1: 2018/07/05(木) 21:37:34.86 ID:LEY5gWto0
甘奈「というわけで尾行してみようと思うんだけど」

甜花「どうしちゃったの、なーちゃん君?」

※コナンネタはスレタイだけ
※二番煎じ部分あり
※多分シリアス


2: 2018/07/05(木) 21:39:04.63 ID:LEY5gWto0
甘奈「プロデューサーさんって、いい人だよね」

甜花「うん……そうだね。甜花、いっぱい助けてもらってる」

甘奈「千雪さんもいい人だよね」

甜花「うん。優しいお母さんみたい……」

甜花「プロデューサーさんと千雪さん……似た者同士」

甘奈「! だよね、だよね! 甜花ちゃんもそう思うよね!」

甘奈「プロデューサーさんと千雪さんが夫婦みたい、って!」

甜花「ふぇ……?」

甜花(そこまでは、思ってない……)

甘奈「それでね、甜花ちゃん。甘奈、気がついちゃったんだ」

甘奈「プロデューサーさん、千雪さんにだけ接し方が違うことに……!」

3: 2018/07/05(木) 21:42:01.55 ID:LEY5gWto0
甜花「接し方……? 口調とか、態度がってこと……?」

甘奈「そうそう! うーんと、そうだよね……」

甘奈「プロデューサーさんと食事に行く時、甜花ちゃんはどんなお店イメージするかな?」

甜花「よく分かんないけど……ちゃんとした所、かな」

甜花「仕事の時間の合間とかなら、ファミレスとかもありそう……」

甘奈「うん、そんな感じだよね」

甘奈「実際にこの前に甘奈と食事に行った時は、大人っぽくコーヒー飲んでたよ」

甜花「簡単に、イメージできる……」

甘奈「だからさ、これがプロデューサーさんの普通だと思うんだけど……」

甘奈「そうじゃない場面、見ちゃったんだ」

甜花「あ……それが、千雪さんと……?」

甘奈「さっすが甜花ちゃん、話が早い。それでなんとね……」

甘奈「プロデューサーさんと千雪さん、牛丼屋さんから出てきたの!」

甜花「ぎゅ、牛丼屋さん……?」

甜花「……二人でそれは……イメージ、できない」

4: 2018/07/05(木) 21:43:38.76 ID:LEY5gWto0
甘奈「驚くのはまだ早いよ、甜花ちゃん。この後がさらにスゴくて……」

甘奈「お店の外で、プロデューサーさんが千雪さんにね、『笑顔が見れたら十分だ』って」

甜花「……! それは……すごい」

甘奈「うん。たまたま聞こえちゃっただけだけど、びっくりしちゃった」

甜花「うん。甜花も……びっくり」

甘奈「それで甘奈、思ったんだ」

甘奈「プロデューサーさんと千雪さんは、気のおけない仲なんだな、って」

甘奈「プロデューサーさんが、甘奈達を牛丼屋さんに連れて行ってくれたり……」

甘奈「そういう口説きセリフっぽいことを言うのって、あんまり想像できないよね?」

甜花「それは……たしかに。なーちゃんの言いたい事、少し分かった……」

甜花(なーちゃんが偶然、極端なところを見ちゃっただけ……だとも思うけど……)

5: 2018/07/05(木) 21:49:34.64 ID:LEY5gWto0
甘奈「それで、話の最初に戻るんだけど……」

甜花「尾行する、ってやつ……?」

甘奈「うん。ひょっとしたら、プロデューサーさと千雪さんの関係がわかっちゃうかも」

甜花「でも、どうするの……? 二人の予定がわからないと……」

甘奈「それは大丈夫だよ! 二人のオフが重なる日、バッチリ調べてあるから!」

甘奈「天気予報でも晴れの日だし、デートするならきっとこの日で間違い無しだよ!」

甜花「よく調べられたね……プロデューサーさんの予定……」

甘奈「葉月さんに聞いたら、教えてくれたよ?」

甜花「じゃあ、千雪さんの予定は……」

甘奈「そっちは普通に千雪さん本人に聞いたよー」

甜花「なーちゃん、用意がいいね……」

甜花(……尾行する、なんてなーちゃんらしくない気もするけど……)

甜花(……)

甜花「……なーちゃん。その日、甜花も行っていいかな?」

6: 2018/07/05(木) 22:48:03.72 ID:LEY5gWto0
甘奈「んー! 絶好のデート日和だね、甜花ちゃん!」

甜花「うん、いい天気……」

甜花「だけど、なーちゃん。何で甜花だけこんなに重装備なの……?」

甜花「サングラス、フード、マスク、そのほか色々……」

甘奈「だって尾行するんだよ? そのままだったら絶対に気づかれちゃうって」

甘奈「甜花ちゃんが可愛すぎて!」

甜花「……」

甘奈「あ! もしかして、暑かったかな? えっと、甜花ちゃんが嫌ならやっぱり……」

甜花「ううん、大丈夫。ちょっと動きづらいけど……なーちゃん、楽しそうだから」

甜花「にへへ……」

甘奈「甜花ちゃん……!」

甘奈「うー、やっぱり甜花ちゃんって可愛いすぎかも……」

甜花「あ、プロデューサーさん来たよ」

7: 2018/07/05(木) 22:49:17.65 ID:LEY5gWto0
甘奈「ホントだ! やっぱりココで待ち伏せしてて正解だったね」

甘奈「うんうん。さすがは定番の待ち合わせスポット」

甜花「なーちゃんも……さすが。七草さん情報だと……◯◯駅で買い物ってくらいしか無かったのに……」

甘奈「デートスポット色々と調べたからねー」

甜花「あ、千雪さんも来た……」

甘奈「!」



千雪「プロデューサーさん、おはようございます」

P「おはよう千雪。お、その服は初めて見るな。よく似合ってる」

千雪「ふふっ、ありがとうございます。プロデューサーさん」

千雪「……あ、ひょっとして待たせちゃいましたか?」

P「いや、俺も今来たばっかりだよ」

P「それに、まだ集合時間になってない。仮に待たせたとしても、千雪は悪くないさ」

8: 2018/07/05(木) 22:52:25.90 ID:LEY5gWto0
甘奈「……本当に待ち合わせしてたんだ、プロデューサーさんと千雪さん」

甜花「なーちゃん?」

甘奈「あ、二人が歩き始めた! こっちの方向だと……最初はショッピングかな」

甘奈「追いかけよう、甜花ちゃん!」



P「……ふぅ、にしても今日は馬鹿に暑いな」

千雪「なんでも今年で最初の猛暑日になるそうですよ」

千雪「プロデューサーさん、こういう日もスーツなんですから」

P「半分仕事だからな。社長がもっとクールビズに積極的ならいいんだけど」

P「千雪が勤めてた雑貨屋は、その辺りどうだったんだ?」

千雪「ありませんでしたね。ふふふ、そもそも雑貨屋さんでスーツは着ませんから」

P「それもそうか」

千雪「でも代わりになるものはあるんですよ。今日も持って来ちゃいました」

千雪「はい、自家製の冷茶です。後でプロデューサーさんにも差し上げますね」

P「おお、ありがたい」

9: 2018/07/05(木) 22:53:41.58 ID:LEY5gWto0
甜花(プロデューサーさん、しっかり道路側歩いてるね……)

甘奈「甜花ちゃん、二人の会話聞き取れる?」

甜花「それは駄目……楽しそうなことしか分からない……」

甘奈「会話が聞こえる距離まで、近づいてみよっか」

甜花「でも、これ以上近づくと……バレちゃいそう……」

甘奈「そ、そうだよね。プロデューサーさん、結構鋭いところあるし」

甜花「あ……二人がお店に入るみたい。なーちゃん……どうする?」

甜花「ここの中、あんまり広そうじゃないけど……」

甘奈「うーん、外から見張っとこっか」

甜花「……残念」



P「お、千雪。こっちの柄なんかどうだ」

千雪「わぁ! これなら、さっき見た奴と合わせて……」

P「うん、涼しげで良さそうだな。ステージ映えもしそうだ」

千雪「さすがプロデューサーさんですね。私、自分が着てる姿ってあまりイメージできなくて……」

千雪「やっぱりプロデューサーさんは、こういうのって勉強されてるんですか?」

P「ファッション誌とかは目を通すこと多いよ。勉強ってほど腰を据えてやってるわけじゃないけど」

P「まぁ、単純に本が好きなんだ」

P「それが雑誌くらいの物であれ、もっと重い読み物であれな」

10: 2018/07/05(木) 22:54:49.13 ID:LEY5gWto0
千雪「プロデューサーさんの読書姿って、何だか簡単に想像できちゃいます」

千雪「そういえば、甘奈ちゃんも読書する方だって言ってましたね」

P「らしいな。この前のブックカフェの記事から、本屋慣れしてるのが伝わってきたよ」

P「思えば、俺が読書するようになったのも甘奈くらいの歳の時だったかな」

千雪「昔はそこまででも無かったんですか?」

P「自分の世界の狭さを自覚することがあってな。意識して読書するようになったのはそれからだ」

P「本がズラッと並んでると、ワクワクするのは昔からだったけど」

千雪「へぇ、そうなんですか。ふふふ……」

P「どうした千雪、急に笑い出して。なにか変なこと言っちゃったか」

千雪「いえいえ、そんなことはありません。ただ、甘奈ちゃんも同じようなことを言ってので……」

千雪「何だか微笑ましくなっちゃいました」

千雪「とっても素敵な事ですよね。新しい世界と出会えるのって」

11: 2018/07/05(木) 22:55:29.34 ID:LEY5gWto0
P「む、いい感じにまとめられてしまったな。しかし、甘奈も同じこと言ってたのか……」

P「一緒に出かけることあったら、好きな本の話でもしてみようかな。今度は」

千雪「『今度』って、前があったんですか?」

P「ん? ああ。仕事用の服を一緒に買いに行ったことがあってな」

P「今日と似たような感じだ」

千雪「あらあら、プロデューサーさんも隅に置けないんですね」

P「千雪、からかわないでくれ。少し恥ずかしい」

千雪「ふふふ、すみません」

P「……あれ?」

千雪「どうかしましたか、プロデューサーさん」

P「いや、何でもないよ。次のお店行こうか」

千雪「? はい、分かりました」

P(チラッと見えた二人組……気のせいか?)

12: 2018/07/05(木) 23:11:04.69 ID:LEY5gWto0
甜花(それから、2番目3番目のお店でそれぞれ1時間弱……)

甜花(結局……かれこれ2時間半くらい、楽しげな二人を見てた)

甜花(なーちゃん、最初の方は元気だったけど、段々と気分が落ちていって……)

甜花「……なーちゃん……大丈夫……?」

甘奈「……」

甘奈「……やっぱり、付き合ってるのかな」

甘奈「……そうだとしても、甘奈には……」

甜花(……? 甜花の声……聞こえてないみたい……)

甜花(ちょっとだけ……大きな声出した方がいいかな……よし……!)

甜花(なーちゃん!)

甜花(あ、あれ……? 声が……うまくでない……?)

甜花(それに……何だか急に、意識が……)

甜花(……朦朧、と……)

13: 2018/07/05(木) 23:11:49.29 ID:LEY5gWto0
甘奈「? え、甜花ちゃん!?」

甘奈「……! 甜花ちゃん、顔が真っ赤だよ! こ、これって……!」

甜花(……あ、なーちゃん気づいてくれた……)

甜花(……そっか、今日はお外が暑かったから……)

甘奈「甜花ちゃん! 甜花ちゃん!?」

甜花(……熱中症、に……)

甘奈「甜花ちゃん!!」



あまな『あまなね、てんかちゃんがいればしあわせだよ』

てんか『てんかも、なーちゃんがいれば、たのしい……』

甜花(……昔の、会話……)

甜花(小さい頃は、ずっと二人で遊んでたっけ)

あまな『うん! あまなたち、ふたりでいればだいじょーぶだよね!』

甜花(甜花となーちゃん……二人、だけの……)

14: 2018/07/05(木) 23:12:48.46 ID:LEY5gWto0
甘奈「甜花ちゃん!」

甜花(……! 意識が……飛ぶところだった……)

甜花(……実は半分くらい、飛んでたのかも……でも……)

甜花「なーちゃん……大丈夫……ちょっとフラッとしただけ……」

甘奈「無理しちゃダメ! 全然大丈夫に見えないよ……!」

甘奈「こういう時は……えっと……!」

甘奈「水分補給して……それから……! でも、その前に救急車を……」

P「落ち着け、甘奈」

甘奈「……! プ、プロデューサーさん!? どうして……」

P「担当アイドルの様子がおかしかったらすぐに気づくさ」

P「そんな事より甜花だ。千雪、水分補給の準備を頼む。甜花、俺におぶさることはできるか?」

千雪「は、はい。任されました……!」

甜花「うん……お願い……しましゅ……」

P「よし、移動するぞ。近くの公園に木陰とベンチがあったはずだ」

15: 2018/07/05(木) 23:17:22.15 ID:LEY5gWto0
甜花「少し……元気になった。千雪さんのお茶……美味しかった……」

甜花「お礼を言いたいけど……二人とも、まだ戻ってこないね……」

P『俺と千雪で何か買ってくるから、二人とも安静にしててくれ』

甜花「……って、言ったっきり」

甘奈「うん……この辺りに無いのかな、薬局……」

甜花「……」

甘奈「……」

甜花「……なーちゃん、ごめんね。体調崩しちゃって……」

甘奈「謝らないでよ、甜花ちゃん。それ、甘奈のせいだよ……」

甜花「そんなことは……」

甘奈「そんなことあるよ」

甘奈「甘奈が甜花ちゃんに、暑い格好をさせたせい」

甘奈「それに気づかずに、ずっと連れ回してたせい」

甜花「……」

甘奈「ごめんね、ごめんね……! 甜花ちゃん……!」

甜花「……なーちゃん」

甘奈「甘奈、どうかしてた」

甘奈「プロデューサーさんと千雪さんのことが気になって、全然甜花ちゃんのこと見てあげられなかった」

甘奈「こんなの、甘奈らしくないよね……」

16: 2018/07/05(木) 23:20:03.16 ID:LEY5gWto0
甘奈「……甜花ちゃん。動けるようになったら、二人にお礼を言って、今日は帰ろう?」

甘奈「帰って……明日からは、もう二人のことは気にしないようにする」

甘奈「それで、いつもの甘奈に戻るから……」

甘奈「だから……ごめんね……。ごめんね、甜花ちゃん……」

甜花「……駄目」

甜花「それは駄目だよ、なーちゃん」

甘奈「甜花ちゃん……?」

甜花「甜花ね……うまく言えないけど……帰ったら、駄目だと思う……」

甜花「二人だけの世界なら、寂しくないし、痛くもないけど……」

甜花「きっと、何か足りないと思う……」

甜花「だから、プロデューサーさんと……ちゃんと話さなきゃ……」

甘奈「でも、甘奈は……」

甜花「……喋ってたら……眠くなってきちゃった」

甜花「甜花、少しだけ眠るね……なーちゃん……」

甘奈「……甜花ちゃん……」

17: 2018/07/05(木) 23:21:05.30 ID:LEY5gWto0
P「おーい甜花ー……っと、寝てるのか」

P「気を失ってるわけでは無いよな……?」

甘奈「うん。甜花ちゃん、気持ち良さそうに寝てる」

P「そうか。ならもう大丈夫そうだな」

P「これ飲んでおいてくれ、甘奈の分だ」

甘奈「スポーツ飲料……甘奈にも?」

P「甜花と一緒に行動してたんだろ? 甘奈も同じように熱中症になってる可能性は低くない」

甘奈「……うん、分かった」

P「そういえば、二人して何をしてたんだ? ずっと俺たちの後ろにいたよな」

甘奈「……!」

P「話したくないなら別に言わなくていい。悪いことをしてたわけじゃないだろうしな」

甘奈「……うん」

甘奈「……ううん。甘奈ね、悪いことしてたよ」

P「へ?」

甘奈「プロデューサーさんと千雪さんのことを尾行してた」

甘奈「プロデューサーさんと千雪さん、とっても親密そうに見えたから」

18: 2018/07/05(木) 23:21:53.17 ID:LEY5gWto0
P「……つまり話をまとめると、俺の接し方が千雪と自分達で違うのが気になった」

P「そういうことか?」

甘奈「……うん」

P「そうか。そうだよな。アイドルとプロデューサー……一応、上司と部下なわけだし」

P「人によって態度が変われば不安にもなるよな」

甘奈「あ、えっと、それもあるんだけど。それ以上に、その……」

甘奈「プロデューサーさんと千雪さん、お付き合いしてたりするのかなって」

P「そんな風に見えてたか?」

甘奈「うん。二人とも凄くお似合いに見えちゃった」

甘奈「それで甘奈ね、凄く気になって、何故か不安になってきちゃって……」

甘奈「でも変だよね。よく考えたら、甘奈が不安になることなんて、何も無いのに……」

甘奈「何一つ無いのに。おかしい、よね」

19: 2018/07/05(木) 23:22:52.26 ID:LEY5gWto0
P「おかしくなんてない」

P「甘奈は何も間違ってない。自分のことを変だと感じても、それは間違いなんかじゃない」

甘奈「プロデューサーさん……?」

P「甘奈。WINGを目指してた時のこと、思い出してみてくれないか?」

甘奈「WINGの時? えっと確か、あの時は……」

甘奈「……うん、甜花ちゃんのことで悩んでた」

甘奈「先に進んでいく甜花ちゃんを見て、置いて行かれるんじゃないかって……」

P「甘奈が今感じている不安も、その時に近いものは無いか?」

甘奈「……そう、なのかも」

甘奈「だけど何でなのかな……甜花ちゃんのこと、今は関係ないよ……」

P「それはきっと、甘奈にとって大切なものが増えたからだ」

P「千雪や俺のことを、大切に思ってくれてるんじゃないか。それが甜花ほどの物じゃ無くても」

P「……なんてこと、自分で言うと自惚れてるみたいで恥ずかしいけどな」

20: 2018/07/05(木) 23:24:15.46 ID:LEY5gWto0
甘奈「それは……」

甘奈「……ううん、自惚れなんかじゃないよ」

甘奈「甘奈、プロデューサーさんのことも千雪さんのことも、とっても大切に思ってる」

甘奈「……そっか。これって、そういう不安だったんだね」

P「出会ったばかりの頃の甘奈なら、俺と千雪の関係なんて気にしなかったんじゃないか」

P「だけど、今はそうじゃない。そうじゃないように成長した」

P「そんな自分を認めてやればいい」

甘奈「……認める?」

P「そうだ。不安になったことも困惑したことも、自分の一部だと認めてあげるんだ」

P「今日の甘奈は、結果として誰かに迷惑をかけたかもしれない」

P「そんな自分のことを、らしくないと思ったかもしれない」

P「だけど、そこに悪意があったわけじゃないんだろ?」

P「だったらそれは間違いじゃない」

21: 2018/07/05(木) 23:25:49.24 ID:LEY5gWto0
P「関係性や立場が変われば、その人への気持ちや接し方も変わってくる。それは俺も同じだ」

P「だからこそ、大切なのは真摯であることだと俺は思う。そうすれば、その時々の自分を認められる」

P「だから甘奈には信じて欲しい」

P「アイドルごとに接し方が変わったとしても、誰かを蔑ろにしたり贔屓したりはしない」

P「隠れて恋愛をしたりとかもしない」

P「みんなには常に真摯さと敬意を持って接する。これまでも、これからもな」

甘奈「……プロデューサーさん」

P「まぁ、甘奈を不安がらせたのは完全に俺の落ち度なんだけどな」

P「その部分は全面的に謝罪する。甘奈、本当に申しわけなかった」

甘奈「あ、謝らないでよプロデューサーさん! 甘奈が勝手に不安になっただけなんだから」

P「でも必要なことだ」

甘奈「……!」

甘奈「……甘奈も、もう一回甜花ちゃんに謝らないとね」

P「そうだな」

甘奈「……あ」

P「どうした? 俺の顔に何か付いてるか?」

甘奈「ううん、そういうわけじゃないんだけど……」

甘奈「やっぱりプロデューサーさんは、大人だなって」

22: 2018/07/05(木) 23:27:27.41 ID:LEY5gWto0
千雪「プロデューサーさーん!」

P「お、ちょうど良く千雪が戻ってきたな。甜花の方は……」

甜花「甜花も、完全復活……!」

甘奈「甜花ちゃん! 良かったよぉ~!」

甜花「実は……ちょっと前から起きてた……」

甜花「にへへ……」

千雪「あらあら、もうすっかり元気みたいね。安心しました」

甜花「千雪さん……ありがとう……」

千雪「ふふふ、どういたしまして」

P「よし。それじゃあ全員揃ったことだし、ここらのお店で遅めの昼食にするか」

千雪「いいですね。この四人でする食事なら、楽しいこと間違いなしですから」

P「ああ、そうだ。罪滅ぼしってわけじゃないが……甘奈、どこか希望はあるか?」

甘奈「え、甘奈!?」

甘奈「えーと、うーんと……あ」

P「何でもいいぞ。値が張る店でもドンと来いだ」

甘奈「ううん。甘奈ね、そういう高級なお店よりも……」

甘奈「……牛丼屋さん、行きたいな」

23: 2018/07/05(木) 23:28:26.67 ID:LEY5gWto0
甘奈(昨日は、とーっても楽しかったな)

甘奈(甜花ちゃんがいて、千雪さんがいて、プロデューサーさんがいて)

甘奈(それだけで幸せな気持ちになるよ)

甘奈(……『関係性が変われば気持ちや接し方も変わる』、か)

甘奈(プロデューサーさんとの関係も、いつか変わったりするのかな)

甘奈(プロデューサーさんのことを、下の名前で読んだりするのかな……)

甘奈(そうじゃなくて、もっと先の呼び方をしてみたり……)

甘奈(……あ)

甘奈(そっか。そういうこと、考えちゃうんだ)

甘奈(やっと分かった。きっとプロデューサーさんのことを、甘奈は……)



甘奈(うん。それなら、今の甘奈にはやりたいことが一杯ある)

甘奈(プロデューサーさんと一緒にアイドルを頑張りたい)

甘奈(まだ知らないプロデューサーさんを見てみたい)

甘奈(その時に、自分が何を思うのかを確かめたい)

甘奈(よし、今日も頑張らないとね!)

24: 2018/07/05(木) 23:29:01.87 ID:LEY5gWto0
甘奈(事務所に到着、っと☆)

甘奈(まずはしっかりとした挨拶からだよね)

甘奈「プロデュー……」

甘奈(あ、誰か先に挨拶してる。確かあの人はイルミネの……)

真乃「オハヨー! ボクは、ピーちゃんですゾ~」

真乃「ぽっぽるー」

甘奈「!」

P「……」

P「ぽぉっぽるぅ~!」

甘奈「!?」

25: 2018/07/05(木) 23:30:02.40 ID:LEY5gWto0
終わりです。お目汚し失礼しました。

28: 2018/07/05(木) 23:43:45.09 ID:LEY5gWto0
おまけ1

葉月「プロデューサーさん、聞きましたよ~」

P「聞いたって……何をですか?」

葉月「プロデューサーさんと、アルストロメリアの皆さんのお食事事情ですよ~」

葉月「千雪さんと牛丼を食べに行って、『笑顔が見れたから十分さ』なんて言ってみたり……」

葉月「対して、甘奈さんと食事に行けば、コーヒーだけ注文してクールに決めてたらしいじゃないですか」

P「ああ、そのことですか。別にやましい意図は無いですよ。まず千雪のことですが……」

P「Daを上げたかったんです」

葉月「へ? Da?」

P「甘奈のコーヒーも同じくですね」

P「Daを上げたかったんです」

葉月「???」

P「Daを上げたかったんです」

29: 2018/07/05(木) 23:45:25.04 ID:LEY5gWto0
おまけ2

大崎母「甘奈ちゃんに好きな男の人が出来たなんて、ビックリだわ」

大崎母「あの甘奈ちゃんにねぇ……」

甜花「その……事務所の、プロデューサーさん……」

大崎母「あらあら、パパが聞いたら怒り狂いそうね」

甜花「うん。だから、パパにはまだ内緒……」

大崎母「それが良さそうね。ところで甜花ちゃん」

甜花「ん……何?」

大崎母「甜花ちゃんは、その人のこと……どう思ってるのかしら?」

大崎母「あなた達って、好きなもの似てたりするじゃない」

甜花「甜花……? うーん……」

甜花「甜花は……ハーレムもアリかなって」

大崎母「まぁ」

30: 2018/07/05(木) 23:46:39.73 ID:LEY5gWto0
今度こそ終わりです。
真剣さ故に人は鳩になったりすると思います

引用元: 【シャニマスSS】甘奈「プロデューサーさんと千雪さんの距離が近い……妙だな……」