1: 2017/05/18(木) 15:47:40.33ID:m4VWJWL8.net
花丸・ダイヤ「……」ズズッ

花丸・ダイヤ「……ハァーッ…」コトン

花丸・ダイヤ「……」


花丸「…ダイヤさん」

ダイヤ「…何ですか?」

2: 2017/05/18(木) 15:48:31.88ID:m4VWJWL8.net
花丸「シーンとしてて、落ち着くね」

ダイヤ「そうですわね、皆で何かをするのも嫌いではありませんが…やはり私はこういう時間の方が好きですわ」

花丸「やっぱりダイヤさんとは話が合うなあ…マルも静かな時間が好きなんだあ」

花丸「図書館に一人でいるときもね、誰もいない静かな場所で本を読んでいると」

花丸「今マルがいる場所はここじゃない…まるで本当に本の中の世界に入っていけるような、そんな感じがして」

ダイヤ「フフッ…そうですか、きっとそれは花丸さんが自分だけの時間を持っているからなのでしょうね」

ダイヤ「自分の感傷を真っ先に受け入れて、創造の余地を与えてくれるのは時間ですから」

4: 2017/05/18(木) 15:49:48.49ID:m4VWJWL8.net
花丸「そっか」

ダイヤ「ええそうです、それを持ってる花丸さんは素晴らしいと思いますわ」

花丸「いやいやそんな…///」

ダイヤ「冗談ではありませんわよ、本当…ルビィにも見習ってほしいくらい」

花丸「……ぁー…」

花丸「…」


花丸「…そういえばダイヤさん」

ダイヤ「はい?」

花丸「そろそろ学校もお休みに入るけど、生徒会の仕事のほうは大丈夫ずら?」

5: 2017/05/18(木) 15:50:37.10ID:m4VWJWL8.net
ダイヤ「フフッ…お気遣いありがとうございます、ですが心配は無用ですわ、その辺りは全て滞りなく終わっていますので」

花丸「そっか、流石ダイヤさんだね」

ダイヤ「黒澤家たるものこれくらい出来て当然ですわ」

ダイヤ「…なのにルビィときたら、自覚がないのかまだその辺りがしっかりしていないのです…」ハァー

花丸「……」

6: 2017/05/18(木) 15:51:23.41ID:m4VWJWL8.net
ダイヤ「そろそろあの子にもしゃんとして貰いたいのですが……それが一体いつになるのやら……」

ダイヤ「姉として不安で一杯ですわ…」

花丸「……」


花丸「……はぁ…」タメイキ

ダイヤ「あら?花丸さん、どうかしましたか?」

花丸「ううん、何でもないずら……」

7: 2017/05/18(木) 15:53:21.39ID:m4VWJWL8.net
ダイヤ「?それならいいのですが」


ダイヤ「…あっ、学校といえば花丸さん、ルビィは上手くクラスの子と馴染めているでしょうか?」

花丸「え?うん、みんなとちゃんと仲良くしてると思うけど…ルビィちゃんからは聞いていないの?」

ダイヤ「いえ、聞いてはいるのですがどうにも不安で…ですがそう…仲良く出来ているのなら安心ですわ」

ダイヤ「あの子は少し人見知りが過ぎますから……」

9: 2017/05/18(木) 15:54:40.86ID:m4VWJWL8.net
花丸「うーん…まあ、確かにそうかもしれないけど…」

ダイヤ「ほら、花丸さんもそう思うでしょう?」

ダイヤ「それに今思えばルビィは小さい頃からずっとそうでしたわ、何をするにしてもいつも私の後ろについてきて……」グチグチ

ダイヤ「何かあるたびに私の袖をちょんちょんと引っ張っては、お姉ちゃん、お姉ちゃんと…」クドクド

ダイヤ「あの頃はそれはまあとても可愛らしいものでしたが、あの子ももう高校生です」ウダウダ

ダイヤ「これからは黒澤家の娘としてもっとしっかりして貰わなければ、いつまでたっても独り立ち出来ませんわ…」ダラダラ

10: 2017/05/18(木) 15:55:24.47ID:m4VWJWL8.net
ダイヤ「それにこの間だって、自分の分のアイスを食べてしまったことを忘れて私のアイスを勝手に……」

花丸「……」

ダイヤ「それでルビィが──で──と」

花丸「……」

ダイヤ「その時ルビィったら──を──で」

12: 2017/05/18(木) 15:56:23.36ID:m4VWJWL8.net



ダイヤ「──って言ったのですよ、全く…本当にルビィには困ったものですわ」

花丸「……」

ダイヤ「?あの…花丸さん、一体どうしたのですか?先ほどからずっと黙っていますが」

花丸「いやそれは……はぁーっ、もういいかな」

花丸「うん、言っちゃおう」

ダイヤ「?」キョトン

13: 2017/05/18(木) 15:57:30.64ID:m4VWJWL8.net
花丸「…ダイヤさん」

ダイヤ「はい、なんでしょう」

花丸「さっきのでルビィちゃんの話をするの、もう10回目だよ」


ダイヤ「…………えっ?」

花丸「…」

ダイヤ「あ、あら?そんなにしていましたか……?」アセッ

花丸「やっぱり自覚ないんだね…まああったらしないよね、ダイヤさんだし」ジトメ

14: 2017/05/18(木) 15:58:01.74ID:m4VWJWL8.net
ダイヤ「し、しかし花丸さんだって何回かルビィを話に上げてたではありませんか」

花丸「マルは別に問題ないずら、ダイヤさんが問題なんだよ」

ダイヤ「何故ですか…」

花丸「いや、何故って……」

15: 2017/05/18(木) 15:58:46.82ID:m4VWJWL8.net
花丸「ダイヤさん忘れたの?今マルたちがこうして二人でいるのはダイヤさんが原因なのに」


ダイヤ「……あっ」

花丸「ルビィちゃんのこと以外で会話出来るように協力してくださいってマルに頼みに来たから…」

ダイヤ「そ、それは…」

ダイヤ(すっかり忘れていましたわ…そういえば当初の目的はそうだった気が)

ダイヤ「…」

ダイヤ「……すみません、何かあるとつい口に出してしまうみたいで」

16: 2017/05/18(木) 16:01:13.81ID:m4VWJWL8.net
花丸「それはさっきまでのやり取りでもう十分に伝わったずら」タメイキ

ダイヤ「返す言葉もありませんわね……はぁ…」

ダイヤ「あの…私のこれは、もう習慣になっているのでしょうか……」

花丸「うーん…まあそう簡単には直らないよねとだけ」

花丸「少なくとも、三日三晩でどうにかなることじゃないのは確かだし」

花丸「ふぅ…困ったものずら、まさかダイヤさんの妹愛がここまで筋金入りだったとは……」

17: 2017/05/18(木) 16:02:19.87ID:m4VWJWL8.net
ダイヤ「えっ」ドキ

ダイヤ「そ、そんな花丸さん…姉妹愛だなんて///」テレテレ

花丸「姉妹なんて一言も言ってないけど」

ダイヤ「いけませんわ、私達は血の繋がった……///」


花丸「ルビィちゃん、このお姉さんもう駄目かもしれないずら」

18: 2017/05/18(木) 16:04:38.78ID:m4VWJWL8.net
ダイヤ「いけませんわ、いけませんわ……///」


花丸「……」

花丸「…羨ましいなあ、ルビィちゃん」ボソッ

ダイヤ「?何か言いましたか?」

花丸「ううん、なんでも」

19: 2017/05/18(木) 16:05:38.65ID:m4VWJWL8.net



ダイヤ「…ですが、それにしても」

花丸「?」

ダイヤ「こうして花丸さんに手伝ってもらってるわけですし、やはりこれはどうにかして直さなければ…」


花丸「…うーん」

花丸「ダイヤさん、そんなに気にしなくてもいいんじゃないかなあ」

ダイヤ「…えっ?」

20: 2017/05/18(木) 16:06:16.32ID:m4VWJWL8.net
花丸「これはマルだけが思ってることかもしれないけど」

花丸「ルビィちゃんの話をしないダイヤさんなんて何か異変が起きたんじゃないかとしか思えないずら」

ダイヤ「な、中々辛辣ですわね……」ヒクッ

花丸「ダイヤさんらしくないってことだよ」

花丸「それに……」

21: 2017/05/18(木) 16:06:59.33ID:m4VWJWL8.net
ダイヤ「それに?」

花丸「会話に突然ルビィちゃんが出てきても、きっと皆わかってると思うから…ダイヤさんは話を聞いてないわけじゃないって」

花丸「ダイヤさんはいつも周りを見ていて、気付かないところでAqoursを支えてる…とても、とても優しい人……」

花丸「それが本当のダイヤさんだって知ってるから、みんな特に何も言わないんじゃないかな?」

ダイヤ「……」

22: 2017/05/18(木) 16:07:38.41ID:m4VWJWL8.net
花丸「だからマルは今のままのダイヤさんでいいと思うよ?」ニコッ

ダイヤ「花丸さん……」

花丸「まあ時々ルビィちゃんから離れて欲しいって思うことはあるかもしれないけど」

花丸(たとえば今とかね)

ダイヤ「それは…気をつけますわ……」シュン

23: 2017/05/18(木) 16:09:00.86ID:m4VWJWL8.net



ダイヤ「ありがとうございます花丸さん、心の閊えが取れた気分ですわ」

花丸「それは何よりずら」

ダイヤ「ただ、話しすぎたせいか少し喉が渇きましたわね…待っててください、今お茶を淹れなおしてきますわ」スタスタ

花丸「うん、ありがとうダイヤさん」

24: 2017/05/18(木) 16:09:43.84ID:m4VWJWL8.net
ダイヤ「─お待たせしましたわ、どうぞ」コトン

花丸「それじゃあ頂くずら」

花丸「……」ズズッ

ダイヤ「花丸さん、お服加減はいかがですか?」

花丸「大変美味しゅうございます」

ダイヤ「そう、それは良かった」


ダイヤ・花丸「フフッ……」クスクス

25: 2017/05/18(木) 16:10:37.57ID:m4VWJWL8.net
花丸「……はぁーっ…やっぱり落ち着くなあ…」

ダイヤ「お茶は人の心を落ち着かせますからね」

花丸「そうだけど、それだけじゃなくて」

ダイヤ「?」

花丸「……ダイヤさんが淹れてくれたからっていうのもあると思うな」

ダイヤ「あら、嬉しいことを言ってくれますのね?」クスッ

ダイヤ「お茶を淹れた甲斐があったというものですわ」

26: 2017/05/18(木) 16:18:03.46ID:m4VWJWL8.net
花丸「……」

花丸(今の言葉、きっとダイヤさんには違う意味で捉えられてるんだろうなあ……でも)

花丸(やっぱりマルはこの雰囲気が好きなわけで)

花丸(今、ただ二人だけでこうしているだけ…ただそれだけのことがこんなにも……)

花丸「幸せだなあ……」

27: 2017/05/18(木) 16:18:40.01ID:m4VWJWL8.net
ダイヤ「え?」ポカン


花丸「あっ…」

ダイヤ「幸せ、ですか?」

花丸「……ぇと…」

ダイヤ「花丸さん?」

28: 2017/05/18(木) 16:19:33.14ID:m4VWJWL8.net
花丸「…い、いや今のはその///」

ダイヤ「…」

花丸「……忘れてほしいずら///」ウツムキ

ダイヤ「…」



ダイヤ「……フフッ」

花丸「…?///」

30: 2017/05/18(木) 16:20:13.04ID:m4VWJWL8.net
ダイヤ「…花丸さん」

花丸「……なに?」

ダイヤ「そうですわね」ニコ

花丸「えっ?」

ダイヤ「私も同じ気持ちですわ」

花丸「……ダイヤさん」

31: 2017/05/18(木) 16:21:03.91ID:m4VWJWL8.net
ダイヤ「花丸さん、変化というものは変わるものが無ければ起こりえません」

ダイヤ「今私たちがスクールアイドルで輝くことが出来るのも、何気ない日常があってこそ……」

ダイヤ「ですから先ほど花丸さんが言った幸せも、その大切さを私たちは知っているからなのだと」

ダイヤ「私はそう思いますわ」


花丸「……」

32: 2017/05/18(木) 16:22:04.72ID:m4VWJWL8.net
花丸「…クスッ、そうだね」

花丸(今は、それでもいいかな)

ダイヤ「ええ…ただ、私が送る日常の場合は──」



ダイヤ「一緒にいるその相手が誰でもいい、というわけではありませんわよ?」

花丸「……えっ?」

33: 2017/05/18(木) 16:23:05.10ID:m4VWJWL8.net
ダイヤ「今一緒にいるのが花丸さんだから、そう感じているのです」

花丸「…ダイヤさん、それって……」

ダイヤ「フフッ…ねえ花丸さん、お茶は美味しく飲んでもらえたほうが…淹れた側も嬉しいんです」ニコ



ダイヤ「だからこそ」

ダイヤ「きっと今が、今この時間が何よりも──」

34: 2017/05/18(木) 16:23:27.68ID:m4VWJWL8.net
幸せなのでしょうね。

35: 2017/05/18(木) 16:23:56.88ID:m4VWJWL8.net
終わりです。ありがとうございました

36: 2017/05/18(木) 16:30:52.57ID:vKzuSfP5.net
いいふいんきずらねぇ

引用元: 花丸「平和ずらあ…」ダイヤ「そうですわねえ…」