃん、付き合ってほしいの!」
次たてるとしても同じ感じにすると思うから
たこやきが立ててたら覗いてみてください。

ではでは、長い間ありがとうございました!!

70: 2014/11/27(木) 09:26:36.00 ID:P5NoxMBY.net
乙!


引用元: 花陽「凛ちゃんには言えないよ。」