8: 2014/07/29(火) 21:48:10.10 ID:45ah2CAs.net
♪だって可能性感じたんだ そうだ進めー

これが私!3ヶ月前の高坂穂乃果、高校2年生!

ーーそしてこれが3ヶ月後、今の高坂穂乃果、高校2年生。

ガラガラガラガラ(病院に緊急搬送される穂乃果)

絵里「穂乃果!!穂乃果!!しっかりしなさい!!」

ことり「ほのかちゃん!!起きてほのかちゃん!!!!!」

海未「穂乃果!!グスッ…穂乃果…!!!」

希「穂乃果ちゃん!!」

にこ「いつまで寝てんのよ穂乃果ァ!!」

真姫「穂乃果!!!ほのかぁ!!」

凛「うええええん!!穂乃果ちゃあん…」

花陽「いやだよこんなの…いやだよ…!」

穂乃果(ああ…3ヶ月…あっという間だったなぁ…)

15: 2014/07/29(火) 21:59:02.35 ID:45ah2CAs.net
ー3ヶ月前ー

穂乃果(ラブライブ最終予選まであとちょっと…
今皆に病気の事を話して心配させたくない…!

…でも、いずれバレちゃうよね…どうしよう…)

絵里「……乃果?穂乃果?どうしたの?」

穂乃果「うううぇりちゃん!?ううん!なんでもないよ!」

絵里「…そう?顔色が悪いように見えたから…。体調がすぐれないなら、ちょっと休んだら?」

穂乃果「…だ、だいじょぶだいじょぶ!!全然ヘーキだよ!!


平気…だよ…。」

21: 2014/07/29(火) 22:12:20.75 ID:45ah2CAs.net
ー練習中ー

ワン・ツー・スリー・フォー
ワン・ツー・スリー・フォー

海未「…ストップ!穂乃果!ダンスにいつものキレがありませんよ!!」

穂乃果「あっ…!ご、ゴメン海未ちゃん!次はちゃんとやるから!!」

海未「まったく…!最終予選まで日が無いんですから、気を抜かないでください!!」

穂乃果「うん…ごめんね」

海未「…?穂乃果。ひょっとして、具合でも悪いのですか」

穂乃果「へっ!?な、なんでなんで!?私はいつでもゲンキだよっ!?」

海未「いえ…いつもなら、ここで屁理屈や言い訳の一つでも言ってくると思ったので…」

穂乃果「あ、ああ~!なーんだ!んもー海未ちゃんったら酷いなぁ~!」

海未「もし、悩み事があるなら、一人で抱え込んではいけませんよ。」

穂乃果「……!」

海未「必ず、皆に相談してください。一人の問題はμ's皆の問題です」

穂乃果「…うん、わかったよ。ありがとう、海未ちゃん」

海未「…一休み、しましょうか?」

穂乃果「ううん、大丈夫。続けよう!」

一分でも、
一秒でも長く、
皆と唄い続けたい
皆と踊り続けたい

22: 2014/07/29(火) 22:26:45.78 ID:45ah2CAs.net
ーある日の昼休みー

穂乃果「にーこちゃん!」

にこ「のわっ!!な、なによ穂乃果突然!!」

穂乃果「えへへー!あのね、にこちゃん」

バサバサバサ

にこ「!?なにこのアイドル雑誌の山は。アンタこの手の読むっけ?」

穂乃果「にこちゃん、アイドルの話、いろいろ教えて!」

にこ「……へっ?」

穂乃果「よく考えたら、私アイドル部の一員なのに、アイドルの事イマイチ知らないなーって。
だからね、アイドル通で部長のにこちゃんに教えて貰おうと思って!」

にこ「!!ま、まあ私くらいにもなれば?アイドルの事なんてピンからキリまで
詳しく教えてあげられるけど?(にやけ顏)」

穂乃果「だよねだよね!教えて、にこちゃん!」

にこ「でも、なんでアタシなわけ?花陽でもいいじゃない。」

穂乃果「もちろん、花陽ちゃんにも教えてもらうよ!
でも今は!にこちゃんに教えてもらいたいの!!
にこちゃんとたくさんお話ししたいの!!」

にこ「わわわーかった!わーかったから抱きつくなっての!!なんなのよもう…」

穂乃果「えへへ…」


皆のこと、今のうちにちゃんと知っておきたい
皆のこと、今のうちにちゃんと見ておきたい
私の体が動いているうちに、もっと、ちゃんとー

26: 2014/07/29(火) 22:42:27.51 ID:45ah2CAs.net
花陽(最近…穂乃果ちゃんの様子がおかしい…)

穂乃果「でね、花陽ちゃん。このアイドルの事なんだけど、にこちゃんってばねー」

花陽(なんか、前にも増して元気になったっていうか…)

穂乃果「私はお気に入りなんだけど、にこちゃんはイマイチだーって言うんだよねー!」

花陽(前にも増して元気に見えるのに…何故か…)

穂乃果「もうー!花陽ちゃん、聞いてる!?」

花陽「はわっ!う、うんちゃんと聞いてるよ!
にこちゃんは、プロのアイドルを見る目は一段と厳しいからね…」

穂乃果「だよねー!でもやっぱり、長年アイドルファンやってる子は違うよなーって!
それでねそれでね…」

花陽(なんで…なんで穂乃果ちゃんが笑う度に、
こんなに肌がピリピリするんだろう…)

(なんで…穂乃果ちゃんの笑顔が、次の瞬間には、
消えて無くなってしまいそうな感覚に陥るんだろう…)

キーンコーンカーンコーン

穂乃果「あ、次の授業始まっちゃう!お話ししてくれてありがとうね花陽ちゃん!!」

花陽「あっ…うん…!私で良かったら、いつでも

30: 2014/07/29(火) 23:04:24.30 ID:45ah2CAs.net
ー神田明神ー

希「ふうー!掃除おしまいっと、ありがとうな穂乃果ちゃん。手伝ってもろうて」

穂乃果「ううん!私が手伝いたいって言ったんだから気にしないで!」

希「ふふっ、ホンマ良い子やなー穂乃果ちゃんは。
きっと将来はステキな奥さんになるに違いないな!」

穂乃果「………ホント!?えへへ~嬉しいなっ!」

希「……?」

穂乃果「ん~~!今日は天気が良くて気持ち良いね~!」

希「…あー、そうやなあ。雲も無くて絶好の秋晴れやな。」

穂乃果「希ちゃんとね、一度こんな風に、のんびりお話ししたいなって思ってたんだ」

希「ふふっ、それは光栄やな。ウチはいつでも大歓迎やで!」

穂乃果「……希ちゃんは…」

希「?」

穂乃果「…例えば、自分がこの町から離れなくちゃならなくなったら…
音ノ木坂に居られなくなるとしたら、どうする?」

希「え……」

31: 2014/07/29(火) 23:11:21.77 ID:45ah2CAs.net
希「な、なんやの突然、そんな変な質問してー」

穂乃果「…あっ、ご、ゴメンね!ホントだ!変だね私!!あはは…」

希「……すっごく、悲しいよ。」

穂乃果「え…」

希「ここから離れるのなんて、皆と離ればなれになるのなんて、
…想像しただけで泣いてしまいそうや」

穂乃果「希ちゃん…」

希「今のウチの中身は、もうμ'sの皆の事でいっぱいなん。
ここからまた、他の場所へ行って、ひとりぼっちになってしまうんは
そんなん今のウチには耐えられそうにないな…」

穂乃果「………」

希「こうやって、穂乃果ちゃんとお話しすることだって出来なくなるんよ?
それはすっごく、すっごく寂しいことやんな…」

穂乃果「………うん、うん……!」

希「…!?ほ、穂乃果ちゃん!?泣いてるん!?」

穂乃果「希ちゃん…!!ひっく、希ちゃん、ごめんね…!」

希「ごめんて、なんで穂乃果ちゃんが謝るん!?」

穂乃果「うぐっ、ひっく、ごめんね…希ちゃん…!私…、私ね…!」

希「え…?」




希「………うそ…」

37: 2014/07/29(火) 23:24:18.18 ID:45ah2CAs.net
この国には、色んな神様がおってーー
ウチは、小さい頃からそれをずっと信じてきたんやけど

絵里「希、どうしたの?浮かない顔ね」

ウチは、生まれて初めて、神様を信じられなくなっている
というより、恨んでいる

希「…あんな、えりち…」

穂乃果(皆には、今はナイショにしておいて…今はまだ…!)

希「…現実は、残酷やねんな…」

絵里「何よ、どうしたの突然?」

希(ウチは…あの子に、何がしてあげられるやろ…)

絵里「…あのさ」

希(ウチは…)

絵里「ひょっとして、穂乃果の事?」

希「…!!えっ…」

49: 2014/07/30(水) 00:07:09.74 ID:IC9y2edM.net
ー音楽室ー

真姫「でね、ここのサビのメロディなんだけど…穂乃果は、どっちの方が良いと思う?」

穂乃果「うう~ん…、どっちも凄くキレイだから、どちらも捨てがたい…!」

真姫「それにしても、珍しく作曲手伝いたいだなんて、
どういう風の吹き回し?」

穂乃果「えへへ~、だって自分達が歌う曲だよ?
私も何かお手伝いしたいよぉー!」

真姫「はいはい!じゃあ、穂乃果が実際に一度歌ってみせてよ。」

穂乃果「はーい!えーっと、まずはAパターンからいくね!」

真姫(ふふっ、全く…)

穂乃果「あれあれ~?真姫ちゃん、楽しそうだね~!」

真姫「ばっっ!!な、なにいってんの!?イミワカンナイ!!
さっさと唄いなさいよ!!ほら、伴奏弾くから!!」

穂乃果「♪とーどーけてー切なさにはー」

真姫(…キレイな声…。穂乃果、こんな唄い方もできるのね…)

穂乃果「…凄い…凄い良い曲だね…」

真姫「ちょっと、急に止まらないでよ」

穂乃果「私ね、真姫ちゃんの作った曲を歌えて、本当に良かったと思うよ」

真姫「ハ、ハア!?何言ってんのよ急に!は、恥ずかしいわね…!」

穂乃果「だって、本当に、本当だよ」

真姫「…ちょっと、どうしたってのよ…」

穂乃果「ね、次は真姫ちゃんも、一緒に」

真姫「…なんなのよ、全く…」

真姫(なにこれ…頭の後ろがツンとする…)

穂乃果「♪名前をーつけようかー」

真姫(穂乃果…さっきよりまた一段と、綺麗な声…なのに…)

(なんで、なんでこんなに、哀しい気持ちになるの…?)

86: 2014/07/30(水) 21:32:41.02 ID:IC9y2edM.net
ーある日の練習前ー

凛「ここはもっと溜めて~、そしてここでビシッ!と止める!」

穂乃果「ほっ!はっ!えい!こんな感じ!?」

凛「そうそう!流石穂乃果ちゃん!上手いにゃー!!」

穂乃果「ほんと!?良かった~!最近ダンスのキレが落ちてきてる気がしてさ~」

凛「ここのところ、練習だらけだったから疲れが溜まってるんじゃないかにゃ?」

穂乃果「あ~、そっか。そうなのかも。練習以外の時も全力で遊んでるのがいけないのかな?」

凛「あはは!穂乃果ちゃんらしいにゃ~!」

穂乃果「もー!凛ちゃんも人のこと言えないでしょ~!えいっ!コチョコチョコチョ」

凛「ヒエっ!!や、やめてよ穂乃…にゃははははは!!!」

穂乃果「ほれほれほれ~!!コチョコチョコチョ」

凛「あははははははははほ、ホントやめにゃはははははははは!!!!!」

穂乃果「……凛ちゃん、練習前に付き合ってくれてありがとうね。」

凛「ぜぇ…ぜぇ…。お、お安いごようにゃ…」

穂乃果「最終予選終わったら、美味しいラーメンご馳走するね!」

凛「ホント!?わーい!やったにゃー!!」

穂乃果「…………」

凛「…穂乃果ちゃん?」

穂乃果「…絶対に、優勝しようね」

凛「う、うん…」

89: 2014/07/30(水) 21:47:38.64 ID:IC9y2edM.net
ー生徒会室ー

穂乃果「海未ちゃん!こっちの書類の整理終わったよ!」

海未「お疲れ様です、穂乃果。今日はとても仕事が早いですね。」

ことり「穂乃果ちゃん、最近生徒会のお仕事すっごく頑張ってるよね!」

穂乃果「えへへ~!まあなんというか、
生徒会長としての自覚に目覚めたとでも言いましょうか!」

海未「ふふっ、もう。お調子に乗るんじゃありません。当然の事ですよ」

ことり「穂乃果ちゃんは一度スイッチ入ると
とことんまで走り続けるもんね♪
私、穂乃果ちゃんのそういうとこ好きだよ」

穂乃果「や、やだなぁ~照れちゃうよことりちゃ~ん!」

海未「さて、今日は私は弓道部に顔を出していくので、
お二人は先に帰っていてくださいませんか」

穂乃果「うん!わかった!また明日ね海未ちゃん!」

ことり「海未ちゃんもお疲れ様。頑張ってね!」

穂乃果「さ、帰ろっかことりちゃん!」

ことり「うん、穂乃果ちゃん!」

92: 2014/07/30(水) 21:56:39.21 ID:IC9y2edM.net
ー下校中ー

穂乃果「うう~寒っ!この時間でもだんだん冷えてきたね~」

ことり「そうだねー。もうすぐ冬が来るね」

穂乃果「…そっか、もう冬になっちゃうんだよね…」

ことり「?…どうしたの?」

穂乃果「う、ううん!なんでもないよ!」

ことり「…ねえ、穂乃果ちゃん。最終予選で着る衣装。
気合い入れて作ってるから、期待しててね!」

穂乃果「えっ!あ、うん!!ことりちゃんの衣装着るのすっごく楽しみ!!」

ことり「ふふふっ!私ね、こうやって
μ'sの皆に衣装を作ることが出来て、今凄く幸せなんだ。
もし穂乃果ちゃんがスクールアイドルに誘ってくれてなかったら、
この幸せを味わう事は無かったんだろうなって思うと、
私、穂乃果ちゃんに感謝せずにはいられないの。」

穂乃果「…そ、そこまで言われると照れちゃうな~///
で、でも、私がことりちゃんを誘わないなんて、あり得ないよ!」

ことり「うん。でも、きっと、もしかしたら
私がμ'sに入って居ない未来もあったのかなって思って。」

穂乃果「…ことりちゃんが、μ'sに居ない未来?どういうこと?」

ことり「この前読んだ小説にね、『パラレルワールド』っていうのが出てきたの。
この世界は、今この瞬間にも、いくつもの未来に分かれていて
ちょっとずつ違う世界が生まれていくんだって」

穂乃果「パラレルワールド…?う、う~ん。よくわかんないけど、例えば私が
μ'sを作らなかったっていう世界もどこかにあるってことかな?」

ことり「そういうこと!」

95: 2014/07/30(水) 22:01:47.67 ID:IC9y2edM.net
ことり「もしかしたら、私と穂乃果ちゃんが同じ学校に
通わなかった世界もあるかもしれない。
ううん、それどころか、私と穂乃果ちゃんが出会いすらしなかった
世界もあるのかもしれない。
小説を読んでて、そんな事を考えたらね、すっごく悲しくなっちゃって…」

穂乃果「ことりちゃん…」

ことり「だからね、穂乃果ちゃん。私、この世界が大好きだよ。
穂乃果ちゃんと友達になれた、この世界が大好き。
例えこの先、どんな辛い事が起きたって、
私はこの世界が好きって、自信持って言えるよ。」

穂乃果「……あっ」

ー慌てて涙を拭う穂乃果ー

穂乃果「ごご、ゴメンことりちゃん!私急用を思い出した!!
急いで先に帰ってるね!!」

ことり「えっ!穂乃果ちゃん!?」

穂乃果「ホントゴメンことりちゃん!また明日学校でねーっ!!」

ことり「う、うん!また明日!!気をつけてねー!」


…………


ことり(…穂乃果ちゃん…)

102: 2014/07/30(水) 22:14:48.08 ID:IC9y2edM.net
ー次の日の生徒会室ー

海未「穂乃果、最近ちゃんと自分の顔を鏡で見ていますか?」

穂乃果「!…な、なんで?突然そんな事を…」

海未「…穂乃果、あなた最近、痩せ過ぎに思えます。」

穂乃果「そっ…!あ、ああ~!じ、実は最近ダイエットをしてて…」

海未「はぁ…、まったく…過度なダイエットは健康によくありません。
しっかり必要な分の食事をとって、しっかり運動をして
健康的に痩せなくては、アイドルとして失格ですよ?」

穂乃果「…そうだね。ごめん、海未ちゃん」

海未「……………」

穂乃果「……………」

海未「…あの、穂乃

穂乃果「あー!私教室に忘れ物してきちゃった!!ちょっといってくるね!!」

海未「えっ!?ちょっと穂乃果!!」

ことり「ごめん遅れちゃってーーって、どこ行くの?穂乃果ちゃん!」

穂乃果「ごめんことりちゃん、先に作業進めてて!!!」

ことり「………」

海未「ことり……最近の穂乃果の事ですが…」

ことり「…うん、わかってる。穂乃果ちゃん、何か隠してるよね…
おそらく、きっと、凄く大事なことを…」

103: 2014/07/30(水) 22:18:52.03 ID:IC9y2edM.net
ー化粧室の鏡の前ー

穂乃果(…意識的に、鏡をあまり見ないようにしてた…

日に日に痩せて、顔色の悪くなっていく自分の顔から

なるべく目を逸らしたかったから…)

穂乃果「…ホントだ、頬がちょっとほっそりしてる…」

穂乃果(…私…、こんなに弱々しく笑う子だったっけ…?

この鏡に映ってる女の子は…本当に、高坂穂乃果なの…?)

ポロポロポロ

穂乃果(あ…泣き出しちゃった…変なの…)

ポロポロポロポロ

穂乃果(…困ったな、涙…止まらないや…)

穂乃果「うう…っ…ひっく…」

穂乃果(ゴメンね…海未ちゃん…ことりちゃん…みんな…)

111: 2014/07/30(水) 22:38:44.57 ID:IC9y2edM.net
ーとある日の屋上・午後練ー
ーラブライブ最終予選まで、あと1週間ー


ワン・ツー・スリー・フォー
ワン・ツー・スリー・フォー

海未「はい!そこまで!これより15分間の休憩に入ります!」

花陽「ふわあああ!凄いね穂乃果ちゃん!今日絶好調だね!!」

穂乃果「ふっふっふー!わっかるー!?今日はなんだかいつもより
元気がどんどんみなぎってくるんだ!!」

凛「ダンスもカンペキだったにゃ!」

穂乃果「だって、それはもう!凛ちゃん先生にこの前シッカリ
稽古つけてもらったもんね!バッチリだよー!」

凛「!!!り、りりり凛ちゃん先生!!??」

穂乃果「そうだよ!凛ちゃん先生!またよろしくね!!」

凛「はにゃあ~~!!そんな~先生だなんて照れるにゃあ~
にゃにゃにゃ~~!!」

花陽「ふふふ、凛ちゃん良かったね!」

にこ「まったくー。ちょーっと調子良いからって舞い上がってんじゃないわよ」

穂乃果「おやおや~?にこちゃん、ひょっとして嫉妬かな~!?」

にこ「だっ!!誰が誰に嫉妬してるってのよ!!」

真姫「やめなさいよ二人とも。休憩中くらい静かにしてよ、もう」

にこ「大体、アンタ最近おかしいのよ!
変に絡んできたり、妙に上機嫌だったり…」

穂乃果「…そう、かな?」

112: 2014/07/30(水) 22:42:33.29 ID:IC9y2edM.net
にこ「…なんだか、最近のアンタ見てると不安になるのよ。
生き急いでるっていうか…」

穂乃果「う…」

希「!…あ、あー!にこっち、穂乃果ちゃんの事が心配でたまらないんやなー!?」

にこ「!!??ばばばバカな事言わないでよなんでにこがほのかになんでそんな」

凛「あ~!にこちゃん赤くなってるにゃ~!」

穂乃果「やーだー!にこちゃんやーさーしーいー!!!」

にこ「ああああもう!!抱きつくなってのウザいわねえー!!」

穂乃果(…希ちゃん、ありがと)

希(!………うん…)

114: 2014/07/30(水) 22:54:20.70 ID:IC9y2edM.net
穂乃果「それにしても良い天気だねー!こんな日は屋上で寝転ぶに限りますなー!」

絵里「もう、穂乃果ったら…いくら毎日掃除してるからって、
直で大の字になって寝転ぶなんて、はしたないわよ」

海未「そうですよ、もうすぐ休憩も終わるんですから…。
そのまま寝てしまわないでくださいよ」

穂乃果「だぁーってぇー。きもちいいんだもーん!」

ことり「まあまあ!休憩中くらい好きに休ませてあげよう?」

海未「まったく…。ことりは穂乃果に甘過ぎます」

絵里「…それにしても、来週末はついに最終予選ね。
なんか、あっという間だったわね…」

穂乃果「……」

海未「A-RISEも、他のアイドルも、本気のパフォーマンスで挑んで来るはずです。
この1週間は、今まで以上に気を引き締めて練習に
励まなくてはいけませんね。」

にこ「ふん!他のどのグループよりも最高の演技をして
私たちが決勝戦に勝ち進むわよ!」

凛「そして目指すは!」

花陽「ラブライブ優勝!!」

115: 2014/07/30(水) 23:03:06.41 ID:IC9y2edM.net
真姫「まったく…皆浮かれちゃって、穂乃果の事言えないじゃない」

花陽「でも真姫ちゃんも、心なしかウズウズしてみえるよ♪」

真姫「ベッ!ベツニ!!?私はそんなこと!」

凛「真姫ちゃんは相変わらず素直じゃないにゃ~!」

真姫「な、なによもう!!」

絵里「フフフッ。はい!皆、それじゃそろそろ、練習に戻りましょう!」

海未「さて、もうひと頑張りしましょうか!」

ことり「ほのかちゃーん!休憩終わりだよー?」

穂乃果「…………」

凛「あれれ~爆睡かにゃ~?」

海未「はぁ…まったく…。言ってるそばからこれです…」

凛「穂乃果ちゃん起きるにゃー」

ゆさゆさ

穂乃果「……………」

にこ「ちょっと、いつまで仰向けになってんのよ。さっさと起きなさい」

ぺしぺし

穂乃果「……………」

にこ「………ちょっと、穂乃果?」

116: 2014/07/30(水) 23:04:23.96 ID:IC9y2edM.net
穂乃果「……………」



にこ「……ちょっと…」

凛「……へ…?」

真姫「…え?」

花陽「穂乃果ちゃん…?」

希「ッ…!!!??」

絵里「!!!」

海未「ほ、穂乃果…?」

ことり「………穂乃果ちゃん?」





穂乃果「……………」

120: 2014/07/30(水) 23:07:38.24 ID:IC9y2edM.net
希「………!!!いやっ…!!穂乃果ちゃん!!
穂乃果ちゃん!!!穂乃果ちゃん!!!!」

絵里「真姫!!!!すぐに救急車呼んで!!急いで!!!!
私は穂乃果の家に連絡するから!!!」

真姫「え……な、なんで…なに、これ……え…?」

絵里「真姫!!!」

真姫「…!!わ、わかったわ!!」

にこ「穂乃果…どうしたってのよ…。ねえ、目、開けなさいよ…」

凛「穂乃果ちゃん!起きて!!穂乃果ちゃん!!!」

花陽「どうして…なんで、なんで…?」

海未「穂乃果!!!しっかりしてください!!!穂乃果ァ!!!」

ことり「……うそ…うそ…なにこれ…ほの、ほのかちゃ…」

163: 2014/07/31(木) 21:53:28.75 ID:8FhDoO3d.net
穂乃果(……あれ?ここは…どこ?

私…確か屋上で、皆と練習してて…)

『……乃果……穂乃果……』

穂乃果(誰かが呼んでる…)





海未「穂乃果!!穂乃果!!!」

穂乃果「……海未……ちゃん……?」

海未「!!ほ、穂乃果…!気が付いたのですか!!」

ことり「ほのかちゃん……!!良かった……!!」

穂乃果「ことりちゃん……みんな………ここは……?」

絵里「ここは病院よ。穂乃果、あなたは練習中に急に意識不明になって、
救急車で運ばれてきたのよ」

穂乃果「………あ…………」

希「……穂乃果ちゃん……あんな…」

穂乃果「…うん」

絵里「…穂乃果、ごめんなさい。私、実は希を問い詰めて
貴女の身に今起きている事を聞いてしまったの」

穂乃果「……うん」

希「ごめんな、穂乃果ちゃん…」

穂乃果「ううん、勝手に希ちゃんにだけ背負いこませちゃったのは私だもん…
こっちこそ、ごめんね…」

165: 2014/07/31(木) 21:57:55.54 ID:8FhDoO3d.net
にこ「…ねえ、こっちは何のことかまだサッパリわかんないんだけど…
一体、何がどうなってるっていうのよ…」

絵里「…穂乃果、私も、あなたの口から直接聞きたい。
辛いだろうけど、今起きている事を皆に話して?」

穂乃果「……うん…。あのね。

…ハロウィンイベントに皆で出た直後に…
健康診断の結果が返ってきたの。
そこに、要・再検査って書かれてて。
お母さんや、雪穂に大慌てで大きな病院に連れて行かれて…」

真姫「…そんなことが…」

海未「…それで、再検査の結果は、何と…」

穂乃果「…………ッ!」

ことり「…………」



穂乃果「…………余命、3ヶ月」



『…………!!』



穂乃果「なんか、難しいけど、凄く重い病気で…
それで、もう末期で…今の医学では、どうやっても治らないんだって…」

真姫「…………そんな…!!」

花陽「うそ……」

にこ「……なっ…、だって、それじゃあ…!!」

穂乃果「…うん。おそらく、私はあと1ヶ月ちょっとで…」

168: 2014/07/31(木) 22:21:06.71 ID:8FhDoO3d.net
海未「……こんな、こんなことって……」

ことり「………そんな………」

穂乃果「ごめん、なさい…。今まで黙ってて…皆に、最終予選の前に
余計な心配をかけたくなくて…。必氏に隠してたんだけど、
我慢出来なくて、希ちゃんにだけ先に話しちゃって…」

希「……穂乃果ちゃん…」

「………………」

にこ「………それで、結局皆に迷惑かけてたら、世話無いわ」

穂乃果「!!……」

絵里「ちょっと、にこ!!」

真姫「にこちゃん!!それは言い過ぎよ!!!」

凛「…そうだよ!穂乃果ちゃんだって辛くて………あ…」

にこ「………どうして、アンタって、いっつもそうなのよ……。
なんでまず最初に一人で抱え込もうとすんのよ………!!
どうしたって、一番辛くなるのはアンタ自身だってのに……!!」

穂乃果「……にこちゃん、ごめん…ごめんね…」

にこ「……バカよ、ほんと……バカよ……!」

ことり「にこちゃん………」

171: 2014/07/31(木) 22:45:47.26 ID:8FhDoO3d.net
ガララッ

雪穂「お姉ちゃん!!」

穂乃果母「穂乃果!!良かった…目が覚めたのね…!」

穂乃果「あっ、お母さん…!雪穂…!」

絵里「穂乃果のお母様!それで、穂乃果の容体は!?」

雪穂「…!そ、それが…」

穂乃果母「……幸い、今回は一命をとりとめたけれど…。
…でも、予想より病気の進行が早いみたいなの。
このまま入院せずに今まで通りの生活を続けていれば
いつ、また今回のように、昏睡状態に陥るかわからないと、
お医者様は言っていたわ」

花陽「そ、そんな…、それじゃあ、穂乃果ちゃんは、もう…!」

凛「凛たちと一緒にアイドル出来ないって事!?」

穂乃果「………そっか……もう…」

ことり「穂乃果ちゃん…!」

にこ「ッ………!!」

穂乃果母「…μ'sの皆さん。穂乃果の、高坂家の我儘に皆さんを巻き込んでしまって、
ご迷惑をおかけしてしまって、本当にごめんなさい。」

絵里「…!お、お母様!そんな、頭を上げてください!!」

海未「そうです、私たち、迷惑だなんて…!」

穂乃果母「……余命3ヶ月と聞かされた日、
家族で話し合ったの。今後どうするのが
穂乃果にとって一番幸せなのかって…。
夜遅くまで、随分長く話し合ったわ。
そして、入院はさせずに、今まで通りの学校生活を
送らせてあげようという事に決まった。
学校の先生には知らせてあったのだけど…。」

穂乃果「皆に、μ'sの仲間に話すタイミングは
私が自分で決めるって、その時は家族に伝えたの。
結局…、こんな形で話す事になっちゃったけれど…」

173: 2014/07/31(木) 22:53:41.49 ID:8FhDoO3d.net
ことり「……穂乃果ちゃんは、これからどうなるんですか…?」

穂乃果「……」

穂乃果母「…お医者様が言うには、このまま入院して延命治療を受ければ
今のままよりは長生きできるらしいわ。けれど…。」

海未「…けど…?」

穂乃果母「私は、穂乃果と、あなたたちに決めて欲しいと思うの。
穂乃果の今後の事をーー。」

希「え…!?」

絵里「そ、そんな大事な事を、私たちだけで決めるなんて出来ません!!
ご家族で話し合った方が…!」

穂乃果母「大事な事、だからよ。それに家族全員で話し合った結論なの。
穂乃果の最期の時まで、穂乃果と、あなたたち。
9人でどうするかを決めて欲しいって。
私たちは、それが一番だと思ったの。」

雪穂「……私からも、お願いします。お姉ちゃんの今後の事。
どうか皆さんと、お姉ちゃんとで、決めてください。」

真姫「……そうは言われても…。」

174: 2014/07/31(木) 22:57:23.04 ID:8FhDoO3d.net
穂乃果母「…私は、あなたたちの中で後悔が残るのなら、
それはそのまま、私達家族の後悔になると思うの。
あなたたち9人で、納得できる道が見つかったなら、
それはきっと私たち家族の最高の望みだから…。
重荷を背負わせているようで心苦しくもあるけれど、それでも。」


「…………………」


絵里「…穂乃果は…。穂乃果は、どうしたい?」

穂乃果「……私は……。」

海未「…そうですね。私たちで決めるにしても、
一番優先すべきは穂乃果の意志です。
それ以上でもそれ以下でもありません。」

穂乃果「……うん。わかってる。自分の事だもんね。
でも、ごめん。今すぐには答え、出ないよ…。」

花陽「穂乃果ちゃん……」

凛「……ぐすっ…ひっく…」

穂乃果「……1日、待って。明日には、ちゃんと答え出すから。」

真姫「…1日で、足りるの?」

穂乃果「…うん。大丈夫。」

希「……なら、ウチらは穂乃果ちゃん信じて、待と?」

にこ「ーーそうね。穂乃果が持ってきた答えを聞いてから、
それからまた考えましょう。」

穂乃果「……みんな…ありがとう…。
必ず明日、皆の前で話すから。」

178: 2014/07/31(木) 23:32:31.77 ID:8FhDoO3d.net
絵里「…それじゃあ、今日はひとまず皆、帰りましょう。
皆で、心の整理をつけなきゃいけないし…
慌てて来たから、荷物も屋上に取りに行かなきゃ。」

ことり「うん……穂乃果ちゃん、また明日ね」

凛「…ぐすっ…りんも、ほのかちゃん、信じるにゃ…」

花陽「…待ってるよ、穂乃果ちゃん。」

真姫「…考え込み過ぎて、夜更かししちゃダメよ?」

にこ「……………」

希「ほなな、穂乃果ちゃん。おやすみ」

海未「……穂乃果、ごきげんよう」

絵里「…穂乃果のお母様、雪穂ちゃん。
ありがとうございます。私たちの事を信じて下さって…。
…穂乃果、今日はゆっくり休みなさい。おやすみ。」

穂乃果「…みんな…お母さん、雪穂、ありがとう…ありがとう…!」

179: 2014/07/31(木) 23:33:51.96 ID:8FhDoO3d.net
ガラララ


雪穂「……ふえぇ…っんぐっ…!ひっく…」

穂乃果母「…よしよし、雪穂。あなたも一度帰りなさい。」

雪穂「…やだ…!お姉ちゃんと一緒に居る…!」

穂乃果「…雪穂…」

穂乃果母「…本当に、皆良い子達ね…」

穂乃果「……うん……」



ガラララ

にこ「………」

穂乃果「…えっ、にこちゃん!?どうしたの、忘れもの?」

にこ「…穂乃果、今更わたし達に、遠慮なんかすんじゃないわよ。それだけ。」

ガラララ


穂乃果「……は、はあ……」

雪穂「………ぷっ、クスス…」

穂乃果母「……ふふふ、本当に、みんな良い子達ね。」

穂乃果「……クスッ、うん…!」

182: 2014/07/31(木) 23:39:02.44 ID:8FhDoO3d.net
ー音ノ木坂学院・屋上ー

絵里「もうすっかり暗くなっちゃったわね。
荷物片付けて、早く帰らないと…」

真姫「……」

花陽「………」

凛「……ぐすっ…」

希「…穂乃果ちゃん、どんな答えに辿り着くんかな…」

ことり「……穂乃果ちゃんの出した結論、私たち、ちゃんと受け止められるかな…。」

真姫「…私たちだけじゃ、いくら考えても意味ないわ。
明日、穂乃果から話してくれるのを待ちましょ…。」

海未「それはそうですが…」

ことり「海未ちゃん…?」

海未「……穂乃果は、本当に自分の心からの望みを、
私たちに打ち明けてくれるでしょうか…」

花陽「…私も、今の穂乃果ちゃんは、自分の心に
嘘をついてしまいそうな、そんな気がして…」

海未「…以前、穂乃果がスクールアイドルを辞めると言った時と同じ…
いえ、それよりももっと、今の穂乃果の目には
力が無いように思えます。
私は…。今まで、私が見てきた穂乃果は、
あの様な表情を一度足りとも見せた事はありません…。」

真姫「…無理も無いわよ…。もし私が同じ立場なら、
いつも通りに振る舞うなんて出来っこないわ。」

凛「…穂乃果ちゃん、この数週間、いつも笑ってた…。
皆とたくさんたくさんお喋りして…
たくさんたくさん笑ってた…。」

希「…………」

189: 2014/07/31(木) 23:48:55.66 ID:8FhDoO3d.net
絵里「…希、どうしたの…?」

希「……」


にこ「ーー当ててあげましょうか。」

希「にこっち…?」

にこ「『自分が一番最初に病気の事を知らされたのに、
何も力になってあげられなかった』

とか、そんなこと考えてたんでしょ?」

希「………!」

191: 2014/08/01(金) 00:00:10.09 ID:8FhDoO3d.net
絵里「希……そうなの…?」

希「……こんなん、傲慢だってわかってるんやけどな…
でも、ウチ、もっと何かしてあげられたんやないかって…
考えんようにしても、ずっと頭ん中グルグルしてて…」

花陽「希ちゃん……!」

にこ「………ったく、どいつもこいつも…!希、ちょっと屈みなさい!」

希「えっ…。にこっち、何……!?
えっっ!?」


ぎゅっ(にこに抱きしめられる希)


にこ「…アンタも、あのバカと一緒。抱え込みすぎなのよ!」

希「…に、にこっち…」

にこ「何も出来なかったのは…皆、同じでしょうが!」

希「アカンよ…。ウチ、泣いてまうやん…」

にこ「…じゃあ、泣きゃあ良いじゃないのよ!今日は、私も一緒に泣いてやるわよ!」

凛「えぐっ…にこちゃん……!」

にこ「だって…穂乃果氏んじゃうのよ!?
唄って踊るのが大好きなアイツが、
もうアイドル続けられないのよ!!?
涙我慢する理由なんて何処にも無いじゃない!!!!」

希「……穂乃果ちゃん…!穂乃果ちゃん………!!

うう…あああああ……!!!!」

真姫「穂乃果……ぐすっ…ほのかあ…!」

花陽「ひぐっ…ふえぇ…穂乃果ちゃ…」

凛「うわああああああん!!!」

絵里「……穂乃果…………!!」

ことり「やだ……やだよぉ…ほのかちゃん……!」

海未「穂乃果………ほのかぁ……!!!」

にこ「ひっく…それで、良いのよ、それで…!

………穂乃果………!!!」

194: 2014/08/01(金) 00:24:28.04 ID:6n03H4Qu.net
ー穂乃果の病室ー

雪穂「すーーっすーーっ」

穂乃果母「…雪穂、泣き疲れて寝ちゃったわね。」

穂乃果「…お母さん、あのね。」

穂乃果母「んー?どうしたの?」

穂乃果「……色々迷惑かけて、ゴメンね…。」

穂乃果母「………。」

ピンッ!(穂乃果にデコピンする穂乃果母)

穂乃果「ッいった!!な、なんで!?」

穂乃果母「なーに柄にも無く気を遣ってんのよ。
お母さんはね、穂乃果のお母さんなんだから、
いくらでも迷惑かけて良いのよ。」

穂乃果「……お母さん…」

穂乃果母「…それに、今はたくさん迷惑かけてくれた方が
お母さんは嬉しいわ。」

穂乃果「……お母さん、穂乃果ね、お母さんの娘に産まれて良かったよ。」

穂乃果母「…!な、何言ってんのよこの子は…!!
急に泣かせるようなこと言うんじゃないの、もう!」

穂乃果「……お母さん、穂乃果、どうしたら良いのかな…」

穂乃果母「…それは、私に聞いたら、意味の無いことでしょう?」

穂乃果「うん……わかってるんだけど…」

195: 2014/08/01(金) 00:27:54.73 ID:6n03H4Qu.net
穂乃果母「…穂乃果。お母さんね。穂乃果がもうすぐ氏んじゃうって事は、
本当に凄く、凄く、凄く悲しいわ。
余命の宣告を受けた日も、その後もずっと…
穂乃果に見つからないように、大泣きした。
だけれど…」

穂乃果「…けど、なに?」

穂乃果母「お母さんが一番辛いのはね。
穂乃果が、悲しい想いをしたまま氏んでしまう事なの。」

穂乃果「…え……」

穂乃果母「こんな若くして氏んじゃうのに、無茶言うなって思うかもだけれど、
でもね。お母さん、穂乃果が産まれた時からずっと、
穂乃果の笑顔が大好きでね。

辛い時も。悲しい時も。

いつも穂乃果の笑顔に助けられてた。

お父さんも同じ。

二人して、穂乃果の笑顔にいつも助けられてたの。
もちろん、雪穂が産まれてからは、雪穂の笑顔にもね。」

穂乃果「…………お母さん……!」

196: 2014/08/01(金) 00:29:10.65 ID:6n03H4Qu.net
穂乃果母「だからね…穂乃果。お友達と一緒に、
最期の瞬間にも、笑える道を探しなさい。
μ'sの皆も、今一番何が不安かって言ったら、
きっと穂乃果の笑顔が曇っている事だと思うから。」

穂乃果「……うん……うん…!」

穂乃果母「…それにきっと、穂乃果、
あなたの笑顔は、あなた自身だって救ってくれるはずだから。」

穂乃果「…私、自身…?」

穂乃果母「そう、穂乃果自身。だから、希望を捨てては駄目よ。」

穂乃果(……私自身…か…)

穂乃果母「…さ、もう今日は寝なさい。明日も、考える時間は残っているわ」

穂乃果「…でも、まだ眠くないよ」

穂乃果母「なら、明日の返事を探しながら寝なさい。
すぐに眠らなくても、穂乃果の事だから色々考えてるうちに
グッスリ寝ちゃうわよ♪」

穂乃果「…むぅ~!もう、お母さんったら~!」

穂乃果母「ふふふっ!冗談よ冗談!」

穂乃果「……えへへ」

203: 2014/08/01(金) 01:09:18.76 ID:6n03H4Qu.net
穂乃果(私…なんで氏んじゃうのかな…。

もっと、ずっと、皆とアイドル続けたかったよ…。

もっと、ずっと、お母さんの子供で居たかったよ…。

なんで、この世界は、私が氏んじゃう世界なんだろう…)

穂乃果「………あれ?」

この世界?

穂乃果(…なんだっけ、つい最近、世界がどうのこうのって
話を誰かとしたような…)

『………かしたら…………世界も……』

穂乃果(…ことりちゃん?)

ことり『もしかしたら、私と穂乃果ちゃんが同じ学校に
通わなかった世界もあるかもしれない。
ううん、それどころか、私と穂乃果ちゃんが出会いすらしなかった
世界もあるのかもしれない。』

穂乃果(あ……そうだ。えっと、パラレルワールド。そうそう)

ことり『だからね、穂乃果ちゃん。私、この世界が大好きだよ。
穂乃果ちゃんと友達になれた、この世界が大好き。
例えこの先、どんな辛い事が起きたって、
私はこの世界が好きって、自信持って言えるよ。』

穂乃果「…うん……。

………………うん…!」

206: 2014/08/01(金) 01:14:12.56 ID:6n03H4Qu.net
穂乃果(…そうだね、ことりちゃん。

そうだった。

忘れてた。そうだ…。)


お母さん、お父さん、雪歩、クラスメイト

そして…


ことりちゃん

海未ちゃん

花陽ちゃん

真姫ちゃん

凛ちゃん

にこちゃん

希ちゃん

絵里ちゃん


穂乃果(私も………)


穂乃果「…私も、大好きだよ。

この世界が!!」


穂乃果母「…ん…、穂乃果…、なに、まだ寝てなかったの…?」

穂乃果「……!!お母さん!!

私ね!!見つけたよ!!!

そう、全部!全部わかっちゃった!!!」

穂乃果母「……え?」

207: 2014/08/01(金) 01:17:11.55 ID:6n03H4Qu.net
ー翌日・音ノ木坂学院屋上ー

海未「……」

絵里「…昨日の今日で、普通に練習っていうのも
なかなかどうして、気合いが入らないわね…」

にこ「…そうはいっても、ラブライブは待っちゃくれないわ。
練習だけは、キッチリやっとかなきゃ。」

希「……おお~、にこっちがいつになくマジメや」

にこ「なっ…!私はいつでも大マジメでしょーが!!」

凛「ええ~?よく言うにゃ~!」

花陽「ま、まあまあにこちゃん…」

「……………」

ことり「…穂乃果ちゃん、答え、見つかったかな…」

絵里「練習中も、携帯電話にはいつでも出れるようにしときましょう。」


ダダダダダダダダダ!!!!
ドタドタドタドタ!!!!

ガチャッ!!!


穂乃果「はぁ…!はぁ…!ごめーん
皆!!遅れちゃった!!!」


ことり「…ッ!ええ!?」

海未「穂乃果!!??」

絵里「ちょっ、なんでここに!?」

穂乃果「え?なんでって、明日皆にこれからどうするか話すって約束したよ?」

にこ「まさか直接ここに話しに来るとは思わなかったわよ!!大丈夫なの!?」

穂乃果「うん!今朝、帰宅許可出たから一度家戻って制服着てきた!!」

花陽「そ、そうじゃなくて、体は…」

穂乃果「そんなことより、皆聞いてほしい事があるの!!」

真姫「そ、そんなことって…アナタねぇ…」

希「…でも、その様子やと、答え出たみたいやな。」

208: 2014/08/01(金) 01:20:53.30 ID:6n03H4Qu.net
穂乃果「昨日寝ながらね、ずっと考えてたんだ。
なんで私、こんな事になっちゃったんだろうって。
あの日、健康診断の結果が届いた日から、
私の見る世界が全部おかしくなっちゃってたなって。」

海未「穂乃果…」

穂乃果「なんでこの世界の私は病気なんだろう。
なんでこの世界の私は氏んじゃうんだろうって。
たくさんウジウジ考えてたの。
そんな時、前にことりちゃんがパラレルワールドの事を
話してくれたのを思い出したんだ!」

ことり「…あ…あの時…」

穂乃果「ことりちゃん、言ってたよね。この世界が大好きって。
皆とスクールアイドルをやれた、この世界が大好きって!!」

ことり「……!うん…!」

穂乃果「私もね、同じだよ!!この世界が大好き!!
皆と会えた。μ'sの一員になれた。この世界が大好きだよ!!

もしかしたら、どこかに私が病気にならない世界があるかもしれない。
もしかしたら、どこかに私が氏なない世界があるかもしれない。
だけど、それでも、私は皆と出会えた、
この世界が大好き!!」

209: 2014/08/01(金) 01:23:18.06 ID:6n03H4Qu.net
絵里「……穂乃果…!!」

花陽「穂乃果ちゃあん…!!」

穂乃果「…だから、お願い。私、まだまだ皆と、アイドルやりたい!!
私、今までいっぱいいっぱいワガママ言ってきたけど、
ここまでデッカいワガママ言うの、許されるかなんてわかんないけど、
お願い!!皆とまた、一緒に踊らせて!!
皆とまた、一緒に唄わせて!!」


にこ「っはあぁぁああ!!??なぁーに寝ぼけた事言ってんのよアンタ!!」

真姫「ち、ちょっとにこちゃん!?」

穂乃果「……にこちゃん、私、本気だよ!!」

にこ「んなもん見りゃわかるわよ!!
『私のワガママ』!?ハァ!!??
なーに勝手に自分一人のモンにしてんのよっつってんの!!」

穂乃果「……ほぇ?」

にこ「私だってね!アンタともっと一緒アイドルやりたいわよ!!
アンタの心情なんて知ったこっちゃないわ!!
だからこれは私のワガママでもあるのよ!!
独り占めしてんじゃないわよ!!」

穂乃果「……にこちゃん……!うん!!!」

212: 2014/08/01(金) 01:26:43.66 ID:6n03H4Qu.net
凛「り、凛も凛も!!凛のワガママでもあるにゃ!!!2人占めすんなだにゃ!!」

花陽「わわわわわ私も!私もワガママ言いたい!!
私も、穂乃果ちゃんとアイドル続けたいよ!!」

真姫「まったく…イミワカンナイ!
でもまあ…、わ、私のワガママでもあるんだけれど?」

穂乃果「…みんな……!」

ことり「…グスッ…じゃーあー、ことりと海未ちゃんも含めて7人占めー♪」

海未「ちょっ、なんなんですかこの流れは…!!」

希「……おやおやぁ?μ'sはワガママさんばっかりだったんやなぁ?」

絵里「そーいう希は?私もワガママなんだけど」

希「グスッ…、もちろん、9人占めや、ウチも入れて!」

穂乃果「…ヘンだよ、…みんな、ヘンだよ!!」

海未「…ふふっ、今まで気づかなかったんですか?
ワガママな穂乃果の作ったμ'sは…、
穂乃果に負けず劣らずの、ワガママな人だらけなんですよ?」

213: 2014/08/01(金) 01:29:20.58 ID:6n03H4Qu.net
にこ「でぇ~もぉ~!穂乃果、この期に及んでまぁーだ遠慮してるでしょ!?」

穂乃果「…に、にこちゃんするどい…」

にこ「いいから、ここまできたら全部白状しちゃいなさいよ!!
アンタの自分の命賭けたワガママって、この程度のモンなの!?」

穂乃果「………うん!
あのね、みんな!!
私、次の瞬間、倒れちゃうかもしれない!!
いつ氏んじゃうか、わかんない!!!
でも!!でも!!
私、最期の最期の一瞬まで皆と一緒に居たい!!!
μ'sの一員として、皆と一緒に居たい!!!

だからみんな!!!

最期まで、皆に迷惑、かけさせて!!!」

凛「うあっっっったり前にゃあああああ!!!!!>ω
にこ「それが聞きたかったのよ!!回りくどい奴ねー!!」

希「望むところやん!!」

真姫「何かあったらすぐウチの病院に連れてってあげるわ!」

絵里「お安い御用よ!」

海未「まったく…!穂乃果にはかないませんね!」

ことり「でも、それでこそ穂乃果ちゃんだよ!!」

215: 2014/08/01(金) 01:32:27.04 ID:6n03H4Qu.net
花陽「お腹空いても、いつだってご飯用意出来るからね!!」

穂乃果「みんな……!!ありがとう!!!」

絵里「…この9人で、最期まで走り抜けましょう!
最終予選、必ず勝つわよ!!」

穂乃果「ぶーっ!!違うよ、絵里ちゃん!」

絵里「…え?」


ー右手を高々と挙げ、天を指差す穂乃果ー


穂乃果「目指すは、ラブライブ優勝!だよっ!!」

絵里「なっ…!」

花陽「え、えええ!?」

真姫「で、でもアナタ…」

穂乃果「わかってる。私、ラブライブ本戦まで持たないかもしれない。
でも、それとこれとは関係無いの!
私は、やっぱり、ラブライブ優勝を目指したい!!
前にそう言った時から、何も変わってないよ!

あの日、皆で同じ夢を描いた。

今までもずっと、そしてこれからも!

追い続けよう!最後まで!!」

海未(……あ…)

絵里(……空元気じゃ、ない)

にこ(ヤケクソでも、ないわ…この子…!)

海未(…今まで私が見てきた穂乃果の、
どんな表情よりも、明るく
眼が、輝いている…

これが…己の氏を直前に控えた少女の眼…?

違う…

この眼は、生きる希望に満ちた眼…!)

海未「穂乃果……!」

254: 2014/08/01(金) 21:54:45.20 ID:6n03H4Qu.net
ーラブライブ!・東京地区最終予選当日ー
ー最終予選会場ー

あんじゅ「…雪、あんまり酷くならなかったわね。
一時は大吹雪になるかも、なんて予報も流れてたのに」

ツバサ「…そうね。」

恵令奈「どうした?ツバサ。」

あんじゅ「随分浮かない顔ね。」

ツバサ「……音ノ木坂の知り合いから聞いたの。
μ'sの、高坂穂乃果さん。一週間前に倒れたらしいわ。」

恵令奈「…倒れた?」

ツバサ「…詳しくは知らないのだけれど、かなり悪い病気なのだそうよ。
練習中に意識不明に陥って、病院に緊急搬送されたって…。」

あんじゅ「…それじゃあ、今日は…?」

ツバサ「…出場の取り消し申請は、出されていないわ。
おそらく、穂乃果さんを除いた8人での出場になるのだと思う。」

恵令奈「……」

ツバサ「けれど、メンバーを一人…それもμ'sの中心を
支えていた穂乃果さんを欠いて、最高のパフォーマンスが出来るとは
到底思えない。メンバーもショックから立ち直ってないだろうし…。」

あんじゅ(…そう言うツバサも、結構落ち込んでいるわね。)

257: 2014/08/01(金) 22:02:44.54 ID:6n03H4Qu.net
ツバサ「…あなたと、この舞台で闘いたかったのに、穂乃果さん…」

恵令奈「…ツバサ、そろそろ私達も用意をしないと。」

ツバサ「……ええ、そうね、行きましょ……え?」


ドタタタタタタタタ…
バタバタバタバタバタバタバタバタ!!!!


にこ「だあ~~から!!私達だけでも先に会場行ってようって散々言ったでしょー!?」

希「しょうがないやん!!穂乃果ちゃんが皆で一緒に会場入りしたいってきかないんやもん!!」

絵里「皆で学校説明会に付き合ってたせいで、
会場到着予定時間を大幅にオーバーしちゃったわ!」

凛「えりちゃんすっごい説明口調だにゃ!!」

花陽「はわわわわわ!遅刻で失格になったらどうしよう!!
ダレカタスケテェ~~!!」

真姫「まったく、こんなとこで体力使っちゃってどうすんのよ!!」

ことり「でも良かったね!丁度良いタイミングで天気が晴れて!!」

海未「…昨晩、大雪によって遅刻する夢を見てうなされましたが…!
まさか、まさか大雪じゃなくても遅刻するなんて!!」


恵令奈「あれは…」

あんじゅ「μ'sのみんなね」

258: 2014/08/01(金) 22:05:57.76 ID:6n03H4Qu.net
穂乃果「でもでもでも!やっぱり皆で一緒に会場入りすると
テンション上がるよね!!ステージ見た!?すっごかったね!!」

ツバサ「……!!??」

あんじゅ「あらあら?」

海未「そんな余裕ありませんでしたよ!!それより早く受付を済ませて控え室へ!!」

穂乃果「いよーっし!皆で突っ走れーー!!」

にこ「言われなくてもとっくに全力疾走だってのーッ!!!」


バタバタバタバタバタバタバタバタ…


ツバサ「…穂乃果さん…!」

あんじゅ「…なんか、心配なさそうよ?あの子たち。」

恵令奈「それどころか、以前にも増して気合いに満ち溢れ過ぎているように見える。」

ツバサ「……ふふっ。そうね…!」

あんじゅ&恵令奈(すごい嬉しそう…。)

260: 2014/08/01(金) 22:17:53.37 ID:6n03H4Qu.net
ー出場者控え室ー

絵里「さあ、皆!本番の時間も近づいてきたけれど、ウォームアップは怠り無い?」

真姫「怠るどころか、やり過ぎも良いところよ…」

凛「にこちゃんなんて体力無いから風前の灯だにゃ~」

希「あちゃー、にこっち、志半ばにしてリタイアやん…。残念やぁ…。」

にこ「アンタらねえ…。いくらなんでも私だって今はそこそこ体力付いてるわよ!!」

コンコン

ことり「はーい、どうぞー」

ガチャッ

ツバサ「失礼します。こんにちは、μ'sの皆さん!」

花陽「!!!!はわわわわあ、あ、A-RISEの皆さん!!」

にこ「えっ!?あっ!!うそっ、ちょっ、まだ心の準備が…!!」

穂乃果「あー!!ツバサさん!お久しぶりです!!」

ツバサ「お久しぶり、穂乃果さん。元気そうで何よりだわ。」

穂乃果「エヘヘ、それだけが取り柄です!」

あんじゅ「いよいよ最終予選ね。お互いベストを尽くしましょ。」

海未「…ありがとうございます!A-RISEも。健闘をお祈りします。」

恵令奈「泣いても笑っても、今日でラブライブ決勝に出れるグループが決まる。」

ことり「……(ゴクッ)」

262: 2014/08/01(金) 22:23:08.42 ID:6n03H4Qu.net
ツバサ「…μ'sの皆さん。あなたたちと、このステージに立てることを誇りに思うわ。
だけど、前にも言ったけれど。

私達は負けません。

最高のパフォーマンスで、あなたたちに勝つわ!」

穂乃果「ツバサさん……」

μ's「……………」


穂乃果「あの、ツバサさん」

ツバサ「…何かしら、穂乃果さん」

穂乃果「……私達も、全力でステージに挑みます。

だから…!」


ーツバサの瞳をじっと見据え笑う穂乃果ー


穂乃果「皆で、一緒に!!最高のライブ作りましょう!!!」


ツバサ「ーーーー!!!!」

ゾクッ…

267: 2014/08/01(金) 22:36:21.32 ID:6n03H4Qu.net
ー控え室を後にしたA-RISEー

あんじゅ「宣戦布告したのに、なんだか流されちゃった感じね。」

ツバサ「………。」

恵令奈「…ツバサ?」

ツバサ(…高坂穂乃果。

不思議な空気を持った子だとは思ってたけれど…。

さっきの、あの子の眼…。

自信でも、
慢心でも、
楽観でも、
開き直りでもない、

何か、もっと別の…)

ツバサ「…心配なんてしている場合じゃなかった。
私達も、気合いを入れ直さないと…!」

あんじゅ「…どうしたの?急に焦りだして」

ツバサ「…今日は彼女たちの、μ'sの最大・最高のステージになる。」

恵令奈「…それは、予兆?」

ツバサ「いいえ。確信よ。」


ツバサ(…高坂穂乃果だけじゃない。

周りのメンバーも、皆、同じ瞳の輝きをしていた。

今の彼女らは…、間違いなく、最高の状態にある…!)

268: 2014/08/01(金) 22:44:34.86 ID:6n03H4Qu.net
ーμ's、出番直前のステージ裏ー

穂乃果「…いよいよだね。」

花陽「…なんでかな、さっきまで凄く緊張していたのに。」

凛「凛も…。なんだか今は、すっごく落ち着いてるよ。」

真姫「…皆で作った曲、早く聴いて貰いたいわ。」

希「なんや、今、すごい楽しいな…。」

絵里「そうね、皆で、存分に楽しみましょう!」

にこ「皆で今日一番の笑顔になりましょう!」

ことり「今日、ここに集まった、全ての人達で…!」

海未「私達と、出場したアイドルと、スタッフと、お客様全員とで!」

穂乃果「皆で、最高のライブにしよう!!!」

穂乃果「1!」
海未「2!」
ことり「3!」
真姫「4!」
凛「5!」
花陽「6!」
にこ「7!」
希「8!」
絵里「9!」


「μ's ミュージック スタート!!」

277: 2014/08/01(金) 23:23:36.62 ID:6n03H4Qu.net
ー年が明けて、1月某日・都内写真スタジオー

穂乃果「う~~~~ん…!うう~~~~ん…!」

真姫「ちょっとぉ、まだ決まらないの?」

凛「もう待ちくたびれたにゃ~。」

希「いっそ、クジ引きで決めたらどうやろ?」

穂乃果「うう~~、こういうポーズの方が良いかなぁ?
でもでも、アイドルらしくこういうポーズも…。」

にこ「…あのねえ!!今日は私達μ'sの
集合写真を撮りに来てんのよ!?
地区予選の優勝記念写真なんだから!
アンタの遺影はついでよ、ついで!!
一体アンタ一人で何枚撮ってんのよ!!」

穂乃果「に、にこちゃん、ヒドイ!!遺影だよ?遺影!!
一生に一度の遺影なのに、ツマンナイ写真なんて撮りたくないよぉ~~!!」

にこ「一生どころか氏んだ後に使うものじゃない!
遺影なんて、テキトーに『イエ~イ☆』って
撮っておきゃ良いのよ!」

穂乃果「………うわぁ…」

真姫「……今のは、無いわね」

凛「かなり寒くないかにゃ~?(のωの)」

にこ「…ううう、うるさいうるさい!!
いーから、さっさと撮っちゃいなさいよ!!!」

279: 2014/08/01(金) 23:32:18.32 ID:6n03H4Qu.net
穂乃果「あっ!じゃあさ、じゃあさ!μ'sの集合写真を私の遺影にして良い!?
そうすれば一石二鳥だよ!!」

にこ「っはあ~~!?バカも休み休み言いなさいよ!!
私らまで氏んだみたいになるじゃない!縁起でもない!!」

海未「…穂乃果、こだわる気持ちもわかりますが、
スタジオの使用時間が残り僅かです。」

ことり「さっき撮ってた写真も、どれも可愛いと思うんだけどな~」

穂乃果「…せっかくならさ。お葬式に来た人にも、笑顔になって帰って貰いたいなって。
私一人の写真じゃ、どうしても寂しい感じが出ちゃうけど、
皆で写ってたら、きっと楽しい雰囲気が出るんじゃないかな?」

にこ「う……」

絵里「穂乃果…」

ことり「…穂乃果ちゃん…」

穂乃果「…だ、ダメ、かな?」


「……………」


にこ「…その聞き方は、ズルいわよ…」

真姫「でも、遺影に当事者以外が写るのはどうなのかしら…」

希「…なら、こういうのはどうやろ?
『誰がどう見たって遺影に見えない遺影』を作るん♪」

「……………?」

ことり「誰がどう見たって…?」

花陽「遺影に見えない遺影…?」

280: 2014/08/01(金) 23:37:55.39 ID:6n03H4Qu.net
カメラのお姉さん「……はい、それじゃ撮りますよ~!
ッ…プッ…!クススス…!は、はい、チーズ!!!」

カシャッ


ー9人がとんでもない変顔をしている集合写真が撮られるー


穂乃果「…ブッ!!はははははははは!!!へ、変な顔…!ひ、ひ~!」

ことり「……う、うわ~~…」

海未「い、いくら試し撮りとはいえ、これは強烈ですね…」

真姫「自分でやっておいてなんだけど、アイドルがやる顔じゃないわ…」

絵里「は、ハラショ~…!」

花陽「こ、こんなの人に見せられないよ…」

凛「凛はかよちんの変顔も好きにゃ~!」

にこ「…情に訴えかけられて、流されちゃったとはいえ
とんでもない写真を撮ってしまったわ…
こ、この写真、今すぐ処分なさい!処分!!」

希「え~?ええやん!記念にとっておこうよ!
ほんなら、次は全員で『悩殺セクシーポーズ』の集合写真を…」

海未「そ…!それだけは、例え試し撮りでも無理です!!できません!!」

穂乃果「え~?ならやっぱり、この変顔写真を遺影に…」

にこ「アホーー!!アホのか!!却下却下きゃっかーー!!!」

307: 2014/08/02(土) 10:09:27.13 ID:xjjnDPJf.net
ー2月下旬のある日・病室ー

穂乃果「…な、なんとか今回もギリギリセーフだったよ…あはは…」

絵里「…い、いつ倒れてもおかしくない状態が続いてるとはいえ、
今年に入ってこれで3回目の緊急搬送…
毎度毎度心臓に悪いわね…!」

真姫「…ただ、流石に今回は泣くのを保留にしてる人も見受けられたわね…」

にこ「ゼェ…ゼェ…こんだけ毎回氏ぬ氏ぬ詐欺やらかしてくれたら
そりゃ疑心暗鬼にもなるっての…(ゲッソリ)」

穂乃果「い、いやぁ~、案外しぶといね、私って!」

海未「…まったく…すぐお調子に乗る…」

ことり「…私は毎回、顔が涙でクチャクチャだよ…」

穂乃果「…ご、ごめんね。ことりちゃん…」

ことり「…ううん、でも。今回も生きてて良かった…穂乃果ちゃん…!」

希「なんだかんだで、もう2月やんな。穂乃果ちゃん、相当頑張ってるで!」

真姫「当初の予定より、病気の進行が鈍化してるって、主治医の先生が。
だけど、あくまで進行が遅いってだけだから、
本当に一時も気が抜けないのよ。」

絵里「…それでも、穂乃果の命が『3ヶ月』を超えたことは
素直に喜ばしいことね」

凛「流石に、1月末に倒れた時はもうダメかと思ったよ。
皆でわんわん泣いて…。
泣いてるうちに、ひょっこり穂乃果ちゃん起きてて…」

花陽「あの日、穂乃果ちゃんが余命の宣告を受けてから、
本当にキッチリ3ヶ月だったもんね…」

308: 2014/08/02(土) 10:10:51.39 ID:xjjnDPJf.net
ー時は少し遡って、1月下旬・某日ー

ガラガラガラガラ(病院に緊急搬送される穂乃果)

絵里「穂乃果!!穂乃果!!しっかりしなさい!!」

ことり「ほのかちゃん!!起きてほのかちゃん!!!!!」

海未「穂乃果!!グスッ…穂乃果…!!!」

希「穂乃果ちゃん!!」

にこ「いつまで寝てんのよ穂乃果ァ!!」

真姫「穂乃果!!!ほのかぁ!!」

凛「うええええん!!穂乃果ちゃあん…」

花陽「いやだよこんなの…いやだよ…!」

穂乃果(ああ…3ヶ月…あっという間だったなぁ…)


そう、これが私、余命宣告から3ヶ月後の高坂穂乃果、高校2年生



…確かに、あの時はもう駄目かと思った

いよいよ、最期なんだって、私含めて全員そう思ってた

けれど、生き延びた

その次に倒れた時も、そして今回も

私、まだ、生きてる

私、まだ、みんなと居られる

309: 2014/08/02(土) 10:12:34.63 ID:xjjnDPJf.net
穂乃果「…みんな、いつもいつも心配させてごめんね…。
そして、引き続き、よろしくお願いします!」

真姫「…もうここまできたら、私達も根比べね。」

絵里「…そうね、せっかく穂乃果がこんだけ頑張ってるんだもの!
私達が根を上げてちゃいけないわ!」

にこ「もう、こうなったらアンタ引きずってでもラブライブで優勝してやるんだから!」

穂乃果「うん!もし、ステージ上で倒れちゃったら、
その時はゴメンね!!」

にこ「!!そんなマンガの主人公みたいな展開、許さないわよ!!!
アンタばっか目立っちゃうじゃない!!!」

希「…にこっち、今ちょっと羨ましいとか思ったやろ…(ジト目)」

にこ「!?お、おおお思ってないけど!?何を根拠に!?」

穂乃果「なるほど…!ステージ上で儚く散っていく、薄幸のアイドル……!!
…イイかも…!!」

真姫「…あんまり、薄幸って感じはしないわね…」

凛「………かよちんも、ちょっと憧れてるにゃ?」

花陽「ひえっ!?そ、そんな事無いよ!?」

「クスクス…」
「ふふふっ…」

311: 2014/08/02(土) 10:14:37.74 ID:xjjnDPJf.net
ー同日、皆が帰った後に一人、穂乃果の病室に戻ってきた真姫ー

真姫「………あの、穂乃果…」

穂乃果「……真姫ちゃん?どうしたの?」

真姫「…あの、ほ、穂乃果。体調はどう?」

穂乃果「……んー、…」

真姫「…あっ、あの、主治医の先生がね、きっと、3月までは持つだろうって!
先生も、穂乃果の強靭な生命力に驚いていたわ!」

穂乃果「…真姫ちゃん、大丈夫、大丈夫だよ。私、ちゃんとわかってる。」

真姫「………え……」

穂乃果「……病気の進行が遅くなってるなんて、ウソだよね?
多分、だけど、もう私の身体、色んなところがおかしくなってて、
単に今、体調が良いのか、そうじゃないのかが
段々わからなくなってきてるだけなんだと思う」

真姫「…!!…………そう、そうよ。穂乃果の考えている通り。
先生は、立って動いていることが奇跡的だって…」

穂乃果「…そうだよね。無茶してばっかりだもん」

真姫「………ごめんなさい、嘘、ついて…」

穂乃果「謝らないで。真姫ちゃん、優しいから。気持ち、凄い嬉しいよ!
でも、大丈夫!!身体がわけわからない事になってるなら
わけわからないまま、走り続けるだけ、だよ!!」

真姫「…………穂乃果……!!」

穂乃果「だから…ね?真姫ちゃんも、一緒に!!」

ー真姫を抱きしめる穂乃果ー

真姫「………うん……………うん…………!!」

320: 2014/08/02(土) 12:36:46.00 ID:xjjnDPJf.net
ー3月某日・ラブライブ!本戦ー
ーμ's、出番直前ー


穂乃果「…………」


ー他のメンバーから少し離れた場所ー


穂乃果「…………んー………」


ー自分の身体のあちこちを、しきりに気にする穂乃果ー


穂乃果(……マズいなぁ、これ。自分で言うのもなんだけど、
よく立ててるな、私…)

海未「…………穂乃果、本当に大丈夫なのですか?」

穂乃果「…うん、大丈夫だよ。やれる。
せっかくここまで来れたんだもん。
最後まで…皆と舞台に上がるよ!」

海未「……私も、この期に及んで今更「無理するな」なんて言いません。
此処に、ラブライブに、私達の全てを置いて行きましょう…!」

穂乃果「うん…ありがとう、海未ちゃん!」

穂乃果(そう、皆、ここまで私の事を支えてくれた。

私の事を見守ってくれた。

私は……最後まで、やり遂げたいの。)


穂乃果「………だから…!」


だから、私の身体。

もうちょっとだけ、騙されてて。

まだ元気だって、思い込んでいて。

321: 2014/08/02(土) 12:39:23.49 ID:xjjnDPJf.net
ーμ'sの演目『Kira-Kira Sensation!』終了ー
ー舞台裏ー

穂乃果「っはあっ……っはあっ…!っはあっ…!!」

ことり「穂乃果ちゃん!しっかりして!!」

海未「穂乃果!!気を確かに!!」

真姫「穂乃果、酸素ボンベ使って!!今救急車呼ぶから!!!」

穂乃果「…駄目…!まだ、結果が、出てないよ…。
はぁ…はぁ…。ここで…帰るわけには…」

真姫「何言ってるのよ!私達は完璧なステージを披露したわ!!
もう…もう充分でしょう!?」

絵里「真姫…、ちょっと待って。」

真姫「絵里…!」

絵里「…穂乃果、聞こえる…?」

穂乃果「…えりちゃん……なにが…?」

絵里「……観客の、声よ」

穂乃果「………え…?」


……コール!

アンコール!!

アンコール!!!

アンコール!!!!


穂乃果「……あ…」

322: 2014/08/02(土) 12:42:39.75 ID:xjjnDPJf.net
絵里「…どうする?穂乃果」

真姫「!?…絵里!!アナタ正気なの!!??」

にこ「真姫、ちょっと黙りなさい」

真姫「…ッにこちゃん…!」

にこ「…決めたでしょ?私達。穂乃果の最期の瞬間まで、μ'sをやり続けるって。」

真姫「……けど……穂乃果、こんなに苦しそうなのに、見過ごせないわ!!」

穂乃果「………真姫ちゃん、ありがとう。
真姫ちゃん、流石お医者様の娘だね!」

真姫「……そんなんじゃないわよ…。アナタが…
穂乃果の事が……!!」

穂乃果「……うん、わかってる。」

ー真姫の頭の上に、ぽん、と右手を乗せる穂乃果ー

真姫「……!!…」


穂乃果「…皆が、呼んでる。行かなきゃ。」


絵里「………穂乃果、良いのね?」

穂乃果「うん……私、まだやれるよ!」

絵里「……ええ!それなら、行きましょう!」

323: 2014/08/02(土) 12:44:42.06 ID:xjjnDPJf.net
絵里(…間違いなく、これが私達の…穂乃果の最期のステージになる)


希(…全部見届けるって、決めた…)


にこ(最期まで、一緒にアイドルやるって、決めた)


凛(穂乃果ちゃんの事が大好きだから…)


花陽(穂乃果ちゃんと、一緒にアイドルをやるのが大好きだから…)


真姫(…穂乃果の居た、μ'sが、大好きだから…!)


ことり(穂乃果ちゃんの『今』を、皆で届けよう…)


海未(穂乃果と、私達の、かけがえのない『今』を…!)




穂乃果「……皆、行くよ!!」

328: 2014/08/02(土) 13:04:50.53 ID:xjjnDPJf.net
ー3月某日・音ノ木坂学院卒業式当日ー

ー高坂家・穂乃果の自室ー

海未「…それでは、穂乃果。今日の送辞は私が代理を努めます」

穂乃果「うう…ゲホゲホ。世話をかけるネェ…」

海未「…具合が悪い様にはとても見えませんね…」

ことり「穂乃果ちゃん、卒業式は私達に任せて、ゆっくり休んでね。」

穂乃果「ありがとう、ことりちゃん!あーあ、でも残念だなー。
絵里ちゃんとにこちゃんと希ちゃんの卒業を
ちゃんと見送りたかったなー!お留守番なんてつまんないよぉ~!」

にこ「今にも人生卒業しそうなヤツが、生意気言ってんじゃないわよ!
帰りにも寄ってあげるから、さっさと元気になりなさいよ。」

希「無茶して抜け出して来たりしたら、わしわしMAXやでぇ!?」

穂乃果「ギクッ…!や、やだなあ!ソンナコトシナイヨォ~?」

絵里「…それじゃあ、卒業式、行ってくるわね。
帰りに何か買って来て欲しい物はある?」

穂乃果「…んー、いいや。ありがとう、絵里ちゃん!」

絵里「そう?…じゃあ、また後でね。」

穂乃果「うん!みんな、いってらっしゃい!」

329: 2014/08/02(土) 13:08:18.44 ID:xjjnDPJf.net
穂乃果母「穂乃果ー?具合はどう?」

穂乃果「あ、お母さん。うん、ちょっと楽になってきたよ。
……みんな、まだ帰ってこない?」

穂乃果母「何言ってんの。さっき出て行ったばっかりじゃない。」

穂乃果「…そっか………残念だなぁ………」

穂乃果母「……穂乃果?」

穂乃果「…お母さん、あのね。これ、μ'sの皆が帰ってきたら渡して」

穂乃果母「…なぁに?これ、メモ書き?」

穂乃果「お願い、お母さん」

穂乃果母「それなら、自分で直接……」


穂乃果「……(にこっ)」


穂乃果母「…………ええ、わかったわ。渡しておく」

穂乃果「…えへへ、ありがとう、お母さん…」

332: 2014/08/02(土) 13:10:29.38 ID:xjjnDPJf.net
穂乃果母「……穂乃果、何か、食べたいものある?何か作ってこようか?」

穂乃果「…んーん、何もいらない。ここに居て。」

穂乃果母「…そう?」

穂乃果「…………お母さん。」

穂乃果母「…なぁに?」

穂乃果「…穂乃果の左手、握って?」

穂乃果母「…左手を?わかったわ」


ぎゅっ


穂乃果「……えへへ…ぎゅーっ」

穂乃果母「……もう、甘えん坊ね、穂乃果は…」

穂乃果「……ねえ、お母さん。穂乃果ね、ちょっと寝るから…ね」

穂乃果母「…ええ。」

穂乃果「寝るまで…、左手…、離さないでね…?」

穂乃果母「…………ええ、離さないわ…」

穂乃果「………お母さん、大好きだよ…」

穂乃果母「…お母さんも、穂乃果の事が大好きよ…」

穂乃果「…おやすみなさい、お母さん……」

穂乃果母「…………おやすみなさい、穂乃果…」

333: 2014/08/02(土) 13:11:29.39 ID:xjjnDPJf.net
ことりちゃん


海未ちゃん


花陽ちゃん


真姫ちゃん


凛ちゃん


にこちゃん


希ちゃん


絵里ちゃん



みんな

みんな 今まで ありがとう



だいすきだよ

337: 2014/08/02(土) 13:19:21.81 ID:xjjnDPJf.net
ー穂乃果の自室ー

ー穂乃果が息を引き取ってから2時間後ー


ことり「……穂乃果ちゃん」

海未「……穂乃果…」

真姫「…………穂乃果」

凛「穂乃果ちゃん…」

花陽「…穂乃果ちゃん」

にこ「…………」

希「穂乃果ちゃん……」

絵里「…………穂乃果……」


にこ「…………最期の瞬間まで、皆と一緒に居るって言っときながら、
どこまでも勝手な奴ね……」

ー穂乃果の頬をなでる花陽ー

花陽「…でも、不思議と、離れ離れになってた気がしないね…」

凛「…なんか、今も、そんなに哀しくも寂しくもないの…なんでかな…?」

希「…多分、穂乃果ちゃんも、ウチらと同じ気持ちやったんやないかな。」

絵里「…そうね、だから、こんな穏やかな顔をして、眠りについたのかもね…」

ことり「……ふふっ、穂乃果ちゃん、まるで楽しい夢を見ながら寝てるみたい」

海未「…笑いながら生涯を終えるなんて、なんとも穂乃果らしいですね。」

338: 2014/08/02(土) 13:22:10.46 ID:xjjnDPJf.net
ー穂乃果の自室には、ラブライブの優勝旗と優勝トロフィーが飾られていたー



絵里「…私達も、穂乃果に、たくさんたくさん夢を見させて貰ったわ。」


ことり「……穂乃果ちゃん、私、穂乃果ちゃんと同じ時を過ごせて、嬉しかったよ。」


海未「……お疲れ様、穂乃果。よく、よく今まで、頑張りましたね…!」


希「…楽しかったよ、穂乃果ちゃん…!」


真姫「…ありがとう、穂乃果。」


花陽「…私、穂乃果ちゃんとアイドルやれて、幸せだったよ。」


凛「穂乃果ちゃん、大好きだよ。ずっと、ずっと大好きだよ…!」


にこ「…私が見たアイドルの中で、一番カッコ良かったわよ。穂乃果。」

339: 2014/08/02(土) 13:26:00.72 ID:xjjnDPJf.net
穂乃果母「……μ'sの皆さん、本当に、本当にありがとう。
あなたたちのおかげで、穂乃果は、本当に幸せそうでした。」

海未「……お礼を言うのはこちらの方です。」

ことり「穂乃果ちゃんと、最期まで、一緒に居させてくれて、
ありがとうございました…!」

絵里「…私達、とても幸せでした…!」

穂乃果母「………私も、私達家族も、とても幸せだったわ…」



「………………………」



穂乃果母「………そうだ。はい。これ、穂乃果から。あなたたちにって」

海未「え…なんです?この紙切れは…」

希「それを、穂乃果ちゃんが?」

真姫「…何か、書いてあるの?」


海未「…一言、『右手』と。」

にこ「……は?」

凛「穂乃果ちゃんの、右手の事かにゃ?」

バサッ


凛「……あ……」


ー布団をめくると、穂乃果の右手は、
手の甲を上にした状態でピースサインを作っていたー

342: 2014/08/02(土) 13:28:39.05 ID:xjjnDPJf.net
「…ふふっ」
「くすくす…」
「あははっ…」



ー穂乃果の周りに集まり、円陣を組む8人ー



穂乃果「……」

海未「…2!」

ことり「3!」

真姫「4!」

凛「5!」

花陽「6!」

にこ「7!」

希「8!」

絵里「9!」


「μ's ミュージック スタート!!」

345: 2014/08/02(土) 13:35:49.45 ID:xjjnDPJf.net
【エピローグ】


ー音ノ木坂学院講堂・高坂穂乃果告別式会場ー


海未「……どうしましょう、この空気…」

ことり「…み、皆の視線が痛いよぅ…!」

絵里「…ハラショー…!」

花陽「ううう~!!ダレカタスケテェ…!!!」

真姫「…イミワカンナイ…」

希「…針のむしろって、まさにこの事やんな…」

凛「にこちゃん!!もう手遅れにゃ!諦めるにゃ!!」

にこ「凛!!離しなさい!!せめて私の、私の部分だけでもペンキで
塗り潰させてええええええ!!!!」



ー講堂のステージに設けられた献花台ー

ーそこには、μ's9人がとんでもない変顔で写っている集合写真が飾られていたー

348: 2014/08/02(土) 13:38:17.64 ID:xjjnDPJf.net
~穂乃果が息を引き取った日に話は遡る~


「μ's ミュージック スタート!!」



花陽「………あれ?…ねえ、皆。穂乃果ちゃん、右手に何か握ってるよ?」

海未「……え?」

ことり「どうしたの?」

花陽「………えっと、あれ?これもまた紙切れだ。」

にこ「…なんでそんな凝った氏に方してんのよこいつは…」

凛「また何か書いてあるにゃ?」

花陽「…えーっと………え…?」

7人「?」


花陽「え…ええええええええええ!!!!?????」


ーメモには『遺言』と大きく書かれており

「私のお葬式の遺影には、例の変顔集合写真を使ってね♪ファイトだよっ!」

と書かれていたー

351: 2014/08/02(土) 13:44:02.70 ID:xjjnDPJf.net
希「…穂乃果ちゃんの、最後の願いやもん。叶えてあげなアカン!(キリッ)」

にこ「なーにドヤ顔でカッコつけてんのよ!!
アンタこの状況わかってんの!!??
来場者全員、失笑するかドン引きするかの
どっちかじゃない!!!!」

真姫「….さっき来た、A-RISEの人達は大爆笑してたけどね」

ことり「…でも、穂乃果ちゃんが望んだ通り、
悲しい気持ちになってる人たちは居ないみたいだよ?」

にこ「私の気持ちが悲しさMAXだっつーの!!!」

凛「むぅー、もう、にこちゃん往生際が悪いにゃー。
凛はこの写真、結構好きだよ?」

花陽「え、ええ~!?ど、どの辺が…?」

凛「だって、穂乃果ちゃん、すっごく楽しそうだもん!!」

花陽「………あ…」




海未「…確かに、穂乃果にだけ目を向ければ、そうですね…」

希「…せやなぁ。写真撮影の時、まだまだ元気ではしゃいでたもんなぁ」

絵里「…まあ、最期まであの子の好きにさせようって決めたし、
諦めるしかないわね。」

にこ「…無理やり良い話っぽくまとめてんじゃないわよ。ったく」

353: 2014/08/02(土) 13:48:12.59 ID:xjjnDPJf.net
ー告別式は(遺影以外に関しては)滞りなく進み、
次はいよいよμ'sの出番になったー


絵里「…あの、流石に、このプログラムの時は
遺影を一旦しまって貰いましょう…?」


ー絵里のこの提案には、流石に反対する者は一人も居なかったー





海未「…え、えーっと。ご来場の皆様、こんにちは!
わ、私達は音ノ木坂学院のスクールアイドル、μ'sです!」


ことり「私達のμ'sは、この度亡くなられた、高坂穂乃果ちゃんが創りました!」


花陽「私達は、穂乃果ちゃんの呼びかけで集まりました!」


凛「最初は上手くいかない事もあったけれど、段々形になっていきました!」


真姫「私達は、穂乃果と創りあげた、このμ'sを誇りに思っています!」


にこ「たまに衝突したりすることもあったけれど…、
穂乃果と、アイドルをやれたこと、私たちの宝物です!」


希「私達は、このμ'sと、穂乃果ちゃんの事が大好きです!!」


絵里「今日の式は、名目上告別式という名前を使ってはいますが…、
私達は、お別れだとは思っていません。
それは、穂乃果の願いでもあります!」

354: 2014/08/02(土) 13:51:30.02 ID:xjjnDPJf.net
海未「この式は、穂乃果と共にあった、かけがえのない時間を、
今ここにいる皆で確かめ合う為のものです!」


ことり「穂乃果ちゃんの事が大好きだった人たちと、
穂乃果ちゃんが大好きだった皆とで、
ステキな時間を過ごして貰えたらと思います!」



μ's「これから歌う曲は、穂乃果が生前に遺した歌声と、
今の私達とで歌います!!」


μ's「皆さんも、是非一緒に楽しんでいってください!!」


μ's「皆さんのこれからが、素晴らしいものになる事を心から願って!!」




それじゃあ、みんな!いっくよぉー!!




μ's「聴いてください!!『僕らのLIVE 君とのLIFE』!!!」




ーENDー

355: 2014/08/02(土) 13:52:00.23 ID:xjjnDPJf.net
ほのきちさまでした(とんずら)

358: 2014/08/02(土) 13:56:26.51 ID:kCZXO2j1.net
はい乙でした

361: 2014/08/02(土) 13:58:22.42 ID:I1Q/Mpgi.net

普通に泣いた

424: 2014/08/03(日) 12:03:10.04 ID:8BtHx/1Z.net
【番外編:雪穂と亜里沙の夢】


ー8月3日・高坂家の仏壇の前ー

雪穂「…お姉ちゃん、おはよう!今日はね、亜里沙連れてきたよ!」

亜里沙「こんにちは!お久しぶりです、穂乃果さん!」

雪穂「お姉ちゃん、私達、今度初めて二人だけでライブやるの!
今まではアイドル部の他の皆に混じって参加させて貰ってたけど、
今度は私と亜里沙の二人だけで演れるの!」

亜里沙「私、もう今から楽しみで!!
不安と緊張で喉から手が飛び出そうです!!」

雪穂「…亜里沙、それ日本語間違ってる」

亜里沙「!?ハラショー!」



雪穂「……お姉ちゃん、私たち、お姉ちゃんの歌を、
いつも励みにして頑張ってるよ。

あの日、お姉ちゃんが私達に唄ってくれた歌ー」

425: 2014/08/03(日) 12:04:34.06 ID:8BtHx/1Z.net
ー2月上旬・高坂家ー

雪穂「ち、ちょっとお姉ちゃん!!今日も練習行くの!?」

穂乃果「うん!だってラブライブ本戦まで時間無いもん!
できるだけ皆と一緒に練習しておかなきゃ!」

雪穂「…で、でも先週倒れて入院したばっかりなんだし、
休日くらい家で休んだ方が良いんじゃない?」

穂乃果「…先週倒れちゃったからこそ、だよ!
皆の練習もストップさせちゃったし、今日はしっかりやらないと!
それに…」

雪穂「…それに?」

穂乃果「…少しでも長く、μ'sの皆と一緒に居たいの!」

雪穂「……!」

穂乃果「…だから、私、行くね!心配してくれてありがとう、雪穂!!」

雪穂「……わかった、でも、だったら少し待ってて!」

穂乃果「へ?」

ー10分後ー

雪穂「お待たせ!お姉ちゃん!!」

穂乃果「!?雪穂、どうしたの!?ジャージなんか着て!」

雪穂「…今日から休日の練習には、私も付いてく!!
さっき、亜里沙も誘ったら一緒に行くって!!」

穂乃果「……え?」

雪穂「……私だって……!

私だってお姉ちゃんともっと一緒に居たいよ!!」

穂乃果「……!雪穂……!」

雪穂「だから、お姉ちゃんの練習してる姿、たくさん目に焼き付けておくの!
もちろん、お手伝いもたくさんするよ!!

…だから、お願い、お姉ちゃん!!私も連れてって!」

穂乃果「………うん!わかった、一緒に行こう!!」

雪穂「……お姉ちゃん!!ありがとう!!」

426: 2014/08/03(日) 12:05:33.56 ID:8BtHx/1Z.net
ー音ノ木坂学院・屋上ー

ワン・ツー・スリー・フォー
ワン・ツー・スリー・フォー

雪穂「………凄い…!」

亜里沙「……ハラショー…!」

雪穂「…大変な練習を積んでるとは聞いてたけど、予想以上だよ…」

亜里沙「…でも、凄く大変そうなのに、みんな楽しそう…!!」

雪穂「……そうだね…!私達も、μ'sを超えるアイドルを目指すなら、
春から猛特訓しなきゃ………」


雪穂(………あ………)


亜里沙「……雪穂?どうしたの?」

雪穂「……あ、う、ううん。なんでもない!
私達も、負けてられないよね!!」

亜里沙「うん!一緒に、頑張ろうね!!」



雪穂(………そっか…

私がスクールアイドルになっても…



その時、お姉ちゃんは……)

427: 2014/08/03(日) 12:07:35.82 ID:8BtHx/1Z.net
ー練習からの帰り道ー

穂乃果「ん~~~!今日も疲れたな~~~!
早くお家帰って熱~~いお風呂に入りたいなー!!」

雪穂「…ちょっと、お姉ちゃんオッサンくさいよー!」

穂乃果「えっへへー!…雪穂、今日練習見てて、どうだった?」

雪穂「……うん。凄かった。皆の必氏さが伝わってきたし…
でも、皆あんなに楽しそうで……。」

穂乃果「でしょー!?そこがμ'sのイイトコなんだよねー!!」

雪穂「…私も、亜里沙も、音ノ木坂入ったら
あんな風に頑張れるかな…」

穂乃果「……雪穂なら、大丈夫だよ!私よりシッカリしてるもん!」


「………………」


雪穂「…………お姉ちゃん。」

穂乃果「うん?」

雪穂「……私がスクールアイドルになっても、お姉ちゃん……」

穂乃果「………え?」

雪穂「…………ううん!なんでもない!私、春から絶対頑張るからね!!」

穂乃果「……あ、う、うん!!応援するよ!!」

雪穂「…………うん…!」

穂乃果(………雪穂………)

429: 2014/08/03(日) 12:11:19.57 ID:8BtHx/1Z.net
ーとある日の放課後・音楽室ー

穂乃果「神様仏様真姫ちゃん様!!無理を承知でお願いします!!」

真姫「……なんなのよ、急に呼び出して…。
今日は練習お休みなんだから、はやく帰って身体休めた方が…。」

穂乃果「真姫ちゃん!あのねあのね!!」

真姫「…聞く耳持たずね…」

穂乃果「これ!!3日かけて作ったんだ!!見て見て!!」

真姫「…なにこれ…?詩…?」

穂乃果「真姫ちゃん!これに曲付けて!!」

真姫「!!!ハア!?!!??今から!!??」

穂乃果「お願い!!あんまり時間無いの!!私も手伝うから!!」

真姫「て、手伝うからって言われても…」

穂乃果「………雪穂と亜里沙ちゃんね、来年スクールアイドルやりたいんだって」

真姫「……ああ、だからこの前練習を見学に来てたのね」

穂乃果「うん…でもね、私は、もしかしたら、
あの子達がアイドルとして活動する所、見られないかもしれない。
あの子達を応援したいのに、その時私はもう居ないかもしれない」

真姫「……あ…」

穂乃果「だから、だからね!今のうちに、
私が元気なうちに、あの子達を応援したいの!!
だから、歌詞を作ったの!!私の、精一杯の応援!!」

真姫「……穂乃果……。」

穂乃果「……だから、お願い。真姫ちゃん。真姫ちゃんにしか頼める人、居ないの!」

真姫「……全く…強引な人なんだから…。」

ーピアノの椅子に座る真姫ー

真姫「…さ、時間無いんでしょ?さっさと始めましよ!」

穂乃果「………まぁ~きちゃあああん!!だいすきいいい!!!」

真姫「ち、ちょっと!!そ、そういうのいいから!!鬱陶しいわねー!!」

430: 2014/08/03(日) 12:13:20.32 ID:8BtHx/1Z.net
ー2月中旬の休日ー

穂乃果「ささ、雪穂、亜里沙ちゃん、こっちこっち!」

雪穂「…どうしたの?お姉ちゃん。練習前に…」

亜里沙「ここは……音楽室ですか?」

穂乃果「二人に、聴いて欲しい歌があって、練習前に時間貰ったんだ!」


雪穂「…私達に…」

亜里沙「聞いて欲しい曲…?」


穂乃果「…私ね。雪穂と亜里沙ちゃんが、
どんなスクールアイドルになるのか、
すっごく、すっごく楽しみなんだ!!」

雪穂「………!」

穂乃果「…でも、私は、二人も知っての通り、
それを見届ける事が出来ないかもしれないの。」

亜里沙「……穂乃果さん……」

穂乃果「…だからね!私、歌を作ったの!
真姫ちゃんに協力して貰って、精一杯作ったの!
今も、そして未来も、頑張ってる誰かを、応援する歌を!!」

雪穂「………お姉ちゃん……」

穂乃果「まだ、振り付けも無い曲なんだけど、一所懸命歌うから!
真姫ちゃん!伴奏準備良い!?」

真姫「ええ、いつでも良いわよ!」


穂乃果「それでは唄います!!


雪穂!!亜里沙ちゃん!!


ファイトだよっ!!!」

431: 2014/08/03(日) 12:15:09.01 ID:8BtHx/1Z.net
パチパチ…
パチパチパチパチパチパチ!!!


ー唄い終える穂乃果、拍手をする雪穂と亜里沙ー


穂乃果「はぁ…はぁ…!ど、どうだったかな!?」

亜里沙「わああああ!!凄いです!!
私、感動しちゃいました!!!ハラショー!!」

雪穂「……うっく……ひっく……!」

穂乃果「……雪穂、どうだった?私の唄!」

雪穂「……ふぇえ……お姉ちゃん……お姉ちゃぁん……!!!」

穂乃果「……雪穂、亜里沙ちゃん。」


ー雪穂と亜里沙を抱き寄せる穂乃果ー


穂乃果「私ね、ずっと応援してるよ!二人の事!
雪穂と亜里沙ちゃんなら、絶対ぜったい、
ステキなスクールアイドルになれるよ!!」

亜里沙「グスッ……はい……!なります…!
絶対、ステキなスクールアイドルになります!!」

雪穂「……お姉ちゃん……!!生きててよ……!!
私、お姉ちゃんに…見てもらいたいよぉ……!!
私と亜里沙がアイドルやってる所、見てくれなきゃヤダよぉ……!!」

穂乃果「……見たいよ、私も……!すっごくすっごく見たいよ…!!
だから、たくさんたくさん歌って!!
二人の歌声が、私にまで届くくらい!!
たくさん、たくさん歌って!!!」

雪穂「うん………うん…………!!約束する……!!
ラブライブで優勝するくらい凄いアイドルになって、
たくさん、たくさん唄うから……!!
お姉ちゃんに届くくらい……唄うから……!!!」

432: 2014/08/03(日) 12:17:14.30 ID:8BtHx/1Z.net
ー8月3日・高坂家の仏壇の前ー

雪穂「…見て、お姉ちゃん!!私達のステージ衣装だよ!!
ことりちゃんと一緒に作ったんだ!!」

亜里沙「これを着て、私達、初ライブやります!!
まだオリジナル曲は少ないから、カバー曲もいくつかやるんです!」

雪穂「…でね、そのカバー曲の一つ。
お姉ちゃんが私達に唄ってくれた曲をやることにしたの!」

亜里沙「穂乃果さんの応援…!
いつも私達を励ましてくれてる事に感謝して、
あの曲を唄います!!」

雪穂「振り付けも二人で考えたんだ!!今からやるから、見ててね!!」

ー立ち上がる二人ー


雪穂「…お姉ちゃん、お誕生日おめでとう!!」


雪穂&亜里沙「聴いてください!!『夢なき夢は夢じゃない』!!」

せーのっ

雪穂&亜里沙「ファイトだよっ!!」


うんっ!!ファイトだよっ!!!



ーENDー

433: 2014/08/03(日) 12:18:16.88 ID:8BtHx/1Z.net
ほ誕生日ほめでとうございます

434: 2014/08/03(日) 12:21:44.98 ID:ImfO8auf.net
やっぱり穂乃果って太陽だわ……

引用元: 穂乃果「……余命3ヶ月?」