1: ◆TAACIbOrYU 2014/12/24(水) 17:40:56.58 ID:V2qyfISK0

2: 2014/12/24(水) 17:43:44.35 ID:V2qyfISK0

P「街はクリスマスムード一色ですねぇ」カチカチ

小鳥「そうですね」

P「まぁ俺達には関係ないんですが」カタカタ

小鳥「関係なくないです!」ガタッ

P「小鳥さん。その山になってる書類が崩れるから暴れないでください」

小鳥「ううっ…どうしてこんなに…」

P「売れっ子が増えたらこんなもんです。律子も昼過ぎまで戻りませんし」ッターン

3: 2014/12/24(水) 17:46:41.24 ID:V2qyfISK0

P「…本当はなんとか休みを調整して、雪歩の誕生日会でもやりたかったんですが」

小鳥「流石に全員の休みを調整するのは無理でしたね」

P「ですねぇ。みんな仕事で駆り出されちゃいました」

小鳥「春香ちゃんたちも直接お祝いしたかったみたいだけど…」

P「あいにく、収録とかち合ってますからね」

4: 2014/12/24(水) 17:48:17.89 ID:V2qyfISK0

<ガチャ

真「おはようございます!」

P「おー、おはよう真」

真「おはようございます小鳥さ…うわっ! 何この書類!?」

小鳥「明日までに片付けなきゃならない仕事よ…」

P「俺が手伝わないと小鳥さん氏ぬな。手伝わないけど」

小鳥「ピヨッ!?」

P「ウソです」

小鳥「ホッ」

P「というのはウソです」

小鳥「どっち!?」

5: 2014/12/24(水) 17:51:39.77 ID:V2qyfISK0

真「あれ、そういや雪歩は?」

P「雪歩はもうラジオの生放送に出かけたぞ」

真「朝から早いなぁ。誕生日おめでとうって言おうと思ったのに」

P「お前も今日は収録があるだろ。そろそろ向かった方がいいんじゃないか?」

真「あれ、もうそんな時間ですか?」

P「送っていくか?」

真「いえ、自転車で行ける距離なんで大丈夫です。行ってきます!」

P「気を付けてなー」

6: 2014/12/24(水) 17:53:26.87 ID:V2qyfISK0

<バタン

P「さて、と。小鳥さん、その資料半分こっちにください」

小鳥「えっ! 本当にやってくれるんですか?」キラキラ

P「…やっぱ4分の1くらいで」

小鳥「えぇー? もっと男気見せてくださいよー」ブーブー

P「その内、雪歩を迎えに行かなきゃならないんで無理ですぅ」

小鳥「プロデューサーさんの、ちょっとイイトコ見てみたーい!」

P「…俺がその気になれば、シカトきめこむことも出来る訳です」

小鳥「少しでいいから手伝ってください」キリッ

P「はーい。それじゃ、この辺から片付けますか…」

7: 2014/12/24(水) 17:57:39.18 ID:V2qyfISK0





P「…よーし、受け持った分は終了、っと」

小鳥「仕事が早い…っ!」

P「いつもよりギア上げてますからね。それに、そろそろ雪歩の方も仕事が終わる時間です」

小鳥「あら、もう12時だわ」

P「雪歩を拾ったら、そのまま昼食にします。それでは迎えに行ってきます」

小鳥「いってらっしゃーい♪」

8: 2014/12/24(水) 18:02:17.53 ID:V2qyfISK0



雪歩「ううっ、やっぱり寒い…」

雪歩(そろそろプロデューサー、来てくれると思うんだけど…あっ)



P「雪歩、おまたせー」フリフリ

雪歩「プロデューサー!」

P「いやー、すまん。思ったより道が混んでてな…待たせちゃったな」

雪歩「いえっ、そんなに待ってないですぅ」

P「…鼻も耳も真っ赤だぞ?」

雪歩「えっ!? あ、あうう…」

P「寒かっただろ? ほら、早く入って温まりなさい」

雪歩(ば、ばれちゃった…)

9: 2014/12/24(水) 18:04:53.44 ID:V2qyfISK0

<バタン

P「来る途中でココア買っておいたんだ。飲むか?」

雪歩「はい、ありがとうございますぅ」

P「あと、それと…」

雪歩「?」



P「誕生日おめでとう、雪歩」

10: 2014/12/24(水) 18:07:45.07 ID:V2qyfISK0

雪歩「ありがとうございます、プロデューサー」

P「本当は今日は休みにして、誕生日会やりたかったんだけどな…」

雪歩「…今日みたいな日に、休みを調整するのは無理です」

P「まあな…稼ぎ時の時期だしな」

雪歩「…それに」



雪歩「こうやってプロデューサーが私の誕生日を祝ってくれるだけで、うれしいですぅ」ニコッ

P「…ならよかったよ」

11: 2014/12/24(水) 18:09:20.30 ID:V2qyfISK0

P「さて。お腹もすいてるだろ? 昼ご飯を食べに行こうか」

雪歩「でもこの時間で、すいてるお店なんてありますか…?」

P「ひとつツテがあるが…ちょっと電話してみるか」カチカチ

P「もしもし。今からでも入れる? うん…2人席で…うん、それじゃよろしく」ピッ

雪歩「ど、どうでしたか?」

P「オッケーだと。2人席空けて待っててくれるから行こうか」

12: 2014/12/24(水) 18:14:41.10 ID:V2qyfISK0

<カランカラン…



店長「いらっしゃい。お、雪歩ちゃんが一緒か」

P「そういうことです。席の方はどちらに?」

店長「奥の方の、外の景色が見れる席でございます。ささ、どうぞ…」

雪歩「…プロデューサー、知り合いの人なんですかぁ?」ヒソヒソ

P「親戚のおじさんだよ。ここにはよく食べに来るから味は保証するよ」


13: 2014/12/24(水) 18:17:37.67 ID:V2qyfISK0

店長「さて、ご注文は?」

P「こっちのコース料理と…ケーキを1つ」

店長「文字の方は、ハッピーバースデイでいいかな?」

雪歩「!」

P「勿論」

店長「かしこまりました。それではごゆっくり」

雪歩「…店長さん、私の誕生日知っていてくれたんですね」

P「おじさん、雪歩のファンだからな。CDも買ってるみたいだし」

雪歩「…ふふっ、うれしいですぅ」

14: 2014/12/24(水) 18:35:28.22 ID:V2qyfISK0





P「…うん。やっぱりおいしいな」

雪歩「ローストチキンがおいしかったですぅ」ポワワーン

P「外はパリパリで、中はジューシーで…」

雪歩「また食べに来たいですぅ」

店長「そう言ってもらえると光栄だね」ヌッ

雪歩「うひゃあっ!? い、いつから居たんですかぁ!?」

店長「ついさっきだよ。ケーキを持って来たんだ」

15: 2014/12/24(水) 18:37:34.95 ID:V2qyfISK0

店長「はい、どうぞ」コトッ

P「おー、うまそうだな」

雪歩「…プロデューサー」

P「ん、どうした?」

雪歩「この1年、私は前を向いて…頑張れてましたか?」

P「………」

16: 2014/12/24(水) 18:39:15.01 ID:V2qyfISK0

P「…俺と出会ったころの雪歩は、うつむきがちだったな」

雪歩「……」

P「でも、今の雪歩はしっかり前を向いて歩けているよ」

雪歩「!」

P「じゃ、あらためて…」



P「誕生日おめでとう、雪歩」

雪歩「…はいっ、ありがとうございますぅ!」

17: 2014/12/24(水) 18:40:50.41 ID:V2qyfISK0

 一歩一歩確かめながら歩いてきた。
 確かな足跡は、少女に自信をもたらした。
 きっともう大丈夫。前を向いて歩いて行ける。

 窓の向こうで降り注ぐ細雪が、優しく祝福してくれている。そんな気がした。

 おわり。

20: 2014/12/24(水) 19:43:50.60 ID:V2qyfISK0
萩原雪歩さん誕生日おめでとうございます。
ささやかですが祝わせてもらいました。

読んでくれた人はありがとう。それじゃ

21: 2014/12/24(水) 20:42:36.14 ID:h0w2Sik7o

引用元: P「12月24日」