1: 2012/12/09(日) 23:09:16.67 ID:8wG21iaf0
夕美「あっ! Pさん! こっちだよ、こっち!」

P「おー、悪い悪い。待ったか?」

夕美「ううん、そんなことないよっ! 私も今きたところ!」

P「そっか、それじゃいこうか」

夕美「うんっ♪」
3: 2012/12/09(日) 23:17:19.67 ID:8wG21iaf0
P「それにしても今日はどうしたんだ? いきなり出かけようなんてさ」

夕美「うーん、気分かな!」

P「気分かよ……」

夕美「ふふっ、それでさ、どこいくの?」

P「夕美の行きたいところでいいよ」

夕美「むー。こういうのは男の人が決めるべきだよっ」

P「うーん……じゃあショッピングモールでいいか? 最近このあたりにできたんだ」

夕美「うんいいよっ」

4: 2012/12/09(日) 23:24:03.52 ID:8wG21iaf0
ショッピングモール

夕美「わー。ひろいね!」

P「そうだな。飾り付けもクリスマスムードだし」

夕美「もうクリスマスかぁ……この1年早かったなぁ……」

P「おいおい何しんみりしてるんだよ」

夕美「でも、この1年がすごく充実していたのは誰かさんのお陰かなっ♪」

夕美「ねぇねぇ! どこから見よっか!」

P「そうだなぁ……なんか欲しいものとかあるか? 買ってやるよ」

夕美「本当? ふふっ、優しいね」

夕美「じゃあ、あのアクセサリー屋に行きたいなって!」

P「よしまかせろ」

5: 2012/12/09(日) 23:28:37.46 ID:8wG21iaf0
アクセサリー屋

夕美「わぁ……」

P「やっぱり花のアクセサリーが好きなんだ」

夕美「うん! ねぇPさん。なにか選んで?」

P「俺がか? うーん、センスないんだよなぁ……」

P「そうだなぁ……おっ、この髪飾りとかクリスマスっぽくていいんじゃないか?」

夕美「ポインセチアだねっ♪」

P「これってそんな名前だったのか……」

夕美「うーん。Pさんはもう少しお花の勉強が必要かな」

P「はい……」

6: 2012/12/09(日) 23:36:08.29 ID:8wG21iaf0
夕美「あ、そうだ。ポインセチアの花言葉、知りたい?」

P「うん? なんだ?」

夕美「ふふっ、『私の心は燃えている』だよっ」

P「へぇ……なんかこう、情熱的だな」

夕美「ポインセチアの真っ赤な色は、真っ赤に燃える愛情をあらわしてるって言われているんだよっ」

夕美「ちょっと着けてみようかなっ。どうかな? 似合ってる?」

P「ああ、よく似合ってるよ」

夕美「本当に? やった!」

夕美「じゃあこれに決めよ!」

P「え? もう決めるのか?」

夕美「だってPさんが選んでくれたんだもんっ」

P「それでいいのかよ……」

夕美「うんっ! クリスマスにはこれを付けようかなぁ!」

P「っ……そうだな……」

7: 2012/12/09(日) 23:39:52.27 ID:8wG21iaf0
夕美「ありがとうPさん。大切にするよっ♪」

P「本当に良かったのか? 俺なんかが選んだやつでさ」

夕美「ううん違うよっ! Pさんが選んでくれたからいいのっ♪」

P「……ま、いいか。で、どうする? 次はどこ見ようか」

夕美「あ、服みたいかなっ」

P「了解。じゃあ行こうか」

8: 2012/12/09(日) 23:47:59.29 ID:8wG21iaf0
洋服屋

夕美「ねぇねぇ、これどうかなっ!」

P「よく似合ってるよ」

夕美「可愛い?」

P「ああ、可愛い」

夕美「えへへっ//。ねっ、前にもこうやって衣装選んだことあったよね?」

P「ああ、浴衣選んだときだな」

夕美「覚えててくれたんだねっ。なんだか嬉しいなっ♪」

P「忘れるわけないさ」

夕美「そっかそっか……わすれな草だね!」

P「わすれな草?」

夕美「うん、花言葉は『私を忘れないで』」

P「へぇ……なんかロマンチックだな」

夕美「ふふっ、私のこと忘れないでね」

P「だから忘れるわけないさ」

夕美「あ、あれも可愛いかもっ!」

P「あ、ちょっと待ってくれよ!」

9: 2012/12/09(日) 23:52:04.75 ID:8wG21iaf0
夕美「ふふっ、いいのが買えたよっ♪」

P「それはよかった」

夕美「ねぇ、私お腹すいちゃったなっ」

P「そうだな……もう昼かぁ。よし、なにか食べたいものあるか?」

夕美「Pさんと一緒ならどこでもっ」

P「そういわれてもな……とりあえず食べ物屋の通り行くか」

夕美「うんっ」

10: 2012/12/09(日) 23:57:11.47 ID:8wG21iaf0
夕美「もう1年かぁ……」

P「早いもんだよな」

夕美「うん、楽しいときは本当にあっという間だねっ」

P「夕美は本当に頑張ってるからな」

夕美「ふふっ、全部Pさんのおかげだよっ♪」

P「これで俺も……」

夕美「……Pさん?」

P「あ、いやなんでもない」


夕美「あ……」

P「うん? どうした夕美」

夕美「ねっ、ちょっと見てって……いい?」

P「花屋か……うんいいぞ」

夕美「ありがとっ!」タッ

P「本当に夕美は花が好きなんだな……」

11: 2012/12/10(月) 00:02:12.67 ID:d1dDvYw70
花屋

夕美「♪」

P「それ、なんていう花なんだ?」

夕美「アネモネっていう花だよっ」

P「まだ花咲いてないんだな」

夕美「うん、春先に咲く花だからね」

P「花言葉は?」

夕美「ふふっ、内緒だよっ♪」

P「な、なんでだよ」

夕美「紫のアネモネ、買っていこっかなっ」

P「おーい意地悪しないでくれよ」

夕「いつかPさんが調べてねっ!」

P「え……?」

12: 2012/12/10(月) 00:07:40.21 ID:d1dDvYw70
………………

夕美「おいしいねっ」

P「牛丼屋でよかったのかアイドルよ……」

………………

夕美「Pさん……あんまりお金使うのはよくないよっ」

P「止めないでくれ夕美。俺は絶対にこのぬいぐるみを取ってやるぞ」

………………

夕美「あ、みんなのCD売ってるねっ」

P「杏にかな子……みんなすごいな」

夕美「いつか私にもCD出させてねっ♪」

P「……ああ、きっと……な」

夕美「……」

………………
…………
……

13: 2012/12/10(月) 00:12:06.98 ID:d1dDvYw70
屋上

夕美「うう、寒いねっ……」

P「ほら夕美、夜景が綺麗だぞ」

夕美「わぁ……本当だ……」

夕美「お花もきれいだけど……夜景もきれいだなぁ」

P「そうだな」

夕美「ねっ、Pさん。今日はとっても楽しかったよ!」

P「ああ、俺もだ。ありがとな」

夕美「えへへっ……」

P「……なぁ夕美」

14: 2012/12/10(月) 00:15:38.07 ID:d1dDvYw70
夕美「…………なぁに?」

P「俺、言わなくちゃいけないことがあるんだ」

夕美「……Pさん」

P「実は俺…………」



夕美「実家に……帰っちゃうんでしょ?」

15: 2012/12/10(月) 00:21:12.12 ID:d1dDvYw70
P「!?」

P「…………」

P「……ははっ、聞かれちゃってたか」

夕美「社長と話しているのをね……ごめんねっ、Pさん」

P「いやいいさ。今まで言わなかった俺がいけないんだ」



P「親父が倒れちゃってさ……俺が家業をやらなくちゃいけないんだ」

夕美「うん……仕方ないよねっ。Pさんは悪くないよ」

夕美「それで、いつ出発なの?」

P「23日には出る……向こうで年越しの準備とかあるからさ」

夕美「……そっか」

16: 2012/12/10(月) 00:26:16.21 ID:d1dDvYw70
夕美「なんだか……心配だな」

P「新しいプロデューサーは、とても信頼できる人だから心配いらないさ」

夕美「そうじゃない……そうじゃないよ」


夕美「Pさんがいなくてやっていけるか心配なの!!」

P「夕美……」

夕美「ごめんなさいPさん。勝手なのは分かってるけど……」

夕美「ずっと側で見守っていてほしいよっ」

P「……ごめん、ごめんな」

夕美「ふふっ、なんて泣いちゃだめだよね。うん、頑張ってねPさん」

P「夕美……」

17: 2012/12/10(月) 00:29:41.45 ID:d1dDvYw70
P「今日は本当にありがとう。俺がいなくなるって知って……さそってくれたんだよな」

夕美「ふふっ、思い出になったかなっ?」

P「ああ、もちろんさ」

夕美「私も……本当に楽しかったよっ」

夕美「今までありがとうございましたっ!」

18: 2012/12/10(月) 00:38:21.63 ID:d1dDvYw70
23日

ブロロロロロロ

P「ちゃんとプロデューサーの言うこと聞くんだぞ!」

夕美「分かってるよっ」

P「あとはよろしくお願いします」

女P「まかせなさい」

P「それじゃあな夕美。頑張れよっ」

夕美「うん……あ、ちょっとまって!」

夕美「このお花、Pさんにあげるねっ?」

夕美「1日早い、クリスマスプレゼント!」

P「えっ?」

夕美「実はPさんのために買ったんだよっ!」

P「えーっとこの花は……」

夕美「アネモネ、だよ!」

P「あ、それだそれ。ありがとな夕美。大切に育てるよ」

夕美「うーん。やっぱりPさんはお花の勉強したほうがいいよねっ」

P「ははっ、まったくだ」

19: 2012/12/10(月) 00:44:26.42 ID:d1dDvYw70
夕美「……そのお話、私だと思って育ててね?」

P「ああ」

夕美「やっぱりアイドルを育てるのと、お花を育てるのって似てるよねっ♪」

P「そうなのか。ま、どちらにせよ大切に育てるのには変わりないさ」

夕美「ふふっ♪ 私のことも大切に思ってるの?」

P「それは内緒だ」

夕美「意地悪しないでっ」

P「……っははは」

夕美「あははっ……」


P「……あ、夕美」

夕美「なに?」

P「そのポインセチア、似合ってるな」


20: 2012/12/10(月) 00:45:40.36 ID:d1dDvYw70
>>19修正
そのお話→そのお花

21: 2012/12/10(月) 00:49:09.55 ID:d1dDvYw70
某日某所


「あ……花、咲いてる」

「もう3ヵ月も経ったんだな」

「…………」

「花言葉、調べてみるか」

「…………」

「……、そうか……わかったよ夕美」

「アネモネ……紫のアネモネの花言葉は……」

22: 2012/12/10(月) 00:54:33.54 ID:d1dDvYw70
1年後 12月24日

夕美「はぁ……」

女P「どうしたの? またため息なんてついて」

夕美「なんでもないよっ! それでなあに女Pさん?」

女P「今度のライブのことだけどね」

夕美「うん!」チロリン♪

夕美「あ……メール……」

女P「またPさん?」クスクス

夕美「ちょっと見てもいいかな?」

女P「ええどうぞ」

夕美「えへへっ」

23: 2012/12/10(月) 00:56:08.77 ID:d1dDvYw70
件名:夕美

本文:ドア、開けてみ

24: 2012/12/10(月) 00:59:10.72 ID:d1dDvYw70
夕美「うんっ?」

女P「どうしたの?」

夕美「どういうことかなって……」

女P「あら……ふふっ、開けてみれば?」

夕美「うん」スタスタ

夕美「……」ガチャ




P「あー寒い寒い」

夕美「……………………えっ?」

25: 2012/12/10(月) 01:04:58.73 ID:d1dDvYw70
女P「思ったより早かったわね」

P「ええ、高速とばしてきましたよ」

夕美「え……Pさん?」

P「久しぶりだな、夕美」

女P(邪魔者は退散しましょうかね)


夕「…………あ、これは夢だねっ! だってPさんは実家で家業やってるはずだよっ!」

P「残念、夢じゃないさ」

夕美「ほ……本当にPさんっ……?」

夕美「ど、どうして戻ってきたのっ?」

P「色々頑張ってな。1年間かけてやっと帰ってこれた」

P「まったく、とんだ親不孝者だよな」


26: 2012/12/10(月) 01:11:28.62 ID:d1dDvYw70
夕美「ど、どうしてそこまでして……」

P「俺……少し花の勉強をしたんだ」

夕美「あっ……」

P「紫のアネモネの花言葉、なら俺もそれに応えるしかないだろ」

夕美「Pさん……」

P「またよろしくな、夕美」

夕美「う、う、うん! よろしくねっ!」

P「おいおい泣くなよ。もう少しで二十歳なんだろ?」

夕美「そうだけどっ……うれしくてっ……」

P「まったくだな……」

P「目指すはトップアイドルだろ?」

夕美「うんっ!」

27: 2012/12/10(月) 01:13:49.51 ID:d1dDvYw70
夕美「紫のアネモネ、この花の花言葉はねっ」

夕美「『あなたを信じて待つ』だよっ!」


おわり

28: 2012/12/10(月) 01:14:57.29 ID:d1dDvYw70
短いですが以上です

こんな妄想に付き合ってくれた人はありがとう


引用元: 《モバマス》相葉夕美「この花の花言葉はねっ」