2: 2014/12/03(水) 19:58:58.76 ID:tlVI/TG5.net

ガラッ

雪穂「いらっしゃいませー!」

希「あれ、雪穂ちゃんやん。」

雪穂「あ…こんにちは。」

希「ウチの事覚えてる?」

雪穂「はい。希さん…ですよね?」

希「うん、ありがとう。」
希「今日は雪穂ちゃんが店番なん?」

雪穂「いえ、本当は姉が店番のはずなんですが…」
雪穂「帰ってこなくて、困ってるんです。」

4: 2014/12/03(水) 20:00:42.42 ID:tlVI/TG5.net
希「ん~。」
希「もしかしたら、穂乃果ちゃん覚えてないかも…」

雪穂「え、本当ですか…?」

希「うん、さっき駅前で穂乃果ちゃんに会ったから…」

雪穂「お姉ちゃんめ…」

希「ちょっと、電話してみるよ。」

雪穂「あ、いえ。」
雪穂「私がやりますよ!」

希「雪穂ちゃんは店番あるやろ?」
希「いいから、任せとき?」

雪穂「ありがとう…ございます。」

6: 2014/12/03(水) 20:03:11.13 ID:tlVI/TG5.net
…………………………

ガラガラッ

穂乃果「雪穂、ごめんっ!!」

雪穂「もう、お姉ちゃんってば…」

穂乃果「希ちゃんもごめんね?」
穂乃果「わざわざ電話くれて…」

希「ウチはええんよ。」
希「でも、約束事忘れるのは関心せんよ?」

穂乃果「はい…」シュン

雪穂「そうだよ!」
雪穂「私だって予定あるんだからね?」

希「まあまあ、雪穂ちゃんもそんなに怒らんといてあげ?」
希「穂乃果ちゃんも悪気あるんとちゃうやろうし…」

雪穂「…はい。」

希「それじゃ、ウチは行くな?」
希「雪穂ちゃん、ありがとう♪」

雪穂「あ、ありがとうございましたっ!!」

8: 2014/12/03(水) 20:05:29.85 ID:tlVI/TG5.net
雪穂「ああ、希さんはあんなにしっかりしてるのに。」
雪穂「うちの姉ときたら…」チラッ

穂乃果「な、なに…?」

雪穂「はあ…」

雪穂「それにしても、希さんって不思議な人だね。」

穂乃果「希ちゃん?」
穂乃果「うーん…お姉ちゃんみたいな、お母さんみたいな人だね。」

穂乃果「希ちゃんがよく言う、スピリチュアルって、希ちゃんに一番向いてる気がする…」

雪穂「すぴりちゅある?」

穂乃果「うん、希ちゃんの口癖?なのかな…?」

雪穂「なにそれ。」

穂乃果「とにかく、不思議な事だよ!」

雪穂「ふーん…て言うか、早く代わって!」
雪穂「今から遊びに行くんだから!!」

10: 2014/12/03(水) 20:08:46.97 ID:tlVI/TG5.net
翌日

希「おはよう、穂乃果ちゃん。」

穂乃果「あ、おはよう、希ちゃん!」

希「あれから、ちゃんとお店番した?」クスクス

穂乃果「ちゃ、ちゃんとしたよ!!」

希「なら、よかった。」
希「雪穂ちゃんから、『お姉ちゃん』の愚痴聞いてたから。」

穂乃果「ええっ!?雪穂、何か言ってた…?」

希「それは、ウチと雪穂ちゃんの秘密やなあ…」クスッ

穂乃果「ああん!気になるよ~。」

希「だ~め♪」

11: 2014/12/03(水) 20:09:36.23 ID:tlVI/TG5.net
穂乃果「あ、そうだ希ちゃん!」
穂乃果「今週末ってなにか予定ある?」

希「今週末?特に何も無いけど…」

穂乃果「もし良かったら、穂むらのお手伝いしてくれない?」
穂乃果「バイト代はだすから!」

希「それはええんやけど…」
希「忙しいん?」

穂乃果「うん、お父さんがクリスマス和菓子を作ろうとしてて…」
穂乃果「人手が足りないんだ!」

希「クリスマス和菓子?」
希「なんや美味しそうな響きやん…」

12: 2014/12/03(水) 20:12:00.59 ID:tlVI/TG5.net
穂乃果「もちろん、新作は食べていいよ!」

希「おお…それはぜひ行きたい。」
希「でも、ウチでええの?」

穂乃果「うん!」
穂乃果「雪穂も希ちゃんに懐いてたし、ちょうどいいかなって!」

希「そう?それじゃ、お邪魔させてもらうな?」

穂乃果「うん!詳しい事はまた話すね!!」
穂乃果「それじゃっ!」タッ


希「そうか、気に入ってもらえたんか…」

希「ふふっ。なんか、面白い事がありそうやね♪」

13: 2014/12/03(水) 20:14:56.99 ID:tlVI/TG5.net
週末

9:00 穂むら


希「お邪魔しまーす…」ガラッ

穂乃果「いらっしゃい、希ちゃん♪」

雪穂「来てくれてありがとうございます。」
雪穂「この間はどうも。」ペコッ

希「ええんよ。雪穂ちゃんとおしゃべりできたしね。」


希「今日は、よろしくお願いします!」


穂乃果パパ「…」コクッ

穂乃果ママ「ふふ、こちらこそよろしくね。」
穂乃果ママ「それじゃ、始めるわよ?」

14: 2014/12/03(水) 20:17:58.83 ID:tlVI/TG5.net
13:20

穂乃果「ふう~疲れた~。」
穂乃果「雪穂ーお茶ー。」

雪穂「疲れたのはみんな同じでしょ?」
雪穂「て言うか、初めてやる希さんより疲れるのが早いってどういう事!?」

希「まあ、雪穂ちゃん。それくらいに…」

雪穂「いえ!希さんも甘過ぎます!」
雪穂「お姉ちゃんにはこれくらい言わないと!!」

希「ゆ、雪穂ちゃん…」


雪穂「え…あの、えっと…すみません///」


穂乃果ママ「ふふっ。それじゃ、お昼にしましょうか。」
穂乃果ママ「希ちゃんもどうぞ♪」

希「あ、いただきます。」ペコッ

穂乃果ママ「…私たちは、もうちょっとやりましょうか。」

穂乃果パパ「…」コクッ

15: 2014/12/03(水) 20:20:58.89 ID:tlVI/TG5.net
………………………

雪穂「へえ~。じゃあ、希さんは一人暮らしなんですね。」

希「うん、最近は、μ'sのみんなも遊びにきてくれるし、寂しくはないかな。」

雪穂「でも、その年で一人暮らしってすごいですね。」

希「うん。ここから、離れたくなかったから…」

雪穂「希さん?」

希「…あれ?穂乃果ちゃんどうしたん?」

穂乃果「雪穂ばっかり…」

希「ふふ、拗ねてるん?」

穂乃果「穂乃果もかまって!!」ギュー

雪穂「ちょっとお姉ちゃん!迷惑でしょ!?」

希「ああ、ええよ雪穂ちゃん。いつもの事だし。」ナデナデ

雪穂「いつもやってるんですか!?」

17: 2014/12/03(水) 20:23:08.45 ID:tlVI/TG5.net
穂乃果「だって、希ちゃんって柔らかくて…」
穂乃果「とってもいいにおいがするんだもん♪」

雪穂「でも、そんなの悪いんじゃ…」


希「ん?雪穂ちゃんも来る?」

雪穂「え!?私は、あの…」

穂乃果「ほらほら!早く来ないと穂乃果専用になっちゃうよ?」

雪穂「う…えっと…」

希「おいで、雪穂ちゃん。」

雪穂「その…オネガイシマス。」

ギュッ

雪穂「ふわ…あったかい…」

穂乃果「いいでしょー?穂乃果の特等席だよ!」

希「ふふ。二人とも妹みたいやね♪」

雪穂「…///」

18: 2014/12/03(水) 20:25:27.42 ID:tlVI/TG5.net
………………………

穂乃果ママ「希ちゃん、今日はありがとね?」

希「いえ、こちらこそ滅多に無い体験をさせてもらえて…」

穂乃果「えー?希ちゃんもう帰っちゃうのー?」

雪穂「お姉ちゃんったら…」
雪穂「希さん、どうもありがとうございました。」

穂乃果ママ「ふふ。すっかりお気に入りね。」

希「あはは…///」

穂乃果「ねえ、希ちゃん!」
穂乃果「ご飯食べていきなよ!」

希「…それは流石に悪いよ。」

穂乃果ママ「あら、私は別にかまわないわよ?」

希「え、でも…」

雪穂「…」チラッ

穂乃果「よし、けってーい!!」

希「はは…それじゃ改めて、お邪魔します。」

19: 2014/12/03(水) 20:26:20.83 ID:tlVI/TG5.net
生徒会室

希「って、ことがあったんよ…」

絵里「ふふっ。気に入られてるじゃないの。」

希「なんや、妹が二人出来たみたいで嬉しかったわ♪」

絵里「本当、その包容力は才能ね。」

希「喜んでええんやろか…?」

絵里「クスッ。もちろん♪」

絵里「それにしても、雪穂ちゃんまでデレるとは…」
絵里「案外希には、天性のたらしっぷりがあるのかしら?」

希「そ、そんなん無いもん!!」アセアセ

絵里「…冗談よ。」クスッ

20: 2014/12/03(水) 20:30:57.77 ID:tlVI/TG5.net
数日後…


希「ふふ、今日はお天気もいいし…」
希「穂むらのおまんじゅうでも食べながらゆっくりしよか。」

希「~♪」


ガラッ

雪穂「お姉ちゃんのバカ!!大っ嫌い!!」ダッ


希「雪穂ちゃん…?」



ガラッ

穂乃果「いらっしゃいま…希ちゃん。」

希「今、雪穂ちゃんが走ってくのが見えたけど…?」

穂乃果「うん…」

希「なにがあったん?」

21: 2014/12/03(水) 20:33:12.41 ID:tlVI/TG5.net
穂乃果「実は…また、店番任せちゃって。」
穂乃果「でも、雪穂もひどいんだよ!?」
穂乃果「穂乃果は、μ'sがどうしたらもっと良くなるか、海未ちゃん達と話してたのに!」

希「…それと、お店の事と何か関係があるん?」

穂乃果「それは…」

希「穂乃果ちゃんが、μ'sのこと一番に考えてくれてるんは分かる。」
希「ウチらも、何度も穂乃果ちゃんに頼ってきた事もあった。」

希「でも、お店の事は穂乃果ちゃんが家で約束して決めた事やろ?」
希「その約束を守ってなくて、μ'sの為に。って言えるん?」

穂乃果「…」

希「すこし、言い方きつかったかな。」
希「ウチには、穂乃果ちゃんの家の事はわからんけど…」
希「でも、どんな理由があれ、約束を守れないのは、あかん事とちがうかな?」

穂乃果「でも…雪穂だって。」

希「穂乃果ちゃんは、なんで雪穂ちゃんが怒ったか分かる…?」

穂乃果「…」

希「…とりあえず、雪穂ちゃんは任せとき。」


穂乃果「…」コクッ

22: 2014/12/03(水) 20:36:27.20 ID:tlVI/TG5.net
公園


雪穂「…」

雪穂「どうして、お姉ちゃんばっかり…」

ザッザッ

雪穂「…!」

雪穂「希さん…」

希「やあ、雪穂ちゃん♪」

雪穂「お姉ちゃん…ですか?」

希「うん。ちょうど、雪穂ちゃんが飛び出したとこ見てしまってな…」


雪穂「見られちゃってましたか…」
雪穂「ちょっと、恥ずかしいですね…」

希「訳を、聞かせてくれる?」

23: 2014/12/03(水) 20:39:31.28 ID:tlVI/TG5.net
………………………

希「そっか、穂乃果ちゃんがまた忘れて、か…」

雪穂「そうなんです!」
雪穂「ひどいと思いませんか?」

雪穂「私だって、自分の事があるんです!」

雪穂「なのにお姉ちゃんばっかり楽しそうにして…」
雪穂「私には、お店の事、押し付けてばっかりで…」

希「…」

雪穂「お姉ちゃんばっかり、ずるいよ。」
雪穂「私も、お姉ちゃんの妹なのに…」

希「穂乃果ちゃんは、思ってるより雪穂ちゃんのこと考えてると思うで?」

雪穂「まさか…」
雪穂「お姉ちゃん、いつもそうだもん。」
雪穂「すぐに忘れて、また同じ事するに決まってます…」

希「雪穂ちゃん、穂乃果ちゃんは…」

雪穂「希さんに何が分かるんですか!?」
雪穂「きょうだいもいないのに…!」

24: 2014/12/03(水) 20:42:45.32 ID:tlVI/TG5.net
雪穂「あ…」

雪穂「えっと…その…」


ダッ!!

希「雪穂ちゃん!」



希「…しまった…」


……………………………

雪穂の部屋


雪穂「…私、最低だ。」

雪穂「希さん、わざわざ来てくれたのに…」
雪穂「ついカッとなって…」

雪穂「…」

コンコン

穂乃果「雪穂…入っても良い?」

雪穂「お姉ちゃん…」

25: 2014/12/03(水) 20:46:13.02 ID:tlVI/TG5.net
雪穂「…なに?」

穂乃果「ごめんなさい!」ペコッ

雪穂「お姉ちゃん…」

穂乃果「穂乃果ね、雪穂に頼ってばっかりだったよね…」
穂乃果「希ちゃんに言われたんだ。」

穂乃果「μ'sの事と、家の事は違うって。」
穂乃果「穂乃果、勘違いしてたんだ。」

穂乃果「穂乃果は、μ'sがもっと成長できたら。」
穂乃果「そのために頑張ってる穂乃果を、雪穂は応援してくれてると思ってた。」

穂乃果「でも、結局それはわがままだったんだよね…」

穂乃果「今まで、雪穂にいっぱい迷惑かけたけど、雪穂なら穂乃果の事分かってくれるって。」
穂乃果「でも、穂乃果が雪穂のこと、分かってなかったんだ。」

雪穂「…」

26: 2014/12/03(水) 20:46:58.28 ID:tlVI/TG5.net
穂乃果「穂乃果ね、きっと頑張ってる自分が、すごいって思ってたの。」
穂乃果「穂乃果がやりたいって始めたスクールアイドルがここまで大きくなって。」
穂乃果「みんなが応援してくれて、その中に雪穂も入ってると思ってた。」
穂乃果「だから、μ'sの事で頑張ってたら、雪穂も助けてくれるんだって。」

穂乃果「自分のやりたい事ばっかりだったの。」

穂乃果「…だから、ごめんなさい!」
穂乃果「これからは、ちゃんとお店も手伝う!」
穂乃果「雪穂にばっかり負担かけないようにするから!!」

雪穂「…」

雪穂「私が怒ってるのは、そのことだけじゃ無いんだよ。」
雪穂「お姉ちゃんが頑張ってるのは知ってる。」
雪穂「ラブライブに向けて、頑張りたいって思ってるのも知ってる。」

雪穂「言ってくれたら、出来る事なら手伝うよ。」
雪穂「でも、お姉ちゃんは言ってくれないんだもん。」

27: 2014/12/03(水) 20:50:08.39 ID:tlVI/TG5.net
雪穂「いつからか、お姉ちゃんはμ'sの事しか話さなくなった。」
雪穂「お店の事も、μ'sを言い訳にしようとしてた。」

雪穂「私は、それが嫌だったの!」
雪穂「どうして、前みたいに言ってくれないの?」

雪穂「姉妹なのに、お姉ちゃんはμ'sの事ばっかり。」

雪穂「そりゃあ、頑張ってるのはしってるよ。」
雪穂「でも、前はそのことも頼ってくれた!」
雪穂「話してくれた!」

雪穂「…なのに、今は一人でいる時間が増えた。」

雪穂「寂しいよ…」グスッ


ギュッ

穂乃果「雪穂…ごめんね…穂乃果…」

雪穂「お姉ちゃん…」


「「うわああぁあぁぁああん」」

28: 2014/12/03(水) 20:53:28.37 ID:tlVI/TG5.net
………………………

穂乃果「雪穂も、寂しかったんだよね…」

雪穂「…」コクッ

穂乃果「本当に、雪穂の事分かってなかったなあ…」ナデナデ

穂乃果「希ちゃんに、お礼言わないと…ね。」

雪穂「…!」
雪穂「そうだ、希さん…」

穂乃果「?」

雪穂「私、希さんにひどい事言っちゃって…」
雪穂「お姉ちゃん、どうしよう…」

穂乃果「うーん…」

穂乃果「雪穂も、希ちゃんの事が好きになったのかな?」

雪穂「そ、それは…///」

穂乃果「…」

穂乃果「よし、穂乃果に任せて!!」

30: 2014/12/03(水) 20:55:35.25 ID:tlVI/TG5.net
翌日 夕方

穂むら


希「穂乃果ちゃんから、謝りたいから来てって連絡あったけど…」

ガラッ


希「こんにちは~。」

雪穂「ど、どうも…」

希「雪穂ちゃん!?」

雪穂「あ、あの、えっと…」

希「…」

雪穂「その…なんて言うか…」


希「…穂乃果ちゃん、いるんやろ?」

穂乃果「希ちゃん…」ヒョコッ

希「雪穂ちゃん、ちょっと借りるな?」

穂乃果「…うん!!」

31: 2014/12/03(水) 20:58:04.60 ID:tlVI/TG5.net
神田明神

本堂裏手

希「ほら、雪穂ちゃん。着いたで。」


雪穂「…きれい」

希「ウチのお気に入りの場所なんよ。」
希「夕焼けが街に映えて…スピリチュアルやろ?」

雪穂「スピリチュアル…」

希「そう。」

希「あのな、雪穂ちゃん。」
希「ウチは、今までずっと一人やったんよ。」

希「両親の転勤についてって、色んな街回ってな。」
希「友達もそんなに出来んくて、ずっと一人やった。」

雪穂「希さん…」


希「でもな、ここが合ってたんか…」
希「ここから、離れたくないと思った。」

希「そして、ここに残った事で穂乃果ちゃんや、μ'sの皆と出会えたん。」

32: 2014/12/03(水) 21:01:40.97 ID:tlVI/TG5.net
雪穂「やっぱり…希さんも寂しかったんですか…?」

希「一人やった頃はな。」
希「…でも、ウチがここに残ったから、皆に出会えた。」

希「そして、μ'sに入れた。」

希「ウチにとっては、今が幸せやから。」
希「それで、今までの寂しさなんて吹き飛ぶんよ。」

雪穂「…」

希「…ウチはな、自分の周りで起こる、すべての事に意味があると思うんよ。」

雪穂「意味…?」

希「ウチがここに残ったから、μ'sと出会えた。」
希「だから、今ここにウチがいるん。」

希「こういう言い方をしたらあかんのかも知れんのやけど…」
希「あの日、穂乃果ちゃんがお店のこと忘れてたから、ウチは雪穂ちゃんと話せた。」
希「雪穂ちゃんと仲良くなれたから、その後穂むらにお邪魔できた。」

希「ほら。こう考えると、すべてが繋がって…」
希「意味のある事のように思えてくるんと違う?」

雪穂「それが、スピリチュアル…ですか?」

33: 2014/12/03(水) 21:03:13.74 ID:tlVI/TG5.net
希「うん♪」

希「人や、物や、経験や。」
希「どんな出会いにも、意味はあるん。」
希「ウチらが何かと出会う事で、その『縁』は広がって、また新しい『縁』を繋いでくれるんよ。」

希「やからウチは、どんな些細な事でも大事な事やと思うし、必要な事やと思うん。」


雪穂「たとえ、けんかをしても…ですか?」

希「…穂乃果ちゃんと喧嘩して、言いたい事は言えた?」

雪穂「ええ、まあ…」

希「仲直りできた?」

雪穂「はい…」

希「なら、それは必要な事なんやと思うよ。」

雪穂「え…」

希「雪穂ちゃんは、喧嘩しなかったら今回の事を穂乃果ちゃんに言えてた?」

雪穂「…」

34: 2014/12/03(水) 21:06:16.04 ID:tlVI/TG5.net
希「喧嘩すればいいって物じゃないけど…」
希「少なくとも、喧嘩をした事で二人は余計仲良くなったんと違う…?」

雪穂「それは…そうですね。」

希「もしかしたら、綺麗ごと言ってるだけなんかも。」
希「結果論でしかないって言われたらそれまでやけど。」
希「…でも、ウチは信じたいんよ。」

希「こうして今、雪穂ちゃんと話していられるのも、そういった小さな縁の元に出来てると思うから。」

雪穂「希さん…」

希「そう考えると、嫌な事も楽しくなるんよ。」
希「あのとき、こうしてしまったって後悔するかもしれんけど。」
希「でも、その事があったから、今の自分がいる。」

希「開き直って、自分勝手にするのとはまた違うけどな♪」

35: 2014/12/03(水) 21:07:57.01 ID:tlVI/TG5.net
雪穂「…難しいですね。」

希「あはは、やっぱり?」

希「でも、雪穂ちゃんはこうして、謝りにきてくれたんやろ?」

雪穂「あ…はい。」
雪穂「あのときは、すみませんでした。」ペコッ

希「ええんよ。」
希「それがあったから、今があるから。」

希「これも、ウチは一つの縁やと思ってる。」
希「だって、雪穂ちゃんと仲良しになれたんやから。」

雪穂「…そうなのかも、知れませんね。」クスッ

希「毎日、ほんのちょっとの小さな縁を、ウチらは紡いでるん。」
希「その小さな縁が、また違う縁を繋いで。」
希「そんなちっちゃな不思議な縁に、ウチらは包まれてると思うんよ。」

希「やからウチは、どんな事でも大事にしていこうって。」
希「そんな縁をくれた物を、スピリチュアルって言ってる。」

希「もう、今は口癖みたいになってきたけどな♪」

雪穂「ふふっ。スピリチュアル…ですか。」

36: 2014/12/03(水) 21:13:33.31 ID:tlVI/TG5.net
希「そう。この景色も、雪穂ちゃんとの出会いも。」
希「ウチにとっては、なんでもスピリチュアルや!」ニコッ

雪穂「…」

希「やから、雪穂ちゃんと仲良くなれたのも、きっとこの縁のおかげなんよ。」

雪穂「ふふっ。」

希「…ん?」

雪穂「いえ。『スピリチュアルな縁』って事ですね♪」

希「雪穂ちゃんにも、分かってもらえたかな?」

雪穂「全部はまだ…。でも、私が思って、行動したら、また新しい何かが起こるんですよね?」

希「…まあ、そういうことかな♪」

雪穂「だったら…」ギュッ

希「雪穂ちゃん?」

雪穂「私、お姉ちゃんには負けません。」

希「…どういうこと?」


雪穂「私、まだまだ希さんと。」
雪穂「こうやって手を繋ぐように、色んな縁を繋ぎたいんです!」
雪穂「だから、これからも仲良くしてください!///」



雪穂「私の、もう一人のお姉ちゃん♪」




おわり。

45: 2014/12/03(水) 21:57:44.27 ID:t9G+XqJq.net

可能性感じた

引用元: 雪穂「spiritual chance」