2: 2017/11/10(金) 23:06:31.651 ID:GJFfSg7Td.net
サバイバー「みなさん、今から小便をする時はこのビニールを外して穴の真ん中に設置した竹筒の周りにしてください」


勇者「え?」

武道家「え?」

僧侶「え?」

魔法使い「え?」

サバイバー「いや、ですから小便する時はこのビニールを外して──」

サバイバー「中の竹筒の周りにしてください」

勇者「あの、サバイバーさん、それは…なんの為に?」

サバイバー「飲み水を得る為です」

サバイバー「サバイバル生活において水の確保は非常に重要です」

サバイバー「特にこの辺の荒野では運良く水源を発見出来る可能性はほぼゼロに等しいでしょう」

サバイバー「小便をした後にこのビニールを被せる事によって──」


勇者「なるほど!」

武道家「ほぅ…」

3: 2017/11/10(金) 23:09:19.650 ID:GJFfSg7Td.net
----サバイバーの作ったトイレは謂わば地熱と太陽熱を利用した天然の浄水器である。
穴の中で暖められた尿は蒸発し、純粋な水だけが結露としてビニールの内側に付着する。

やがてその結露は、少し低くなったビニールの中央に集まり滴となって中に設置した竹筒にしたたり落ちるのだ。
さらに竹には抗菌作用もあり、しっかりと油抜きを施された竹はその特性を最大限に発揮する。----


サバイバー「では皆さん、」

サバイバー「理解した所でこれからは小便はこの中にお願いします」

勇者「そ、それはいいとして、」

勇者「その、トイレが野営地の目の前というのは…ちょっと」

勇者「丸見えじゃないかと…」

サバイバー「遮る物が何も無いこの荒野ではどこでしようと丸見えです」

サバイバー「それより不用意にパーティーを離れる方が危険ですよ」

僧侶「…ぁ、あのっ…その…」オロオロ

魔法使い「あ、いい、あたしが聞く」ズイッ

魔法使い「それってあたしたち女子もですか?」

サバイバー「魔法使いさん」ギロッ

サバイバー「生きるか氏ぬかのサバイバルに男だとか女だとか関係あるんですか?」

サバイバー「生き残る為に皆が出来る事を協力し合う、それが当たり前だと思いませんか」

魔法使い(…ぅ…ぐっ)

サバイバー「もっと言うなら魔王暗殺を目的とした旅に勇者パーティーの一員として参加した時点でそのくらいの覚悟というものが──」グイグイ

魔法使い「近い!近い!あーもう分かったから!」

魔法使い「そのかわり絶対見ないで下さいよ!!」

4: 2017/11/10(金) 23:16:46.868 ID:GJFfSg7Td.net
-------

-----その夜-----


焚き火…パチパチ……


勇者「いくら夏っつっても荒野の夜は結構冷えるね」モグモグ

サバイバー「えぇ、荒野は昼と夜の寒暖の差が激しいんです」モグモグ グチャグチャ

サバイバー「薪になる枯木も少ないので火力が不安だったのですが…その心配は無さそうですね」

勇者「火炎魔法を使える魔法使いさんに感謝だね」モグモグ

僧侶「……」

武道家「ふむ、このモンゴリアンデスワームの丸焼きは実に良い焼き加減だ」モグモグ

サバイバー「本当ですね。皮目の脂にじっくりと火を通す事によって外側はパリパリとフリスビーで食べやすく、それでいて──」ガツガツ クチャクチャ

魔法使い「アチチッ、褒めても何も出ませんよ」パクッ

僧侶「…………」ソワソワ

サバイバー「この荒野を抜ければ次の町まで約…モグモググチャグチャ」

サバイバー「みなさんがんばり…モグモググチャグチャ」

魔法使い「あの、食べるか話すかどっちかにしてくれませんか?」

魔法使い「汚いんですけど」

勇者「はははっ…まぁいいじゃん。そのくらい」

勇者「このモンゴリアンデスワームだってサバイバーさんの仕掛けた罠で58匹も捕獲したんだし」

武道家「うむ、勇者殿がサバイバー殿をパーティーに加えたいと言ってきた時には、正直必要無いと思っていたが…」

武道家「考えを改めねばならんな」モグモグ

5: 2017/11/10(金) 23:23:50.529 ID:GJFfSg7Td.net
魔法使い「ん?」

魔法使い「僧侶ちゃん全然食べてないじゃん」

魔法使い「モンゴリアンデスワーム嫌いだった?」

僧侶「ぅう…違うんです…まだ誰も使ってないから…」プルプル

僧侶「ずっと我慢してて……」ウルッ…

魔法使い「!」

僧侶「みんなで決めた事なのに…」ウルウル

僧侶「わたし…一番初めにするのがどうしても嫌で……」ポロポロ

勇者「…あ」(察し)

武道家「む?」

魔法使い「あ、えーと…僧侶ちゃんもう少し我慢出来る?」

魔法使い「いま対処法を考え───」

サバイバー「僧侶さん」ズイッ

サバイバー「なぜ恥ずかしがるのですか?排泄は誰にでも平等に訪れる生理現象です」

サバイバー「それよりそんな些細な事を気にするメンタルではこの先の過酷な旅を…」

魔法使い「サバイバーさんは本当ちょっと黙ってくれませんか!!」

勇者「あ、あのっ、二人とも喧嘩しないでよ」アセアセ 

勇者「仲良くやりましょうよ仲間なんだしっ」オロオロ

僧侶「うぅ…ひっく……」ポロポロ

勇者(……ぁあ)

武道家「…………」

サバイバー「………」

魔法使い「…………」



──焚き火…パチパチ……

7: 2017/11/10(金) 23:28:12.952 ID:GJFfSg7Td.net
──焚き火…パチパチ……


魔法使い「僧侶ちゃん」スクッ

僧侶「ぐすっ…ひっく…」

魔法使い「…あたしが先にするから」

勇者(え!?)

魔法使い「だから恥ずかしがんなくて大丈夫だよ!」ギュッ


魔法使い「このビニールを外して中にすればいいんですよねっ?」

サバイバー「ええ、穴のフチは崩れやすくなってますから恥ずかしがらずにしっかり脚を開いて跨いでくださいね」

魔法使い「わ、分かってるよ!!」キッ

……

魔法使い(…ぅー…///)スルスル…

魔法使い  (まさかみんなの前でこんな…////)

8: 2017/11/10(金) 23:30:48.824 ID:GJFfSg7Td.net
-----魔法使い
勇者の幼馴染みでもあり そこそこの美人。
スタイルの良さには定評があり、どんな服でも上手く着こなす。ちなみにこの旅に出るまでは彼氏と同棲していた-----


魔法使い(あーもういいやっ///)

魔法使い(どうせ暗くてあんまり見えないだろうしっ/////)ガバッ


----魔法学園での成績はハッキリ言って中の上。正直もっと優秀な魔法使いは他に沢山いたが、勇者の個人的な思い入れから幼馴染みの彼女をメンバーに選んだのだ。その気持ちは解らなくもない----


魔法使い「………ン…」(出る…)


───そんな彼女が今、皆から数メートルも離れていない距離で尻を出しガニ股になって用を足そうとしている

多少のスケベ心があった勇者もこれには思わず目を反らした。

勇者(はっ///マジかよ…マジでするのかよ!)サッ

───武道家は禅を組み己を無にしている

武道家(無)


………チョロ…チョボボボボ…ピチャ……………

魔法使い(…やばい…音が…////)


────魔法使いの奏でる音が荒野の静かな夜に響きわたる


勇者(生々しい!!生々しいよ!魔法使いさん!!)ドキドキ

9: 2017/11/10(金) 23:34:25.015 ID:GJFfSg7Td.net
魔法使い(あーもう絶対っ聞かれてる////)フキフキ


魔法使い「っほら!僧侶ちゃん全然平気だよ!///」ニコッ

僧侶「ぅう…は、はい」

魔法使い「早くしちゃいなよっ!」チラッ…

勇者「……」ソワソワ

サバイバー「……」

武道家(無)


魔法使い(ななな、なにこの空気!?///)

魔法使い(絶対セクハラ発言されると思ってたのに…無言って!!!)

魔法使い(これじゃ下ネタにされた方がまだマシじゃん/////)カァァァァ


勇者「…あー……」

勇者「……あ、こ、このモンゴリアンデスワーム、マジで美味しいねっ!」

勇者「って、武道家さんっ!武道家さんっ聞いてます?!」

武道家「……むむ?すまぬ。日課の禅で無になっていた」

武道家「故に今までの音は何一つ聞こえていない」キッパリ

勇者「はははっ…そっかぁ」(オイオイ音って…)

魔法使い「………」(//////)


魔法使い(って、僧侶ちゃんの事忘れていた!!)

魔法使い「あ、僧侶ちゃん!」

魔法使い「大丈夫!生きる為に必要な事みたいだから!ね?」

僧侶「は、はいっ!」ビクッ

僧侶(生きる為生きる為…)ブツブツ

10: 2017/11/10(金) 23:38:04.904 ID:GJFfSg7Td.net
──焚き火パチパチ…


勇者「あっ、そうそう、サバイバーさん、」

勇者「今度ボクにも罠の作り方教えて下さいよっ!」

勇者「そうすればこの旅の食事事情がもっと豊になって──」


ちょろ……


勇者「!」

武道家「!」

魔法使い「!」

サバイバー「……」


ちょろろろろろろろ……


魔法使い(////お、音がね…)ソワソワ

勇者(音が生々しい!生々しいよ!)

サバイバー「………」モグモグ

武道家(無)



僧侶(生きる為生きる為)ブツブツ…

…ぴちょ…………フキフキ

僧侶(生 きる為生き…る為…) フラフラ


魔法使い「っあ、僧侶ちゃん!ほらっ!」

魔法使い「スッキリしたしお腹空いてるでしょ?!」

魔法使い「食べよっ食べよっ!」

僧侶(生きる 為…)ブツブツ…「えっ?あ、はいっ」


────僧侶はスキル現実逃避を解除した

11: 2017/11/10(金) 23:39:53.609 ID:GJFfSg7Td.net
僧侶 「お、おいしいです///」パクッ!モグモグ

魔法使い「まだいっぱいあるからどんどん食べてね」

勇者「そうそう!なんたって58匹も獲れたんだし」

勇者「遠慮なんかしなくていいからっ!」ハハッ

武道家「うむ、野営でこんな豪華な食事はなかなかないぞ!」

僧侶「は、はいっ!」パクパクパク

(((ふぅ…なんとか乗りきった))) 


-------

勇者「食事も済んだし───」

勇者「今日はみんなも色々と気疲れしたと思うからもう寝よう!」

武道家「うむ」

魔法使い「そ、そうだねっ」  

サバイバー「そうしましょう」

僧侶「あ、はいっ」

zzz…

12: 2017/11/10(金) 23:42:55.984 ID:GJFfSg7Td.net
--------

-------------チュンチュン(翌日)


武道家「…478…479…450…451……」ハァハァ

────武道家は既に起きて拳立てをしていた


勇者「ふぁ~よく寝た」ボリボリ

魔法使い「……ぇ!?ちょっ!?」バッ!

サバイバー「皆さんおはようございます」ノソッ

魔法使い「なっ///何で二人ともあたしの隣にいるの!!?」

勇者「え?なんの事?」

サバイバー「昨晩寝た位置となんら変わりはありませんが…」

僧侶「むにゃ…」

勇者「あ、そうだ、例の小便浄水器の水を回収しなきゃ」タタタッ

サバイバー「そうですね、急ぎましょう」タタタッ

魔法使い「っあ!ちょ、ちょっと!!」

…………

17: 2017/11/11(土) 00:02:38.103 ID:6qIOSHOtd.net
勇者「どれどれ…どのくらい溜まったかなー?」

パサッ

勇者「…って、ええええ!?!?!?〇〇こ!?!?」

武道家「むぅ?してはまずかったのか?」

武道家「排〇はその穴の中にする事に決まったのではないか?」

勇者「へ?…まぁ半分はあってるけどさ…ははっ」
(オイオイ…何も理解してないじゃん)

勇者「あ、でも水は結構溜まって────!!!」

勇者「てか…え?満タン!?!?」

サバイバー「…勇者さん」ズイッ

サバイバー「どうやらその液体は色といい臭いといい完全に尿のようですね」ペロッ 

勇者(…え?え?なんでこんな事に…)

僧侶「…ぅう…ごめんなさい…それわたしです…」

僧侶「…だって竹筒の中に…竹の殺菌作用で…グスッ」

僧侶「…だから竹筒に入れなきゃって思って」ポロポロ

勇者「あー…そういう事ね…」

勇者「あ、大丈夫!大丈夫!僧侶ちゃんは何も気にしなくていいから!」

勇者「あ、魔法使いさーん!お願いしますっ!」

魔法使い「はいはい…」ギュッ、ヨシヨシ



---つづく---

2: 2017/11/14(火) 16:35:58.567 ID:biQ2bMAWd
──第2話──

-----

------カンカン照り照り


勇者「ヤバイねこの炎天下」ハァハァ

勇者「ただ歩いてるだけなのに体力の消費が半端ないや」ハァハァ

サバイバー「おまけに日陰になる所も何もない…」

サバイバー「このままではまずいですね」ハァハァ

魔法使い「あ、もう水が無ないよ」カラッ

僧侶 フラフラ…ぱたっ

武道家「ハッ!大変だ!僧侶殿が倒れたぞ!!」

勇者「あ、やっぱ僧侶ちゃんか!よし!少し休憩しよう!」

魔法使い(その言い方…)

サバイバー「そうしましょう」フゥー


-----

5: 2017/11/14(火) 16:38:15.221 ID:biQ2bMAWd
勇者「僧侶ちゃん大丈夫?」

僧侶(ハァ…ハァ…)ボー…

魔法使い「どうしよ…あたしの回復魔法じゃ怪我は治せても毒と病気、
ただの体力低下は治せないし…」

武道家「うーむ、やはりここは何としてでも水分を確保したいですな…」


サバイバー「水分と、できれば塩分も補給したいですね」ハァハァ

サバイバー「と、するなら血液を採取できる哺乳類か鳥類…
少し捕獲の難易度は上がりますが、やるしかなさそうですね」

サバイバー「幸いこの辺の荒野には氏肉を貪る鳥類、
スカベンチョウが棲息しています。それを捕獲しましょう」

勇者「じゃあ体力がある内に捕獲しよう!」

勇者「俺と武道家さん、それからサバイバーさんの3人で手分けして…」

サバイバー「待ってください、ただいたずらに追い掛け回しても体力を消耗するだけです」

サバイバー「しかも運良く素手で捕獲できるとは限らない」

6: 2017/11/14(火) 16:41:02.659 ID:biQ2bMAWd
勇者「じゃ、じゃあどうしたら」

サバイバー「何か飛び道具の様な武器はありませんか?」

武道家「それなら私が棒手裏剣で」カチャカチャ

サバイバー「……大型の鳥は思った以上に矢強いんです」

サバイバー「突き刺す事によってダメージを与える武器では、残念ながら仕留めるのは難しい…」

武道家「むぅ…」

サバイバー「仮に上手く刺さったとしても──」

サバイバー「東洋のある島国ではかつて矢ガモ事件という有名な事件がありました」

勇者「??」

サバイバー「心無い者が強力なクロスボウで鴨を射ったのです」

サバイバー「それだけならさほど話題にはならなかったでしょう。問題はその後です」

サバイバー「射たれた鴨は矢が胴体をまるまる貫いているにも関わらず、
その痛々しい姿のまま生き続けていたんです」

勇者「マジッスか?」

武道家「むぅ…」

7: 2017/11/14(火) 16:42:12.698 ID:biQ2bMAWd
サバイバー「この事件は競技用の小さく鋭いポイント(矢尻)を使用した事により起きた悲劇です」

サバイバー「種類にもよりますが、本来鳥射ち用に使われる矢は矢尻が太く丸く、獲物に『刺さらない』」カチャカチャ

サバイバー「少し準備する時間を下さい」ズサッ

魔法使い「ちょっ///サバイバーさん何脱いでるんですかっ!」

サバイバー「生きる為です」ポロンッ

魔法使い「は?…え?何なの意味が分かんないんだけどっ!!」

サバイバー「捕獲用の武器を作ります」

サバイバー「パンツのゴムを利用したスリングショットです」

サバイバー「さぁ、勇者さんも武道家さんもパンツを脱いで私に貸して下さい!」
           

8: 2017/11/14(火) 16:43:53.369 ID:biQ2bMAWd
----鳥という生物は思った以上に矢強い。
しかし体の構造上やむを得ない弱点も存在する。一部の鳥を除いてその多くは空を飛ぶ事を主とした生態上、どうしても体を軽くする必要があった。

その為、重く強靭な筋肉に比べ骨は軽く中空になっており打撃の様なダメージに対しては弱い。

事実、弓矢による狩猟が認められていない国でもスリングショットは自由猟具としてグレーゾーンながら立派にその役割を果たしている----


勇者「あ、パンツでしたね今脱ぎますっ、はいっ」ポロン

サバイバー「勇者さん、残念ながらこのパンツは使い物になりません」

サバイバー「ゴムが伸びきってグダグダです。よくこうなるまで履いてましたね」ビローン

勇者「え?あ、そういやパンツは2枚のローテーションだったからなぁ…ははっ」

勇者「あ、武道家さんのパンツならきっと…」

武道家「すまぬ。私はフンドシなのだ」

9: 2017/11/14(火) 16:45:30.809 ID:biQ2bMAWd
サバイバー「分かりました」チラッ

魔法使い「っえ?!なっ?あたし!?」

サバイバー「このままでは僧侶さんの命が危ないんです」

サバイバー「それに今の私達に必要なのはパンツであって、それが誰の物であろうと問題ではない」


サバイバー「魔法使いさん」グイッ

サバイバー「生きる為です!協力してください」グイグイ

魔法使い「だから近いっ!近いって!わかったからっ!!」

魔法使い「脱げばいいんでしょ!脱げばっ!///」

スルスル…

魔法使い「はいっっ///!!!」ヒラッ

勇者(ピンクか…)

サバイバー「……魔法使いさん、変な事は気にしなくて大丈夫です」

サバイバー「今の私達には貴女が想像しているようなイヤラシイ気持ちなど全くありませんから」

勇者(ドキッ!)

魔法使い「と、当然です///」

10: 2017/11/14(火) 16:46:50.567 ID:biQ2bMAWd
サバイバー「では勇者さん、荷物の中からまな板とミスリルナイフを出して貰えますか」

勇者「あっはいっ!」ガサゴソ

サバイバー「──それから魔法使いさん」

魔法使い「…な、なにっ?!」

サバイバー「意外と可愛いパンツを履いてるんですね」

魔法使い「///なっ…////」カァァァ

サバイバー「…丈夫なミスリルナイフとはいえ固い地面に直接刃先が当たると切れ味が鈍ってしまいます」

サバイバー「まな板の上で斬っていきましょう」

勇者(ははっ…まな板の上のパンツ…)

勇者(シュールな光景だね…)

11: 2017/11/14(火) 16:48:40.155 ID:biQ2bMAWd
サバイバー「ゴム部分を切り離して…2枚のパンツゴムを寄り合わせ
一本の強力なゴムにします」

サバイバー「武道家さんはその辺の立ち枯れた木から二股に分かれた枝を折ってきて下さい」

武道家「うむ!」タタタッ…


──メキッ!!!バサァアア…


サバイバー「武道家さん!!それは幹です!私が頼んだのは枝です!」

サバイバー「手で持てるサイズのにしてくださいっ!!」

武道家「むぅ…すまぬ、つい…」


-----

武道家「サバイバー殿、これなら良いですかな?」サッ

サバイバー「えぇ、その枝なら妥当ですね」


サバイバー「少し削って形を整えます」シャッシャッ

サバイバー「あとはこのパンツゴムを結び付けて…」

キュッ…


サバイバー「ふぅ…」

勇者「完成ッスね!!」

サバイバー「えぇ。弾は小石で間に合わせましょう」スクッ

武道家「うむ!」

サバイバー「では狩りに行ってくるので魔法使いさんは僧侶さんをよろしくお願いします」

勇者「魔法使いさん!僧侶ちゃん、行ってくるよ!」プラーン

魔法使い「ねぇそれわざと!?わざとなの!?」

サバイバー「勇者さん武道家さん付いてきて下さい!」タタタ…

勇者(アピール成功だな!完全に目が釘付けだった!!)タタタ…

武道家「うむ!」ドカドカドカ…

--------

----

12: 2017/11/14(火) 16:50:24.308 ID:biQ2bMAWd
----
----------


勇者「いやぁ獲れた獲れた!」

サバイバー「えぇ、陽が暮れる前に捕獲できて本当に良かったです」

武道家「うむ、7羽も獲れれば充分!」


魔法使い「あ!おかえ……り」


魔法使い「ねぇ、いつパンツ履くの?」

勇者「僧侶ちゃんの具合は?」プラーン!

魔法使い「うん、まだちょっと起きれないけど意識はハッキリしてきたみたい」

勇者(くっ…さすが彼氏持ち!もう動じなくなったか!)

サバイバー「急ぎましょう」

サバイバー「勇者さんミスリルナイフとコップを!」

勇者「あ、はいっ!」


──ザクッ…ポタタタタタ…


武道家「血液か…」

サバイバー「えぇ、血液には水分と塩分、タンパク質が含まれていて非常に栄養価が高いんです」

サバイバー「僧侶さん、少し飲みにくいとは思いますが頑張って飲んでください」

僧侶「……」

サバイバー「生きる為です」

僧侶 「………」コクッ

僧侶  ゴクゴク

僧侶  ふぅ…

魔法使い「良かった…これでなんとか大丈夫みたいね」

勇者「よ、良かったぁ」ホッ

武道家「うむ」

13: 2017/11/14(火) 16:52:11.270 ID:biQ2bMAWd
サバイバー「一安心したところでスカベンチョウの解体にかかりましょう」

サバイバー「私が血抜きと内臓の処理をします」

サバイバー「魔法使いさんはとにかく羽をむしり続けて下さい」

魔法使い「えっ?!あ、うん」

サバイバー「それと勇者さんは早くパンツかズボンを履いて下さい」

勇者「あ、はい…」プラン

サバイバー「武道家さんは石を集めてカマド作りをお願いします!」

武道家「うむ」


サバイバー  ザクッ!ザクッ!ザクッ!

武道家   せっせ!せっせ!

魔法使い  ブチッ!ブチッ!ブチッ!ブチッ!

勇者  (えーと…ズボンズボン)キョロキョロ


サバイバー「ふぅ…、皆さん進み具合はどうですか?」

武道家「うむ、こんなもんでよいかな?」

サバイバー「上出来です」


サバイバー「魔法使いさんは?」

魔法使い「うーん、大きい羽は抜けるんだけど細かい羽毛が結構残っちゃって…」

魔法使い「めんどくさいから火炎魔法で焼いちゃお」ボッ

サバイバー「あ、待ってください!」

サバイバー「それをやると皮の中に羽毛の根元が残って食感が悪くなるんですよ」

14: 2017/11/14(火) 16:53:24.346 ID:biQ2bMAWd
サバイバー「勇者さん、荷物の中から鍋とロウソクを5、6本出して貰えますか?」

勇者「あ、はーい」プラーン


サバイバー「ロウソクを鍋の中に入れて…
魔法使いさん、火炎魔法でロウソクを熔かして下さい」

魔法使い「??」ボッ


サバイバー「この熔けたロウを鳥にかけて、後はロウが固まってから剥がせば──」

サバイバー「細かい羽毛も固まったロウと一緒に剥がれてきます」

勇者「へぇーなるほどねぇ」プラーン

サバイバー「このロウはまた溶かして何度か使用できます」

魔法使い「…わ、すごい綺麗に取れる」パキパキ…ポロポロ

サバイバー「ちなみに鍋の方は後の処理が大変になるので捨ててもいい鍋を使うと良いでしょう」

魔法使い「…それ誰に対して言ってんの?」

15: 2017/11/14(火) 16:54:57.714 ID:biQ2bMAWd
サバイバー「ふぅ…」パキパキ  ポロポロ

勇者「……」ジー…

勇者「サバイバーさんって結構マメッスねぇ」

サバイバー「………」パキパキ  ポロポロ


サバイバー「…生きるか氏ぬかが懸かっているサバイバル生活で
何故こんな細かい事を気にするのか不思議だ…って顔してますね?」パキパキ

勇者「あ、まぁ…そうッスね」

サバイバー「勇者さん、こういう生活を続けるにあたって大切な事って何だと思います?」

勇者「え?……えーと、、食糧調達とか?体調管理?生存術の知識ッスか?」

サバイバー「…そうですね。それも勿論大切なんですが───」パキパキ

サバイバー「大切なのは如何に快適に過ごせるか───
ストレスを溜めないで過ごせるか…なんです」

サバイバー「不味い物でも食べるに困らない環境なら体力は落ちないでしょう…しかし士気は落ちます」

サバイバー「それが長期間に渡れば、直接身体にダメージは無くとも生存率に影響が出てきます」

サバイバー「ただ食べれればそれで良いというものではありません」

サバイバー「…肉体的なダメージを負わなくても、精神的に参ってくると人間なんて脆いものなんですよ」パキパキ  ポロポロ

勇者「なるほどー」プラーン

魔法使い(ふーん……)

魔法使い「…え?…じゃあ、あのトイレは!?
あのストレス溜まりまくりのトイレは!?」

サバイバー「さ、これで全部の下処理が終わりましたね。火を起こして焼いていきましょう」スタスタ

魔法使い「ねぇ、ちょっと聞いてる!?ねぇってば───」

16: 2017/11/14(火) 16:56:45.189 ID:biQ2bMAWd
---そして夕食---


勇者「鶏肉やべぇ!旨い!!」ガツガツガツ

武道家「うむ!」モグモグ

僧侶  モグモグ!

魔法使い「ん…美味しい!」モグモグ

サバイバー「本当は香草も使いたかったのですが──」バクバク  グチャグチャ…

サバイバー「この辺には食用になる野草が生えてませんでした」クチャクチャ…

魔法使い(ぅわ…相変わらず汚い)

サバイバー「それが少し残念です」


勇者「……」モグモグ

勇者「てか、サバイバーさんって本当何でも出来るッスよね…」

勇者「パンツのゴムでスリングショット作って、
それで鳥を仕留めちゃうなんて普通の人だったら無理ッスよ」

サバイバー「えぇ、普通に考えたらパンツのゴム程度の威力じゃ鳥を仕留められません」モグモグ

勇者「え?」


サバイバー「秘密はこれです」スッ

サバイバー「狩猟用スリングショットの強力なゴムも併用しました。貧弱なパンツゴムを補う為です」


魔法使い「なっ、、ぇええ!!?」


勇者「マジスか!すげぇ!何でも持ってんスね!」

武道家「ふむ、確かにそれなら強力な威力を発揮するのも頷けますな」モグモグ

魔法使い「え…ちょ、ちょっと待って!そういう事じゃなくてっ!!」

僧侶「??」モグモグ

17: 2017/11/14(火) 17:02:17.341 ID:biQ2bMAWd
魔法使い「…え?本当に必要だったの?!」

サバイバー「何の事でしょうか?」


魔法使い「えっ…その、ほら…」

魔法使い「あ、あたしの…パンツの事!!////」

サバイバー「………」モグモグ

サバイバー「あぁ、その事ですか。勇者さんはどう思いましたか?」

勇者「え?!あ、はいっ!!」ドキッ

勇者「その…あ、淡いピンクで…とても可愛いと思いました////」カァァァァ

サバイバー「…だ、そうです」モグモグ

魔法使い「ちょっ///な、なんで勇者が照れてんの!!!」

武道家「ふふっ、勇者殿は正直ですな」モグモグ

サバイバー「まぁ、いいじゃないですか」モグモグ グチャグチャ

魔法使い「全然っ良くないですっ!!」


魔法使い「サバイバーさん、真面目に答えて下さいっ!!」


サバイバー「………」モグモグ クチャクチャ


魔法使い「スリングショットを作るのに、本当にその…あたしのパンツは必要だったんですかっ!?」

18: 2017/11/14(火) 17:04:27.047 ID:biQ2bMAWd
サバイバー「貴女のパンツが必要でした。狩猟についての知識が全くない貴女の様な女性に理解してもらうのは少し難しいとは思いますが、
いかに強力な狩猟用スリングショットのゴムがあったとはいえ、
それだけでは大型の鳥を一発で仕留める事は不可能なんです。この猟果は貴女のパンツのゴムの力をプラスして初めて達成出来た結果と言えます」

魔法使い「…うっ…ぐっ…」


勇者「ピンクのパンツが必要でした!!!」キリッ

魔法使い「もういいからっ!///」

19: 2017/11/14(火) 17:06:08.683 ID:biQ2bMAWd
魔法使い「…わ、分かりました///」

魔法使い「この事に関してはもういいですっ!」


サバイバー「……」モグモグ グチャグチャ


魔法使い「──ただ、あたしはあなたの事がイマイチ信用できませんっ!!」

僧侶「あわわわ…」オロオロ

武道家「むぅ…」

魔法使い「…確かにあたしには狩猟だとか水の確保の知識は無いですけど──」

魔法使い「もっと別の方法で何とかなったんじゃないですか!?」

サバイバー「………」モグモグ

魔法使い「それなのに毎回…毎回…」


魔法使い「ハッキリ言って、わざとセクハラばっかりしてますよねっ!?」ジロッ

サバイバー「………」

勇者「まっ…魔法使いさん、ちょっとそれはサバイバーさんに対して失礼なんじゃ…」

魔法使い「……」ギロッ

魔法使い「勇者、ちょっと聞きたいんだけど、このサバイバーって人何者なの?どっから連れてきたの!?」

勇者「え?いや、ほら最後に立ち寄った街で知り合って…そこから仲間に加わって…」

魔法使い「そんな事分かってるっ!!」

魔法使い「そうじゃなくて!今までの経歴とか!!本当にまともな人なの!?」

20: 2017/11/14(火) 17:07:58.220 ID:biQ2bMAWd
勇者「そ、そう言われても…、飲み屋で席が隣になって知り合っただけだから…よく分からないんだよ…」アセアセ

魔法使い「嘘でしょ・・そんな…、マジなの?」

勇者「う、うん」ハハッ…

魔法使い「…………」ジトッ…

勇者(うーん…困った事になったなぁ)アセアセ

サバイバー「………」

サバイバー「私はみなさんの為に常にベストの選択をしてきたつもりですが、」

魔法使い「……」ジロッ

サバイバー「どうやら貴女には理解して頂けていないようですね…」

魔法使い「うん、全然ね」


サバイバー「…分かりました」

サバイバー「少し私の過去の事や経歴等をお話ししましょう…」

勇者「あ、その方がいいッスね!そうすれば魔法使いさんも少しは納得してくれるんじゃないかと…」チラッ

魔法使い「話の内容によりますけどね」

武道家「ふむ、ワタシもサバイバー殿の過去には興味がありますな」

僧侶「…あ、あの…わたしも聞きたいです…」

サバイバー「フゥ…」

サバイバー「…まず始めに言っておきますが── えぇ、そうです…」

サバイバー「皆さんがお察しの通り、私もかつては別の勇者パーティーの一員でした」トオイメ…

勇者「やっぱりッスか!!」

武道家「むぅ!どおりで!!」

僧侶「あ…やっぱり…」

魔法使い(えっ!?あたし以外皆そう思ってたの!?)

21: 2017/11/14(火) 17:09:37.196 ID:biQ2bMAWd
サバイバー「…もう何年も昔の話です。当時の私は盗賊として仲間と供に魔王城を目指し旅をしていました……」


----回想-----


別 勇者「ここが魔王城のある魔物の森か!」ザッ

戦士「早く行こうぜ!」チャキ

別 魔法使い「回復魔法は任せて下さい!」スッ

別 僧侶「皆さん!油断は禁物ですよ!」キョロキョロ

盗サバ「ッしゃー!」スタスタ


----------


サバイバー「こんな感じです…」ボソッ

勇者「そうだったんスか!」

武道家「ふむ、盗賊だったとは…」

僧侶「あ、あの…今とキャラが違ってて…凄いと思いました」

魔法使い「ぇ?え!?何?それだけなの!?」

サバイバー「はい。それが何か?」

魔法使い「もっとこう…何か無いの!?」

サバイバー「特別話す事はないですね…」

サバイバー「ぁあ…、強いて言うとすれば」

サバイバー「みんな…イイ奴らばかりでした…私以外は…」ポツリ

魔法使い「そんなんじゃ全然納得できませんっ!!」

22: 2017/11/14(火) 17:11:10.530 ID:biQ2bMAWd
勇者「まっ、魔法使いさんもういいじゃん…」アセアセ

勇者「サバイバーさんが元盗賊で、
俺達と同じく魔王を倒す旅をしてたって事が分かれば充分でしょ…」

魔法使い「……」ジトッ…

勇者(怖っ…もう少し話を引き出さないと、魔法使いさん納得してくれそうにないなぁ…)

勇者「あー…そ、それで、その頃のサバイバーさんはどんな活躍したんスか?
お仲間さんは今どうしてるんッスか?」

サバイバー「私以外はみんな氏にました。全滅です」

勇者「…え?」

武道家「むぅ…」

僧侶「あわわわ…」

魔法使い「じょ、冗談でしょ…?」

23: 2017/11/14(火) 17:13:21.094 ID:biQ2bMAWd
サバイバー「魔法使いさん、冗談で仲間の氏を語る人間はいませんよ」

魔法使い「あ・・」

魔法使い「ごめん…   なさい…」

勇者「あ、あの、それはやっぱり魔王との闘いで…その…」


サバイバー「………」フルフル

サバイバー「…私達は魔王と闘うどころか、魔王城にすら辿り着けませんでした」

勇者「え?!」

勇者「じゃ、じゃあ、魔物の森の中で 魔物に…?」

サバイバー「『魔物の森の中で魔物相手に闘い、勇ましく氏んでいった』」

サバイバー「…そんな話を皆さんは期待してると思いますが、
現実はそんな格好いいもんじゃありません」

サバイバー「ただの野垂れ氏にです」

僧侶「ぇ…」

武道家「そ、それは…」


サバイバー「…確かに彼等は戦闘はプロでした」

サバイバー「でも生存術に関しては、当時の私も含めてみんな素人だったんです」

サバイバー「いつ魔物と出くわすかもしれない険しい森の中を進み、緊張と恐怖から満足に寝る事もできず、

食糧の調達方法すら分からず、私達は肉体的にも精神的にも参っていきました」

サバイバー「そうなるといくら屈強な戦闘のプロといえど脆いものです」

サバイバー「初めに戦士が…次に僧侶が…と、次々に氏んでいきました」

武道家「むぅ…」

僧侶「あわわ…」

24: 2017/11/14(火) 17:14:44.502 ID:biQ2bMAWd
サバイバー「……そして勇者が氏に、最後に残ったのは私と魔法使いの二人でした」


魔法使い「!!」


サバイバー「このままでは全滅するのは確実、もとより勇者抜きでは魔王に勝てるはずもない…  私達は引き返す事に決めました」

サバイバー「しかし決断が遅かった事もあり、その時にはもうすでに手遅れ。
私と魔法使いには生きて森を抜けるだけの体力が残っていなかったんです」

勇者「で、でもサバイバーさんは生還できたじゃないッスか!それは…」


サバイバー「私は食べました」

サバイバー「体力を取り戻す為、生きて森を脱出する為…  氏んだ仲間の肉を食べたんです」

勇者「!!」ウッ…

魔法使い「!!!」

武道家「むぅ!」

僧侶「あわわ…」ナムナムナム…

サバイバー「…その時、最後まで仲間の肉を食べる事を拒み続けた魔法使いは…

魔物の森から二度と出る事も出来ず氏にました」

魔法使い「・・・・」

サバイバー「命からがら森を抜けた私は、その後 生存術の知識を学び、今に至る訳です」

25: 2017/11/14(火) 17:15:59.792 ID:biQ2bMAWd
サバイバー「魔法使いさん、」

サバイバー「これだけは言っておきます。私は何もセクハラ目的であなた達の仲間になった訳じゃありません」

魔法使い「・・・・」

サバイバー「私がこのパーティーに入った理由は『皆さんを魔王との対決の時まで氏なせない為』であり、」

サバイバー「『生きて魔王城まで辿り着かせる為』です」

サバイバー「皆さんを生かす為だったらどんな事でもするし、させるつもりです。
…例え憎まれたとしてもそれが私に与えられた役目ですから」


サバイバー「命より重い物なんてないんです」


勇者「サバイバーさん…」

魔法使い「……」


サバイバー「…これで、私のつまらない話は終わりです」


魔法使い「……」

魔法使い(…なんだ )

魔法使い(…ただのセクハラ野郎じゃなかったのか…)


勇者「あ、えっと…魔法使いさん、その… サバイバーさんがセクハラ野郎じゃないって事…もう充分わかったよね?」

魔法使い「  …ぅん」ポツリ

26: 2017/11/14(火) 17:20:43.500 ID:biQ2bMAWd
サバイバー「………」ジッー…

魔法使い「なっ、何?人の顔ジッと見てっ」アセアセ

魔法使い「もう、その…  ほら、セクハラ野郎だなんて思ってないから!」

サバイバー「……」

魔法使い「…ぁ」

魔法使い「さっきは…酷い事言って ごめん…」ボソッ

サバイバー「…いえ、いいんです」

サバイバー「……」

----回想----


盗サバ  「ムシャムシャ…グチャグチャ モグモグ…


別 魔法使い「…ハァ  …ハァ… 」


盗サバ「…魔法使い…頼む…キミも頑張って食べてくれ…」ハァ ハァ‥

別 魔法使い「 …ハァ   …ハァ… 」

盗サバ「…少しでも 体力を回復しないと…この森からは抜け出せない…」

盗サバ「喰わなきゃ… 喰わなきゃ氏ぬんだぞ…」


別 魔法使い「…ハァ…   ハァ… 」


盗サバ「…さぁ…早く…」スッ

別 魔法使い「…ハァ   …ハァ…」フルフル…

盗サバ「くっそ… 俺は喰う…俺は喰うぞ…」

27: 2017/11/14(火) 17:22:37.069 ID:biQ2bMAWd
盗サバ 「 ムシャムシャ バクバク…  うっ…

盗サバ「おぇぇ…ゲロゲロ…ビチャビチャビチャ…


盗サバ「ハァ…  ハァ…

盗サバ(喰わなきゃ…森を抜けれない…喰わなきゃ氏ぬ!)


盗サバ「ムシャムシャ  バクバク グチャグチャ…

盗サバ「  ウッ…       


盗サバ「 … ゴクンッ

盗サバ「 ハァ  ハァ…」チラッ

28: 2017/11/14(火) 17:23:39.366 ID:biQ2bMAWd
別 魔法使い「 …ハァ‥   ハァ… 」


盗サバ(今の体力じゃ自分一人の身を守るのが精一杯…  どうする…)


盗サバ「 ハァ  ハァ… 」 ジッ…


別 魔法使い「 …お ねが…い…」

別 魔法使い「お いて…かない で…」

別 魔法使い「…わたし も…いっしょに…つれてっ…て…」

盗サバ「くっ…、分かった…なんとかする!」

別 魔法使い「…ありが…とう…」ポロポロ


-------

29: 2017/11/14(火) 17:25:00.817 ID:biQ2bMAWd
盗サバ「 ハァハァ…ゼイゼイ…

(くそうっ、重い…重い…重い…重い!)

(今の体力で…こんな険しい森の中を人をおぶって歩くなんて無理だ )


盗サバ「ハァハァ…ゼイゼイ…ハァハァ…

別 魔法使い「盗賊さん…ごめん…ありがと…」ハァ…   ハァ…

盗サバ「……」ハァハァ…ゼイゼイ…


盗サバ(もう少し歩けば…この急斜面も終わ…)

盗サバ「!!!」ビクッ


魔物  ガルルル…       のそっ…   のそっ…


盗サバ(まっ、魔物!!!)

(ぁあ‥   嘘だろ  おい…

よりによって…なんでこんな時に…)ブルッ…

30: 2017/11/14(火) 17:26:32.858 ID:biQ2bMAWd
別 魔法使い「…」ハァ…ハァ…

盗サバ「ハァハァ…ゼイゼイ…ハァハァ…」


盗サバ(魔物はまだこっちに気付いてないが…  それも時間の問題
遅かれ早かれいずれ気付かれるっ!!)ジリッ…

(…どうする!?…魔法使いをおぶったままじゃ…絶対逃げ切れない)ハァハァ ハァハァ ハァハァ…

2: 2017/11/14(火) 18:37:17.11 ID:/m2fqzVRO

サバイバー「………」ジッー…

魔法使い「なっ、何?人の顔ジッと見てっ」アセアセ

魔法使い「もう、その…??ほら、セクハラ野郎だなんて思ってないから!」

サバイバー「……」

魔法使い「…ぁ」

魔法使い「さっきは…酷い事言って?ごめん…」ボソッ

サバイバー「…いえ、いいんです」

サバイバー「……」

----回想----


盗サバ??「ムシャムシャ…グチャグチャ?モグモグ…


別?魔法使い「…ハァ??…ハァ…?」


盗サバ「…魔法使い…頼む…キミも頑張って食べてくれ…」ハァ?ハァ‥

別?魔法使い「?…ハァ???…ハァ…?」

盗サバ「…少しでも?体力を回復しないと…この森からは抜け出せない…」

盗サバ「喰わなきゃ…?喰わなきゃ氏ぬんだぞ…」


3: 2017/11/14(火) 18:38:27.98 ID:/m2fqzVRO

別?魔法使い「…ハァ…???ハァ…?」


盗サバ「…さぁ…早く…」スッ

別?魔法使い「…ハァ???…ハァ…」フルフル…

盗サバ「くっそ…?俺は喰う…俺は喰うぞ…」


盗サバ?「?ムシャムシャ?バクバク…??うっ…

盗サバ「おぇぇ…ゲロゲロ…ビチャビチャビチャ…


盗サバ「ハァ…??ハァ…

盗サバ(喰わなきゃ…森を抜けれない…喰わなきゃ氏ぬ!)


4: 2017/11/14(火) 18:39:31.75 ID:/m2fqzVRO

盗サバ「ムシャムシャ??バクバク?グチャグチャ…

盗サバ「??ウッ…???????


盗サバ「 …?ゴクンッ

盗サバ「?ハァ??ハァ…」チラッ


別?魔法使い「?…ハァ‥???ハァ…?」


盗サバ(今の体力じゃ自分一人の身を守るのが精一杯…??どうする…)


盗サバ「?ハァ??ハァ…?」?ジッ…


別?魔法使い「?…お?ねが…い…」

別?魔法使い「お?いて…かない?で…」

別?魔法使い「…わたし?も…いっしょに…つれてっ…て…」

盗サバ「くっ…、分かった…なんとかする!」

別?魔法使い「…ありが…とう…」ポロポロ


-------

5: 2017/11/14(火) 18:40:38.29 ID:/m2fqzVRO
-------


盗サバ「?ハァハァ…ゼイゼイ…

(くそうっ、重い…重い…重い…重い!)

(今の体力で…こんな険しい森の中を人をおぶって歩くなんて無理だ?)


盗サバ「ハァハァ…ゼイゼイ…ハァハァ…

別?魔法使い「盗賊さん…ごめん…ありがと…」ハァ…???ハァ…

盗サバ「……」ハァハァ…ゼイゼイ…


盗サバ(もう少し歩けば…この急斜面も終わ…)

盗サバ「!!!」ビクッ


魔物??ガルルル…???????のそっ…???のそっ…


盗サバ(まっ、魔物!!!)

(ぁあ‥???嘘だろ??おい…

よりによって…なんでこんな時に…)ブルッ…



6: 2017/11/14(火) 18:44:38.97 ID:/m2fqzVRO

別?魔法使い「…」ハァ…ハァ…


盗サバ「・・・・」ハァハァ?ハァハァ…


ドクン…ドクン…ドクン…ドクン…ドクン…ドクン…ドクン…


盗サバ「・・・・」ハァハァ…



重い… ハァ… ハァ…



重いんだよ… ハァ… ハァ…


重いんだって‥ ハァ… ハァ



重い…重い…重い…重い…重い??重荷だ…重荷


(今はもう魔法使いじゃない…??重荷??ただの重荷だ…)

盗サバ「・・・・」ハァ????????????ハァ


7: 2017/11/14(火) 18:47:17.58 ID:/m2fqzVRO

そうだ…?"これ"?はもう魔法使いじゃない…



盗サバ(‥ただの重荷だ?)


盗サバ「………」


スルッ…

別?魔法使い(…ぇ?)


ドサッ!!

盗サバ(俺はっ、俺は生きるっ!生きるぞ!!)ダッ

盗サバ(ぅおおおおおおおお…!!)ダダダダダッ…


…………マッテ…オネガイ……オイテ…イカナ…!!…キャァァァァ………


--------------


8: 2017/11/14(火) 18:48:36.60 ID:/m2fqzVRO
--------------

サバイバー「……」

魔法使い「サバイバーさん??」

魔法使い「どうしたの???顔色が…」

サバイバー「…なんでもありません」

サバイバー「今日は少し疲れたみたいです。私は早めに寝る事にします」

勇者「あ、そうッスね!早く寝て朝から出発すれば明日の昼過ぎには街に着くと思うし、そうしようみんな!」

武道家「うむ」

僧侶「あっ、はい」

魔法使い「うん」


9: 2017/11/14(火) 18:50:29.01 ID:/m2fqzVRO

勇者「じゃあ、こっちの石の少ない所に…マット代わりの衣類やら柔らかい物を敷いて…みんなで雑魚寝だね」サッサッ


サバイバー(…命より重い物はある)

(…私がこのパーティーに入った本当の目的、それは…)


勇者「よしっ!完成!これで背中も痛くない!…と思う」

僧侶(疲れたぁ…)ポテッ

武道家「ではワタシも」ゴロッ

魔法使い「おやすみ」パタッ


勇者「おやすみー」ピタッ

魔法使い「ちょ、、えっ!?」ビクッ

サバイバー「みなさん、おやすみなさい」ピタッ

魔法使い「ひっ!!だだからっ///何で二人共あたしの隣に来る訳!?」

勇者「え?」スリッ

魔法使い「やだっ!ちょっとくっつかないでっ!!」

サバイバー「魔法使いさん、これにはしっかりとした理由があるんです…」

魔法使い「なんなの!?やっぱセクハラ野郎共じゃん!!!」

勇者「またそのくだりに戻るの?サバイバーさんの話長いよー?」

サバイバー「魔法使いさん、よく聞いて下さい。人間は寝てる間に体温を失うと非常に危険なんです。野外で寝る場合はこうやってお互いの体温で───」イキルタメデス

魔法使い「だからっ///あたし彼氏いるってば!もうやだっ!!」

------つづく------

10: 2017/11/14(火) 19:02:44.98 ID:/m2fqzVRO
たぶん続かないです。ごめんなさい

引用元: 【勇者ss】勇者「今日から新しく仲間になったサバイバーさんです」