6: 2023/05/01(月) 20:45:16.92 ID:Ok7vUct3.net
花帆「え?え?待ってください」

花帆「あのですね、いくつか疑問があるんです」

綴理「うん」

花帆「その1、なんで修羅場なのに綴理先輩はこんなところで私と喋ってるのか」

花帆「それとその2、「ありがとうこず」ってなんなんですか」

花帆「最後にその3、多分ブチ切れたであろうさやかちゃんはどこいったのか」

花帆「……です!」

綴理「かほは冷静だねぇ」

花帆「ビックリがオーバーフロー起こして一回転して冷静になってるだけですよぉ……」

8: 2023/05/01(月) 20:48:01.02 ID:Ok7vUct3.net
綴理「ひとつずつ行こうか」

花帆「綴理先輩も大概冷静ですね…」

綴理「まぁ、自慢じゃないけどボクは割とさやと修羅場るからね、フィギュアスケート大会の件とか」

花帆「ホントに全然全く自慢になりませんよ…」

9: 2023/05/01(月) 20:54:22.68 ID:Ok7vUct3.net
綴理「まずひとつめね、これは極めて単純なんだ…数学みたいに答えがある質問だよ」

花帆「ごくっ…」

綴理「……こわいから、さやが」

花帆「がくっ!逃げてきただけじゃないですか!」

綴理「言い間違えた時に背面になんか般若のお面みたいなのが浮かび上がってたんだ…目が赤く光ってたような気もするし…」

綴理「せっかく作ったお弁当も「今日は夕霧先輩に渡すお弁当はありません!」って言って渡して貰えなかった…」

花帆「あー…それは結構…さやかちゃん的にはキレてますね…あはは」

綴理「夕霧先輩呼びだしね…」


花帆(あれ?今日は?明日からはどうなんだろそれ)

10: 2023/05/01(月) 20:57:08.81 ID:Ok7vUct3.net
綴理「2つめはね…」

花帆「ちょ、ちょっと待ってください待ってください…」スゥーハァー

花帆「あたし的にはいちばん知りたい箇所なので…深呼吸して…」スゥーハァー

花帆「覚悟の準備を…しておかないと…」スゥーハァー

11: 2023/05/01(月) 21:00:58.61 ID:Ok7vUct3.net
花帆「……整いました!」

綴理「えっとね…」

花帆「はい……あぁ…聞きたいような聞きたくないような…」

綴理「ボクってちょっとだけ寝坊助さんなんだよね」

花帆「ちょっと…だけ…なんですか?」

綴理「うん、ちょっとだけ」

綴理「だからね、去年は寮母さんがこずに頼んでボクを起こすようにお願いしてくれてたんだ」

花帆「……」

綴理「……」

花帆「……」

綴理「……かほ?」

12: 2023/05/01(月) 21:04:58.92 ID:Ok7vUct3.net
花帆「えっ?それだけ?それだけなんですか?」

綴理「どういうこと?」

花帆「あ、いやその…あたし…綴理先輩と梢センパイが…今のさやかちゃんと綴理先輩みたいな関係だったのかなーなんて…」

綴理「元カノって事?」

花帆「ド直球!」

綴理「よく言われるからねー」

綴理「……うん、安心していいよ、かほ」

綴理「きみの大事な大事なお姉様は今も昔もずーっとフリーだから」

花帆「あ、あたしはその///そんな心配は……///」

13: 2023/05/01(月) 21:08:31.78 ID:Ok7vUct3.net
花帆「はぁ…なんだか安心したら力が抜けちゃいました」

綴理「それじゃ最後の疑問ね」

花帆「あ、そうでした!まだ残ってましたね!」

綴理「かほも知ってるけど、さやって割と物事の原因を直接叩いて直そうとする癖があるんだよね」

綴理「壊れたテレビをバンバン叩くみたいに?」

花帆「あー……さやかちゃん叩いてそう……」

14: 2023/05/01(月) 21:11:58.68 ID:Ok7vUct3.net
綴理「アイススケート場の時も「夕霧綴理でてこいやぁ!」ってマイクパフォーマンスしてたからね」

花帆「そんな悪役女子レスラーみたいな感じでしたっけ!?」

花帆「……」

綴理「…?」

花帆「……あれ?綴理先輩?」

綴理「なんだい?」

花帆「さやかちゃんって、去年梢センパイが綴理先輩を起こしてた件、知ってるんですか?」

綴理「知らないよ?」

花帆「………」

16: 2023/05/01(月) 21:16:16.21 ID:Ok7vUct3.net
花帆「え?じゃあですよ?」

花帆「今までの話を統合すると、さやかちゃんは梢センパイのところに「乙宗梢でてこいやぁ!」ってカチコミ入れてる可能性が高くないですか?」

綴理「高いねぇ…」

花帆「まずいじゃないですか!なんで綴理先輩こんなところに…」

綴理「言っただろうかほ…」


綴理「こわいんだ…ブチ切れたさやが…」

花帆「言ってる場合ですか!行きますよ梢センパイのところ!」


ズルズル…(綴理先輩が花帆ちゃんに引きずられる音)

17: 2023/05/01(月) 21:22:10.34 ID:Ok7vUct3.net
綴理「まさか部室の前まで引き摺られるとは思わなかったよ…」

綴理「かほがこずの弟子なのは知ってるけど、パワーまでこずに近づいて行ってるね…」いてて…

花帆「良いですからほら、部室に入りますよ!」

綴理「あ、ちょっと待ってほし………」

花帆「失礼しまーす!」バーン!

18: 2023/05/01(月) 21:26:55.39 ID:Ok7vUct3.net
梢「それで…去年の綴理ったら……」

さやか「えーっ!有り得なくないですか!それ!」

梢「他にもね……あら?」

梢「あら2人揃って、どうぞ腰掛けてちょうだい?今新しく紅茶を淹れるから……」



花帆「和やかですね…」

綴理「意外にも和やかだね…」

19: 2023/05/01(月) 21:32:32.72 ID:Ok7vUct3.net
さやか「あの…綴理先輩…」

綴理「あーっ!わーっ!」

さやか「お、怒りませんから、怒りませんから」

綴理「……ほんと?フェイントじゃない?」

さやか「もう!そんなんじゃないです!」

さやか「あの、朝はすいませんでした…私…去年そんな事があったなんて知らないで…勝手におふたりの関係を邪推してしまって」

20: 2023/05/01(月) 21:35:52.42 ID:Ok7vUct3.net
綴理「元カノだと思ってた?」

さやか「……っ」

さやか「…はい、お恥ずかしいですが」

綴理「そこはいいよ…うん、ごめんねさや、ボクがちゃんと説明すべきだった」

さやか「いえ…あの場で説明されてても私はきっと聞く耳を持たなかったと…」

綴理「そっか…じゃあお互いに悪いにしよっか?それで仲直り」

さやか「……はい!」

22: 2023/05/01(月) 21:40:54.37 ID:Ok7vUct3.net
梢「ふぅ…良かったわ、元の鞘に戻ってくれて」

花帆「梢センパイがさやかちゃんに色々と説明してくれたんですね!」

梢「そうね……「乙宗梢でてこいやぁ!」って言いながら村野さんが鬼のような形相で部室に入った来た時は流石に何事かと思ったけれど」

花帆「あはは…さやかちゃんそこは予想通りだったんだ…」

梢「まぁ…でも…村野さんにも少し悪い事をしてしまったし、おあいこね」

花帆「?」

花帆「悪い事……ですか?」

23: 2023/05/01(月) 21:43:36.89 ID:Ok7vUct3.net
梢「え…えぇ…ちょ、ちょっとはしたない事だからあまり言いたくはないのだけれどね?」

梢「話を聞いて貰えるような状態じゃなかったから…その…」

梢「村野さんを投げ飛ばして…「鎮圧」してからお話を…」

梢「や、やっぱりはしたないし恥ずかしいわ!花帆さん!忘れてちょうだい!」

花帆「慌てて顔真っ赤にしてり梢センパイかわいい」(はい!わかりました!)

25: 2023/05/01(月) 21:48:23.37 ID:Ok7vUct3.net
梢「こ、こほん」

梢「と、とにかく、村野さんもきちんと話を聞いてくれて誤解も解けたし、これで解決ね」

花帆「ですね!」

梢「あら…そういえば、花帆さんは綴理から去年の話を聞いたのかしら?」

花帆「はい!あの、あたし!ついでにめちゃくちゃ重要な情報も聞きました!」

梢「あら、そんなに大切な情報?」

花帆「はい!それはもう!」


花帆「あの!梢センパイ!フリーなんですよね!」

27: 2023/05/01(月) 21:49:00.71 ID:Ok7vUct3.net
おしまい

さやが作ってくれたお弁当はボクが美味しくいただいたよ

28: 2023/05/01(月) 21:49:02.68 ID:4Y6g2yrB.net
まあ先輩相手に出てこいやぁは投げ飛ばされて当然ではある

29: 2023/05/01(月) 21:51:05.90 ID:Q3qf/tEO.net
素晴らしかったわ
どっちのカップルも初夜が目の前に迫っていて愛おしわね
ところで花帆さん達のその後の進展も気になるのだけれど

30: 2023/05/01(月) 21:51:11.27 ID:MfhB7lYF.net
そうね、やっぱり梢センパイは花帆さんと一緒になるのが良いと思うの

31: 2023/05/01(月) 22:04:59.44 ID:uIJ03k1F.net
オチがいいわね、こういうので良いのよ

34: 2023/05/01(月) 22:55:26.35 ID:qeWYUx44.net
力こそパワー…と言ったところかしら

引用元: 綴理「朝、起こしに来てくれたさやに「ありがとう、こず」って言っちゃった…」 花帆「修羅場じゃないですか」