1: 2010/02/11(木) 15:44:11.71 ID:1taSmAqx0
ごめんね りっちゃん

たぶん衛星で捉えられてる

もうどこにも逃げ場所はないんだ

2: 2010/02/11(木) 15:46:28.00 ID:1taSmAqx0
律「ゆいー 早くしろよー」

唯「ちょっと待ってー りっちゃん」

唯「このカバン重いんだよー」

律「まったくしょうがねぇなぁ」


一昨日から私たちは付き合うようになった
唯が私に告白してきたのだ
けいおん! 1巻 (まんがタイムKRコミックス)
5: 2010/02/11(木) 15:48:59.81 ID:1taSmAqx0
唯「りっちゃん、私とつきあってくれないかなぁ?」

律「は!?何言ってるんだお前は?」

唯「本気なんだよ」

律「つきあうって私たちは…」

7: 2010/02/11(木) 15:53:51.43 ID:1taSmAqx0
唯「でも好きなんだもん」

律「簡単に言うなよ」

唯「私が嫌い?」

律「嫌いじゃないけど」

唯「じゃあつきあってください」

律「うーん…」

9: 2010/02/11(木) 15:56:27.70 ID:1taSmAqx0
律「まぁいいけどさ」

唯「ほんと!?」

唯「バンザーイ!」

律「(でも、つきあうってどうするんだよ?)」

何気なくOKしてしまった。



澪「唯とつきあってるんだって?」

律「あぁ」

10: 2010/02/11(木) 15:59:20.35 ID:1taSmAqx0
澪「優しくしてやんなよ」

律「澪が唯にそそのかしたんだろうが」

澪「かわいいし、いいじゃん」

律「そういう問題じゃねーだろ?」

律「まぁ、なんとかつきあってみるか」

律「澪も協力しろよ」

澪「自分で努力しろ!」


澪「(馬鹿律…)」

11: 2010/02/11(木) 16:01:44.44 ID:1taSmAqx0
律「デートって何すればいいんだ?」

唯「こうやってブラブラしてるだけでいいよ」

律「金無いしな」

唯「りっちゃんといるだけで楽しいよ」

律「う、うん…」

唯「りっちゃん」

律「ん?」

唯「ありがとうね」

12: 2010/02/11(木) 16:04:54.58 ID:1taSmAqx0
それから私たちは何度か遊びに行ったりした
少し慣れてきたような気がする
唯は相変わらずポーっとした所があってドジだ


今日学校に唯がいなかった
休みの届けも無いらしい

メールしたけど電源が切れてるみたいだ

放課後家に行ってみよう



家に行ったが誰も出て来ない
どうしようかと迷ってた時メールが来た

13: 2010/02/11(木) 16:07:08.62 ID:1taSmAqx0
「公園で待ってます」

律「唯からだ…」

とにかく行ってみよう



律「ハァハァ… しんどい」

あれは唯?

律「おい、唯?」

唯「りっちゃん…」

律「どうしたんだよ、学校休んでこんな所で」

14: 2010/02/11(木) 16:10:24.52 ID:1taSmAqx0
唯「りっちゃん」

唯「ごめんねりっちゃん、私こんな身体になっちゃった」

律「え?」



え…?機械?
なんだこれ
まるでロボットじゃないか
ぶよぶよしてる所もあるし

律「唯… これ、、どうしたんだよ?」

唯「ごめんね」

16: 2010/02/11(木) 16:14:51.57 ID:1taSmAqx0
律「どうしたんだよ!?」

唯「ごめんね、ごめんね…」


不意に抱きしめてしまった


唯は昨日気づいたら車に乗っていたらしい
事情を説明され(唯も良く理解出来てない)
それから家まで送ってもらい数人の男に携帯電話を渡されて「では、お願いします。」と言われたそうだ


落ち着け…
とりあえず考えよう

これからの事を

17: 2010/02/11(木) 16:17:41.55 ID:1taSmAqx0
次の日私たちは学校を休んで公園で話した


唯「なんだか、落ち着かないんだぁー」

唯「自分の身体じゃないみたいで」


外見は昨日と変わっていつもの唯だった


唯「あの人達、公務員みたい」

その時、唯の携帯が鳴った

18: 2010/02/11(木) 16:22:15.33 ID:1taSmAqx0
唯「あ、あの人達だ… お迎えに参ります…」

数分もしないうちにおかしなナンバーの車が数台来た


男が数人出て来た
「お迎えに参りました、お乗り下さい。」

唯「り、りっちゃん…」

律「ちょっと!あんたたちなんなんですか?」

律「唯に何をしたんですか!」

「それはお答え出来ません。」

律「ふざけん」

男に取り押さえられた

19: 2010/02/11(木) 16:28:18.38 ID:1taSmAqx0
唯「りっちゃん!」

唯「行きますから、りっちゃんを離して!」

律「唯!」


唯「大丈夫… 大丈夫だよ、りっちゃん」

唯「すぐ帰ってくるから、、ね 待っててね」

律「唯!馬鹿!行くな」


唯はどこか見当も付かない所へ連れて行かれた


律「ちくしょう…」

20: 2010/02/11(木) 16:32:17.97 ID:1taSmAqx0
その後、何度電話しても出なかった
次の日の学校にも来ていなかった

その日はあるニュースでみんなが騒いでいた
日本に潜伏していたテ口リストが70人以上変氏体で見つかったらしい

その時の私はそんなニュース気にもかけなかった


澪「律、唯はどうしたんだ?」

律「分からない」

澪「分からないって、お前らつきあってんだろ?」

律「分からないんだよ!」

21: 2010/02/11(木) 16:37:05.44 ID:1taSmAqx0
澪「…なんかあったのか?」

律「いや、ごめん、、大した事じゃないんだ」

澪「そうか…」


夕方新しいニュースが入ってきた
宗教団体の総本部で幹部30人が皆頃しにされた



ブーブー
メール!唯だ!

公園へ走った

22: 2010/02/11(木) 16:44:05.16 ID:1taSmAqx0
律「唯!」

唯「りっちゃん!」

唯「ごめんね、連絡しなくて」

律「それよりどうしてた?何をされてたんだ?」

唯「え、んーとアルバイトみたいな感じ」

律「なんの?」

唯「ん、よくわかんないや」

唯「それよりバイト代もらったんだ~ これで何か食べに行こうよ、りっちゃん!」


なんかいつもの唯じゃないみたいだ

23: 2010/02/11(木) 16:53:09.14 ID:1taSmAqx0
唯「まだやるんですか?」

「はい、しばらくお仕事をして頂きます」

唯「なんで私なんですか?」

「それはお答え出来ません」

「次のお仕事です」



「彼女の能力は既に当初の目標を遙かに超えてます、異常です」

「これ以上進化させたら危険ですよ、我々の命どころか国自体が危うくなる」

「それをなんとかするのが君の役目だろう?」

「(…俺は知らないぞ、馬鹿共が)」

25: 2010/02/11(木) 16:58:46.54 ID:1taSmAqx0
毎日のように大量殺人のニュースが流れる

人間ではできない芸当らしい
人間には出来ない…

そういえば唯がだんだんと以前の唯でなくなってる気がする

人間と思えない感覚を感じる事がある
あの姿を見たんだから当たり前か

私もそこまで馬鹿ではない

27: 2010/02/11(木) 17:04:38.98 ID:1taSmAqx0
唯に連絡が取れないようになった
私はどうしたらいいか分からない

そう思ってるうちに唯から連絡してきた
数日ぶりに唯と会った


唯「りっちゃん、久しぶりだね!元気にしてた?」

律「あぁ」

唯「今日は何を食べに行こうか?」

唯「お金は私に任せてね!」

律「唯」

唯「え?」

律「あのさ、唯」

28: 2010/02/11(木) 17:12:37.33 ID:1taSmAqx0
律「人、沢山頃してるの唯だろ?」

唯「!」


唯「…うん」


あぁ、もう駄目だ…


律「なんでだよ…」

律「無理矢理やらされてるのか?」

唯「身体がそうなっちゃって…」

29: 2010/02/11(木) 17:21:17.35 ID:1taSmAqx0
律「もうやめろ」

唯「わ、わたし…」

律「やめろって!」

唯「…やめる」

唯「けど、、あの人達がやめさせないと思う」

律「唯がやらなきゃいいだけだ」

唯「りっちゃんが、りっちゃんが殺されちゃう!」

31: 2010/02/11(木) 17:30:37.52 ID:1taSmAqx0
律「何者なんだあいつら?」

唯「たぶん、、国の偉い人達の、、」

律「偉くなんかねぇだろ」


これ以上唯に人頃しなんてさせられない


律「…唯、逃げるぞ…」

唯「…捕まっちゃうよ」

律「捕まらないために逃げるんだよ!」

32: 2010/02/11(木) 17:38:50.72 ID:1taSmAqx0
律「唯、金いくら持ってる?」

唯「200万円、くらい…もらった」

律「(そのくらいの金で唯に人殺させやがって)」

律「私が15万円ほど」

律「それでどっかに逃げよう」

唯「どっかって?」

33: 2010/02/11(木) 17:46:53.83 ID:1taSmAqx0
律「親戚がいるような所は駄目だ」

律「行った事の無いどこか」

律「とりあえず電車で遠い所に」

唯「…」

律「唯!」

唯「う、うん 分かった…」


駄目なの りっちゃん
今だって監視されてるんだ

わたしが守るしかない

36: 2010/02/11(木) 17:54:32.73 ID:1taSmAqx0
律「支度しよう、もう離れちゃ駄目だ」

律「2人でお互いの家に行こう」

私はカバンにお金と服とドラムのスティックだけ入れて家を出た
もう戻って来れないのかな…
ごめん、父さん母さん聡


律「お待たせ、行こう」



唯「ただいま…」

憂「おかえりーお姉ちゃん、ご飯もうすぐできるからね」

唯「あ、憂、、私これからまた出かけなきゃいけないんだ」

憂「え?そうなの、何時頃に帰るの?」

唯「まだちょっと分からないんだ…」

37: 2010/02/11(木) 18:02:03.83 ID:1taSmAqx0


憂「そんなに荷物持ってどこ行くの?」

唯「ちょっと、、えへへ」


唯「憂、いつもご飯作ってくれてありがとうね」

憂「?」

唯「じゃあ行ってくるね」

憂「お姉ちゃん、今日帰ってくるよね…?」

唯「うん…」

唯「行ってきます」

38: 2010/02/11(木) 18:08:41.47 ID:1taSmAqx0
律「じゃ行こうか」

唯「うん」

律「大丈夫だ、またいつか戻ってこれるって」

唯「うん、、そうだよね」

律「早く駅に行かないと、今日行けるだけ遠くに行くぞ」

唯「うん」

唯「りっちゃん」

律「?」

唯「こんな彼女でごめんね、迷惑かけてごめんねぇ」グスッ

律「なに言ってんだ、彼氏だったら当たり前だろ」

唯「クスッ りっちゃん彼氏なんだ」

律「はは、どう見てもそのポジションだろ」

39: 2010/02/11(木) 18:14:31.91 ID:1taSmAqx0
唯「うん、そうだねぇ」グスッ

律「否定しないのかよー しょうがねぇなぁ、ほれ拭け」

唯「ありがと…」


私たちは自転車に二人乗りして一緒に駅に向かった


もうすぐ暗くなる
駅はまばらに人がいる

律「唯、ごめんちょっとトイレ」

唯「りっちゃん生理?」

律「うん、ちょっと待ってて、そこから離れるなよ」

唯「うん」

40: 2010/02/11(木) 18:20:17.42 ID:1taSmAqx0

唯「1、2、…4人」

ヒュッ

男「うお!」

ズ
ズシュ

唯「2人…」


フッ

ギュッ

唯「後はあなただけ」

男「あ…」

唯「伝言、これ以上私たちを追ってきたらみんな頃します」

男「くっ…」チャッ

銃を持った腕が飛ぶ

男「ぐあ!」

42: 2010/02/11(木) 18:29:10.44 ID:1taSmAqx0
唯「知ってますよね、あなたも上の人達も私を」

唯「馬鹿ですね、あなた達は殺されないとか思ってます?」

唯「消えて、もう二度とついて来ないで」



律「ゆい~!!」

唯「ハァハァ りっちゃん」

律「どこ行ってたんだよ!」

唯「ごめんねりっちゃん、これ、」

律「アイス…」

律「もう、びっくりさせんなよ!」

唯「うん、ごめんなさい」

43: 2010/02/11(木) 18:34:14.15 ID:1taSmAqx0
私と唯は電車に乗り、今日行けるギリギリの所で降りる事にした

律「唯、寒くないか?」

唯「うん、大丈夫だよ」

唯「澪ちゃん達に何も言わず出ちゃったね」

律「仕方ないよ、落ち着いたら連絡しよう」

唯「そうだね」


電車に乗った途端時間が経つにつれて私の不安も大きくなっていった
逃げようと決めたもののこれからどうなるんだろう…
ただの高校生の私が唯を守れるんだろうか

44: 2010/02/11(木) 18:37:55.68 ID:1taSmAqx0
律「結構田舎に来ちゃったなぁ」

唯「泊まれる所あるかな?」

律「んー普通のホテルは身分証明書とかいるだろうしなぁ」

律「あのホテルなら大丈夫かな」

唯「あのって?」

律「あー唯は知らなくていいよ」


私たちはホテルに入りお風呂に入って食事をとった

45: 2010/02/11(木) 18:41:28.50 ID:1taSmAqx0
律「どこかで落ち着けてバイトでもしないとな」

律「いつまでも泊まり歩くわけにはいかないし」

唯「うん、そうだね 私なにしようかな?」

唯「うーん、思いつかないや ねぇりっちゃ…」


りっちゃんは眠っていました
今まで見てきた中で一番疲れた顔をして眠っていました

りっちゃん…

46: 2010/02/11(木) 18:45:30.39 ID:1taSmAqx0
早朝から私たちはホテルを出て、さらに遠くに行くために駅に向かった

律「あんまり田舎に行っても働く所も住む所も無いだろうしなぁ」

律「少し街な所を探すかぁ」

唯「そうだね」

律「本屋探して地図見て決めようか?」

唯「うん」

48: 2010/02/11(木) 18:50:25.68 ID:1taSmAqx0
律「んー、この辺店とか多いな、ここから結構離れてるし」

律「ここにするか?」

唯「うん、そうしよう」


私たちはいつまでも落ち着ける場所を探すために電車に乗った


唯「りっちゃんとこんなに遠くまで旅行するの初めてだねぇ」

律「そうだな、って旅行か…」

唯「えへへ」

唯「誰も知らない所で、りっちゃんと生きて行くんだぁ」

律「…あぁ」

49: 2010/02/11(木) 18:56:34.19 ID:1taSmAqx0
目的の地に着いた、そこは都会でもなく田舎でもない
私たちにはちょうどいいくらいの街だった


律「まず探さなきゃいけないのは、住む所だな」

唯「不動産屋さんに行く?」

律「そうだな、とりあえず探して行ってみるか」


「いらっしゃいませー」

律「あの、部屋を探してるんですけど…」

「どのようなお部屋ですか?」

律「狭くてもいいんでなるべく安い所は…」

50: 2010/02/11(木) 19:02:22.40 ID:1taSmAqx0
「失礼ですがご年齢は?」

律「…20です」

「身分証明証等はお持ちでしょうか?」

律「…無いんですが、お金ならありますから!」

「身分証明証が無いと…、あと保証人様はいらっしゃいますか?」

律「え?」

律「いません」

「申し訳無いのですがそれではお部屋を提供出来ません」

律「わかりました…」


唯「駄目だったね…」

律「…」

51: 2010/02/11(木) 19:08:11.74 ID:1taSmAqx0
律「住む所が無いとやっていけないぞ、、」

唯「うん…」


律「…そうだ、住み込みの仕事を探すんだ!」

律「それなら一石二鳥だぞ!」

唯「高校生でもいいのかなぁ?」

律「とりあえず探して行ってみるんだよ!」


就職情報雑誌で住み込みの仕事を2件見つけた
だけど、どっちも未成年という事で断られた

52: 2010/02/11(木) 19:13:18.16 ID:1taSmAqx0
律「駄目だな…」

唯「うん…」

律「ホテルじゃ金かかるしなー」

律「まいったな」

唯「りっちゃん、ごめんね、、」

律「謝るなって」

唯「うん…」

律「なんか食べるか」

唯「うん」

律「なに食おうかな」

唯「りっちゃん!」

53: 2010/02/11(木) 19:17:14.15 ID:1taSmAqx0
律「え?食いたいもんあったか?」

唯「ううん、あれ見て!」

唯「部屋貸します、だって」

律「ほんとだ!」

律「しかしボロい家だなぁ、どうせまた断られるだろうし」

律「まぁ駄目元で行ってみるか」

唯「そうしよう!」


ピンポーン

出て来たのは80歳くらいに見えるお婆さんだった

「なんだい?」

54: 2010/02/11(木) 19:19:34.40 ID:1taSmAqx0
食事してきます

55: 2010/02/11(木) 19:41:48.06 ID:1taSmAqx0
律「あのー、部屋貸しますって張り紙見たんですけどー」

「借りたいのかい?」

律「はい!是非、お願いします!」

唯「お願いします!」

「いつから来る?」

律「え?」

「借りるんじゃないのかい?」

律「貸してもらえるんですか!」

「あぁ」

律「やった!ありがとうございます!」

唯「あ、ありがとうございます!!」グスッ

57: 2010/02/11(木) 19:45:28.77 ID:1taSmAqx0
律「今日からお願いします!」

「急な話だね、まぁいいよ」


「あそこの離れを使いな、掃除は自分でやりなさい」

律「はい!」

律「あの…私たちの事何も聞かないんですか?」

「興味ないね、家賃は月3万、いいかい?」

律「…は、はい、ありがとうございます!」

「この部屋だよ、火事だけは起こすんじゃないよ!」

律「はい、気をつけます!」

58: 2010/02/11(木) 19:51:48.92 ID:1taSmAqx0
律「やったな唯!」

唯「うん、やったね!りっちゃん!」

律「これで1つ安心だ」

唯「うん!後はお仕事だね!」

律「早めに決めないとな、金も無くなっていくばかりだし」

律「とりあえずお祝いになにか食おうぜ!」

唯「うん!」


律「あー腹へったなぁ」

唯「わたしもー」


こんなに美味しく感じた食事は初めてだった
今までは甘い生活をしていたという事に初めて気づいた

60: 2010/02/11(木) 19:55:49.54 ID:1taSmAqx0
律「あー美味しかったなぁ」

唯「うん!」

律「じゃあ部屋戻ろうかぁ」

唯「…」

律「唯?」

唯「え?あ、ごめん、なに?」

律「どうした?気分悪いのか?」

唯「ううん、全然!」

律「ならいいけど」


ひとつだけ心に重い物が

家出や殺人で警察がわたしたちを追わない理由は分かる

政府

でも、あいつらが追って来ない
諦めた?

そうは思えない
なぜ?

61: 2010/02/11(木) 20:00:38.94 ID:1taSmAqx0
律「今日は疲れたから掃除とか明日にしよう」

唯「そうだね」

律「明日は仕事も探さないとな」

唯「うん」

律「唯は無理しなくていいぞ」

唯「駄目だよ、わたしもお仕事しなきゃ」

律「無理するなよ」

律「今日は早めに寝るか、疲れた」

唯「うん、寝よう」

63: 2010/02/11(木) 20:06:04.35 ID:1taSmAqx0
唯「りっちゃん」

律「ん?」

唯「わたしたちのお家だねぇ」

律「あぁ、私と唯の家だ」

唯「ありがとう、りっちゃん」

律「よせよ…」

唯「ふふ、おやすみ」

律「おやすみー」


唯「さ、寒いよう・・」

律「ふ、布団買ってなかったな…」

64: 2010/02/11(木) 20:10:38.50 ID:1taSmAqx0
新しい生活の始まりだ

いろいろ仕事を探してみたんだけどやはり正社員になるのは私たちには無理だった
それぞれアルバイトをする事になった

唯はお弁当屋さん 
私は引っ越しの作業員、辛いけど時給が良かったからだ

お互い夜の7時位まで


律「唯ー?弁当屋どうだ?」

唯「う、うん、なんとかやってるよ」

律「(苦戦してるようだな)」

唯「りっちゃんは身体大丈夫?重労働でしょ…」

律「大丈夫だよ、ドラムで鍛えてたからな」

唯「あ、そうかー りっちゃんドラムやってたんだもんね」

唯「私はギターやってたんだったなぁ…」

65: 2010/02/11(木) 20:14:30.97 ID:1taSmAqx0
律「なんだかもう懐かしいな」

唯「そんなに時間経ってないのにね…」

律「唯… 辛いか?」

唯「…」

唯「…私は辛くなんてないよ」

唯「それより私のせいで、りっちゃんに辛い生活させてるのが…」

律「私は辛くなんてないぞ?唯とこういう生活できて楽しいぞ」

唯「…私も楽しい」

唯「りっちゃんと一緒だから楽しいよ」

律「それならいいんだ」

律「それにな、唯のせいとか思ってないぞ」

律「私が好きでやってるんだ、逃げようって言ったの私だしさ」

唯「うん、、」

67: 2010/02/11(木) 20:21:26.35 ID:1taSmAqx0
唯は相変わらずバイトでドジやってるらしいけど前よりはマシになったみたいだ
私も少し慣れてきた、最初の頃はすぐヘバって怒られてたのに

自炊するようになり少しだけど貯金できるようになった
家賃が安いおかげだ、おばあちゃんに感謝しないと



唯「ありがとうございましたー」

「唯ちゃん、ちょっとこっち手伝ってくれる?」

唯「はーい」

唯「!」

唯「あっ」クラッ

その場にしゃがみこんでしまった

68: 2010/02/11(木) 20:26:39.19 ID:1taSmAqx0
「どうしたの!?唯ちゃん!」

唯「あ、だ、大丈夫です」

唯「ちょっと風邪ひいたのかもー」

「大丈夫なの?気をつけてね」

唯「はい、すみませーん」

唯「…」




律「ただいまー」

律「唯ー?」

律「どうしたんだ、唯?」

唯「あ、おかえりー りっちゃん、少し疲れただけ、布団上げるね」

律「体調悪いのか?」

唯「ううん」

70: 2010/02/11(木) 20:34:25.72 ID:1taSmAqx0
律「唯!」

律「正直に言え、唯」

唯「なんでもないよー疲れちゃっただけ」

律「今から病院、」

律「(駄目だ、唯の身体見せたら大騒ぎになってしまう)」

律「あいつらの仕業か?」

唯「なんでもないよ」

律「そんなわけな・」

唯「なんでもないんだってば!!」

律「唯…」

律「なんでもないわけないだろ!」

唯「もういい!りっちゃんなんて嫌い!!」ガタッ

律「どこ行くんだよ!唯、おい!」

71: 2010/02/11(木) 20:48:43.65 ID:1taSmAqx0
辺りを探したけどいない、普通の人間の私と違って走るのが速いんだあいつ
もう日が沈む頃だ


どこだ?弁当屋にもどこにもいない
あ…




唯「…」グスッ

唯「(りっちゃん…)」


律「ゆい」

唯「…りっちゃん」

やっぱりここにいた、あの家に住んで間もない時に偶然見つけた川の畔

静かで人けもあまり無い
唯がここの景色が好きだと言った川の畔

72: 2010/02/11(木) 21:01:24.57 ID:1taSmAqx0
唯「りっちゃん、ごめん…」

律「いいよ」

唯「りっちゃんは私の事心配してくれたのに」

唯「私怖いんだ、、自分の身体がどうなっちゃうのか…」

唯「怖いよお、、りっちゃん…」

唯「怖いよぉお!」

律「唯、大丈夫だ唯!」

律「唯がどんな身体になろうが私がそばにいる」

唯「りっちゃん…」グスッ

唯「りっちゃんを傷つけちゃったら嫌だよお!」

律「それでもそばにいるから!!」

74: 2010/02/11(木) 21:07:17.27 ID:1taSmAqx0
唯「りっちゃん」

律「私がいるからさ…」

唯「ごめんね」

唯「ごめんね、りっちゃん、嫌いなんて言って…」

律「気にするなよ、本気じゃないだろ~」

唯「…エヘヘ」グスッ


こんなに小さく頼りない
いつどうなるか分からないふたりだけど

これが幸せなのかどうか分からないけれど
それでも一緒に生きて行くと決めた

75: 2010/02/11(木) 21:12:26.84 ID:1taSmAqx0
この町へ来て初めてイブの日に雪を見た


律「ただいまー」

唯「おかえりなさい!」

律「これ」

唯「なにー?」

唯「わ!ケーキだ、クリスマスケーキだー!」

律「へへ、買っちゃった」

律「あとこれも」


唯「ネックレス …綺麗、、高かったんじゃないの…?」

律「クリスマスくらいいいだろう」

唯「…ありがとうりっちゃん!」

唯「綺麗だなぁ・・」

77: 2010/02/11(木) 21:19:33.43 ID:1taSmAqx0
唯「あ、私も!」


律「指輪、この絵、、豚か?」

唯「犬だよー!」

律「あ、あぁ、そうだな!ありがとな!」

唯「うん!」

律「他にも食べる物買ってきたからさ、食っちゃおうぜ!」

唯「わー ありがとう、りっちゃん!」


りっちゃんがいつもどこか不安を感じてるのは鈍いわたしでも分かっています
それでも毎日明るく振舞ってくれる

でも今のわたしはそれに気づいてない振りしかできません
ごめんなさい りっちゃん

78: 2010/02/11(木) 21:23:44.50 ID:1taSmAqx0
最近わたしの体調に異変は無くて
ふたりの生活も少し落ち着いてきた頃でした


「あんたに電話だよ」

唯「あ、ありがとうございますーおばあちゃん」

唯「もしもし」

唯「……」


りっちゃんが仕事中に倒れた

病院に運ばれた

頭に冷たい物が走った
震えが呼吸が荒くなる

唯「今から行きます…」


嘘だよ、りっちゃんが…

80: 2010/02/11(木) 21:30:20.90 ID:1taSmAqx0
タクシーに乗った事だけは
病院まで何を考えていたのかは覚えていない


唯「田井中、田井中律はどこでしょうか!?」

「こちらへ」



「今、眠られています」

唯「それで、なんの病気なんでしょうか!?」

「病気と言うより、過労に近い状態ですね」

「肉体的に疲れ切ってるようです、ストレスも多かったんじゃないでしょうか」

「そういう兆しに心当たり無いですか?」

唯「…はい、あります、、」

「衰弱はしていますが、明後日には退院出来るでしょう、とにかく今は自宅に帰っても休養なさる事です」

唯「はい… 分かりました…」

81: 2010/02/11(木) 21:36:51.36 ID:1taSmAqx0
唯「りっちゃん…」

唯「…」

律「ぅ・・ゆ、い?」

唯「りっちゃん!」

律「ごめんなぁ・・ 私、寝ちゃったみたいだ」

唯「ご、ごめんなさい!ごめんなさいぃー!」グスグス

律「なんで唯が、、謝るんだ、、」

唯「わたしのせいだ!りっちゃんを苦しめたのは全部わたしのせいだ!」

律「馬鹿な事言うなよ、、」

律「前にも言ったろ、、私が始めた事だ、、唯が悪いんじゃない…」

82: 2010/02/11(木) 21:42:24.03 ID:1taSmAqx0
唯「りっちゃん、りっちゃ、、ん」グス

唯「わたし自分の事ばかりで… りっちゃんの身体の事や苦しみも考えてなかった…」

律「ちょっとだけ疲れただけだって、、心配ないよ」

唯「ごめんなさい、ごめ…」グスッ

律「ハハ、唯はいつも謝ってばかりだなぁ…」



わたしが一番恐れてて考えないようにしていた事がいきなり伸し掛かってくる
この世で一番大切な人を失う事

りっちゃんを失う事
考えただけで手が震える、嗚咽が漏れる

83: 2010/02/11(木) 21:48:48.69 ID:1taSmAqx0
わたしはしばらくお休みをもらってりっちゃんの看病をする事に決めました


律「ごめんな唯… 入院とかでお金かかったろう?保険証も無いし…」

律「私も仕事休んでるし、唯まで…」

唯「そんなこと気にしないでいいの!」

唯「貯金まだまだ残ってるんだから大丈夫だよ!」

律「情けないなぁ…」

唯「りっちゃんはずっと頑張りすぎだよ、たまには休まないと、、いけなかったんだ…」


一週間ほど休養して大分回復してきた
りっちゃんはもう仕事に行こうとしたけど、なんとか説得してあと一週間休んでもらった


ふたり共仕事に復帰したけど、これからはりっちゃんの状態に注意しなきゃ
できればもっと楽なお仕事に変わってもらいたい

84: 2010/02/11(木) 21:56:36.00 ID:1taSmAqx0
律「唯が家事をするようになるなんてなー」

律「バンドしてた頃じゃ考えられないなぁ」

唯「わたしだってやればできるんだよー」

唯は料理も掃除も洗濯もマメにこなす
私もよく手伝うんだけど唯の方が上達してしまった




唯「りっちゃん!この服りっちゃんに似合いそうだよ!」

律「えー ちょっとヒラヒラし過ぎじゃないか?」

唯「たまにはりっちゃんもこういう服着ないとさー」

律「私服でスカートって嫌いなんだよなー」

85: 2010/02/11(木) 22:00:28.43 ID:1taSmAqx0
唯「なんでさぁー?」

律「嫌だったら嫌なんだよ」

唯「ブー」

律「すねるなよ、じゃあ唯が着たいの買っていいからさ」

唯「ほんと!?」

律「うん」

唯「ありがと!りっちゃん!」


あの日、電車に乗った時はこういう生活ができるなんて考えられなかった

ささやかな生活
あまり変化のない毎日だけど
私たちは一生懸命生きている

それだけでよかったんだ

87: 2010/02/11(木) 22:05:29.59 ID:1taSmAqx0
唯「りっちゃん、今日は外食しない?」

律「うん、たまにはいいなぁ」



唯「美味しいねーりっちゃん」

律「うまいなー」

律「唯」

唯「え?」

律「来週ふたり共休みの日があるだろ」

律「海でも見に行かないか?」

律「寒いだろうけど、みんなで行った時の事思い出してさ…」

唯「えー!行きたあい!」

律「長い事ろくに遊びにも行ってないしさ」

唯「うんうん、行こう行こうよりっちゃん!」

89: 2010/02/11(木) 22:12:33.34 ID:1taSmAqx0
律「決まりな」

唯「うれしいなぁ」

律「いろいろ買って行こうな」

唯「うん!」

あぁ、唯のこの笑顔を見たのは学校へ行っていた時以来だ


私たちはその日を楽しみに仕事に励んだ
唯はもういっぱいお菓子やなんかを買い込んでいた

「あんた最近気げんがいいねぇ」

唯「おばあちゃん!私たち来週海に行くんだぁ~」

こんなに、はしゃぐ唯も久しぶりだ

90: 2010/02/11(木) 22:17:33.19 ID:1taSmAqx0

唯「あ、りっちゃん!帰り?」

律「うん」

唯「私もー」

律「今日は早く終ってさ」

律「久しぶりにあの川に散歩しにいくか?」

唯「うん!」



唯「りっちゃん、ここに初めて来た時覚えてる?」

律「あぁ、まだ仕事見つかって無くて暗かったな~」

唯「あはは、そうだったねー」

唯「でも私はその時、りっちゃんとの生活が始まるんだなぁって」

唯「不安も少しはあったけど、それ以上に楽しい気分になって、この川がすっごく綺麗に見えたんだぁ」

律「そうか…」

91: 2010/02/11(木) 22:20:39.02 ID:1taSmAqx0
律「もうなんとかやっていけてるよなぁ~私ら」

唯「うん!」

唯「楽しいよ」

唯「りっちゃんと一緒で」

唯「りっちゃん、本当に・・」


唯「       」


唯「あぁ…」


唯「来ちゃった…」

93: 2010/02/11(木) 22:24:59.35 ID:1taSmAqx0
唯「りっちゃん!!!!!」

唯「土手の下に隠れてぇー!!!早く!!」ザッ

律「!」


パパパパン


来た・・ 
  とうとう…
数が多い 
  何人?
やらなきゃ
  
 りっちゃんを守るんだ

律「なに…あれ… 自衛隊…?」

94: 2010/02/11(木) 22:29:21.64 ID:1taSmAqx0
唯「りっちゃん!!そこから絶対動かないで!!!」

唯「絶対出て来ちゃ駄目だよ!!!」

律「唯!!」


唯は何台も車を止めた軍服みたいな服を着た集団に向かって行った
向こうは銃を撃ってくる

それだけでも充分に足が震える位の衝撃だけど


唯だ… 唯のあんな目や姿を初めて見た…

相手の首や手足を切断しながら飛ぶようにして駆けている

辺りは叫び声と共に真っ赤に染まっていく


私は震えと吐き気が止まらなかった

96: 2010/02/11(木) 22:35:31.24 ID:1taSmAqx0
唯「邪魔しないで!」

「ぐぉ!」

唯「わたしたちの邪魔しないで!!」

ドシュ

唯「来るなって言ったのに」

唯「なんで来るの!!」

グシュ


あんなにいた男達がみんな欠片になっていく
もう残りは数人しかいなくなった


唯「わたしとりっちゃんの邪魔するならみんな頃してやる!」

「こ、降参だやめ・」ビシュ

唯「あんた達の上の奴らもみんな頃してやる!」



唯「!」

97: 2010/02/11(木) 22:41:39.17 ID:1taSmAqx0
え? めまい…


また
 身体が動か  
    これを待ってたのか…
 
  足が
あ、、倒れる、、
 
     りっちゃ・・


律「唯ぃー!」


唯「り、りっちゃん、、来ちゃだ、、」


震えで足がもつれる
でも行かなきゃ…


律「唯!」


りっちゃん…

98: 2010/02/11(木) 22:44:28.98 ID:1taSmAqx0
律「唯!ゆいぃ!?」

唯「りっちゃ、うごけない、、の」

隊員「おい!お前!動くな」

唯「りっちゃん、、逃げ、て、」

隊員2「そいつも連れて行こう」

隊員「倒れてる方を・・」


パ パン


唯「りっ、ちゃん…」

100: 2010/02/11(木) 22:48:49.17 ID:1taSmAqx0

パンパンパンパンパン! カチッ! カチッ! カチッ!

・・ガチャッ


律「あああ… や、やっちゃったよぉお」ガクガク

律「ゆ、唯ぃ こ、これで邪魔する奴はいなくなったぞ」

律「に、逃げよう、どれか動かせるだろ、ハハ…」

唯「りっちゃん…」


私は唯を車に乗せた
バイトの先輩の見様見真似で、このバーを動かし
アクセルとブレーキ位しか分からないけど夢中で走らせた

頭が真っ白だ、いや考えろ
とにかく逃げなきゃ

あの騒ぎだ
パトカーにでも止められたら終わりだ

101: 2010/02/11(木) 22:54:30.44 ID:1taSmAqx0
どこを走ってるのか分からない

唯の顔色が悪い

とにかく隠れる所を…

周りが全て敵に見える


1時間ほど走ったか
もうさっぱりだ
町外れのホテルにでも行くしかない

私は必氏で泊まれる所を探した


なんとか唯をおぶってホテルの部屋に入った
自分の身体の小ささが恨めしい

102: 2010/02/11(木) 22:58:16.46 ID:1taSmAqx0
律「唯…気分はどうだ?」

唯「あぁ、りっちゃん、、ごめんねぇ・・」

律「やったぞ唯!逃げられた!ハハハ」

唯「うん、、りっちゃんすごいや」


律「動けるか?」

唯「うん、、少し、楽になった…」

律「良かった、唯が氏んじゃうのかと思ったよ…」

唯「わたしは大丈夫だよ…」

唯「ありがとう、りっちゃん…」

律「少し寝た方がいいぞ」

唯「うん・・」

103: 2010/02/11(木) 23:02:27.30 ID:1taSmAqx0
唯「…りっちゃん」

律「ん?」

唯「わたしたちもうなにもいらないよね」

律「…」

律「あ、あぁ…」グスッ

律「いらないぞ、いらない、、」

唯「しあわせだね しあわせだねぇ」

律「うん、うん幸せだ、、幸せだ、、よ」



わたしとりっちゃんは手を握ったまま眠りました



りっちゃんは初めてわたしの前で泣きました
ずっと我慢してたんだね… ごめんね…

104: 2010/02/11(木) 23:04:45.92 ID:1taSmAqx0

りっちゃん ごめんなさい
わたしのせいでこんな酷い目に合わせちゃったね


言わなければ良かった?

「りっちゃん、私とつきあってくれないかなぁ?」

「でも好きなんだもん」

「じゃあつきあってください」

107: 2010/02/11(木) 23:12:41.18 ID:1taSmAqx0
ふたりとも少し寝坊をしてしまいました
昼前にここを出ました


唯「おばあちゃんに悪い事しちゃったね…」

律「そうだな…」

律「いつか謝りに行こう」

唯「うん、、」


唯「りっちゃん、運転上手くなったね」

律「あぁ、必氏だったからなぁー」

唯「これでどこでも行けるね」

律「おう、行けるぞ~」

律「唯」

唯「うん?」

109: 2010/02/11(木) 23:17:17.11 ID:1taSmAqx0
律「またどこかで部屋借りて一緒に暮らそうぜ」

唯「…うん!」

唯「おばあちゃんみたいな人がいればいいね」

律「そうだなぁ」

律「部屋見つけてバイトして」

律「18になったらちゃんとした仕事するんだ」

唯「わ、わたしも頑張るよ!ドジしないように」

110: 2010/02/11(木) 23:20:22.66 ID:1taSmAqx0
律「頑張るぞー!」

律「家建てるからな!家!」

唯「りっちゃんカッコイイ!!」

律「まかせとけーい!」

唯「あはは」


あの頃のりっちゃんだ
いつも元気いっぱいだったりっちゃんだ

111: 2010/02/11(木) 23:25:51.74 ID:1taSmAqx0
律「あのな、唯が最初私とつきあいたいって言った時は正直困ったんだ」

律「どうすればいいんだろうって」

律「でも今は言ってもらえてよかったと思ってるよ」

唯「…」

律「あ、コンビニだ」

律「寄るな」

唯「うん」


律「よっと、ちょっと待っててな」バタッ

唯「…うん」

律「唯と会えてよかった」


パシュッ


・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・

113: 2010/02/11(木) 23:30:09.58 ID:1taSmAqx0
りっちゃん…

りっちゃんどうしたの?

頭から血が出てるよ?

りっちゃん?

まかせとけって言ったでしょ

へんじして?



りっちゃんのカチューシャが割れちゃった

わたしがあげた指輪 今もしてくれてるんだね

115: 2010/02/11(木) 23:34:54.40 ID:1taSmAqx0
りっちゃんを抱きしめた

わたしの視界が真っ赤になりました

わたしの周りの物は全て燃えました

わたしの周りの全ては真っ黒になりました

灰になりました


残ってるのはりっちゃんだけ


さっきまで恋しあってた

冷たくなった りっちゃんだけ

117: 2010/02/11(木) 23:37:34.28 ID:1taSmAqx0
りっちゃん

もうこれで誰にも邪魔されないよ
逃げなくていいんだよ

ありがとう りっちゃん
りっちゃんのおかげだよ?


りっちゃんは髪を下ろしてもかっこいいね

わたしすこし眠くなっちゃった…

目が覚めたら楽しみにしていた海に行こうね

りっちゃんの声が聞こえる

おやすみ りっちゃん


「ゆいー 早くしろよー」

「ちょっと待ってー りっちゃん」

「このカバン重いんだよー」

「まったくしょうがねぇなぁ」


終わり

118: 2010/02/11(木) 23:38:08.50 ID:/PUe+Cl40
ぅぁぁぁああああああ

119: 2010/02/11(木) 23:39:05.40 ID:zKRvQh+b0

唯とりっちゃんの逃避行よかったよ

120: 2010/02/11(木) 23:39:47.66 ID:lVT2Vg6TO
おぉ…終わっちまった…

121: 2010/02/11(木) 23:39:49.84 ID:1taSmAqx0
ラストは変えようと思ったけど他に考えつきませんでした
見た事ある人ごめん
支援してくれた人ありがとう

引用元: 唯「サイカ」